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2015年受験対策 直前対策セミナー 記述式セミナー「ここが狙われる!」 行政書士講座 講座説明会 資料 資格大原

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2015年受験対策 直前対策セミナー

記述式セミナー「ここが狙われる!」

行政書士講座 講座説明会 資料

資格の大原 Ⅴ

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資格の大原 行政書士講座

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記述式セミナー「ここが狙われる!」

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はじめに

この資料(レジュメ)は、「行政書士 直前対策セミナー」の「記述式セミナー『ここが狙

われる!』」にて使用するものです。

まず、直前対策期という受験生の方々にとって重要な時期において、時間を割き「資格の

大原 行政書士講座」のセミナーにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

近年の行政書士試験において合格される方々には、ある特徴があります。それは、択一式

だけで合格基準を突破するのではなく、記述式もしっかり点数を取っているということです。

すなわち、合格される方々は、択一式だけでなく、記述式についてもしっかりと検討・対策

を行っているといえます。

今回、このセミナーにご参加いただいたということは、行政書士試験の記述式問題に対し

て、少なからぬ不安をお持ちのことと思います。

記述式問題は、択一式問題と異なり、与えられた問題文から自らの力によって解答に辿り

着かなければなりません。その点で、択一式とは違った視点から対策をしていく必要があり

ます。

しかしながら、記述式問題についてどのように分析し、検討し、解答を作成していくかと

いう手法(以下、「記述式問題の解法」とします)につき、確立することが難しいというの

が、多くの受験生の方々にとっての現状であると思われます。

そこで、今回のセミナーでは、以下の目的・方針に基づき展開していきたいと思います。

まず、①「記述式問題の解法」とは何かを明らかにしていきます。

次に、②行政書士試験において過去出題された問題(以下、「過去問」とします)を検討

することで、記述式問題の対策の内容を明らかにしていきます。

最後に、③今年度の試験において出題される可能性の高い論点を題材にした「予想問題」

を通じ、記述式問題の解法を確立していきます。

直前対策期は、全科目の総復習の時期であり、復習の方針や計画をしっかりと立てないと

うまく行かないことが多々あります。このセミナーが、皆さんの直前対策期を充実したもの

とすることに貢献することを願ってやみません。最後まで一緒に頑張っていきましょう。

資格の大原 行政書士講座

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資格の大原 行政書士講座

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目次 記述式セミナー「ここが狙われる!」

1 記述式問題の解法とは .................................... 1

1.はじめに

2.記述式問題の解法

3.練習問題 ~2013(平成25)年度問題45を題材に~

2 記述式問題の対策の内容 .................................12

1.はじめに

2.過去問検討 行政法編

3.過去問検討 民法編

3 記述式問題の解法の確立 .................................19

1.予想問題 行政法編

2.予想問題 民法編

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記述式セミナー「ここが狙われる!」

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1 記述式問題の解法とは

1 はじめに

まず「記述式問題の解法」につき明らかにしていきたい。

記述式問題は、ご存知の通り、過去問と同じものは当然出題されることはない。

そのため、どのような問題が出題されたとしても、自力で解答に辿り着くための手

法を習得しておかなければならない。これが「記述式問題の解法」であり、これを

訓練するのが記述式問題の対策である。

いくら問題演習を繰り返しても一向に解答を書くことができない原因のひとつ

は、ここにある。同じものが出題されることがない以上、その問題を書けるように

したとしても、それが本試験でも記述式問題の解答を書くことができるようになっ

たとはいえないのである。

したがって、まずは「記述式問題の解法」につき、内容の確認をしておく必要が

ある。

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2 記述式問題の解法

1.記述式問題の解答作成のプロセス 全体像

では、「記述式問題の解法」とはいかなるものなのか。まずは、その全体像を明

らかにしたい。

図1 記述式問題の解答作成のプロセス(全体像)

記述式問題の解答作成のプロセスは、大きく分けると3つの段階で構成されてい

る。「①問題文の分析・検討→②知識・キーワードの抽出→③解答の作成」である。

なお、記述式問題は、「民法」「行政法」の2科目で出題され、出題形式は異なる

ものの、解答作成のプロセス自体に違いはない。

以下より、それぞれの段階において行う作業につき、より詳細に解説をしていく

ことにする。

2.記述式問題の解答作成のプロセス 各論

(1) 「① 問題文の分析・検討」

記述式問題は、問われていることに対して解答をしなければならない。したが

って、まずは、その問題において何が問われているのかを正確に把握する必要が

ある。

そこで、最初の段階として、「問題文の分析・検討」を行う。「問題文の分析・

検討」の具体的な内容は、以下の通りである。

① 問題文の分析・検討

ア.問いかけの確認

イ.図の作成(関係性の整理)

② 知識・キーワードの抽出

ウ.知識を思い出す

③ 解答の作成

エ.完全解の作成

オ.下書き・字数調整

カ.清書

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記述式セミナー「ここが狙われる!」

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ア.問いかけの確認

まず、問いに対する答えを作成するには、問題文が何を問うているのかをき

ちんと把握しなければならない。

受験生の方のなかには、見たことのある知識が出題された場合、すぐさま解

答を記述しようとする方がいる。

しかし、それは大変危険なことである。その論点を、例えば模擬試験で解い

たことがあったとしても、本番と模擬試験とでは、通常まったく同じ問題で出

題されることはない。つまり、何らかの違いがあるはずである。そのような違

いを考慮せず解答作成をすれば、試験委員の問いたいことと、こちらの答えと

がずれてしまい、点数を取ることができなくなってしまう。

端的な問いをきちんと確認しよう。「問題文はよく読まなければならない。」

というのは、試験勉強においては大原則であるが、記述式試験では特に気にし

なければならない。

イ.図の作成(関係性の整理)

問題文が何を問うているのかを把握した後は、問題文の事情をよく読むこと

が必要になる。これは、特に民法の事例式の問題の際には重要な作業となる。

民法では、例えば、「誰に対して」という部分が、大切な場面が多い。制限

行為能力者制度における取引の相手方の催告権を思い出してもらいたい(民法

20条)。保護者に催告をした場合、期間内に確答がなければ追認したものとみ

なされるが(民法20条2項)、被保佐人に催告をした場合、期間内に確答がな

ければ取り消したものとみなされる(民法20条4項)。2009(平成21)年度問

題30肢アに出題された。

他にも、実際の出題として、2008(平成20)年度問題46(債権譲渡の対抗要

件)が挙げられよう。

以上のことから、「誰に対して」という部分が重要になることはおわかりい

ただけたかと思う。

しかし、もっと気をつけなければならないことがある。事例式問題は、「本

人」や「相手方」といった表現で必ず出るわけではなく、「A」や「B」とい

った表現で出てくることもあるということである。このとき、人物を取り違え

る可能性がある。

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そのようなケアレスミスを防ぐ手段のひとつが、図を書いてみるということ

である。つまり、図を書くことによって、登場人物の置かれている状況や、人

物間の関係性を把握することが容易になる。またその際、肩書き(例:本人、

未成年者、債権者)を付けておくと、問題文をより正確に読むクセをつけるこ

とが可能となる。

また、図を書くということは、ヒントを増やすことにもなる。つまり、普段

の講義で学んだ知識を思い出すきっかけのひとつになるのである。

このように、問題文の事情をよく読み図を書くことは、①ケアレスミスを防

止する、②ヒントを増やすことにつながるので、ぜひ試していただきたい。

(2) 「② 知識・キーワードの抽出」

ウ.知識を思い出す

いわゆる「キーワードの抽出」である。要件を問う問題であれば、要件を書

き出す。特定の人物がすべきことであれば、それを書き出す。その際、上記イ.

で作成した図などをもとに考えることも大切である。

気をつけてもらいたいのが、ここでいきなり解答を作ろうとしないことであ

る。なるべく作業を単純化したほうが、ケアレスミスは減る。そのため、ここ

では、どのようなことを書かなければならないかのみを考えればよい。解答を

作る作業は、この後に行う。

(3) ③ 解答の作成

エ.完全解の作成

上記ウ.でキーワードを抽出したら、後はこれらをひとつの文章にまとめる

作業に入っていく。ここで気を付けたいことは、字数は気にしないということ

である。字数は気にせず、完全解を目指して書く。

我々は、普段文章を作成する際、字数を気にすることはない。つまり、字数

を気にしつつ相手にきちんと通じる文章を作るという経験が、ほとんどない。

そのような慣れない作業は、ケアレスミスが発生したり、おかしな日本語解答

ができあがったりしかねない。よって、ここでは字数を気にせず書くのである。

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記述式セミナー「ここが狙われる!」

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オ.下書き・字数調整

上記エ.でひとつの文章にまとめたら、次に、字数の調整を行う。

もちろん、エ.の段階で、100字になってしまったという場合もあろう。そ

れはそれで構わない。100字になったとしても、日本語の表現自体は正しいの

だから、ちゃんと相手に伝わる。後は字数を削るのみでよいのだから、それほ

ど気にする必要はないというわけである。

カ.清書

内容や字数の調整が完了し、40字程度の解答が完成すれば、後は解答欄にそ

れを写すだけである。ここで注意して欲しいのが、写すことにのみ集中するこ

とである。せっかく作成した完全解も、解答欄にきちんと示さなければ、結局

0点である。誤字・脱字がないかを確認しつつ、全力で写していただきたい。

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~MEMO~

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3 練習問題 ~2013(平成25)年度問題45を題材に~

最後に、「記述式問題の解法」を用いて、過去問の検討を行いたい。解法を用い

ることにより、どのようにして解答に辿り着くのかを確認していただきたい。

(下書用)

Bは、Aに対して、

2013(平成25)年度問題45

Aは、Bに対し、Cの代理人であると偽り、Bとの間でCを売主とする売買契約(以

下、「本件契約」という。)を締結した。ところが、CはAの存在を知らなかったが、

このたびBがA・B間で締結された本件契約に基づいてCに対して履行を求めてきた

ので、Cは、Bからその経緯を聞き、はじめてAの存在を知るに至った。他方、Bは、

本件契約の締結時に、AをCの代理人であると信じ、また、そのように信じたことに

ついて過失はなかった。Bは、本件契約を取り消さずに、本件契約に基づいて、Aに

対して何らかの請求をしようと考えている。このような状況で、AがCの代理人であ

ることを証明することができないときに、Bは、Aに対して、どのような要件の下で

(どのようなことがなかったときにおいて)、どのような請求をすることができるか。

「Bは、Aに対して、」に続けて、下線部について、40字程度で記述しなさい(「Bは、

Aに対して、」は、40字程度の字数には入らない)。

10 15

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1.正解例

2.検討

① 問題文の分析・検討

ア.問いかけの確認

本問では、「下線部について、40字程度で記述しなさい」とある。

そのため、下線部の内容である「どのような要件の下で(どのようなことが

なかったときにおいて)、どのような請求をすることができるか」について記

述をすればよいことがわかる。

イ.図の作成(関係性の整理)

まず本問事案では、「Aは、Bに対し、Cの代理人であると偽り、Bとの間

でCを売主とする売買契約(以下、「本件契約」という。)を締結した」とある。

このことから、本問事案が無権代理に関するものであることや、Aが無権代理

人、Bが相手方、Cが本人であることがわかる。

次に、「ところが、CはAの存在を知らなかったが、……Cは、Bからその

経緯を聞き、はじめてAの存在を知るに至った。他方、Bは、本件契約の締結

時に、AをCの代理人であると信じ、また、そのように信じたことについて過

失はなかった」とある。このことから、本人Cが無権代理人Aに対し何らかの

代理権を付与した等の事情がないことや、相手方BはAが代理権を有しないこ

とについて善意無過失であることがわかる。

以上のような事情のもとで、「Bは、本件契約を取り消さずに、本件契約に

基づいて、Aに対して何らかの請求をしようと考えている」とある。このこと

から、本問は、無権代理の事案において、相手方Bが、無権代理人Aに対して、

どのような要件の下で(どのようなことがなかったときにおいて)、どのよう

な請求をすることができるかを書くべきことがわかる。

(正解例) 一般財団法人 行政書士試験研究センターより

① AがCの追認を得ることができなかったときは、履行又は損害賠償の請求をする

ことができる。(43字)

② Cの追認がなく、Aが制限行為能力者でなかったときは、履行又は損害賠償を請

求できる。(41字)

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なお、事案を検討した結果、本人Cが無権代理人Aに対し何らかの代理権を

付与した等の事情がないため、表見代理の成立はないことがこの時点でわかる

(民法109条、110条、112条参照)。

図2 2013(平成25)年度問題45 事案

② 知識・キーワードの抽出

ウ.知識を思い出す

・「どのような請求をすることができるか」について

民法によれば、「他人の代理人として契約をした者は、……相手方に対して

履行又は損害賠償の請求の責任を負う」とされている(民法117条1項)。

このことから、相手方Bは、無権代理人Aに対して、履行又は損害賠償の請

求をすることができることがわかる。

・「どのような要件の下で(どのようなことがなかったときにおいて)」について

相手方が無権代理人に対し責任追及をする場合、①本人の追認を得ることが

できなかったこと、②相手方が取消権を行使していないこと、③相手方が善意

無過失であること、④無権代理人が行為能力を有すること(制限行為能力者で

ないこと)、⑤無権代理人が自己の代理権を証明できなかったこと、という要

件を満たす必要がある(民法117条)。

無権代理行為

売買契約 A

無権代理人

本人

相手方

善意無過失

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本問事案の場合、検討の結果、②③の要件を満たしていることがわかる。ま

た、「AがCの代理人であることを証明することができないとき」とあること

から、⑤の要件を満たしていることもわかる。したがって、これらの要件につ

いて記述する必要はない。

よって、①本人の追認を得ることができなかったこと、④無権代理人が行為

能力を有すること(制限行為能力者でないこと)※、という要件を満たす必要

があることがわかる。

※ 要件④について

「一般財団法人 行政書士試験研究センター」の正解例には、要件④につき記述され

ていないものがある(正解例①)。これは、おそらく無権代理人の行為能力につき問題

文において特段話題に挙がっていないことが理由であると考えられる。

しかし、正解例として要件④につき記述されたものが発表されたことや、一般的な民

法の教科書においては要件④も検討対象とされている。

このことから、本レジュメにおいては、要件④も記述する必要があるものと判断した。

③ 解答の作成

エ.完全解の作成

上記ウ.にて抽出した知識・キーワードをもとにして完全解を作成すると、

以下のようになる。

※ アンダーラインは、上記ウ.で用いた知識・キーワードをどの部分で使用しているかを

示している。

ここで目指すものは完全解のため、登場人物や対象の取り違い(例:相手方

Bでなく、相手方Aと書いていないか?目的物を間違えていないか?)は、こ

の段階で確認しておく。

(完全解)

相手方Bは、本人Cの追認を得ることができなかったことと無権代理人Aが制限行

為能力者でないことという要件の下で、本件契約の履行又は損害賠償の請求をするこ

とができる。(81字)

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オ.下書き・字数調整

上記エ.の完全解は81字なので、これを40字程度の文章にする必要がある。

本問の場合、「相手方」「本人」「無権代理人」という肩書きは、解答を作成

するにあたり便宜上付けたものであるから、不要である。

また「Cの追認を得ることができなかったことと」を「Cの追認を得られず、」

に、「Aが制限行為能力者でないことという要件の下で」を「Aが制限行為能

力者でなければ、」にする。

最後に「Bは、」の部分は、問題文と重複していることから削除する。「の請

求をすることができる」を「を請求できる」にする。

カ.清書

完成した解答を、解答用紙に書き写す。

(字数調整後①)

相手方Bは、本人Cの追認を得ることができなかったことと無権代理人Aが制限行

為能力者でないことという要件の下で、本件契約の履行又は損害賠償の請求をするこ

とができる。(71字)

(字数調整後②)

Bは、Cの追認を得られず、Aが制限行為能力者でなければ、本件契約の履行又は

損害賠償の請求をすることができる。(54字)

(字数調整後③)

Bは、Cの追認を得られず、Aが制限行為能力者でなければ、本件契約の履行又は

損害賠償を請求できる。(45字)

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2 記述式問題の対策の内容

1 はじめに

「記述式問題の解法」は、以上の通りである。次に、「記述式問題の対策」につ

き明らかにしていく。

「記述式問題の対策」とは、大きく分けると2つの柱で構成されている。

1つは、ここまでで解説してきた「記述式問題の解法」を、問題を解く際に自在

に使いこなせるように練習をしていくことである。解法を使いこなす練習のため、

実際の問題にあたって行う必要がある。記述式問題の対策における問題演習は、こ

の点を鍛えるために行う。

もう1つは、記述式問題を解答することができるだけのレベルに、知識の精度を

高めることである。すなわち、記憶の正確性を高めることである。この点は、記述

式問題を解くことを通じてやろうとすると、効率が悪いため、普段のテキストや六

法を用いたインプットの機会に意識して行う必要がある。

では、記述式問題の解答のために、知識の精度をどのように高めればよいのか。

以下でこの点を明らかにしていくことにする。

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2 過去問検討 行政法編

1.出題実績

まず、行政法の出題実績を確認することにする。以下の図表をご覧いただきたい。

図3 出題実績 記述式(行政法)

年度 分野 論点 問いかけ

平成18年度 行訴 訴訟要件

(原告適格)

…裁判所は、どのような理由で、どのよ

うな判決をすることとなるか。

平成19年度 行手

申請に対する処分

(申請に対する審査、

応答)

…A県公安委員会には、その申請への対

応として、どのような選択が認められて

いるか。

平成20年度 行訴 義務付け訴訟

(申請型)

…Xは、誰を被告として、いかなる種類

の訴訟を提起すべきか。

平成21年度 行訴 判決

(判決の効力)

…外務大臣は、判決のどのような効力に

より、どのような対応を義務づけられる

か。

平成22年度 行訴 判決

(事情判決)

…裁判所による判決は、どのような内容

の主文となり、また、このような判決は

何と呼ばれるか。

平成23年度 法理論 行政強制

(即時強制)

…その行為形式は、どのような名称で呼

ばれ、どのような内容のものと説明され

ているか。

平成24年度 行訴 訴訟類型

(形式的当事者訴訟)

…Xは、だれを被告として、どのような

訴訟を提起すべきか。また、このような

訴訟を行政法学において何と呼ぶか。

平成25年度 行訴 訴訟要件

(狭義の訴えの利益)

…この場合、①建築確認の法的効果がど

のようなものであるため、②工事完了が

Bの訴えの訴訟要件にどのような影響を

与え、③どのような判決が下されること

になるか。

平成26年度 地自法 公の施設

指定管理者制度

…地方自治法は何と呼び、また、…どの

機関によりどのような形式で決定される

か。さらに、…何と呼ばれるか。

2.出題の傾向

① 行政事件訴訟法からの出題が最も多い

「分野」を見ると、行訴(行政事件訴訟法)からの出題が最も多いことがわか

る(過去9回のうち、6回は行訴からの出題である)。次に、法理論(行政法の

一般的な法理論)と行手(行政手続法)、地自法(地方自治法)から1問ずつ出

題されている。他方で、行審(行政不服審査法)、国賠(国家賠償法)からの出

題は、未だない。

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したがって、行政法の記述式問題対策は、①行訴、②法理論・行手・地自法、

③行審・国賠、という順番で行っていくことになろう。

② 要件を問うものは少ない

行政法と民法の「問いかけ」を比較するとわかるが、行政法の場合、「要件」

を問うのではなく、「どのような判決」や「どのような選択」、「何と呼ばれてい

るか」ということを問うている。「要件」に関するものとしては、平成 18 年と平

成 25 年の「訴訟要件」くらいである。

したがって、行政法の記述式問題対策は、「制度の名称」や「制度の内容」を

学習することから始めなければならないことがわかる。それらが終わってから、

各制度の「要件」の学習に進むことになろう。

③ 択一式問題において出題実績のあるものが出題されることが多い

図4 出題実績 択一式と記述式の関係(行政法編)

年度 記述式 前年までの択一式出題実績

平成22 判決(事情判決) 平成 20 年度問題 18 肢 1・2

平成23 行政強制(即時強制) 平成 16 年度問題 10 肢オ

平成24 訴訟類型(形式的当事者訴訟) 平成 19年度問題 18肢 1、平成 22年度問題 16肢イ、

平成 23 年度問題 16

平成25 訴訟要件(狭義の訴えの利益) 平成 20 年度問題 17 肢 1

平成26 公の施設、指定管理者制度 平成 22 年度問題 21 肢 2・4、平成 23 年度問題 23

このように、行政法の記述式問題は、択一式問題において出題実績のあるもの

を出題することが多いという特徴がある。

したがって、行政法の記述式問題対策は、択一式問題において出題実績のある

ものから始めなければならないことがわかる。ただし、平成 21 年のように出題

実績のないものを出題するということがあるので、次はここの学習に進むことに

なろう。

3.まとめ

出題の傾向 対策

① 行政事件訴訟法からの出題が最も多い ①行訴、②法理論・行手・地自法、③行審・国

賠、という順番で学習していく

② 要件を問うものが少ない 「制度の名称」や「制度の内容」を学習することか

ら始める

③ 択一式問題において出題実績のあるもの

が出題されることが多い

択一式問題において出題実績のあるものから学

習を始めていく

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3 過去問検討 民法編

1.出題実績

まず、民法の出題実績を確認することにする。以下の図表をご覧いただきたい。

図5 出題実績 記述式(民法)

年度/問題番号 分野 論点 問いかけ

平成

18年度

問45 債権 売買

(手付)

…買主は、どのような要件のもとであれば、

売買契約を解除することができるか。

問46 物権 抵当権

(物上代位)

…Aは、どのような要件のもとであれば、この

損害賠償請求権に対して抵当権の効力を

及ぼすことができるか。

平成

19年度

問45 債権 不法行為

(正当防衛)

…この場合、Cに対する損害賠償責任をB

が負わないためには、どのような要件を満た

す必要があるか。

問46 債権 債務不履行

(金銭債務の特則)

…それでは、この点のほか、金銭債務の特

則二つを、「金銭債務の不履行の損害賠償

については、」に続けて、…記述しなさい。

平成

20年度

問45 債権 賃貸借

(信頼関係の法理)

…賃貸人による解除が認められない場合が

ある。それはどのような場合かについて、…

記述しなさい。

問46 債権 債権譲渡

(対抗要件)

…では、その理由について、「なぜならば、

民法の規定によれば、指名債権の譲渡

は、」に続けて、…記述しなさい。

平成

21年度

問45 債権 保証(求償)

…Xは、Yに対して、どのような権利につい

て、どのような契約に基づき、どのような請求

をすることができるか。

問46 物権 物権変動

(177条の「第三者」)

次の【設問】を読み、【答え】の中の〔 〕に適

切な文章を…記述して、設問に関する解答

を完成させなさい。

平成

22年度

問45 債権 弁済による代位

(求償)

…Cは、Dを相手にして、どのような権利の確

保のために、どのような手続きを経た上で、

どのような権利を行使することができるか。

問46 債権 相殺(相殺の禁止)

以下の【相談】に対して、〔 〕の中に適切な

文章を…記述して補い、最高裁判所の判例

を踏まえた【回答】を完成させなさい。

平成

23年度

問45 物権 抵当権

(抵当権の消滅事由)

…そのほかに、抵当権が消滅する場合を二

つ、…記述しなさい。

問46 総則

債権

代理

(表見代理)

不法行為

(使用者責任)

…Xは、どのような根拠に基づき、いかなる請

求をすればよいか。

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年度/問題番号 分野 論点 問いかけ

平成

24年度

問45 債権 保証

(検索の抗弁権)

…Cは、Aの請求に対し、どのようなことを証

明すれば弁済を拒むことができるか。

問46 相続 遺留分

(遺留分減殺請求)

…〔 〕の中に、どのような請求によって、何に

ついて遺言を失効させるかを…記述しなさ

い。

平成

25年度

問45 総則

代理

(無権代理人への責任

追及)

…Bは、Aに対して、どのような要件の下で

(どのようなことがなかったときにおいて)、ど

のような請求をすることができるか。

問46 物権 動産物権変動

(即時取得)

…Aは、Dに対し指輪の返還を請求すること

ができるか否かについて、必要な、または関

係する要件に言及して、…記述しなさい。

平成

26年度

問45 債権 詐害行為取消権

…この場合において、Aの他の債権者Xは、

自己の債権を保全するために、どのような権

利に基づき、誰を相手として、どのような対

応をとればよいか。…記述しなさい。

問46 債権 担保責任

…解除にあたって、本件契約時に甲土地の

所有権がXに属しないことについて、Yが悪

意のときは、どのようなことをし、Yが善意のと

きは、それに加えてどのようなことをすればよ

いか。…記述しなさい…。

2.出題の傾向

① 債権からの出題が多い

「分野」を見ると、債権からの出題が最も多いことがわかる(過去9回(18問)

のうち、11.5問(11年問題46は0.5問とした)は債権からの出題である)。次に、

物権から4問、総則から1.5問、相続から1問出題されている。親族からの出題

は、未だない。

したがって、民法の記述式問題対策は、①債権、②物権、③総則、④親族・相

続という順番で行っていくことになろう。

② 要件を問うものが多い

民法の場合、行政法と比べると、「要件」を問うものが多い。それも、単に「要

件」を覚えていればよいというのではなく、覚えた「要件」を与えられた事案の

中において用いなければならない。

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したがって、民法の記述式問題対策は、「要件」を学習することから始めなけ

ればならず、しかもそれを事案のなかにおいて用いる練習をしなければならない

ことがわかる。

③ 択一式問題における出題実績との関係は乏しい

図6 出題実績 択一式と記述式の関係(民法編)

年度 記述式 前年までの択一式出題実績

平成22 弁済による代位(求償)

相殺(相殺の禁止) -

平成23 抵当権(抵当権の消滅事由)

代理と不法行為

平成 16 年度問題 27 肢 3(抵当権の消滅請求)

平成24 保証(検索の抗弁権)

遺留分(遺留分減殺請求)

平成 17 年度問題 29(遺留分減殺請求)

平成25

代理(無権代理人への責任追及)

動産物権変動(即時取得)

平成 17 年度問題 27 肢 4・平成 20 年度問題 28 肢 2

(無権代理人への責任追及)、平成 19 年度問題 29

肢 5(動産物権変動(即時取得))

平成26 詐害行為取消権

担保責任(民法 562 条)

平成 24 年度問題 31 肢 2(民法 562 条1項)

このように、民法の記述式問題は行政法のそれと異なり、択一式問題における

出題実績とは関係なく出題されるという特徴がある。上記図表を見ると、いくつ

か出題実績がある論点もあるが、例えば「平成 24 年の遺留分減殺請求」であれ

ば、平成 17 年の択一式において「遺留分減殺請求」を問うているが、記述式問

題で問われたものと行政法ほど一致しているわけではない。

したがって、民法の記述式問題対策の場合、択一式問題においての出題実績は

それほどあてにならない。過去問だけを学習していればよいというわけでは、決

してないということもお分かりになるであろう。

なお、この点が、民法の場合、他資格試験の出題実績も検討しなければならな

い理由である。

3.まとめ

出題の傾向 対策

① 債権からの出題が最も多い ①債権、②物権、③総則、④親族・相続という順

番で学習を進めていく

② 要件を問うものが多い 「要件」そのものを覚えるだけでなく、覚えた「要

件」を事例のなかで用いる練習をする

③ 択一式問題における出題実績との関係は

乏しい

過去問のみならず他資格試験における出題実績

も踏まえ、学習を進めていく

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~MEMO~

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3 記述式問題の解法の確立

※ 以下では、今年の行政書士試験において出題可能性の高い論点を扱った予想問題を、出

題形式を含め予想をしたうえで、掲載している。ただし、ここに掲載されているものが予

想論点のすべてではなく、他のものに関しては「記述演習」にて用いる冊子や解説講義に

て扱うことを予定している。

1 予想問題 行政法編

(下書用)

予想問題1

行政行為の効果を制限したり、特別な義務を課すため、主たる意思表示に付される

従たる意思表示を附款というが、附款を付すことができるのはどのような場合か。40

字程度で記述しなさい。

10 15

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1.正解例

(正解例)

法令に明文の定めがある場合、又は本体である行政行為に裁量が認められている場合。(39

字)

2.解説

(1) 問題文の検討

本問では、「附款を付すことができるのはどのような場合か」とあり、「主たる

意思表示に付される従たる意思表示」である附款は、いかなる場合において付す

ことができるのかを書けばよいことがわかる。

(2) 行政行為の附款について

附款を付すことができるのは、次の場合に限られ、自由に附款を付すことはで

きないとされている。

① 法令に附款を付すことができる旨の明文の定めがある場合

② 本体である行政行為に裁量が認められている場合

3.参照

条文 なし

関連過去問 平成24年度問題10、平成26年度問題8

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関連知識 行政行為の附款

1 意義

行政行為の附款とは、行政行為の効果を制限したり、特別な義務を課したりする

ため、主たる意思表示(例:自動車運転免許)に付される行政庁の従たる意思表示

(例:×年×月×日まで有効)をいう。

2 種類

定義 備考

条件

行政行為の効果を発生不確実な将来の

事実にかからせる意思表示をいう。

例:「道路工事が始まったら」道路の通行

を禁止する

その事実の発生によって効果が発生する

ものを「停止条件」、効果が消滅するもの

を「解除条件」という。

期限

行政行為の効果を発生確実な将来の事

実にかからせる意思表示をいう。

例:「1月1日から」河川の占用を許可する

当該事実の発生により効果が発生するも

のを「始期」、効果が消滅するものを「終

期」という。

負担

相手方に特別の義務を命ずるものをい

う。

例:河川占用許可にあたり「占用料の納

付を命ずる」

負担によって特別の義務が命じられてい

る場合、相手方がその義務に従わないと

しても、その本体である行政行為の効力

が当然に失われるわけではない(例:占用

料の納付義務を履行しなくても、河川占

用許可の効力が当然に失われるものでは

ない)。

相手方が負担に従わないときは、行政庁

は、負担の履行を強制したり、本体である

許認可を撤回したりする等、改めて別の

措置を講じる必要がある。

撤回(取消)

権の留保

許認可等の行政行為をするにあたって、

これを撤回する(取り消す)権利を留保す

る旨の意思表示を付加するものをいう。

例:河川占用許可にあたり「河川工事等

の理由により行政庁が必要と認めたとき

は、占用許可を取り消す場合がある」旨の

附款を付す

行政行為に撤回権の留保が付されている

場合であっても、行政庁は、無制限にそ

の行政行為を撤回することはできない。

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(下書用)

予想問題2

A県知事は、A県内で宅地建物取引業法に基づく免許を受けて営業している宅地建

物取引業者Bが、同法所定の免許取消事由に該当するとして、書面でBの免許を取り

消す処分をした。この場合、行政手続法14条によれば、当該処分の理由を示さないで

処分をすべき差し迫った必要があるときは、A県知事は、当該理由の提示についてど

のような義務を負うか。40字程度で記述しなさい。なお、「当該名あて人の所在が判明

しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるとき」に

は該当しないものとする。

10 15

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1.正解例

(正解例)

A県知事は、Bに対し、処分後相当の期間内に、書面で当該処分の理由を示さなければなら

ない。(44字)

2.解説

(1) 問題文の検討

本問では、「行政手続法14条によれば、当該処分の理由を示さないで処分をす

べき差し迫った必要があるときは、A県知事は、当該理由の提示についてどのよ

うな義務を負うか」とある。このことから、当該処分の理由の提示に関するA県

知事の義務について書けばよいことがわかる。

(2) 不利益処分の理由の提示

行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、原則として、同

時に、当該不利益処分の理由を示さなければならないとされている(行政手続法

14条1項)。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある

場合は、当該不利益処分の理由を示す必要はない(行政手続法14条1項)。

この場合、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において

理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の

理由を示さなければならない(行政手続法14条2項)。

不利益処分を書面でするときは、理由は、書面により示さなければならない(行

政手続法14条3項)。

3.参照

条文 行政手続法14条

関連過去問 平成23年度問題11(参考:平成25年度問題11肢5、平成26年度問題11肢4)

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関連知識 不利益処分

1 処分基準の設定・公表

処分基準とは、不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかに

ついてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう(行政手続

法2条八号ハ)。

基準の設定が技術的に難しい場合がある、基準の公表により脱法行為を助長する

可能性がある等の理由により、処分基準の設定・公表は、努力義務とされている。

2 不利益処分をする場合の手続

(1) 原則

行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、以下の区分に従い、当該不利益

処分の名あて人となるべき者について、意見陳述のための手続を執らなければなら

ない(行政手続法 13 条1項)。

意見陳述手続 事由

聴聞

① 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき

② ①に規定するもののほか、名あて人の資格又は地位を直接に

はく奪する不利益処分をしようとするとき

名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる

不利益処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる

不利益処分又は名あて人の会員である者の除名を命ずる不

利益処分をしようとするとき

④ ①から③までに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相

当と認めるとき

弁明の機会の付与 上記①から④までのいずれにも該当しないとき

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(2) 例外

次のいずれかに該当するときは、意見陳述手続を省略することができる。

① 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を

執ることができないとき

法令上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずするこ

ととされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又

は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により

直接証明されたものをしようとするとき

施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて遵

守すべき事項が法令において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該

基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であって

その不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとする

とき

④ 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消し

その他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき

当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽微なものであるため名

あて人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものとして政令で定める処分をしようと

するとき

3 不利益処分の理由の提示

(1) 理由の提示の時期

不利益処分をする場合、原則として処分と同時に理由を提示する必要がある(行

政手続法 14 条1項)。

理由を提示しないで処分をすべき差し迫った必要がある場合、例外的に同時に理

由を提示する必要はない(行政手続法 14 条1項)。この場合、名あて人の所在が判

明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があると

きを除き、処分後相当の期間内に理由を提示する必要がある(行政手続法 14 条2

項)。

(2) 理由の提示の方法

不利益処分を書面でするときは、理由も書面で提示しなければならない。処分を

口頭で行うときは、理由を書面で提示する必要はない(行政手続法 14 条3項)。

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(下書用)

予想問題3

Aは、行政書士試験に合格後、B県内で行政書士として業務を行おうと考え、日本

行政書士会連合会に対し、B県行政書士会を経由して、行政書士の登録の申請をした

が、当該登録を拒否された。日本行政書士会連合会は、本来であれば、総務大臣に対

して審査請求をすることができる旨をAに教示すべきところ、誤って審査庁でないC

行政庁を審査庁として教示し、Aが、C行政庁に書面で審査請求をしたため、C行政

庁は、審査請求書の正本及び副本を日本行政書士会連合会に送付し、かつ、その旨を

Aに通知した。この場合、行政不服審査法18条2項によれば、日本行政書士会連合会

は、どのような義務を負うか。「日本行政書士会連合会は、」に続けて、40字程度で記

述しなさい。なお、「日本行政書士会連合会は、」は、字数に算入しない。

(参考)

日本行政書士会連合会は、前項の規定による登録の申請を受けた場合において、当該申請者が行

政書士となる資格を有し、かつ、次の各号に該当しない者であると認めたときは行政書士名簿に

登録し、当該申請者が行政書士となる資格を有せず、又は次の各号の一に該当する者であると認

めたときは登録を拒否しなければならない。この場合において、登録を拒否しようとするときは、

第18条の4に規定する資格審査会の議決に基づいてしなければならない(行政書士法6条の2第

2項)。

一 心身の故障により行政書士の業務を行うことができない者

二 行政書士の信用又は品位を害するおそれがある者その他行政書士の職責に照らし行政書士

としての適格性を欠く者

前条第2項の規定により登録を拒否された者は、当該処分に不服があるときは、総務大臣に対し

て行政不服審査法による審査請求をすることができる(行政書士法6条の3第1項)。

10 15

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1.正解例

(正解例)

すみやかに、審査請求書の正本を総務大臣に送付し、かつ、その旨をAに通知しなければな

らない。(45字)

2.解説

(1) 問題文の検討

本問では、「行政不服審査法18条2項によれば、日本行政書士会連合会は、ど

のような義務を負うか」とある。このことから、本問の場合における日本行政書

士会連合会が負っている義務の内容を書けばよいことがわかる。

(2) 誤った教示をした場合の救済

誤った審査庁が教示され、教示された行政庁に書面で審査請求があった場合、

当該行政庁は、次の義務を負う。なお、本問の場合、「教示された行政庁(審査

庁と誤って示された行政庁)」に該当するのが、C行政庁である。C行政庁は、

すでにこれらの義務を果たしている。

① 審査請求書の正本及び副本を処分庁又は審査庁に送付すること。

② ①の旨を審査請求人に通知すること。

これによって処分庁に審査請求書の正本及び副本が送付されたときは、処分庁

は、次の義務を負う。本問の場合、「処分庁」に該当するのが、日本行政書士会

連合会である。したがって、日本行政書士会連合会は、次の①②の義務を負うこ

とになる。

① 審査請求書の正本を審査庁に送付すること。

② ①の旨を審査請求人に通知すること。

3.参照

条文 行政不服審査法18条

関連過去問 平成13年度問題16、平成16年度問題38、平成26年度問題15

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関連知識 教示

1 はじめに

(1) 意義

国民が不服申立ての制度を十分活用できるよう、行政不服審査法では、「不服申

立ての対象となる処分かどうか」「どの行政庁に対して、いつまで不服申立てが可

能なのか」等の事項について、処分の相手方・利害関係人に知らせる制度(教示制

度)を設けている。

(2) 教示義務の免除

不服申立制度は国民の権利利益の救済を目的とするものなので、地方公共団体等

に対する処分のうち、当該公共団体が固有の資格において処分の相手方となるもの

については、教示制度が適用されない(行政不服審査法57条4項)。

2 内容

(1) 処分の相手方に対する教示

不服申立てをすることができる処分を書面でする場合、相手方に対し、次の事項

を書面で教示することが義務付けられる。行政不服審査法以外の法令に基づく不服

申立てについても、本条により教示が義務付けられる(行政不服審査法57条1項)。

① 不服申立てをすることができる旨

② 不服申立てをすべき行政庁

③ 不服申立期間

不服申立てをすることができない処分をする場合や処分を口頭でする場合は、教

示義務は生じない。

(2) 利害関係人に対する教示

利害関係人から求めがあった場合、不服申立てをすることができる処分かどうか、

口頭による処分かどうかを問わず、利害関係人に対し、次の事項を教示することが

義務付けられる(行政不服審査法57条2項)。

① 不服申立てをすることができる処分かどうか

② 不服申立てをすべき行政庁

③ 不服申立期間

(3) 教示の方法

教示の方法は、原則として書面でも口頭でもよいが、書面による教示の求めがあ

ったときは、書面で教示することが義務付けられる(行政不服審査法57条3項)。

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3 誤った教示をした場合の救済

場合 救済の仕方

審査庁を誤った場合

(法18条)

審査請求をすることが

できる処分(異議申立

てをすることもできる処

分を除く。)につき、処

分庁が誤って審査庁で

ない行政庁を審査庁と

して教示した場合

その教示された行政庁に書面で審査請求

がされたときは、当該行政庁は、すみや

かに、審査請求書の正本及び副本を処分

庁又は審査庁に送付し、かつ、その旨を

審査請求人に通知しなければならない

処分庁に審査請求書の正本及び副本が送

付されたときは、処分庁は、すみやかに、

その正本を審査庁に送付し、かつ、その

旨を審査請求人に通知しなければならな

審査請求書の正本又は異議申立書若しく

は異議申立録取書が審査庁に送付された

ときは、はじめから審査庁に審査請求が

されたものとみなす

不服申立期間を誤った

場合(法19条、48条、56

条)

処分庁が誤って法定

の期間よりも長い期間

を不服申立期間として

教示した場合

その教示された期間内に不服申立てがされたとき

は、当該不服申立ては、法定の不服申立期間内

にされたものとみなされる。

不服申立ての種類等を

誤った場合(法46条)

異議申立てをすること

ができる処分につき、

処分庁が誤って審査

請求をすることができ

る旨を教示した場合

(審査請求をすることも

できる処分につき、処

分庁が誤って審査庁で

ない行政庁を審査庁と

して教示した場合を含

む)

その教示された行政庁に書面で審査請求

がなされたときは、当該行政庁は、すみ

やかに、審査請求書を当該処分庁に送付

し、かつ、その旨を審査請求人に通知し

なければならない

審査請求書が処分庁に送付されたとき

は、はじめから処分庁に異議申立てがさ

れたものとみなす

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(下書用)

予想問題4

Aは、交通事故を起こしてB県公安委員会から自動車の運転免許取消処分を受けた

が、当該処分は事実誤認に基づくものであるとして、当該処分の取消しの訴えを提起

した。また、当該訴えを本案として、当該処分の効力の執行停止を求めた。この場合、

行政事件訴訟法25条4項によれば、執行停止をすることができないのは、B県が、何

を疎明した場合か。40字程度で記述しなさい。

10 15

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1.正解例

(正解例)

公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあること、又は本案について理由がないとみえる

こと。(44字)

2.解説

(1) 問題文の検討

本問の場合、「行政事件訴訟法25条4項によれば、執行停止をすることができ

ないのは、B県が、何を疎明した場合か」とある。このことから、B県が疎明す

ることにより、執行停止をすることができなくなるのかについて書けばよいこと

がわかる。

(2) 執行停止

処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続

の続行により生ずる①重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所

は、申立てにより、決定をもって、執行停止(処分の効力、処分の執行又は手続

の続行の全部又は一部の停止)をすることができる(行政事件訴訟法 25 条2項)。

ただし、②公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は③本案につ

いて理由がないとみえるときは、執行停止はすることができない(行政事件訴訟

法 25 条4項)。

これらの決定は、疎明に基づいてすることとされている(行政事件訴訟法 25

条5項)。

①は積極要件とされており、申立人が疎明責任を負う。

他方、②③は消極要件とされており、被申立人が疎明責任を負う。B県は「被

申立人」であることから、②③を書けばよい(なお、「又は」とあることから、

消極要件の場合、いずれか一方の要件が疎明されたときは、執行停止をすること

ができなくなる)。

3.参照

条文 行政事件訴訟法25~29条

関連過去問 平成21年度問題17

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関連知識 仮の救済

執行停止 仮の義務付け 仮の差止め

積極要件※

処分、処分の執行又は手

続の続行により生ずる重

大な損害を避けるため緊

急の必要があること

①処分又は裁決がされな

いことにより生ずる償う

ことのできない損害を避

けるため緊急の必要があ

ること

かつ

②本案について理由があ

るとみえること

①処分又は裁決がされる

ことにより生ずる償うこ

とのできない損害を避け

るため緊急の必要がある

こと

かつ

②本案について理由があ

るとみえること

消極要件※

①公共の福祉に重大な影

響を及ぼすおそれがある

こと

又は

②本案について理由がな

いとみえること

公共の福祉に重大な影響

を及ぼすおそれがあるこ

公共の福祉に重大な影響

を及ぼすおそれがあるこ

※ 積極要件とは申立人が主張・疎明すべき事項であり、消極要件とは被申立人が主張・疎

明すべき事項である。

「疎明」とは、相当程度の蓋然性が認められれば、ある事項を裁判所が認定することが

できるものとする概念である。「証明」よりも緩やかなものであるとされている。なお、

疎明は、即時に取り調べることができる証拠によってしなければならない(行政事件訴訟

法7条、民事訴訟法 188 条)。

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2 予想問題 民法編

(下書用)

予想問題1

Xは、Yとの間で、Y所有の絵画の修復について請負契約を締結し、その絵画の修

復を完了させた。しかし、期日になっても修復に係る代金の支払を受けていない。そ

の後、Xは、Yから「美術館から出品の依頼があったので、絵画を一旦返還してほし

い」という請求を受けた。この場合、Xは、代金の支払を受けるまでは、Yに対して

2つの権利を主張し、絵画の返還を拒否することができる。また、それらの権利を行

使する意思が訴訟上表明された場合、裁判所は、Y敗訴の判決ではなく、X・Y双方

に対して債務の履行を命じる判決を出すことになる。Xはどのような権利を主張する

ことができ、また、裁判所が出す判決は何と呼ばれるか。40字程度で記述しなさい。

10 15

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1.正解例

(正解例)

Xは留置権又は同時履行の抗弁権を主張することができ、引換給付判決と呼ばれる。(38字)

2.解説

(1) 問題文の検討

本問の場合、「Xはどのような権利を主張することができ、また、裁判所が出

す判決は何と呼ばれるか」とある。このことから、本問では、①Xが主張するこ

とができる権利、②権利を行使する意思が訴訟上表明された場合に、裁判所が出

す判決の名称、を書けばよいことがわかる。

(2) Xが主張することができる権利

まず本問では、「Xは、Yとの間で、……請負契約を締結し、その絵画の修復

を完了させた。しかし、期日になっても修復に係る代金の支払を受けていない」

とある。請負契約における報酬の支払と目的物の引渡しとは同時履行の関係にあ

るとされている(民法633条、大判大正5.11.27)。したがって、本問の事案では、

Xは、代金の支払を受けるまでは、Yに対して同時履行の抗弁権を主張し、絵画

の返還を拒否することができる(民法533条)。

また、Xの報酬請求権は、「その物(絵画)に関して生じた債権」にあたり、

絵画と報酬請求権の間には牽連性が認められる。したがって、Xは、代金の支払

を受けるまでは、Yに対して留置権を主張し、絵画の返還を拒否することができ

る(民法295条)。

よって、本問の場合、Xは、Yに対して、留置権と同時履行の抗弁権を主張す

ることができる。

(3) 判決の名称

物の引渡請求に対して留置権が主張された場合や、債務の履行の請求に対して

同時履行の抗弁権が主張された場合には、原告敗訴の判決ではなく、原告の債務

の履行と引換に被告に債務の履行を命ずる判決が出される(最判昭和33.3.13、

大判明治44.12.11)。この判決は、引換給付判決と呼ばれる。

3.参照

条文 民法295条、533条、633条

関連過去問 平成25年度問題29

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関連知識 引換給付判決

1 意義

引換給付判決とは、債務の履行の請求に関する訴訟における原告の債務の履行と

引換えに被告に債務の履行を命ずる判決をいう。

債務の履行の請求に対して同時履行の抗弁権が主張されたときは、原告の請求を

棄却する(原告敗訴の判決)のではなく、引換給付判決が出される(大判明治

44.12.11)。

物の引渡請求に対して留置権が主張されたときも、同時履行の抗弁権の場合と同

様、引換給付判決が出される(最判昭和33.3.13)。

2 留置権と同時履行の抗弁権の比較

留置権 同時履行の抗弁権

内容 物の引渡拒絶 契約における履行拒絶

対第三者 主張○ 主張×

可分性 なし あり

担保の供与による消滅※ あり なし

目的物の占有喪失 消滅する 消滅しない

※ 可分性・担保提供による消滅

例えば、A所有の商品100個についてA・B間で代金を100万円とする売買契約が締結さ

れたが、支払期日を過ぎても、買主Bは代金の半額(50万円)しか支払をしていない。こ

の場合、売主Aは、買主Bからの商品の引渡請求に対して、同時履行の抗弁権を主張し、

商品100個のうち50個の引渡しを拒絶することができるが、100個すべての引渡しを拒絶す

ることはできない(可分性)。

なお、留置権には不可分性があるため、売主Aは、買主Bからの商品の引渡請求に対し

て、留置権を主張し、商品100個すべての引渡しを拒絶することができる。

これに対し、買主Bは、売主Aの承諾を得て代わりの担保を提供することで、Aの留置

権を消滅させ、商品100個を引き渡してもらうことができる(担保の供与による留置権の

消滅)。

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(下書用)

予想問題2

賃借人は、不動産賃借権を妨害する第三者に対して、所有者の妨害排除請求権を代

位行使することができ、また、目的物を占有していれば、占有訴権を行使することが

できるが、このほか、どのような要件のもとであれば、どのような民法上の権利を行

使することができるか。40字程度で記述しなさい。

10 15

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1.正解例

(正解例)

賃借権の対抗要件を備えていれば、賃借権に基づく妨害排除請求権を行使することができ

る。(42字)

2.解説

(1) 問題文の検討

本問の場合、「賃借人は、……どのような要件のもとであれば、どのような民

法上の権利を行使することができるか」とある。このことから、賃借人が行使す

ることができる民法上の権利と、その際求められる要件を書けばよいことがわか

る。

また、どのような権利を検討すればよいかというと、「賃借人は、不動産賃借

権を妨害する第三者に対して、……このほか、どのような要件のもとであれば、

……」とあることから、不動産賃借権を妨害する第三者に対して行使する権利で、

本問で挙げられている権利以外のものを挙げればよいこともわかる。

(2) 賃借権を妨害する第三者を排除する手段

賃借人は、次のいずれかにより、賃借権を妨害する第三者を排除することがで

きる。

賃借権に基づく妨害排除請求権

賃借人が不動産賃借権の対抗要件を備えている場合には、不

法占有者に対して、賃借権に基づく妨害排除請求権を行使する

ことができる(最判昭和30.4.5)。

占有訴権 賃借人が目的物を占有している場合には、賃借権を妨害する第

三者に対して、占有訴権を行使することができる(民法197条)。

債権者代位権の転用

賃借人は、賃借権を妨害する第三者に対して、所有者(賃貸人)

の妨害排除請求権を代位行使することができる(大判昭和

4.12.16)。

本問の場合、「占有訴権」「債権者代位権の転用」は既に挙げられていることか

ら、「賃借権に基づく妨害排除請求権」について書けばよい。

3.参照

条文 なし

関連過去問 平成17年度問題27、平成20年度問題30

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関連知識 賃借権を妨害する第三者を排除する手段 債権者代位権の転用

賃借人は、賃貸人の妨害排除請求権を代位行使することができ、この場合、債務者

(賃貸人)が無資力である必要はない(大判昭和4.12.16)。

例えば、Aは、B所有の甲土地を賃借しているが、甲土地をCが不法占有している。

この場合、賃借人A(債権者)は、賃貸人B(債務者)に代わって、BのC(不法

占有者)に対する妨害排除請求権を行使することができる。

図7 賃借権を妨害する第三者を排除する手段 債権者代位権の転用

妨害排除請求権

賃借人

賃貸人

不法占有者

賃借権

Aは、Bに代わって、

BのCに対する妨害排除請求権を行使できる

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(下書用)

予想問題3

未成年者Aが、友人Bと遊んでいる際、故意にBに重傷を負わせた。Aが責任無能

力者であり、その責任を負わない場合、Aを監督する法定の義務を負う親権者Cは、

AがBに加えた損害を賠償する責任を負う。では、Cがこの責任を免れるのは、どの

ようなときか。40字程度で記述しなさい。

10 15

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1.正解例

(正解例)

Cがその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったと

き。(43字)

2.解説

(1) 問題文の検討

本問では、「Cがこの責任を免れるのは、どのようなときか」とある。このこ

とから、Cが負う本問の責任を免れるときを書けばよいことがわかる。

また、「この責任」とは、「Aが責任無能力者であり、その責任を負わない場合、

Aを監督する法定の義務を負う親権者Cは、AがBに加えた損害を賠償する責任」

を指している。このことから、Cが負う責任とは監督者責任(民法714条)であ

り、この責任をCが負わないときを書けばよいことがわかる。

(2) 監督者責任

責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督す

る法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責

任を負うことになる。

ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなく

ても損害が生ずべきであったときは、この責任を免れることになる(民法 714 条

1項)。

3.参照

条文 民法714条

関連過去問 平成21年度問題34

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関連知識 監督者責任

1 意義

責任無能力者が責任を負わない場合、次の要件を満たすときは、監督義務者(例:

親権者、後見人)・代理監督者(例:保育士、小学校の教員)が損害賠償責任を負

う(監督者責任 民法 714 条)。

① 加害者の行為が一般不法行為(民法 709 条)の要件(責任能力を除く)を満た

していること

② 監督義務者・代理監督者による免責の立証がないこと

なお、一般不法行為(民法 709 条)の場合と異なり、被害者側が、加害行為につ

いて、監督義務者等に故意又は過失があることを立証する必要はない。

例えば、責任能力のない子供Bが、故意に友人Aに重傷を負わせた。

この場合、加害者Bの親権者C(監督義務者)は、監督義務を怠らなかったこと

等を立証しない限り、被害者Aに対して、損害賠償責任を負う。

図8 監督者責任

×709条による

賠償請求

親権者

加害者

被害者

責任能力なし

○714条による

賠償請求

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2 未成年者が責任能力を有する場合

未成年者が責任能力を有する場合、監督義務者の義務違反と未成年者の不法行為

によって生じた結果との間に相当因果関係を認めることができるときは、一般不法

行為(民法 709 条)を根拠に監督義務者の責任が認められる(最判昭和 49.3.22)。

ただし、親権者の未成年者に対して及ぼし得る影響力が限定的で、かつ親権者に

おいて未成年者が不法行為をなすことを予測し得る事情がないとき(例:間もなく

成人に達する年齢にあり、すでにいくつかの職歴を有し、親権者の下を離れて生活

したこともあった)は、親権者は、被害者に対して不法行為責任を負わない(最判

平成 18.2.24)。

3 失火による責任

責任無能力者による失火にも失火責任法※が適用される。

ただし、重過失の有無は、責任無能力者についてではなく、監督義務者の監督に

ついて考慮され、監督義務者は、責任無能力者の監督について重過失がないことを

立証すれば、責任を免れる(最判平成7.1.24)。

※ 失火ノ責任ニ関スル法律

民法第709条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタル

トキハ此ノ限ニ在ラス

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(下書用)

予想問題4

次の文章は、親子関係に関する相談者と回答者の会話である。民法上、相談者が提

起すべきとされている訴訟及び期間の制限について、40字程度で記述しなさい。

相談者 「私は、現在Aと婚姻関係にあります。結婚してから3年後にAが子Bを出

産しました。しかし、私は、Aが懐胎した当時Aと不和であり、Bは私の子で

はないと考えています。私は、Bが私の子であることを否定することができま

すか。」

回答者 「AがBを出産した時期からして、民法上、原則としてBはあなたの子供で

あるという推定を受けます。あなたがその推定を覆すためには、一定の期間内

に訴えを提起する必要があるとされていますが、調停前置主義がとられている

ので、この期間内に家庭裁判所に対して調停を申し立てることになります。」

10 15

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1.正解例

(正解例)

嫡出否認の訴えを、Bの出生を知った時から1年以内に提起しなければならない。(37字)

2.解説

(1) 問題文の検討

本問では、「民法上、相談者が提起すべきとされている訴訟及び期間の制限に

ついて、40字程度で記述しなさい。」とあることから、民法上相談者が提起すべ

きとされている訴訟と、それに設定されている期間制限を書けばよいことがわか

る。

(2) 「相談者」の相談内容について

そこで、本問における「相談者」の相談内容を見ることにする。

相談者の相談内容は、「私は、現在Aと婚姻関係にあります。結婚してから3

年後にAが子Bを出産しました。しかし、私は、Aが懐胎した当時Aと不和であ

り、Bは、私の子ではないと考えています。私は、Bが私の子であることを否定

することができますか。」というものである。

まず、相談者と婚姻関係にあるAが子Bを出産したことから、子Bは相談者の

嫡出子であるとの推定を受ける(民法772条1項)。

民法772条(嫡出の推定)

① 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

② 婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以

内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

本問事案の場合、「結婚してから3年後にAが子Bを出産しました」とあるこ

とから、「妻が婚姻中に懐胎した子」であるとして、夫(相談者)の子と推定さ

れた状態であることがわかる(嫡出推定)。

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このように、嫡出推定の及ぶ子との間の親子関係を否定するために民法上用意

されている訴訟は、「嫡出否認の訴え」である(民法774条、775条)。

民法774条(嫡出の否認)

第772条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。

民法775条(嫡出否認の訴え)

前条の規定による否認権は、子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。親

権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。

次に、嫡出否認の訴えの期間制限であるが、民法は以下のように規定している

(民法777条)。

民法777条(嫡出否認の訴えの出訴期間)

嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならない。

3.参照

条文 民法772条、774条、775条、776条、777条、778条

関連過去問 平成14年問題30、平成22年問題34

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関連知識 嫡出の推定

1 意義

(1) 夫の子と推定される子

妻が婚姻中に懐胎した子は、出産の時期にかかわらず(出産が離婚後であっても)、

原則として、夫の子と推定される(民法772条1項)。

(2) 婚姻中に懐胎したものと推定される子

「婚姻成立の日から200日後」に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定さ

れるため、原則として、夫の子と推定される。

また、「離婚・婚姻取消しの日から300日以内」に生まれた子は、婚姻中に懐胎し

たものと推定されるため、原則として、前の夫の子と推定される(民法772条2項)。

図9 嫡出の推定 民法772条2項について

2 嫡出の推定との関係で問題となる場合

(1) 推定されない嫡出子

内縁中に懐胎し、婚姻成立の日から200日以内に生まれた子は、嫡出推定を受け

ない。しかし、判例は、嫡出子として取り扱うとしている(大連判昭和15.1.23)。

このような子を推定されない嫡出子という。

(2) 推定の及ばない子

長期間の別居等、夫であった者により懐胎することが物理的に不可能な場合、た

とえ民法772条の定める期間内に生まれた子(例:離婚から300日以内に生まれた子)

であっても、判例は嫡出推定が及ばないとしている(最判昭和44.5.29、最判平成

10.8.31)。

このような子を推定の及ばない子という。

この間に出生した子は、

嫡出推定を受ける

婚姻成立 200日後 離婚・婚姻取消し 300日以内

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(3) 前婚の嫡出推定と後婚の嫡出推定の重複が生じている場合

民法733条1項が定める再婚禁止期間の規定に違反した婚姻がなされた場合、前

婚の嫡出推定と後婚の嫡出推定の重複が生じる。このような場合に、裁判所が子の

父を決定するために父を定める訴えが規定されている(民法773条)。

図10 推定されない嫡出子・推定の及ばない子について

3 親子関係を争う手段

嫡出否認の訴え 親子関係不存在

確認の訴え 強制認知

問題となる子 推定される嫡出子 推定の及ばない子、

推定されない嫡出子等 非嫡出子

提訴権者 夫(例外あり) 利害関係人 子・直系卑属又はこれら

の者の法定代理人

相手方

子又は親権を行う母(親

権を行う母がいないとき

は特別代理人)

当事者(死亡している場

合は検察官)

父又は母(死亡している

場合は検察官)※

期間制限

夫が子の出生を知った

時から1年以内(夫が子

の出生後に嫡出を承認

したときも提起できなくな

る)

なし 父又は母の死亡の日か

ら3年以内

※ 強制認知の場合、母子関係は、母の認知がなくても、分娩の事実により当然に発生する。

200日後

嫡出推定あり

婚姻成立 離婚・婚姻取消し 300日以内

嫡出推定なし

推定されない嫡出子 例外 推定の及ばない子

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