豊島区みどりの基本計画 - toshima...2 1.計画策定の考え方 1-1 計画の目的...

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2 2 8 8 3 3 (表紙別にあり) 平成 28 年 3 月 豊島区

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豊豊島島区区みみどどりりのの基基本本計計画画 <<平平成成 2288 年年 33 月月見見直直しし>>

(表紙別にあり)

平成 28 年 3 月

豊島区

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目 次

1.計画策定の考え方 ................................................ 1

1-1 計画の目的 ................................................... 2

1-2 計画の位置付け ............................................... 3

1-3 計画の対象範囲 ................................................ 4

1-4 計画の期間 ................................................... 4

2.豊島区のみどりの現状と課題 ...................................... 5

2-1 豊島区の現状 ................................................. 6

2-2 みどりの現状 ................................................ 12

2-3 みどりを取りまく課題 ........................................ 17

2-4 改定の視点 .................................................. 20

3.みどりの将来像と基本目標 ....................................... 21

3-1 基本理念 .................................................... 22

3-2 みどりの将来像 .............................................. 24

3-3 計画の目標水準 .............................................. 25

4.計画推進に向けた施策 ........................................... 29

4-1 施策体系の概要 .............................................. 30

4-2 施策の内容 .................................................. 32

1.みどりのネットワークをつくる ............................. 32

2.日常生活でふれあえるみどりを広げる ....................... 40

3.みどりをみんなでつくり・育て・考える ..................... 50

4.拠点となるみどりを増やす ................................. 57

5.地域の人々に愛され、親しまれる公園を育てる ............... 62

5.地域別方針 ..................................................... 65

5-1 駒込地域 .................................................... 66

5-2 巣鴨・西巣鴨地域 ............................................ 68

5-3 大塚地域 .................................................... 70

5-4 池袋本町・上池袋地域 ........................................ 72

5-5 池袋東地域 .................................................. 74

5-6 池袋西地域 .................................................. 76

5-7 雑司が谷地域 ................................................ 78

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5-8 高田地域 .................................................... 80

5-9 目白地域 .................................................... 82

5-10 高松・要町・千川地域 ....................................... 84

5-11 長崎・千早地域 ............................................. 86

5-12 南長崎地域 ................................................. 88

6.計画推進の方策 ................................................. 91

6-1 区民・事業者・区の役割 ...................................... 92

6-2 施策推進のスケジュール ...................................... 94

資料編 ............................................................. 97

1 施策の進捗状況(平成 23 年度から平成 27 年度末まで) ........... 98

2 用語の説明 .................................................. 115

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1.計画策定の考え方

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1.計画策定の考え方

1-1 計画の目的

みどりの基本計画は都市緑地法に基づいて、区の特性と独自性を活かした、緑

地の保全と緑化の推進について定めたみどりの総合的な計画です。

豊島区では平成 4 年 11 月に「豊島区みどりと広場の基本計画」を策定しまし

た。その後、平成 6 年の都市緑地保全法の改正による「緑の基本計画」制度の創

設に伴い、平成 13 年 3 月に法定計画として「豊島区みどりと広場の基本計画」を

策定、平成 23 年 3 月に「豊島区みどりの基本計画」を策定し、みどりのまちづく

りに取り組んできました。

計画策定から 5 年が経過し、今後予想される少子高齢化の進展に伴う公園緑地

のあり方、地球温暖化の問題、都市の防災性の確保、都市景観のあり方、生物多様

性の保全、幅広い市民参加によるまちづくりなど、都市のみどりにさまざまな要素

が求められるようになりました。

計画の改定では、 新の区内のみどりの現況を踏まえ、社会情勢や都市環境の

変化、区民の生活やニーズの変化を考慮し、日本一の高密都市である豊島区として

独自の緑化環境を整備し、誰もが快適に過ごせる都市づくりを目指した緑化を推進

することを目的とします。

豊島区全域の航空写真

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1-2 計画の位置付け

「豊島区みどりの基本計画」は、区全体の政策分野を対象とした「豊島区基本

構想」および「豊島区基本計画」における環境分野(みどりのネットワークを形成

する環境のまち)を実現するための計画です。

また、目指すべき都市像を実現するための街づくりの基本方針である「豊島区

都市づくりビジョン」と整合を図るとともに、良好な景観を形成するための「豊島

区景観計画」や環境保全に関する総合的計画である「豊島区環境基本計画」との連

携を図りました。

都市づくり方針を具体化する計画

・豊島区景観計画(2016(H28).3)

・豊島区環境基本計画(2014(H26).3)

・豊島区地域防災計画 など

分野別計画

都市緑地法(2004(H16))

豊島区みどりの基本計画

豊島区都市づくりビジョン (2015(H27).3)

豊島区基本構想(2015(H27).3)豊島区基本計画(2016(H28).3)

整合

東京都の計画 ・緑の東京計画

・みどりの新戦略ガイドライン

・都市計画公園・緑地の整備方針

・緑の東京 10 年プロジェクト

・環境軸ガイドライン

・緑確保の総合的な方針 など

連携整合

整合

連携連携

図 1 みどりの基本計画の位置付け

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1-3 計画の対象範囲

緑を保全し創出していくためには、公有地・民有地を問わず、あらゆる空間で

緑化を推進していくことが必要です。このため、本計画は豊島区全域を計画の対象

区域とし、公園、道路、学校をはじめとする公共施設と民有地でのあらゆる緑化可

能空間で緑化の推進を図り、計画の策定を行います。

1-4 計画の期間

本計画の期間は、平成 23 年度(2011 年度)から平成 32 年度(2020 年度)

までの 10 年間とし、今回の改定は、事業の進捗状況、上位・関連計画の動向など

を踏まえ、中間見直しをするものです。

なお、公園整備の計画については、長期的な視野にたち区政施行 100 周年(平

成 44 年)を目標の期間として位置付けました。

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2.豊島区のみどりの現状と課題

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2.豊島区のみどりの現状と課題

2-1 豊島区の現状

1.地形・地質

豊島区は、北を荒川、南を多摩川に挟まれた武蔵野台地の東端に位置し、谷戸川

(谷田川)、神田川、弦巻川、谷端川などの流れによって削られた台地と複雑な谷

が織りなす変化のある地形です。

特に、神田川の北側や現在では水の流れを見ることができない駒込地域の北側に

あった谷戸川周辺に坂道が多くあります。

台地面は関東ローム層と呼ばれる自然堆積した火山灰土で覆われており、比較的

強度が期待できる安定した地盤です。一方で、台地部が小さい河川などによって削

られてできた谷底低地には、台地を形成していた土砂が再堆積した土や有機質土

(腐植土)などが分布し、台地面と比較して軟弱な地盤であると考えられています。

資料:「基盤地図情報数値標高モデル(国土地理院)」より作成

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2.気象

豊島区の平均気温は 15~16℃程度であり、年間降水量は、1,300~2,000mm

程度となっています。

平成 26 年における本区の気象状況は、年平均気温 15.4℃、年間降水量

1,740.0mm となっています。

表 1 気象状況

図 2 年平均気温及び降水量の推移 図 3 平成 26 年の月平均気温及び降水量の推移

資料:気象庁 観測地点:練馬

0

500

1000

1500

2000

2500

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26

年間降水量(mm) 平均気温(℃)

℃ mm

0.0

100.0

200.0

300.0

400.0

500.0

600.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

降水量(mm) 平均気温(℃)

mm

平均 最高 最低

平成17年 15.5 20.3 11.5 0.7 1,456.0

平成18年 15.7 20.1 11.5 0.8 1,990.0

平成19年 16.3 21.0 12.1 0.7 1,344.0

平成20年 15.7 20.5 12.3 0.7 1,807.0

平成21年 16.1 20.6 12.0 0.7 1,655.5

平成22年 16.3 21.3 12.3 0.6 1,747.5

平成23年 15.9 20.8 12.3 0.7 1,553.5

平成24年 15.5 20.2 11.7 0.8 1,556.0

平成25年 15.8 20.9 11.5 0.2 1,527.5

平成26年 15.4 20.4 11.3 1.6 1,740.0

平成26年

1月 4.4 10.0 -0.4 2.0 160.0

2月 4.5 9.1 0.6 2.6 127.5

3月 9.2 14.6 4.4 2.3 119.0

4月 14.0 20.1 8.9 1.7 117.5

5月 19.5 25.5 14.4 1.6 91.5

6月 22.6 27.2 19.1 1.1 485.5

7月 26.1 30.8 22.5 1.1 121.5

8月 27.0 31.4 23.6 1.4 81.0

9月 22.1 26.5 18.5 1.3 97.0

10月 17.7 22.5 14.2 1.4 336.5

11月 12.4 16.4 8.8 1.5 87.5

12月 5.7 10.3 1.2 1.6 59.5

資料:気象庁観測地点:練馬

年月気温(℃) 平均風速

(m/s)降水量(㎜)

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3.人口動態

豊島区の人口は、平成 27 年 1 月現在で約 27 万 6 千人です。人口密度は、23

区内でも高い水準で推移し、近年は中野区を上回り、平成 27 年 1 月現在で 211.8

人/ha と全国一となっています。

今後の人口見通しは、5 年後に 28 万 6 千人、10 年後に 29 万 2 千人へと、

平成 30 年代以降も人口の増加傾向が続くことが予測されます。しかし、それ以降

は、東京が人口減少社会へと移行するのにあわせて、本区においても人口減少へと

向かうと考えられています。

豊島区の人口動態をみると、自然動態では出生が死亡を上回る自然増を示してお

り、特に平成 23 年から平成 25 年までは毎年 4,000 人以上の増加となっていま

すが、平成 26 年では約 2,600 人と平成 20 年頃の自然増と同等となっています。

社会動態では、転出が転入を上回る社会減となっており、平成 25 年には約

1,200 人の社会減となりましたが、平成 26 年には約 400 人の減少に止まってい

ます。

-2000

-1000

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26

(人)

自然増 社会増

資料:豊島区未来戦略推進プラン 2016

図 4 人口の推移 図 5 各区の人口密度の推移

図 6 人口動態の推移

資料:住民基本台帳

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4.土地利用

豊島区の総面積に占める土地利用の構成は、公共系が37.0%、住宅系が49.0%、

商業系が 7.8%、工業系が 1.6%となっています。商業施設や事務所は池袋駅を中

心とした副都心区域に多く、鉄道駅周辺、幹線道路沿道及び旧街道沿いにも分布し、

複合的な土地利用が多くを占めているのが特徴です。

官公署 10.7 0.8学校等 87.2 6.7文化施設 2.7 0.2社寺等 16.9 1.3厚生医療施設 13.4 1.0供給処理施設 5.0 0.4公園等 48.0 3.7道路・鉄道 296.3 22.8河川等 1.6 0.1

計 481.8 37.0戸建住宅 275.9 21.2併用住宅 75.8 5.8集合住宅 285.5 21.9

計 637.2 49.0事務所 58.9 4.5商業施設 24.8 1.9宿泊遊興施設 10.6 0.8スポー ツ興行施設 6.6 0.5

計 100.9 7.8工場 5.1 0.4倉庫等 16.1 1.2

計 21.2 1.6その他 60.0 4.6

1,301.1 100.0

公共系

住宅系

商業系

業系

区全体

割合(%)

土地利用総面積(ha)

0.8%

6.7%

0.2% 1.3%1.0%

0.4%

3.7%

22.8%

0.1%21.2%

5.8%

21.9%

4.5%

1.9% 0.8%

0.5% 0.4%1.2%

4.6%

官公署

学校等

文化施設

社寺等

厚生医療施設

供給処理施設

公園等

道路・鉄道

河川等

戸建住宅

併用住宅

集合住宅

事務所

商業施設

宿泊遊興施設

スポーツ興行施設

工場

倉庫等

その他

土地利用面積1,301.0ha

表 2 土地利用現況

図 7 土地利用別構成

資料:H23 都市計画基礎調査

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図 8 土地利用現況図

資料:平成 23 年度土地利用現況調査より作成

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5.景観

都市化が進んだ本区においても、染井霊園及び雑司ヶ谷霊園の周辺をはじめ多く

の寺社があるほか、文化財や都電荒川線などがあり、歴史と文化、景観などの資源

が分布しています。

人為的な影響が少なく自然状態を保つ樹林は、学習院大学の西側と南側の斜面に

唯一残っています。また、東部地域や神田川付近の高低差がある南部地域では坂道

が多く存在します。

また、池袋駅周辺は、東京北西部のターミナル拠点として、区内 大の商業地を

形成し、大規模百貨店や東京芸術劇場が立地し、サンシャインシティとその周辺ま

での広域にわたって、商業、業務、文化・芸術、情報などの多彩な都市機能が集積

し、副都心を形成しています。これらの商業施設や公共施設などを結ぶ主要な通り

は、買い物や遊興などで訪れた多くの人々が行き交い、にぎわいを見せています。

その中でも、駅前のグリーン大通りや劇場通りは、区を代表する並木道として親し

まれています。

図 9 地域資源分布

この地形図は東京都都市整備局と(株)ミッドマップ東京が著作権を有しています(承認番号) MMT 利許第 27069 号-71

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2-2 みどりの現状

1.緑被現況

平成 27 年に行った緑被現況調査では、区内の緑被面積は 167.2ha で緑被率

は 12.9%でした。

昭和 49 年からの推移では平成 9 年までは緑被全体が減少していましたが、平

成 16 年以降は増加しています。開発時における緑化指導による新たな緑地整備や

既存樹木が大きく育ったこともあります。また、平成 9 年調査までは 10 ㎡以上(水

準Ⅱ)の緑被を調査対象としていましたが、平成 16 年からは 1 ㎡以上(水準Ⅰ)

を対象とすることが可能となり、街路樹、住宅地の庭木、集合住宅や事業所の植え

込みなどの小規模な緑被をカウントできるようになったことも大きな要素のひと

つです。平成 21 年から平成 27 年の推移では、緑被率は 12.9%と変わりません

が、樹木被覆地が減少しています。

表 3 緑被等の面積と割合

図 2 緑被等の構成

図 10 緑被の推移

樹木被覆地

11.4%草地

1.1%屋上緑化

0.4%裸地

1.7%

水面

0.1%

人工構造物被覆地

1110.8ha(85.4%)

緑被地 167.2ha(12.9%)

人工構造物被覆地以外190.2ha(14.6%)

10.6 10.211.3

10.111.3 11.8 11.4

5.14.3

1.2

0.7

0.90.8 1.10.3 0.3 0.4

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

昭和49年 昭和57年 平成3年 平成9年 平成16年 平成21年 平成27年

(%)

樹木被覆率 草地率 屋上緑化率15.7

14.5

12.5

10.8

12.4 12.9

水準Ⅱ(アナログ空中写真) 水準Ⅰ(デジタル空中写真)

12.9

面積(ha) 構成比(%)

190.2 14.6

167.2 12.9

樹木被覆地 147.9 11.4

草地 14.1 1.1

屋上緑化 5.2 0.4

22.1 1.7

0.9 0.1

1,110.8 85.4

1,301.0 100.0合 計

項 目

人工構造物被覆地以外

緑被地

裸地

水面

人工構造物被覆地

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主な緑被地は東部の染井霊園付近、南部の学習院大学と雑司ヶ谷霊園付近に分布

しています。また大規模な屋上緑化が池袋駅周辺に分布していることが分かります。

また、池袋駅、大塚駅、巣鴨駅周辺は緑被の分布が非常に少ないですが、一方で

住宅地を中心に小規模な緑被が多く分布していることが分かります。このように大

規模な緑地の他にも、住宅地等の庭木等も重要なみどりとなっています。

図 11 緑被分布図

図 12 町丁目別緑被率

この地形図は東京都都市整備局と(株)ミッドマップ東京が著作権を有しています(承認番号) MMT 利許第 27069 号-71

池袋駅

巣鴨駅

大塚駅

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豊島区の用途地域の構成は、住居系が62.2%、商業系が33.7%、工業系が4.1%

です。緑被地の用途地域別割合をみると、住居系の占める割合は 77.2%、商業系

が 18.8%、工業系が 4.0%となっています。庭木のみどりや接道部緑化が緑被率

の向上に寄与していることが分かります。

屋上緑化は集合住宅を中心に 2,106 箇所、5.2ha が確認できました。ほとんど

の屋上緑化が小規模なものですが、サンシャインシティや区役所新庁舎には大規模

な屋上緑化が整備されています。

用途地域面積の構成 用途地域別の緑被地面積の構成

図 13 用途地域別の面積構成

図 14 屋上緑化分布図

第一種低層住居

専用地域12.0%

第一種中高層住

居専用地域50.2%

第二種中高層住

居専用地域0.0%

第一種住居地域14.4%

第二種住居地域0.6%

近隣商業地域6.7%

商業地域12.1%

準工業地域4.0%

緑被地面積167.2ha

第一種低層住居

専用地域8.9%

第一種中高層住

居専用地域37.9%

第二種中高層住

居専用地域0.0%

第一種住居地域14.9%第二種住居地域

0.5%

近隣商業地域11.1%

商業地域22.6%

準工業地域4.1%

用途地域面積1,301.0ha

この地形図は東京都都市整備局と(株)ミッドマップ東京が著作権を有しています(承認番号) MMT 利許第 27069 号-71

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2.公園緑地の整備

平成 27 年 4 月 1 日時点の公園整備状況は、都市公園が 87 箇所、約 17.9ha、

その他の公園が 78 箇所、約 3.4ha で、合計では 165 箇所、約 21.3ha です。

平成 22 年からは新たに都市公園 3 箇所、その他要綱上の公園 3 箇所を整備し、

公園整備量は少しずつですが増加しています。

※1 人当たり面積算出の人口には外国人登録者を含む。

表 4 公園の現況と推移

図 15 公園等の現況配置図 この地形図は東京都都市整備局と(株)ミッドマップ東京が著作権を有しています

(承認番号) MMT 利許第 27069 号-71

2015/4/1現在

公園 60 136,914.93 0.52 85 174,281.29 0.63

区民の森 2 4,700.26 0.02 2 4,700.26 0.02

都市公園 計 62 141,615.19 0.54 87 178,981.55 0.65

庭園 1 2,842.73 0.01 1 2,842.73 0.01

児童遊園 90 41,305.77 0.16 66 24,330.80 0.09

仮児童遊園 8 2,048.84 0.01 8 2,048.84 0.01

その他 3 4,484.98 0.02

その他の公園 計 99 46,197.34 0.17 78 33,707.35 0.12

161 187,812.53 0.71 165 212,688.90 0.77

小広場 23 4,114.55 0.02 21 2,979.82 0.01

まちづくり広場 計 23 4,114.55 0.02 21 2,979.82 0.01

184 191,927.08 0.73 186 215,668.72 0.78公園等総合計

備考

公園等合計

平成22年4月1日時点

公園区分

平成27年4月1日時点

箇所面積(㎡)

1人当たり

面積

(㎡/人)

1人当たり

面積

(㎡/人)

面積(㎡)

箇所

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16

3.自然環境の現況

(1)緑地の現況

区内のほとんどは市街化されており、規模の大きな緑地は、学習院大学、雑司ヶ

谷霊園、染井霊園などに限られます。学習院大学内のスダジイ林は、都内でも希少

な自然林です。また、区民の森(目白の森、池袋の森)なども規模は小さいですが

貴重な緑地・水辺となっています。雑司ヶ谷霊園には、小規模ですが区内では貴重

な草地が点在しています。一方、住宅地を中心に小規模な緑被が多く分布しており、

住宅地等の庭木も重要なみどりとなっています。

(2)生きものの状況

平成 24 年度に実施した区内の主な緑地における現地調査では、マヤラン、コカ

ブトムシ、ツミなどの希少種も確認されています。学習院大学、雑司ヶ谷霊園は樹

林性鳥類の生息環境として機能していると考えられています。昆虫類は樹林性の種

が主に学習院大学で、草地性の種が主に雑司ヶ谷霊園で確認されました。しかし、

過去の文献と比較すると、雑木林や湿性環境、草地環境などに生育する種が減少し

ており、そうした生きものの生息・生育に適した環境も減少していることがうかが

えます。

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2-3 みどりを取りまく課題

ネットワークとなるみどりづくり

個別のみどりの果たす機能には限界があります。しかし、庭先やベランダな

どの身近なみどり、都市の骨格となる幹線道路の街路樹、学校、霊園など拠点

となる大きなみどりが結ばれ連続性が生まれることで、みどりの果たす機能が

より発揮されていきます。

みどりのネットワークを構成する要素は、街路樹や河川沿いの並木のような

帯状のみどりの他、点在する緑地によるつながりも重要となります。そのため、

従来通り幹線道路整備事業により街路樹によるネットワーク化を進めていく

とともに、建築計画等による新たな緑地を整備する際は、周辺のみどりとのつ

ながりを考慮して、ネットワークを形成することが重要です。

また、みどりをつなげるだけではなく生物の生息・生育空間を広げるために、

ビオトープネットワークを充実させるための検討や、みどりに係わる人の繋が

りを形成していくための人のネットワークの仕組みづくりを検討することが

必要です。

環境問題や防災性に配慮したみどりづくり

環境問題に対する区民の関心が高まっているなか、ヒートアイランド現象、

ゲリラ豪雨等の都市気象に関する問題などが、日常生活においても問題視され

ています。特にヒートアイランド現象に代表される都市の熱環境の変化は、熱

中症など健康にも深刻な問題を引き起こしています。みどりを増やすことで、

緑陰の形成や植物の蒸発散作用によって低温域が形成されるなどの熱環境の

改善が期待されます。

また、みどりは生物が生息・生育するための基盤であり、みどりの基盤を増

やすことが生物多様性の向上につながります。みどりがあることにより、生活

に安らぎを感じるなどの情緒的効果もあります。

さらに、公園・緑地等のオープンスペースは災害時の防災拠点として重要な

役割を担っています。豊島区基本計画策定のための区民意識調査(平成 27 年

3 月)においても、災害時にも有効な比較的大規模な公園の整備を望む声が 4

割以上と高くなっています。

現在、本区には、大規模なオープンスペースを有する防災公園はありません

が、跡地活用による防災機能を備えた公園の整備、避難所指定の学校のみどり

による防災性の向上、周辺区との連携、不燃化事業との連携によるみどりによ

る防災性の向上を検討する必要があります。

このような多様な効果を生み出す都市のみどりを保全・創出していくことが

必要です。

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身近なみどりを広げる

豊島区基本計画策定のための区民意識調査(平成 27 年 3 月)では、街路

樹や生垣などの身近なみどりづくりへの要望が3割と高いものの、現状の評価

は低くなっています。みどりに対する区民満足度を向上させるためには、日常

生活の中でふれあえる身近なみどりを増やしていくことが必要です。身近なみ

どりは公園のみどりだけではなく、住宅地の庭木や生垣、道路の街路樹、学校

等の施設の樹木、商店街のプランター緑化など、様々なみどりがあります。そ

のため身近なみどりを増やすための制度や支援、みどりに親しむための講習な

ど、みどりを広げるための基盤づくりが重要です。

公共施設においても屋上緑化、壁面緑化など多様な緑化手法を用いて、都市

の中の新たな自然環境の創出を率先して行い、豊島区独自の緑化環境を整備・

維持管理していくことが必要です。

区民協働によるみどりづくり

区内のみどりの多くは民有地にあり、良好なみどり環境を維持・拡充してい

くためには区民との協働が不可欠です。民有地の屋上・接道緑化に対する支援

と、開発や建築行為における緑化計画によるみどりの確保を積極的に進める必

要があります。

また、まちづくりにおいては、コミュニティ形成が重要になってきており、

公園や校庭芝生化等の地域のみどり資源の維持管理においても住民参加の仕

組みが必要となります。そのため、みどりが持つ環境形成の必要性を区民・事

業者等に広く啓発活動を行い、地域でみどりを管理・保全する仕組みを作って

いくことが重要です。

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拠点となるみどりの維持保全

区内には大規模公園が少ないことから、公共施設等跡地活用による公園整備、

都立霊園の公園化を検討してきました。しかし都市化が非常に進んでいる豊島

区においては、新規に大規模公園の整備を行っていくことは、財政上からも非

常に困難です。そのため、区民要望、地域の実情等に基づき、公共施設等跡地

利用の公園化について十分な検討を行い、計画的な公園整備を行う必要があり

ます。

また、区内には公園以外にも古くから残るまとまった樹林地が存在していま

す。これらのみどりは都市環境の改善効果のほか、豊島区の地域性や歴史性を

残す自然環境資源としても貴重なものであり、良好な状態で次世代へ引き継い

でいく必要があります。

地域に愛され親しまれる公園にする

豊島区は通勤、通学者等の流入人口が多いことが特徴です。そのため、公園

利用者は地域住民だけではなく多くの来訪者も利用している状況です。公園の

維持管理では近隣住民を中心にした公園ボランティアによる清掃活動も行わ

れている一方で、利用方法についての苦情も多くなっています。公園が迷惑施

設とならないように、地域住民だけではなく事業者や学生など多くの意見を取

り入れた利用マナーの検討や、多くの人が参加する維持管理活動を行うことで、

公園が地域の多様な利用により活発な活動の場となることが必要です。

また、本区では平成 26 年 3 月に「豊島区公園施設長寿命化計画」を策定

しました。公園の管理、活用において、公園施設長寿命化計画に基づき、計画

的に維持管理を行うとともに、地域団体との連携を推進し、地域コミュニティ

の拠点とすることが重要です。

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2-4 改定の視点

広域と地域からの視点による構成

改定前の計画は、豊島区全体の方針を示したものでした。計画改定において

は、地区別の方針を追加し、地域特性に応じたみどりづくりの展開を図ること

としました。

地域区分は「豊島区都市づくりビジョン」と同様の 12 地域とし、地域特性

やみどりの資源を活かした、きめ細やかな計画でみどりのまちづくりを進める

こととします。

区計画の改定との整合

区では、 上位計画である基本構想を平成 27 年 3 月に改定し、「未来へ ひ

びきあう、人 まち・としま」を将来像として掲げています。これを受けて、

豊島区都市づくりビジョン(平成 27 年 3 月策定)では、都市づくりの基本理

念を「次世代が誇れる文化と魅力を備えた都市の創造」と定めています。その

ため、みどりのまちづくりの観点から、上位計画の将来像の実現に向けて必要

な施策を見直しました。

なお、平成 26 年 3 月には「豊島区環境基本計画」が改定され、平成 28

年 3 月には「豊島区景観計画」が策定されたことから、これらの計画との整合

を図りました。

防災まちづくりの視点の強化

本区の都市づくりの目標設定の考え方では、「安全・安心に暮らせる都市」

を都市が備えるべき も基本的な機能としています。そのため、本計画におい

ても、防災まちづくりの視点から、みどりの持つ機能が担うべき役割について

検討し、都市の防災性の確保に資する施策の強化を図りました。

公園の質の向上の考え方の見直し

本区では人口の社会減が生じており、その原因のひとつとして、住まう場所

としての魅力の不足が考えられます。豊島区都市づくりビジョン(平成 27 年

3 月策定)における「安全・安心で快適に暮らせる都市の実現」、「四季の彩り

に包まれた環境に優しい都市空間の形成」、「文化の彩りと回遊性の広がりが生

み出すにぎわいと活力の創出」の都市づくりの 3 つの目標を意識し、公園にお

ける質の向上については、施設のリニューアル等だけでなく、活用や運営も視

野に入れ検討を行いました。

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3.みどりの将来像と 基本目標

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3.みどりの将来像と基本目標

3-1 基本理念

豊島区の土地利用形態は、大きくは住宅地と、駅を中心とする商業業務地に分

けられます。そこには、居住者、通勤・通学者、来訪者など多様なライフスタイル

の人々が共存しており、多くの外国人も暮らしています。こうした人々が、いかに

快適な生活を送れるかということが都市の中では重要です。

都市生活の快適性を確保するためには、都市が備えるべき も基本的な機能と

しての安全・安心確保を第一とし、これに加えて、“ゆとり”や“うるおい”とい

った質の面を考慮する必要があります。

みどりは環境の質に大きく貢献します。木々や草花は四季折々の表情を見せ、

うるおいのある生きた景観を形成し、生活環境にやすらぎをもたらします。また、

みどりは、道路や建物の輻射熱を減らし、都市の気温を緩和したり、騒音をやわら

げるなど多様な環境保全機能を持っています。

また、都市の中でみどりを増やしていくためには、都市形態、地域の特性、人

とみどりの関係をよく理解した上で、みどりの空間を創出していくための施策が必

要です。

こうしたことを前提に、以下のとおり計画の理念を定めます。

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地球規模での環境問題や頻発する自然災害が大きくクローズアップされる

中で、多様な樹木や水辺などに生息する生き物が暮らしていける自然環境や公

園・緑地等のオープンスペースの大切さが強く認識されてきています。

しかし、豊島区のように人口高密な市街地が形成された都市では、自然を

限定的に捉えなければなりません。都市の緑地の大部分は、自然のままにまか

せた空間ではなく、適正に管理された快適な場として存在しなければならない

からです。そのため、深山や里山の自然とは異質なものとして捉える必要があ

ります。

豊島区にふさわしい自然とは、人の立ち入りを拒むような自然ではなく、

昔から人とともに生きてきた空間、人々が手を加え生活の場となっていた自然

です。具体的には、家庭や事業所のみどり、身近な公園や緑地など生活に密着

したみどりが中心となります。

都市にふさわしい質の高いみどり

都市の中のみどりは、常に人との関わりの中で存在しています。人との接点

があるからこそ、みどりの存在意義が高まります。

人とみどりが共存し、関わり合いが続いていくためには、その空間が快適で

かつ楽しくなければなりません。この快適性や楽しさは、空間の構図、感触、

香りなどの人が五感をとおして感じ取る空間の雰囲気とともに、その場を利用

する人と人との関係から生まれます。

みどりを増やすときに、五感にうったえる様々な工夫を凝らし、その空間が

よく維持管理され、利用者のマナーも守られている、こうした状態で人々に親

しまれ快適で楽しい空間の創出を目指します。

五感にうったえるみどりの空間

都市の自然を構成するみどりや水、そこを住みかとする多様な生物は、そ

れを愛する人や息長く守り育てる人の存在があってこそ、後世へ伝えていくこ

とができます。それには、人々が、みどりからうるおいやさまざまな恩恵を一

方的に受けるだけではなく、雑草や落ち葉、虫の発生などを受け入れていかな

ければなりません。

そのため、多様な生物の生存を可能とするための土壌や水辺、みどりの環

境などを守り育てる意識を区民が共有するなど、生物やみどりなどの自然と人

間の共生を目指します。

自然と人間の共生

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3-2 みどりの将来像

みみどどりりののネネッットトワワーーククをを形形成成すするる環環境境ののままちち

一人ひとりが庭先やベランダなどでみどりを増やし、都市の骨格となる幹線道

路の街路樹や、学校、霊園など拠点となる大きなみどりと結ばれることで、地域と

して広がりと厚みのあるみどりづくりが実現します。

区民・事業者・区が相互に連携を深めながらみどりを増やすことで、点から線、

線から面へとみどりがつながるまちの実現を目指します。

この考えを基に、豊島区の「みどり」の将来像として、次の 5 項目を掲げます。

庭先の身近なみどりから豊島区の骨格となるみどりまでがつなが

りをもち、人が快適に生活でき、多様な生物も生育が可能なまち

日常生活空間でふれあえる身近なみどりが連なるまち

「みどり」の街づくりをみんなで取り組むまち

寺社など古くから伝わる地域のみどりの拠点と、公園などのみどり

の拠点がバランスよくあるまち

行政と住民の協力のもとで、みどりが美しく維持管理され、育って

いるまち

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3-3 計画の目標水準

みどりの将来像に基づき、次のように目標水準を設定します。

1.みどりの維持と向上

緑被率の目標

現状の維持・保全を目標とし新たな緑化の創出に努め、目標緑被率を 13.0%

とします。

※平成 23 年度の緑被率 12.9%は平成 21 年度調査による。 ※0.1%は 13,010 ㎡

緑視率

平成 27 年度の調査では、107 箇所中 18 箇所が緑視率 25%以上でした。

身近に実感できるみどりの指標として、みどりが多く感じる緑視率 25%以

上の地点を増やします。

※ 緑視率とは人の視野内に占めるみどりの量の割合をいいます。国土交通省の研究

の結果では緑視率が 25%を超えるとみどりが多いと感じはじめることが分かっています。

2.公園・緑地の拡大

公園の整備面積

学校等の跡地を有効的に活用し、平成 32 年度の目標整備面積を 24.5ha(期

間内目標整備面積 58,100 ㎡ 公園面積率 1.9%)とします。

また、区政施行 100 周年の平成 44 年度までに公園整備面積を 25.4ha と

します(期間内目標整備面積 67,100 ㎡)。

平成 32 年度までの計画期間内の目標値は 1 人あたり公園面積 0.86 ㎡/人

(想定人口 28 万 6 千人)とします。

平成 23 年度

12.9% 平成 27 年度

12.9% 平成 32 年度

13.0%

平成 23 年度

18.7ha 平成 32 年度

24.5ha

平成 44 年度 (区政100周年)

25.4ha

平成 27 年度

21.3ha

面積率 1.4%

一人当たり面積 0.71 ㎡

面積率 1.9%

一人当たり面積 0.86 ㎡

面積率 1.6%

一人当たり面積 0.77 ㎡

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3.公共施設の緑化の推進

緑化基準を満たす施設数

平成 27 年度の公共施設の地上部緑化状況は、約 72%が「豊島区みどりの

条例」で定める公共施設緑化基準を満たしています。平成 32 年度には施設の

安心・安全に配慮しつつ、80%以上の施設で公共施設緑化基準を満たします。

道路の緑化の推進

みどりのネットワークの骨格軸となる幹線道路の街路樹整備を推進します。

街路樹が設置可能な道路(幅員 10m 以上)における街路樹の設置割合を 80%

に増やします。

4.民有地の緑化の推進

緑化計画による民有地の緑化誘導

豊島区みどりの条例に基づく緑化計画により良好な緑化を誘導します。

平成 23 年度

69% 平成 27 年度

72% 平成 32 年度

80%

平成 23 年度

72% 平成 27 年度

78% 平成 32 年度

80%

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4.計画推進に向けた 施策

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4.計画推進に向けた施策

4-1 施策体系の概要

5つの基本方針に基づき、計画推進に向けた施策の体系として整理します。

(1) 風とみどりの道の形成

(2) 学校等を中心としたみどりのネットワーク形成

(3) エコロジカルネットワークの形成

1.みどりのネットワークをつくる

(1)区民参加によるみどりのまちづくり

(2)みどりの啓発事業の推進

(3)区民や事業者の主体的な緑化活動支援

3.みどりをみんなでつくり・育て・考える

(1)公共施設の緑化

(2)民有地の緑化

(3)あらゆる都市空間の緑化推進

(4)都市の防災性を向上するための緑化推進

2.日常生活でふれあえるみどりを広げる

(1)拠点となる公園の配置

(2)防災機能を有する公園の整備促進

(3)大規模公共施設の緑化

(4)民有緑地の保護・保全・活用

4.拠点となるみどりを増やす

(1)公園の維持管理

(2)公園の利用管理

(3)公園の再整備

(4)公園の活用・運営

5.地域の人々に愛され、親しまれる公園を育てる

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施策体系のイメージ

図 16 将来イメージ図

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4-2 施策の内容

1.みどりのネットワークをつくる

道路や河川沿いの線的なみどりや、大学や霊園・新庁舎などの拠点となるみ

どりに加えて、身近な地域のみどりをつなげることで、みどりのネットワーク

を形成していきます。みどりのネットワーク形成にあたっては、みどりを単に

つなげるだけでなく、人が散策等を楽しむためのネットワーク、ビオトープネ

ットワーク、夏場の緑陰形成のネットワーク、風の通り道など目的を明確にし

たネットワーク形成を行うことが重要です。

(1)風とみどりの道の形成

大規模なみどりや敷地内のみどりを街路樹などでつなげ、風の通り道をつく

ることにより都市のヒートアイランド現象の緩和を図ることができます。

グリーン大通り、放射 36 号線、環状 5 の 1 号線、環状 6 号線(山手通り)、

補助 172 号線、補助 173 号線などの都市計画道路と既存道路の緑化、及び

神田川桜並木などの遊歩道の緑化を推進し、みどりのネットワークの質的向上

を目指します。

図 17 将来ネットワーク図

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「豊島区都市づくりビジョン」では、「東京の魅力を担う池袋副都心

の再生方針」を定めており、「みどりの骨格軸(池袋副都心軸)である補

助 77 号線(グリーン大通り)、アゼリア通り、放射 26 号線、補助 78

号線により、既存の公園や都市開発により創出されたみどりをつなぎ、

四季の彩りが感じられるネットワークを形成する」としています。本計

画においても「豊島区都市づくりビジョン」を踏まえ、池袋副都心軸の

みどりのネットワーク化を推進します。

東京都は「みどりの新戦略

ガイドライン」において、み

どりの拠点と軸をベースにネ

ットワークを充実させること

により、環境軸の形成を目指

しています。都市計画道路は

河川などとともに中心的なみ

どりの軸として位置付けられ

ています。都市計画道路の整

備・改修にあたっては、四季の彩

りを感じる積極的な緑化や無電柱化、地域特性を踏まえた色や質感のあ

る舗装材の使用などにより、風格のある景観を持った連続性のあるみど

りを創出します。また、隣接する民間施設の接道緑化を推進し、街路樹

との相乗効果で、厚みのある緑豊かな空間を創出します。

劇場通り

都市計画道路整備によるみどりの軸の形成

池袋副都心軸のみどりのネットワーク化の推進

豊島区都市づくりビジョンより

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道路空間はみどりのネットワ

ーク形成において重要な空間で

すが、道路の安全性を確保した上

で、良好な道路景観の形成、みど

りの増大を図る必要があります。

豊島区が管理する道路につい

ては幅員が狭く、街路樹を植える

ことができる歩道(歩道幅員 3m

程度)を確保できる道路が少ない状

況です。このような中でも既存道路のうち街路樹が植栽可能な道路(幅

員 10m以上)について、延長の約 78%で街路樹などの道路緑化を実施

しています。

今後は早期に調査を実施し、植栽パターンや維持管理を含めた「道路

緑化ガイドライン」を定め、植栽可能な道路の総延長の 8 割を緑化する

とともに、街路樹の整備にあたっては、生物多様性や良好な景観・環境

形成に配慮した樹種の選定を行います。

神田川は東京都により洪水対策

として時間降水量 50 ㎜にも耐え

られるよう整備が行われ、かつて

の桜の名所を復活させるべく東京

都・豊島区・新宿区・文京区が合

同し、区制施行 50 周年の年(昭

和 57 年:1982 年)に植栽を行

いました。今では桜の名所となっ

ています。

また、東京都では、東京都景観条例に基づいて神田川沿いの地域を神

田川景観基本軸として定め、重点的な景観づくりを進めています。豊島

区でも神田川側道に桜を植樹し遊歩道として整備するとともに、護岸を

緑化し景観の向上を図ってきました。引き続き、都と区の景観条例によ

る指導・協議等により地域特性に応じた景観づくりに努めます。

神田川の桜並木

既存道路の再整備等による快適な歩行者空間の創出

サンシャイン通り

神田川側道の桜並木の保全・活用

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谷端川は豊島区西池袋四丁目か

ら池袋本町三丁目にかけて区内を

南北に流れている下水道幹線で、約

2.2km にわたり上部を緑道として

整備し、人々がみどりに触れ、散歩

のできるみどりの軸となっていま

す。

この場所がさらに地域の方々に

愛されるよう、区民の方々と協働し

た維持管理を進めていきます。

雑司ヶ谷霊園、染井霊園は、みどりの拠点として重要な緑地となって

おり、区民による自然観察会などの緑化活動も活発に行われています。

東京都は平成 14 年に区部にある 4 箇所の霊園の今後のあり方として

「区部霊園の管理について」の方針を定め、「全面公園化」から「霊園と

公園(森)の共存する空間」として再整備するべく政策転換を行い、現

在、青山霊園・谷中霊園・染井霊園について取り組みを進めています。

染井霊園は自然資源・歴史的人文資源の保全と活用、広く都民の利用

に供する機能の付加、防災機能の向上、霊園としての機能の充実などの

取り組み方針が平成 24 年に定められており、今後東京都と連携しこれ

らを実現していきます。

谷端川緑道

空からみた雑司ヶ谷霊園

谷端川の緑地の維持管理

都立霊園のみどりの保全・活用

空からみた染井霊園

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(2)学校等を中心としたみどりのネットワーク形成

区立学校は地域の拠点であり、緑の充実は地域の緑化のシンボルとなります。

また、防災拠点としての機能向上、ヒートアイランド現象の緩和対策となりま

す。

そこで、校庭の芝生化や屋上・壁面緑化など、多様な緑化手法を用いて学校

緑化の推進に努めます。一方、区立学校は建て替えの時期を迎えており、学校

の改築にあたっては、既存の樹木の保存に留意しながら、みどり豊かな環境整

備に努めます。

また、学校の森づくりを通して、子どもたちが身近な自然に触れ、命の尊さ

を学ぶ機会をつくることで、自然保護の重要性や環境を守ることの素晴らしさ

を実感できる環境教育を推進します。

区では、学校の「すきま空間」を活用し、

関東地方の在来植生であるシイ等を植栽し

「学校の森」整備を行いました。「学校の森」

の植樹では児童・生徒の他、地域の多様な

団体や個人の参加があり、地域全体で守り

育てる気運が高まりました。

学校の校庭芝生化はヒートアイラン

ド対策、緑化対策の他、環境学習効果や

地域コミュニティの推進に効果があり

ます。これまで、地域との協働や東京都

の補助制度を活用しながら、清和小学

校・南池袋小学校・長崎小学校・高松小

学校・巣鴨北中学校の芝生化を図りまし

た。今後の校庭芝生化については、全面芝生化では養生期間中に校庭の

使用が制限されるという問題点があることから、部分芝生化による学校

の芝生化を検討します。

また芝生の維持管理では、学校ボランティア、東京芝生応援団事業(東

京都環境局)との連携の他、卒業生によるボランティア組織づくり、地

域住民や事業者によるサポーター制度等多様な主体による管理手法を検

討し、実施します。

清和小学校

「学校の森」の植樹

学校の森の育成

学校の校庭芝生化

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学校の屋上緑化、壁面緑化は

熱環境対策、環境学習効果のた

め、いくつかの学校で行われて

います。「目白小学校」、「西池袋

中学校」などでは改築に合わせ

て屋上緑化等の整備が行われて

おり、学校における屋上緑化等

は年々増えてきています。今後

も学校の改築にあわせて、屋上

緑化、壁面緑化整備を推進します。

小中学校は敷地面積が大きくみどりの拠点となる存在です。災害時の

一時避難場所、延焼遮断としての空間効果など、防災拠点としての役割

も担っています。このため、施設が道路との連続性を保ち、開放的であ

ることが必要です。

「西池袋中学校」、「駒込小学校」のように、学校の塀を後退させて遊

歩道を確保するなど、地域に開かれた空間づくりを行っています。今後

も、池袋本町地区校舎併設型小中連携校などのように、学校の建替え等

の際には、学校の安全を確保しながら、学校の緑縁空間づくりを進めま

す。

池袋本町地区校舎併設型小中連携校

イメージパース(区HPより)

学校の屋上緑化・壁面緑化の推進

学校の緑縁空間づくり

目白小学校

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(3)エコロジカルネットワークの形成

豊島区のような都市の快適な生活も、生物多様性が支えています。都市生活

に必要な物資や食料の材料として、また、特定の害虫の大発生を抑制するなど、

住環境に貢献しています。生物多様性を保つには、緑地や水辺が少ない豊島区

では、生き物がすめる環境を守り、増やしていくことが重要です。さらに、孤

立した緑地では限られた生きものしか生息・生育できないため、緑地間のつな

がりが必要です。そのために、豊島区環境基本計画における生物多様性地域戦

略に基づき、エコロジカルネットワークの形成を図ります。

豊島区では、緑被地の約 7 割を住居系地域が占めているため、民有地

の緑化が効果的です。そのため、民有地についてみどりの条例等に基づ

く指導を行うとともに、保護樹木・樹林の指定や緑化に対する助成等の

支援により、緑化を推進しています。公園や学

校などの区立施設においては、緑化に加え、ビ

オトープ池などの水辺も積極的に整備します。

こうした個々の緑地や水辺を点在させ、つな

げていくことで、様々な生きものが行き交うこ

とのできる、みどりと水のネットワークを形成

します。また、豊島区の周辺にある様々な公園

や緑地とのつながりも視野に入れ、より広範囲

なネットワークの形成にも貢献していきます。 池袋の森

図 18 エコロジカルネットワークのイメージ豊島区環境基本計画より

みどりと水の保全・創出とつながりの確保

区有施設におけるビオトープ・池一覧

駒込小学校 みらい館大明

清和小学校 南長崎はらっぱ公園

南池袋小学校 小鳥がさえずる公園

長崎小学校 池袋の森

富士見台小学校 目白の森

目白小学校 目白庭園

千登世橋中学校

施設名

仰高小学校、池袋第三小学校、池袋本町小学校(文成・池袋第

二小学校統合校)もビオトープ設置予定

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豊島区では、生態系に配慮し

た公園等が 3 箇所、まちづくり

ひろばが 2 箇所あります。平成

22 年 11 月には、南長崎はらっ

ぱ公園において区民参加で手づ

くりビオトープが完成しました。

公園の補修や再整備を行う際に

は、多くの昆虫や鳥類が生息でき

る植栽樹種の選定など、環境づく

りに配慮した整備に取り組むこととします。

また、既設公園内の植込地土壌の改良や落ち葉、剪定枝等みどりのリ

サイクルを通して、生物の生育しやすい環境づくりについても取り組ん

でいきます。

学校内の身近な空間で、生物の生育や生態を観察することは、自然環

境の少ない豊島区では貴重な環境学習の場となります。

教育活動の一環として、学校敷地に水辺や木、草地などのビオトープ

を整備し、維持管理を行いながら、日々生物を観察することが重要とな

ります。また、こうした活動に児童・生徒、教職員の他、保護者や地域

住民が参加することで、学校と地域社会とのコミュニケーションも広が

ります。

目白小学校では、改築にあたりビオトープの内容を児童に検討しても

らい、それを設計に反映させ整備しました。

今後も、学校の改築などにあたっては、児童・生徒、保護者、近隣住

民の参加によるビオトープづくりを積極的に進めます。

南長崎はらっぱ公園

生態系に配慮した公園づくり

学校教育でのビオトープづくり

目白小学校のビオトープ

ビオトープ池周辺の植物は、

武蔵野の在来植物を児童が

学習し、採集して植えたもの

もあります。

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2.日常生活でふれあえるみどりを広げる

みどりの拠点づくりと連動しながら、日常生活の中でふれあえる身近なみど

りづくりを広げていくため、きめ細かな施策を展開していきます。

(1)公共施設の緑化

みどり豊かな街づくりを進めていくうえで、公共施設は地域の緑化モデル、

推進の核となる役割があり、積極的な緑化によりみどりの拠点として整備しま

す。

平成 27 年度の公共施設の地上部緑化状況では、7 割が「豊島区みど

りの条例」で定める公共施設緑化基準を満たしています。また、屋上緑

化については 2 割弱の施設で実施されています。

学校や保育園などの公共施設については、安心・安全の観点から、見

通しを良くすることが求められるなど、施設ごとの実情を考慮する必要

があります。それを踏まえたうえで、「豊島区みどりの条例」で定める公

共施設緑化基準を満たす施設の割合を増やし、可能な施設は緑地の上乗

せ設置を図り、公共施設から緑化を推進していきます。

公共施設緑化の推進

図 19 公共施設の地上部緑化状況

基準を満たして

いる, 111

基準を満たして

いない, 44

学校関係, 27

保育園, 15

福祉施設, 8

区民ひろば, 18

区民住宅, 11

図書館, 5

スポーツ施設, 5

その他の公共施

設, 22

学校関係, 9

保育園, 12

福祉施設, 4区民ひろば, 1

区民住宅, 1図書館, 2

スポーツ施設, 1

その他の公共施

設, 14

公共施設155施設

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① 計画的な管理

植栽したばかりでは完成された緑化空間とはいえません。植栽した時

点から、みどりの空間づくりが始まります。地域の環境向上に向けて、

地域の緑化モデルとなる公共施設の緑地を、継続的に維持していくこと

が必要です。

そのためには、建物と同様に、施設単位でみどりの維持管理計画を立

てる等、育成計画に基づく計画的なみどりの維持管理に努めます。

② 区民参加による緑地管理

公園、街路樹、公共施設の植樹帯などでの花やみどりの育成や維持管

理に関して、施設の管理者と協定を結んで緑化の推進を行っているグル

ープを支援し、区民参加の輪を広げていきます。

③ 「学校の森」・「いのちの森」の維持管理

区内のみどりを増やすため、平成 21 年度は区立小中学校 31 校に約

1 万本を児童・生徒と、平成 22 年度は公共施設 31 箇所に約 5 千本の

シイ・タブ・カシなどを区民の方々と一緒に植栽しました。また、平成

23 年度は区立公園で、その後も新設公園で区民の方々と植樹を行い、

現在では区内約 100 箇所に「学校の森」・「いのちの森」が広がってい

ます。

これらの「学校の森」・「いのちの森」については、年 1 回の状況調査

とその結果に基づく個別対応による管理を行っており、今後も継続し適

切な維持管理を図ります。

公共施設の緑地管理

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(2)民有地の緑化

民有地のみどりを維持し保全していくことは豊島区の緑化推進にとって重

要となっています。このため、指導による緑化と助成制度による緑化を組み合

わせて推進します。

区ではみどりの条例に基づき、建築行為に対し緑地の確保を指導し多

くのみどりを創出してきました。特に、大規模な都市開発や建築行為で

は一定規模の緑地が整備され、区内の貴重なみどり空間となっています。

今後も緑化指導によるみどりの創出を推進するとともに、緑化計画書の

提出要件の拡大や緑化率の見直しなど、緑化基準の改定を検討し、まち

なかでふれあえるみどりの拡充を目指します。

みどりの条例に基づく緑化指導の内容については、現在、地上部、建

築物上、接道部での緑化に主体をおいていますが、商業業務地や駐車場

の設置義務等により緑化が困難な場合があります。また、空地の少ない

豊島区では接道部緑化、壁面緑化などによる

良好な都市景観づくりが重要となります。

そこで、歩行者から見えるみどりを重視

し、本来は地上部緑化すべき面積を壁面緑化

に置き換えることができるようにするなど、

緑化基準の改定も含めた指導内容の充実を

図ります。

生垣など接道部の緑化は、道

行く人々に美しいみどりの空間

を提供することができます。また、

既存のブロック塀を撤去し生垣

に置き換えることで、震災時のブ

ロック塀倒壊による被害などを

防ぐことができます。

豊島区では生垣と植栽帯の造

成、接道部の樹木の植樹、ブロ

ック塀の撤去等について助成

を行っています。今後も制度の活用が促進されるように周知するととも

に、利用しやすい制度となるように見直しに努めていきます。

集合住宅の壁面緑化

指導・協議による緑化

壁面緑化による指導内容の充実

接道緑化助成

接道緑化のイメージ

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屋上緑化や壁面緑化の

技術の普及と、環境に対す

る区民の関心の高まりから、

多くの施設や住宅において

屋上緑化や壁面緑化が行わ

れています。また、屋上や

壁面を活用した立体的な緑

化は、豊島区のような高密

都市では効果的なみどりづ

くりといえます。

平成 27 年 5 月に誕生した新庁舎の屋上では、区の自然を再現した「豊

島の森」を整備・公開するとともに、設置方法や維持管理に関する情報

を発信するなど、建築物上の緑化啓発を図ってきました。また、屋上緑

化に対する助成制度により、建築物上の緑化を支援しています。毎年一

定の申請がありますが、助成制度導入当初に比べ申請件数は減っている

ことから、助成制度の周知に努め、屋上・壁面の緑化を進めます。

地面から 1.5m の高さでの幹周りが 125cm 以上の樹木、300 ㎡以

上の一団となった樹林は保護樹木・保護樹林の指定を行い、指定された

樹木・樹林は剪定費用の一部助成、生垣は刈込費用の一部助成、また樹

林は維持管理費の一部助成を行っています。

豊島区においては、今後ますます市街地の高密化が進み、相続に伴う

土地の売買などにより、保護樹木・保護樹林等は、減少傾向が続くと予

想されています。そのため、現所有者や新たな所有者に対して、この制

度の趣旨の十分な理解・協力を求めながら、

歴史的に受け継がれている大切な樹木の

保護に努めます。

また、より多くの樹木等を保護してい

くために、指定基準や助成額等の制度の見

直しについても検討します。

一方では、落ち葉などで所有者と近隣

住民とのトラブルも数多く起きています。

樹木・樹林を保護するためには、“みどり”

に対する近隣住民の理解が大切であり、広

報活動等を通じ、意識の高揚に努めます。 保護樹木第 1 号

屋上緑化 西武池袋本店 食と緑の空中庭園

屋上緑化・壁面緑化の啓発と助成

保護樹木・樹林・生垣の指定

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10 戸以上の近隣の人々がまとまった場合や敷地面積が 500 ㎡以上

の事業所、集合住宅等の接道部では、事業者等がみどりの保護と育成を

目的とした緑化計画を作成し、一定の要件に該当する緑化と維持管理を

行う協定を結んだ場合、区がその協定を認定し、植樹工事の一部の助成

や、苗木や器材支給並びに技術的な指導及び助言を行っています。

今後も制度を継続するとともに、より一層の制度の周知、要件の見直

しについて検討します。

一定規模以上の大規模民間施

設については、クールシティ中枢

街区パイロット事業(国事業)を

活用した屋上緑化などの推進を図

ってきました。国の事業規模縮小

により、この補助制度自体の活用

は、当面困難となりましたが、同

事業の成果を踏まえ、民間事業者

に緑化による多様な効果への理

解を促進するとともに、屋上緑化の一層の推進のため、区独自の支援策

を研究していきます。

都市緑地法では市街地などのみどりが不足している地域での緑化推

進の制度として、都市計画法における地区計画と連携した、「緑化地域制

度」「地区計画等緑化率条例制度」などを定めています。これらの制度を

活用することで、市街地の大半を占める建築物の敷地の緑化を推進し、

良好な都市環境の形成を目指します。

区ではこれらの制度活用について先行事例などを検討・研究していき

ます。

上空から見たサンシャインシティ屋上緑化

みどりの協定の推進

大規模民間施設の建築物の緑化推進

緑化推進制度の活用

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計画目標の達成のためには、豊島区全ての地域においてみどりの現状

と特性にあった施策を展開していく必要があります。

豊島区では全域を都市緑地法に基づく緑化重点地区に指定していま

す。この指定の積極的な活用を図るため、緑化施設整備計画認定制度の

利用のための仕組みづくりに努めます。

東京都では、大規模開発に

おいて、みどりの基本計画や生

物多様性地域戦略の内容に沿

ったみどりの空間配置を指導

し、緑の量の確保だけでなく緑

の空間の質の向上を推進して

います。この東京都みどりの計

画書と連携し、開発諸制度等で

生まれる公開空地等において、

構想段階からみどりの連続性

や広がり、快適なみどり空間の創出に配慮するよう誘導することで、緑

化の質の向上をはかります。

公開空地等の緑化の質の向上

公開空地(新庁舎)

緑化重点地区の活用

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(3)あらゆる都市空間の緑化推進

高密都市である豊島区で緑化を進めるためには、屋上、壁面、低未利用地、

鉄道敷などのあらゆる空間を活用しながら、様々な緑化手法を用いて緑化を推

進する必要があります。そのため、多様な空間に応じた関係者との調整等に積

極的に取り組み、関係機関等と一体となって緑化を推進します。

都市は建物や構造物の高層化が進ん

でおり、豊島区でも顕著となっています。

このような空間でみどりを生み出すた

めには、建物の屋上や壁面を活用した立

体的な緑化空間を創出することが必要

です。建物上の立体的な緑化は、ヒート

アイランド対策はもとより、景観的にも

優れ、快適な都市空間の実現が可能です。

そのモデルとして、新しく建設した庁

舎では、世界に誇れる環境庁舎を実現し

ました。

今後も、世界に誇れる環境庁舎であり

つづけるために、一般区民を対象とした「豊島の森」観察講座や、区立

全小学校を対象とした環境教育の場として庁舎のみどりを活用した企画

のより一層の充実を図ります。

一方、モザイカルチャーと呼ばれる花や草で作る立体花壇が、新たな

緑化手法の一つとして注目されています。区では、環境まちづくりの象

徴として、地域の方々とデザインの検討を重ね、『ふくろう』のモザイカ

ルチャーを平成 23 年 3 月に再整備された池袋駅西口駅前広場に設置し

ました。今後も、地域住民との協働による維持管理を行っていきます。

また、今後、池袋副都心区域の開発等にあたっては、新庁舎等の事例

を参考に、多様な手法による立体的な緑化を推進します。

新庁舎

西武池袋本店 食と緑の空中庭園

立体的な緑化の推進

モザイカルチャー(池袋駅西口駅前広場)

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みどりを植える余地がほとんどないように思える場所でも、地域住民

と協働することで多様な緑化が可能となります。また地域主体の緑化活

動によって、独自のまちなみの創出、緑化活動をきっかけとした地域コ

ミュニティの活性化等が期待できます。

① 界わい緑化推進プログラム

界わい緑化とは、ご近所同士で

の緑化により、地域コミュニティ

を形成し、街全体にみどりを広げ

ていく取り組みです。

路地や軒先空間に緑化を展開す

る東京都の界わい緑化推進プログ

ラムのモデル事業に、豊島区で初

めて南大塚エリア(大塚駅南町会)

の計画が採択されました。区でも

近隣 3 軒以上同時の緑化に助成を行っています。

小さな緑化でもつながることで、緑が広がりネットワーク化すること

から、効果のある制度として広めていきます。

② 商店街を中心とした緑化推進

豊島区内には特徴ある商店街が数多くあります。染井銀座商店街振興

組合では、染井櫻開花まつりでソメイヨシノの苗木の配布を行うなど、

緑化を推進する取り組みが行われています。

このような独自の活動を誘導できるように、それぞれの商店街の道路

の形態、自動車や歩行者の通行量を勘案し、花とみどりの商店街づくり

について検討します。

木造住宅密集地域における防災性の向上、潤いある住環境づくりに向

け、居住環境総合整備事業により、300 ㎡未満の小広場を地域住民の

方々との協議・協力を得ながら整備し、地域による自主的な維持管理が

されています。

多くが整備から 20 年以上経過し、設備の老朽化や維持管理に課題が

ある個所もあることから、より効果的な潤い空間、交流スペースとなる

よう、そして地域住民の方々に親しまれるよう、花づくり・緑化活動な

どをしやすい再整備・環境づくりを検討します。

界わい緑化推進プログラムの例

街なか緑化の推進

小広場の緑化

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23 区唯一の路線である都

電荒川線の沿線には、緑化可

能な空間があります。

現在、向原駅から東池袋四

丁目の駅間では、都市計画道

路 81 号線の整備と併せて街

づくりが行われています。こ

の整備にあわせて都電軌

道敷の緑化について、関係

機関と連携しながら取り組んでいきます。

また、JR 大塚駅付近から向原駅までの区間では、地域住民によるバ

ラの栽培による緑化の取り組みが行われてきており、春と秋にはバラ祭

りを開催し、フォトコンテストやバラの苗の植え替え講習会などが実施

されています。引き続きこれらの活動の支援もし、都電沿いの緑化を進

めます。

樹木の成長には土壌への雨水の浸透が欠かせません。このため、公園

や公共施設などには雨水浸透ます等を設置し、積極的な雨水浸透を行っ

ています。

豊島区では雨水を有効活用するための雨水タンクの設置助成を行っ

ており、草花への潅水などに活用されています。今後は、宅地内の浸透

ますの設置についても検討し、雨水の浸透促進を図ります。

都電の緑化

都電敷の緑化

雨水の地下浸透の促進

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(4)都市の防災性を向上するための緑化推進

平成 24 年に東京都が行った「首都直下地震等による東京の被害想定」は、

前回平成 18 年の想定より被害が減少し、区内の 大被害は、建物全壊棟数

1,679 棟、火災による焼失棟数 1,355 棟、避難者 52,485 人でした。しか

し、震度 6 強となる面積の割合が 1.5%から 11.6%に上昇しました。

安全・安心な都市づくりは、区が取り組むべき重要な施策となっています。

本計画においても、みどりの観点から防災機能を備えた都市の実現を目指し

ます。

現在、国では、密集市街地等において、延焼防止帯となる植樹帯等の

整備を推進することにより、大規模災害に対する都市の防災性の向上を

図る「みどりの防災・減災対策推進事業」を進めています。これを踏ま

え、本区でも上池袋くすのき公園などにおいて、大規模火災発生時にお

ける延焼防止効果を向上させるための中高木の植栽を整備しました。今

後も、国の事業と連携して、防災性向上に配慮した緑化の推進を図りま

す。

防災上問題のある区域においては、震災時のブロック塀の倒壊による

被害を防ぐため、重点的に生垣化を促進します。

また、地域の防災性を高めるために、防災機能の高い樹種の紹介や植

栽事例等の情報提供を行い、生垣化の促進に努めます。

防災性向上に配慮した緑化の推進

生垣化の促進

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3.みどりをみんなでつくり・育て・考える

区民の一人ひとりが遊び場やみどりや身近な環境のことを考え、自ら創造し

ていくとともに、区民・事業者・行政が相互に協力しながらみどりをつくり、

守っていくことが大切です。みんなでつくり・考えるための「仕組み」づくり

や「運動」づくりに必要な施策を展開します。

(1)区民参加によるみどりのまちづくり

公共施設の整備や維持管理、調査等その他の施策について、様々な方法での

区民参加を推進していきながら、より公平で合理的な参加方法を見つけ出して

いくために、その制度や手法を検討し、区と区民のパートナーシップの確立に

結び付けていきます。

区民参加によるみどりの空間づくりは、公園などを地域住民の需要に

合ったものにするだけにとどまらず、整備後の空間の維持管理に地域住

民が主体的に関わっていくためにもとても重要なことです。

参加の手法は多様な方法が試みられています。地域の特性や施設の特

徴に合わせて、様々な住民参加の手法を取り入れ、愛される公園づくり

を進めていきます。

表 5 住民参加の手法

参加手法 概要

協議会方式 計画の最初の段階から、協議会等の組織を形成し、計画・工事の進捗

に応じて協議を行ないながら、事業を行なう方式。

説明会・懇談会方式 計画の初期の段階から、近隣住民への説明会や懇談会を実施し、そ

の中で幅広く意見を求め、案を修正しながら事業を行なう方式。

ワークショップ 計画づくりや工事への参加など、実際の作業過程に住民が参加しなが

ら事業を行なう方式。

南長崎はらっぱ公園

区民参加によるみどりの空間づくり

池袋本町電車の見える公園

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公園、広場、小中学校の緑縁空間等では地域住民による植物の手入れ

や清掃などの区民参加による維持管理、公園内の花壇ではみどりの協定

団体による花の植えつけや管理、学校の森を育成する協力者の方々など

の活動が行われています。

こうした取り組みは、みどり

に愛着をもつ意味でとても重要

です。公共施設としての公平

性・安全性を確保しつつ、様々

なみどりの空間で、区民が積極

的に関わり、管理への参加をと

おして地域住民の連携が生み出

されるよう、十分な検討を行い

ながら、参加のための仕組みづ

くりを進めます。

平成 27 年 7 月 1 日~8 月 31 日に「としま生きものさがし」を実

施しました。参加者延べ 98 人、見つかった生きものの報告件数は 333

件でした。

今後も、このような区民の参加による動植物の調査を継続して実施し

ていきます。

区民参加によるみどりの空間の管理

「としま生きものさがし」の実施

区民による緑の管理(区 HP より)

区 HP より

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(2)みどりの啓発事業の推進

近年の環境問題への意識の高まりの中で、みどりの重要性への認識が深まっ

ています。こうした好機を生かし区民、事業者、区が連携しながら、みどりづ

くりへの気運を醸成していくことが必要です。そのために、楽しみながらみど

りに親しむという観点で意識啓発を進めていきます。

区では平成 18 年度より区立小

学校をモデルに「緑のカーテン」づ

くりを始め、平成 26 年度では 18

校、約 1,090 ㎡の緑のカーテンが

形成されました。その他、区民ひろ

ばなどの区施設でも取り組みが広

がり、区内公共施設では平成 26 年

度では 53 施設、約 1,728 ㎡が施

工されました。

今後も、緑のカーテンづくりを推進し、室内を涼しくするだけでなく、

子ども達が自然の効用を知り、緑の大切さを学びながら、地球温暖化防

止に貢献できる機会としての環境教育へつなげていきます。

ガーデニングなどの区民園芸教室の開催を通して、みどりづくりの地

域への普及が期待されます。様々な主体により開催される多様な緑化技

術を学べる講習会があるので、きめ細かい情報提供に努め、効果的な受

講を促します。

また、現在区で実施している「としま出前講座」について、周知方法

の見直し等により積極的な活用を推進するなど、緑化に関する学習を促

進します。

区では、平成 26 年 10 月に「生きもの観察ツアー」、平成 27 年 1

月に「冬の野鳥観察会」を実施しました。「生きもの観察ツアー」では合

計 14 種の昆虫、6 種の鳥、「冬の野鳥観察会」では合計 11 種の鳥を観

察することができました。

今後も、生物多様性の重要性や生きものと触れ合う楽しみを伝えられ

るような観察会の実施を継続して行っていきます。

さくら小学校の緑のカーテン(区 HP)

緑のカーテンづくりの推進

緑化講習会の開催

生物多様性に関する観察会の実施

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区の公園等や街路樹などの樹木管理に伴い発生する剪定枝について

は、堆肥化して公園等に戻す事業を行っています。

また、回収した落ち葉の堆肥化、剪定枝のチップ化、木質バイオマス

の自然エネルギーの活用等、みどりのリサイクル化について検討します。

このように自然資源をみどりの輪の中で活用・再生していく仕組みに

ついて、普及啓発を進めます。

身近なみどりが連続するためには、居住者が相互に連携できる土台づ

くりや活動をリードしていく人の存在が大切です。

このために、みどりの普及啓発活動を地域単位できめ細かく進めてい

きながら、身近なみどりづくりを進める気運を高めていきます。

区では、環境学習講座や学校と連携した環境事業を実施し、環境保全

活動に取り組む人材の育成に努めています。また、公園等みどりの協定

の会員や染井吉野研究会会員等の緑化知識を高めるため、専門家による

緑化講演会等を開催しています。今後、さらにこれらの講座・講演会な

どを通じて、緑化に関する地域のリーダーの育成と相互の交流の機会を

充実していきます。

みどりに関連するさまざまな情報を広報やホームページ等に掲載し、

建築の相談時などにもお知らせします。またみどりに関するイベントや

講習会などの学習機会、多様な主体による緑化支援情報などをお知らせ

し、主体的な緑化活動を促します。

落ち葉等のリサイクルの促進

人々のネットワークの充実

緑化情報の発信

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区では、新たなみどりの資源を発掘し、みどりの名所をめぐるルート

づくりを行っています。地域別のルートはパンフレット、広報、ホーム

ページで紹介し、地域の活性化にも貢献しています。

また、これらの情報は、今後、 新情報への更新を行うとともに、外

国人来街者への情報提供手段として強化を図ります。

区民、事業者等からの寄付金によるみどりの基金は、みどり豊かな街

づくりのために活用しています。みどりの基金を広く周知するとともに、

気軽に寄付をできるような募金制度に取り組みます。

定期的な間伐の実施による森林環境の保全など、良好なみどりの維持

をすすめる交流都市の取り組みを支援します。

区内の企業等が排出する温室効果ガスに対して削減が困難な削減量

について、間伐材を活用したバイオマスエネルギー事業への資金協力に

より、温室効果ガス排出量の一部をオフセットする仕組みづくりについ

て検討を行います。

区 HP より

みどりの名所を巡るルートづくり

みどりの基金の充実

交流都市と連携したみどりの拡大

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日本中に広く植えられている「染井よしの」は、江戸時代に植木の里

であった染井村(現豊島区駒込)でつくりだされたものといわれていま

す。

「ソメイヨシノ」を豊島区の大切なブランドとして活用するため、ホ

ームページでは、さくらマップや子ども向けのページを設けるなどし、

PRを行っています。また、地域の方々とともに「ソメイヨシノ」の魅

力を広く区内外に発信していくために、さくらフォトコンテストや染井

よしの桜まつり、染井吉野桜のふる里秋祭りなど、ソメイヨシノプロジ

ェクトがさまざまな主体により実施されています。

「染井よしの発祥の地豊島区」を全国的にアピールするため、「染井

吉野研究会」では発祥の地育ちの染井よしのを接木で増やし、一定の大

きさになるまで染井よしの桜の里公園の一角で育てています。こうして

育てた苗木を区立の小中学校や植栽を希望する施設に提供しています。

今後も、染井育ちの「ソメイヨシノ」を普及させていくとともに、イ

ベント等を通じて「染井よしの発祥の地豊島区」をアピールします。

駒込小学校周辺のサクラ

染井よしの発祥地としての PR

さくらマップ(区HP) キッズページ(区HP)

染井よしの桜の里公園のサクラ

駒込小学校の児童による苗畑の手入れの様子

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(3)区民や事業者の主体的な緑化活動支援

緑化に対して積極的な取り組みを検討している人 ・々企業等が増えています。

本区でも緑化を一層進めていけるよう、そうした事例を紹介し、また相互に交

流や意見交換の機会を設けていきます。例えば、地方において苗の育成を進め

ている企業なども多く、そうして育てられた苗と、本区で育成している染井よ

しのの苗を交換することなどを契機に、相互の交流を行い、区民・市民レベル

での交流や、企業相互の交流を通じて、相互に情報やノウハウの交換ができる

ような仕組みづくりを進めていきます。そうした気運づくりの中で、同じ目線

に立った議論を深め、区民・企業・行政に求められるそれぞれの役割を共通認

識としていきます。

みどりのボランティアやみどりの協定に基づく活動団体に対して、資

材の提供や道具の貸出、技術的なアドバイスを行います。

民間基金と連携し、緑の維持保全活動に取り組む市民団体等に対して

民間基金を積極的に活用できるよう支援し、緑化の推進を図ります。

みどりのボランティアや活動団体への支援の促進

民間基金と連携した緑化の推進

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4.拠点となるみどりを増やす

豊島区では市区改正や震災復興事業による計画的な公園整備がされてこな

かったことにより、区内の拠点となるみどり(公園)の量的整備水準は 23 区

中 下位となっています。

(1)拠点となる公園の配置

豊島区にはまとまった規模の公園や空地が少なく、国で定める公園の配置基

準を満たすことは非常に困難です。そこで、都市公園法に基づく一般的な配置

基準を基本として、東京都と協議を行い豊島区独自の住区基幹公園に関する配

置の考え方を図 20 のように定めます。

図 20 豊島区の住区基幹公園配置の考え方

公園整備計画は長期の視点が必要であることから、この公園配置基準を基本

に、区政施行 100 周年を長期目標として、今回の改定では今後 10 年間の到

達目標を示すこととします。

整備方針は“数からまとまり”を継続して行います。そのため、小規模な公

園の設置数が充足している中で、地域間の不均衡を是正しつつ、地域の活動拠

点となり得る広々とした公園づくりを重点的に行います。

近隣公園は幼児から高齢者までの多様な人々が、同時に集い、遊び、憩うこ

とのできる、まさしく地域活動の拠点になります。一方で、災害時には避難場

所、救援活動の場として活用されるほか、公園そのものが延焼遮断帯として機

能します。そのため耐火性の高い樹種による植栽帯を設けるなどの災害に対応

【概念図】

【1住区(1k㎡程度)当たりの標準配置公園】

公園種別 面積 標準公園箇所数 備 考

地区公園 4ha 0 箇所 多様な機能を持つ公園

近隣公園 0.5ha 2 箇所 いくつかの機能を持つ公園

街区公園 0.25ha 4 箇所 幼児や児童、高齢者など近所に住む人々が身近に利用できる公園

住区

近隣公園 街区公園

1km2km

1km

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した公園整備を行います。また、公園は生物の生息・生育空間として重要な場

となります。このような複合的な機能の存在を効果的に発揮できる公園整備を

行います。

区では、長崎中学校跡地を活用し、平成 25 年に南長崎スポーツ公園

(整備面積 1.2ha)を開園しました。これは区内で も公園面積が大き

く重要なみどりの拠点であり、多くの地域住民が利用しています。また、

千川小学校跡地の一部での公園の整備、清掃車庫跡地や国立印刷局跡地

を活用した防災機能を有する公園や特色のある公園を整備しました。

今後も、豊島区周辺の公園の分布状況を含めて、豊島区内の公園配置

を考える必要があります。

公園配置計画では量的な拡大だけではなく、地域バランスを考えたよ

り具体的な計画を作成し、学校統合跡地、国公有地等を活用し、0.5ha

以上の近隣公園の確保に努めます。

南長崎スポーツ公園(長崎中学校跡地)

計画的な配置

池袋本町電車の見える公園 (清掃車庫跡地)

上池袋くすのき公園(国立印刷局跡地)

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今後の公園整備については、区財政に大きな負担をかけずに進めてい

く必要があることから、次の箇所を予定しています。

名称 所在地敷地面積(㎡)

整備年月日 23年度計画面積

1 南長崎スポーツ公園 南長崎4-13-5 12,226 H24.4.1 12,0002 ふるさと千川 要町3-54 2,971 H27.4.1 5,000

3池袋本町電車の見える公園

池袋本町4-41 4,178 H25.4.1 4,400

4 上池袋くすのき公園 上池袋4-19-1 3,088 H27.4.1 3,1005 池袋本町公園 池袋本町公園1-27-1 654 H26.10.1 ―

小計 23,117

名称 所在地敷地面積(㎡)

整備年月日 23年度計画面積

1 高田小跡地 雑司が谷2-12-1 7,200 7,2002 造幣局跡地 東池袋4-41 17,000 26,400 ※総合体育場含む3 みずほ銀行寮跡地 池袋本町2-37 1,000 ―

4駒込七丁目児童遊園拡張

駒込7-14-3 7823年度計画面積計

新計画小計 25,278 ~H32 58,100

1 真和中学校跡地 目白5-24 7,200 7,200

2千早フラワー公園拡張

千早1-8 600 1,200

3 池袋本町公園拡張 池袋本町公園1-27-1 500 600長期計画小計 8,300 9,000

合計 33,57823年度長期目標

67,100㎡

表6 平成23年度から平成27年度末までの実績(整備完了)

表7 今後の公園等整備予定箇所一覧

平成33年度以降

高密度化した豊島区では、公園用地の確保が難しいことから、建物と

公園を立体的に都市計画で定め、公園以外の施設の上部を都市公園とし

て整備する「立体都市公園制度」の導入を検討します。

図 21 公園配置計画図

今後整備する公園等の検討

立体都市公園の検討

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(2)防災機能を有する公園の整備促進

区では、跡地活用などにより、防災機能を有する公園の整備を進めています。

今後も、学校など公有地の跡地活用に際しては、防災機能を備えた公園や広場

の確保を優先して検討し、みどりによる減災・防災対策を進めます。

防災機能を有する上池袋くすのき公園(国立印刷局跡地)

造幣局東京支局移転後の跡地活用にあたっては、平常時は憩いの空間

となり、災害時には避難場所や応急活動の空間となる防災機能を備えた

公園を整備します。

高田小学校の跡地活用にあたっては、地元との調整を進め、防災機能

を有した近隣公園の整備を検討します。

造幣局東京支局移転後の跡地活用の検討

高田小学校の跡地活用の検討

防災井戸 マンホールトイレ

かまどスツール 非常用炊事場

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(3)大規模公共施設の緑化

区内の公共施設は「豊島区みどりの条例」に基づき、新築・改築時に緑化が

行われています。

新庁舎建設にあたっては、地上部・屋上・壁面の緑化でまとまったみどりを

創出しました。

また、学校の改築に際し、屋上緑化等の緑化も進められてきています。

みどりの少ない豊島区においては、今後も公共施設が率先して地域の拠点と

なるみどりを創出する必要があり

ます。今後、学校の改築、跡地利用

による新施設の建築など大規模な

公共施設の新改築にあたっては、民

間施設の先進事例も参考にしなが

ら、景観形成、環境負荷の低減、防

災機能、生物多様性、自然との触れ

あいなどに配慮した、総合的な観点

でのみどりの創出を図り、豊島区固

有の魅力ある緑化環境を形成しま

す。

(4)民有緑地の保護・保全・活用

社寺境内や大学などはその地域の中心的存在であり、豊かな緑を保っている

空間です。それらがもつ歴史や文化性、地域の人々の愛着の点からも、保護・

保全していくべきものが数多くあります。特に寺社のみどりについては老木が

多く、手当てが必要な樹木も見られます。また、サクラの名所になっていると

ころについては樹木の衰弱も見られることから、苗木の支給などみどりの基金

を活用した支援の仕組みの構築に取り組みます。

これらの施設内の樹木・樹林の保護、敷地細分化や大規模な土地利用転換の

防止を図るため、保全に関する制度の充実や建て替え時にきめ細かな協議を行

っていきます。

こうした緑地に対する地域の

人々の愛着をより深め、広げるため

の方策として、公開している緑地や

歴史のある緑地等を巡るルートの

選定、散歩マップの作成に取り組み

ます。

また、地域住民が参加できる、

地域の貴重な樹木の保護活動につ

いて検討します。

雑司ヶ谷子母神

新庁舎「豊島の森」

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5.地域の人々に愛され、親しまれる公園を育てる

「みどり」は、地域の人々が積極的に関わり、愛し、親しんでいてこそ、そ

の存在価値が上がります。このために必要な施策を展開します。

(1)公園の維持管理

地域の人々に愛され、親しまれる公園となるよう、公園の成長過程に応じた

維持管理を適切に行っていきます。

区では、平成 26 年 3 月に「豊島区公園施設長寿命化計画」、平成 27 年 3

月に「豊島区公共施設等総合管理方針」を策定しました。

これらの計画等に基づき、公園施設の点検、調査を実施し、その結果に基づ

き、公園施設の安全性の確保及び維持管理経費縮減の観点から、公園施設の計

画的な修繕、改築を行います。

また、公園の清掃や花壇等の管理を

行うボランティアや小広場の自主管理

について、住民参加の仕組みづくりの

再構築や普及啓発に努めていきます。

さらに、樹木の管理については、高

木の成長に伴う大規模な剪定、さらに

は必要な伐採など中長期の計画の検討

を行います。

(2)公園の利用管理

公園は、憩い、遊ぶ自由な空間ですが、不特定多数の人が集まる空間である

ため、一定のルールが必要となります。現在は法律や条例などに掲げられた禁

止行為など、 低限のルールを定めていますが、利用方法や利用する時間帯な

どで、利用者相互あるいは利用者と隣接住民との間で様々なトラブルが発生し

ています。トラブルの要因には利用マナーの欠如によるケースも多くなってい

ます。

トラブルの内容は、公園の施設内容や周辺状況、地域の世帯構成等によって

異なり、一概に条例等で規制すればよいというものでもありません。個々の公

園ごとに、地域住民の公園として、利用者相互が主体的に話し合い、利用上の

トラブルを解決していく方法が 善です。

利用者でなければできないこと、区でなければできないこと、あるいは、区

と利用者が協働すること、これらを確認しながら、解決へ向けた対策を講じて

いきます。

染井よしの桜の里公園

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(3)公園の再整備

老朽化が進んだ公園、社会情勢や世帯構成、周辺環境などの変化に適合しな

くなった公園については、地域に愛され、親しまれる公園として再整備する必

要があります。

公園の再整備にあたっては、既存公園の利用実態、利用者のニーズを踏まえ

るとともに、一様な整備内容とせず、小規模な公園が多い豊島区の特性に配慮

し、それぞれの公園に役割を持たせつつ互いに補完し合うような整備内容とし

ていきます。

地域に点在する公園を巡ることにより、さまざまな機能を利用し、幅広い楽

しみ方ができるような整備を進めます。

(4)公園の活用・運営

より魅力的でにぎわいのある公園とするために、公園の使い方がより柔軟な

ものに見直されつつあります。例えば、公園においてカフェを設置したりイベ

ントを限定的に行うなどの先進事例があります。このような公園の使い方につ

いて、地域ニーズを十分に踏まえ、地域の実情に合った公園の活用・運営を検

討・推進し、公園が地域のにぎわい拠点となるように努めます。

南池袋公園

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5.地域別方針

図 22 地域区分図

地域の特性に応じたみどりのまちづくりを進めていくため、第 3 章み

どりの将来像と基本目標、第 4 章計画推進に向けた施策を踏まえ、豊島

区都市づくりビジョン(平成 27 年 3 月策定)の 12 地域ごとに、みど

りの現況を整理し、みどりのまちづくり方針を示します。

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5-1 駒込地域

◆みどりの現況

区の東部に位置する駒込1丁目から7丁目の区域で、台地部と低地部(谷地)で

形成されています。台地と低地の間には、崖線が駒込駅の東から染井霊園まで連続

しており、現在は暗渠となっている谷戸川(谷田川)方向にかけて坂の多い地域で

す。崖線に沿って、染井霊園や寺社のみどりが豊かで、特に染井霊園は桜の名所と

なっています。土地利用は、住居系が過半を占めていますが、台地部は規模の大き

い敷地が多く、非木造の社宅やマンション、

文教施設などが立地し、低地部は戸建住宅や

木造アパートが密集しています。また、駒込

駅周辺や染井銀座通りには商店街が形成され

ています。染井霊園を中心にまとまったみど

りが点在し、緑被率が比較的高い地域です。

◆みどりのまちづくりに向けて

○染井霊園の保全と活用

・平成 24 年 5 月の東京都公園審議会答申「染井霊園再生のあり方について」

を踏まえた、みどりの効用を享受できる場とするための東京都との連携

○みどりのネットワークの形成

・放射 10 号線(本郷通り)、補助 81 号線における街路樹の整備や沿道の緑化、

オープンスペースの確保

・染井霊園、近隣の西ヶ原みんなの公園、六義園や点在する寺社のみどりをつ

なぐエコロジカルネットワークの形成

・地域と協働した駒込駅から JR 山手線沿いに続く桜並木の保全

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・駒込小学校のビオトープ池管理や駒桜増殖などの緑化活動

・住宅地等におけるみどりの条例による接道緑化や屋上・壁面緑化の推進

・駒込 6、7 丁目における防災広場の整備や生垣化の促進

・駒込駅周辺や染井銀座通りの商店街でのみどりづくり

○染井よしの発祥の地としての PR

・染井よしの桜の里公園で育てた苗木の配布や染井よしの桜まつりなどのイベ

ントによる「染井よしの発祥の地豊島区」の PR の推進

○歴史を伝えるみどりの保全

・地域に点在する西福寺や妙義神社などの寺社のみどりの保全

○区民参加によるみどりづくり

・『私の庭・みんなの庭』、染井よしの桜の里公園のような自主活動の推進

・染井商店街でソメイヨシノを鉢植えにしたりする活動など、地域特有の工夫

をした緑化の推進

75.1ha17,517人

18.9%樹木被覆地 17.2%草地 1.3%屋上緑化 0.5%

2.0%

地区面積人口(H22国勢調査)緑被率(H27)

公園面積率(H27.4.1)

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◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

図 23 みどりのまちづくり方針図(駒込地域)

妙義神社 門と蔵のある広場大國神社

染井霊園

染井よしの桜の里公園

補助81号線

放射

10号

線(本

郷通

り)

~染井吉野発祥の地の風情と人々の活動でみどりがつながり広がるまち~

染井吉野桜記念公園

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5-2 巣鴨・西巣鴨地域

◆みどりの現況

区の北東部に位置する巣鴨 1 丁目から 5 丁目、西巣鴨 1 丁目から 4 丁目の区域

で、地区内には谷戸川(谷田川)や千川上水が流れていましたが、現在は暗渠とな

っています。旧千川上水水路敷の一部では、豊島区初の公園である千川上水公園が

整備され、古くから地域の人に親しまれています。土地利用は、住宅系が過半を占

め、地域の北西部は戸建住宅・木造アパートが密集しています。巣鴨駅近辺では、

商業系の建築物が多くなっており、とげぬき

地蔵で有名な巣鴨地蔵通り商店街があります。

地域内には寺社が数多くあり、みどり豊かで

落ち着いた空間を形成していますが、公園面

積率は 12 地区中最も低く、まとまったみど

りが少ないため緑被率も低い地域となってい

ます。

◆みどりのまちづくりに向けて

○みどりのネットワークの形成

・放射 9 号線(白山通り)、環状 5 の 1 号線(明治通り)における街路樹整備

の要請

・補助 79 号線及び補助 81 号線における街路樹の整備

・JR 山手線沿いの桜並木における地域と協働した保全

・隣接する染井霊園へとつながるみどりのネットワークの形成

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・清和小学校につづく、ビオトープ整備や校庭芝生化の推進

・事業所や住宅地における接道緑化、壁面緑化等の推進による目に見えるみど

りの創出

・巣鴨地蔵通りの緑視率の向上

・巣鴨 5 丁目における防災広場の整備や生垣化の促進

・巣鴨地蔵通り商店街でのみどりづくり

○歴史を伝えるみどりの保全・活用

・とげぬき地蔵尊高岩寺や西巣鴨駅周辺の寺町のみどりの保全

○区民参加によるみどりづくり

・ボランティア団体による公園・広場や学校のみどりの維持管理のより一層の

推進

・千川上水公園及び巣鴨庚申塚周辺を拠点としたみどりに関する勉強会等の充

116.4ha27,244人

9.9%樹木被覆地 8.8%草地 0.8%屋上緑化 0.3%

0.7%公園面積率(H27.4.1)

地区面積人口(H22国勢調査)緑被率(H27)

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◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

図 24 みどりのまちづくり方針図(巣鴨・西巣鴨地域)

大正大学

本妙寺

千川上水公園

環状

5の1号

線(明

治通

り)

放射

9号線

(白山

通り)

補助

81号

補助

79号

~寺町の景観と調和した落ち着きのある緑豊かなまち~

JR山手線沿いの桜並木

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5-3 大塚地域

◆みどりの現況

区の東部に位置する北大塚 1 丁目から 3 丁目、南大塚 1 丁目から 3 丁目、西巣

鴨 1 丁目及び上池袋 1 丁目の区域で、谷端川に削られてできた谷状の地形が中心

となっています。土地利用は、住宅系が過半を占めており、戦災復興土地区画整理

事業が行われた地区は中高層のマンション等が立地し、それ以外では木造住宅密集

地域が広がっています。大塚駅周辺では、商業業務系の建築物が多く見られます。

また、大塚駅周辺及び折戸通りには、商店街

が形成されています。緑被率は比較的低いで

すが、地元組織による花植えやごみ拾いなど

の維持管理が進められており、特に都電沿い

のバラ緑化は多くの人に親しまれています。

◆みどりのまちづくりに向けて

○みどりのネットワークの形成

・放射 8 号線(春日通り)、環状 5 の 1 号線(明治通り)、補助 79 号線、補助

80 号線、補助 81 号線及び補助 174 号線における街路樹の整備及び適切な

維持管理の推進

・西巣鴨中学校周辺の桜並木の保全

・大塚駅から春日通りにおける、地域と協働した都電沿いのみどりの保全

○大塚駅周辺のみどりづくり

・大塚駅の駅前広場の整備における、花やみどりによる魅力づくり

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・各学校でのみどりづくり

・住宅地等における接道緑化、壁面緑化等の推進による目に見えるみどりの創

・大塚駅周辺の商店街における界わい緑化等の推進

・上池袋1丁目での居住環境総合整備事業による防災広場の整備や接道緑化等

の推進

○都電沿いのバラ緑化の PR

・バラ祭りなどのイベント等による都電沿いのバラ緑化の魅力の発信

136.3ha37,016人

10.2%樹木被覆地 9.0%草地 0.9%屋上緑化 0.4%

1.5%

地区面積人口(H22国勢調査)緑被率(H27)

公園面積率(H27.4.1)

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71

◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

図 25 みどりのまちづくり方針図(大塚地域)

大塚台公園

南大塚公園

都電荒川線

環状

5の1号

線(明

治通

り)

補助174号線

補助

79号線

放射

8号線

(春日

通り)

補助

80号

線補

助81号

天祖神社

~色とりどりの花に包まれ、人々が交流する花と緑の美しいまち~

補助 81 号線

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72

5-4 池袋本町・上池袋地域

◆みどりの現況

区の北部に位置する池袋本町 1 丁目から 4 丁目、上池袋2丁目(清掃工場区域

を除く)から 4 丁目の区域で、池袋本町公園、上池袋さくら公園、池袋本町電車

が見える公園のほか、谷端川北緑道、氷川神社や重林寺の境内などにまとまったみ

どりの資源があります。土地利用は、住宅系が大部分を占めており、ほぼ全体が木

造住宅密集地域になっています。JR 埼京線及

び東武東上線沿いには、工場や作業所なども

みられます。また、北池袋及び下板橋駅周辺、

池袋本町通りには商店街が形成されています。

公園面積率は 12 地区中 2 位と高くなってい

ますが、緑被率は比較的低い地域です。

◆みどりのまちづくりに向けて

○みどりのネットワークの形成

・放射 8 号線(川越街道)、環状 5 の 1 号線(明治通り)における街路樹の適

切な維持管理の継続

・補助 73 号線及び補助 82 号線の整備に合わせた街路樹の整備や沿道の緑化

・谷端川北緑道における地域と協働した維持管理の推進

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・池袋本町地区校舎併設型小中連携校における、周辺の寺社や公園とつながる

緑化の推進

・各学校でのみどりづくり

・上池袋 2 丁目から 4 丁目、池袋本町 1 丁目から 4 丁目における居住環境総

合整備事業による防災公園の整備や接道緑化等の推進

・住宅地等における生垣化の促進やオープンスペースの確保

・北池袋及び下板橋駅周辺、池袋本町通りの商店街でのみどりづくり

○歴史を伝えるみどりの保全・保護

・氷川神社のまとまりのあるみどりの保全

・重林寺などに存在する歴史的な価値のある樹木の保護

○区民参加によるみどりづくり

・池袋本町電車の見える公園や上池袋くすのき公園における、区民参加による

いのちの森の維持管理の推進

・町会で管理している北池袋駅の花壇など、区民参加の緑化活動の推進

111.1ha29,546人

10.8%樹木被覆地 9.0%草地 1.5%屋上緑化 0.3%

2.6%

緑被率(H27)

公園面積率(H27.4.1)

地区面積人口(H22国勢調査)

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73

◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

図 26 みどりのまちづくり方針図(池袋本町・上池袋地域)

池袋本町電車の見える公園

氷川神社

重林寺

環状

5の1号

線(明

治通

り)

放射

8号線

(川越

通り)

補助

73号

補助

82号線

~緑豊かな公園を核として多世代が安心して楽しめるまち~

上池袋くすのき公園

池袋本町公園

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74

5-5 池袋東地域

◆みどりの現況

区の中央に位置する東池袋1丁目から5丁目、南池袋1、2丁目、清掃工場があ

る上池袋2丁目の一部の区域で、池袋駅前のグリーン大通りはクスノキ・ケヤキな

どの区を代表するみどりの並木として親しまれています。土地利用は、商業業務系

の占める割合が高く、都電荒川線の沿線には住宅地が広がっています。また、東池

袋4、5丁目は木造住宅密集地域になっています。緑被率は 12 地区中最も低いで

すが、サンシャインシティや新庁舎などの屋

上緑化により、屋上緑化率は最も高くなって

います。また、東池袋中央公園、東池袋公園、

中池袋公園などにまとまったみどりがあり、

東池袋4、5丁目にはまちづくり広場の整備

が進んでいます。

◆みどりのまちづくりに向けて

○みどりのネットワークの形成

・グリーン大通りを軸とした、既存の公園や都市開発により創出されたみどり

をつないだ、四季の彩りが感じられるみどりのネットワークの形成

・放射 8 号線(春日通り)、放射 26 号線(日出通り)、環状 5 の 1 号線(明治

通り)、補助 171 号線(明治通り)、補助 172 号線、補助 174 号線(西巣

鴨橋通り)、補助 175 号線、補助 176 号線及び補助 177 号線(サンシャイ

ン 60 通り)における街路樹の適切な維持管理の継続

・環状 5 の 1 号線及び補助 81 号線の整備に合わせた街路樹の整備や沿道の緑

・雑司ヶ谷霊園や近隣の豊島ヶ岡御陵、新庁舎などをつなぐ生物多様性に配慮

したみどりのネットワークの形成

・南北区道(アーバンコリドー)における、グリーンループ構想に基づいた新

たな街路樹の導入による緑化の検討

・寺町プロジェクトによる周辺区道の緑地帯の整備

○池袋駅周辺のおもてなしのみどりづくり

・国内外の人を迎え入れる池袋副都心の顔となる池袋駅周辺における、彩りや

潤いあるみどりづくりの推進

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・庁舎跡地の整備における、中池袋公園と連携したみどりの創出

・新庁舎における緑化空間の適切な維持管理の推進と環境教育プログラムなど

自然に親しむ企画のより一層の充実

・大規模開発における、みどりの条例による緑化計画の届出制度などを活用し

た、緑地や公開空地の創出など都市空間の質の向上

・東池袋 4、5 丁目における、居住環境総合整備事業による広場の整備や接道

緑化等の推進及び、まちづくり広場の住民自主管理の推進

○拠点となる公園の整備

・南池袋公園における、人々が憩い、防災機能を有する公園としての全面改修

・中池袋公園の、旧庁舎跡地活用事業による周辺施設との一体的な公園整備

・造幣局東京支局移転後の跡地における、災害時に避難場所や応急活動の空間

となる防災機能を備えた公園の整備

138.4ha23,500人

8.3%樹木被覆地 6.7%草地 0.7%屋上緑化 0.9%

2.2%公園面積率(H27.4.1)

地区面積人口(H22国勢調査)緑被率(H27)

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75

◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

環状

5の1号

線(明

治通

り)

図 27 みどりのまちづくり方針図(池袋東地域)

新庁舎

東池袋中央公園

放射

8号線

(春日

通り)

放射

26号線

(日出

通り)

補助

176号線

補助

175号

補助

174号

(西巣

鴨橋

通り)

補助177号線

(サンシャイン60通り)

環状

5の

1号

線(明

治通

り)

補助

171号

線(明

治通

り)

補助

81号

サンシャイン通り

グリーン大通り

補助172号線

~魅力とにぎわいの池袋副都心を支える多彩なみどりのまち~

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5-6 池袋西地域

◆みどりの現況

区の中央部に位置する池袋1丁目から4丁目、西池袋1丁目及び3丁目から5丁

目の区域で、池袋西口公園、アゼリア通りや劇場通り、また、立教大学などにまと

まったみどりがみられます。特に、劇場通りは区を代表するケヤキ並木として親し

まれています。地域西側には谷端川があり、谷端川南緑道として整備されています。

土地利用は、池袋駅周辺で商業業務系の占める割合が高く、その他の地区では住宅

地が広がり、平和通りなどの駅周辺の商店街

が形成されるとともに、谷端川南緑道沿道や

西武池袋線沿線などに木造住宅密集地域があ

ります。池袋西口公園、西池袋公園、池袋の

森などにより公園面積率は比較的高いですが、

緑被率は 12 地区中 11 位と低くなっていま

す。

◆みどりのまちづくりに向けて

○みどりのネットワークの形成

・アゼリア通り・補助 78 号線(要町通り)を軸とした、既存の公園や都市開

発により創出されたみどりをつないだ、四季の彩りが感じられるみどりのネ

ットワークの形成

・放射 8 号線(川越街道)、環状 6 号線(山手通り)、補助 73 号線(劇場通り)

における、街路樹の適切な維持管理の継続

・補助 172 号線及び補助 173 号線の整備に合わせた街路樹の整備や沿道の緑

・立教大学や西池袋公園などをつなぐみどりのネットワークの形成

・谷端川南緑道における、地域と協働した維持管理の推進

○拠点となるみどりの保全、育成

・学校や地域と連携した立教大学のみどりの保全

・池袋駅西口駅前広場のモザイカルチャーにおける、地域と協働した維持管理

の推進

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・大規模開発における、みどりの条例による敷地内や屋上・壁面の緑化計画の

届出制度などを活用した、潤いのある公園緑地や公開空地の創出など都市空

間の質の向上

・学校や地域と連携した、西池袋中学校(旧道和中学校)の屋上緑化の維持管

理の推進

・池袋 2、3 丁目における接道緑化の促進や緑化されたオープンスペースの確

・平和通りなどの駅周辺の商店街でのみどりづくり

○区民参加によるみどりづくり

・地域と協働した、みらい館大明のいのちの森の維持管理の推進

151.8ha32,510人

9.5%樹木被覆地 8.3%草地 0.7%屋上緑化 0.5%

2.0%

地区面積人口(H22国勢調査)緑被率(H27)

公園面積率(H27.4.1)

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77

◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

~立教大学のみどりや魅力あるみどりの回廊を地域で育むまち~

図 28 みどりのまちづくり方針図(池袋西地域)

重林寺

アゼリア通り

放射

8号線

(川越

街道

補助

73号

線(劇

場通

り)

補助

173号線

補助78号線(要町通り)

環状

6号線

(山手

通り)

補助172号線

立教大学池袋西口公園

谷端川緑道

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5-7 雑司が谷地域

◆みどりの現況

区の南部に位置する雑司が谷1丁目から3丁目、南池袋3、4丁目の区域で、台

地と低地による地形の変化がある地域です。雑司ヶ谷霊園周辺は閑静でみどり豊か

な街並みが形成されているほか、法明寺、子母神、旧宣教師館などの歴史的資源

が数多く残っており、まとまったみどりを形

成しているため、緑被率は 12 地区中最も高

くなっています。土地利用は、住宅系が過半

を占めていますが、池袋副都心に近接する南

池袋3丁目では商業業務系の建物もみられま

す。

◆みどりのまちづくりに向けて

○雑司ヶ谷霊園の保全・活用

・雑司ヶ谷霊園における東京都と連携したみどりの拠点としての保全・活用

○みどりのネットワークの形成

・放射 26 号線(日出通り)を軸とした、既存の公園や都市開発により創出さ

れたみどりをつないだ四季の彩りが感じられるみどりのネットワークの形成

・都電沿いや環状 5 の 1 号線及び補助 81 号線における豊かな街路樹整備の要

・補助 76 号線(目白通り)及び補助 171 号線(明治通り)における適正な維

持管理の継続

・雑司ヶ谷霊園や法明寺、子母神の貴重なみどりをつなぐ生物多様性に配慮

したエコロジカルネットワークの形成と拡大

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・南池袋小学校のビオトープ池や校庭芝生化などの事例や、それに伴う緑化の

効用の周知による意識啓発の推進

・住宅地等における接道緑化の促進や緑化されたオープンスペースの確保

○拠点となる公園の整備

・高田小学校の跡地における、防災機能を有した近隣公園の整備の検討

○歴史を伝えるみどりの保全・活用

・歴史的資源である雑司ヶ谷霊園、法明寺、子母神、旧宣教師館などのみど

りの保全と観光資源としてのより一層の活用

・雑司ヶ谷子母神の大イチョウや子母神大門ケヤキ並木など、歴史的に受

け継がれている樹木等の保護

○区民参加によるみどりづくり

・南池袋小学校で実施している、生徒や PTA による芝生やビオトープの維持

管理などの活動の周知と拡大

73.1ha13,153人

24.0%樹木被覆地 21.4%草地 2.4%屋上緑化 0.2%

0.9%

地区面積

公園面積率(H27.4.1)

人口(H22国勢調査)緑被率(H27)

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◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

図 29 みどりのまちづくり方針図(雑司が谷地域)

雑司ヶ谷霊園 旧宣教師館

子母神大門ケヤキ並木雑司ヶ谷子母神

放射

26号線

(日出

通り)

補助81号線環

状5の

1号線

補助76号線(目白通り)

補助

171号

線(明

治通

り)

~江戸時代の歴史を伝える古のみどりと多様な生命が息づくまち~

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5-8 高田地域

◆みどりの現況

区の南部に位置する高田1丁目から3丁目の区域で、「のぞき坂」、「宿坂」、「富

士見坂」など名称のついた坂が多くある地域です。また、神田川沿いには遊歩道が

整備され、土地利用は、住宅系が高い比率を占めていますが、神田川沿いの低地部

を中心に事務所系や工業系の施設も点在しています。大規模な公園が少なく公園面

積率は比較的低いですが、神田川の桜並木や

寺社などの緑地が分布し、緑被率は比較的高

くなっています。また、比較的大規模な屋上

緑化が整備されている施設が点在しており、

屋上緑化率は 12 地区中 2 位と高くなってい

ます。

◆みどりのまちづくりに向けて

○みどりのネットワークの形成

・環状 4 号線(不忍通り)の整備に合わせた街路樹整備の要請

・放射 7 号線(新目白通り)、環状 5 の 1 号線(明治通り)、補助 72 号線にお

ける街路樹の適正な維持管理の継続

・神田川や街路樹等を軸とした、隣接する学習院大学、新江戸川公園、甘泉園

公園などをつなぐエコロジカルネットワークの形成と拡大

○神田川側道の桜並木の保全・活用

・地域と協働した神田川側道の桜並木の維持管理の推進

・景観条例での指導・協議等による地域特性に応じた景観づくり

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・各学校でのみどりづくり

・工場跡地など大規模敷地での土地利用転換時における、みどりの条例による

敷地内や屋上・壁面の緑化計画の届出制度などを活用したオープンスペース

の確保や緑化の誘導

・生物多様性を考慮した公開空地等の質の向上の推進

・学習院の森の環境を一部活用した千登世橋中学校のビオトープのような、地

域特有のみどり資源の活用・拡大

○歴史を伝えるみどりの保全・活用

・氷川神社や目白不動金乗院などの寺社のみどりの保全・活用

49.4ha11,252人

14.0%樹木被覆地 12.2%草地 1.1%屋上緑化 0.7%

1.0%公園面積率(H27.4.1)

緑被率(H27)

地区面積人口(H22国勢調査)

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◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

図 30 みどりのまちづくり方針図(高田地域)

目白不動金乗院

明治通り(環状 5 の 1 号線)

南蔵院

氷川神社

神田川の桜並木(区HPより)

環状

4号

線(不

忍通

り)

放射7号線(新目白通り)

環状

5の

1号

線(明

治通

り)

補助

72号

~うるおいと彩りのある情緒あふれるみどりを巡るまち~

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82

5-9 目白地域

◆みどりの現況

区の南部に位置する目白1丁目から5丁目、西池袋2丁目の区域で、目白駅周辺

では台地と低地による緩やかな地形の変化があります。区を代表する豊かな緑地を

有する学習院大学のほか、目白庭園、目白の森などみどり豊かな地域資源が点在し

ています。また、目白通り、明治通りのイチョウ並木をはじめ、山手通りでは街路

樹や植栽等により、みどり豊かな街路空間が

形成されています。土地利用は、住宅系が大

半を占めており、特に目白通りの北側地域は、

徳川ビレッジをはじめ敷地規模が大きい戸建

て住宅が多く、緑被率の高い住宅地を形成し

ています。

◆みどりのまちづくりに向けて

○みどりのネットワークの形成

・環状 6 号線(山手通り)、補助 73 号線の整備に合わせた街路樹の整備

・環状 5 の 1 号線(明治通り)、補助 76 号線(目白通り)、補助 171 号線(明

治通り)及び補助 172 号線(西池袋通り)における、街路樹の維持管理や沿

道の緑化

・学習院大学のみどり、沿道緑化された目白小学校などをつなぐみどりのネッ

トワークの形成と拡大

○学習院大学のみどりの保全

・生物が行き来できる生息空間のネットワーク形成を考慮した、学習院大学の

自然のままのみどりとしての保全

・目白小学校や千登世橋中学校のビオトープのように、学習院大学のみどりを

拡大する緑化の推進

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・学習院大学の森や、徳川ビレッジのような地域特有のみどり資源の活用

・低層住宅地における、みどりの協定や緑化助成制度の活用による緑豊かな住

環境の創出

○拠点となる公園の整備・維持管理

・目白庭園や目白の森のような四季折々に自然を感じられるみどりの活用と維

持管理の実施

○歴史を伝えるみどりの保全

・上り屋敷公園のムクノキのような、歴史を感じる樹木を保全する維持管理の

実施

○区民参加によるみどりづくり

・地域と協働した、目白小学校の接道緑化、屋上・壁面緑化、ビオトープの維

持管理の実施

111.1ha18,391人

22.4%樹木被覆地 21.1%草地 0.9%屋上緑化 0.4%

1.0%

人口(H22国勢調査)緑被率(H27)

地区面積

公園面積率(H27.4.1)

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83

◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

図 31 みどりのまちづくり方針図(目白地域)

目白小学校屋上庭園

目白通り(補助 76 号線)目白庭園

学習院椿の坂

学習院大学

環状

6号線

(山手

通り)

補助

73号

補助172号線(西池袋通り)

補助

171号

線(明

治通

り)

補助76号線(目白通り)

環状

5の1号

線(明

治通

り)

~学習院大学の自然のみどりと緑豊かな住環境が調和した品格のあるまち~

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5-10 高松・要町・千川地域

◆みどりの現況

区の西部に位置する高松1丁目から3丁目、要町1丁目から3丁目の一部及び千

川1、2丁目の区域です。地域西側の千川上水は暗渠ですが、一部桜並木となって

おり地域の人々に親しまれています。また、要町通りは、「池袋の都市軸」である

アゼリア通りへとつながる幹線道路であり、街路樹等によるみどり豊かな沿道景観

が形成されています。土地利用は、住宅系が

大半を占め、戸建て住宅の構成比が高くなっ

ています。また、えびす通りは、住商併用建

築物による商店街が形成されています。千川

彫刻公園など特色ある公園が整備されていま

すが、公園面積率は 12 地区中 11 位と低く

なっています。

◆みどりのまちづくりに向けて

○みどりのネットワークの形成

・放射 36 号線(要町通り)を軸とした、四季の彩りが感じられるみどりのネ

ットワークの形成

・環状 6 号線(山手通り)及び補助 26 号線における、街路樹整備の要請や沿

道の緑化

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・学校や地域と連携した、高松小学校、千川中学校の樹木の維持管理

・各学校のみどりづくり

・戸建て住宅地における、接道緑化や壁面緑化などの目に見えるみどりの創出

や界わい緑化の促進

・集合住宅地や事業所の建築時の緑化推進、生物多様性を考慮した公開空地等

の質の向上

・えびす通りの商店街でのみどりづくり

○みどりの活動の情報提供

・高松小学校の芝生や田んぼ、畑などでの活動の情報発信

88.6ha18,513人

12.6%樹木被覆地 11.3%草地 1.1%屋上緑化 0.2%

0.7%

地区面積人口(H22国勢調査)

公園面積率(H27.4.1)

緑被率(H27)

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85

◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

図 32 みどりのまちづくり方針図(高松・要町・千川地域)

千川彫刻公園

富士浅間神社

放射

36号線

(要町

通り)

環状

6号線

(山手

通り)

補助

26号

線~人々のふれあいで身近なみどりを創り育むまち~

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86

5-11 長崎・千早地域

◆みどりの現況

区の西部に位置する長崎1丁目から6丁目、千早1丁目から4丁目及び要町1丁

目から3丁目の一部の区域で、地域には、みどりが茂り歴史のある長崎神社、金剛

院、谷端川とその水源である粟島神社、千川親水公園、長崎公園、千早フラワー公

園、千早公園などがあり、みどりと水の空間が形成されています。また、要町通り

や千川通り、山手通りなどの街路樹により、みどり豊かな景観が形成されています。

土地利用は、住宅系が大半を占め、庭付きの

戸建住宅が多い低密度の住宅地と木造アパ

ートや住商併用住宅が混在する高密度の住

宅地に分かれます。また、椎名町駅、東長崎

駅、要町駅及び千川駅周辺では商店街が形成

されています。

◆みどりのまちづくりに向けて

○みどりのネットワークの形成

・放射 36 号線(要町通り)を軸とした、四季の彩りが感じられるみどりのネ

ットワークの形成

・環状 6 号線(山手通り)、補助 26 号線及び補助 172 号線の整備に合わせた

街路樹の整備や沿道の緑化

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・点在する小・中・高等学校における緑化及びビオトープ整備の推進

・旧第十中学校における、野外スポーツ施設の整備の検討

・長崎 1 丁目から 5 丁目、千早 3 丁目における接道緑化の促進や緑化されたオ

ープンスペースの確保

・椎名町駅、東長崎駅の駅前広場における花植えや緑化の推進

・椎名町駅、東長崎駅、要町駅及び千川駅周辺の商店街におけるみどりづくり

○歴史を伝えるみどりの保全・活用

・長崎神社や金剛院、粟島神社などの伝統ある寺社のみどりの保全及び観光資

源としての活用

○区民参加によるみどりづくり

・学校の森における区民と協働した適切な維持管理の推進

・駅前や商店街、公園等での花壇づくり、住民による維持管理の推進

166.7ha35,948人

12.2%樹木被覆地 10.6%草地 1.3%屋上緑化 0.3%

1.4%

地区面積

公園面積率(H27.4.1)

人口(H22国勢調査)緑被率(H27)

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◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

図 33 みどりのまちづくり方針図(長崎・千早地域)

千早緑地公園

千早公園

長崎神社

長崎公園

環状

6号線

(山手

通り

補助

26号

補助

172号

放射

36号線

(要町

通り)

要小学校

~歴史ある緑に迎えられ、水や花に親しむまち~

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5-12 南長崎地域

◆みどりの現況

区の南西部に位置する南長崎1丁目から6丁目の区域で、地域内には、椎名町公

園、南長崎はらっぱ広場、南長崎スポーツ公園など比較的規模の大きな公園が整備

されており、公園面積率は 12 地区中最も高

くなっています。土地利用は、住宅系が大半

を占め、木造住宅密集地域が広がっています。

また、椎名町駅周辺、東長崎駅周辺、大和田

通り及び南長崎通りでは商店街が形成されて

います。

◆みどりのまちづくりに向けて

○みどりのネットワークの形成

・環状 6 号線(山手通り)及び補助 26 号線の街路樹整備の要請及び沿道の緑

・放射 7 号線(目白通り)及び補助 76 号線(目白通り)における街路樹の適

正な維持管理の継続

○公共公益施設や民有地の緑化推進

・南長崎はらっぱ公園のような、手に触れて遊べるみどりの育成

・富士見台小学校のように、計画・施工・維持管理を児童と地域で行うビオト

ープづくりや緑化を拡大

・接道緑化や壁面緑化などの目に見えるみどりの創出や界わい緑化の促進及び

オープンスペースの確保

・椎名町駅、東長崎駅、要町駅及び千川駅周辺での緑化及び花壇づくりや住民

による維持管理の推進

○拠点となる公園の維持管理の推進

・南長崎スポーツ公園における指定管理者制度の活用によるより魅力的なみど

りの拠点形成

・南長崎はらっぱ公園における区民が中心となったいのちの森やビオトープの

維持管理活動の拡大

・椎名町公園の大ケヤキのように、地域を代表するみどりの保全・維持管理

80.4ha20,088人

11.1%樹木被覆地 9.6%草地 1.2%屋上緑化 0.3%

1.7%

地区面積

緑被率(H27)

公園面積率(H27.4.1)

人口(H22国勢調査)

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◆みどりのキャッチフレーズ

◆みどりのまちづくり方針図

図 34 みどりのまちづくり方針図(南長崎地域)

南長崎はらっぱ公園

椎名町公園

南長崎スポーツ公園環

状6号

線(山

手通

り)

補助76号線(目白通り)

放射

7号線

(目白

通り

補助

26号

~多世代に愛される、地域に根ざしたみどりのまち~

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6.計画推進の方策

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6.計画推進の方策

計画を推進するためには、区民・事業者・行政が本計画の理念と目指すべき将

来像・目標・施策を共有し、みどりの推進に努める事が必要です。そのために、

それぞれの役割を理解し協働していくことが重要です。

そこで、以下のとおり区民・事業者・区がそれぞれの役割を担うこととします。

6-1 区民・事業者・区の役割

1.区民の役割

豊島区のみどりの約 8 割が住宅系の用途地域にあります。このため、日常生活

の中でふれあえる、身近なみどりを保全し広げていくためには、区民が主体とな

り取組むことが必要です。

区民は、自宅の庭木や生垣などのみどりの良好な維持管理に努めるとともに、

みどりの増進に努めます。また、本計画に掲げた区民が係わるべき施策について

積極的に参加します。

2.事業者の役割

本計画を推進するためには事業地内のみどりの保全と拡大が必要です。このた

め、事業者も区民の一員として、事業地内のみどりの良好な管理に努めるととも

に、建築行為を行う場合には、みどりの条例に基づき、地上部・接道部・建物上

の緑化に積極的に取組みます。また、設置したみどりや公開空地の良好な管理を

行います。

3.区の役割

(1)推進体制確立と進捗管理

本計画の施策は、まちづくりから環境行政や教育行政まで多方面の分野にわ

たっており、計画を実現していくためには、行政内の関係する部署との連携と

調整が欠かせません。

このため、行政内に関係部署からなる横断的な調整機関を設けて施策を推進

していきます。

施策の進捗管理については、年度ごとに調整機関による、達成状況について

の検証と評価を行い、必要な改善を図っていきます。

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(2)連携・協働体制をつくるための調整

みどりのまちづくりには、区民・事業者・行政がそれぞれの役割と責任を明

確に持ち、連携しながら協働する体制が必要です。区は、それぞれの役割をコ

ーディネートし、豊島区内のみどりの街づくりに連携・協働体制を築いていき

ます。

(3)国・東京都・周辺区との連携

風とみどりの軸を形成するためには、区が管理する道路以外に、国道や都道

及び周辺区の道路管理者との協議が必要となります。また、民間施設の緑化指

導内容の見直し等については東京都との協議も必要です。このため、区は施策

の推進に向け、国や東京都・周辺区など関係機関との連携を強化し事業の推進

にあたります。

(4)緑化推進の財源確保

区は施策の推進に必要な財源の確保に努めます。また、みどりの基金を広く

宣伝していく中で区民や事業者からの寄付を推進します。

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6-2 施策推進のスケジュール

施策の推進スケジュールを以下に示します。

実施中実施予定

④神田川側道の桜並木の保全・活用 ○

⑤谷端川の緑地の維持管理 ○

⑥都立霊園のみどりの保全・活用 ○

①学校の森の育成 ○

③学校の屋上緑化・壁面緑化の推進 ○

④学校の緑縁空間づくり ○

①みどりと水の保全・創出とつながりの確保 ○

②生態系に配慮した公園づくり ○

③学校教育でのビオトープつくり ○

①公共施設緑化の推進 ○

・計画的な管理 ○

・区民参加による緑地管理 ○

・「学校の森」・「いのちの森」の維持管理 ○

①指導・協議による緑化 ○

②壁面緑化による指導内容の充実 ○

③接道緑化助成 ○

④屋上緑化・壁面緑化の啓発と助成 ○

⑤保護樹木・樹林・生垣の指定 ○

⑥みどりの協定の推進 ○

⑦大規模民間施設の建築物の緑化推進 ○

⑧緑化推進制度の活用 ○

⑨緑化重点地区の活用 ○

⑩公開空地等の緑化の質の向上 ○

①立体的な緑化の推進 ○

・界わい緑化推進プログラム ○

・商店街を中心とした緑化推進 ○

③小広場の緑化 ○

④都電敷の緑化 ○

⑤雨水の地下浸透の促進 ○

①防災性向上に配慮した緑化の推進 ○

②生垣化の促進 ○

エコロジカルネットワーク形成

2.日常生活でふれあえるみどりを広げる

公共施設の緑化

②公共施設の緑地管理

あらゆる都市空間の緑化推進

②街なか緑化の推進

民有地の緑化

都市の防災性を向上するための緑化推進

施     策

1.みどりのネットワークをつくる

風とみどりの道の形成 ①池袋副都心軸のみどりのネットワーク化の推進

②都市計画道路整備によるみどりの軸の形成

③既存道路の再整備等による快適な歩行者空間の創出

学校等を中心としたみどりのネットワーク形成

②学校の校庭芝生化

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実施中実施予定

①区民参加によるみどりの空間づくり ○

②区民参加によるみどりの空間の管理 ○

③「としま生きものさがし」の実施 ○

①緑のカーテンづくりの推進 ○

②緑化講習会の開催 ○

③生物多様性に関する観察会の実施 ○

④落ち葉等のリサイクルの促進 ○

⑤人々のネットワークの充実 ○

⑥緑化情報の発信 ○

⑦みどりの名所を巡るルートづくり ○

⑧みどりの基金の充実 ○

⑨交流都市と連携したみどりの拡大 ○

⑩染井よしの発祥地としてのPR ○

②民間基金と連携した緑化の推進 ○

①計画的な配置 ○

②今後整備する公園等の検討 ○

③立体都市公園の検討 ○

①造幣局東京支局移転後の跡地活用の検討 ○

②高田小学校の跡地活用の検討 ○

公園の維持管理 ○

公園の利用管理 ○

公園の再整備 ○

公園の活用・運営 ○

施     策

3.みどりをみんなでつくり・育て・考える

区民参加によるみどりのまちづくり

みどりの啓発事業の推進

区民や事業者の主体的な緑化活動支援

①みどりのボランティアや活動団体への支援の促進

4.拠点となるみどりを増やす

拠点となる公園の配置

大規模公共施設の緑化

民有地緑地の保護・保全・活用

5.地域の人々に愛され、親しまれる公園を育てる

防災機能を有する公園の整備促進

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資料編

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資料編

1 施策の進捗状況(平成 23 年度から平成 27 年度末まで)

旧計画における5つの基本方針に基づく15施策のうち、主な施策の5年間の

実績と課題は次のとおりです。

基本方針1:みどりのネットワークをつくる

旧計画では道路や河川沿いの線的なみどりや大学や霊園・新庁舎などの拠点と

なるみどりに加えて身近な地域のみどりを繋げることで、ネットワークを形成して

いくことを目指しました。

実 績

1.風とみどりの道の形成

① 池袋副都心整備ガイドプラン(※)による環境対策の率先

○ 新庁舎建築にあたっては、池袋駅と新庁舎をつなぐグリーン大通

りの多様な並木と呼応する外観デザインとすることで都市と連

続する景観をつくりました。また、「環境対策を先導する環境庁

舎」として、区民に親しまれる緑豊かな環境を創りつつ、太陽光

発電、自然採光、エコ照明、雨水利用による水循環システム、地

域冷暖房システムの導入など、環境技術を積極的に取り入れ、新

庁舎の緑被率は 26.4%(緑被地 2,422 ㎡)となり、緑被地のう

ちの 4 割以上が屋上緑化となっています。

従来の建物に比べ、庁舎部分で CO2 排出量を 30%以上抑えるこ

とができると想定しています。

(※池袋副都心整備ガイドプランは、豊島区都市づくりビジョン

の第 5 章、第 6 章に継承、発展)

② 都市計画道路整備によるみどり軸の形成

○ 補助 173 号線:歩道整備時に植栽します(平成 29 年度予定)。

(整備延長 505m)

③ 既存道路の再整備等による快適な歩行者空間の創出

○ 駒込緑陰、すがも桜並木通り:歩道拡幅、カラー舗装、植栽地盤

改良などを実施しました。

※ 南北区道、寺町周辺区道についても、コミュニティ道路の整備や

歩道拡幅、植栽の刷新などを実施予定です。

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④ 神田川側道の桜並木

○ 神田川側道の桜並木の枯れ枝を除去するなど、良好な生育のため

手入れをしました。

○ 桜並木(巣鴨緑陰等)のサクラの健康状態を調査しました。

⑤ 谷端川の緑化推進

○ みどりの協定を活用し、適正な維持管理をしています。

⑥ 都立霊園のみどりの保全・活用

○ 染井霊園:平成 24 年 5 月に東京都公園審議会により「染井霊園

再生のあり方について」の答申が出されており、再生方針を明ら

かにしています。

2.学校等を中心としたみどりのネットワーク形成

平成 27 年度緑被現況調査では、学校等における緑被地は 20.7ha、緑

被率は 23.8%となりました。学校等における屋上緑化は、46 箇所、5,290

㎡となり、平成 21 年度より 22 箇所、2,735 ㎡増加しました。

学校の森については、植栽はすべての区立小中学校で終了しており、管

理は基本的に学校で行っています。

目白小学校や西池袋中学校(旧道和中学校)の新築の際に、屋上緑化・

壁面緑化を行い、みどりのネットワークを広げています。

また、接道部にオープンスペースを設け、既存樹木を保存したり、緑地

を設置するなど街とつながる緑縁空間の創出に努めました。

表 8 学校芝生化・維持管理の実績

区分 芝⽣化完了年度 学校名 管理形態 その他

平成12年度 ⾼松⼩学校学校

(⽤務業務)

平成21年度 清和⼩学校維持管理委託(年間契約)

地域のボランティア芝刈実施

平成22年度 南池袋⼩学校維持管理委託(年間契約)

地域のボランティア芝刈実施

平成22年度 ⻑崎⼩学校維持管理委託(年間契約)

地域のボランティア芝刈実施

中学校 平成21年度 巣鴨北中学校維持管理委託(年間契約)

地域のボランティア芝刈実施

小学校

3.ビオトープネットワークの形成

目白小学校では、改築にあたりビオトープの内容を児童に検討してもら

い、それを設計に反映させ整備しました。

また、新庁舎建設にあたっては、屋上庭園「豊島の森」を整備し、ビオ

トープや小川、水槽を整備し、かつての豊島区の自然を再現しました。

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課 題

1.道路整備をはじめ個々の事業は進んでいますが、区が管理する道路は幅員

が狭く、街路樹の整備にあたっては住民から反対の声が挙がることもあり

ます。また、植樹帯の整備は、煙草のポイ捨てなどのゴミの投棄のため、

近隣住民の苦情が多く新たな整備が困難な状況です。そのため、区民との

話し合いの機会を持ったり、清掃ボランティアなどの育成を図るなどし、

街路樹のみどりを守り増やしていくことの意識を醸成していく必要があ

ります。

2.街路樹の植栽や管理にあたっては、今後、植栽パターンや維持管理を含め

た「道路緑化ガイドライン」の策定により適切な植栽、生育環境の確保、

維持管理を行い、快適な歩行空間の創出や景観づくりを進める必要があり

ます。

3.谷端川の緑化については、既に緑化済みであり新たに緑化できるスペース

がないため、今後区民参加等による適切な維持管理を進めていく必要があ

ります。

4.平成 21 年度から学校の校庭全面芝生化が行われており、その維持管理に

ついて学校関係者や地域住民を中心とした維持管理グループ(芝ふれんず

清和)が組織され区民参加が図られてきましたが、平成 22 年度に南池袋

小学校と長崎小学校で全面芝生化工事以降の整備は行われていません。

校庭を芝生化する場合、全面芝生化にしてしまうと養生期間中に校庭の使

用が制限されるため、今後は全面芝生化ではなく部分芝生化の整備を検討

します。

5.ビオトープの整備は少しずつ進んでいますが、今後も学校をはじめとする

公共施設内での整備、ビオトープの核となる雑司ヶ谷霊園や染井霊園での

貴重な緑地の保全を推進し、ビオトープネットワークを形成する必要があ

ります。また、既設のビオトープの実態調査も行っていく必要があります。

6.みどりのネットワーク形成にあたっては、みどりを単につなげるだけでな

く、人が散策等を楽しむためのネットワーク、ビオトープネットワーク、

夏場の緑陰形成のネットワーク、風の道などさまざまな目的を明確にした

ネットワーク形成を行うことでまちを楽しく住みやすくすることが重要

です。

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基本方針2:日常生活でふれあえるみどりを広げる

旧計画では、みどりの拠点づくりを連動しながら、日常生活の中でふれあえる

身近なみどりづくりを広げていくため、きめ細かな施策を展開することを目指しま

した。

実 績

1.公共施設の緑化

① 公共施設緑化の推進

区内の公共施設 179 箇所の緑被面積は 21.9ha あり、緑被率は

27.7%となりました。

も代表的な公共施設である新庁舎建設にあたっては、地上部緑化の

ほか、豊島区の自然を再現した屋上緑化(豊島の森)や 8 階、6 階、4 階

に整備された「グリーンテラス」、外壁を緑化パネルで覆うエコヴェー

ルなどにより、まとまりのあるみどりを創出(クールスポット化)し、緑

豊かなうるおい溢れる庁舎となりました。

② 公共施設の緑地管理

「学校の森」「いのちの森」については、植栽後 4~6 年を経て生育

状況が落ち着いてきたため、年 1 回の状況調査と、その結果に基づく個

別対応を行っています。

2.民有地の緑化

① 指導・協議による緑化

区では、平成 15 年度より、「東京における自然の保護と回復に関す

る条例」と「豊島区みどりの条例」を一元化し「豊島区みどりの条例」

に基づく指導を実施しています。一元化した際には建物上の緑化基準も

設け、平成 21 年から壁面緑化の基準も設けました。

緑化指導による緑地面積は、平成 15 年度~26 年度までで、地上部

で約 52.4ha(緑被地面積の約 31%)、建物上についても 2.6ha が整

備されており着実に緑化面積は増加しています。人工構造物が 85%の

地表を覆っている豊島区では確実な緑地確保として一層の指導の充実

が求められます。

○ 地上部の緑化面積は 524,280 ㎡になりました。

○ 屋上部の緑化面積は 23,833 ㎡が整備されました。

○ 接道部緑化は 22,992mのみどりを確保することができました。

また、平成 27 年度の緑被現況調査では、集合住宅の緑被率が 10.2%

となっており、平成 21 年度に比べ 2.0 ポイント増加しています。

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0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26

面積(㎡)

地上部緑化指導面積

図 35 緑化指導による緑化面積の推移

② 接道緑化助成

接道緑化の助成制度により緑化の支援を行い、150mのみどりを確保

しました。

表 9 接道緑化の助成件数

項⽬\年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度助成件数 7 4 3 1 4助成延⻑(メートル)

82 20 21 3 26

※界わい緑化は含まない

③ 屋上緑化・壁面緑化の啓発と助成

○ ツル植物を平成23年度~27年度で合計3,934本配布しました。

○ 屋上等緑化助成

屋上等緑化の助成制度による緑化の支援を行い、594 ㎡のみどり

を確保しました。

表 10 ツル植物の配布数

項⽬\年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度ツル植物の苗の配布

859株 789株 523株 836株 927株

表 11 屋上緑化の助成件数

項⽬/年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度助成件数 9 6 8 1 2助成⾯積(平⽅メートル)

329 103 129 11 22

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④ 保護樹木・保護樹林の指定

大きな樹木など貴重なみどりを保護するために、一定の基準の樹木・

樹林・生垣を保護樹木等として所有者の同意を得て指定、維持管理費の

一部を助成しています。

表 12 保護樹木・保護樹林・保護生垣の指定状況

⑤ 公開空地等の緑化の質の向上

目白駅前複合施設等に、染井吉野研究会で育成した苗木 4 本を提供し

ました。

3.あらゆる都市空間の緑化推進

① 立体的な緑化の推進

新しく建設された庁舎では、外周部の樹木の植栽の他に、屋上庭園「豊

島の森」と「グリーンテラス」を階段で結んだ「エコミューゼ」、建物

全体を緑化パネルや太陽光発電パネルで包む「エコヴェール」などによ

りグリーン大通りから雑司ヶ谷霊園へ至るみどりのネットワークを形

成し、立体的な緑化を実現しました。

② 界わい緑化の推進

同じ通りに面する 3 軒以上のお宅や事業所の道路沿いの緑化を助成

しています。小さな緑地もつながることで、みどりのまちをつくります。

平成 24 年度に 12 箇所、25 年度に 8 箇所、平成 26 年度に 1 箇所

で実施しました。

表 13 界わい緑化実績

③ 都電敷の緑化

大塚駅~向原駅間の都電沿線では地元の方により見事なバラ花壇が

整備され、平成 27 年 5 月現在で 500 品種、710 株のバラが植えら

れています。また、春と秋にバラ祭りを開催し、フォトコンテストやバ

ラの苗の植え替え講習会などが実施されています。

項⽬\年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度保護樹⽊(本) 403 354 351 352 359保護樹林(平⽅メートル) 46662 58394 59434 59549 59549保護⽣垣(メートル) 894 894 869 946 948

年度 24年度 25年度 26年度件数 12 8 1

実施箇所 大塚駅南町大塚駅南町、目白五丁目

目白五丁目

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課 題

1.現在、みどりの条例により建物の延べ床面積が 600 ㎡以上の建築行為で

緑化計画書の提出を義務づけていますが、一般住宅ではなかなか適用され

にくいことから、民有地の緑化をより促進するために提出要件を拡張する

ことも検討する必要があります。

2.緑化指導については、商業地域での地上部緑化と接道部緑化については、

店先利用などのため地上部での設置が難しい場合が多く、屋上への振替な

どもあり、日常ふれあえる緑とはなっていません。また、接道緑化基準を

満たせないケースも見られます。繁華街を抱える豊島区の特性を生かした

新たな緑化基準の検討も求められます。ただし、壁面緑化を地上部緑化と

して認めると、樹木を植栽した緑地が減少するケースがあるので、地上部

緑地の補強・補完として壁面緑化を指導するような仕組みが必要です。

3.屋上など建物上緑化に関する講習会など充実させていく必要があります。

助成申請は環境問題への関心の高まりもあり例年一定の申請があります

が導入初期に比べ年々申請件数は減少しており、一層の制度活用推進のた

めの広報活動が求められます。

4.保護樹木・保護樹林については、今後ますます市街地の高密化が進み、相

続に伴う土地の売買などにより、保護樹木・保護樹林等は、減少が予想さ

れています。そこで、現所有者や新たな所有者に対して、この制度の趣旨

の十分な理解・協力を求めながら、歴史的に受け継がれている大切な樹木

の保護に努めていく必要があります。また、保護樹木に対する近隣住民の

理解と協力が得られるような支援の検討が必要です。

5.「公園等みどりの協定実施要綱」により「公園等みどりの協定」を結んだ

花壇管理などの緑化活動に対して支援をしていますが、平成 22 年度の

41 団体から増えていません。また、「みどりの条例」による「みどりの協

定」は、一定規模の民有地についての緑化協定を支援する事業ですが、現

在は実績がありません。自主的な緑化活動を支援するための要件や規模に

ついての見直しが必要です。

6.新庁舎で立体的に整備されたみどりにおいて、世界に誇れる環境庁舎であ

り続けるために、今後の適切な維持管理や一般区民を対象にした「豊島の

森」観察講座など庁舎のみどりを活用した企画のより一層の充実を図る必

要があります。

7.池袋西口駅前広場のモザイカルチャーについては、今後区民主体で維持管

理を継続していきます。新しい緑化手法として、情報発信の必要がありま

す。

8.現在実施している界わい緑化推進プログラムでは、近隣 3 軒以上での緑化

に対し助成を行っていますが、費用対効果の点や植栽後の維持管理に課題

があり、今後支援の手法や区の関わり方について見直す必要があります。

9.居住環境総合整備事業に伴い整備した小広場については、施設設置後 20

~30 年が経過し老朽化した施設の維持管理についての検討が必要です。

また、事業の完了に伴い今後施設の位置づけを検討していく必要がありま

す。

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基本方針3:みどりをみんなでつくり・育て・考える

旧計画では、区民の一人ひとりが遊び場やみどりや身近な環境のことを考え、

自ら創造していくとともに、区民・事業者・行政が相互に協力しながらみどりをつ

くり、守っていく活動を進めました。そのために、みんなでつくり・考えるための

「仕組み」づくりや「運動」づくりに必要な施策の展開を目指しました。

実 績

1.区民参加によるみどりのまちづくり

① 区民のボランティア活動として、以下の制度を実施しました。

○ 清掃ボランティア:平成 13 年度発足、登録数は 26 団体。

(平成 22 年度の 30 団体より 4 団体減少)

○ 花壇管理活動団体:平成 9 年度発足、登録数は 36 団体。

(平成 22 年度の 41 団体より 9 団体減少)

○ 花壇管理活動をする 36 団体のうち、池袋第三小学校と駒込小学

校では、学校内で花やみどりの維持管理を行っています。

○ 雑司が谷霊園周囲のみどりを、周辺住民「みどりのこみちの会」

で維持管理しています。

② 平成 21 年度より「グリーンとしま」再生プロジェクトとして、「学

校の森」や「いのちの森」の植樹や育樹(植えた苗木の手入れ)、苗

木の配布、「いのちの森」に関する講座などを実施しています。平成

26 年にはみらい館大明で「いのちの森」を題材にした環境学習講座

を「NPO法人いけぶくろ大明」と共催で 2 回開催しました。5 月に

は南長崎はらっぱ公園で「南長崎はらっぱ公園を育てる会」と共催の

育樹活動に 60 名が参加しました。平成 27 年 3 月には上池袋くすの

き公園の「いのちの森」で 557 本の植樹を行いました。また、「いの

ちの森」の趣旨を広く知っていただき、民有地への緑化を推進するた

め地域在来の樹種の苗木を平成 26 年春(164 名・464 本)と秋(157

名・507 本)に配布しました。

③ 集合住宅の居住者を対象とした民有地の緑化を推進するとともに、共

通の緑を通じたコミュニティづくりを支援することを目的として、平

成 26 年度に「緑でつながるマンションコミュニティモデル事業」を

試行的に実施しました。

④ みどりの基金の積み立て・運用を平成 20 年度から開始し、平成 26

年度末現在、約 1 億 4 千万円となっています。

また、みどりの基金から緑化活動の支援として、屋上・壁面緑化助成

を実施しています。

⑤ 平成 27 年 4 月より、子どもの誕生を祝い、誕生記念樹として「いの

ちの森」の苗木を配付する誕生記念樹配付事業を行っています。

⑥ 平成 22 年度~25 年度にかけて、染井吉野研究会による駒込地域の

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サクラの調査を実施しました。

⑦ 平成 26 年度より生物多様性についての理解や関心を高めるために、

区民参加による生きもの調査を実施しています。

2.みどりの啓発事業の推進

① みどり啓発事業として以下の事業を実施しました。

○ 緑のカーテンづくり:区では平成 18 年度より区立小学校をモデ

ルに「緑のカーテン」づくりを始め、平成 26 年度では 18 校、

約 1,090 ㎡の緑のカーテンが形成されました。その他、区民ひ

ろばなどの区施設でも取り組みが広がり、区内公共施設では平成

26 年度では 53 施設、約 1,728 ㎡が施工されました。

表 14 緑のカーテンづくりの実績

○ 緑化講習会の開催:環境学習講座や学校と連携した環境事業を実

施し、環境保全活動に取り組む人材を育成しました。また、公園

等みどりの協定の会員や染井吉野研究会会員等の緑化知識を高

めるため、専門家による緑化講演会を開催しました。

○ みどりの名所を巡るルートづくり:平成 27 年度より豊島区の魅

力を内外に発信するマップの制作を実施し、継続しています。

(雑司ケ谷霊園マップ、染井霊園マップ、トキワ荘ゆかりの地散

策マップ)

○ 染井よしのの発祥地としての PR:平成 25 年度よりソメイヨシ

ノプロジェクトの推進と地域団体への事業助成を実施していま

す。区内の小中学校において、平成 25 年度~26 年度にかけて、

合計 20 本の染井生まれ・染井育ちのソメイヨシノを植樹しまし

た。また、さくらフォトコンテスト(平成 27 年 5 月開催では応

募総数約 100 点)や染井よしの桜まつり、染井吉野桜のふる里

(注釈)震災の影響により、節電対策として「グリーンウォール」

に取り組んだ小学校・中学校も含まれています。

区⽴学校

取組年度 実施数施⼯⾯積

(平⽅メートル)

平成18年度 10校 約424平成19年度 10校 約471平成20年度 13校 約575平成21年度 15校 約732平成22年度 20校 約549平成23年度 27校(注釈) 約1,110平成24年度 23校 約862平成25年度 21校 約951平成26年度 18校 約1,090

区内共有施設

取組年度 実施数施⼯⾯積

(平⽅メートル)

平成20年度 2施設 約60平成21年度 15施設 約892平成22年度 52施設 約965平成23年度 46施設 約1,317平成24年度 59施設 約1,571平成25年度 55施設 約1,579平成26年度 53施設 約1,728

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秋祭り、福島県猪苗代町ソメイヨシノ桜見学ツアーなどが実施さ

れました。その他、豊島郵便局の企画により、JR 駒込駅北口に

ソメイヨシノをモチーフにした郵便ポスト「さくらポスト」が設

置されました。

表 15 区内小中学校における染井生まれ・染井育ちのソメイヨシノの植樹状況

3.区民や事業者の主体的な緑化活動支援

① みどりのボランティアや活動団体への支援の促進

○ 巣鴨五丁目の第四コミュニティ広場を自主管理している「朝日ほ

のぼのランド」などの活動団体に、区民活動支援事業補助金を交

付しています。

○ 平成 23 年度より「住み続けたい街豊島」を目指し、公園等公共

用地、屋敷林のみどりを区民の手で守り、増やす(緑の実態調査、

観察会、工作会、樹木の名札付)活動を支援しています。

○ 平成 23 年度より歴史的遺構が残る千川上水公園の再生及び巣鴨

庚申塚周辺のまちづくり活動(さくらそうフェア、公園再生ワー

クショップ、まちづくり勉強会)を支援しています。

⽇にち 学校 本数平成26年12⽉13⽇ 千登世橋中学校 5本平成26年12⽉1⽇ ⾼松⼩学校 5本平成26年11⽉10⽇ 椎名町⼩学校 1本平成26年10⽉21⽇ ⽬⽩⼩学校 3本平成26年2⽉24⽇ さくら⼩学校 2本平成26年2⽉4⽇ 巣鴨北中学校 2本平成25年11⽉5⽇ ⻄巣鴨⼩学校 2本

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課 題

1.清掃ボランティア団体や花壇管理活動団体数は年々減少しています。現在

の活動を次世代にうまく引き継ぎ、若い世代の方々にも積極的にみどりの

まちづくりに参加してもらえるようさらなる仕組みづくりが必要です。

2.これまでの園芸教室を中心とする支援方法についても、現在の区主催によ

る方法や実施日・時間帯などを検討し、より多くの区民が参加できる教室

の検討が必要となっています。屋上など建物上緑化に関する講演や見学会

などを充実していく必要があります。

3.人々のネットワークについては、組織しきれていないのが現状です。緑化

助成申請者、園芸教室参加者、保護樹木管理者など、みどりに係わる様々

な人の繋がりを形成していくための仕組みづくりを検討する必要があり

ます。

4.区の魅力を発信するマップ等の制作には、今後、 新情報への更新や外国

人来街者への情報提供手段を強化していく必要があります。

5.みどりの基金は、財源を増やすための新たな方策が必要です。

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基本方針4:拠点となるみどりを増やす

旧計画では、学校等の跡地を有効的に活用し、平成 32 年度の公園の目標整備

面積を 24.5ha(期間内目標整備面積 58,100 ㎡ 公園面積率 1.9%)としてい

ます。

また、区政施行 100 周年の平成 44 年度までに公園整備面積を 25.4ha とし

ています(期間内整備面積 67,100 ㎡)。

平成 32 年度までの計画期間内の目標値は 1 人あたり公園面積 0.91 ㎡/人(想

定人口 26 万 9 千人)としています。

また、小規模な公園等は充足していることから、拠点となる 5,000 ㎡以上の公

園整備を進めることを目指しました。

実 績

1. 拠点となる公園等の配置

①整備実績

(1)平成 27 年 4 月 1 日現在では、公園等整備面積は 21.3ha、面積

率 1.6%、一人当たり面積 0.77 ㎡です。

(2)西椎名町公園は、豊島プールの撤去と同公園の暫定整備が終了し、

平成 22 年に南長崎はらっぱ公園(0.6ha)として整備しました。

(3)平成 25 年 4 月 1 日に池袋本町電車の見える公園(0.4ha)を開

園しました。

(4)平成 25 年 7 月 20 日に南長崎スポーツ公園(1.2ha)を開園し

ました。

(5)平成 26 年に池袋本町公園拡張地の整備をしました。

(6)平成 27 年 4 月 1 日に上池袋くすのき公園(0.3ha)を整備し、

千川小学校跡地を活用した遊び場を整備しました。

(7)南池袋公園は、全面改修を終え、平成 28 年に開園します。

(8)中池袋公園は、旧庁舎跡地活用事業で周辺施設と一体的な公園整備

を行う予定です。

(9)高田小学校跡地について、防災機能を有した近隣公園の整備計画を

検討中で、地元調整を進めています。

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表 16 公園等整備状況の推移

※1 人当たり面積算出の人口には外国人登録者を含む。

②今後整備する公園等の検討

公園整備について、学校等の跡地を活用するなどし、区財政に大きな負

担をかけずに整備を進めてきました。今後も、表 18 に示す箇所の整備を予

定しています。

表 17. 平成 23 年度から平成 27 年度末までの実績

名称 所在地 敷地面積(㎡)

1 南長崎スポーツ公園(H24.4.1) 南長崎 4-13-5 12,226

2 ふるさと千川 (H27.4.1) 要町 3-54 2,971

3 池袋本町電車の見える公園(H25.4.1) 池袋本町 4-41 4,178

4 上池袋くすのき公園(H27.4.1) 上池袋 4-19-1 3,088

5 池袋本町公園拡張(H26.10.1) 池袋本町 1-27-1 654

計 23,117

表 18 今後の公園等整備予定箇所一覧

名称 所在地 敷地面積(㎡) 備考

1 高田小学校跡地 雑司が谷 2-12-1 7,200

2 造幣局跡地 東池袋 4-41 17,000

3 みずほ銀行寮跡地 池袋本町 2-37 1,000

4 駒込七丁目児童遊園拡張 駒込 7-14-3 78

新計画 小計 25,278 ~H32

1 真和中学校跡地 目白 5-24 7,200

2 千早フラワー公園拡張 千早 1-8 600

3 池袋本町公園拡張 池袋本町 1-27-1 500

長期計画 小計 8,300 H33~H44

合計 33,578

2015/4/1現在

公園 60 136,914.93 0.52 85 174,281.29 0.63

区民の森 2 4,700.26 0.02 2 4,700.26 0.02

都市公園 計 62 141,615.19 0.54 87 178,981.55 0.65

庭園 1 2,842.73 0.01 1 2,842.73 0.01

児童遊園 90 41,305.77 0.16 66 24,330.80 0.09

仮児童遊園 8 2,048.84 0.01 8 2,048.84 0.01

その他 3 4,484.98 0.02

その他の公園 計 99 46,197.34 0.17 78 33,707.35 0.12

161 187,812.53 0.71 165 212,688.90 0.77

小広場 23 4,114.55 0.02 21 2,979.82 0.01

まちづくり広場 計 23 4,114.55 0.02 21 2,979.82 0.01

184 191,927.08 0.73 186 215,668.72 0.78公園等総合計

備考

公園等合計

平成22年4月1日時点

公園区分

平成27年4月1日時点

箇所面積(㎡)

1人当たり

面積

(㎡/人)

1人当たり

面積

(㎡/人)

面積(㎡)

箇所

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※「高田小学校跡地」は、防災機能を有した近隣公園の整備計画を検討中

で地元調整を進めています。

「真和中学校跡地」は、近隣公園予定地で当分の間は学校改修代替用地

として活用します。

※学校跡地における公園以外の整備実績・計画

【実績】

「日之出小学校跡地」新庁舎(平成 27 年 5 月開庁)

「千川小学校跡地」千川の杜、せんかわみんなの家

※ふるさと千川を除く部分

(平成 27 年 4 月開設)

【計画】

「朝日中学校跡地」巣鴨北中仮校舎

「大明小学校跡地」生涯学習センター

「平和小学校跡地」西部地域複合施設予定地

「第十中学校跡地」屋外スポーツ施設予定地

「文成小学校跡地」仮校舎

2.大規模公共施設の緑化

新庁舎建設にあたっては、地上部緑化のほか、豊島区の自然を再現した

屋上緑化(豊島の森)や 8 階、6 階、4 階に整備された「グリーンテラス」、

外壁を緑化パネルで覆うエコヴェールなどにより、まとまりのあるみどり

を創出し、クールスポット化しました。

また、太陽光発電、自然採光、エコ照明、雨水利用による水循環システ

ム、地域冷暖房システムの導入など、環境技術を積極的に取り入れ、エネ

ルギー等の環境負荷の低減を図りました。

3.民有地緑地の保護・保全・活用

大きな樹木など貴重なみどりを保護するために、一定の基準の樹木・樹

林・生垣を保護樹林等として所有者の同意を得て指定、維持管理費の一部

を助成しています。また、「豊島区観光ガイドとしま」、「染井霊園マップ」、

「雑司ヶ谷霊園マップ」など歴史のある緑地等をめぐる散歩マップを作成

しました。

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課 題

1.学校跡地などを活用し公園整備を進めていますが、平成 32 年度の 24.5ha

(一人当たり面積 0.91 ㎡)の目標を達成するためには、未整備の学校跡

地等において、今後も住民とのワークショップ等により土地利用のあり方

を検討し、魅力ある公園整備を進めていく必要があります。

2.身近な保護樹木等については、相続による減少や所有者の高齢化により維

持管理が困難となっています。また近隣からの落葉の苦情で伐採を決断す

る方もおり、新たな支援の仕組みが必要です。

3.東京都は平成 14 年「区部霊園の管理について」の公園審議会答申に基づ

き、区部4霊園のうち青山霊園、谷中霊園、染井霊園の再整備を進めてい

ます。平成 24 年の公園審議会答申「染井霊園再生のあり方について」で

は染井霊園は自然資源・歴史的人文資源の保全と活用、広く都民の利用に

供する機能の付加、防災機能の向上、霊園としての機能の充実などの取組

方針が定められており、今後都と連携しこれらを実現していく必要があり

ます。また、雑司ヶ谷霊園については現時点では都の方針が未定となって

おり、今後雑司ヶ谷霊園のあり方や整備については都と協議をしていく予

定です。

4.拠点となる公園については、生物の貴重な生育・生息地にもなっており、

生物多様性の観点からも今後の方針を検討する必要があります。

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基本方針5:地域の人々に愛され、親しまれる公園を育てる

旧計画では、地域の人々が積極的に関わり、愛し、親しめる公園とするために、

必要な施策の展開を目指しました。

実 績

1.公園の維持管理

○豊島区公共施設等総合管理方針(平成 27 年 3 月策定)において、公

園を安全に利用してもらうために、予防保全型に類型した施設のうち、

遊具は年1回定期点検を、法定点検を要する施設は法定点検を、残る施

設については5年に一度の健全度調査を実施して劣化状況を把握する

方針を決定しました。

○清掃・除草業務委託を障害福祉サービス事業所等が行っている公園等も

あり、障害者の就労の場の確保、賃金向上にもつながっています。

○南長崎スポーツ公園、目白庭園(赤鳥庵含む)では、指定管理者により、

区民がより利用しやすい運営・管理が行われており、利用率が上がって

います。

○清掃ボランティア、花壇管理活動団体により、住民による公園の維持管

理が行われており、公園が身近になり、地域コミュニティ活動が活発に

なっています。

○公園・児童遊園等の樹木を剪定して出る剪定枝葉を集めて、堆肥化し

公園等の植樹等の土壌改良を行いました。

2.公園の利用管理

○公園の正しい利用の指導や公園施設の整備保全など、巡視員により巡回

点検を実施しています。

3.公園の再整備

○老朽化が進む南池袋公園では、平成 26 年度より復旧整備工事を行いま

した。また、中池袋公園は、旧庁舎跡地活用事業で一体的な公園整備を

行う予定です。

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課 題

1.整備後、10 年以上経過した公園等については、遊具の腐食等老朽化が進

んでおり、これらのメンテナンスには多大な費用がかかります。今後、「豊

島区公園施設長寿命化計画」(平成 26 年 3 月策定)に基づき、適切な予

防保全、地域ニーズに応じた施設の改修や活用により、既存ストックとし

ての施設の健全性を保つとともに、持続可能な都市づくりに寄与する活用

を進めていく必要があります。

2.居住環境総合整備事業地区内に設けている 21 ヶ所の小広場については、

隣接住民やまちづくり協議会の自主管理となっていますが、住民の異動、

世代交代、協議会の解散などにより、自主管理意識が薄れてしまった広場

もあります。そのため、住民参加の仕組みづくりの再構築や普及啓発に努

めていく必要があります。

3.樹木の管理については、高木の成長に伴う大規模な剪定、伐採など中長期

の計画を持つ必要があります。

4.不特定多数の利用を前提としている公園では、利用方法についての苦情が

後を絶たないのが現状です。苦情の内容は、喫煙に関するものが多いです

が、利用マナーなどのものも出ています。

南長崎はらっぱ公園では、育てる会が利用マナーについての検討を進め、

管理運営に積極的に関わっています。このように区民が公園の運営に関わ

っていくことで、公園の様々な課題の解決に効果があることが判明してい

ます。これからの公園の維持管理には、地域住民など多様な主体が参加で

きる仕組みづくりが必要です。

5.公園の再整備計画は、区財政状況などから投資的経費が抑制されてきた経

緯もあり、計画策定を見合わせました。今後、未来戦略推進プランの公共

施設再構築計画に基づく、学校跡地の公園整備を推進するとともに、既存

公園についても再整備計画を策定し、社会情勢変化を踏まえた整備を図る

事が必要です。

6.今後の公園の使い方については地域ニーズを十分に踏まえ、地域の実情に

合った公園利用のできる管理を進める必要があります。

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2 用語の説明

あ行

池袋副都心整備ガイドプラン

池袋の将来あるべき姿の実現のために、公民連携・協働により都市計画や街づくりを展開していくための指針。 平成 27 年 3 月に策定された「豊島区都市づくりビジョン」の第 5 章東京の魅力を担う池袋副都心の再生方針及び第 6 章地域別まちづくり方針池袋東地域、池袋西地域に引き継がれた。

98 ページ

エコロジカルネットワーク 生きものが移動できるような緑地間のつながり。 30 ページ

か行

開発諸制度

都市開発諸制度とは、公開空地の確保など公共的な貢献を行う建築計画に対して、容積率や斜線制限などの建築基準法に定める形態規制を緩和することにより、市街地環境の向上に寄与する良好な都市開発の誘導を図る制度のことで、次の 4 制度のことを呼ぶ。

1. 再開発等促進区を定める地区計画

2. 特定街区

3. 高度利用地区

4. 総合設計

45 ページ

風とみどりの道

郊外から都市内に吹き込む風を利用して都心部で熱くなった大気を冷やすための風の通り道。 「豊島区都市づくりビジョン」では、「みどりの拠点」の 連続性と建築物の配置の工夫などとあわせて、涼やかな風を感じることができる「風の通り道」を形成するとしている。

30 ページ

居住環境総合整備事業

道路や公園などの都市基盤が未整備のまま過密都市化が進んだ、特に木造老朽住宅等が密集して立地している地区を対象として、老朽住宅の建て替えの促進と公共施設の総合的な整備を行い、住環境の改善を図ることを目的とする事業。

47 ページ

クールスポット

ヒートアイランド現象が顕著な街区において、二酸化炭素削減効果を有する施設緑化や、保水性建材、高反射率塗料、霧噴射装置、緑地など複数の対策を組み合わせて、一体的に実施することで涼しい場所を創出しようとするもの。

101 ページ

景観行政団体

景観法に基づき、景観計画の策定・変更、行為の規制、景観重要建造物等の指定など景観施策を実施する地方自治体。豊島区は、平成 27 年 12 月に景観行政団体となった。

117 ページ

ゲリラ豪雨 狭い地域において短時間に大量の雨が降る局地的な豪雨。

17 ページ

公園面積率 ある一定の区域に占める公園の面積割合。 25 ページ

公開空地 総合設計制度により設けられた空地で一般に開放された区域。

45 ページ

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116

高密都市 平成 20 年に中野区を抜き、人口密度は日本一となった。平成 27 年 1 月現在では人口密度は 211.8 人/ha である。

2 ページ

コミュニティ道路 主に住宅地や商店街の生活道路で、歩行者などが安全かつ快適に通行できることを目的としている。

98 ページ

さ行

市区改正

明治時代から大正時代に行われた都市改造事業。 明治 21 年に東京市区改正条例が制定され、近代的な都市計画の第一歩を踏み出し、明治 36 年には日比谷公園が開設された。 豊島区は地理的位置から当初の旧「東京市」の区域外にあり都市計画の区域から外れていた。

57 ページ

指定管理者制度 「公の施設」の管理・運営を、株式会社や NPO 法人などさまざまな法人その他の団体に包括的にゆだねることができる制度。

88 ページ

住区基幹公園

街区公園、近隣公園、地区公園に種別される。 街区公園はもっぱら街区に居住する者の利用に供することを目的とする公園で誘致距離 250m の範囲内で1箇所当たり面積 0.25ha を標準として配置する。 近隣公園は主として近隣に居住する者の利用に供することを目的とする公園で近隣住区当たり1箇所を誘致距離500m の範囲内で1箇所当たり面積2ha を標準として配置する。 地区公園は主として徒歩圏内に居住する者の利用に供することを目的とする公園で誘致距離1km の範囲内で1箇所当たり面積4ha を標準として配置する。 (参考図 都市公園法での住区基幹公園の配置の考え方 119 ページ)

57 ページ

震災復興事業

大正 12 年 9 月 1 日に発生した関東大震災後に行われた都市基盤の復興事業で、現在の豊島区の東部で行われ、豊島区には直接影響はなかった。逆に地震の被害を受けた多くの民家が豊島区に移転することにより、田畑に住宅が建ち人口が増加した。

57 ページ

た行

地区計画等緑化率条例制度 都市緑地法に基づき、地区計画等において緑化率を定め建築物の緑化率規制を行う制度。

44 ページ

東京芝生応援団事業

芝生化に取組む学校・PTA 等及び芝生化事業に賛同する団体・個人で構成され、芝生の維持管理等に携わる学校・PTA 等の支援と各学校・PTA 等の相互支援の促進を図るための事業。

36 ページ

東京都景観条例 良好な景観の形成に関し、景観法の規定に基づく景観計画の策定や行為の規制等について必要な事項を定めた東京都条例。

34 ページ

都市公園法 都市公園の設置及び管理に関する法律。平成 16 年に一部改正が行われた。

57 ペーシ

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豊島区環境基本計画

環境基本法に基づいて環境分野を対象とした分野別計画で、「豊島区環境基本条例」の規程に基づく環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的推進を図るための計画。

3 ページ

豊島区環境基本条例

区民誰もが幸せを実感できる健やかで美しく豊かな環境を未来の世代へ継承することができる地域社会を目指し、基本理念や区・事業者・区民等の責務を定めた条例で平成 20 年 3 月に策定。

117 ページ

豊島区基本計画 地方自治法を根拠法とした基本構想を具体化するために区の各分野の計画を総合的に調整するための計画。

3 ページ

豊島区基本構想 地方自治法を根拠法とした地域社会づくりの基本的な方向

を定め区政運営の指針とするための基本的な構想。 3 ページ

豊島区景観計画 景観法第 8 条に基づき、景観行政団体が景観計画区域、良

好な景観のための行為の制限に関する事項、良好な景観の

形成に関する方針などを定める計画。

3 ページ

豊島区公園施設長寿命化計

国土交通省の「公園施設長寿命化計画策定指針」に基づ

き、都市公園の遊具や健康器具などの施設の健全度調査を

行い、その結果を踏まえて施設の改修、更新時期を設定し

た計画。

19 ページ

豊島区公共施設等総合管理

方針

豊島区が保有・管理する施設(インフラ施設を含む)の総合

的かつ中長期的な管理方針。 62 ページ

豊島区みどりの条例

豊島区におけるみどりの保護及び育成について必要な事項を定めることにより、区、区民及び事業者が一体となってみどり豊かなまちの形成を図り、もって区民の健康で快適な生活環境を確保することを目的とした条例。

26 ページ

都市緑地法 都市における緑地の保全及び緑化の推進に関し必要な事項を定めた法律。都市緑地保全法が平成 16 年に改正され都市緑地法となった。

2 ページ

は行

ヒートアイランド現象 都心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象。 17 ページ

ビオトープ 野生の動植物が生息・生育する空間。 17 ページ

ビオトープネットワーク 生物の生息・生育空間を生態的回廊で相互につなぐこと。孤立するビオトープはネットワーク化されることにより大きな効果が生じる。

17 ページ

ま行

みどりの新戦略ガイドライン 平成 18 年 1 月に東京都が策定した東京のみどりの目標の実現に向け、公共・民間事業者・都民等の緑づくりを誘導するための指針。

3 ページ

緑の東京 10 年プロジェクト 平成18年12月に策定した「10年後の東京」で掲げた「水と緑の回廊で包まれた、美しいまち東京を復活させる」ことを目指した東京都の全庁あげた取組み。

3 ページ

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木質バイオマス 木材からなる再生可能な生物由来の有機性資源。 53 ページ

ら行

立体都市公園制度 土地の有効利用を図りつつ都市公園を効率的に整備するため、都市公園の地下の有効利用や人工地盤・建築物の上部に都市公園が設置できる制度。

59 ページ

緑被率 ある一定の区域に占める樹木被覆地、草地、屋上緑地の面積割合。

12 ページ

緑化施設整備計画認定制度 都市緑地法に基づく民間建築物緑化を区長が認定する制度。

45 ページ

緑化地域制度 都市緑地法に基づき一定の規模以上の建築物の新築・

増築の際に緑化を義務づける制度。 44 ページ

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図 36 都市公園法での住区基幹公園配置の考え方

【概念図】

【1住区(1k㎡程度)当たりの標準配置公園】

公園種別 面積 標準公園箇所数 備 考

地区公園 4ha 0.25 箇所 4 住区当たり 1 箇所

近隣公園 2ha 1箇所

街区公園 0.25ha 4 箇所

地区公園

街区公園 近隣公園

住区

1km

2km

1km

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豊島区 みどりの基本計画 <平成 28 年 3 月見直し>

平成 28 年(2016 年)3 月 発行

編集・発行:豊島区都市整備部公園緑地課 〒170-8422 東京都豊島区南池袋二丁目 45 番 1 号 電話 03-3981-4940 豊島区ホームページ:http://www.city.toshima.lg.jp/

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