スライド 1①ノロウイルスは温度が低ければ低いほど長期間生存...
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ノロウイルスってなあに?
1968年; 米国オハイオ州ノーウォークの小学校で集団
発生した患者の便から分離 (ノーウォーク株)
1972年; 電子顕微鏡下でウイルスの中でも小さく、
球形をしていたことから「小型球形ウイルス」と命名
2002年; 国際ウイルス学会で「ノロウイルス」と命名
ノロウイルス感染症の特徴
感染から発症までの潜伏期間; 24~48時間
ヒトの腸管のみで増殖する
主症状; 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛
発熱は軽度
ほとんどは症状が1~2日持続後に治癒
感染しても発症しない場合もあり
多様な遺伝子型を示す(少なくとも33型)
→ 感染の既往があっても複数回感染する
①ノロウイルスは温度が低ければ低いほど長期間生存し、乾燥にも強いため。 ②冬場になるとカキなどの二枚貝を生食する機会が増えるため。
ノロウイルスはどうして寒い時期に流行するの?
4℃;1~2ヶ月程度, -20℃; 数年間、-80℃; 数十年間生存
ノロウィルスは血液型H抗
原を認識して感染を起こす
血液型抗原への結合力が
強い株は感染力が強い
H抗原は赤血球表面の他、
腸管皮細胞にもみられる
ノロウイルスは血液型 O型 の人が罹りやすい
Lindesmith et al. Nature Medicine 9;548-53, 2003 白土(堀越)東子 他 ウイルス 57;181-90,2007
リスク比 0.54 0.82 1.89 未定
ノロウイルス/ロタウイルス感染症に罹ったと思ったら
(診断)
臨床症状や周囲の感染状況等から、総合的に推定
便検査 (抗原検査、遺伝子検査)
(治療)
ウイルスに対する特効薬はなし
水分と栄養補給による対症療法が中心
脱水症状がひどい場合には、病院での輸液治療
下痢止め/吐き気止めの安易な服用は治りを遅延
ノロウイルスのワクチン開発に光明
ウイルスの外殻タンパク質だけで作成した“空の粒子”のウイルスで、
感染性はなく免疫のみを誘発
ワクチン群の7割で抗体が産生
ノーウォークウイルス株への曝露後の発症;
ワクチン群37% vs 偽薬群69%
重症化の比率もワクチン群で有意に低率
New England Journal of Medicine 365;2178-87, 2011
標準予防策 (Standard Precautions) (全ての患者さんのケアに適応)
+
感染経路別対策
(感染経路の遮断)
(病原体別の感染対策)
感染予防策
・接触感染 ・飛沫感染 ・空気感染
ペーバータオルで汚物を外側
から内側へ包み込む様に拭い
取る→ビニール袋へ密閉
処理セットを準備しておくと便利
汚染した床やドアノブは200~1,000 ppmの次亜塩素酸
Naで清拭消毒 (原則3回以上)
食器、カーテンなど → 200 ppm
おう吐物など → 1000 ppm
→ その後、水で拭き取る、清拭したものもビニールで密閉
感染性廃棄物として処理し、必ず手指衛生を行う
食器・リネン類などの消毒
感染者が使用後や嘔吐物が付着
したものは他のものと分けて洗
浄・消毒
食器:厨房に戻す前に塩素液に
十分浸し、消毒
カーテン・衣類も
食器、カーテン おう吐物など
200ppm 1000ppm
製品の濃度 原液 希釈水 原液 希釈水
12% (業務用) 5 ml 3 L 25 ml 3 L
6% (業務用) 10 ml 3 L 50 ml 3 L
1% (業務用) 60 ml 3 L 300 ml 3 L
塩素液の作成
ハイター
ミルトン