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-1- 第5学年 国語科「書くこと」学習指導案 指導者 木内 単元名・目指す言語能力 グラフや表を引用し,「なるほどなぁ」と言わせる意見文を書こう ~根拠となる資料を効果的に活用し,説得力のある文章を書く力~ 「なるほどなぁ」=理由付けを明確にする。説得力をもつ。 教材名 グラフや表を用いて書こう(光村図書5年) 児童の実態 本学級には,男子10名(交流2名),女子18名,計28名(30名)の児童が在籍して いる。学習感想や自分の考えを書かせるなど,様々な「書く」場面を用意するが,なかな か書きはじめられなかったり上手に書き表せなかったりする児童の姿が見られることか ら,「書くこと」に対する意欲はあまり高くない。 1学期には,意識調査(別紙①)と実態調査(別紙②)を行い,それらの結果から,以下 のような傾向が読み取れた。 まず,意識調査からは,以下2点のことがわかった。(別紙1参照) ・日常の体験や読書感想文,物語や詩を書くことに苦手意識がある児童が多い。 ・書くことの実際を問う質問では,三分の一から半数で「できる」「できない」に分かれ ているが,「できる」の中でも「少しできる」と答えている児童が多い。 以上のことから,自分の考えを整理して書き,その根拠が本当に適切なのか自信をもつこ とはできていないことがわかった。 自分の考えを分かりやすく相手に伝えることを目標に, それを達成する「確かな書き方」を指導することによって,「書くこと」に対して少しで も前向きにさせ,自信をもたせてあげたいと考える。 また,この単元でつけさせたい力としての,「根拠となる資料を効果的に活用し,説得 力のある文章を書く力」の現状を知るために,実態調査を行った。(別紙2参照) ①「自身の主張すべき意見を書いていない」「資料の読み取りに終始している。」「結論が 問いとずれている」などのことから, 書く目的意識の課題 がうかがえる。 ②「段落がない(付け方がおかしい)」「同じ事柄を繰り返し書く」「突然,主張を述べる」 などのことから, 構成意識の課題 がうかがえる。 ③ 「 ま わ り く ど い 表 現 を す る (端 的 で な い )」「 一 文 が 長 い (4 行 以 上 )」「 主 語 と 述 語 が 成 り立っていない」「接続語の誤使用」「敬体・常体,話し言葉が入り交じる」などのこ とから, 文の書き方に課題 があることがうかがえる。 これらの実態から,まず,①については,既習単元である「明日をつくるわたしたち」 において,「わたしたちの学校生活をよりよくするためには」のテーマを意識しながら, 生活のふり返りや問題点の列挙,解決策の話し合い,提案書を作成するなど,活動に取り 組んだ。困ったり,悩んだりした時には必ずテーマに立ち返らせることで,自分の考えを 整理し,まとめる時の指針となり,目的に合った提案書を仕上げることができた。②につ いては,1学期に「次への一歩~活動報告書」の学習で,教科書の例文を参考にしながら,

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Page 1: グラフや表を引用し,「なるほどなぁ」と言わせる意見文を …...- 1 - 第5学年 国語科「書くこと」学習指導案 指導者 木内怜 1単元名・目指す言語能力

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第5学年 国語科「書くこと」学習指導案

指導者 木内 怜

1 単元名・目指す言語能力

グラフや表を引用し,「なるほどなぁ」と言わせる意見文を書こう

~根拠となる資料を効果的に活用し,説得力のある文章を書く力~

「なるほどなぁ」=理由付けを明確にする。説得力をもつ。

2 教材名

グラフや表を用いて書こう(光村図書5年)

3 児童の実態

本学級には,男子10名 (交流2名 ),女子18名,計28名 (30名 )の児童が在籍して

いる。学習感想や自分の考えを書かせるなど,様々な「書く」場面を用意するが,なかな

か書きはじめられなかったり上手に書き表せなかったりする児童の姿が見られることか

ら,「書くこと」に対する意欲はあまり高くない。

1学期には,意識調査 (別紙① )と実態調査(別紙②)を行い,それらの結果から,以下

のような傾向が読み取れた。

まず,意識調査からは,以下2点のことがわかった。(別紙1参照)

・日常の体験や読書感想文,物語や詩を書くことに苦手意識がある児童が多い。

・書くことの実際を問う質問では,三分の一から半数で「できる」「できない」に分かれ

ているが,「できる」の中でも「少しできる」と答えている児童が多い。

以上のことから,自分の考えを整理して書き,その根拠が本当に適切なのか自信をもつこ

とはできていないことがわかった。自分の考えを分かりやすく相手に伝えることを目標に,

それを達成する「確かな書き方」を指導することによって,「書くこと」に対して少しで

も前向きにさせ,自信をもたせてあげたいと考える。

また,この単元でつけさせたい力としての,「根拠となる資料を効果的に活用し,説得

力のある文章を書く力」の現状を知るために,実態調査を行った。(別紙2参照)

①「自身の主張すべき意見を書いていない」「資料の読み取りに終始している。」「結論が

問いとずれている」などのことから,書く目的意識の課題がうかがえる。

②「段落がない (付け方がおかしい )」「同じ事柄を繰り返し書く」「突然,主張を述べる」

などのことから,構成意識の課題がうかがえる。

③「まわりくどい表現をする (端的でない )」「一文が長い (4行以上 )」「主語と述語が成

り立っていない」「接続語の誤使用」「敬体・常体,話し言葉が入り交じる」などのこ

とから,文の書き方に課題があることがうかがえる。

これらの実態から,まず,①については,既習単元である「明日をつくるわたしたち」

において,「わたしたちの学校生活をよりよくするためには」のテーマを意識しながら,

生活のふり返りや問題点の列挙,解決策の話し合い,提案書を作成するなど,活動に取り

組んだ。困ったり,悩んだりした時には必ずテーマに立ち返らせることで,自分の考えを

整理し,まとめる時の指針となり,目的に合った提案書を仕上げることができた。②につ

いては,1学期に「次への一歩~活動報告書」の学習で,教科書の例文を参考にしながら,

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目的や意図に応じて文章全体の構成や効果を考える活動に取り組んだ。③については,日

常の取り組みを繰り返し行い,基礎的な力の底上げを図っている。しかし,文章全体をイ

メージしながら,構成を考えて書くことができる児童はまだ少ない。

4 指導の内容と言語活動,教材の関わり

(1)言語活動設定の意図(本指導計画において意識させたい「5つの言語意識」)

本単元では,児童の実態から浮かび上がった課題である構成することに気をつけさ

せながら,統計資料を根拠に意見を書くことに重点を置いた指導を行う。言語活動例

イ「自分の課題について調べ,意見を記述した文章や活動を報告した文章などを書いたり

編集したりすること」を通して,指導事項「ウ 事実と感想,意見などとを区別するとと

もに,目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりすること」「エ 引用したり,

図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるように書くこと」を指導す

る。

前単元「天気を予想する」では,図表やグラフ,写真を用いて自分の考えに説得力を

もたせるという説明の仕方の工夫があることを学んだ。本単元では,これを生かして,

グラフや表を用いて自分の考えを裏付けながら意見を述べる文章を書くことが位置づけ

られている。

その手段として,「社会が暮らしやすい方向に向かっているかどうか」というテーマに

ついて自分の立場を決め,収集した統計資料などのグラフや表を根拠として効果的に用

いて考えを伝える言語活動を設定している。グラフや表は,研究や調査の結果が数字で

整理されていたり,量的な対比や変化がわかりやすく示されていたりする点で,自分の

考えに説得力をもたせる根拠として有効である。そういうよさや意義を実感させたうえ

で,グラフや図表を引用して書く方法を身に付けさせていきたいが,グラフや表が引用

されていれば,それだけで説得力のある文章が書けるわけではない。中学年までの学習

と違い,高学年として求められるものは,説得力をもって読み手に伝える文章を書く力

である。そこで,理由や根拠を明確に記述することだけでなく,自分の考えが主観的か

つ曖昧にならないよう,自分の考えを裏付けるものとなるグラフや図表を引用し,それ

らから読み取ったことを言葉で表現し,自分の考えに効果的につなげていく指導を行う。

その手段として,教科書 P152「グラフや表を説明するとき」に示されている基本的な引

用技術を学ばせるとともに,説明する際のキーワード(注目する言葉や数字)や表現方

法を意識させながら実践させていく。既習事項である「はじめ」「中」「終わり」にどの

ような内容を構成するかについての基本的な説明文の書き方についても確認しながら指

導していく。

これらのことを踏まえて,児童が単元を見通し,書くことを通して伝える力を身につ

ける手立てとして,以下の「5つの言語意識」を児童とともに共有する。

【本指導計画において意識させたい5つの言語意識】

①目的意識 …自分の考えに,より説得力をもたせて伝えるため

②相手意識 …学級の友だちに対して

③方法意識 …自分の考えの裏づけとなる資料を取り入れて

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④場面状況意識…根拠を示して,考えを書く場面で

⑤評価意識 …資料を根拠として効果的に活用し,自分の考えを書くことができたか

(2)教材の特徴

指導にあたっては,「グラフや表を引用し,『なるほどなぁ』と言わせる意見文を書こ

う」を単元を貫く言語活動として位置づけることで,児童が自らの力で「根拠となる資

料を効果的に活用し,説得力のある(「なるほどなぁ」と言わせる)文章を書く力」を身

につけさせていく。

まず,「私たちの社会がくらしやすい方向に向かっているか」について考えようという

学習課題を提示し,裏付けとなる資料を引用して書くということを児童に意識させる。

そして,自分の立場や考えをどのように述べていくか見通しをもつことができるように

言語活動の成果物を提示する。この成果物は,文章を構成する力がまだ十分ではないと

いう児童の実態をふまえ,「はじめ」「中」「終わり」の段落構成やそれぞれの段落で述べ

る内容を示すもので,それに照らし合わせながら書き進めていくことで,書く内容だけ

でなく文の構成をとらえることができる教材であるといえる。

また,本単元で身に付けさせたい力を育むうえで,自分の考えの裏付けとなる資料の

選択とそれを解釈する力は重要である。そこで,自分の考えと資料が表している内容と

の整合性を確かめたうえで,データからから何を読み取り,そこからどのようなことが

考えられるか,それをどのように言葉に表して自分の考えに裏付けていくかといった,

グラフや図表を生かして説明する技術を習得させる。グラフや図表を説明するときの手

順や自分の考えの裏付けとするときに考える観点を成果物で提示することで,資料の読

み取り方を意識できると考える。

文章を構成し記述する場面では,構成ワークシートを使って学習を進めていく。「初め」

では自分の考えと根拠を区別して書かせる。「中」ではグラフや図表の説明と,それをも

とに考えたことを書かせるが,その際に,何を表すグラフや図表なのか,グラフや図表

の情報が何を示しているか,注目する言葉や数字,それらから考えられることは何かと

いった視点を与えて分けて書かせていく。そのことで,資料から分かることと自分が考

えたことを分けて書けるようにする。「終わり」では冒頭で述べた考えを再表明し,資料

から読み取った,考えの裏付けとなることをまとめさせる。このように段階を追って構

成ワークシートに書き換え,積み重ねていくことで,「初め」「中」「終わり」による意見

文の構成に結びつくようにしていく。

最後に,友だちとの作品の交流や実態調査で書いた文章と比較することによって,読

み手への伝わり方にどのような差があるか気づかせる活動を位置づける。友だちの文章

の書き方や用いた資料の使い方について理解を深めさせるだけでなく,友だちのものの

見方や考え方を知り自分の見解を深める機会とする。

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5 日常の取り組み

【話すこと・聞くこと】

・朝の会で,「だれが」「いつ」「どこで」「なにをした」に気をつけながらスピーチ

を行う。

・自分の意見を言う時には,まず結論を伝え,その後にその理由や説明をする話し

方を心がける。

・「話す人の顔を見て,心で聞く」ことを常に意識させる。

【書くこと】

・既習学年の語彙や文法事項に関する復習プリントに取り組む。

・スピーチメモを取り,話し手の意図をとらえ,端的にまとめる。

・授業の後に学習感想を書く時間を設け,学んだことや難しかったことなど「具体

的に書く」ことを意識して書く。

6 指導の目標

◎目的や意図に応じて収集した事柄を,全体を見通して整理するとともに,引用し

たり図表やグラフを用いたりするなど書き方を工夫して,自分の考えが伝わるよう

に書くことができる。【書(1)ウ・エ】

7 指導計画と評価計画

(1)評価規準

国語への

関心・意欲・態度

書く能力 言語についての知識・理解・技能

①意見に説得力をもたせ

 るときの,根拠となる

 注目すべき言葉や数字

 を見つけようとしてい

 る。

①意見文に,主張したい自分の考え

 と,グラフや図表から読み取った

 主張の根拠となる事実について,

 区別しながら書いている。(2)ウ

②自分の意見文に説得力を持たせる

 ために,グラフや図表などを用い

 て,自分の考えの裏付けとなるよ

 う書いている。(1)エ

①意見に説得力をもたせるときの,根

 拠となる注目すべき点を述べるのに

 ふさわしい語句の使い方を理解する

 ことが出来る。

           (1)イ(オ)

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(2)学習過程の概要

指 導 重 評価規準・評価方法

過程 次 点 □観点 ( )方法

主たる言語活動

つ 課 第 課 1・教科書を読んで学習の見通し

か 題 一 題 をもつ。

む 設 次 設 ・成果物を示す。

・ 定 ・ 定 ・提示された表やグラフから事実

見 ・ 第 を読み取る。

通 単 一 ・「わたしたちの社会はよりよい

す 元 時 方向に向かっているか」につい

の 間 て友だちと意見交換し,自分の

学 考えをもつ。

二 2・教科書の例文を通して,文章 ・意見に説得力をもたせると

書 次 の構成(「自分の考えと理由(初 きの,根拠となる注目すべき

き ・ め)」→「根拠となる資料の提示 言葉や数字を見つけようとし

ぶ 四 と説明(中)」→「結論(終わり)」) ている。

り 時 を理解する。 (ワークシート②)

を 間 ・統計資料の効果的な活用の仕

学 方を学ぶ。

集 3・自分の意見を述べるために, ・意見に説得力をもたせるとき

め 取 どのような資料を用いればよい の,根拠となる注目すべき点

る 材 か考え,考えを裏づける根拠と を述べるのにふさわしい語句

・ ・ なる統計資料を探す。 の使い方を理解することが出

選 構 ・資料から読み取れる事実とそれ る。

ぶ 成 についての自分の考えや気づい

たことをワークシート③(取材 (ワークシート③)

メモ)にまとめる。

・1時間目に持った自分の考えを

理由とともに構成シート①の「は

じめ」に記述する。

単元を

貫く言

語活動

グラフや表を引用し,「なるほどなぁ」と言わせる意見文を書こう

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下 適 4・自分の考えを裏づける統計資 ・意見文に,主張したい自分

書 用 料を効果的に用いながら,文章 の考えと,グラフや図表を読

き す ◎ を書く。 み取った主張の根拠となる事

す る 記 ・「グラフや表を説明するとき」 実について,区別しながら書

る 述 の項目に注意し,取材メモを活 いている。

・ 用しながら,構成シート②に構 (構成シート②)

見 成・記述をする。

直 (本時)

清 適 ○ 5・2時間目に使用した構成シー ・自分の意見文に説得力を持

書 応 記 ト①に構成シート②を貼り,「終 たせるために,グラフや図表

す す 述 わり」を記述する。 などを用いて,自分の考えの

る る ・ ・自分の考えが分かりやすく伝 裏 付 け と な る よ う 書 い て い

・ 推 わる意見文になっているか見直 る。

見 敲 す。

直 ・清書する。 (ワークシート④)

伝 表 第 6・書いた文章を友だちと読み合

え 現 三 交 い,考えや文章の書き方,用い

る 課 次 た資料の使い方について感想を

・ 題 ・ 流 交流し合う。

振 の 一 ・実態調査で書いた文章と比較す

り 確 時 ることによって,自分の学習の

返 認 間 成果を確かめる。

(3)指導と評価の計画

次 時 主な学習活動 指導上の留意点 A の姿 C の児童への

間 手立て

第 1 ◆学習課題をつかみ, ・ グ ラ フ や 表 の 読

一 学 習 の 見 通 し を も み取りは,「何の

次 つ。 グ ラ フ や 表 な の

・成果物を提示する。 か」「グラフや表

・ 5 つ の 言 語 意 識 を の中の情報が何を

確認して,学習課題 示しているのか」

をつかむ。 についても,確認

・ 提 示 さ れ た 表 や グ しながら考えさせ

ラフから読み取る活 る。

書 ①

グラフや表を引用し,「なるほどなぁ」と言わせる意見文を書こう

書 ②

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動を通して,多面的 ・ 自 分 の 考 え と 理

な読み取り方につい 由をワークシート

て知る。 ①に記述させてお

・「わたしたちの社会 く。

はよりよい方向に向

かっているか」につ

いて友だちと意見交

換し,自分の考えを

もつ。

第 2 ◆ 教 科 書 の 例 文 を 通 ・「自分の考えと理

二 し て , 文 章 の 構 成 由(はじめ)」→次 を理解する。 「根拠となる資料

・「はじめ」「中」「終 の 説 明 と 解 釈

わ り 」 の 構 成 を 理 ( 中 )」 →「 結 論解 し , そ れ ぞ れ ど (終わり)」の内

の よ う な 内 容 が 書 容で書かれている

かれているか学ぶ。 こ と を 理 解 さ せ

・ 統 計 資 料 の 効 果 的 る。

な用い方を学ぶ。 ・ ワ ー ク シ ー ト ② ・ 意 見 に 説 得 力 を ・掲 示物 や表現

を使い, P152「グ もたせるときの, 一 覧 表 を 見 せ

ラフや表を説明す 根拠となる注目す な が ら , 見 つ

るために」の項目 べき言葉や数字を け さ せ る よ う

に沿って,統計資 より確かな物にな 支援する。

料の活用の仕方に るよう複数見つけ

つ い て 理 解 さ せ ようとしている。

る。 (ノート)

3 ◆ 考 え を 裏 づ け る 根 ・ 統 計 資 料 と し て ・意見に説得力をも ・掲 示物 やキー

拠 と な る 統 計 資 料 グラフや図表を取 たせるときの,根 ワ ー ド の 一 覧

を探す。 り上げ,自分の考 拠となる注目すべ 表 を 見 せ な が

・ 自 分 の 意 見 を 述 べ えを裏付けるもの き言葉や数字の関 ら , 理 由 が 理

る た め に , ど の よ であることを意識 係を,さらに深く 解 で き る よ う

う な 資 料 を 用 い れ させる。 理解するため,理 支援する。

ばよいか考える。 ・ 選 ん だ 統 計 資 料 由も説明すること

・ 選 ん だ 資 料 か ら わ が , 自 分 の 考 え が出来る。

かる事実とそれにつ や 理 由 で 述 べ ら

いての自分の考えや れ て い る 内 容 を

気づいたことを取材 読 み 取 れ る も の (構成シート①)

メモにまとめる。 で あ る か を 検 討

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・ 1 時 間 目 に 持 っ た さ せ る こ と で ,

自分の考えを理由と 自 分 の 考 え と 統

ともに構成シート① 計 資 料 の 整 合 性

の「はじめ」に記述 を確認する。

する。 ・「はじめ」には,

自 分 の 考 え と 理

由 を 分 け て 書 く

ことを伝える。

4 ◆ 自 分 の 考 え を 裏 づ ・ P152 の 「 グ ラ フ ・ 意 見 文 に , 主 張 ・表 現一 覧表を

け る 統 計 資 料 を 効 や 表 を 説 明 す る したい自分の考え 見 せ な が ら ど

果 的 に 活 用 し な が と き 」 の 項 目 を と,グラフや図表 う 言 う 時 に ど

ら,文章を書く。 チ ェ ッ ク し , 取 を読み取った主張 の 言 葉 を 使 う

材 メ モ を 活 用 し の根拠となる事実 の か , 教 え な

な が ら , 構 成 シ について,区別し がら書かせる。

ー ト ② に 「 中 」 ながら文末表現等

の 構 成 ・ 記 述 を 意識した上で最も

させる。 適した物を書いて

いる。

・表現一覧表を参考

に文章にさせる。

(構成シート②)

5 ◆ 3 時 間 目 に 使 用 し ・「終わり」の部分 ・ 自 分 の 意 見 文 に ・「 だ か ら 」 と

たワークシートに には,『このよう 説得力を持たせる か ,「 そ の た

ワークシート②を に』『以上のこと ために,グラフや め 」 に , ど の

貼 り ,「 終 わ り 」 から』などの接続 図 表 な ど を 用 い 言 葉 が ど う 言

を記述する。 語を使い,それま て,自分の考えの う 時 に 働 く の

・ 自 分 の 考 え が 分 か での文脈のまとめ 裏付けになるよう か 理 解 さ せ て

りやすく伝わる意見 となるように,結 に書くにはどれが か ら 記 述 さ せ

文になっているか見 論を述べさせる。 効果的か,複数の る。

直す。 パターンを用意し

・清書する。 な が ら 書 い て い

る 。

第 6 ◆ 書 い た 文 章 を 友 だ ・ 班 で 行 う 。 発 表

書 ①

書 ②

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三 ちと読み合い,考え 者には,根拠にし

次 や文章の書き方,用 た資料を提示し,

いた資料の使い方に どちらの立場で,

ついて感想を交流し どのような情報を

合う。 根拠にして意見を

・ 実 態 調 査 で 書 い た 述べるのかを聞き

文章と比較すること 手に予想させてか

によって,自分の学 ら発表させる。

習 の 成 果 を 確 か め

る。

8 本時の指導(4時間目/6時間)

(1) 日時 平成27年 12月7日(月) 5校時

(2) 対象 5年3組 児童28名

(3) 目標 ◎引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるよ

うに書くことができる。 【指導事項 エ】

・自分の意見文に説得力を持たせるために,グラフや表を用いて,自分

の考えの裏付けとなるように書いている。

(4) 授業の展開

展開 児童の学習活動と内容 教員の指導・支援及び留意点 評価規準

□観点 ()方法

つ 1 学習課題,学習過程を確認す ・学習過程を確認し,本時の

か る。 見通しをもたせる。

2 取材メモをもとに,自分の考 ・前時の学習を振り返らせる。

えを裏づける根拠となるよう ・共通題材の拡大した取材メ

な 文章を書 くことを確認す モを提示し,P152「グラフ ・

る。 や表をせつめいするとき」

と表現一覧表を参考に,ど

のように文章化させていく

かを一斉指導する。

考 8 チェック項目①・② ・文章にできたら読み返し,

え 「何を示すグラフや表か」 チェック項目①・②にそれ

る 「何をどのように表しているグ ぞれチェックする。

取材メモの事柄を考えを裏づける根拠に書きかえよう

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・ ラフや表か」

深 に取り組み,ワークシートに ・説得力のある文章

め 書く。 を 書 く た め の 構 成

る や そ の 要 素 を 理 解

している。

4 共通題材の取材メモを見て, ・注目する数字や言葉,表現 伝①

注目する数字や言葉,表現方 方法を見つける手立てとし (発言・構成シート② )

法を見つけ,どのように分か て,掲示物を見るよう伝え

ったことや考えたことを書く る。

か確認する。 ・取材メモの事柄をすべて使 ・意見に説得力を持

うのではなく,情報を取捨 たせるときの,グ

選択することを伝える。 ラフや表の有効性

に気づき,書いた

5 チェック項目③ ・取材メモの注目する言葉や ものを読んで確か

「グラフや表から分かったこと」 数字に丸をさせる。 めようとしている。

に取り組む。 ・注目する数字や言葉,表現 関①

方法を見つける手立てとし (構成シート② )て,掲示物を見るよう伝え

る。

・机間巡視で気づいたことや

つまづきそうなことは,全

体に共有する。

・複数の根拠を扱った児童は,

どのような順序で根拠を並

べるか考えさせる。(裏づ

けとして説得力のあるもの

を後ろへ)

・文章にできたら読み返し, ・図表やグラフなど

チェック項目③にチェック を 用 い て , 自 分 の

する。 考えを伝えている。

書③

6 チェック項目④ ・2時間目に使ったワークシ (構成シート② )「③で分かったことから考えら ートの記述を生かし,これ

れること」 までの文脈に合うように書

に取り組む。 くように伝える。

・表現方法を見つける手立て

として,掲示物を見るよう

伝える。

・文章にできたら読み返し,

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チェック項目④にチェック

する。

7 友だちと交換し,「はじめ」 ・誤字脱字はもちろん,資料

の文章から続けて読み,筋の から読み取った相手の考え

通る文章になっているかを確 を資料がしっかり裏づけて

認する。 いるかに注意して読む。

8 学習感想を書く。

(5)本時の評価

9 成果と課題

この実践を通して,「書くこと」へ苦手意識のある児童が最後まで努力し,意見文

を書き上げることができたことが最大の成果であると感じる。その成果に寄与したの

は,

①学習のゴールまでを見通させ,取材,構成,記述を「何のために」するのかが明

確に なっていたこと。

②それらの学習活動を「成果物」「構成シート」「表現キーワード一覧表」などの教

材が サポートするものになっていたこと。

の2点が主に挙げられる。児童の実態をつかみ,教材を創り出す重要性を改めて痛

感した。

課題は,自身の考えに説得力を持たせる資料について,さらに研究が必要である

ことである。どのような事柄を根拠とするかはもちろん,自分で書き上げた成果物の

「説得力」の如何を友だちの成果物と交流するのであれば,扱う資料の年代を揃えた

り,その時代の背景を調べたりする必要性もあるのではないかとご指導いただいた。

これは,自身の意見文の内容に責任を持たせるという意味でも大切である。小学校段

階では難しい面もあるが,教材を用意する際,扱う資料をあらかじめ限定・精選しな

がら提示する等の配慮をすることで改善していけると考える。

児童の実態を捉え,苦手意識のある児童の意欲喚起を根底に据えた教材研究や教

材づくり,学習のゴールを見通した学習過程,「学級の児童全員がわかる」ことを目指

した学習展開を心がけ,今後も研鑽を重ねていきたい。

国語への

関心・意欲・態度

書く能力 言語についての知識・理解・技能

 意見に説得力をもたせ

 るときの,根拠となる

 注目すべき言葉や数字

 を見つけようとしてい

 る。

 自分の意見文に説得力を持たせる

 ために,グラフや図表などを用い

 て,自分の考えの裏付けとなるよ

 う書いている。 (1)エ

意見に説得力をもたせるときの,根拠

となる注目すべき点を述べるのにふさ

わしい語句の使い方を理解することが

出来る。

           (1)イ(オ)

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【本単元で使用したワークシート類】

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