トマト - maff.go.jp桃太郎なつみ...

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キュウリ メロン スイカ 小玉 スイカ カボチャ ズッキーニ トマト ミニ トマト ナス ベイナス シシトウ ピーマン パプリカ オクラ イチゴ スイート コーン エダマメ サヤエン ドウ サヤイン ゲン ソラマメ キャベツ ハクサイ ブロッコ リー カリフラ ワー レタス リーフレ タス ホウレン ソウ シュンギ チンゲン サイ コマツナ ナバナ類 ミズナ アスパラ ガス ネギ タマネギ ニラ ニンニク モロヘイヤ 食用ギク ミョウガ セリ 切ミツバ ダイコン カブ ニンジン ゴボウ ジャガイモ サツマイモ サトイモ ナガイモ ツクネイモ 山ウド クサソテツ (コゴミ) モミジガサ (シドケ) ミヤマイラクサ (アイコ) イヌドウナ (ホンナ) フキ ジュンサイ タラノメ ギョウジャ ニンニク 107 トマト 品種特性比較表 台木の品種特性(Tm-2a型品種用) (タキイ種苗カタログより) トマト ナス科 ハウス夏秋どり栽培 ハウス夏 秋どり栽培 セル成型 苗直接定 植栽培 目標収量 12 (t/10a) 6 (t/10a) 播種  ×接木   仮植  ◎定植  収穫 × × ◎ 上 中 下 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 栽培暦 作型の特徴 本作型は、夏の高温期はハウスのスソやツマ面 を開けて雨よけ栽培として降雨を防ぎ、春と秋は ハウスビニールを下ろして保温し、栽培期間の拡 大をできるだけ図り、安定的に高品質・多収生産 を狙うものである。 品種と特性 桃太郎8 本県の夏秋トマトで最も多く栽培されている。 低温時の乱形果や乾燥ほ場でのチャック果、チッ ソ過剰による芯止まりが多いが、他の品種より空 洞果が少ないため、水田転作畑に向く。5段果房 第一 花房 着花 節位 g 果実 F1 F2 B N T C M L V 耐病性 桃太郎 桃太郎 桃太郎8 なつみ 210 220 220 210 7 8 8 腰高 豊円 豊円 豊円 Tm1 Tm2a Tm2a F1 F1 F2 F1 F2 ⑦ ③ 5 6 6 80 82 7 7 6 小 ~ 7 耐病性記号:BF=青枯病 V=半身萎凋病 F1F2=萎凋病 N=ネコブセンチュウ TMV=タバコモザイク CL=葉かび病 耐病性:○=強 △=中程度

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Page 1: トマト - maff.go.jp桃太郎なつみ 桃太郎8に葉かび病の耐病性を付与した品種。国 内の葉かび病菌に耐病性(cf9因子)である。極早 生系で収穫期は桃太郎8より2~3日早い。チャッ

キュウリ

メロン

スイカ

小玉スイカ

カボチャ

ズッキーニ

トマト

ミニトマト

ナス

ベイナス

シシトウ

ピーマン

パプリカ

オクラ

イチゴ

スイートコーン

エダマメ

サヤエンドウ

サヤインゲン

ソラマメ

キャベツ

ハクサイ

ブロッコリー

カリフラワー

レタス

リーフレタス

ホウレンソウ

シュンギク

チンゲンサイ

コマツナ

ナバナ類

ミズナ

アスパラガス

ネギ

タマネギ

ニラ

ニンニク

モロヘイヤ

食用ギク

ミョウガ

セリ

切ミツバ

ダイコン

カブ

ニンジン

ゴボウ

ジャガイモ

サツマイモ

サトイモ

ナガイモ

ツクネイモ

山ウド

クサソテツ(コゴミ)

モミジガサ(シドケ)

ミヤマイラクサ(アイコ)

イヌドウナ(ホンナ)

フキ

ジュンサイ

タラノメ

ギョウジャニンニク

107トマト

品種特性比較表

台木の品種特性(Tm-2a型品種用)

(タキイ種苗カタログより)

トマトナス科

ハウス夏秋どり栽培

ハウス夏 秋どり栽培

セル成型 苗直接定 植栽培

目標収量

12 (t/10a)

6 (t/10a)

●播種  ×接木  △仮植  ◎定植  ■収穫

● × ◎

● × ◎

上 中 下

2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月

上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下

栽培暦

作型の特徴本作型は、夏の高温期はハウスのスソやツマ面

を開けて雨よけ栽培として降雨を防ぎ、春と秋は

ハウスビニールを下ろして保温し、栽培期間の拡

大をできるだけ図り、安定的に高品質・多収生産

を狙うものである。

品種と特性桃太郎8

本県の夏秋トマトで最も多く栽培されている。

低温時の乱形果や乾燥ほ場でのチャック果、チッ

ソ過剰による芯止まりが多いが、他の品種より空

洞果が少ないため、水田転作畑に向く。5段果房

果   重

果 

 形

第一 花房 着花 節位

品  種  名 g節

果実 F1F2

B V N T C M L V

耐病性 吸

葉の大小

桃太郎

桃太郎

桃太郎8

なつみ

210~ 220

220

210

7

8

8

腰高 豊円

豊円

豊円

Tm1

Tm2a

Tm2a

○ ○

F1

F1F2F1F2

○ ⑦ ③ ④

5

6

6

中 大

中 小

極 早

極 早

室 %

80

82

中 高

△ ④

7

7

6小 ~

7⑦ ⑧

⑦ ⑧

⑧ ⑨

耐病性記号:BF=青枯病 V=半身萎凋病 F1F2=萎凋病 N=ネコブセンチュウ TMV=タバコモザイク CL=葉かび病 耐病性:○=強 △=中程度

Page 2: トマト - maff.go.jp桃太郎なつみ 桃太郎8に葉かび病の耐病性を付与した品種。国 内の葉かび病菌に耐病性(cf9因子)である。極早 生系で収穫期は桃太郎8より2~3日早い。チャッ

108 トマト

以降の玉伸びは他品種に比べて優れているが、草

勢が衰えやすいので、生育初期にしっかりと根を

張らせることがポイントである。葉かび病に弱い

が青枯病にはやや耐病性がある。

桃太郎なつみ

桃太郎8に葉かび病の耐病性を付与した品種。国

内の葉かび病菌に耐病性(cf9因子)である。極早

生系で収穫期は桃太郎8より2~3日早い。チャッ

ク果、窓開き果が桃太郎8より少なく着果性も高い。

若干小玉であるが、硬さを重視した育成結果から

店持ち性は向上し桃太郎8よりも着色してから出荷

できる。節間が桃太郎8に比べて短く、6段開花で

約1段分低くなるため誘引が楽である。樹勢は桃太

郎8に比べ初期から強く後半まで持続するため、長

期栽培に向く。食味は酸味がやや強い。

台木品種

接木は主に青枯病などの土壌病害の発生を防ぐ

ために行うが、発生している土壌病害の種類によ

って台木を選定する。接ぎ木しても青枯病は完全

に発生を防げないが、台木の選定に当たっては現

地での試験を重ねながら選定することが大切であ

る。接ぎ木苗は生育初期の草勢が強めとなるので、

基肥は自根に比べて10~20%減肥する。

栽培方法

□育苗セル成型苗育苗(ナエピット利用)

最近はセル成型苗が普及しており、以下この育

苗法について記述する。なお、育苗センターから

購入する場合は主に仮植時点からの管理となる。

トレイ、培土の準備

トレイは台木用として50穴セルまたは72穴セル

を、穂木用として128穴セルのものを準備する。

培土はセル成型しやすく、軽量で搬送しやすく

するため、園芸用育苗培土とピートモスを混ぜ合

わせたものを使用する。あらかじめほぐして塊を

なくした良質のピートモスと園芸用培土を容積比

で1:1の割合で撹拌し、その10%の量の水を灌水

しながら良く混合する。

播 種

トレーの穴の中央に1粒播きとし、播種後は、

培土と同じ覆土を種子が隠れる程度(5~6mm)

に行なう。

覆土後、種子の表面がでないように静かに十分

灌水する。

台木の発育がやや劣るので、1~2日程度穂木よ

り早く播く。

播種後の管理

播種後、直ちに28~30℃の電熱育苗施設または

専用の発芽室に搬入し、発芽を促す。発芽までは4

~5日要し、発芽し始めたら遅れないように育苗室

に搬出する。

発芽揃いしたら、室内気温(昼間27~28℃、夜間

13~14℃)、夜間地温は20~23℃を目標に管理する。

乾いたら適時灌水し、水温等に十分注意し、地

温の低下を招かないようにする。

接ぎ木(基礎編も参照する。)

接木適期の判定

接ぎ木作業がしやすい苗の目安は、子葉と第1本

葉の間の節の長さ(上胚軸の長さ、第1節間長)が

10mm内外に達したときである。このため草丈4~

5cm、葉数2.5枚内外、茎径1.8mm程度が接木適

期の苗の生態である。

接ぎ木作業

接ぎ木作業の手順は、台木の切断、台木への支

持チューブの指し込み、穂木の切断、支持チュー

ブへの穂木の挿し込みからなっている。

①台木の切断

子葉の上7~8mmのところから、垂直に対して

約30度の傾斜角になるよう、カミソリの刃で下に

向かって切り下げる。切り口の下端が、子葉から

少なくとも4mm程度上の方におさまることが大切

である。

②支持チューブの取り付け

1~3号の支持チューブの中から適当な大きさの

ものを選定する。選定に当たっては茎径よりもチ

ューブの内径が小さめで、指し込んだとき切れ目

が少し開くくらいのものとする。

③穂木の切断

台木と同じく第1節間部を、上から下に向かって、

傾斜角が30度になるように切断する。

穂木がしおれると、指し込み作業がしにくくな

り、しおれの回復まで時間を要するので、床面に

水を打ったり、切断した穂を入れる容器の底面に

布やティッシュペーパーなどを敷き、水で湿らせ

た上に切断した穂木をおく。

Page 3: トマト - maff.go.jp桃太郎なつみ 桃太郎8に葉かび病の耐病性を付与した品種。国 内の葉かび病菌に耐病性(cf9因子)である。極早 生系で収穫期は桃太郎8より2~3日早い。チャッ

キュウリ

メロン

スイカ

小玉スイカ

カボチャ

ズッキーニ

トマト

ミニトマト

ナス

ベイナス

シシトウ

ピーマン

パプリカ

オクラ

イチゴ

スイートコーン

エダマメ

サヤエンドウ

サヤインゲン

ソラマメ

キャベツ

ハクサイ

ブロッコリー

カリフラワー

レタス

リーフレタス

ホウレンソウ

シュンギク

チンゲンサイ

コマツナ

ナバナ類

ミズナ

アスパラガス

ネギ

タマネギ

ニラ

ニンニク

モロヘイヤ

食用ギク

ミョウガ

セリ

切ミツバ

ダイコン

カブ

ニンジン

ゴボウ

ジャガイモ

サツマイモ

サトイモ

ナガイモ

ツクネイモ

山ウド

クサソテツ(コゴミ)

モミジガサ(シドケ)

ミヤマイラクサ(アイコ)

イヌドウナ(ホンナ)

フキ

ジュンサイ

タラノメ

ギョウジャニンニク

109トマト

④穂木の挿し込み

台木の支持チューブをはめたあたりを、片手で

動かないように固定しながら、チューブの傾斜面

と穂木の傾斜面が合うように穂木を挿し込む。

挿し込みは少し力を加えて、台と穂の両者の断

面が圧着された状態が望ましく、この程度が弱い

と、活着不良等の障害が出やすくなる。

養生管理

接ぎ木作業が完了したトレイから逐次、活着促

進装置に搬入する。室内は空気湿度が87~95%で、

また弱光条件なので乾燥しにくく、灌水はほとん

ど必要としないが、1~2日後、培土の表面が極端

に乾燥したら、適宣に灌水する。

出庫後の管理

3~4日後に出庫するが、出庫はしおれを防止す

るため、光の弱い夕方に行なう。

灌水は、晴天なら9~11時頃と午後1~2時頃の

2回行なう。灌水の目安は、乾き具合によって加減

するが、およそ夕方になって培土の表面が白く乾

き上がるくらいとする。

仮植

セルトレイ上で接ぎ木した苗は、活着後、15cm

径のポットに鉢上げし定植まで育苗する。

種苗センター等からセル成型苗を購入する場合

は、苗が到着したら速やかに仮植する。

育苗場所および面積

仮植後はハウス内育苗とする。10a当たり

2,100本として、最終ずらし面積1本当たり30cm

間隔では、実面積で約198㎡(60坪)必要となる。

保温と根切れ防止のためハウスの下にモミガラ

を入れ、その上に古ビニール(通水のための穴の

開いたもの)や遮根シートなどを敷く。

ハウスの被覆ビニールは汚れていると保温性が

劣るばかりでなく、光線不足となり花の形質を悪

くするので注意する。

ハウス内にすきま風が入り込まないようにし、特

にハウスサイドは白寒冷紗や防風網等を設置する。

床土の準備

前年夏頃から土、堆肥、クン炭、肥料等を交互

に積み重ね、随時切り返ししながら熟成させて作

っておく。

施肥量は1 当たり成分量でチッソ300g、リ

ンサン500g、カリ300g、炭カル3~5kgとし、

目標pHは6.0~6.5、EC0.7~0.8となるように調

整する。

仮植準備

育苗ポットは15cm程度

の大きめのものを使用す

る。

あらかじめ土を入れ

ておき、仮植2日前に十

分灌水し、ポリフィル

ム等を掛け地温を高め

ておく。

仮植の方法

プラグトレーから家庭用のフォーク等を使って、

前もって開けておいたポットの穴に差し込む。倒

れないように土を寄せるが、徒長苗の場合は支え

クシ等を利用して、深植えにならないようにする。

植え付け後十分に灌水し、ビニール等で被覆し

てしおれを防ぎ、活着を早める。

仮植後の管理

温度管理

仮植前後(播種後25~30日以降)からは、常に

体内で花芽分化が行なわれているので、急激な温

度変化や最高・最低気温に注意する。

①本葉3枚までは12℃以下に絶対しない。

②その後はチャック果、キズ果防止のため、最

低気温10℃以下にしない。

③ハウスは午後、気温が20℃程度に下がりきら

ないうちに閉める。

水分管理

しおれは花の質の低下や障害果の発生にもつな

がるので、しおれさせないように灌水する。

灌水は、早朝から9時頃までに行ない、灌水によ

る地温低下を防ぐために、水道水や地下水の直接

利用を避け、温湯水を使用する。

頭上からの灌水は曲りや生育不揃い等の原因と

なるので、ポットに直接灌水する。

Page 4: トマト - maff.go.jp桃太郎なつみ 桃太郎8に葉かび病の耐病性を付与した品種。国 内の葉かび病菌に耐病性(cf9因子)である。極早 生系で収穫期は桃太郎8より2~3日早い。チャッ

110 トマト

鉢ずらし

1回目は、葉が重なってきたら行ない、2回目は

重なり合う前に行なう。ずらしが遅れると1~2日

で徒長してしまうので、絶対遅れないようにする。

ずらしは3回以上行なうようにし、最終的に

30cm間隔にする。

病害虫対策

ハウス内の湿度が高まると葉かび病が、温度が

高くなると害虫が発生するので、換気を十分に図

るとともに、予防散布に努める。

□本畑準備畑の選定

肥沃で排水の良い良好な土壌に適しており過湿

には弱い。通気性、排水性、保水性等の物理性が

良好な場所を選ぶ。土壌酸度はpH5.5~6.5程度が

適し、次の点に注意して土壌改良する。

土壌改良

①根域の確保

地下水位から60~70cm以上のところがよい。、

最低50cmの深耕を行なう。

水田転換畑では、すき床層の破砕が必要であり、

ほ場全体の深耕が必要である。

良質の有機物を投入し、膨軟な団粒構造の土壌

をつくる。暗渠、明渠を設置し排水性、通気性の

向上を図る。

②化学性の改良

有機物を施用したり、ゼオライト、ベントナイ

ト、炭等のCECの高い土壌改良資材を施用し、

保肥力を高める。

土壌pHが適正でないと各種の養分欠乏やアンモ

ニアガス害等の生育障害を引き起こしやすいので

注意が必要。特に深耕を行なう場合は、下層土の

改良を十分に行なうにする。

施肥

基本的には基肥を多く人れて肥効を水分でコン

トロールして栽培するのが望ましく、そのために

は10a当たりチッソ成分で12~15kgは必要である。

樹勢維持のため施肥は深層施肥とし、ロング系や有

機質系肥料を主体として定植15日位前に施用する。

一般に標準的な施肥量に対して、深層施肥では

基肥チッソ量を2~3割増量し、さらにロングタイ

プの肥料では5割程度増量する。

接ぎ木栽培では台木の品種により基肥量を減量

する。

基肥のチッソ施用量は基準に従って施用したつ

もりでも生育過繁茂になる場合がある。特に冬期

間ビニールを除覆しないと肥料が流亡しないため、

前年の肥料が残っている場合が多い。よって基肥

の施肥設計は土壌のEC濃度の測定値によって決め

ることが必要である。

【施肥例】

耕起・畝立て

耕起、畝立ては、施肥と併せて行なう。

土壌ECから算出する残存N量の目安(青森県の指針より)

土壌EC

残存N

0.05以下

3.0以下

0.1

4.0

0.2

5.5

0.3

7.0

0.4

8.4

0.5

10.0

0.6

11.3

0.7

12.8

施肥量(kg/10a)

追肥 肥料名

基肥

全面 畝

備考

完熟堆肥 土

苦土石灰

苦土重焼燐

緩効性高度化成

肥効調節型高度化成

2,000

140

40

40

2,000

60

20

(15-15-15)

(14-12-14)

有機入り液肥

50 50

100 (10-4-6)

成分量(kg/10a)

チッソ リンサン カリ

基 肥

追 肥

10~15

10~15 5~8

30~35 10~15

10~15

Page 5: トマト - maff.go.jp桃太郎なつみ 桃太郎8に葉かび病の耐病性を付与した品種。国 内の葉かび病菌に耐病性(cf9因子)である。極早 生系で収穫期は桃太郎8より2~3日早い。チャッ

キュウリ

メロン

スイカ

小玉スイカ

カボチャ

ズッキーニ

トマト

ミニトマト

ナス

ベイナス

シシトウ

ピーマン

パプリカ

オクラ

イチゴ

スイートコーン

エダマメ

サヤエンドウ

サヤインゲン

ソラマメ

キャベツ

ハクサイ

ブロッコリー

カリフラワー

レタス

リーフレタス

ホウレンソウ

シュンギク

チンゲンサイ

コマツナ

ナバナ類

ミズナ

アスパラガス

ネギ

タマネギ

ニラ

ニンニク

モロヘイヤ

食用ギク

ミョウガ

セリ

切ミツバ

ダイコン

カブ

ニンジン

ゴボウ

ジャガイモ

サツマイモ

サトイモ

ナガイモ

ツクネイモ

山ウド

クサソテツ(コゴミ)

モミジガサ(シドケ)

ミヤマイラクサ(アイコ)

イヌドウナ(ホンナ)

フキ

ジュンサイ

タラノメ

ギョウジャニンニク

111トマト

全面施用分の肥料を散布後ロータリー耕し、畝

になる場所に溝を切り、堆肥、肥料を散布して、

埋め戻す。

畝をつくり、1週間位放置して、肥効を安定させ

てから定植する。

マルチング

一般的にはマルチ栽培すると浅根となりやすい

ので、マルチは低温時や乾燥しやすい土壌での栽

培に限定することが望ましい。

地温上昇を目的とする場合は、透明マルチを、

雑草の繁茂するほ場では黒マルチが良く、両方の

効果が期待できるものにグリーンマルチがある。

マルチングは、土壌湿度を見ながら行ない、乾

燥しすぎの場合は灌水後行なう。

□定植植え付け

定植適期の目標となる苗は、草丈30~35cm、

茎の太さ7~8mm、1段花房が1~2花開花した頃

である。

地下10~15cmの地温が15℃以上になった暖か

い日を選んで定植する。

植え方は右図のとおりで決して深植えしない。

植え穴には、害虫対策に殺虫剤を施し土と良く

混和させる。

花房は原則として、できるだけ異常高温時の日

焼けを考慮した向き(東~北側)とするが、特別

支障がない限り作業性を考慮した向き(通路側等)

とする。

【植え付けのポイント】

①植え付け2~3時間前に

鉢には十分灌水しておく。

②葉色の落ちたものは液

肥(300倍程度)を灌水代

りに施用する。

③植え付け後直ちに誘引

を行ない風による損傷を

防ぐ。

④栽植密度の目安を坪当

たり6~7本位とし、誘引

方法・作型・作業性等を

考慮に入れた条間、株間

に調整する。

□定植後の栽培管理温度管理

生育の好適温度は、昼間25~26℃、夜間12~

13℃、地温20~23℃である。

花粉の発育には最低13~15℃、最高32.5℃以

下、開花のためには15℃以上の条件が必要である。

このため、定植直後は保温して温度の低下を防

止する。夏場はハウスツマ面を撤去し、通風をよ

くして温度の上昇を防止する。

追肥・灌水

3段花房開花期前の追肥は原則として必要ない

が、樹勢が弱い場合は灌水で様子を見ながら行な

う。2~3段花房開花期以降は急激に樹勢が落ちる

時期であるため、3段花房開花時に100㎡当たりチ

ッソ成分で0.2~0.3kgの穴肥を施す。その後は樹

勢を見ながら液肥を主体に1回当たりチッソ成分で

0.1kg程度を定期的に施す。

灌水は、定植後は根の発達を促すために3段花房

開花期頃まで控え、その後は積極的に施す。盛夏

期は晴天時で1株当たり1~1.5Lを目安とする。

なお、桃太郎8の場合、追肥、灌水を実施するか

どうか迷った場合は行なったほうが良い。

生育診断

桃太郎8の樹勢管理のポイントは、「5~6段で樹

勢を落とさない」であり、そのためには「如何に

樹勢の転換期である3段花房開花期の追肥を行う

か」が重要となる。そのため2段開花~3段開花の

頃は、樹勢の調整のため非常に重要な時期で、的

確な樹勢判断により適正な対応をする必要がある。

①全面施用分の肥料を散布してロータリー耕を行う

④植え床を作り、1週間位放置し、肥効を安定させ、その後に定植する

③溝を埋め戻しながら、肥料と土を均等に混合する混合割合は表層2割、中間(20~40cm)3割下層(40~60cm)5割を目安とする

②溝を掘り底に有機物を敷き、溝施用分の肥料を溝、盛り土全体に均等に散布する。溝部分を管理機等でロータリー耕する

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112 トマト

整枝・誘引

原則として主枝1本仕立てする。腋芽は混みすぎ

ないよう随時摘除する。主枝は目標収穫最終花房

の上に3枚残して摘心する。

誘引は栽培時期、期間、施設の条件により選択

する。

着果処理

桃太郎8は桃太郎に比べて着果性は良い。しかし、

低段花房は低温時の着花で、花粉粘性が低く、着

果不良だと樹勢が強くなり過ぎるので、人工受粉

やホルモン処理で確実に着果させる。

ホルモン処理

・使用時期や気温によってホルモン剤の種類、濃

度を使い分ける。

・低温時に調整したものは、使用する時間帯の温

度によって薄めるなど再調整する。

・散布時間帯を遵守する。

・散布は午前中の気温が高くならない時間帯に行

なう。

・温度の高い時や、露のある時間帯は避ける。

・調整後に保存する場合は冷蔵保存とするが短期

間に使いきるようにする。ジベレリンを加用し

3~4段花房開花期の診断の目安 誘引方法別の長所・短所

診 断 前 に次の 作 業 を行う

3 段 果 房 開 花 始 め に 株 当 た り 1L の試し 灌 水 を す る 。

生 診 断 時 期 対 策

育 ホ ル モ ン 処 理 直 前

① 3段~4段花房まで6

8cm

② 3 段 花 房 開 花 直 下の茎

径が 6~ 8mm⦆

③ 生 長 点 の 黄 色 が大 き い

① 3 段~ 4 段 花 房 ま で 6

cm以下

② 3 段 花 房 開 花 直 下 の茎

径が 6mm以下

③ 生 長 点 の 黄 色 が小 さ い

① 3段~4段花房まで6

cm以下

② 3 段 花 房 開 花 直 下の茎

径が 8mm以下⦆

③ 日中生長点付近の葉が

巻 い て い る

④ 生長点の黄色が大きい

ホルモン処理終了後追肥

穴肥とし、緩効性高度化

成25~40kg、又は速効

性高度化成15~20kg

ホルモン処理前に液肥の

追肥で樹勢を上げる。ホ

ルモン処理終了後、速効

性高度化成15~20kgを

追肥(穴肥)する。

4段果房開花始めに追肥

緩効性高度化成2 5~

40kg極端な生育過繁茂

の場合は追肥、かん水を

控え、芽かき、摘果を遅

らせる

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キュウリ

メロン

スイカ

小玉スイカ

カボチャ

ズッキーニ

トマト

ミニトマト

ナス

ベイナス

シシトウ

ピーマン

パプリカ

オクラ

イチゴ

スイートコーン

エダマメ

サヤエンドウ

サヤインゲン

ソラマメ

キャベツ

ハクサイ

ブロッコリー

カリフラワー

レタス

リーフレタス

ホウレンソウ

シュンギク

チンゲンサイ

コマツナ

ナバナ類

ミズナ

アスパラガス

ネギ

タマネギ

ニラ

ニンニク

モロヘイヤ

食用ギク

ミョウガ

セリ

切ミツバ

ダイコン

カブ

ニンジン

ゴボウ

ジャガイモ

サツマイモ

サトイモ

ナガイモ

ツクネイモ

山ウド

クサソテツ(コゴミ)

モミジガサ(シドケ)

ミヤマイラクサ(アイコ)

イヌドウナ(ホンナ)

フキ

ジュンサイ

タラノメ

ギョウジャニンニク

113トマト

た場合は、原則として当日中に使いきる。

・1花房につき1回の散布とし、重複散布しない

振動受粉方式による処理

(マルハナバチ、バイブレータ)

・花粉の発芽に必要な最低気温13℃(限界気温

10℃)が確保できる時期になってから行なう。

また、雌雄の器官は35℃で障害を受けるため、

30℃以上にしないように換気を図る。

・不良な花では受粉作業を行っても着果しない場

合が多いので、花の質を高めるように栽培管理

する。

・果実は着果から収穫までの期間がホルモン処理

より1週間前後遅くなる。

・8月後半の花房は、低温で着色まで時間がかかり

やすいため、できれば肥大促進効果のあるホル

モン処理を行った方が無難。

・マルハナバチを使用する場合は、野生化防止を

はかるためハウスの全ての開口部に必ず飛散防

止用のネット被覆を行う。ネットの目合は4mm

以下のものを使う。使用後は巣箱を適正に処理

する。

摘葉・摘果

摘葉は樹勢に応じて通風、採光を良くするため

老化、障害葉を中心に行なう。

摘果も樹勢に応じて障害果を中心に行なう。特

に熟期の遅れや着果過多等で樹勢を低下させやす

いので、確実に摘果して着果数を制限する。

着果数は、第1段~第3段果房では3果、第4段果

房以降は4果を目安とする。

【摘葉のポイント】

①病気の発生している葉や苦土欠乏症状、チッソ

欠乏症状の下葉は摘葉する。

②通風、採光の面から葉が重なった部分や果実を

覆うような葉の剪葉を行なう。

③1枚の葉をすべて取り除くときは、葉の付け根か

ら約5cm程度残して行ない、必要に応じて1枚の

葉の1/3~2/3を摘葉する。

④下葉整理の目安は現在着果している果房の1段~

2段下までとし、草勢や病害の発生状況により加

減する。

⑤草勢が強く、空洞果の多いほ場では果房近くの

葉もある程度取り除く。

⑥病気の発生している株は、病害を移すので最後

に摘葉する。また、雨天時、降雨前後、露のあ

る時は避け、傷は当日中に乾くようにする。

⑦摘葉作業後は薬剤散布や追肥を行ない、病害の

発生防止と草勢の回復を図る。

【摘果のポイント】

①摘果は樹勢のコントロールと秀品率向上のため

に欠かすことのできない作業である。摘果時期

は果実が指で「OKサイン」をつくったときの

円(親指と人指し指で作った円)の大きさまで

に行なう。それ以上の大きさでは樹に負担がか

かり、玉伸びが劣る。

良い果実となる幼果

・ガク片が7枚、豊円で果実の色が灰緑色にくすん

でいる。

摘果する不良果

・乱形果:ガク片が大きい。花どまりが大きい。

・小果:ガク片が少ない。肩の緑色が濃く、ピカ

ピカと光っている。(ホルモン処理の障害)

・尻腐れ果:花落ち部が黒変している。

・奇形果、チャック果、窓開き果等

□収穫・調整収穫適期、品質保持対策等

収穫は原則として朝の涼しい時間帯(場合によ

っては気温の下がった夕方)に行ない、収穫後も

涼しい場所に置く。

気温の高い日中に収穫すると、追熟の進行が早

く軟化がすすむので注意が必要である。

収穫は果色表に従って適期に行なう。(収穫期の

温度によって収穫時の着色程度をかえる)

出荷調整

収穫した果実は汚れを良く拭き取り、裂果、奇

形果、空洞果等の不良果を取り除く。

コンテナ詰めの際は、押し果等を防止するため

多段詰めを避け、新聞紙等を各段毎に入れる。

□病害虫防除灰色かび病

枯死した葉柄、茎、葉などを侵し、患部に灰色

のかびを生ずる。果実が腐敗し落果したり、果面

にゴースト・スポットができる。低温、多湿、多

肥条件や腋芽欠き、葉欠き等で傷がついた時、低

温で花弁が落ちない時に発生しやすい。

排水を良好にし、ハウス内の通気を良くする。

腋芽欠き、葉欠き等の作業は天気の良い日に行な

い夕方までに傷口が乾くようにする。病葉、障害

葉等の被害部分を取り除く。