スマートホームの市場競争はすでに始まっている...市場を生み出します。cspがスマートホーム市場の激しい競争を勝ち抜くためには、どのように消費者のニーズを掴み、迅速に対応していくか、ということが重要な...

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

IoTとeSIM により

市場が加速

CSPが持つ有利性: 顧客リスト、 信頼、データ

ディスラプターは イノベーションと スピードで挑戦

CSPが競争に勝つためには 業界の構造やサービスの

変革が必要

スマートホームの市場競争はすでに始まっているスマートホームが急激な進歩を遂げる今日、消費者の求めるものはシンプルです。

アプリケーションやガジェットなどの様々なデジタル・サービスがシームレスに連携し、サービス購入の検討や手続き、難しい操作などに悩まされることなく、安心して利用できることを消費者は期待しています。様々な消費者が満足する利便性を実現して顧客を獲得するために、デジタル・サービスプロバイダは統合的なパッケージサービスを提供していく必要があります。

CSP(Communication Service Provider:通信事業者)は、長年にわたりこのことを認識しています。デジタル時代のネットワークバックボーンを提供しつつ、統合的なコミュニケーションとメディアサービスを通じ、さらなる顧客獲得を図っていく――。

しかし、従来のビジネスモデルやアーキテクチャに縛られているCSPの現状では見込める成果は限定的です。スマートホーム市場における「デジタル・ディスラプター(digital disruptor:デジタル時代における創造的破壊者)」たちは急速な成長と革新を続けています。スマートホームの到来は、消費者の新たなニーズを喚起し、さらなる

市場を生み出します。CSPがスマートホーム市場の激しい競争を勝ち抜くためには、どのように消費者のニーズを掴み、迅速に対応していくか、ということが重要な ポイントとなります。

“スマートホーム” 市場の競争激化 | 2

世界26カ国で26,000人の消費者を対象に実施した「2017年アクセンチュア デジタル消費者調査」により、 今日のダイナミックなデジタル消費者や彼らが望む未来のスマートホームについて重要な調査結果が明らかになりました。

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

CSPがスマートホーム市場を勝ち取るチャンスIoT(Internet of Things)とeSIM(embedded Subscriber Identity Module:組み込み 用SIM)は、あらゆる情報がインターネットでつながる創造的な世界を創り出します。 ラップトップPCや電話、フィットネスバンド、テレビ、セキュリティセンサー、生活家電製品 などの制御が容易にできるようになり、相互接続されたシステムに統合されていきます。 IoTデバイスに組み込まれたeSIMは、ネットワーク経由で通信プロファイルや接続先のCSPなどの情報を自由に変更できるため、利用者の通信状態や利用料金なども自動で最適化できるようになります。eSIMはIoT市場の成長を加速させる重要な技術で、CSPにとっても、情報通信サービスの商品化により高い収益性を持つ市場を構築するため の大きな後ろ盾となるでしょう。既存顧客の巨大な基盤、通信ネットワークインフラ、 そして高い信頼性――。CSPは競争に参入するうえで、すでに強力な優位性を持って います。

この強みを生かすことで、スマートホーム市場においても高い価値を提供できるリーディングカンパニーとなっていくことができるでしょう。

しかし、その実現に向けては多くの壁が立ちはだかっています。AmazonやAppleなどのディスラプターは、AI(人工知能)をすべてのスマートホーム・ サービスのゲートウェイとなるハブにしようと考えています。

今こそアクションを起こし、新興市場を獲得する時

これまで積み上げてきたCSPの中核事業は、今後も利益を生み出すために大切です。しかし、CSPはタイミングを逃す前に、新しいビジネスを創造し成長させていかなければなりません。そのためには、新たなプラットフォームのビジネスモデルの構築と従来からの収益モデルと組織体制の抜本的な変革が必要となります。新たな収益源を生み出すためには、ハイパー・パーソナライゼーションとハイパー・コネクティビティの可能性についても追求していく必要があります。もちろん、それらは大きな挑戦となるでしょう。しかし、ディスラプターたちがスマートホーム市場を完全に支配してしまう前に、CSPが プラットフォーム指向のデータドリブン企業に生まれ変わるために欠かせないアクションのひとつなのです。

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

機会と脅威を理解するイノベーションに乗り遅れた CSPは新市場において脇役に 追いやられるかもしれない

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

29% AI内蔵型モバイル機器

を使用

17% スタンドアロン型デジタル

アシスタントを使用

調査では消費者がAIを受け入れている ことが明らかになった

アクションを急がなければ、 スマートホーム市場はディスラプターの手にスマートホームなどを通じて消費者の生活の一部となるIoT――。IoTによってビジネスチャンスは限りなく広がっています。世界経済フォーラム(World Economic Forum)と アクセンチュアによる調査報告では、「2030年までにIoTは、世界経済に14兆ドルの 価値をもたらす」と予測しています。さらに、通信ネットワークにおける帯域とデータ 容量の増加により、CSPの営業利益はさらに増えることが見込まれます。これは健全な傾向のように見えますが、現在CSPを取り巻く脅威を考慮すると実際に享受できる利益はわずかです。CSPにとって最大の機会は、IoTを実現するコンシューマ向け・エンター プライズ向けアプリケーションと、統合的なIoTソリューションをサービスとして提供 していくことにあります。そうすることでIoT市場は、2025年までにさらに1,000億ドルの営業利益をもたらすことができるでしょう。

アクセンチュアの調査では、日本の消費者はAIによるサービスを利用することに抵抗がないという結果が出ています。

Apple、Google、AmazonなどではAIアシスタントを通じたスマートホーム 市場を開拓しつつあり、中でもGoogleとAmazonは、スマートホームを制御 するための核となる、スタンドアロン型の音声アシスタントの米国での販売を開始しています。

日本では、今回の調査対象者のうち29%が、スマートフォンやPCに組み込まれた音声アシスタントを使用しています。またスタンドアロン型の音声アシスタントの利用者は 17%でした。しかし、この調査報告からは、日本国内の消費者のスマートホームへの関心 が一定数以上あると読み取ることができ、ディスラプターたちが市場を大幅に拡大していくことになるでしょう。Appleは、「HomeKit」を導入しており、そのエコシステムには50以上のスマートホームブランドが参入しています。1また「Apple TV」はHomeKitのホームハブとしても機能します。

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

顧客を 囲い込めるのは誰か

ディスラプターが、音声ユーザーインターフェース、ハブとなるデバイスエコシステム、およびeSIMを制御する通信プロバイダの決定権を持つようになると、CSPが顧客接点を永続的に維持していくことは困難になります。顧客はサービスや料金など総合的に満足できなければ、すぐに通信プロバイダをCSPからディスラプターに乗り換える でしょう。今回の調査対象者のうち、インターネット接続に関する不満を持つブブロードバンド利用者のうち、日本では25%が「今後12カ月の間にプロバイダを変更する 予定がある」と回答しています。特に、eSIMは通信プロバイダの変更が容易になるため、 今後は気軽にプロバイダを乗り換える傾向が増えるでしょう。

今回の調査では回答者の1/3が、すでにeSIMを認知しており、さらに半数が、よりお得な通話・データプランを求め、実際に購買行動をとるでしょう。顧客のカバレッジにおいては現在のところ、CSPが依然として圧倒的な基盤を保っていますが、今後代替となる競合サービスが登場することで、多くの課題に直面することになり、その基盤は揺らぎはじめています。

アクセンチュアは消費者に対し、「現在利用している通話、メッセージ、モバイルイン ターネットなどのサービスが、Amazon、Samsung、Apple、Googleなどのグローバルブランド力のあるディスラプターから、優れた品質(音声、接続速度など)と価格で提供された場合に、消費者はどのような選択をするか」というアンケート調査を実施しました。

その結果、44%が「現状に不満があるので新規参入の プロバイダに乗り換える」と回答しています。

「変更しない」と回答した消費者のうち、 29%が「現状に満足しているので変更しない」、 6%が「実績あるモバイルブランドを利用することが重要 だと思う」、21%が「契約で縛られているので変更できない」もしくは「乗り換えに関心がない」と回答しています。

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

既存サービスに満足できない場合、顧客は離れていく

68%

調査対象:25,996人

ESIMの使用に興味がある

55% 現在の通信が悪いので、 来年変更を予定している

44% 現状に不満があるので新規参入の プロバイダに乗り換える

29% 現状に満足しているので変更しない

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

現在のアドバンテージを生かすCSPは消費者から厚く信頼され、 消費者の生活に深く入り込んでいる。 CSPはそのアドバンテージを 生かすべきである。

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80%

49%

71%

すべてのデジタル・サービスを1つの プロバイダーで契約したい

コネクテッドホームのプロバイダーとして CSPを選ぶ (11業種中1位)

ホームヘルスケアのプロバイダーとして CSPを選ぶ (11業種中1位)

機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

CSPのスマートホーム市場における優位性と脅威とはアクセンチュアの調査では、調査対象者の80%が「すべてのデジタル・サービスを ひとつのプロバイダで契約したい」と回答しており、71%が「スマートホーム・サービスの プロバイダとして」、49%が「スマートヘルスケア・サービスのプロバイダとして」、今後もCSPを利用するだろうと回答しています。消費者におけるCSPの個人情報の取り扱いに対する信頼は厚く、銀行とほぼ同レベルの信頼度に達しています。これは、プライバシー保護の面で強力な優位性です。

新しいスマートデバイスの利用は、一部の消費者にはまだハードルが高いかもしれま せんが、コンピューター上でのAIとのやり取りに抵抗が無いと66%の人が答えた様に、日本の消費者がスマートデバイスを使いこなせるであろうことは明らかです。CSPは これまで築き上げてきた顧客との強いつながりを生かし、幅広いサービスを提供していくことができます。

今回の調査で、「新しいスマートデバイスを使用した際に不便さを経験した」という消費者は、グローバルでは54%、日本では60%と、ほぼ同程度の結果となりました。また日本では、回答者のうち18%が「デバイスの操作が複雑すぎる」、別の18%が「広告どおりに作動しなかった」と回答しており、また4%が「デバイスがインターネットに接続できなかった」、さらに7%が「セットアップができなかった」と回答しています。またスマートサーモスタットの所有率は、環境面や操作のしやすさなどから普及する 可能性が高いと考えられる日本でも、調査対象者のわずか5%にとどまりました。

また調査結果では、消費者がCSPに好意的であることもわかりました。従来利用して いる信頼と親しみやすさが、消費者のCSPに対する愛着につながっているのでしょう。日本の調査結果では、スマートホーム・サービスをすでに所有している、または購入 する予定があると回答した調査対象者のうち、60%が通信プロバイダとしてCSPを 選定しています。スマートヘルスケア・サービスについても同様の結果となりました。CSPはすでに消費者の生活に深く入り込んでおり、またスマートホームに必要な大規模なネットワーク設備やサービスなども保有しています。そのため、市場のあらゆるデジタルニーズに対応でき、消費者が安心して利用できるスマートデバイスやサービス、インフラを提供していくことができるでしょう。

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

CSPは課題を克服することで スマートホーム市場を制することができる日本の消費者が抱く懸念

74%製品の価格が高すぎる

68%66%

58%

プライバシー保護に関して懸念がある

61%

58%

本当に価値のあるデバイスか どうかわからない

56%

スマートホーム技術に対して まだ信頼できない

自分のスマートフォン/ タブレットと互換性がない

操作が難しい

サービスがあることを知らなかった

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

進化と変革変革を達成するためには、 賢く変化することが必要だ

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

世界中の多くのCSPがビジネスモデルの変革を推進しており日本のCSPも迅速なアクションが必要である変革を達成するためには、いかに賢く変化するかにかかっています。

CSPは新しいビジネスに然るべき投資を行う一方で、コアビジネスを改善しコストを 削減していく必要があります。

CSPは、新たなビジネスチャンスに着手すると同時に、既存ビジネスの中核である通信サービスに対する顧客の声を見直し、真摯に対応していくべきです。日本の調査結果で は、ホームブロードバンド利用者の30%、モバイルブロードバンド利用者の44%が、

「通信速度が遅い」などの理由による不満を抱えています。グローバル調査でも概ね同様の結果となっていますが、今後新たなデジタル・サービスの抱き合わせ販売においてこの課題が大きな障壁となる可能性があります。

CSPにおける高品質な通信環境とサービスの提供は、顧客満足度の維持・向上のために必須であり、最優先で取り組むべき課題です。

また同時に、新たなビジネス投資に備えて、既存のオペレーションコストを削減する 必要があります。非生産的な資産の売却やゼロベースの予算編成などを遂行し、イン フラの再構築や高度なオートメーションを導入することでコアビジネスを変革し、オペレーティングモデルを再設計します。そうすることで、組織内の事業部門間の連携、アナ リティクス主導の顧客獲得、低・未利用資産の収益化、BtoBスコープの再定義など、 コアビジネスを成長させるための活動に注力できる体制を整えることができます。

30%ホームブロードバンド

44%モバイルブロードバンド

日に一回または週に一回は インターネットにつながらないことが

あると回答している

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

イノベーションの加速 新しいビジネスの規模拡大CSPはプラットフォーム・エコシステムを 構築する必要がある

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

プラットフォームのエコシステム構築に注力すべきCSPは新たなビジネスの規模拡大に向けて、消費者とサプライヤをつなぐA s-a-Serviceデリバリーモデルを提供するための、オープンプラットフォームのエコシステム構築を急ぐ必要があります。このエコシステムは次の2つの点で、従来型のエコシステムモデルと大きく異なります。

・ 顧客獲得のコストを抑え、圧倒的な速度でビジネスの規模を拡大できる。

・ 企業単独では不可能だったペースで新たな機能を開発でき、イノベーションを加速する。

スマートホームなどのIoTエコシステムでは、顧客ニーズとITテクノロジーの急速な進化に応じて、新しいデバイスやサービスをシームレスに提供していく必要があります。

エコシステムを活用することで、CSPはサプライヤによる検証済みスマートデバイスのセキュリティやユーザビリティを迅速に保証できるようになります。また消費者データの分析技術とデジタルハブを組み合わせ、パーソナライズしたサービスを消費者にタイムリーに提供することも可能になります。

日本のスマートデバイス所有者の 12カ月以内の購入希望

20%スマートサーモスタット

29%サーベイランス& セキュリティシステム

36%リモートコントロール機器と照明

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収益化と最適化: 新たな動向の推測ハイパー・パーソナライゼーション、 ハイパー・コネクティビティ、 ビッグデータ、オペレーティング・ モデルを最大限活用する

機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

調査結果からは、CSPはすでに消費者の生活と密接に結びついていることに加え、多くの消費者が、スマートホームの通信 プロバイダとしてCSPを信頼しており好ましいと捉えていることがわかります。この傾向は、CSPがスマートホーム市場におい て、他業種にはない圧倒的な優位性を 持っていることを示しています。

消費者は、様々なサービスを利用する際の物理的、デジタル的、あるいは感情的な個人の顧客体験が、いつ・どこでも自分専用にパーソナライズされて提供されることを期待しています。

先進的なITテクノロジーにより、膨大な量の個人情報(例:検索履歴、ソーシャルメディア、位置情報、支払履歴、ショッピングカート、音声など)を活用して、消費者にハイパー・パーソナライゼーションによる新たな顧客体験を提供するための仕組みが構築されています。

消費者の購買行動の機会や意思決定をけん引するのは、年齢や収入、リテラシーや 所在地情報といった従来の要素ではなく、インターネットへの接続環境(固定接続か モバイル接続かなど)や利用しているデジタルデバイスなど、消費者がインターネットにどのようにアクセスしているかという情報が重要な要素となります。さらに、デジタル・ サービスやアプリの使用頻度、提供される個人情報の量、プライバシー保護に対する 信用度合い、パーソナライゼーションやAIによるサービスの受け入れ度合いなど、消費者の総合的な行動データとハイパー・パーソナライゼーション・サービスへの即応性が鍵となってくるのです。

ハイパー・パーソナライゼーションがこれからの スマートホームの中核をなす

アクセンチュアの調査結果からの推測 (グローバル調査対象者)

8億2,100万人がハイパー・パーソナライゼーション・サービスを受ける準備ができている。

2億9,100万人が自身のデジタルニーズを満たす ためにCSPを選ぶ。

3億1,400万人が自身のデジタルニーズを満たす ためにデバイスメーカーを選ぶ。

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

人口統計学的観点による 顧客分析から、オンライン 行動分析にシフトする。

サービスの柔軟性を高め、 購入時のオファーをより シンプルにする(例:初期費用の無償化、フリーミアムモデルの採用など)。

従来の広告メディアから ソーシャルおよびデジタル メディアへ移行する。

顧客サービスにAIや対話型 ボットを活用する。

ハイパー・パーソナライゼーションへの即応性がある 消費者セグメントに特化したサービス提供により、 CSPは顧客のライフサイクルを丸ごと変えることもできる行動分析と顧客コミュニケーション、 販売モデルやサービス提供方法の再構築

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

データが機会を生み出す 組織の強化が機動力を促進するCSPはコミュニケーションプラットフォーム上で、ネットワークからアプリケー ションまでのすべてを制御しており、バックオフィスからデジタルデバイス までのエンドツーエンドのコントロールが可能なため、豊富で大量な消費者 データにアクセスすることができます。サービスの利用状況やパフォーマンス などを詳細に分析することで、幅広い顧客層に対して適確にターゲティング したアプローチができるため、革新的な収益チャンスを生み出すことができ ます。またCSPが様々なサービスを総合的に提供することで、市場における 顧客体験はより最適化されていくでしょう。

CSPはハイパー・パーソナライゼーションだけでなく、ハイパー・コネクティビ ティによるサービスでも優位性を持っています。ハイパー・コネクティビティに より、通信ネットワークのあらゆる面をリアルタイムで解析し、コアスイッチ から各家庭の無線デバイスまでのネットワークを常にコントロールすることができます。これは、顧客サービスや顧客体験の品質を最大限まで高めることが可能だということです。

また、カスタマーサポートやフィールドサービスのデータを解析することで、 個人情報は秘匿しつつ正確な実態をデータ化しレポートを作成することも できます。これらの情報は、同じ顧客層に対するマーケティング・サービスを 提供している事業者にとっても欠かせないものとなるでしょう。

CSPはこのような高付加価値を持つ情報をマーケティング・サービス事業 者に提供することで、新たな継続的な収入源を得ることができるとともに、 ハイパー・パーソナライゼーションのサービスの成熟をリードする役割が期待されます。

CSPは、新たなサービスを提供するためのオペレーティングモデルを入念に 検討する必要があります。CSPからアクセンチュアに寄せられる相談の中で 最も大きな課題が、現行の組織体制についてです。製品やサービス、職種や 業務領域ごとに縦割りとなっている旧来の組織体制が、ハイパー・パーソナライゼーションやハイパー・コネクティビティの持つ可能性を促進するどころか、むしろ足かせとなっているのです。

フラットで機動力のある体制のもとではじめて、革新的な新製品・新サービスを迅速に提供するために必要な適応力とスピードを持つことができるようになります。スマートホームのあらゆる性能を最大限に活かしたサービスを提供していくためには、CSPは事業全体、つまりバックオフィス、フロントオフィス、 インフラ、ネットワーク、コンテンツやデバイス、クラウド・サービスなどのすべての事業領域において抜本的な組織体制の改革が必要になるでしょう。

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機会と脅威の理解 アドバンテージを生かす 変革 新ビジネス規模の拡大 俊敏なCSP

変革を続け、 ディスラプターの 脅威に立ち向かうスマートホームとIoTサービスは、CSPにとって喫緊の課題を生み出します。

CSPはすでに顧客から高い信用を得ています。しかし、最先端の優れたテクノロジーと異なるビジネスモデルを持つディスラプターたちは、そうしたCSPの優位性を脅かしています。消費者の中には、「スマートホームのソリューション は高価で、安全だとは思わない」と考える人も存在します。日本のCSPは、 スマートホームの利便性と安全性をわかりやすく伝え、スマートホームに対 する消費者の意識を変える機会を創出していく使命も担っています。

スマートホームで「選ばれるプロバイダ」になるには、ビジネスモデルの転換が必要不可欠です。CSPは、コア事業を健全に維持し、次なる成長の種を見つけ、革新的な新しいビジネスモデルとそれを支える組織体制の変革に投資することによって、ディスラプターたちによる変革の脅威に対抗していくことができるようになります。既存サービスの顧客満足度の維持・向上を図るとともに、オー プンプラットフォームのエコシステムを構築し、ハイパー・パーソナライゼー ションやハイパー・コネクティビティを迅速に提供できるシステムを確立する ことにより、スマートホーム市場を制することができるのです。

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AUTHORS FRANCESCO VENTURINIGLOBAL INDUSTRY MANAGING DIRECTOR,COMMUNICATIONS & MEDIA

MICHAL NOVÁKRESEARCH MANAGER, COMMUNICATIONS & MEDIA RESEARCH

KEY CONTRIBUTORS FROM ACCENTURE RESEARCHHIROYUKI OKABERESEARCH MANAGER, COMMUNICATIONS, MEDIA & TECHNOLOGY

PHILIPPE ROUSSIERERESEARCH DIRECTOR, COMMUNICATIONS, MEDIA & TECHNOLOGY

KATARZYNA MACZKOWSKAECONOMIC VALUE MODELLING MANAGER

DR. VEDRANA SAVICDIRECTOR OF THOUGHT LEADERSHIP ACCENTURE RESEARCH

ABOUT THE ACCENTURE DIGITAL CONSUMER THOUGHT LEADERSHIP PROGRAM The Accenture Digital Consumer Thought Leadership program for communications, media and technology companies is based on a survey which was conducted online between October and November 2016, with 26,000 consumers in 26 countries, including Australia, Brazil, Canada, China, Czech Republic, France, Germany, Hungary, India, Ireland, Italy, Japan, Mexico, the Netherlands, Poland, Romania, Saudi Arabia, Singapore, Slovakia, South Africa, Spain, Sweden, Turkey, the United Arab Emirates, the United Kingdom and the United States. The sample in each country is representative of the online population, with respondents ranging in age from 14 to 55 plus.

The survey and related data modeling quantifies consumer perceptions of digital devices, content and hyper-personalized services, purchasing patterns, preference and trust in service providers, the future of their connected lifestyle and appetite in new technologies such as artificial intelligence or virtual reality.

JOIN THE CONVERSATION @AccentureCommsVISIT US AT www.accenture.com/jp-ja/insight-dynamic-consumers

FOOTNOTES1 Apple HomeKit: http://www.apple.com/ios/home/

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アクセンチュアについてアクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」

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