ジェンザイム・ジャパン株式会社...profile 事例紹介...

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PROFILE 事例紹介 バイオテクノロジーを基盤にバイオ医薬品・医療機器・臨床 診断検査を提供しているジェンザイム・ジャパン株式会社。 新たな領域への進出を念頭にアンメットメディカルニーズへ の挑戦を続けている同社では、取り扱い製品の増加と今後も 続く製品上市計画のもと急成長を続けており、これまでの Excel によるデータ活用が限界に達していました。 MR(医薬情報担当者)向け卸販売データ(以後実消化データ) の精度向上、提供頻度向上、リードタイムの短縮が緊急課題 となっていたのです。 一方で、既存の大手製薬企業が運用している規模の「実消化 システム」を自社で構築、運用する投資は困難な状況でした。 そこで同社は、大手製薬企業並みのデータ精度を短期間で導 入するために、パースペクティブが提供する「製薬業向け卸 販売データ処理サービス(tebra)」の利用を決断しました。 これにより精度の高い実績データを迅速に活用することが出 来るようになりました。 急成長するビジネスに合わせ、「クラウドサービス活用」 により迅速にデータ基盤を整備! 急成長するビジネスを支えるための データ基盤の構築が急務に 医薬品業界では、JD-NET や NHI ネットなど商取引情報のデータ交 換システム(医薬品業界 VAN)があり、医薬品卸から提供される、 病院や薬局向けの販売データ(実消化データ)が MR の活動におい て重要な情報となっています。ジェンザイムではここ数年で取り扱い 製品が増加し、それに伴い MR や本社スタッフが活用すべき実消化デー タの量も日々増加していました。これまでは JD-NET や NHI ネット から手作業でデータを取り込み、各 MR 別に Excel ファイルを作成 することで対応していましたが、データ量増加により手作業が限界 に達し、MR へのデータ提供も遅れがちになっていました。また、 これまでは各卸ごとに異なるコード体系で送られてくるデータをそ のまま利用していましたが、納入先となる病院数の増加に伴い、「納 入実績データ」としてのデータ品質向上がより強く求められるよう になってきました。このような状況の中、同社では「データ基盤の構築」 を最優先課題として社内外のデータ活用のあり方を根本から見直すこと となったのです。 データ品質向上に向けた課題 「実消化データ」の品質を上げるためには、卸ごとのコード体系を自 社のコード体系に変換するための機能が必要でした。変換すべきコー ドは複数種類あり、変換表をメンテナンスするための仕組みも必要 でした。 ジェンザイム・ジャパンの齋藤氏は次のように語ります。 齋藤氏 「データ基盤の構築は複数の取り組みが必要でした。これを 成し得るために、社内で必要な情報を統一されたデータベースシス テム上で管理するための仕組みを構築し、病院等に関する詳細な情 報を外部のデータ会社から購入することから着手したのですが、こ の時点でかなりの投資金額となりました。 既存の大手製薬企業では、数千万円~数億円を投資して実消化システ ムを構築しこの機能を実現していますが、弊社のビジネス規模とし て、更に数千万円以上のシステム投資は負担出来ない状況でした。」 大手製薬企業と同等の機能を低コストで! クラウドによるデータサービス「tebra」導入を選択 そこで同社は ”システムを持たない ”という決断をしました。パー スペクティブの卸販売データ処理サービス(tebra)の導入を選択し たのです。 tebra は実消化データの変換・クレンジングを SaaS(Software as a Service) として提供するサービスです。tebra は、パースペクティ ブのこれまでの実消化関連システム・プロジェクトの経験により実 消化データの変換・クレンジングに必要な機能を網羅しています。 また、システム構築の初期投資は不要で各月のデータ処理量に応じ て課金される料金体系であり、システム投資の抑制・流動費化に貢 献出来るというのが第一の選択理由でした。 取り扱い製品の増加と今後も続く製品上市計画 データ活用ニーズの高まり 急成長によるこれまでのExcel処理の限界 迅速な導入 ビジネスサイズに合わせた投資 フルスペック機能の実現 ジェンザイム・ジャパン株式会社は、ジェンザイム コーポレーションの 日本法人として 1987 年に設立されました。バイオテクノロジーを基盤 にバイオ医薬品・医療機器・臨床診断検査を提供しています。『希少疾患 に特化した先進企業』、『治療法のない難病の治療薬を開発し、患者さん の QOL( クオリティ・オブ・ライフ = 生活の質)向上に貢献する』とい う基本姿勢のもと、海外バイオ企業の日本法人としては初めて、他社と 提携することなく自社単独で医療用医薬品の開発・販売に成功しました。 URL : http://www.genzyme.co.jp/ ジェンザイム・ジャパン株式会社 ジェンザイム・ジャパン株式会社 ジェンザイム・ジャパン株式会社 右)ジェンザイム・ジャパン株式会社 業務部 部長 大橋 秀幸氏 左)ジェンザイム・ジャパン株式会社 インフォメーション・テクノロジー部 部長 齋藤 ユミ子氏

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Page 1: ジェンザイム・ジャパン株式会社...PROFILE 事例紹介 バイオテクノロジーを基盤にバイオ医薬品・医療機器・臨床 診断検査を提供しているジェンザイム・ジャパン株式会社。新たな領域への進出を念頭にアンメットメディカルニーズへ

PROFILE

事 例 紹 介

バイオテクノロジーを基盤にバイオ医薬品・医療機器・臨床

診断検査を提供しているジェンザイム・ジャパン株式会社。

新たな領域への進出を念頭にアンメットメディカルニーズへ

の挑戦を続けている同社では、取り扱い製品の増加と今後も

続く製品上市計画のもと急成長を続けており、これまでの

Excel によるデータ活用が限界に達していました。

MR(医薬情報担当者)向け卸販売データ(以後実消化データ)

の精度向上、提供頻度向上、リードタイムの短縮が緊急課題

となっていたのです。

一方で、既存の大手製薬企業が運用している規模の「実消化

システム」を自社で構築、運用する投資は困難な状況でした。

そこで同社は、大手製薬企業並みのデータ精度を短期間で導

入するために、パースペクティブが提供する「製薬業向け卸

販売データ処理サービス(tebra)」の利用を決断しました。

これにより精度の高い実績データを迅速に活用することが出

来るようになりました。

急成長するビジネスに合わせ、「クラウドサービス活用」により迅速にデータ基盤を整備!

 急成長するビジネスを支えるための

 データ基盤の構築が急務に

医薬品業界では、JD-NET や NHI ネットなど商取引情報のデータ交

換システム(医薬品業界 VAN)があり、医薬品卸から提供される、

病院や薬局向けの販売データ(実消化データ)が MR の活動におい

て重要な情報となっています。ジェンザイムではここ数年で取り扱い

製品が増加し、それに伴い MR や本社スタッフが活用すべき実消化デー

タの量も日々増加していました。これまでは JD-NET や NHI ネット

から手作業でデータを取り込み、各 MR 別に Excel ファイルを作成

することで対応していましたが、データ量増加により手作業が限界

に達し、MR へのデータ提供も遅れがちになっていました。また、

これまでは各卸ごとに異なるコード体系で送られてくるデータをそ

のまま利用していましたが、納入先となる病院数の増加に伴い、「納

入実績データ」としてのデータ品質向上がより強く求められるよう

になってきました。このような状況の中、同社では「データ基盤の構築」

を最優先課題として社内外のデータ活用のあり方を根本から見直すこと

となったのです。

 データ品質向上に向けた課題

「実消化データ」の品質を上げるためには、卸ごとのコード体系を自

社のコード体系に変換するための機能が必要でした。変換すべきコー

ドは複数種類あり、変換表をメンテナンスするための仕組みも必要

でした。

ジェンザイム・ジャパンの齋藤氏は次のように語ります。

齋藤氏 「データ基盤の構築は複数の取り組みが必要でした。これを

成し得るために、社内で必要な情報を統一されたデータベースシス

テム上で管理するための仕組みを構築し、病院等に関する詳細な情

報を外部のデータ会社から購入することから着手したのですが、こ

の時点でかなりの投資金額となりました。

既存の大手製薬企業では、数千万円~数億円を投資して実消化システ

ムを構築しこの機能を実現していますが、弊社のビジネス規模とし

て、更に数千万円以上のシステム投資は負担出来ない状況でした。」

 大手製薬企業と同等の機能を低コストで!

 クラウドによるデータサービス「tebra」導入を選択

そこで同社は ”システムを持たない ”という決断をしました。パー

スペクティブの卸販売データ処理サービス(tebra)の導入を選択し

たのです。

tebra は実消化データの変換・クレンジングを SaaS(Software as

a Service) として提供するサービスです。tebraは、パースペクティ

ブのこれまでの実消化関連システム・プロジェクトの経験により実

消化データの変換・クレンジングに必要な機能を網羅しています。

また、システム構築の初期投資は不要で各月のデータ処理量に応じ

て課金される料金体系であり、システム投資の抑制・流動費化に貢

献出来るというのが第一の選択理由でした。

● 取り扱い製品の増加と今後も続く製品上市計画

● データ活用ニーズの高まり

● 急成長によるこれまでのExcel処理の限界

● 迅速な導入

● ビジネスサイズに合わせた投資

● フルスペック機能の実現

ジェンザイム・ジャパン株式会社は、ジェンザイム コーポレーションの

日本法人として 1987 年に設立されました。バイオテクノロジーを基盤

にバイオ医薬品・医療機器・臨床診断検査を提供しています。『希少疾患

に特化した先進企業』、『治療法のない難病の治療薬を開発し、患者さん

の QOL( クオリティ・オブ・ライフ = 生活の質)向上に貢献する』とい

う基本姿勢のもと、海外バイオ企業の日本法人としては初めて、他社と

提携することなく自社単独で医療用医薬品の開発・販売に成功しました。

URL : http://www.genzyme.co.jp/

ジェンザイム・ジャパン株式会社

導入の背景

導入のねらい

ジェンザイム・ジャパン株式会社ジェンザイム・ジャパン株式会社

右) ジェンザイム・ジャパン株式会社 業務部 部長 大橋 秀幸氏

左) ジェンザイム・ジャパン株式会社 インフォメーション・テクノロジー部 部長 齋藤 ユミ子氏

Page 2: ジェンザイム・ジャパン株式会社...PROFILE 事例紹介 バイオテクノロジーを基盤にバイオ医薬品・医療機器・臨床 診断検査を提供しているジェンザイム・ジャパン株式会社。新たな領域への進出を念頭にアンメットメディカルニーズへ

 ITスタッフが不足する中での迅速な導入を実現!

齋藤氏はさらに語ります。

齋藤氏 「弊社には、当時実消化データ変換処理の詳細が分るITスタッ

フがいませんでした。実消化システムを一から構築するとしたら、設

計・開発時の試行錯誤の時間が必要だったと思います。tebra採用は、

この時間を短縮する上でも効果がありました。マスタデータの設定を

することにより、実消化データの

変換・クレンジングで必要となる

機能がすぐに利用出来たのです。

弊社の IT 部は、各システムに専門

の担当者を置く体制は取れません。

tebra はハードウェア、ソフト

ウェアを管理する必要がないの

で、IT スタッフはよりビジネス

視点からの情報活用支援に時間

と労力を振り向けることが出来

るようになります。」齋藤 ユミ子氏

大橋 秀幸氏

ジェンザイム・ジャパン株式会社ジェンザイム・ジャパン株式会社

実績データの編集、集計作業を

行っていました。ただ、手作業

の限界があり、営業部門が望む

データ精度、提供頻度、リード

タイムを満たせていない状況で

した。�現在は、毎朝最新の実績

データが確認出来るようになっ

ています。�業務部のスタッフは

データ作成に割いていた時間を

業務部本来の仕事である需給計

画や在庫計画などの付加価値の

高い業務に充てることが出来るようになりました。」

 卸販売データを中心として今後もデータ基盤を推進

同社では、今後も製品の上市計画が続きます。これに伴い卸販売の

データ量も増えることが予想されますが、tebraはCPUやハードディ

スク、メモリなどのシステムリソースを気にする必要がありません。

齋藤氏 「当初の目標であった『データ基盤の構築』は短期間のうち

に達成することが出来ました。今後は、このデータ基盤を活用する

フェーズで、既に一事業部でトライアルとして SFA とのデータ連

携を始めています。『実消化システム』に手間が掛からない分、社

内資源を『データ活用』に振り向け、今後の会社の成長へ貢献して

いきます。」

■ お問い合わせ先

※記載事項は2011年1月現在のものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。 また、本事例紹介は、情報提供のみを目的としています。パースペクティブは、本書にいかなる保証もあたえるものではありません。※tebraはパースペクティブ株式会社の商標です。その他、記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。

パースペクティブ株式会社ソリューションサービス事業本部〒102-0074 東京都千代田区九段南4-6-10 九段南ビル(GSK九段ビル)9FTel. 03-3221-6990 Fax. 03-3221-6993http://www.perspective.co.jp/tebra.html E-mail [email protected]

Jdata:

ビジネス効果を高め、より正しい意思決定をサポートする

情報を提供するために、日常業務で必要とされる「コア・

データ」を、「正確」「効果的」「安全」な方法を用い、

センター管理することを目指して構築されたジェンザイ

ム・ジャパンのデータ基盤。

社内外のデータを一元的に集め、SFA、PMSなどのシス

テムや各業務に整合性の取れたデータを提供している。 

tebraはJdataの1ソースシステムとして位置付けられ、

毎日最新の実消化データをJdataに提供している。

2011.01

 データ作成作業の労力が軽減され

 データ精度も向上

大橋氏は業務効率化と品質向上の効果を強調します。

大橋氏 「以前は業務部のスタッフが多くの時間を割いて手作業で

データソース

統合データベース

データ活用

データガバナンス

外部データソース 社内データ

Jdata

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