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アルコールランプで炎色反応 山梨県立上野原高等学校 科学部 2年 有井 市川 岡田 1年 小俣 岡田

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アルコールランプで炎色反応

山梨県立上野原高等学校 科学部

2年 有井 市川 岡田

1年 小俣 岡田

1 はじめに

・炎色反応が短時間しか見られない

・もっと長く炎色反応を見たい

・同時にいくつもの炎色を並べて見たい

・アルコールランプで炎色反応を

観察できる方法を研究

2 実験に使用した薬品

3 炎色の確認方法について

白色光←

赤橙黄緑青藍紫

赤橙緑

カルシウム←↑直視分光器

炎色の確認操作

①ガスバーナー(アルコールランプ)に火をつけ、正しい炎にした。②白金線を水道水でよく洗い、濃塩酸の中に入れたあと蒸留水で流した。③白金線をガスバーナーの炎の外炎に入れた。※もし、このとき炎の色が着色するようだったら②・③を繰り返した。④試料溶液を白金線の先につけた。⑤この白金線の先端をガスバーナーの外炎に入れ、炎の色を観察した。

ガスバーナー使用 肉眼 分光器

何もつけない白金線 橙黄色 赤橙黄緑青藍紫

LiCl 赤色 赤橙黄

NaCl 黄色 橙

KCl 紫色 橙紫

CuCl2 青緑色 橙黄緑

BaCl2 黄緑色 赤黄緑青

CaCl2 橙赤色 赤橙緑

SrCl2 赤色 赤橙

アルコールランプ使用 肉眼 分光器

何もつけない白金線 橙黄色 橙

LiCl 赤色 赤橙

NaCl 黄色 橙

KCl 紫色 橙紫

CuCl2 青緑色 橙黄緑

BaCl2 黄緑色 赤橙緑

CaCl2 橙赤色 橙

SrCl2 赤色 赤橙

4 研究の進め方

(1)塩の飽和メタノール溶液の場合

(2)0.1mol/L水溶液に

芯を浸して乾燥させた場合

(3)白金線の先に粉末塩を

付着させた場合

←白金線

(1)塩の飽和メタノール溶液の場合

リチウムとストロンチウム・・・赤色の炎色反応が見られた。しかし、3~5分程度で火が消えてしまった。

銅・・・メタノールに対して塩化物がたくさん溶けすぎ、点火しても火がつかなかった。

メタノール30mLに対して

溶解する量 肉眼 分光器 燃 え 方

ただのアルコールランプ 橙黄色 橙

LiCl薬さじ(小)16杯溶けた 赤色 赤橙 5分程度で消えてしまった

NaClごく微量しか溶けなかった

橙黄色 橙 よく燃えた

KClごく微量しか溶けなかった

時々紫色 橙紫 よく燃えた

CuCl2薬さじ(小)35杯溶けた 緑色 ―――

火がついたものの、小さい炎ですぐ消えた

BaCl2ごく微量しか溶けなかった

黄緑色には見えない

橙黄緑 よく燃えた

CaCl2薬さじ(小)

1.5杯溶けた 橙赤色 橙少しずつ芯が燃えていたシュワシュワいっていた

SrCl2薬さじ(小)13杯溶けた 赤色 赤橙黄 3分程度で消えてしまった

ほとんど炎色反応がわからない

(2)0.1mol/L水溶液に芯を浸して乾燥させた場合

銅の炎色反応がきれいに見られたが、芯が燃えてしまい、しばらくすると火が消えた

肉眼 分光器 備 考

ただのアルコー

ルランプ橙黄色 橙

LiCl 橙赤色 赤橙 炎色反応がわからない

NaCl 橙黄色 橙 炎色反応が見られない

KCl 橙黄色 橙 炎色反応が見られない

CuCl2 青緑色 赤橙黄緑青藍紫始めはきれいな緑色が見られるが、芯自体が燃えてしまい炎が長続きしない

BaCl2 橙黄色 橙青 炎色反応がわからない

CaCl2 橙赤色 赤橙緑 炎色反応かわからない

SrCl2 橙赤色 赤橙 炎色反応がわからない

(3)白金線の先に粉末塩を付着させた場合

肉眼 分光器 備 考

ただのアルコー

ルランプ橙黄色 橙

LiCl 橙黄色 赤橙 炎色反応がわからなかった

NaCl 橙黄色 橙 炎色反応が見られなかった

KCl 橙黄色 橙 炎色反応が見られなかった

CuCl2 青緑色 橙緑青しばらくすると炎色反応が見られなくなった

BaCl2 橙黄色 橙 炎色反応が見られなかった

CaCl2 橙黄色 橙 炎色反応が見られなかった

SrCl2 橙黄色 橙 炎色反応が見られなかった

(1)の結果について

LiCl,CuCl2,CaCl2,SrCl2はメタノールに対して塩がたくさん溶けすぎて

燃焼が長持ちしない

(4)LiCl,CuCl2,CaCl2,SrCl2について、塩の質量を変えて実験

(3)の結果について

初めの一瞬炎色反応が見られるものもあるが、炎色反応が長持ちしない

(5)白金線の先に融解塩を付着させた場合

塩を融解して白金線につければたくさんつけることができるの

ではないか

(4)LiCl,CuCl2,CaCl2,SrCl2について、塩の質量を変えて実験

0.01g溶かした→

1g溶かした↓0.1g溶かした↓

0.01g 0.1g 1g

肉眼 分光器 肉眼 分光器 肉眼 分光器

LiCl 橙黄色 橙 橙黄色 赤橙 赤色 赤橙

CuCl2 橙黄色 橙 青緑色 橙緑 青緑色 赤橙緑青

CaCl2 橙黄色 橙 橙黄色 赤橙緑 橙黄色 赤橙緑

SrCl2 橙赤色 赤橙 橙赤色 赤橙 赤色 赤橙紫

メタノール30mLに対して

(5)白金線の先に融解塩を付着させた場合

・どれも炎色反応が見られなかった。

・白金線を傾けると炎色反応が見られるものがあった。

肉眼 分光器 備 考

何もつけない

白金線

橙 橙

LiCl 橙黄色 赤橙 炎色反応が見られなかった

NaCl 橙黄色 赤橙 白金線を傾けて外炎に入れると炎色反応が見られた

KCl 紫色 赤橙紫 白金線を傾けて外炎に入れると炎色反応が見られた

CuCl2 ――― ――― 塩の融解に失敗

BaCl2 橙黄色 赤橙 炎色反応が見られなかった

CaCl2 橙赤色 赤橙 炎色反応が見られなかった

SrCl2 橙赤色 赤橙 炎色反応が見られなかった

(5)の結果について

白金線の先が炎の先の方まで届かないしかし、白金線は高価なので入手できない

手芸用のステンレスワイヤーで代用できないか

(6)ステンレス線の先に融解塩を付着させた場合

(6)ステンレス線の先に融解塩を付着させた場合

・ナトリウムとカリウムの炎色反応がきれいに見られた

肉眼 分光器 備 考

何もつけない

ステンレスワイヤー

橙黄色 橙

LiCl 赤 赤橙 炎色反応が見られなかった

NaCl 黄 橙黄 黄色の炎色がとてもわかりやすかった

KCl 紫 赤橙緑紫 紫色の炎色がとてもわかりやすかった

CuCl2 ――― ――― 塩の融解に失敗

BaCl2 橙黄色 赤橙 炎色反応が見られなかった

CaCl2 橙黄色 赤橙 炎色反応が見られなかった

SrCl2 橙黄色 赤橙 炎色反応が見られなかった

(7)銅線の先を塩素で処理した場合

肉眼 分光器 備 考

ただの銅線 橙黄色 橙

塩素と反応させた銅線

青緑色 赤橙緑紫青緑色の炎色がとてもきれいに見られた

銅による青緑色の炎色反応が、とてもきれいに見られた

(8)バリウムについての工夫

Ba(NO3)2 Ba(OH)2 BaCl2

分光器 分光器 分光器

橙 赤橙黄緑

橙橙

肉眼

黄色

橙黄色

肉眼

橙黄色

橙黄色

肉眼

橙黄色

橙黄色

飽和メタノール溶液

融解塩

ステンレスワイヤー

(9)ストロンチウムについての工夫加熱前:SrCl2・6H2O 加熱済:SrCl2(無水物)

0.01g 0.1g 1g

分光器 分光器 分光器

赤橙 赤橙橙

肉眼

赤色

肉眼

橙黄色

ときどき赤色

肉眼

橙黄色

メタノール30mLに対して

SrCl2(加熱済)

5 研究のまとめ

元素 炎色反応を観察しやすい方法

リチウム LiCl 1gをメタノール30mlに溶かす

ナトリウム ステンレスワイヤーの先にNaClの融解塩を付着させる

カリウム ステンレスワイヤーの先にKClの融解塩を付着させる

銅CuCl2 0.1gをメタノール30mlに溶かす(芯が燃える)塩素と反応させた銅線を芯の上に立てる

バリウム BaCl2をメタノール30mLに薬さじ(小)1杯入れ、飽和させる

カルシウム CaCl2 0.1gをメタノール30mlに溶かす

ストロンチウム 加熱して粉末状にしたSrCl2 1gをメタノール30mlに溶かす

7種類の元素の炎色反応