ラーニングセンター視察 -...

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©2011 根本淳子 eラーニング推進機構eラーニング授業設計支援室 ランチョンセミナー 1 ラーニングセンター視察 バーチャルツアーへようこそ 訪問場所は2つ:どちらも米国フロリダ州にある大学 1.デイトナ州立大学 コミュニティカレッジから州立大学へ 2.タラハッシーコミュニティカレッジ(TCC) フロリダ州立大学の近く バーチャルツアー その1<広い空間> [デイトナ] [TCC] その2<学生が利用したくなる工夫>[デイトナ] [TCC] その3<専門スタッフによる支援>[デイトナ] [TCC] 二つのセンターの成功の鍵? 現代のラーニングコモンズについて知っておくべき7 つの事柄 ---二大学事例との関係は? 90

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©2011 根本淳子 eラーニング推進機構eラーニング授業設計支援室

ランチョンセミナー1

ラーニングセンター視察バーチャルツアーへようこそ

• 訪問場所は2つ:どちらも米国フロリダ州にある大学

1.デイトナ州立大学 → コミュニティカレッジから州立大学へ

2.タラハッシーコミュニティカレッジ(TCC) → フロリダ州立大学の近く 

• バーチャルツアーその1<広い空間> [デイトナ]   [TCC] その2<学生が利用したくなる工夫>[デイトナ]   [TCC] その3<専門スタッフによる支援>[デイトナ]   [TCC] 

• 二つのセンターの成功の鍵?• 現代のラーニングコモンズについて知っておくべき7

つの事柄 ---二大学事例との関係は?

第90話

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その1<広い空間> [デイトナ州立大学]

Academic Support Center:ASC• 2006年 にAcademic Support Center (ASC)がオープン

• 改装工事に伴いMathとEngの学習室として設計した

• 大きな広いスペースの中に、グループワーク・個人ワーク・チュータリングなど様々な用途に使える環境を構築している(All in one的)

• 入門レベルの授業の中では、ASCでの学習時間が組み込まれており、学生がこの部屋を利用する仕組みを意図的に作っている

• 図書館とは離れたところに設置されているが、学習センターとしての役割を明確にし、常駐するスタッフを置く

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ASCセンターの講義スペース

授業の一環でASCを利用し、このカウンターで指導を受けられる

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下記カウンターから見える景色

こちらも同じARCだが、個別学習スペースが一望できるカウンター

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改修中の図書館IF

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その1<広い空間> [タラハッシーコミュニティカレッジ(TCC)]

ラーニングコモンズ• ラーニングコモンズは、図書館、グループワークスペース、個

人学習用PCスペース、ワークショップ、Student Success Center などが併設してできたもの (ワンストップエリアとして設立)

• もとはTCCの敷地内の、州が所有する建物であったが、部局が移動になったため利用可能になったとのこと

• 各スタッフの役割が明確に位置づけられ、それぞれの役割を担当者が理解してはいるが、学生が円滑なサービスを受けいれられるようなリエゾン的仕組みを持つ

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1FにあるLab

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1Fの受付

入ったら最初に受付のPCでログイン

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Learning Specialistなどの

スタッフ表

ワークショップなどのスケジュール

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ラーニングコモンズ2Fの紹介個人活動のスペース

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ひとつの繋がった部屋:複数の利用が可能

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Learning Commonsから

図書館への入口(2Fから)

利用者は図書館とLCを意識せず自由に行き来できる

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図書館:2Fは従来の図書館と学習スペースが共存している

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図書館:PCがなくても自由に勉強ができるスペース今まであった設備に不足したものを追加(限られた予算で取り組む)

例:ソファーにはテーブルだけを購入

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その2<学生が利用したくなる工夫>[デイトナ州立大学]ASCセンターの講義スペース

授業の一環でASCを利用し、このカウンターで指導を受けられる

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教員がオフィスアワーとして在席している場合などはこのようなスタンドで

目立つように案内しています

色によって、専門がわかる

ようなバッジ

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改修中の図書館IF

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Learning Specialistなどの

スタッフ表

ワークショップなどのスケジュール

その2<学生が利用したくなる工夫>[タラハッシーコミュニティカレッジ]

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1Fの受付

入ったら最初に受付のPCでログイン

どんな支援を受けたいかは、色で分

けられている

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テーブルの上にはすぐに学習ができるように道具

が置いてある

•リソースは分野ごとに色分け•紙でもオンラインでも配布

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その3<専門スタッフによる支援> [デイトナ州立大学]

最初のセッションの様子10数名の教員+スタッフが集合!

集合写真@学習支援センターにて

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Tutorの評価シート

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運用• ラーニングスペシャリスト(LS)が中心となって、ASCを運営

している

• Tutorは青のシャツを着て、助けが必要な学生は立て札で支援を求める

• ASCでの活動をオフィスアワーの一部としてみなされる(教員:毎週10時間が義務)

• Tutorトレーニングは実施しているが、CRLA(College Reading and Learning Association)認定校で実施されているトレーニングのように体系化された印象はあまりない

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図書館とLCの間にあるライティングサポート:図書館で勉強しながら簡単な支援を受けられる

その3<専門スタッフによる支援> [タラハッシーコミュニティカレッジ]

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Learning Commons利用Login画面

*利用者は利用目的を登録*利用者情報はLCの評価や改善に利用

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図書館

– ライブラリアンの積極的な活動• 授業を複数担当する

• 教員とコラボして授業改善に取り組む

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組織運営

• Tutor確保にはあまり困らない(FSUの学生やビジネス会社のおかげ)

• 予算を確保し、組織を維持していくのには、評価システムを充実させることが必要

    ↓〈方法〉

・フォーカスグループインタビュー(学生)の実施・ログインデータで利用状況を確認・学生・教員アンケート調査

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二つのセンターの成功の鍵? [デイトナ州立大学]

• 成功のカギは・・・柔軟性、シームレス、統合化とのこと

• みんなで仲良く自由取り組んでいる

• SI(Supplemental Instruction)のトレーニングは計16時間(受講:3h、SI用セッション:3h、練習:4h、教員との打ち合わせ:10h)。SIトレーニングという機能だけではなく、教員の授業改善に大いに役立つという

• SIとTutorのスキルセットは明確に区別されていない(ディスカッションの中でLSの一人がSIができればTutorはできると回答していた)

• インストラクショナルデザインなど専門知識よりも、ビジョンの共有と経験知を踏まえた取り組み

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二つのセンターの成功の鍵? [タラハッシーコミュニティカレッジ] LC運営の5原則

• Inclusive– 全レベルを対象とする

• Integrate– 重複したサービスをなくす

– 教育工学的視点をアドミニストレーションに取り入れる

– Cross training

• Pro-actively – 既存のリソースを有効活用する

• Collaboration• Responsibility

– 学生に変化をもたらす支援を提供する

– 学生からの声を運営にFBする

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今のラーニングコモンズについて知っておくべき7つの事柄7 Things You Should Know About the Modern Learning Commons(EDUCAUS)

1. ラーニングコモンズってなに? what is it?

学習のフルサービス、研究、そしてプロジェクト空間

  ・目的によって学習者が自由に設備を移動できる場所

  ・最新の技術を提供するだけではなくて、関係者間の強化を行う

2. どのように動くのか How does it work?

  学習者のニーズを分析した結果を踏まえて、設計または再設計されていく

3. 誰が実施しているのか Who’s doing it?

  多くの大学がラーニングコモンズアプローチを採用

4. なぜ影響を与えているのか Why is it significant?

  みんなが集まるひとつの場所に、図書館、PC室、ラウンジ、セミナー室などがまとまっているから

  ・教室の外でアイディアを共有支援

  ・協調的な学習へのシフトへの補完支援

33http://www.educause.edu/Resources/7ThingsYouShouldKnowAbouttheMo/227141

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今のラーニングコモンズについて知っておくべき7つの事柄7 Things You Should Know About the Modern Learning Commons(EDUCAUS)

5.どの部分が難しいなのか What are the downsides?

・費用:新しい施設と既存のスペースの再構築

・それぞれのニーズにあった適切なサービスの選択

  -組織ごとに求めることは違うのでそれにあわせる

6.どの方向に向かっているのか Where is it going?

学習者のニーズと彼らの学習活動の要件を満たすように変化していく

・新しいテクノロジーの活用(新しいソーシャルメディアや3Dディスプレイなど)

・ラーニングコモンズでの協同活動を加速する関係作り

7. 学習にどんな影響があるのか What are the implications for teaching and learning?

・学習者が、ある科目で得た自分の学習活動に対するやり方を、他のコースに利用できる様になること

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