プログラミンで「音読の場面絵」をつくろうmidorino/wp-content/uploads/... ·...

16
1行アキ 1.ねらい ●教科のねらい スイミーの単元目標は「物語の中から自分の好きなところを見つけ,音読で表現することがで きる」である。言語活動として「物語の好きなところを音読する」ことができる。論理的な根拠 をもとに好きな場面を選び,さらに,プログラミングによる場面絵を作成することで,場面の情 景や心情を捉え,物語の理解に基づいた音読をすることができる。 1行アキ ●プログラミング学習のねらい 自分の音読したい場面を選択しアニメーションにするために,物語を場面ごとに分解する。ア ニメーションで表現する際,色や動きを細かく設定することで,場面の情景や心情を細かく表現 することができる。分解した要素をアニメーションで組み合せ,意図した場面に再構できるよう にする。 1行アキ ●単元計画 学習課題を確かめて,学習の見通しを立て る。 ・「スイミー」を通読し,初発の感想を交流す る。登場人物の設定を把握する。 スイミーの行動や会話などを手がかりに, 場面を分解する。 ・場面ごとの情景や心情を文章から読み取 る。 物語の中から好きなところを見つけ,場面 の様子やそのときのスイミーの気持ちを想 像し,場面絵をプログラミンで作成する。 ・選んだ場面絵の背景や登場人物の動きを整 理して,プログラミングの構想を立てる。 作成した場面絵を使って物語の好きなとこ ろを音読で発表し合い,感想を文章にして 伝え合う。 ・スイミー以外の登場人物の様子もプログラ ミングする。 物語の好きなところを選んで,様子を想像 しながら音読できたか振り返る。 ・アニメーションにあわせて,音読の仕方を 工夫する。 1行アキ 2.授業展開 ●全体の授業構想 全文を通読して物語の全体をとらえた後,お気に入りの場面を選んだり,作成する場面絵のイ メージを考えたりする学習活動を通して,スイミーの物語の世界に深く入り込んでいくことがで きるようにしたいと考えた。1年生という発達段階を考慮し,二人で1台のPCを使用し,二人 プログラミンで「音読の場面絵」をつくろう 1年 国語「こえに出してよもう 『スイミー』」 実践者:つくば市立みどりの学園義務教育学校 教諭 塩谷 知美 学習活動分類:B 使用教材:プログラミン 学習形態 2人1台

Upload: others

Post on 21-May-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

1行アキ 1.ねらい ●教科のねらい スイミーの単元目標は「物語の中から自分の好きなところを見つけ,音読で表現することがで

きる」である。言語活動として「物語の好きなところを音読する」ことができる。論理的な根拠

をもとに好きな場面を選び,さらに,プログラミングによる場面絵を作成することで,場面の情

景や心情を捉え,物語の理解に基づいた音読をすることができる。 1行アキ

●プログラミング学習のねらい 自分の音読したい場面を選択しアニメーションにするために,物語を場面ごとに分解する。ア

ニメーションで表現する際,色や動きを細かく設定することで,場面の情景や心情を細かく表現

することができる。分解した要素をアニメーションで組み合せ,意図した場面に再構できるよう

にする。 1行アキ

●単元計画 1 学習課題を確かめて,学習の見通しを立て

る。 ・「スイミー」を通読し,初発の感想を交流す

る。登場人物の設定を把握する。 2 スイミーの行動や会話などを手がかりに,

場面を分解する。 ・場面ごとの情景や心情を文章から読み取

る。 3 物語の中から好きなところを見つけ,場面

の様子やそのときのスイミーの気持ちを想

像し,場面絵をプログラミンで作成する。

・選んだ場面絵の背景や登場人物の動きを整

理して,プログラミングの構想を立てる。

4 作成した場面絵を使って物語の好きなとこ

ろを音読で発表し合い,感想を文章にして

伝え合う。

・スイミー以外の登場人物の様子もプログラ

ミングする。

5 物語の好きなところを選んで,様子を想像

しながら音読できたか振り返る。 ・アニメーションにあわせて,音読の仕方を

工夫する。 1行アキ

2.授業展開 ●全体の授業構想 全文を通読して物語の全体をとらえた後,お気に入りの場面を選んだり,作成する場面絵のイ

メージを考えたりする学習活動を通して,スイミーの物語の世界に深く入り込んでいくことがで

きるようにしたいと考えた。1年生という発達段階を考慮し,二人で1台のPCを使用し,二人

プログラミンで「音読の場面絵」をつくろう

1年 国語「こえに出してよもう 『スイミー』」 実践者:つくば市立みどりの学園義務教育学校 教諭 塩谷 知美 学習活動分類:B 使用教材:プログラミン 学習形態 2人1台

で一つのアニメーションを作成することで,必然的に対話が

生まれ,協働的な学びが促進できる。選んだ場面の文章から,

場面絵の背景や登場人物の細かい動き,会話やつぶやきを子

どもたちがそれぞれ想像しながら,場面絵を作成,完成させ

ていく過程では,叙述に即した読みが期待できる。音読の効

果を増すための場面絵の背景,登場人物の動き,効果音を構

成する際に,一つ一つの動きをどのように,どの順序で構成

するか考える活動の際にプログラミング的思考が行われると考えた。 (1) 導入

お気に入りの場面にアニメーションを付けて完成させ,

音読に合わせて発表し合うという学習内容を確認し,プ

ログラミンの使い方の確認をした。 単元計画の3時間目に場面絵として作りたいところを

選ぶ。その際,ワークシートを活用して,選んだ理由とプ

ログラミングのポイントについて構想したことをまとめ

ておいた。教師作成の場面絵のアニメーション作品を例

として示し,音読の効果を高めるアニメーションの工夫について気付くことができるようにした。

アドバイスカードを作成し,動かすときのこつや効果音の入れ方などの助けになるようにした。 (2) 展開 ワークシートの構想に沿ってスイミーの場面絵にアニメーションを付けていく際に,お気に入

りの根拠となることがよく伝わるようなイメージや音読の効果を増すアニメーションになるよう

にするにはどうしたらよいかをペアの友達と対話しながら作業ができるようにした。二人での作

業になることで,一緒によい作品を作ろうとする意識が高まり,主体的な学習が促進された。 (3)まとめ 1年生は,既習が少なく,生活経験に頼るところが多い。プ

ログラムを組む際には,生活の中で得た感覚でタイミングや

位置を決定させている。場面絵の完成までに試行錯誤を繰り

返すことや今後さまざまな場面でプログラムを組んでいくこ

とを通して,感覚が感性として高まっていくであろうと思わ

れる。音読の効果を高めるためのアニメーションの工夫につ

いて話し合う過程で物語の叙述に即した読みが必然的に行わ

れ,すべての場面を紹介し合うと,学級全体が物語の世界に浸

ることができた。場面絵は個人のイメージの可視化されたものであり,それぞれの作品はすべて

異なるものが出来上がることで個に応じることができ,学びに満足している姿が見られた。 1行アキ

1年生にとって,読み取った内容に合わせてプログラミングすることは難しいのではないかと

思っていたが,試行錯誤しながら楽しく活動する様子が見られた。また,想像を膨らませプログ

ラミングすることで,読みを深めることができたと感じた。映像があることにより,より効果的

な音読につなげることができた。 (報告者:桑原 千恵子)

1行アキ 1.ねらい ●教科のねらい 「たまごから生まれてくるもの」から発想を広げ,たまごの模様,生まれるものなど,イメー

ジを膨らませて作品をつくる。児童は,たまごから生まれてくるものを想像し,そこからイメー

ジを広げてたまごの模様を考えたり,生まれたものをかいたりする。プログラミングによって生

まれる,出てくるといったイメージを動的にとらえ,表現できる。動的イメージを実現する喜び

や,表現する楽しさを味わわせたい。 1行アキ

●プログラミング学習のねらい 動的なイメージを表すためにプログラミングによってアニメーションづくりを行う。たまごか

ら生まれてくるまでの動きを分解する。次の動作を考えることは,創造を膨らませることにつな

がる。動作を組み合わせることは,創造の苦手な児童の手助けにもなる。 1行アキ

●単元計画

1 「ひみつのたまご」のお話を聞き,たまごか

ら何が生まれるか想像する。 ・フローチャートに生まれるまでの様子

を表す。

2 生まれてくるものを想像し,たまごの 色や模様を細かく設定する。

・プログラミンのコマンドを,分解した場

面絵に描き込む。

3 ワークシートをもとに,場面絵をプログラ

ミンで作成する。 ・アニメーションにするために,見える,

隠すを細かく設定することを伝える。

4 上手くいかないときは,ペアやグループ などで相談し合って解決していく。

・プログラムを見直すように伝える。表し

たいアニメーションの動作を細かく分解

して考える。

5 アニメーションをもとに物語をつくり,プ

レゼンテーションする。 ・電子黒板で作品を紹介する。友達の作品

のよかったところを伝え合う。 1行アキ

2.授業展開 ●全体の授業構想 ふしぎなたまごから何かが生まれる様子は,動的なものであることから,画用紙で表現するよ

りもプログラミングで表現する方が適している。自分の思い描いた表現をより効果的に伝えるた

めにプログラミンを用いてアニメーションを作成するということを意識させたい。また,たまご

を重ね合わせた時に動きをそろえたり,出るタイミングや消えるタイミングを意識したりするこ

とで,自分が思った通りのアニメーションになることに気付かせる。

プログラミンで「アニメーション」をつくろう

2年 図工「お話大好き!「ふしぎなたまご」」 実践者:つくば市立みどりの学園義務教育学校 教諭 仁平 智代美 学習活動分類:B 使用教材:プログラミン 学習形態 1人1台

(1) 導入

事前につくっておいた「ふしぎなたまご」のアニメーションを見せ,子どもたちの興味関心を

高めた。どんなたまごからどんなものが生まれてくるのかイメージを膨らませるために,ワーク

シートにイラストやお話をかいた。 (2) 展開 たまごをかき,自分のイメージに合った動きになるようプログラミングをしていく。ひびが割

れたたまごは新たにかくのではなく,最初にかいたたまごの「絵をコピー」することでプログラ

ムも複製できるため,ここがポイントになる。一部の子どもたちは新たにたまごをかき,違うプ

ログラミングをした。その結果たまごを重ねた時に動きがそろわなくなってしまったため,ヒン

トカードを用意し,友だち同士でアドバイスし合って修正した。 (3) まとめ

ふしぎなたまごのアニメーションを再生し,自分で作ったお話 の発表会をした。たまごの動きやたまごが消えるタイミングの合 わない児童に,アドバイスをする姿が多く見られた。また,たま ごだけではなく,生まれた生き物にも様々なプログラミングを している作品も見られた。生まれた生き物が成長して巣立ってい く様子や元気に動き回る様子を工夫して表現することができた。

1行アキ 「プログラミング」と聞くと,とても高度なイメージで,低学年でもできるか不安だった。し

かし実際にやってみると,子どもたちはあっという間に使いこなし,様々な動きを試しながら楽

しく「プログラミング」について学べるとても良い教材だった。 (報告者:仁平 智代美)

1行アキ 1.ねらい ●教科のねらい 音色に注目して郷土に伝わるお囃子を鑑賞し,古くから伝わる我が国の音楽に親しみながら,

その雰囲気や特徴を感じ取ることができるようにする。また,この活動を通して感じたことや気

付いたことを発表し合うことで,我が国や郷土に伝わる音楽の良さや特徴をあらためて見直せる

ようにする。その際,グループでの話合いを取り入れ意見を交流させることで,よりよい音楽を

みんなで協働して創り上げようとする態度を育てる。 1行アキ

●プログラミング学習のねらい つくった旋律をスクラッチでプログラムし,友達とよりよいお囃子にしていくために論理的に

考えて解決していく中で,シーケンス(順次)やループ(繰り返し),デバッグ(間違い探し)な

どの基本的なプログラミングの概念を身に付けられるようにする。 1行アキ

●単元計画

1 三つのお囃子の特徴を感じ取る。 ・お囃子を聞き比べ,お囃子のリズム,速さの

違いに気付くことができる。

2 三つの音でお囃子の旋律をつく

る。 ・ラ,ド,レの三つの音を組み合わせて簡単な

旋律をつくり,リコーダーで演奏することがで

きる。

3 Scratch でお囃子の旋律つくる。 ・ラ,ド,レ,(ミ,ソ)の音を使って旋律を

工夫し,自分の思いや意図をもってお囃子の旋

律をプログラムすることができる。

4 つくった旋律を使って,まとまり

のある音楽をつくる。 ・プログラミングしたお囃子の楽器の音色やリ

ズム,速度,旋律をより良いものへ変えること

ができる。 1行アキ

2.授業展開 ●全体の授業構想 楽譜とプログラミングには共通している部分があるためプログラミング学習の導入に適してい

る。また,演奏技術以上の曲をプログラミングすることによって,ICT 機器の利便性に気付かせ

る。

プログラミングで、自分の作った曲をパワーアップさせよう

3年 音楽「日本の音楽に親しもう」 実践者:つくば市立みどりの学園義務教育学校 教諭 川西 栄次 学習活動分類:B 使用教材: スクラッチ 学習形態 1人1台

(1)導入 本時までに,ワークシートに作った旋律をかき,その中から気に入ったものをプログラムした。

お祭りで流すことを目標にすることで意欲を高め,プログラミングした曲をより良いものへ変え

る活動を行った。 (2)展開 作った曲をコピーして,元の曲をアレンジするようにさせた。ラ,ド,レの3つの音にミ,

ソを加えた5つの音,テンポ,リズム,繰り返し,楽器などを工夫して,より豊かな曲へ変え

た。繰り返しの回数を増やすことで,長い曲が簡単に作れることに気が付く子どもがいた。ま

た,お囃子を聞き比べた時に色々な楽器が使われていることに気付き,楽器の種類をいくつも

使う子どもがいた。思い描くお囃子を作ろうとする姿が見られた。 (3)まとめ

プログラミングして作った曲を発表した。2拍の2

分音符と1拍の4分音符の他に,0.5 拍の8分音符を

使ったり,60BPMのテンポを変えて早くしたりして,

豊かな曲をつくることができた。子どもの感想には,

「リコーダーではだせない音がプログラミングでで

きる。」というのがあった。今の演奏技術では演奏で

きないお囃子を作ることができ,プログラミングを学

習する良さが分かった子どももいる。 1行アキ

子どもにとって初めてのスクラッチによるプログラミングだったため,意欲が高く,いろいろ

試したい気持ちが強い子どもが多かった。教師側で使えるブロックを制御できるようになると良

い。 (報告者:川西 栄次)

1行アキ 1.ねらい ●教科のねらい つくばスタイル科の目標に,つくば次世代型スキルの1つとして,手段・道具を活用するスキ

ルが上げられる。その中で ICT 機器の特性を知り,道具として役立てることができる ICT 活用力

や課題や目的に応じて必要な情報を主体的に判断収集・表現処理・創造し,発信伝達できる情報

活用力が示される。プログラミング学習を通して,この二つの力を身に付けさせることをねらい

とした。 1行アキ

●プログラミング学習のねらい これまでのプログラミングでは,パソコンの画面上でソフトウェアのアイコン等の動きや光等

でプログラムが実行していることを理解してきた。今回のプログラミングでは,プログラムを作

り,ロボットカーをはじめて制御する。プログラミングしたことが実際の動きとなったところを

はじめて目の当たりにすることによって,10歳という年齢で心に響く感動や気持ちの高ぶりを

感じ,プログラミングが楽しいという実感をもつことができると同時に,どのようにプログラム

するとどのように動くのかという論理的な考えができることをねらいとした。 1行アキ

●単元計画

1 プログラミングソフトウェアの使い方を

知る。 ・ソフトウェアの使い方を,1つ1つみ

んなと一緒に確認する。

2 LEGO マインドストームの起動,プログラ

ムのダウンロード等を知る。 ・課題を解決するプログラムの作り方やブ

ロック状のプログラムの組み合わせ方を

1つ1つ確認する。 3 4

課題のプログラムをグループで協力して

作成する。 ・課題を解決するプログラムになるまで,

修正を続ける。

5 ロボットカーでパフォーマンスをする。 ・完成したプログラムでロボットカーを走

らせる。 1行アキ

2.授業展開 ●全体の授業構想 スタートからゴールまでの中に,ロボットカーでクラクションと称して音を鳴らす箇所,回転

させる箇所,パフォーマンスをさせる箇所を用意したコースで走らせる。プログラムを課題に即

して組んだはずなのに,思い通りに動かない。そこで,何度もプログラムを修正し,理想通りの

プログラムに仕上げていく。子どもらは,みんなで作成したプログラムが実際のロボットで制御

プログラムロボットカーでパフォーマンス

4年 つくばスタイル科「プログラムでロボットカーを動かそう!」 実践者:つくば市立みどりの学園義務教育学校 教諭 湯浅 泰隆 学習活動分類:A 使用教材: LEGO マインドストーム 学習形態:2人1台

して動かすことが初めてである。その時の感動した記憶は,学ぶ意欲が高まり,高度なプログラ

ムに対しても,最後まであきらめずに取り組むことができる。課題を解決して,ゴールできた時

の喜びは,忘れることがないだろう。 (1)導入 はじめてロボットにプログラムをダウンロードして動かすため,プログラムのソフトウェアの

使い方やロボットカーに接続して動かして,1つ1つ確認していく。また,一人でプログラムを

組むのではなく,ペアで話し合ったり,同じテーブルの席の別のグループに相談し合ったりしな

がら,よりよいプログラムになるように進めていく。 (2)展開 スタートからゴールまでの課題を解決するロボットカーのプログラムをみんなで考え,理想通

りの動きになるまで,修正を続けていく。プログラムは,試走するごとに修正していく。 (3)まとめ 完成したプログラムを披露するために,みんなの前で,ロボットカーを走行し,ゴールまで何

点になるかを競い合う。スタート後に直進,クラクションを鳴らして左折,直進して回転。左折

してから直進し,パフォーマンス。最後にゴールして修了のコース。ゴールまでできたチームが

ほとんどであった。ゴールできた時の子どもたちの笑顔と歓声があった。 小学4年生に,LEGO マインドストームのプログラミングは難しくて,教えるのは早いので

はないかという不安がはじめはあった。しかし,大変意欲的に取り組み,柔軟にプログラミン

グに対応でき,楽しく取り組むことができた。 (報告者:湯浅 泰隆)

1行アキ 1.ねらい ●教科のねらい 季節ごとの動物の活動や植物の成長について興味・関心を持って追究する活動を通して,動物

の活動や植物の成長を季節や気温と関係付ける能力を育てる。動物や植物についての理解を図り,

生物を愛護する態度する態度を育て,動物の活動や植物の成長と環境との関わりについての見方

や考え方を持つことができるようにする。 1行アキ

●プログラミング学習のねらい 季節の生き物の単元を通して調べた昆虫の生活とすみか,体のつくりや成長の特徴,また個々

の昆虫がもつ特性について,条件分岐を使うことで,昆虫の仲間わけの理解を促進する。スクラ

ッチを使い,クイズをつくる。 1行アキ

●単元計画 1 スクラッチの使い方を知る。 ・基本的な操作を教師のお手本を見

ながら進めていく。 ・走らせる ・回す ・話す

2 季節の生き物と植物の様子について学ぶ。 ・生き物の様子は季節によってどの

ような違いがあるか話し合う。 ・前学年が学んだ内容についても振

り返る。 3 スクラッチで自分の調べた生き物の中から昆虫

クイズを作る ・メッセージを言うタイミングを適

切に設定することを伝える。 ・正解と不正解のときのプログラム

を整理しながら作ることを伝える。 4 ペアや全体で作ったクイズを発表する ・電子黒板で作品を紹介する。友達の

作品のよかったところを伝え合う。 1行アキ

2.授業展開 ●全体の授業構想 これまでは,一つのスプライトを走らせる・回す・話すことを行ってきた。今回の授業では,

会話をさせたり,条件分岐をさせたりしていく。そのために,メッセージの受け取りや秒数を指

定してタイミングを考えていくことが必要であることに気付かせる。

こん虫クイズをつくろう

4年 理科「季節と生き物」 実践者:つくば市立みどりの学園義務教育学校 教諭 斎藤 優奈 学習活動分類:B 使用教材: スクラッチ 学習形態 1人1台

(1) 導入 前時までに調べた昆虫の体のつくり,すみか,えさなどの特徴を振り返る。スプライト同士に

会話をさせるためにはどのようなプログラムを入れればいいか考える。 (黒板の写真と子どもたちの様子をお願いします。) (2)展開 それぞれ提示されている生き物の中で好きなものを取り込みクイズを作成していく。1 つのメ

ッセージに対して3つの選択肢を作っていくことが今回の難しい点である。紙に書いて整理をさ

せながら進めていく必要がある。自分の意図した通りにプログラムが再生するかを確かめさせ,

上手くいかないときはプログラムを見ながら試行錯誤した。一部の子どもはアルファベットをう

つのが苦手なため,アルファベットの早見表を用意した。 (子どもがやっている様子を1枚お願いします。) (3)まとめ 完成した子どもの作品をクイズ形式で紹介した。クイズに正解数を表示させたり,正解した時

に音を加えたり工夫した作品ができた。 (発表している様子を2枚お願いします。)

1行アキ 3.授業の感想 スクラッチの問題作りに子どもたちはとても意欲的に取り組むことができた。表示やメッセー

ジのタイミング,条件分岐の思考にとても苦労していた。教えてもらうだけではなく,失敗を繰

り返しながら修正を加え自分の力でクイズを作成できた。今回の授業を通して,パソコンを使う

ことが苦手な子どもに対しての支援が必要だと感じた。アルファベットがまだ打つことのできな

い子どもには,アルファベットの早見表を用意したり,事前に使いそうな単語をアルファベット

で書いたりしておくことが必要である。 (報告者:斎藤優奈)

1行アキ 1.ねらい ●教科のねらい 日本の食料生産の現状から学習問題をつくり,統計などの資料を活用して自分の国の食料生産

をめぐる問題についてまとめる。また,これからの食料生産について何ができるかを話し合うと

ともに,クイズをつくることができる。プログラミングで,クイズの順番や手順を考えることで,

これまで学習したことと関連付けることができる。 1行アキ

●プログラミング学習のねらい 4年生の春の生き物クイズで身につけたスキルを活用する。単元を通して調べた食料品の産地

についてクイズをつくることで,より深い理解をする。クイズの情報収集を行い,それらやヒン

トをどのような順番で出すかを考える中で,県の特徴や気候と関連付けて考える。 1行アキ

●単元計画

1 日本の食料生産をめぐる問題点につ

いて考える。 ・「食料生産にはどんな問題があり,これからの食

料生産をどのように進めたらよいだろうか」

2 わたしたちの食生活の変化と食料生

産 ・「日本の食料生産には,どのような問題があるの

でしょうか」

3 食の安全・安心への取り組み ・「食の安全・安心に対する取り組みは,どのよう

に行われているのでしょうか」

4 これからの食料生産について考える。 ・これからの食料生産について調べたことを振り

返り,まとめる。

スクラッチで「食料生産クイズ」をつ

くろう。 ・これまで学習した食料生産について話し合った

ことをもとに,クイズをつくる。以下の内容を含

める。 ・食料自給率 ・食料生産に携わる人の問題 ・食の安全・安心 ・自然環境とのつながり

1行アキ 2.授業展開 ●全体の授業構想 自分たちの食生活は様々な食料に支えられていることを知り,それがどこで生産されているか

について関心を持たせる。日ごろよく目にする食料の都道府県別生産量を調べて,スクラッチを

使って「食料生産地クイズ」をつくり紹介し合う。クイズの順番やヒントの内容を考える中で,

都道府県の特徴や気候(食べ物の旬)と関連付けて考えさせる。

スクラッチで「食料生産地クイズ」をつくろう

5年 社会「これからの食料生産とわたしたち」 実践者:つくば市立みどりの学園義務教育学校 教諭 四位 悟 学習活動分類:B 使用教材:スクラッチ 学習形態 1人1台

(1) 導入

これまでの学習の振り返りとして,「食の安全・安心」「農業・漁業で働く人の減少」「自給率の

低下」等,日本の食料生産をめぐる問題についてパワーポイントを使って確認。その後,ワーク

シートをもとにクイズの全体の構想について考える。 (2) 展開 子供が自分の力に合わせて選択できるようにヒントカードを2種類用意した。まず,1問だけ

でも完成させるためにじっくり取り組む児童はヒントカード1。スクラッチに慣れていて2問ま

たは3問と進めていきたい児童はヒントカード2を選択して進めていた。全員の児童が1問は作

り終えることができた。2問目に移るときは「2 を送る」→「②を受け取ったとき」がポイントに

なる。 (3) まとめ

グループで「食料生産クイズ大会」をおこなった。全員が

1問は作成することができて楽しみながら産地を覚えるこ

とができた。スクラッチに慣れている児童の中には,「正解」

を回転させながら表示したり,音をつけたりと様々な工夫

を凝らしていた。スクラッチの経験が少ない児童,何度も

経験している児童ともに自分のレベルに合わせて楽しめて

いた。 1行アキ

ヒントカードを活用すると比較的スムーズに操作できるようになる。2問の予定だったが,パ

ターンを覚えると次々と問題を作ることができた。スクラッチの仕組みを理解するには,とても

良い教材になると感じた。 (報告者:四位 悟)

1行アキ 1.ねらい ●教科のねらい つくば市環境かるた(竹園高校作成)を通して,身近な環境問題やエコ

活動について自分なりの興味や疑問をもち,進んで課題を追究しよう

とする。家庭や地域の環境問題に対する自分の考えを深めたり,改善す

るために行動したりすることもできる。何度も読まれる読み札は子ど

もたちの想像を刺激し,そこからイメージを広げているため,取り札を取った時の喜びも大きい。

2年生のつくばスタイル科環境の単元「はじめよう!エコアクション」で,読み札を読むことが

困難な子どもでも,ロボホンをプログラミングすることによって,繰り返し環境かるたを楽しめ

るようにしたい。そして,ロボホンのような身近なコミュニケーションロボットで人間を励ます

ことができることを体感させたい。 1行アキ

●プログラミング学習のねらい Scratch のプログラムで実体のあるロボホンを動作させる。Scratch のブロックとロボホン専

用のブロックを組み合わせて,ロボホンをつくば市環境かるたの読み手とする。かわいいロボホ

ンの外見と動作と声が,子どもたちのモチベーションを引き出すことができ,応援したり励まし

たりすることで,継続的な取り組みを促すことができる。 1行アキ

●単元計画

1 人と環境はどのようにかかわっている

のだろう ・環境かるたをグループで行う

2 ロボホンで「環境かるた」を楽しもう ・ロボホンに環境かるたの読み札を入力する

3 環境を守るために,私たちにできるこ

とは何だろう ・知っているエコ活動をイメージマップに記

入する 1行アキ

2.授業展開 ●全体の授業構想 ロボホン専用のブロックを使うことで,歩いたり踊ったり,お喋りしたりお話を聞いたり,GPSや照度センサー,カメラも使うことができる。これらを自由に組み合わせて,学習に役立つプロ

グラムを考えた。つくば市では毎年学園対抗の環境かるた大会を行っており,ロボホンをプログ

ラムすることで,大会に出場する友だちの練習をサポートしたり,応援したりする方法を考える。 (1) 導入

ロボホンで「環境かるた」を楽しもう

5年 つくばスタイル科「はじめよう!エコアクション」 実践者:つくば市立みどりの学園義務教育学校 教諭 内田 卓 学習活動分類:B 使用教材:スクラッチ,ロボホン 学習形態 2人1台

ロボホンの機能に触れ,Scratch を使って,ロボホンの対話や機能をプログラミングすること

ができることを知る。ロボホン専用の拡張ブロック設定により,音声対話や,作成したプログラ

ムを本体に保存し,実行できる機能を搭載しているので,ロボホンがどんな場面でどんな対話を

したらよいか考えた。 (2) 展開 ロボホンの音声対話のシナリオを作成することができるため,様々な会話を想定したプログラ

ミングができると同時に,子どもたちのコミュニケーション能力も養うことができる。 一度読まれた読み札が再び読まれない工夫や,次の読み札が読まれるように音声でのやり取り

を行う工夫を行った。 また,ロボホンはとても小さいコミュニケーションロボットなので,教室内でも安心して使う

ことができた。作ったプログラムはロボホンに保存できるので,ロボホン単体でも身振り手振り

を交えて読み札を読んでくれた。 最初読み札をそのまま漢字で入力していたが,実際にロボホンが読むと音読みと訓読みで違っ

ていたり,イントネーションがおかしかったりしていた。そこで,適切に読むようひらがなを入

れたり,間をとるようにスペースを入れたりすることで,実際の読み方に近くなるように修正を

行った。

(3) まとめ つくば市の環境かるたの読み札を Scrach でプログラムすることは,すでに慣れ親しんでいる

Scrach 画面にロボホン専用ブロックが追加された形のため,つまづきも少なかった。また,ロボ

ホン自身がロボホン用のブロックや操作などの説明をしてくれるため,プログラミング学習をロ

ボホンがサポートしてくれた。 つくば市で行われているエコ教育の一環である環境かるたへの取り組みもクラス全員が行うこ

とができ,2年生の環境学習の導入にも最適な教材となった。 1行アキ

見た目もかわいいロボホンがプログラムできると聞くと,子どもたちははじめ難しく感じてい

た。しかし,すでに慣れ親しんでいる Scrach を使ってプログラムできると知るとすぐにプログラ

ムを作ることができた。毎年行われているつくば市学園対抗環境かるた大会へ向けての練習にも

活躍し,ロボホンは応援や励ましもしてくれる仲間となっていた。音声入力言語学習でも活用で

きるため,子どもたちは読み札を覚えたか確認する機能をプログラムしている。 (報告者:内田 卓)

1行アキ 1.ねらい ●教科のねらい プログラミングでプレゼンテーションすることで,自分の行きたい国について英語で答えたり,

相手の行きたい国について英語で質問したりすることができる。また,世界には様々な国があり,

それぞれに特色があることなど国際理解の考え方に気づくことができる。 1行アキ

●プログラミング学習のねらい おすすめの国の紹介(観光案内)をするために,その国の首都や食べ物,スポーツ,世界遺産

などの自然や建物を英語で紹介できるように,情報の表示方法を工夫する。 1行アキ

●単元計画

1 世界中の国々の名前と,発音の仕方を知る。 国旗当てクイズをする。

・国名の表記と発音の仕方を練習する。 ・クイズで国旗と国名を結びつける。

2 行きたい国の尋ね方や答え方の英語での表

現に慣れ親しむ。 「Where do you want to go?」 「I want to go to ○○.」

英語表現やジェスチャーでおすすめの国や

その理由を友達に伝える。 「You can see ○○.」 「You can eat ○○.」 「You can buy ○○.」 「It’s ○○.」「○○ is a nice county.」

4 おすすめの国を紹介する内容を調べる。 ・書籍やインターネット等を用いて項目

ごとにワークシートにまとめていく。

56

スクラッチを使ってプレゼン用のスライド

を作る。 ・導入で国旗や写真を用いて国名を紹介

するクイズを作る。 ・ワークシートをもとに,おすすめの国の

特徴をまとめる。

8 おすすめの国を紹介する。 ・友達と簡単な英語で会話しながら,おす

すめの国を紹介する。 1行アキ

2.授業展開 ●全体の授業構想 おすすめの国を紹介するには,写真や動画などを用いて伝える方がわかりやすい。また,簡単

な英語で尋ねたり答えたりする際に,字幕や日本語訳も表示されるとさらにヒアリングの手助け

になる。スクラッチによるプログラミングで様々な国を効果的に紹介したり,子ども同士による

スクラッチで「観光案内」をしよう

6年 外国語「Let’s go on a trip.」 実践者:つくば市立みどりの学園義務教育学校 教諭 山本 孝子 学習活動分類:B 使用教材: スクラッチ 学習形態:1人1台

会話を促したりして,英語への慣れ親しみやコミュニケーション力,国際理解の向上へつなげて

いく。 (1)導入 世界中の国々の名前と,発音の仕方を知り,国旗当てクイズをする。行きたい国の尋ね方や答

え方の英語での表現に慣れ親しみながら,様々な国を地図や動画などで確認した。英語表現やジ

ェスチャーでおすすめの国やその理由を友達に伝える練習をした。 (2)展開 ①国旗を表示し,「Where is this country?」と尋ねる。

②答えた国名を入力し,正解なら「Yes!」,不正解なら「No! I’ll give you a hint.」と述べて,ヒ

ントとなる写真を表示する。 ③「I will introduce my favorite country.」と述べて,おすすめの国を紹介していく。 ④「Capital」「foods」「Sports」「Culture」の4項目から選び,「This is ○○.」「You can eat ○○.」「You can see ○○.」などの英語で紹介する。

⑤「○○ is nice country. Where do you want to go? I want to go to ○○. Let’s go!」 以上の流れに合わせて,写真や見出し,言葉などを表示できるようにプログラミングしていく。

英語の原稿を用意しておき,自分のスピーチに合わせて言葉を入れていくようにした。また,4

項目の紹介したい内容や写真などを調べ,ワークシートに記入しておく。原稿やワークシートに

合わせて,スクラッチを使ってプレゼンテーションスライドを作成した。 (3)まとめ

英語でのあいさつ,簡単なセンテンスの練習をしてからおすす

めの国を紹介した。基本的な流れを応用して,表示方法を工夫し

たり,効果音を入れたりして楽しく発表することができた。見た

ことも聞いたこともない食べ物や建物なども紹介され,世界には

様々な国や生活があることに気付いた。

1行アキ 子どもたちは,プログラミングの楽しさや効果的な活用法を十分に感じていた。英語が苦手な

児童も,英語のスピーチに抵抗を感じることなく意欲的に取り組むことができた。 今年度は外国語活動の移行期間として6学年で「Hi, friends!2」Lesson5 “Let’s go to Italy.”を学習したので,それに合わせて活動したが,今後は5学年で学習する「We Can 1」Unit6 “I want to go to Italy.”に合わせて活動するとよいと思う。英語表記は子どもにとって難しいので,簡単な

単語や写真などをスライドに映し出し,スピーチに重点を置く方がスムーズだった。 (報告者:山本 孝子)