GISによるインド小地域単位データの空間分析とGoogle Earthの活用

ーウッタラカンド州の2001年センサスを事例にー

宇根義己（広島大学現代インド研究センター）

2010.8.23 HINDAS第4回研究集会

目 的

• インド・センサスを利用して，小地域スケールでGISによる分析を実施し，その問題点を議論

GISによる村および郡レベルの空間分析はほとんど取り上げられてこなかった

• GISデータをGoogle Earthに組み込む方法を示す。

いつでもどこでもだれでも情報にアクセスし役立てる具体的事例を提示

研究対象地域

• ウッタラカンド州

• 同州ナイニタル県ナイニタル郡ビムタール地区

構 成

1. 2001年センサスデータの概要とデータのGIS化

2. ウッタラカンド州における郡単位の分析

3. ビムタール地区における村単位の分析

4. Google Earthへのデータ変換

5. おわりにー問題点の整理ー

1. 2001年センサスデータの概要とデータのGIS化

インドにおけるセンサス

• 1872年開始，1881年から10年ごと

• 基本集計結果：Primary Census Abstract

Village Directory

コードstate code, district cade tahsil/taluk code etc.村落village name, area of village(ha), number of households人口total population, scheduled castes population, scheduled tribes population -total, males, females各種施設などeducation facilities, medical facilities, drinking water facility, post, telegraph and telephone facilities communication(bus, railways), navigable water way, banking facility, credit societies, recreational and cultural facilitiesapproach to village, nearest town, distance from the nearest townpower supply, news paper, magazine(if arrived), income and expenditure of the village, land use

インド・センサス（2001年）のVillage Directoryに収録されているデータ項目

GISソフトへのデータ取り込み

http://censusindia.gov.in/maps/censusgis/Census_GIS/maps.htm

空間情報なし

DIVA-GIS：CGIAR（国際農業研究協議グループ）の組織により設立 http://www.diva-gis.org/

DIVA-GISの行政界データ（shp.形式）

2. ウッタラカンド州における郡単位の分析

Uttarakhand State•2000年11月，U.P.州から独立

•人口：848万9,349人，世帯数：160万戸

•１世帯当たり5.3人•13県，49郡からなる

•いずれの指標もインド全体の0.8%

•ナイニタル郡：14万人，1世帯当たり5.0人

社会的指標の分析• 指定カースト（SC） ，指定部族（ST）

• Literacy 識字率

• 就業者比率

3. ビムタール地区における村単位の分析

ビムタール地区106村，3都市（ナイニタール，ボワリ，ビムタール）人口：10万2,594人，うち農村人口5万1,297人

社会的指標の分析• 指定カースト（SC） ，指定部族（ST）

• Literacy 識字率

第9図 就業者比率

（１年間のうち半年以上就業している成人の割合）

• 就業者比率

4. Google Earthへのデータ変換

GISデータをGoogle Earthに組み込む方法を示す

例：女性識字率

目 標

Export to KML を利用http://arcscripts.esri.com/details.asp?dbid=14273

透明度を調整

5. おわりに

・小地域単位のデータ分析は容易になっている

・地図データの問題 完全なデータはない

・小地域レベルは精度が求められるセンサスマップの村の位置⇒解決方法；ex. グーグルアースからGISへ