m2m/iotのキラーコンテンツとなるか? 医療・ヘ...
TRANSCRIPT
M2M/IoTのキラーコンテンツとなるか? 医療・ヘルスケア分野での利活用を展望する
青森公立大学経営経済学部地域みらい学科 准教授
ITヘルスケア学会 理事
博士(工学) 木暮 祐一
Agenda
• ネットワークの進化がIoTを後押しする
• 一般消費者向けM2M/IoT普及のステップ
• 医療ビッグデータの活用
• ソフトウェア(アプリ)単体での医療機器承認の動き
• ヘルスケアIoT普及の足掛かりに?
労働安全衛生法の改正
• ヘルスケアビッグデータ
取り扱いのためのガイドラインは?
ネットワークの進化が
IoTを後押しする
クラウドサービスが消費者に浸透 これはスマホの普及が後押しした
(bps)
1G
100M
10M
1M
100k
2000年 2007年 2009年 2012年
3G IMT-2000
3.5G
4G (3.9G)
4G LTE-Advanced
サービス開始当初は 384kbps(FOMA)
HSDPA/HSUPA NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、 イーモバイル
EV-DO KDDI
モバイルWiMAX UQコミュニケーションズ
LTE NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、
イーモバイル
2015年
AXGP(ソフトバンク4G)
ソフトバンクモバイル
通信速度
3.6~7.2Mbps
通信速度
40~150Mbps
通信速度
225Mbps~1Gbps
10G
2020年 2015年
5G 2020年頃? 通信速度
10Gbps
ネットワークは4G→5Gの時代へ 高速大容量→低速小容量の通信を増やせる→IoTに期待
5
一般消費者向けM2M/IoT
普及のステップ
ウェアラブルはスポーツ分野からヘルスケア分野へ
M2M/IoTの重要なカギとなる
ウェアラブルデバイス。
まずはスポーツ分野から参入
ヘルスケア分野への応用も
見られるものの、まだわが国
では健康志向が高い消費者
層中心。
現在は、スマホをハブとしたM2MやIoTが主流 5G時代には、機器が直接インターネットに?
事例:Withings社のWi-Fi体重計 クラウドに記録を保管し、スマホで閲覧できる
2015年に普及が大いに期待された 腕時計型などのウェアラブルセンサーは不調?
10
米国事例:Rijuven社 Cardio Sleeve
http://rijuven.com/cardiosleeve
米国事例:モバイル超音波診断 モバイル超音波診断装置
17http://www.mobisante.com/products/product-overview/
MobiSante社 MobiUS SP1 System
従来の医療
機器の範囲
http://www.mobisante.com/products/product-overview/
米国事例:AliveCor社 「AliveCor's Heart Monitor」
米FDAで医療機器認可取得
国内でもスマートデバイスと連携する 各種生体情報センサーが充実してきた
TOSHIBA Scamil
国内でもスマートデバイスと連携する 各種生体情報センサーが充実してきた
TOSHIBA Scamil
心拍(心電図)は今後、重要な収集データとなる。
心電図のR波とR波の感覚の揺らぎ(R-R間隔)は、交感神経と副交感神経の活動の関係を知ることができる。すなわち緊張やリラックスの指標に使える。
医療ビッグデータの活用
絵に描いた餅と言われた 「どこでもMY病院構想(2010年)
出典:内閣府資料より
• 電子化された医療・健康情報データ、す
なわちEHR(Electronic Health Record
)やPHR(Personal Health Records)を
地域の医療機関等で連携させるには、
国民共通IDが不可欠だった。
• 電子政府が充実している韓国では、医療・社会保障関連の情報も住民登録番号(国民ID)に
ひもづけられている
健康保険証
電子母子手帳
医療関連情報
介護保険情報
社会保障記録
=住民登録番号
世界主要国ではすでに「国民共通ID」が利用されている
いよいよわが国でも「マイナンバー」スタート
• 国民共通番号や電子政府の取り組みが
遅れているわが国では、いっそのこと
携帯電話番号にひもづければ?!
健康保険証
電子母子手帳
医療関連情報
介護保険情報
社会保障記録
• 国民共通番号や電子政府の取り組みが
遅れているわが国では、いっそのこと
携帯電話番号にひもづければ?!
健康保険証
電子母子手帳
医療関連情報
介護保険情報
社会保障記録
診療履歴
病歴等 すべてはスマホが
入り口に!
行動履歴
など
各種
生体情報
など
しかし、アップルが ヘルスケアデータのポータル化を始めた…
【木暮祐一のモバイルウォッチ】第61回 iPhone 6 の「ヘルスケア」アプリが健康管理デバイスの世界を変える
http://www.rbbtoday.com/article/2014/09/22/123654.html
アップル「ヘルスケア」アプリに 健康関連データが集約
アップル「ヘルスケア」アプリを医療機関が活用?!
出典:CNET Japan
2015年2月12日放送「ワールドビジネスサテライト」
ロンドン郊外に住むブリアナ・バーンズさん。運転するときはいつも「ブラックボックス」の存在を意識して、安全運転に努めているそうです。ブラックボック スとは、自動車保険会社がバーンズさんの車に設置した小さな装置。車のあらゆる情報をデータセンターに送り、データを分析して安全運転をアドバイス。その 結果、運転技術が向上し、保険料も大幅に引き下げられる。
自動車の運転状況を収集し 保険料に反映
AppleはHealthKitをResearchKitへ発展
みんなアメリカに情報収集されている?
• わが国では情報連携が「下手」。現場現場での再入力(再電子化)の繰り返し。
• わが国はどちらかというと「病気になってから手を施す」が、米国などでは病気に至らない前に「予防」するところに力を入れてきている(保険制度の違いも認識しておく必要あるが)。
• わが国では医療・健康ビッグデータのプラットフォームをどこが握るのか?(通信事業者任せ?)
ソフトウェア(アプリ)単体での
医療機器承認の動き
ヘルスソフトウェアの分類
13出典: 一般社団法人ヘルスソフトウェア推進協議会 資料 IEC62A/ISO 215 JWG7メンバー,Oliver P. Christ氏提供の図を一部改変
その他のヘルスユー
スソフトウェア
( iOS8 Healthkit,Apple watch用アプリなど)
その他のヘルスユー
スソフトウェア
( 介護用ロボット、活動量計、万歩計など)
医療機器
ソフトウェア ( Software in a Medical Device)
ソフトウェア
医療機器 ( SaMD:
Software as a Medical Device)
医療用目的 ヘルスユース
一般目的のIT
ハードウェア
上で動作する
ソフトウェア
特定のハード
ウェア上で動
作するソフト
ウェア
医療用目的のソフトウェア ( 規制対象)
ヘルスソフトウェア
従来の薬事法での規制対象
改正薬事法での規制対象 GHS開発ガイドラインの対象
ヘルスソフトウェアの分類
13出典: 一般社団法人ヘルスソフトウェア推進協議会 資料 IEC62A/ISO 215 JWG7メンバー,Oliver P. Christ氏提供の図を一部改変
その他のヘルスユー
スソフトウェア
( iOS8 Healthkit,Apple watch用アプリなど)
その他のヘルスユー
スソフトウェア
( 介護用ロボット、活動量計、万歩計など)
医療機器
ソフトウェア ( Software in a Medical Device)
ソフトウェア
医療機器 ( SaMD:
Software as a Medical Device)
医療用目的 ヘルスユース
一般目的のIT
ハードウェア
上で動作する
ソフトウェア
特定のハード
ウェア上で動
作するソフト
ウェア
医療用目的のソフトウェア ( 規制対象)
ヘルスソフトウェア
従来の薬事法での規制対象
改正薬事法での規制対象 GHS開発ガイドラインの対象
薬事法で規定されてきた「医療機器」とは
株式会社リーディング・エッジ 執行役員 岸 慶騎氏講演「IoT時代到来における「薬事法」 」スライドデータから借用
薬事法改正(2014年11月施行)のポイント
単体プログラムを医療機器として規制する
製造業を許可制→登録制へ簡素化
QMS調査を個別製品単位→製品群単位に合理化(基準適合証の運用)
法律名が変わった
「薬事法」→「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」
通称「医薬品医療機器等法」
平成26年11月25日施行
• ようやくわが国でも、アプリ単体での「医
療機器」の開発も可能になった。
ヘルスケアIoT普及の足掛かりに?
労働安全衛生法の改正
改正労働安全衛生法により2015年12月から、 企業におけるメンタルヘスルチェックが義務化
ヘルスケアビッグデータ 取り扱いのためのガイドラインは?
ITヘルスケア学会の経緯
• 1994年に医療分野と情報分野の境界域にいる研究者を中心に「日本コンピューターサイエンス学会」として発足。年1回の学術集会、および学術セミナーを年数回開催してきた。
• 2006年、学会名を「ITヘルスケア学会」と改称。初代会長は三友仁志氏(早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授)
• 2011年、学会内に「移動体通信端末の医療応用に関する分科会」が発足し、学術集会のほかに「モバイルヘルスシンポジウム」を毎年開催してきた。
• 「モバイルヘルスシンポジウム2011」(平成23年8月27日開催
では「ユビキタス医療を実現する医工融合ICT」、「セキュアな環境整備」、「多数の臨床医・コメディカルが策定するガイドライン」を主旨とし開催。特に「スマートフォーンの台頭によるワイヤレスブロードバンドシステム」について、ウェアラブルデバイスへ結実するIoT技術を遠く見据えていた。
ITヘルスケア学会の経緯
• 2015年6月に開催した大会(実行委員長:木暮祐一)では、学術大会とモバイルヘルスシンポジウムを併催、また同時に一般社団法人化を果たし、法人化第1回目の記念すべき大会として、全国から医療、健康、介護関連研究者や、情報通信分野の関係者など、200名を超える参加者が集まった。
ITヘルスケア学会からの宣言
• 「医療・ヘルスケアデータの集積と提供に学会が今後果たす役割」として「学会検診事業」(学会主導型の検診事業)と「健康情報の保全・流通についてのガイドライン化」を始動する。(2015年5月)
• 「健康情報の保全・流通についてのガイドライン化」について、「ICTデータ(ビッグデータ)の利活用に関するガイドラインが存在しない中、企業や団体によるデータの収集は進んでおり、海外へのデータ流出やデータ開示の面で課題がある」と考え、環境整備を推進していきたい。
• 今後、ワーキンググループとして「ヘルスケアデータ利活用戦略会議」を実施していく。
Q&A