「お任せ民主主義」→「責任ある民主主義」の創造 ·...

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2010/8/27 1 「お任せ民主主義」→「責任ある民主主義」の創造 ~子どもの声を社会に!プロジェクト2010 大介 [email protected] http://www.hayadai.net/

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Page 1: 「お任せ民主主義」→「責任ある民主主義」の創造 · 票する「未成年“模擬”選挙」を通して、生の政治にふれ、社 会のあり方について考え、議論する場を設ける

2010/8/27 1

「お任せ民主主義」→「責任ある民主主義」の創造~子どもの声を社会に!プロジェクト2010 ~

林 大介  

[email protected]://www.hayadai.net/

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自己紹介

林 大介1976年3月生まれ、O型、2児の父親法政大学大学院社会科学研究科修士課程政治学専攻卒業(2000年3月)模擬選挙推進ネットワーク事務局長

障害児介助員、桐朋女子中学高校非常勤講師(中3公民、高校政治経済)などを経て、現在NPO法人チャイルドライン支援センター事務局次長。

●関係団体・役職NPO法人日本子どもNPOセンター理事、NPO法人NPO事業サポートセンター常務理事、新しい公共をつくる市民キャビネット「子ども・教育部会」部長など●主な書籍・出版物編著書『子ども・若者の参画』「子ども・若者の政治参加-社会的意思決定の場 に子ども・若者の参画をすすめよう-」(子どもの参画情報センター編、萌文 社、2002年)共同研究『NPOにおける若者の就労支援に関する調査研究「生きる価値の再構 築」~NPOで働く若者から始まる市民社会の創造』(財団法人全国勤労者福 祉・共済振興協会、2010年)

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2010参院選における投票理由

<東京都・9歳・女>

<兵庫県・小6>

<北海道・中学生・女>

<千葉県・高2・男>

民主党のマニフェトがよかったから。増税。間違えずに使えば景気は良くなると思う。

どの党も良いことしか言っていない気がして、判断しにくかった

普段は適当に聞き流しているテレビのニュースも少し興味を持って聞くようになった。

どの党を選んだかによって、日本の未来が変わることをつくづくと感じた。

<静岡県・18歳・男>

民主党とみんなの党の政策には長所と短所がある。足して2で割るなどと単純にはいかないが、両者の長所を活かせる政治を望んでいる

<埼玉県・18歳・女>消費税増 税は賛成。国債を減らしていく努力を見せてほしい

<新潟県・18歳>労働条件、賃金で、同じ仕事をしている人の待遇を均等にすることに賛成。企業の支援の内容も充実している。子ども手当ての現物サービスへの代替にも賛成。

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2010未成年“模擬”選挙

北海道~沖縄県・北海道~沖縄県・2929都道府県の都道府県の

未来の有権者未来の有権者56735673人が投票人が投票

芝浦工大柏中学高校、駒場東邦中学高校、芝浦工大柏中学高校、駒場東邦中学高校、

都立戸山高校、郁文館夢学園、玉川学園、都立戸山高校、郁文館夢学園、玉川学園、

愛知県立豊橋工業高校、立命館宇治中学高校愛知県立豊橋工業高校、立命館宇治中学高校

などなど2222校で実施校で実施

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2010未成年“模擬”選挙民主26.9%(実際は31.6%/以下同)、自民19.0%(24.1%)、みんな15.4%(13.6%) など

民主党,31.56%

民主党,26.85%

国民新党, 1.71%

国民新党, 2.61%

自民党,19.9%

自民党,24.07%

公明党,13.07%

公明党,5.02%

共産党,6.1%

共産党,6.17%

社民党,3.84%

社民党,6.66%

みんなの党,13.59%

みんなの党,15.41%

たちあがれ日本,5.11%

たちあがれ日本2.11%

新党改革,4.11%

新党改革,2.01%

日本創新党0.84%

日本創新党,0.99% 女性党,3.08%

女性党0.71%

幸福実現党,4.09%

幸福実現党0.39%0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

実際

未成年

4800011723612016議席数

100.00%0.39%0.71%0.84%2.01%2.11%13.59%3.84%6.10%13.07%24.07%1.71%31.56%割合

58,453,432 229,026 414,963 493,619 1,172,395 1,232,207 7,943,650 2,242,736 3,563,557 7,639,432 14,071,671 1,000,036 18,450,140 獲得票数実際  

4821022833210114議席数

100.00%4.09%3.08%0.99%4.11%5.11%15.41%6.66%6.17%5.02%19.90%2.61%26.85%割合

5,67323217556 233290 874 3783502851,1291481,523獲得票数未成年

  

有効票小計

幸福実現党

女性党

日本創新党

新党改革

たちあがれ日本

みんなの党

社民党共産党公明党自民党国民新

党民主党  

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政治を体感して興味を深め、選び方を学んで投票率も上がる

◆未成年「模擬」選挙3つのメリット

生徒が楽しむだけでなく、大きな波及効果があります。

1:国民の一人と実感して、民主主義を体感する

  政治に対する関心を高め、それまで知らなかった地域の課題、社会 的な問題に気づき、考えるきっかけとなり、国民の一人・社会の一員としての責任と自覚を感じる

2:賢い有権者を育てる

  模擬選挙を通じて早くから投票に慣れ、

  立候補者や政党の選び方を実体験とし

  て学ぶ

3:投票率UP  “政治”についての対話が家庭や地域で

  生まれ、実際の有権者(保護者、兄・姉

  など)に対する働きかけにつながる

  泉健太・内閣府政務官(青少年施策担当)に、模擬選挙2010の結果を報告

模擬選挙の意義・目的③

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模擬選挙は外国では広く普及してます模擬選挙の意義・目的②

※外国では「シティズンシップ教育」「民主主義教育」としてポピュラーです

・アメリカ:2008年11月の大統領選挙において、全米で700万人規模で実施

         http://www.nationalmockelection.com/

・コスタリカ:20年以上も取り組まれている(実際の投票所の隣に模擬選挙の投票所がある)

その他、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデンなど、多くの国で模擬選挙は実施されています

20082008年年1111月の月のアメリカアメリカ大統領選挙大統領選挙ではでは

全米で全米で700700万人万人が投票が投票

日本では日本では20022002年から開始以来、年から開始以来、

3030以上の選挙、延べ以上の選挙、延べ3.53.5万人が投票万人が投票

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秘めている子どもたちのチカラ

今を生き、次代を生きていく子どもたちは今を生き、次代を生きていく子どもたちは

自分の意見・考えをきちんと持っている自分の意見・考えをきちんと持っている

機会さえあれば、意見を表明する機会さえあれば、意見を表明する

意見表明できるチカラを秘めている意見表明できるチカラを秘めている

政治、経済、教育、環境、国際協調など政治、経済、教育、環境、国際協調などに対しに対し

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改善されない子どもをとりまく環境

減らない児童虐待

子どもの貧困 少子高齢化

環境問題

世代間格差

格差社会

赤字国債

国際紛争

持続可能な社会

未来への責任自尊感情の低さ

他国よりも低い自己肯定感

民主主義

シティズンシップいじめ

子どもの自殺

ニート・フリーター

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「おとな社会」は「おとな社会」は

次代を生きていく子どもの声に次代を生きていく子どもの声に

耳を傾けているのか耳を傾けているのか

経済社会を担うのは経済社会を担うのは

こんな状態で、「民主主義」は育つのだろうか?こんな状態で、「民主主義」は育つのだろうか?

「おとな」だけなのか「おとな」だけなのか

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「お任せ民主主義」→「責任ある民主主義」の創造

次代を担う子どもの

「シティズンシップの育み」と「社会参加」の促進

子どもを一人の市民ととらえ、自尊感情を高める

責任ある民主主義が醸成される

経済社会の課題解決のための大きな一歩

だからこそ、だからこそ、

「「子どもの声を社会に!子どもの声を社会に!

プロジェクトプロジェクト20102010」」

に取り組みます!に取り組みます!

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2010/8/27 12

目標

「真の民主主義」「真の民主主義」をを

子ども時代から育子ども時代から育むことでむことで

醸成醸成していくしていく

*キーワード  Citizenship , Democracy , Empowerment ,

Encourage , Participation ,

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シティズンシップを育む「未成年“模擬”選挙」を通して

①子どもの声を社会に発信する

 未来の有権者である20歳未満が、実際の選挙に合わせて投

票する「未成年“模擬”選挙」を通して、生の政治にふれ、社会のあり方について考え、議論する場を設ける

②子どもの社会参加を促進する 「子ども・若者ビジョン」(2010年7月23日閣議決定)に明記さ

れた「子どもの意見表明・参加」を具現化し、地方自治体では子どもの直接参加を促進する

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未成年“模擬”選挙は、多くの方が応援しています

2010年6月9日現在/順不同・敬称略

応援団①

政策シンクタンク「構想日本」代表加藤 秀樹

江戸川子どもおんぶず 事務局長青木 沙織

NPO法人ユースポート横濱 理事長岩永 牧人

NPO法人「育て上げ」ネット 理事長工藤 啓

早稲田大学 教授喜多 明人

認定NPO法人国際子ども権利センター 代表甲斐田 万智子

東京シューレ 代表奥地 圭子

リンカーン・フォーラム 代表代行兼事務局長内田 豊

NPO法人ACE 代表理事岩附 由香

NPO法人NPOカタリバ 代表理事今村 久美

NPO法人NPO事業サポートセンター 専務理事池本 修悟

NPO法人おおた市民活動推進機構 理事池田 佳代

真生会富山病院心療内科部長、スクールカウンセラー明橋 大二

NPO法人G-net 代表理事秋元 祥治

ファシリテーター青木 将幸

  ※「応援団」の皆さまからのメッセージは、ウェブサイトで読むことができます

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未成年“模擬”選挙は、多くの方が応援しています応援団②

東京大学 教授小玉 重夫

名古屋大学 教授近藤 孝弘

大正大学人間学部 教授西郷 泰之

中央学院大学社会システム研究所 教授福嶋 浩彦

学生団体ivote 代表原田 謙介

NPO法人「ど・あっぷ!」 代表理事馬場 政彰

社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 事業部 日本マネージャー津田 知子

株式会社ソーシャルプランニング 代表取締役竹井 善昭

全国民主主義教育研究会 機関誌編集長杉浦 真理

NPO法人ドットジェイピー 理事長佐藤 大吾

NPO法人開発教育協会 事務局長中村 絵乃

シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役渋澤 健

上智大学 教授田中 治彦

株式会社スマイルズ 代表取締役社長遠山 正道

映画評論家 元文部科学省審議官、元文化庁文化部長寺脇 研

2010年6月9日現在/順不同・敬称略

  ※「応援団」の皆さまからのメッセージは、ウェブサイトで読むことができます

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未成年“模擬”選挙は、多くの方が応援しています応援団③

同志社女子大学 教授藤原 孝章

財団法人明るい選挙推進協会 常務理事牧之内 隆久

NPO法人キッズドア 代表理事渡辺 由美子

PACIFIC 21 代表横江 公美

反貧困ネットワーク事務局長、内閣府参与湯浅 誠

「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク 共同代表山野 良一

NPO法人関西こども文化協会 代表理事柳瀬 真佐子

NPO法人開発教育協会、東京ボランティア・市民活動センター専門員八木 亜紀子

尚絅学院大学 教授森田 明彦

環境活動コーディネーター星野 智子

2010年6月9日現在/順不同・敬称略

  ※「応援団」の皆さまからのメッセージは、ウェブサイトで読むことができます

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応援団からのメッセージ

加藤 秀樹さん政策シンクタンク「構想日本」代表

政治は、政治家だけがするものではありません。学校や会社へ行ったり、買い物をしたり、出かけたり、日々の生活があたり前にできるよう、世の中が安定し、私たちが安心して暮らせるようにすることの総体が政治です。

政治はまさに生活そのものなのです。

だから、私たち全員が政治にもっと関心を持つことが政治のレベルを上げるのです。

生活と政治を直結させて、それを小学校、中学校、高校から考えていくために、模擬選挙は最も有効な方法です。大いに期待をしています。

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応援団からのメッセージ

渋澤 健さんシブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役

未来は、必ず訪れます。

しかし、未来は与えられるものではありません。

未来の行方には、自分自身の、今からの行動が大事です。

どんなに小さな行動でも、動かない言論や変化を恐れる世論より、今日より明日を良くするのです。

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応援団からのメッセージ

山野良一さん「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク共同代表

多くの子どもたちが貧困状況にあるのにもかかわらず、その存在自体が無視されつづけている現状では、子どもたちは無力におかれ続けたままです。

子どもたちにその不平等さを示し、彼らの声を聞くべきときです。

この国の将来を決めるのは彼らです。

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応援団からのメッセージ

横江 公美さんPACIFIC 21 代表

当然のように政治は存在します。

大人になれば特別な訓練もなく、誰もが有権者になります。

民主主義の先進国と言われる国をよく観察すると、子供のときから有権者になる訓練を当然のようにしています。

残念ながら日本にはそんな教育があるとはいえません。

まずは、子供の模擬選挙から、はじめて見ませんか。

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応援団からのメッセージ

牧之内隆久さん財団法人明るい選挙推進協会 常務理事

教育基本法第14条は「政治教育」の見出しでその重要性を謳っていますが、現実の学校においては、割り振られている時間数が短いことや同条2項の「特定の政党を支持し、又は反対するための政治教育」の禁止規定に過敏になっていることから、政治や選挙の仕組みは教えても、選挙の意義や重要性を理解させ、現実の政治に対する判断力や態度を養成するものとはなっていません。

このことが、若者の政治への無関心や低投票率を生んでいる一因となっていると思います。

模擬選挙推進ネットワークの活動がこのことに風穴を開け、欧米諸国のような、生の政治をしっかりと且つ公平に学ぶ学校教育になっていくことを願っています。

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課題1

①「生の政治」を持ち込むことを否定する教育委員会 生の政治を教育現場に持ち込むことへの、学校現場でのた

めらいや否定的なとらえかたが非常に強く、管理職や教育委員会によって、模擬選挙の実施にストップがかけられる事例が毎回、見受けられる

※神奈川県教育委員会教育委員だった渡邉美樹氏(ワタミ代表取締役会長)が理事長を務める郁文館夢学園では2007年から模擬選挙に取り組む

※松沢成文神奈川県知事の選挙公約としての「シティズンシップ教育」の一環として、2010年参院選では神奈川県内すべての公立高校で模擬選挙が実施される

 ※アメリカでは、2008年の大統領選での模擬選挙で、700万人以上が投票

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課題2

②運営面における課題・模擬選挙だけでは収入の確保ができない。寄付型モデル、事

業型モデルなど、どのような運営体制がありうるのか。

・専従者を確保できていないため、ボランティアベースで活動を展開している。

 事業を実施するための教材やカリキュラム開発、運営体制が十分に組めない

・スウェーデン:国が模擬選挙を実施する団体に対して        資金提供・アメリカ:グーグル、USAトゥデイなどの企業が協賛

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私のあゆみと原動力

林 大介 1976年3月生まれ、O型、2児の父親 法政大学大学院社会科学研究科修士課程政治学専攻卒業(2000年3月)

高校3年生の時(1993年)に「国連・子どもの権利条約」に出会い、生徒会役員として文化祭で展示発表を行なったことをきっかけにして、子どもの権利保障をすすめる活動を始める。

子どもの自尊感情・自己肯定感を高めるために、「未来を担う子ども・若者の社会参加・参画の場の創造」をキーワードに、子どもからおとなまで、学校や児童館、公民館、PTA講座などで参加型のワークショップを全国で行い、自治体主催の子ども会議などでのファシリテーターなども引き受けている※中高生世代が毎年区長にプレゼンを行う杉並区ユースプロジェクト、次世代育成行動計画策定における国立市子ども会議、飯能市「子ども意識調査」などに参画。

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私のあゆみと原動力

2001年から「選挙権年齢の引き下げ/政治教育」に取り組むNPO法人Rightsの創設にかかわり、主に政治教育分野を担当。2002年2月の町田市長選挙で「未成年“模擬”選挙」に取り組んで以後、30以上の国政・地方選挙で模擬選挙を実施し、のべ3.5万人以上の未来の有権者が参加。

2006年12月に、「中立・公平・公正」な模擬選挙の実施のために、模擬選挙推進ネットワークを立ち上げる。2008年には、700万人が投票したアメリカ大統領選挙の模擬選挙を視察。

●受賞歴等・日本青年会議所「人間力大賞・衆議院議長奨励賞」(2005年)・(財)明るい選挙推進協会「明るい選挙推進優良活動」表彰(2008年)・経済産業省「シティズンシップ教育と経済社会での人々の活躍についての研究会」報告書掲載(2006年)

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私のあゆみと原動力

他国よりも低い日本の子どもの「自尊感情」は低下傾向にある

「自分はダメな人間だと思う」中学生・高校生の割合は他国よりも高い   (日本青少年研究所/平成20年3月) ・日本:まあまあ思う35%+とても思う21% ・韓国34%+8%、中国8%+4%、アメリカ9%+5%

低下傾向にある「自尊感情」   (内閣府「低年齢少年の価値観等に関する調査」/平成12年    内閣府「低年齢少年の生活と意識に関する調査」/平成19年) 「自分にまったく自信がない」  小学生H12=9.4%→H19=17.6% 8.2ポイント増加  中学生H12=14.1%→H19=25.1% 11ポイント増加

「孤独を感じる」と答えたOECD加盟国の子どもの割合は、日本は29.8%で最も多く、2番目のアイスランドで10.3%。平均7.4%  (OECD加盟国の15歳を対象にしたユニセフ「幸福度調査」/2007年)

「権利」は「行使」することで責任感が醸成され、自尊感情も高「権利」は「行使」することで責任感が醸成され、自尊感情も高まるまる

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私のあゆみと原動力

20歳代と全体平均投票率の比較

71

36 3831

35 34 4636

5059

68

5753

58 5960

0

10

20

30

40

50

60

70

80

選挙種別

投票率

20歳代 36 38 31 35 34 46 36 50

全体平均 58 60 53 59 57 68 59 71

1998年参 2000年衆 2001年参 2003年衆 2004年参 2005年衆 2007年参 2009年衆

若年層の低投票率が続けば、特定の世代だけが政治に参加した結果で、政治の行く末が決まる

少子高齢社会では、投票率以上に投票者数の格差も生まれて少子高齢社会では、投票率以上に投票者数の格差も生まれており、若年層の投票率が上がっても高齢者の絶対数が若年層よおり、若年層の投票率が上がっても高齢者の絶対数が若年層よりも多いため、ただでさえ若年層の声が反映されにくくなるりも多いため、ただでさえ若年層の声が反映されにくくなる

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私のあゆみと原動力

若年層の政治への関心度は、高校までの学校の授業で政治や選挙について学んだことのない人(34.6%)よりも、ある人(60.1%)のほうが高い(明るい選挙推進協会「若い有権者の意識調査(第3回)2010年1月公表」)

7.4%58.0%34.6%ない

3.6%39.2%57.2%全体

3.1%36.8%60.1%ある

わからない

あまりない

+全然ない

非常にある

+ある程度ある

政治や選挙を学んだ記憶

政治への関心

模擬選挙を広めることは、若年層の政治への関心を高めるこ模擬選挙を広めることは、若年層の政治への関心を高めることにつながるとにつながる

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「お任せ民主主義」→「責任ある民主主義」の創造

次代を担う子どもの

「シティズンシップの育み」と「社会参加」の促進

子どもを一人の市民ととらえ、自尊感情を高める

責任ある民主主義が醸成される

経済社会の課題解決のための大きな一歩

だからこそだからこそ

「「子どもの声を社会に!子どもの声を社会に!

プロジェクトプロジェクト20102010」」

に取り組んでいきますに取り組んでいきます

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皆様に期待していること

  今後も事業を継続し、ボランティアベースから発展させていくために、次のような視点、観点におけるアドバイス、サゼッションをよろしくお願いします。

⑤本日参加されている皆様との新たな一歩

①「未成年“模擬”選挙」を単なる「シティズンシップ教育」

の枠にとどめるのではなく、民主主義社会を創造していくための可能性や新たな展開について

②潜在化している課題や問題点の指摘、改善策の提示

③事業継続のための「寄付型モデル」「事業型モデル」のあり方

④次代を担う子どもを社会に参加させていくための方法や、その意義、訴え方のアドバイス

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模擬選挙推進ネットワーク・紹介

≪概要≫学校の先生を含め全国で未成年模擬選挙を実施している人間で構成しているネットワーク組織。模擬選挙の普及活動のほか、10代のための永田町体感ツアー・政党本部探検など、未成年者に政治に興味・関心を持ってもらえるプログラムを提供している。

 ※模擬選挙推進ネットワークは特定の政党・宗教団体の影響下にない「公平・中立・公正」な組織です

≪事業≫①市民性を育む場造り事業 ・未成年模擬選挙:有権者ではない、未来の有権者である20歳未満が、実際の選挙にあわせて  実際の立候補者・政党に対して投票する。実際の選挙結果との比較や、投票理由などを議員に  届ける。 ・生の政治に触れる:学校の授業内での学習、各政党から提供されるマニフェストや新聞記事、  10代による公開質問状、現役の政治家と意見交換を行う「永田町ツアー」などを通して、生の政治  に触れ、社会のあり方について考え、議論する場を設ける。②市民性教育のありかた調査研究事業 ・国内外の市民性/民主主義教育の情報収集と研究会実施(2004年および2008年のアメリカ大統  領選挙での模擬選挙の視察/アメリカでは約700万人が投票) ・主に中高生世代の社会意識や市民性のとらえかたを探る「10代の世論調査」の実施

≪設立年月≫2006年12月設立(NPO法人Rightsが2002年2月から取り組んできた「未成年“模擬”選挙」の運営を、より「中立・公正」かつ戦略的に推進していく組織として発展・独立)

模擬選挙推進ネットワークとは①

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模擬選挙推進ネットワーク・紹介

≪活動の成果・実績≫・2002年2月の町田市長選挙以降、すべての国政選挙、首長選挙(知事選、市長選など)、 議会選  挙などで模擬選挙を実施し、3万人以上の未来の有権者が投票・日本青年会議所「2005年度人間力大賞・衆議院議長奨励賞」受賞・財団法人明るい選挙推進協会「平成19年度明るい選挙推進優良活動」表彰・経済産業省「シティズンシップ教育と経済社会での人々の活躍についての研究会」報告書での掲載・教育再生懇談会(内閣府)でプレゼン(2009年3月) など

≪未成年“模擬”選挙 実施体制≫

 呼びかけ 模擬選挙推進ネットワーク http://www.mogisenkyo.com/ ←「模擬選挙」で検索!

 賛同・協力(順不同/敬称略)      模擬選挙実施学校     政策シンクタンク「構想日本」    社団法人日本青年会議所

      財団法人明るい選挙推進協会      各地の公開討論会実施団体        模擬選挙応援団

      各地の模擬選挙実施団体・グループ  投票してくださる未来の有権者の皆さん  など

≪連絡先≫

 模擬選挙推進ネットワーク   〒194-0032 東京都町田市本町田939-9

   電話:090-6025-9614(代表・山崎) 090-1991-7458(事務局長・林) ファックス:042-720-8856

   E-mail:[email protected](事務局長・林)  Web http://www.mogisenkyo.com

模擬選挙推進ネットワークとは②

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ご清聴いただきありがとうございます。今後とも、よろしくお願いいたします。

林 大介 

[email protected]://www.hayadai.net/

http://www.mogisenkyo.com/Twitter hayadai1976