日本版dmo形成・確立計画 1. 日本版dmoの組織 ·...

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(別添)様式1 1 日本版DMO形成・確立計画 1. 日本版DMOの組織 申請区分 広域連携DMO 日本版DMO候 補法人の名称 一般社団法人東北観光推進機構 マーケティン グ・マネジメン ト対象とする区 東北7県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県) 所在地 宮城県仙台市 設立時期 2007 年 6 月 7 日「東北観光推進機構(任意団体)」設立 2017 年 4 月 1 日「一般社団法人東北観光推進機構」へ移行 職員数 26 人(プロパー職員1名、出向社員 25 名) 代表者(トップ 人材:法人の取 組について対外 的に最終的に責 任を負う者) ※必ず記入する こと (氏名) 会長 小縣 方樹 (出身組織名) 東日本旅客鉄道(株) 東日本旅客鉄道(株)代表取締役副社長を経て、 2011 年 6 月より取締役副会長会長。2018 年 6 月 より東北観光推進機構の会長を兼務。海外も含 めた幅広い政財界や観光業界の役職を務める 等、東北の観光産業の振興と経済の発展のため に様々な取り組みで成果を挙げている。 法人の事業執行 について責任を 負う者 (氏名) 専務理事推進本部長 紺野 純一 <専従> プロパー職員 東日本旅客鉄道(株)において、主に国内・海外 の旅行業及び観光業務に従事し、仙台駅長、仙 台ターミナルビル(株)専務取締役総支配人を経 て、2015 年 6 月より現職。観光業界等における 幅広い知見を有し、東北地域における観光業界 等との連携を活かし、東北の観光産業振興と経 済の発展のために貢献している。 各種データの分 析・収集等(マ ーケティング) の責任者(専門 人材) ※必ず記入する こと (氏名) 毛利 直俊 <専従> (出身組織名) (株)JTB (株)JTBにおいて、法人営業、海外商品造成 等業務に従事し、東日本海外旅行仕入販売部商 品企画課長、法人営業丸の内支店営業課長、霞 が関営業部副事業部長を経て 2016 年 7 月より派 遣現職。観光・旅行業における幅広い業務経験 を有し、豊富な知見と高い能力を有している。 東日本大震災発生後においては、(株)JTBの 東北観光復興担当として仙台に駐在し、東北観 光を熟知しているほか、東北内外の観光関係者 とのネットワークを有している。 連携する地方公 共団体の担当部 署名及び役割 青森県 観光国際戦略局(観光政策全般) 岩手県 商工労働観光部(観光政策全般) 宮城県 経済商工観光部(観光政策全般) 秋田県 観光文化スポーツ部(観光政策全般) 山形県 観光文化スポーツ部(観光政策全般) 福島県 商工労働部観光交流局(観光政策全般) 新潟県 観光局(観光政策全般) 仙台市 文化観光局(観光政策全般) 連携する事業者 ・東北経済連合会、東北六県商工会議所連合会、新潟県商工会議所連合会、東北域

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(別添)様式1

1

日本版DMO形成・確立計画

1. 日本版DMOの組織

申請区分 広域連携DMO

日本版DMO候

補法人の名称

一般社団法人東北観光推進機構

マーケティン

グ・マネジメン

ト対象とする区

東北7県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県)

所在地 宮城県仙台市

設立時期 2007 年 6月 7日「東北観光推進機構(任意団体)」設立

2017 年 4月 1日「一般社団法人東北観光推進機構」へ移行

職員数 26 人(プロパー職員1名、出向社員 25名)

代表者(トップ

人材:法人の取

組について対外

的に最終的に責

任を負う者)

※必ず記入する

こと

(氏名)

会長 小縣 方樹

(出身組織名)

東日本旅客鉄道(株)

東日本旅客鉄道(株)代表取締役副社長を経て、

2011 年 6月より取締役副会長会長。2018 年 6 月

より東北観光推進機構の会長を兼務。海外も含

めた幅広い政財界や観光業界の役職を務める

等、東北の観光産業の振興と経済の発展のため

に様々な取り組みで成果を挙げている。

法人の事業執行

について責任を

負う者

(氏名)

専務理事推進本部長

紺野 純一 <専従>

プロパー職員

東日本旅客鉄道(株)において、主に国内・海外

の旅行業及び観光業務に従事し、仙台駅長、仙

台ターミナルビル(株)専務取締役総支配人を経

て、2015 年 6月より現職。観光業界等における

幅広い知見を有し、東北地域における観光業界

等との連携を活かし、東北の観光産業振興と経

済の発展のために貢献している。

各種データの分

析・収集等(マ

ーケティング)

の責任者(専門

人材)

※必ず記入する

こと

(氏名)

毛利 直俊 <専従>

(出身組織名)

(株)JTB

(株)JTBにおいて、法人営業、海外商品造成

等業務に従事し、東日本海外旅行仕入販売部商

品企画課長、法人営業丸の内支店営業課長、霞

が関営業部副事業部長を経て 2016 年 7月より派

遣現職。観光・旅行業における幅広い業務経験

を有し、豊富な知見と高い能力を有している。

東日本大震災発生後においては、(株)JTBの

東北観光復興担当として仙台に駐在し、東北観

光を熟知しているほか、東北内外の観光関係者

とのネットワークを有している。

連携する地方公

共団体の担当部

署名及び役割

青森県 観光国際戦略局(観光政策全般)

岩手県 商工労働観光部(観光政策全般)

宮城県 経済商工観光部(観光政策全般)

秋田県 観光文化スポーツ部(観光政策全般)

山形県 観光文化スポーツ部(観光政策全般)

福島県 商工労働部観光交流局(観光政策全般)

新潟県 観光局(観光政策全般)

仙台市 文化観光局(観光政策全般)

連携する事業者 ・東北経済連合会、東北六県商工会議所連合会、新潟県商工会議所連合会、東北域

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(別添)様式1

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名及び役割 内の商工会議所、各経済同友会等の経済団体(経済団体との連携)

・東北地銀六行等の連携による「東北観光金融ネットワーク」等を中心とした金融

機関(金融等他分野との連携)

・東日本旅客鉄道、日本航空、全日本空輸、東日本高速道路、東北六県バス協会連

合会など運輸事業者(域内外の事業連携や戦略策定への助言)

・日本観光振興協会東北支部、日本旅行業協会東北支部、日本旅館協会東北支部、

日本ホテル協会東北支部など観光団体(誘客促進事業等の連携)

・旅行会社各社の旅館ホテル連盟などの事業団体(現地サービス等の連携)

・東日本電信電話、NTTドコモなどの通信業界企業(来訪者受入環境整備事業等

に関する連携)

・域内の地域連携DMO候補法人、地域DMO候補法人、及びそれらを目指す広域

協議会、市町村観光協会などの地域観光団体(事業の連携、プロモーションの連

携、広域マーケティングの共有)

官民・産業間・地

域間との持続可

能な連携を図る

ための合意形成

の仕組み

(該当する要件)

①理事会、通常総会の開催

(概要)

当機構の役員は行政、経済・産業・観光関係の企業・団体など幅広い分野から選出

されており、年に 3~4回開催する理事会において、事業計画内容の審議、事業進

捗状況の報告・確認、事業実施結果の評価等を行い、合意形成を図っている。ま

た、年に 1回開催する通常総会では、当機構の正会員に対し、事業内容を報告する

とともに、幅広く意見を聴取し、事業執行への反映に努めている。

②行政観光戦略会議の開催

(概要)

地方公共団体との意見交換・合意形成の場として年に 4回の会議を開催し、観光行

政施策から当機構の事業との連携等について具体的な提案や審議を行い、事業内容

策定に反映している。

③東北観光戦略会議の開催

(概要)

民間団体・企業との意見交換・合意形成の場として年に 2回の会議を開催し、民間

としての見地から当機構の事業に対する具体的な提案や審議を行い、事業内容策定

に反映している。

④6誘致協・6旅ホ連会議の開催

(概要)

各旅行会社協力施設の連合会や各旅館ホテル連盟等との意見交換・合意形成の場と

して年に 2回の会議を開催し、旅館ホテル等の宿泊施設や着地交通業者としての見

地から当機構の事業に対する具体的な提案や審議を行い、事業内容策定に反映して

いる。

⑤DMO 会議の開催

(概要)

域内の DMO 法人及び DMO 候補法人との会議を年 2回開催し、戦略の共有、事業の調

整、広域マーケティングの共有等を行うことで、事業の重複を廃し、マーケティン

グに基づく効果的な取組みが地域の DMO との連携のもと行えるようにしている。

地域住民に対す

る観光地域づく

りに関する意識

啓発・参画促進

の取組

広域連携DMOのため、対象外。

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(別添)様式1

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法人のこれまで

の活動実績

(活動の概要)

(1)幅広い連携によるオール東北の実現

・東北7県の官民トップが一体となって主要市場を訪問するトップセールスは、

2016 年の台湾に続き、2017 年は香港、2018 年は大連市(中国遼省寧)で実施。現

地では行政・観光関係団体等の代表との交流を深め、相互関係を強固なものとする

とともに、東北の魅力のプロモーション、国際定期航・チャーター便就航に向けた

協力要請を行った。あわせて、JNTO(日本政府観光局)の一般消費者向けイベント

との連携により、東北の認知度向上と誘客促進の強化を図った。

・台湾においては、日本観光振興協会東北支部、東北6県、東北運輸局および東観

推で実行委員会を組織し、JNTO との連携のもと一般消費者を対象としたイベントを

2014 年度より毎年実施しており、東北各空港への定期便就航や増便、チャーター便

就航へと結びついている。現在、台湾は訪東北者数で全体の約4割を占めており、

着実に東北への誘客拡大につながっている。

・域内の連携促進については、広域連携DMOとしての活動を強化し、2018 年度よ

り地域連携DMOや地域DMOとの会議を新たに設定し、事業連携の調整等を開始

するとともに、適切な役割分担のもとで効率的な施策展開を図ってきた。また、

国、各県市、JNTO、東北運輸局等の行政機関、関連事業者等との役割分担のも

とで展開した施策・事業においては、事業重複を避ける調整役を果たすことで広域

連携による効果の最大化を図った。

・会員企業との連携として、2018 年より各県との連携のもと、東北6県の歴史・文

化等のテーマを掘り下げて紹介する「東北歴史文化講座」を東京において3回(各

回2県)開催し、東北への興味・関心の喚起と誘客促進を図った。また、カード会

社および旅館ホテル連盟等と連携したキャンペーンを実施し、東北への誘客拡大を

図った。

・域内の学校やこれまで観光との関係性が薄かった企業・団体等での講演を通じて

情報発信を行い、東北における広域観光の重要性等について多くの方々の理解に結

び付けるとともに、東観推が東北観光をリードする組織としての存在感を向上させ

た。

(2)戦略的なプロモーションと情報発信の拡充

・「訪日プロモーション地方連携事業」、「東北観光復興対策交付金事業」、「JNTO

東北デスティネーション・キャンペーン事業」等と連携を図るとともに役割を分担

することによって事業重複を避け、市場課題に対応した東北の認知度向上と東北へ

の誘客促進に取り組んできた。

・市場別に施策を展開するにあたっては、東日本大震災以降、回復が大きく遅れて

いる市場(香港、韓国等)、震災前の水準を回復しているものの日本全体の成長を取

り込めていない市場(台湾、中国、タイ等)、日本全体の成長と連動して成長してい

る市場(欧米豪等)に分類し、それぞれの市場・顧客特性に対応して取り組んだ。

〇東アジア:直行便を活用したダイレクトな誘客を狙う市場として、各県の取り組

みと連携して事業を推進した。

〔台湾〕

東北各空港への定期便・チャーター便の就航が増えている中、FIT(個人手配旅

行)層の取り込みを図るため、「日本東北遊楽日」等の一般消費者向けの情報発信

や、旅行会社と連携して東北への誘客拡大に向けた商談会等を実施。東観推独自事

業として高雄・台中で東北観光セミナー、現地旅行会社へのセールスコールを実

施。

〔中国〕

2022年の北京冬季オリンピックに向けてスノースポーツ人口の拡大を国策とし

ていることから、国際冬季運動博覧会(北京)への出展やスノーレジャーPR会

(上海:JNTO主催)への参加等を通してスノーリゾートを中心とした東北の冬

の魅力をプロモーションした。サポートデスクと連携した広州でのジャパンフェア

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への出展等、北京、上海、広州の三大都市における東北の認知度向上を図り、訪東

北旅行者の増加に向けた取り組みを実施。

〔韓国〕

韓国で人気の高い登山・トレッキング等SIT(目的を持った旅行)旅行者の取り

込みを図るため、韓国の旅行会社やメディアを招請し、旅行商品の造成支援や一般

消費者向けの情報や風評の克服に向けた情報を発信。

〔香港〕

2017年に実施したトップセールスを踏まえた旅行会社等へのフォローアップを

継続して実施。現地メディアと連携したイベント出展等により、一般消費者向けに

冬の東北の魅力をPRし、東北の認知度向上と風評払拭による誘客促進を図った。

〇東南アジア:サポートデスクを活用した情報発信をベースに、継続して東北の認

知度向上と東北への来訪意欲喚起を図るため、現地旅行博への出展やセールスコー

ルの実施など誘客促進に向けた取り組みを行った。

〔タイ〕

バンコクでの旅行博覧会に出展し、旅行会社および一般消費者へ東北の春の魅力を

発信して東北への誘客促進を図った。旅行会社へのセールスコールの継続実施によ

る商品造成を支援。各県市と連携しプログラムチャーター便等の誘致を継続して実

施。

〔シンガポール、マレーシア〕

旅行会社と連携して造成した旅行商品と連動する BtoC セミナーや旅行会社へのセー

ルスコールを実施した。デジタルコンテンツやフリーペーパーの活用や、旅行博へ

の出展などによって東北の認知度向上を図るとともに東北に関する情報を発信し

た。

〔ベトナム、フィリピン〕

今後のポテンシャルがある新市場であり、市場からの認知度向上と東北への誘客拡

大を図るため、2017年度にベトナム、2018年度にフィリピンにおいて、東

観推で初となる旅行博への出展を通して東北に関する情報発信を強化した。

〇欧米豪:JNTOの市場方針と連携し、長期旅行者の東北への取り込みを行っ

た。

〔豪〕

スキーSIT層への冬の誘客プロモーションに加えシーズナリティの平準化を目指

して四季の魅力を発信し、訪東北への関心層の裾野拡大を図った。

〔欧米〕

ソーシャルメディアの活用やデジタルコンテンツプロモーションの継続実施等によ

るFIT層への認知度拡大を図った。

・訪日外国人のFIT化が進展している中、WEBサイトやSNS等での情報発信

の重要性が高まっており、海外に向けた情報発信活動として、東北6県と連携して

制作した東北の四季の魅力を紹介する美映像を YouTube 等で全世界に配信し、多く

の方々に視聴されている。動画検索サイトの上位から津波映像が表示されなくなる

などの効果を得たことで風評の克服にも貢献した(夏:1,096 万回、秋:2,668 万

回、冬:2,136 万回、春(JNTO 作成):467 万回、2019 年 3月末現在)。

・市場(英語圏、中国、イスラム圏、韓国)に向けには、SNS(Facebook 等)に

よる情報発信を強化したほか、訪日外国人の旅行先の決定に大きな影響力を持つ

「口コミ」投稿の蓄積を促進し、「口コミ」を通して東北への誘客促進を図る取り組

みを行った。

・デジタル情報の発信力を強化するため、東北の観光情報のゲートウェイ機能を持

つ多言語(繫体字、簡体字、タイ語、英語、韓国語、日本語)ホームページをリニ

ューアルした。

・印刷媒体では、東北全体の認知向上と興味喚起を図るために外国人ライターを活

用したフリーペーパー「WAttention Tohoku」(繫体字、簡体字、タイ語、英語)を

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作成し、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシアの日系飲食店・スーパー等

で配布した。

・日本語版 Facebook についても、時季に応じたイベントや祭等、東北の観光情報を

タイムリーに発信し、フォロワーを通じた情報の拡散を図ることによって効果的な

情報発信に努めた。

・会員・賛助会員向けの情報発信として、東観推の活動内報告をはじめ会員が参加

可能なイベントやセミナーの情報を掲載した「旅東北 NEWS」を2018年10

月より月刊での発行を開始した。

(3)域内観光コンテンツの磨き上げ

・「日本の奥の院 東北探訪ルート」の 16 拠点 65市町村と連携して取り組んできた

広域観光周遊ルートにかかる事業については、2018 年度よりその支援スキームが変

更となり、DMO主体の事業となった。このため広域連携DMOである東観推が東

北観光全体の調整役となり、東北運輸局と連携して域内方針(ブロック方針)等の

戦略構築や具体的なアクションプランを策定し、広域観光の牽引役として各種事業

の調整等を行い、地域DMOとの連携を通じ地域の観光資源の磨き上げを行った。

(4)受入環境の整備促進

・訪日外国人のFIT化が急速に進展しており、それに伴い交通手段や通信環境、

観光施設等、受入環境のさらなる整備が必要になっている。訪日外国人が東北を訪

れる際の不安解消と利便性向上施策として多言語電話通訳サービスを実施している

が、既存の観光関係者の大幅な登録増に加え、訪日外国人等の安全安心の確保に向

けた福島・宮城両県警との相互協力の覚書締結等、導入対象を拡大した結果、登録

数は約2,700施設となった。

・多言語スマホアプリ「Discover TOHOKU Japan APP」の開発・改良を行うととも

に、新しく作成した東観推のホームページでも利用できるようにした。また、外国

人の関心が高い農家民泊を紹介する体験型民泊のパンフレットを作成して海外の旅

行博で配布したほか、主に農山漁村地域への民泊と地域での体験を組み合わせた地

域コンテンツを開発した。

・二次交通の課題解消として、東北高速バス共通フリーパス運営協議会と連携した

高速バスフリーパス「TOHOKU HIGHWAY BUS TICKET」の作製や、訪日外国人のレンタ

カー利用の増加に対応し、東北6県レンタカー協会と連携してステッカーを作製

し、各レンタカー会社で活用されている。このほか東北の旅行目的地としての魅力

をアピールするため、ナイトタイム・モーニングタイムエコノミーをコンセプトと

したパンフレット制作等、訪日外国人の受け入れ環境整備に向けて多様な事業を実

施した。

(5)人材の育成とネットワーク化

・オール東北の観点から東北の観光振興策を企画・立案する構想力と、それらを実

践する行動力を持った人材を育成することを目的とした人材育成塾「フェニックス

塾」を、2016~2018 年度の3期にわたり広域観光周遊ルートの拠点地域において実

施した。3期計で 111 名の次世代の観光人材を育成するとともに、地域・業種を超

えて東北一体となった塾生間のネットワークの形成を進めた。また、卒塾生を対象

とした勉強会を開催し、卒塾後のネットワーク強化も図った。

(6)マーケティング、広域観光戦略の強化

・2017 年4月の一般社団法人化にあわせて、東観推では観光庁が提唱する日本版D

MOのうち「広域連携DMO」として申請し、同年 11月に「日本版DMO法人」と

して登録された。

・2017 年度より事業企画部を新設し、外部との調整・マーケティング機能の強化を

図るとともに、東北版DMOの形成を目指し、域内DMOとの戦略、事業の共有を

図ることを目的とした「DMO会議」を 2018 年度において新設し、域内DMOとの

連携の強化を図った。

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(別添)様式1

6

(定量的な評価)

※延べ宿泊者数の推移(従業者数 10 人以上施設) (単位:万人泊)

(資料)観光庁「宿泊旅行統計調査」より

※外国人延べ宿泊者数の推移(従業者数 10人以上施設) (単位:万人泊)

(資料)観光庁「宿泊旅行統計調査」より

※東北各県別外国人宿泊数の推移(従業者数 10人以上施設) (単位:人泊)

(資料)観光庁「宿泊統計調査」より

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年宿泊者数 34,882 33,934 35,995 38,221 39,615 41,903 41,361 42,488 43,295前年比 - 97.3% 106.1% 106.2% 103.6% 105.8% 98.7% 102.7% 101.9%宿泊者数 3,760 3,933 3,870 3,910 3,977 4,037 3,965 3,955 3,948前年比 - 104.6% 98.4% 101.0% 101.7% 101.5% 98.2% 99.7% 99.8%全国シェア 10.8% 11.6% 10.8% 10.2% 10.0% 9.6% 9.6% 9.3% 9.1%宿泊者数 3,025 3,165 3,125 3,180 3,239 3,295 3,220 3,198 3,185前年比 - 104.6% 98.8% 101.7% 101.8% 101.8% 97.7% 99.3% 99.6%全国シェア 8.7% 9.3% 8.7% 8.3% 8.2% 7.9% 7.8% 7.5% 7.4%

全国

東北7県

(参考)東北6県

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年宿泊者数 2,494 1,702 2,382 3,124 4,207 6,051 6,407 7,182 7,904前年比 - 68.2% 140.0% 131.1% 134.7% 143.8% 105.9% 112.1% 110.0%宿泊者数 60 26 31 38 47 70 84 115 149前年比 - 43.8% 119.5% 121.8% 122.6% 149.9% 119.4% 136.8% 129.9%全国シェア 2.4% 1.5% 1.3% 1.2% 1.1% 1.2% 1.3% 1.6% 1.9%宿泊者数 51 18 23 29 35 53 65 95 121前年比 - 36.4% 126.7% 124.0% 122.7% 148.4% 123.4% 145.7% 128.5%全国シェア 1.9% 1.1% 1.0% 0.9% 0.8% 0.9% 1.0% 1.3% 1.5%

全国

東北7県

(参考)東北6県

地域 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 18/17増減青森県 58,510 27,600 39,390 57,130 69,670 109,900 143,590 239,280 289,750 121.1%岩手県 84,440 32,140 42,790 61,330 73,220 99,360 125,330 188,310 234,750 124.7%宮城県 148,740 47,860 74,590 78,400 102,550 161,250 175,480 232,660 344,420 148.0%秋田県 51,330 22,150 23,930 31,530 33,810 49,810 62,360 92,050 100,560 109.2%山形県 54,260 30,170 23,390 29,070 37,840 57,240 70,400 98,970 124,660 126.0%福島県 82,610 23,990 28,840 31,300 37,150 48,090 71,270 93,740 120,250 128.3%新潟県 94,480 78,870 81,100 93,590 114,610 177,320 190,950 203,430 277,370 136.3%

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(別添)様式1

7

実施体制 (実施体制の概要)

当機構は、新潟県を含む東北7県における広域観光流動を活性化させるために、

エリア内の官民が一体となった実施体制となっている。推進本部の人員は、プロパ

ー職員、民間事業者(運輸、旅行、金融等)及び行政(東北7県および仙台市)か

らの出向職員で構成。

(実施体制図)

〈組織体制〉

○会長(東日本旅客鉄道)

○専務理事推進本部長(プロパー)

○本部長代理(東日本旅客鉄道)

○事業企画部長(JTB)

○事業推進部長(日本旅行)

〇総務渉外部長(東北電力)

※他出向職員派遣組織

青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、仙台市、

JTB、リクルートライフスタイル、東急電鉄、日本航空、全日本空輸、

七十七銀行、東邦銀行、東北電力、東日本旅客鉄道

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(別添)様式1

8

2. 日本版DMO候補法人がマーケティング・マネジメントする区域

【区域の範囲】新潟県を含む東北7県エリア

【区域設定の考え方】

新潟県を含む東北7県は、本州の北辺に位置する近接県として、歴史・自然・風土などに共通点の

多いエリアである。また、東北観光推進機構の前身の一つである「東北広域観光推進協議会」(1993 年

5 月設立)より、新潟県を含めた東北7県の観光・経済団体等が連携した活動を行っており、現在も

インバウンドの状況等での共通課題を有するエリアとして、当機構は新潟県を含むオール東北として

一体となった対外PR強化等を行っている。

【東北プロモーション用統一ロゴマーク】

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(別添)様式1

9

【観光客の実態等】

延べ宿泊者数の推移(従業者数 10人以上施設) (単位:万人泊)

(資料)観光庁「宿泊旅行統計調査」より

外国人延べ宿泊者数の推移(従業者数 10 人以上施設) (単位:万人泊)

(資料)観光庁「宿泊旅行統計調査」より

東北各県別外国人宿泊数の推移(従業者数 10 人以上施設) (単位:人泊)

(資料)観光庁「宿泊統計調査」より

【観光資源:観光施設、商業施設、自然、文化、スポーツ、イベント等】

・青森県 津軽伝承工芸館、弘前城、白神山地、十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田、青森ねぶた祭、田

んぼアート、岩木山りんご狩り体験、ヒメマス

・岩手県 岩鋳鉄器館、遠野ふるさと村、浄土ヶ浜、奇跡の一本松、中尊寺金色堂、三陸鉄道、トレ

ッキング、毛越寺座禅体験、盛岡わんこそば、八斗汁

・宮城県 気仙沼漁港、一の蔵酒造、松島、仙台城跡、鳴子温泉、仙台七夕まつり、SENDAI

光のページェント、こけしの絵付け体験、キラキラ丼、牛タン

・秋田県 角館武家屋敷、秋田市民俗芸能伝承館(ねぶり流し館)、なまはげ館、田沢湖、ゴジラ

岩、乳頭温泉郷、大館曲げわっぱ体験工房、横手のゆきまつりかまくら・ぼんてん、石

焼料理、きりたんぽ鍋

・山形県 蔵王・樹氷、山寺・立石寺、上杉神社、出羽三山、銀山温泉、酒田舞娘、最上川舟下り、

山形花笠まつり、新庄まつり、さくらんぼ狩り

・福島県 猪苗代湖、大内宿、鶴ヶ城、五色沼、磐梯吾妻スカイライン、相馬野馬追、桧原湖の穴釣

り、会津塗体験、喜多方ラーメン、こづゆ

・新潟県 ぽんしゅ館、笹川流れ、弥彦公園もみじ谷、月岡温泉、長岡まつり、にいがた食の陣、高

田城百万人観桜会、佐渡島・たらい舟、村上の鮭文化、のどぐろ丼

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年宿泊者数 34,882 33,934 35,995 38,221 39,615 41,903 41,361 42,488 43,295前年比 - 97.3% 106.1% 106.2% 103.6% 105.8% 98.7% 102.7% 101.9%宿泊者数 3,760 3,933 3,870 3,910 3,977 4,037 3,965 3,955 3,948前年比 - 104.6% 98.4% 101.0% 101.7% 101.5% 98.2% 99.7% 99.8%全国シェア 10.8% 11.6% 10.8% 10.2% 10.0% 9.6% 9.6% 9.3% 9.1%宿泊者数 3,025 3,165 3,125 3,180 3,239 3,295 3,220 3,198 3,185前年比 - 104.6% 98.8% 101.7% 101.8% 101.8% 97.7% 99.3% 99.6%全国シェア 8.7% 9.3% 8.7% 8.3% 8.2% 7.9% 7.8% 7.5% 7.4%

全国

東北7県

(参考)東北6県

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年宿泊者数 2,494 1,702 2,382 3,124 4,207 6,051 6,407 7,182 7,904前年比 - 68.2% 140.0% 131.1% 134.7% 143.8% 105.9% 112.1% 110.0%宿泊者数 60 26 31 38 47 70 84 115 149前年比 - 43.8% 119.5% 121.8% 122.6% 149.9% 119.4% 136.8% 129.9%全国シェア 2.4% 1.5% 1.3% 1.2% 1.1% 1.2% 1.3% 1.6% 1.9%宿泊者数 51 18 23 29 35 53 65 95 121前年比 - 36.4% 126.7% 124.0% 122.7% 148.4% 123.4% 145.7% 128.5%全国シェア 1.9% 1.1% 1.0% 0.9% 0.8% 0.9% 1.0% 1.3% 1.5%

全国

東北7県

(参考)東北6県

地域 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 18/17増減青森県 58,510 27,600 39,390 57,130 69,670 109,900 143,590 239,280 289,750 121.1%岩手県 84,440 32,140 42,790 61,330 73,220 99,360 125,330 188,310 234,750 124.7%宮城県 148,740 47,860 74,590 78,400 102,550 161,250 175,480 232,660 344,420 148.0%秋田県 51,330 22,150 23,930 31,530 33,810 49,810 62,360 92,050 100,560 109.2%山形県 54,260 30,170 23,390 29,070 37,840 57,240 70,400 98,970 124,660 126.0%福島県 82,610 23,990 28,840 31,300 37,150 48,090 71,270 93,740 120,250 128.3%新潟県 94,480 78,870 81,100 93,590 114,610 177,320 190,950 203,430 277,370 136.3%

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(別添)様式1

10

【宿泊施設:域内分布、施設数、収容力、施設規模等】

2015 年度 ホテル営業 旅館営業

施 設 数 客 室 数 施 設 数 客 室 数

青森県 137 10,915 631 9,769

岩手県 170 11,582 677 10,059

宮城県 264 22,373 551 11,745

秋田県 95 7,696 495 8,512

山形県 131 8,260 722 11,965

福島県 262 16,983 1,380 21,370

新潟県 290 20,554 1,926 24,998

厚生労働省 HP「2015 年度衛生行政報告例-ホテル・旅館営業等の施設数」より

【利便性:区域までの交通、域内交通】

観光客の東北への入り口は、北海道・東北新幹線を中心に、東北自動車道によるマイカー・高速バ

ス、区域内の空港等が挙げられる。今後外国人観光客の拡大に向け、域内空港への国際定期便の拡充

が求められている。また、ターミナル駅、空港等からの接続交通の拡充も課題となっている。

◎ 主な交通手段

○ 航空(国際線)

空港名 路線名 運営会社 月 火 水 木 金 土 日

青森空港 ソウル 大韓航空 ● ● ● ● ●

天津 奥凱航空 ● ● ● ●

花巻空港 台北 タイガーエア ● ●

上海 中国東方航空 ● ●

仙台国際空港

ソウル アシアナ ● ● ● ● ● ● ●

上海・北

京 中国国際 ● ●

台北 タイガーエア ● ● ● ● ●

〃 エバー ● ● ● ●

〃 ピーチ ● ● ● ●

新潟空港

ソウル 大韓航空 ● ● ●

ハルビン 中国南方航空 ● ● ● ●

上海 中国東方 ● ●

台北 遠東航空 ● ● ●

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(別添)様式1

11

○ 航空(国内線)

東北および新潟県内 10 空港(仙台国際、青森、三沢、花巻、秋田、大館能代、山形、庄内、

福島、新潟)より全国各地に定期便が運航

○ JR等鉄道路線

・北海道・東北・山形・秋田・上越・北陸新幹線

・JR在来線及び民鉄・第三セクター鉄道

〇 高速道路

東北自動車道・八戸自動車道・秋田自動車道・山形自動車道・磐越自動車道・東北中央自動

車道・日本海東北自動車道・常磐自動車道

○ フェリー

宮古⇔室蘭

仙台⇔苫小牧、名古屋

秋田⇔苫小牧、新潟、敦賀

新潟⇔小樽、苫小牧、秋田、敦賀

【外国人観光客への対応】

・域内交通の外国人観光客への利便性強化策として、域内のJR線で使える JR East Pass のほか、

高速道路の Tohoku Expressway Pass、高速バスの Tohoku Highway Bus Ticket などを域内交通事

業者と共に展開。

・多言語電話通訳サービス、Facebook(英・中・韓・ムスリム&ベジタリアン向け)、着地型 ICT 多言

語案内システムなどの展開。

3. 各種データ等の継続的な収集・分析

収集するデータ 収集の目的 収集方法

WEBサイトのアクセス状況 地域に対する顧客の関心度や施策

の効果等を把握するため

グーグルアナリティクス

空間統計データ 訪日外国人旅行者の動態把握のた

モバイル空間統計

東北の県ごとの月別宿泊実績

(国内客、訪日客宿泊人員)

県ごとの宿泊状況・傾向を把握・

分析するため

観光庁宿泊旅行統計等

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(別添)様式1

12

4. 戦略

(1)地域の強みと弱み 好影響 悪影響

強み(Strengths)

・自地域で積極的に活用できる強みは何

か? ・四季ごとに大きく変化する自然景観

・域内でも開花時期が異なる桜

・東北三大祭り等集客力のある夏祭り

・スケールの大きな紅葉

・各地域の文化に根付いた雪祭り

・東北の特殊な気象環境でしかできない「樹氷」

・バラエティに富んだスキー場

・海外で評価の高い米・果実・海産物などの産地

・域内の世界遺産・日本遺産

・域内各地の多彩な温泉

・域内各地に残る伝統文化・工芸

・東北を縦断する北海道新幹線と、域内主要都市

と直結する新幹線

弱み(Weaknesses)

・自地域で改善を必要とする弱みは何か? ・海外からの直行便が少ない

・震災による風評

・海外の旅行者に対する東北の認知度が低い

・エリアが広く、観光資源が点在

・観光地までや観光地間の接続交通の不足

・多言語対応の不足

機会(Opportunity)

・自地域にとって追い風となる要素は何

か? ・仙台国際空港の民営化・国際線の拡大

・北海道新幹線の開業効果

・2020 年東北 6県 150 万人宿泊への政策後押し

・2019 年ラグビーワールドカップの開催

・2020 年オリンピックでの東北での一部開催

・査証発給要件の緩和

・訪日客のリピーター割合の増加

・インバウンドの地方分散化

脅威(Threat)

・自地域にとって逆風となる要素は何か? ・福島第一原発や地震に関する報道による風評

・他観光地との競争の激化

・人口減少による国内旅行者数の減少

・他の地域に比べて急速な人口減少

(2)ターゲット

○ターゲット

台湾、中国、香港、韓国、タイ

シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インドネシア、欧州、米国、

オーストラリア

○選定の理由

現在の訪日外国人旅行者の約7割を占めており、東北の各県への訪日来訪者比率でも

上位を占めている東アジア諸国をターゲットとしつつ、東北への訪日客数の伸び率が高

く、東北の観光資源のひとつである雪のニーズが高い東南アジア諸国もターゲットとし

ている。

2020 年の訪日外国人旅行者宿泊数 200 万人泊を目指していることから、優先順位と

しては、一定の人口(=市場規模)や東北への訪日数が多い、又は今後の伸びが期待で

きる国(=市場)を選定している。

○取組方針

重複を避けた効果的な施策展開、適切な KPI 管理に基づく PDCA サイクルの深度化に

向け、実施する施策を「認知度向上」・「誘客促進」・「受入環境整備」及び「推進体制」

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(別添)様式1

13

の視点にて整理する。

なお、市場特性・ニーズ及び各県・DMO等の取組みを勘案し、事業を「広域観光周

遊促進のための新たな観光地域支援事業」、「訪日プロモーション地方連携事業」、「東北

観光復興対策交付金(広域連携事業)」、「その他事業」に分類、計画し制度設計に応じた

弾力的な運用を行っていくこととする。

(3)コンセプト

①コンセプト

広域連携による「新しい東北観光の創造」

②コンセプトの考え方

東北は、他の地域に比べても少子高齢化にともなう人口減少の影響が強く、交流人口

の拡大が強く求められている地域である。

また東北には、世界自然遺産の白神山地をはじめとする豊かな自然環境、四季折々の

彩り鮮やかな景観、心身を癒す温泉や新鮮な食、伝統文化や祭などの豊富な観光資源が

存在しているが、全国的に増加している外国人訪日客の認知度はまだまだ低く、行政単

位などでのPRだけでは十分な訴求ができていない。また東日本大震災以降の風評も根

強く残ってしまっているのが現状にある。

ゴールデンルートに集中するインバウンドの地方への分散化、東北への誘客促進に向

けて、行政単位を超えた「オール東北」での効果的・効率的なプロモーションを強化す

ることで、現状の課題を解決し、外国人旅行客にも魅力的な観光地として「TOHOK

U」の認知度を高めていく。

また、交流人口を拡大に向けては、広い東北各地に点在している観光地の魅力の磨き

上げや、観光地への接続交通の充実等継続的な取組みが必要である。そのためには、こ

れまで以上に多くの業種の連携が必要となってくることから、従来の観光事業者の範囲

を超えた多業種の連携を進め、それらの連携により新しい東北の魅力の増進と来訪者拡

大を目指していく。

5. 関係者が実施する観光関連事業と戦略との整合性に関する調整・仕組み作り、

プロモーション

項目 概要

戦略の多様な関係者と

の共有

・行政および民間の企業・団体が連携・協働し東北観光の戦略を

策定していく。

・当機構の会員は、行政、経済団体、観光・運輸・通信・金融・

報道等の団体・企業等多くの業種の代表者により構成されてお

り、毎年の総会、年3回の理事会にて情報の共有、合意形成を行

っている。

・当機構が設置する行政観光戦略会議(年4回)、東北観光戦略

会議(年2回)、6誘致協・6旅ホ連会議(年2回)、DMO 会議(年

2回)を通じ、具体的な東北観光の戦略について意見集約・合意

形成をしている。

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(別添)様式1

14

観光客に提供するサー

ビスについて、維持・向

上・評価する仕組みや

体制の構築

・旅行会社・旅館ホテル等の宿泊施設からの意見を6誘致協・6

旅ホ連会議等において集約を行うとともに、会員である宿泊事

業者を中心としたアンケート調査等を実施し、受入環境の現状

把握やその改善に向けた取り組みにつなげている。

一元的な情報発信・プ

ロモーション

○オール東北での対外プロモーションの実施

・東北6県および新潟県の各知事、仙台市長が連携し、重要な市

場に対する「トップセールス」を開催。オール東北としての誘客

のプロモーションを実施。2016 年度は台湾、2017 年度は香港、

2018 年度は大連で実施。今後も継続していく。

・台湾に対しては、東北感謝祭等に合わせた大々的なプロモーシ

ョンも実施している。

・その他の市場についても、行政等と連携し、オール東北として

のPR強化を図っていく。

・外国人目線で東北の魅力をPRするフリーペーパー等を作成、

展開していく。

○WEBサイト等による一元的な情報発信

・各行政と共に作成した東北全体をPRする動画の配信、SNS

を活用した情報発信等を積極的に行う。

6.KPI(実績・目標)

(1)必須KPI

指標項目 単

2015 年

実績

2016 年

実績

2017 年

実績

2018 年

実績

(目標)

2019 年

目標

2020 年

目標

●訪東北外国人

旅行消費額

円 404 419 496

486

(700) 880 1,060

●訪東北外国人

延べ宿泊者数

70.2 82.7 114.8 149

(140) 170 200

●訪東北外国人

来訪者満足度 % ‐

<参考>

(96.0) 82.3

87.3

(86.0) 87.0 88.0

●訪東北外国人

リピーター率 % 68.6 73.7 75.1

62.1

(60.0) 55.0 55.0

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(別添)様式1

15

※年次及び目標数値の設定にあたっての検討の経緯及び考え方

【検討の経緯】

目標策定にあたっては、各県と連携し、各県の目標とも連動する数値を策定。

【設定にあたっての考え方】

●訪東北外国人旅行者旅行消費額

・訪日外客数実績(JNTO)、延べ外国人宿泊数(観光庁宿泊旅行統計調査)、及び入国港別平均

旅行消費額(観光庁訪日外国人消費動向調査)に基づき算出。目標については、2016 年実績

をベースに、訪東北外国人旅行者が堅調に推移することを見込み設定。

●訪東北外国人延べ宿泊者数

・延べ外国人宿泊数(観光庁宿泊旅行統計調査)に基づき算出。「明日の日本を支える観光ビ

ジョン」目標(2020 年までに東北 6県の外国人宿泊数を 150 万人泊とする)を踏まえ、新潟

県の市場見通しも勘案し、東北 7県の宿泊者数が堅調に推移することを見込み設定。

●訪東北外国人来訪者満足度

・東北観光復興対策交付金広域連携事業における「訪東北外国人嗜好性調査」のサンプリン

グ中間速報値(83.0%)をベースに算出。現状満足度を維持向上させていくことを目標に設

定。尚 2016 年については、東北観光復興対策調査業務における「訪東北旅行者に対する留

置きアンケート」結果の参考値。

●訪東北外国人リピーター率

・観光庁訪日外国人消費動向調査より算出。東北観光の現状として、訪東北旅行者の絶対数

僅少、かつリピーター依存度高く新規旅行者の伸びが低迷していることから、新規の訪東

北旅行者の拡大により今後裾野を拡げていく方針。よってリピーター率目標については、

当面は実績ベースを勘案し設定、2020 年は全国平均(54.3%、観光庁訪日外国人消費動向調

査より算出)を目安に設定。

<参考>訪東北外国人延べ宿泊者数ベース内訳

(2)その他の目標

※項目及び年次・目標数値の設定にあたっての検討のプロセス及び考え方

【検討の経緯】

必要なKPIの一つとなったため設定。

【設定にあたっての考え方】

●HPアクセス数 より多くの方に関心を持っていただけるウェブサイトを目指して、本年度よりホームページのリニュ

ーアルを3ヶ年計画で進めることとした。

今後、スマートフォン比率等を鑑みて更なる目標の改良を進めていく。

指標項目 単

2015 年

実績

2016 年

実績

2017 年

実績

2018 年

実績

(目標)

2019 年

目標

2020 年

目標

HPアクセス数 千

PV 3,651 3,008 3,070

2,090

(3,400) 3,700 4,000

(単位:万人泊)

2016年 2020年訪東北外国人述べ宿泊者数 82.7 200

(内 リピーター) 60.9 110(内 新規) 21.8 90

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(別添)様式1

16

7. 活動に係る運営費の額及び調達方法の見通し

(1)収入

年度 総収入(円) 内訳 2019 年度

(予定) 335,622,000(円) 【行政からの負担金】 120,500,000(円)

【会費収入】 122,345,000(円)

【補助金収集】(予定) 92,777,000(円)

2018 年度

(実績) 316,781,000(円) 【行政からの負担金】 120,500,000(円)

【会費収入】 120,260,000(円)

【補助金等収入】 76,021,000(円)

2017 年度

(実績) 227,000,000(円) 【行政からの負担金】 110,000,000(円)

【会費収入】 117,000,000(円)

2016 年度

(実績) 224,735,000(円) 【行政からの負担金】 110,000,000(円)

【会費収入】 114,735,000(円)

2015 年度

(実績)

227,290,000(円) 【行政からの負担金】 110,000,000(円)

【会費収入】 117,290,000(円)

2014 年度

(実績)

194,795,000(円) 【行政からの負担金】 110,000,000(円)

【会費収入】 84,795,000(円)

2013 年度

(実績)

195,160,000(円) 【行政からの負担金】 110,000,000(円)

【会費収入】 85,160,000(円)

(2)支出

年度 総支出 内訳 2019 年度

(予定) 357,462,000(円) 【事業費支出計】 287,762,000(円)

・海外事業

・国内事業

・その他事業

【管理費支出計】 69,700,000(円)

2018 年度

(実績) 371,231,000(円) 【事業費支出計】 301,231,000(円)

・海外事業

・国内事業

・その他事業

【管理費支出計】 70,000,000(円)

2017 年度

(実績) 238,489,000(円) 【事業費支出計】 185,689,000(円)

・海外事業

・国内事業

・その他事業

【管理費支出計】 52,800,000(円)

2016 年度

(実績)

244,752,826(円) 【事業費支出計】 180,503,490(円)

・海外事業

・国内事業

・その他事業

【管理費支出計】 64,249,336(円)

2015 年度 222,353,732(円) 【事業費支出計】 180,055,187(円)

・海外事業

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(別添)様式1

17

(実績) ・国内事業

・その他事業

【管理費支出計】 42,298,545(円)

2014 年度

(実績)

198,595,902(円) 【事業費支出計】 175,508,315(円)

・海外事業

・国内事業

・その他事業

【管理費支出計】 23,087,587(円)

2013 年度

(実績)

194,668,715(円) 【事業費支出計】 171,844,487(円)

・海外事業

・国内事業

・その他事業

【管理費支出計】 22,824,228(円)

(3)自律的・継続的な活動に向けた運営資金確保の取組・方針

8. 日本版DMO形成・確立に対する関係都道府県・市町村の意見

9. 記入担当者連絡先

担当者氏名 大野 卓郎

担当部署名(役職) 事業企画部(チーフ)

所在地 仙台市青葉区一番町 2 丁目 2-13 仙建ビル 8階

電話番号(直通) 022-721-1291

FAX 番号 022-721-1293

E-mail [email protected]

10. 関係する都道府県・市町村担当者連絡先

都道府県・市町村名 青森県

担当者氏名 宮古 曉

担当部署名(役職) 観光国際戦略局誘客交流課(課長)

所在地 青森市長島 1丁目 1-1

電話番号(直通) 017-734-9219

FAX 番号 017-734-8126

E-mail [email protected]

都道府県・市町村名 岩手県

新規会員の獲得及び既存会員の会費増額による会費収入の確保等に取組む。

(申請後の更新はなし)

青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、仙台市は一般社団人法人東北観

光推進機構を、新潟県を含む東北7県における広域連携DMOとして登録したいので、一般社

団人法人東北観光推進機構とともに申請します。

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(別添)様式1

18

担当者氏名 浅沼 秀行

担当部署名(役職) 商工労働観光部観光課(参事兼総括課長)

所在地 盛岡市内丸 10-1

電話番号(直通) 019-629-5574

FAX 番号 019-623-2510

E-mail [email protected]

都道府県・市町村名 宮城県

担当者氏名 佐藤 静哉

担当部署名(役職) 経済商工観光部観光課(課長)

所在地 仙台市青葉区本町 3丁目 8-1

電話番号(直通) 022-211-2895

FAX 番号 022-211-2829

E-mail [email protected]

都道府県・市町村名 秋田県

担当者氏名 成田 光明

担当部署名(役職) 観光文化スポーツ部 観光振興課(課長)

所在地 秋田市山王 4丁目1-1

電話番号(直通) 018-860-2265

FAX 番号 018-860-3868

E-mail [email protected]

都道府県・市町村名 山形県

担当者氏名 西澤 恵子

担当部署名(役職) 観光文化スポーツ部インバウンド・国際交流推進課

(課長)

所在地 山形市松波 2丁目 8-1

電話番号(直通) 023-630-2701

FAX 番号 023-630-2367

E-mail [email protected]

都道府県・市町村名 福島県

担当者氏名 友 敏光

担当部署名(役職) 観光交流局 観光交流課(課長)

所在地 福島市杉妻町2-16

電話番号(直通) 024-521-7287

FAX 番号 024-521-7888

E-mail [email protected]

都道府県・市町村名 新潟県

担当者氏名 野上 文敏

担当部署名(役職) 観光局 国際観光推進課(課長)

所在地 新潟市中央区新光町 4-1

電話番号(直通) 025-280-5955

FAX 番号 025-211-3533

E-mail [email protected]

都道府県・市町村名 仙台市

担当者氏名 渡邊 忍

担当部署名(役職) 文化観光局 東北連携推進室

Page 19: 日本版DMO形成・確立計画 1. 日本版DMOの組織 · 東北7県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県) 所在地 宮城県仙台市

(別添)様式1

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(東北連携推進担当課長)

所在地 仙台市青葉区国分町 3 丁目 7-1

電話番号(直通) 022-214-8019

FAX 番号 022-214-8316

E-mail [email protected]

Page 20: 日本版DMO形成・確立計画 1. 日本版DMOの組織 · 東北7県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県) 所在地 宮城県仙台市

法人名:一般社団法人東北観光推進機構 様式2

【区域】青森県・岩手県・宮城県・秋田県

山形県・福島県・新潟県

【設立時期】2017年4月1日

【代表者】会長 小縣 方樹

【マーケティング責任者】 事業企画部長 毛利 直俊

【職員数】 26名

【連携する主な事業者】

域内の自治体・経済団体・観光団体・宿泊事業者

・観光・運輸・通信・金融・報道等事業者 等

広域連携による「新しい東北観光の創造」

戦略的なプロモーションと情報発信

・マーケティング力の強化・域内関係機関や会員等域内事業者との連携強化

・東北における広域観光戦略策定・東北観光に関するワンストップ機能の拡充・組織基盤の強化

マーケティング力・広域観光戦略策定力強化

登録区分名:広域連携DMO(表:KPI(実績・目標))

2015年実績

2016年実績

2017年実績

2018年実績

2019年目標

2020年目標

訪東北外国人旅行消費額

404億円

419億円

496億円

486億円

880億円

1,060億円

訪東北外国人延べ宿泊者数

70.2万人泊

82.7万人泊

114.8万人泊

149万人泊

170万人泊

200万人泊

訪東北外国人来訪者満足度

‐(参考)

96.0% 82.3% 87.3% 87.0% 88.0%

訪東北外国人リピーター率

68.6% 73.7% 75.1% 62.1% 55.0% 55.0%

広域連携による「新しい東北観光の創造」

東北7県全体の交流人口拡大観光による東北7県の活性化・東北トップセールス・海外交流事業の実施

・公的機関、会員等との連携による国内外誘客事業の実施

・他分野との連携強化と新規事業への支援

幅広い連携によるオール東北の実現

域内観光コンテンツの磨き上げ

受入環境の整備促進

人材の育成とネットワーク化・ターゲットやテーマを明確にした誘客活動・市場ニーズをとらえた情報の発信・新市場の開拓・風評克服に向けた情報発信・会員を中心とした域内事業者向けの情報発信の強化

・東北広域観光周遊ルートの磨き上げとストーリー性あるコンテンツの創出

・東北観光復興対策交付金事業等の広域事業の実施

・東北各地への国際航空路線等の拡充・仙台国際空港のゲートウェイ化、各空港・ターミナル駅からのアクセス向上

・ICTサービス等の活用による利便性向上

・観光人材育成塾であるフェニックス塾の実施と塾生ネットワークの形成