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「志政かかみの」会派研修報告書 研修期間 平成 28 年 8 月 4 日~5 日 (2 日間) 【研修場所】 熊谷市 庁舎耐震補強について 川越市 越谷市 公共施設等総合管理計画作成について 【参加者】 三丸文也 杉山元則

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「志政かかみの」会派研修報告書

研修期間 平成 28 年 8 月 4 日~5日 (2日間)

【研修場所】

熊谷市 庁舎耐震補強について

川越市 〃

越谷市 公共施設等総合管理計画作成について

【参加者】 三丸文也 杉山元則

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熊谷市役所の耐震化(平成 28 年 8 月 4 日)

質問項目 熊谷市 各務原市

耐震診断結果(Is 値)

(最も低い値)

熊谷市役所は議会棟と事務棟がありそれぞれの耐震診断結果

性能が低い部分は、議会棟=0.083(耐震壁で緊急補強後 0.335)事務棟

=0.129

1 階=0.28、2 階=0.37

それ以外の階は 0.4 以上

目標とする Is 値 地盤等が安定しており Is 値 0.75(重要度係数 1.25)で良いと判断

(国は建物の重要度や地盤等に応じた個々の施設毎の状況で目標を検討

するとしている)

防災拠点は Is値0.9(重要度係数1.5)

を目指すとした(最初から 0.9 とし

て他の議論はしなかった)

耐震化を決めた経緯 来庁者や職員の安全の確保、災害対策本部の安全性が必要になるので、

議会各会派から一人づつが参加した耐震化検討委員会を立ち上げて検討

した結果、耐震化を決めた。

建て替えは約 90 億円を超す費用がかかり、工事期間も長期になるので、

早期の耐震化が必要だと考え耐震改修することにした。

【議会】全員協議会等で説明し、耐震を早くする議案を可決した。

【プロポーザル】設計と施工一括の公募型プロポーザルを行った。

① 耐震性能、②居ながらの工法、③経済性などを審査

3 企業体の応募があり、2 企業体は免震、1 企業体は制振の提案。

コンクリート寿命を 65 年として、後

20 年後には建て替えが必要で、ライ

フサイクルコストを計算すると建て

替えた方が安くなるとした。

耐震化の財源 社会資本整備総合交付金約 3 億、合併特例債 17.6 億他、合計 23.6 億円

国の補助と合併特例債の 7 割を除く市の負担は 9 億円弱に収まる計算に

なる。

耐震補強には防災対策事業債(45%)

などの交付税算入される有利な市債

があることを説明していない。

耐震補強の期間 耐震改修に係る設計約 9 か月間(平成 26 年 2 月~10 月)、工事に 19 か

月間(平成 26 年 11 月~平成 28 年 5 月)、合計 28 か月間(大成建設)

建て替えと同じ期間はかかる(5 年

かかる)

工事中の安全確保 居ながら工事なので、工事エリアとそれ以外を区別し案内を判り易く表

示。工事車両や資機材搬入を時間外に行う。

現庁舎の延命期間 庁舎の構造体(コンクリート)は 65 年以上もたせることは可能と考え

る。今後は外壁や設備の計画的な修繕が必要になる。

防災機能強化 自家発電設備、太陽光発電の更新。トイレマンホール6基新設

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【その他】

耐震化検討委員会の結果を受けて議会で議論し、議決した。

市民の意見聴取することはしなかった。

建て替えの意見は市長へのメールで1件あっただけでその他は無かった。

議員の大多数が耐震補強に同意した。

財源は防災対策事業債より合併特例債が有利だと判断した。

地下の耐震工事で上部の階は直していない(仮設庁舎は作らなかった)

【意見】

熊谷市は東日本大震災が発生し、安全性の確保が急務となったので、平成 23 年に耐震診断を実施した結果、耐震性能が低いことが判明した。

市議会議員を含む庁舎耐震化検討委員会を立ち上げて検討をした結果、少しでも早く安全性を確保することが必要だと判断されたことから、耐

震補強することが決まった。議会でも十分に議論された。(建て替えは多くの時間や予算を必要とすることから、殆ど議論にあがっていない。)

本市も熊谷市と同様な状況にあり少しでも早く安全性の確保が急務であることから、今すぐに耐震補強を実施するべきだと考えます。

予算に関しては仮に市の負担が 10 億円で耐震補強ができたとして、現庁舎を 20 年そのまま使うことができれば、今後発生する設備更新を考慮

しても十分にコスト削減になる。今は建設価格が一番高い時期であり、建て替えの時期をずらすことは大切だと考える。

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川越市役所の耐震化(平成 28 年 8 月 5 日)

質問項目 川越市

耐震診断結果(Is 値)

(最も低い値)

1 階 0.29

昭和 47 年 10 月本庁舎竣工

目標とする Is 値 Ⅱ類(Is値 0.75)

耐震化を決めた経緯 平成 22 年 7 月本庁舎耐震診断完了(2 回目)

平成 23 年 3 月東日本大震災、本庁舎では震度 5 弱、トイレ内装タイルにひび割れ

平成 24 年 5 月本庁舎耐震化基本計画策定

早期に耐震化を実現しなければならないという考えから耐震補強を決めた

① 平成 27 年度末までに耐震化を実現する

② 居ながらの施工

弾性ダンパー(制振工法)と鉄骨ブレース(耐震工法)の併用

粘りを持たせるために、柱軸壁にスリットを入れ、柱を炭素繊維巻補強

弾性ダンパーは鉄骨ブレースに比べ外部からの補強でよく、本数が少なくて済む

③ 財政負担の軽減

耐震化の財源 国の安全ストック形成事業補助 3.13 億(事業費 1/3)、地方債 7.5 億、一般財源 1.18 億、合計 11.8 億

耐震補強の期間 平成 25 年 3 月本庁舎耐震改修工事設計完了

平成 25 年 7 月~11 月入札手続き 総合評価方式による制限付一般競争入札

平成 26 年 2 月工事契約 工期 平成 26 年 2 月 3 日~平成 27 年 10 月 15 日(約 1 年 9 か月)

設計変更

平成 27 年 11 月 工事完成

耐震工事内容 枠付き制振ブレース新設(58 か所)、枠付き鉄骨ブレース新設

炭素繊維巻柱補強(86 か所)、ドライエリア水平ブレース新設

コンクリート壁増設(10 か所)、耐震スリット新設(255 か所)

コンクリートブロック壁補強、ガラスシーリング打ち替え、など

現庁舎の延命期間 今後 20 年は使用する

防災機能強化 自家発電設備

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【意見】

制振ダンパーは耐震ブレースより数が少なくて済み、内部補強は柱に炭素繊維を巻くことなどで耐震できる。また、耐震ブレースの場合は内部

にも耐震ブレースが必要になり、居ながら工事が難しく執務スペースが狭くなるが、制振工法は居ながら工事が可能で、執務スペースはそのま

まになるので各務原市でも有効な工法だと考える。各務原市では耐震ブレースを検討しており、制振補強は殆ど検討されなかったのが不自然に

思う。再度、耐震化基本構想の資料を見ると耐震ブレースはコスト面で◎とされ、全体を赤枠で囲って重要な方法としているが、制振補強はコ

スト面で〇とされ、赤枠で囲まれていない。資料の時点で既に制振構法より耐震ブレースや耐震補強壁が経済性で有利と赤枠で囲み、重要に考

えている資料には疑問を感じる。

工事費用は総額 12 億円弱で、国の補助 3 億円を差し引くと市負担は 9 億円弱で済んだ計算になり、制振ダンパーは経済性にも優れていること

になる。(各務原市の耐震ブレース補強の工事費は 18 億~21 億とされ、更に仮設庁舎が 7 億円必要としています)

熊谷市と同じ結論になるが、耐震補強を市負担約 9 億円に抑えてして今後 20 年現庁舎を使い続ければ、今後の設備更新費用を考慮しても経済

性が高いと考えます。各務原市でも制振構法による耐震補強を早急検討するべきだと考えます。

制振ダンパーを内側から見た様子

庁舎正面(制振ダンパー)

庁舎側面(制振ダンパー)

【参考資料】 飛島建設(トグル制振構法)https://www.tobishima.co.jp/technology/architecture/toggle/toggle03.html

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越谷市公共施設等総合管理計画作成の経緯(平成 28 年 8 月 5 日)

【策定の背景】

国は平成 25 年 12 月に総務省自治財政局財務調査課より「インフラ長寿命化基本計画」が示され、インフラの維持管理・更新等を着実に遂行す

るための中期的な取組みを明らかにする計画の策定が求められた。

越谷市はこの通知を受け、この時点で既に策定を進めていた「越谷市公共施設マネジメント白書」に国から示された内容を反映し、白書を修正

した「越谷市公共施設等総合管理計画」の平成 26 年度中の完成に向けて取り組んだ。庁内での検討やパブリックコメントを経て、平成 27 年 3

月に策定、公表した。

埼玉県も平成 25 年度に埼玉県公共施設アセットマネジメント推進会議を設置して、越谷市も参加した。

会議では東洋大学 PPP 研究センターが連携して、計画策定に向けた支援が行われた。

【策定体制】

平成 25 年度の 4 月に関係各課の課長で構成する「越谷市公共施設マネジメント白書策定検討委員会」を庁内に設置し、さらに委員会内に 5 つ

の部会を設け検討を開始した。

白書の策定にあたっては事務内容も広範囲となり、専門的な調査・検討が要求されることから、策定支援業務の委託契約を行った。

(決算額:平成 25 年度 6,573 千円/平成 26 年度 2,814 千円/合計 9,387 千円)

【パブリックコメント他】

平成 27 年 1 月から 2 月まで実施した(寄せられた意見なし)

平成 27 年 3 月に管理計画を公表

計画では今後 40 年間で

目標1、建物の総量の縮減 保有する建築物の 22%以上を減らす。

目標2、建物の長寿命化 建築物を 80 年以上使用する。

「ポイント要約版」「まんが版」を作成して周知に努めた。

【市民の反応】

しかし、市民アンケートでは 75%が知らないと結果がでた。

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【意見】

本市も今年度計画が発表されるが、市民の周知や具体的な施設の削減となった時にどのような話し合いになるか問題になると思われる。

少しでも早く市民に周知して理解を深めてもらう取り組みが必要だと思います。