怪我の悪化を防ぐrice処置 ~中学生への指導~怪我の悪化を防ぐrice処置...

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怪我の悪化を防ぐRICE 処置 ~中学生への指導~ 広島皆実高校衛生看護科 3年 石橋亜純 川本結菜 清本 河野瑞希 1年 田中 千夏 澤原萌夏 行事や部活動など活発に行動する中学生を対象に応急処置の中でもス ポーツの現場での怪我に対する正しい処置の知識をつけてもらい、周りに大 人がいない時でも自発的に行動ができ損傷部位の障害を最小限にとどめる 事を目的として4月からRICE処置の指導を行った。 4月) 事前アンケート 出前授業 対象、時期、授業内容など工夫をし、自発的にスポーツの現場での怪我に対する正しい処置を行えるようになった。今後も継続して指導を行い知識技術定着させ損傷部位の障害を最小限にとどめられるようにしたい。 参考文献:【 山海堂 実践スポーツケア 】【 テストの花道 事後アンケート 考察 5月) ある 2RICE処置の認知度 怪我の処置に対し 自信があるか 知らない 32知っている 7ない 37ない 20捻挫の有無 突き指の有無 ない 16ある 23ある 19(1)1か月後 ( 6) (2)2か月後 (7) RICE処置の4原則を覚えているか RICE処置の4原則を覚えているか 怪我に対しRICE処置を活用できたか はい 37いいえ 2はい 32いいえ 7はい 9いいえ 3RICE処置について R ( 安静 ) I ( 冷却 ) C ( 圧迫 ) E ( 挙上 ) おさえて あげた 模造紙、更に覚えやすい合言葉を用いる ②捻挫、突き指の処置 テーピング、包帯を用いる 2人1組で実際に行ってもらう RICE処置とは何か知ってもらう 特に怪我の多い捻挫、突き指の 処置に仕方を学んでもらう 怪我の処置に関するパンフレットRICE 処置についてのポスターを配布出前 授業後も内容について復習してもらえ るようにする 対象・時期 活動の盛んな中学生を対象に、新入生の加わる春から始めることでこ れから遭遇する怪我に対して対処がスムーズにかつ正しく処置できるよ うにすることができた。 参加型授業 RICE処置を習得しやすくするために2人1組でスポーツ現場での怪我を 想定し実際に行ってもらった。事後アンケート (2) のコメントから出前授 業後の怪我に対し“自ら動けていた” “活用し行えていた”等の言葉をも らうことができた繰り返すことの大切さ パンフレットやポスターを配布し復習を行ってもらう事で、事後アンケー (1) (2) からも分かるように定着率が上がったのではないかと考えたしかし、事後アンケート (1) を見るとRICE処置を覚えているかというア ンケートに対し、覚えている方が減っている。エビングハウスの忘却曲線 から反復しなかった場合意識も低下し忘れてしまい怪我に対し行動がで きなくなってしまうと考える。 またエビングハウスの忘却曲線から反復した場合,覚えている量が減ら ないことから繰り返し学んでもらう必要がある。 継続して顧問の先生や部長などと連携を取りポスターなどで復習を行え る機会をつくる。また出前授業も定期的に行い定着できるようにしたい。 RICE指導 スポーツ現場での怪我は応急処置が大切になってくる。放置、間違って いる処置をすると変形、腫脹、疼痛増強など悪化してしまう。今回,知識、 技術をつけてもらうことにより未然に防ぐことができた。 冷やして挙げた! 自分から動いて 対処することがで きた! 目につく場所に ポスターもあり、 忘れてはいな い! 徐々に意識が 低くなっている ….おわりに はじめ R (安静):腫れや炎症を抑え、出血を最小限にくいとめる I (冷却):冷やすことにより血管を収縮し、内出血を抑える C (圧迫):圧迫することで出血を抑え、内出血や体液の滲出による腫脹を抑える E (挙上):心臓より高い位置に持ち上げることで患部の血圧を下げ、腫れを抑制 すると同時に、拍動疼痛を緩和できる RICE 処置とは (広島市内中学校体育系クラブ生徒 39 人対象)

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Post on 22-May-2020

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Page 1: 怪我の悪化を防ぐRICE処置 ~中学生への指導~怪我の悪化を防ぐRICE処置 ~中学生への指導~ 広島皆実高校衛生看護科 3年 石橋亜純 川本結菜

怪我の悪化を防ぐRICE処置 ~中学生への指導~ 広島皆実高校衛生看護科 3年 石橋亜純 川本結菜 清本 望 河野瑞希 1年 田中 千夏 澤原萌夏

行事や部活動など活発に行動する中学生を対象に応急処置の中でもスポーツの現場での怪我に対する正しい処置の知識をつけてもらい、周りに大人がいない時でも自発的に行動ができ損傷部位の障害を最小限にとどめる事を目的として4月からRICE処置の指導を行った。

(4月) 事前アンケート 出前授業

対象、時期、授業内容など工夫をし、自発的にスポーツの現場での怪我に対する正しい処置を行えるようになった。今後も継続して指導を行い知識、技術を定着させ損傷部位の障害を最小限にとどめられるようにしたい。 参考文献:【 山海堂 実践スポーツケア 】【 テストの花道 ② 】

事後アンケート

考察

(5月)

ある 2人

RICE処置の認知度 怪我の処置に対し 自信があるか

知らない 32人

知っている 7人

ない 37人

ない 20人

捻挫の有無 突き指の有無

ない 16人 ある

23人 ある 19人

(1)1か月後 ( 6月 )

(2)2か月後 (7月)

RICE処置の4原則を覚えているか

① RICE処置の4原則を覚えているか

② 怪我に対しRICE処置を活用できたか

はい 37人

いいえ 2人

はい 32人

いいえ 7人

はい 9人

いいえ 3人

①RICE処置について R ( 安静 ) I ( 冷却 ) C ( 圧迫 ) E ( 挙上 )

「 あ れ おさえて あげた 」 模造紙、更に覚えやすい合言葉を用いる

②捻挫、突き指の処置 テーピング、包帯を用いる 2人1組で実際に行ってもらう

➊ RICE処置とは何か知ってもらう

❷ 特に怪我の多い捻挫、突き指の処置に仕方を学んでもらう

怪我の処置に関するパンフレットRICE処置についてのポスターを配布→出前

授業後も内容について復習してもらえるようにする

➊ 対象・時期

活動の盛んな中学生を対象に、新入生の加わる春から始めることでこれから遭遇する怪我に対して対処がスムーズにかつ正しく処置できるようにすることができた。

❷ 参加型授業 RICE処置を習得しやすくするために2人1組でスポーツ現場での怪我を想定し実際に行ってもらった。事後アンケート (2) ②のコメントから出前授業後の怪我に対し“自ら動けていた” “活用し行えていた”等の言葉をもらうことができた。

❸ 繰り返すことの大切さ パンフレットやポスターを配布し復習を行ってもらう事で、事後アンケー

ト (1) (2) からも分かるように定着率が上がったのではないかと考えた。 しかし、事後アンケート (1) ② を見るとRICE処置を覚えているかというア

ンケートに対し、覚えている方が減っている。エビングハウスの忘却曲線から反復しなかった場合意識も低下し忘れてしまい怪我に対し行動ができなくなってしまうと考える。

またエビングハウスの忘却曲線から反復した場合,覚えている量が減らないことから繰り返し学んでもらう必要がある。

継続して顧問の先生や部長などと連携を取りポスターなどで復習を行える機会をつくる。また出前授業も定期的に行い定着できるようにしたい。

❹ RICE指導 スポーツ現場での怪我は応急処置が大切になってくる。放置、間違っている処置をすると変形、腫脹、疼痛増強など悪化してしまう。今回,知識、技術をつけてもらうことにより未然に防ぐことができた。

冷やして挙げた!

自分から動いて

対処することができた!

目につく場所にポスターもあり、忘れてはいな

い!

徐々に意識が低くなっている

….?

おわりに

はじめに R (安静):腫れや炎症を抑え、出血を最小限にくいとめる

I (冷却):冷やすことにより血管を収縮し、内出血を抑える

C (圧迫):圧迫することで出血を抑え、内出血や体液の滲出による腫脹を抑える

E (挙上):心臓より高い位置に持ち上げることで患部の血圧を下げ、腫れを抑制 すると同時に、拍動疼痛を緩和できる

RICE処置とは

(広島市内中学校体育系クラブ生徒39人対象)