匿劃 自己免疫性肝炎におけるウルソデオキシコール …...キーワード:aih,...

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匿劃 自己免疫性肝炎におけるウルソデオキシコール酸(UDCA) の治療効果 木村 長田淳一 原田 恵子 市原寿江 佐藤幸一 小松島赤十字病院 内科 糖尿病を合併した63 歳女性の自己免疫性肝炎 (以下 AIH)患者にウルソデオキシコール酸 (以下 UDCA)600mg/ の投与を行い臨床的、組織学的に改善した症例を経験したが、その後 UDCA にて治療した 3 例の AIH 症例を加え治療 (SNMC)を併用した。治療前 GPT 各々 338 412 108 118IU/L であり、 UDCA 投与後 GPTの正常化までの期間は 1 週間、 3 ヶ月、 2 ヶ月、 6 ヶ月で あった。治療前の組織はいずれも肝実質と門脈域周囲の変化が主体で、 I 例以外、線維化は軽度であった。GPT 正常 化後の組織は実質と門脈周囲での改善が顕著であ った。UDCA の治療効果は症例によりぱらつきが大きいが、ステロ イドに比べ副作用の点で有利であり、初回治療に際し第一選択薬のーっとして考慮すべき薬剤と考えた。 キーワード: AIH UDCA SNMC ,ステロイド 4 症例 のまとめ はじめ に 原発性胆汁性肝硬変や原発性硬化性胆管炎に対する ウルソデオキシコ ール酸の有効性は確立されてきてい る。 また、 AIH に於いてもステロイドが投与できな いか、 もしくは、しづらい症例やステロイド単独でコ ントロールできない症例で有効との報告 1)もある 。 今回、 UDCA を第一選択薬として治療した 4 症例 を経験したので治療成績を報告する 。 往歴では、症例 l で糖尿病があるのみで、その他、自 己免疫性疾患などの特記すべきものはなかった。アル コールに関しては 、症例 2 l l 合程度の飲酒歴が あるのみであった。肝障害の原因となる薬剤の服用 や、輸血歴もなかった。当院受診のきっかけは、 3 が検診で、 l 例は糖尿病で通院中に肝障害を指摘さ れ、当院に紹介された。(表 1) VO L. 4 NO. 1 MARCH 1999 沿4 症例 1(M.F) 疲例 2(K. K) 症例 3 (T. K) 症例 4(c. F) 年齢、性 63 女性 58 歳男性 64 女性 62 女性 既住歴 糖尿病 (一) (-) (一) 7J レコー j (一) l 合/ 日 (-) (ー) 薬剤l (一) (一) (ー) (ー) 輸血歴 (ー) (ー) (ー) (ー) 契機 糖尿病 検診 検診 検診 現症 特記すべきことなし 特記すべ占ことなし 特記すべきことなし 特記すベ占ことをし 成績 自己免疫性肝炎の国際診断基準によるスコア _ 2) 全例治療前に 16 点以上の碓診症例であった。治療前 GPTは各々 338 412 108 118IU/Lで、 UDCA与後 GPT 正常化 までの期間は 1 週間、 3ヶ月 、 2月、 6 ヶ月であった。治療前の組織はいずれも肝実質 の変性、壊死と 門脈域、門脈域周囲の変化が主体であ り、症例 4 以 外 で は 、 線 維化 は軽度で、あった 。UDCA 投与後それぞれ 7 ヶ月、 8 ヶ月、12 ヶ月、 16 ヶ月めの 肝組織では、症例 l 4 で著明に改善していたが、症 23 で は 改 善 が 少 な か った。(表 2. 3) は他 院 で S NM Cの先行投与が約 2ヶ月間行われてい 自己免疫性肝炎に於ける UDCA の治療効果

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Page 1: 匿劃 自己免疫性肝炎におけるウルソデオキシコール …...キーワード:AIH, UDCA, SNMC,ステロイド 表 4症例のまとめ はじめに 原発性胆汁性肝硬変や原発性硬化性胆管炎に対する

匿劃 自己免疫性肝炎におけるウルソデオキシコール酸 (UDCA)の治療効果

木村 聡 長田淳一

原田 真

宮 恵子

市原寿江

佐藤幸一

小松島赤十字病院 内科

要 旨

糖尿病を合併した63歳女性の自己免疫性肝炎 (以下 AIH)患者にウルソデオキシコール酸 (以下 UDCA)600mg/日

の投与を行い臨床的、組織学的に改善した症例を経験したが、その後 UDCAにて治療した 3例の AIH症例を加え治療

成績を報告する 。 年齢は58~64歳、女性 3 倒、男性 l 例であった。 AIH スコアーによる診断では、全例とも確診例で

ある 。 投与 UDCA は600~900mg/ 日であり、短期、強力ネオミノフ ァ ーゲン C (SNMC)を併用した。治療前 GPTは

各々338,412, 108, 118IU/Lであり、 UDCA投与後 GPTの正常化までの期間は 1週間、 3ヶ月、 2ヶ月、 6ヶ月で

あった。治療前の組織はいずれも肝実質と門脈域周囲の変化が主体で、 I例以外、線維化は軽度であった。GPT正常

化後の組織は実質と門脈周囲での改善が顕著であった。UDCAの治療効果は症例によりぱらつきが大きいが、ステロ

イドに比べ副作用の点で有利であり、初回治療に際し第一選択薬のーっとして考慮すべき薬剤と考えた。

キーワード:AIH, UDCA, SNMC,ステロイド

表 4症例のまとめ

はじめに

原発性胆汁性肝硬変や原発性硬化性胆管炎に対する

ウルソデオキシコ ール酸の有効性は確立されてきてい

る。また、 AIHに於いてもステロイドが投与できな

いか、もしくは、しづらい症例やステロイド単独でコ

ントロールできない症例で有効との報告 1)もある。

今回、 UDCAを第一選択薬として治療した 4症例

を経験したので治療成績を報告する。

者患

年齢は58~64歳、女性 3 例 、 男性 l 例であった。 既

往歴では、症例 lで糖尿病があるのみで、その他、自

己免疫性疾患などの特記すべきものはなかった。アル

コールに関しては、症例 2で l日l合程度の飲酒歴が

あるのみであった。肝障害の原因となる薬剤の服用

や、輸血歴もなかった。当院受診のきっかけは、3例

が検診で、 l例は糖尿病で通院中に肝障害 を指摘さ

れ、当院に紹介された。(表 1)

VOL. 4 NO. 1 MARCH 1999

沿4型症例 1(M.F) 疲例 2(K. K) 症例 3(T. K) 症例 4(c. F)

年齢、性 63歳 女性 58歳男性 64歳 女性 62歳 女性

既住歴 糖尿病 (一) (-) (一)

7Jレコーjレ (一) l合/日 (-) (ー)

薬剤l (一) (一) (ー) (ー)

輸血歴 (ー) (ー) (ー) (ー)

契機 糖尿病 検診 検診 検診

現症 特記すべきことなし 特記すべ占ことなし 特記すべきことなし 特記すベ占ことをし

成績

自己免疫性肝炎の国際診断基準によるスコア _ 2)で

全例治療前に16点以上の碓診症例であった。治療前

GPTは各々338,412, 108, 118IU /Lで、 UDCA投

与後 GPT正常化 までの期間は 1週間、 3ヶ月 、2ヶ

月、6ヶ月であった。治療前の組織はいずれも肝実質

の変性、壊死と 門脈域、門脈域周囲の変化が主体であ

り、症例 4以外では、線維化は軽度で、あった。UDCA

投与後それぞれ7ヶ月、 8ヶ月、12ヶ月、 16ヶ月めの

肝組織では、症例 lと4で著明に改善していたが、症

例 2と3では改善が少なかった。(表 2.3)

UDCA 投与量は 、 600~ 900mg/ 日であり 、 症例 1 で

は他院で SNMCの先行投与が約 2ヶ月間行われてい

自己免疫性肝炎に於ける UDCAの治療効果

Page 2: 匿劃 自己免疫性肝炎におけるウルソデオキシコール …...キーワード:AIH, UDCA, SNMC,ステロイド 表 4症例のまとめ はじめに 原発性胆汁性肝硬変や原発性硬化性胆管炎に対する

た。症例2では経過中 にGPTの再増加が認められ

SNMCやステロイドの併用が必要であった。症例 3、

4では、 GPTの異常が長引くため SNMCやグリチロ

ンを併用した。(図 1)

表 2 4症例の検査成績と AIHスコアー

項トdT症例 1(M.F) 症例 2(K. K)

l。診断に必要な韓査項目1)性女性、男性 女性 +2 男性

2) ALP/GOT ω4/160 +2 287/817 +2 3) [gG(時IdI) 2昭4 +2 3420 +2 4 )自己抗体 ANAXl認。 十3SMAX640 +3 5 )抗iトコンドIJ71it!} (一) (-) 。6 )ウ{似マート (-) +3 (ー) +3 7)薬剤/血液製剤 (ー) +1 (ー) + 1 8) -8平均飲酒量(g) くあ +2 く35 +2 9 )遺伝的因子 (一) (ー) 。

2.付加的検査項目

1)病理組織 pm∞nanlnecrosis +2 brid~ngn償制的 +3

ふロ 計 17 16

v

症例1(M.F)UDCA

SNMC口

症例2(K.K)UDCA

SNMC

PSL

症例3(T.K)UDCA

SNMC

症例4(C.F)UDCA

グリチロン

症例 3(T. K) 症例 4(c. F)

女性 +2 女性 +2 192/74 +2 169/108 +2 3210 +2 (fgl伽lin1.6g) + 1

ANAX320 +3 ANAX80 +2 (ー) (-)

(ー) +3 (ー) +3 (ー) + 1 (ー) + 1 くあ +2 く25 +2 (-) (ー) 。

brid~ngn民T叩S +3 (brid即時fib悶sl+3

18 16

6

Eコ

v

出ト~AIHスコアー

j台 GPT

療y.GTP

ALP 前 組織ー骨量岨 ----曲』ーーー

1台 GPT

療y-GTP

ALP 後 組織

GPT正常化iでの問問U配A投与量住用車

12

図 1 投与薬剤の経過

2 自己免疫性肝炎に於ける UDCAの治療効果

表 3 4症例の治療前後の成績

症例 1(M.F) 症例 2(K. K) 症例 3(T.K) 症例 4(c. F)

17 16 18 16

338 412 108 118

772 388 112 24

292 208 177 203

3,3,3,1 4,4,3,1 6,4,4,1 3,1,1,3 ーーーーーーーーーーーー甲『・F ー...ー再ー・..ー・6__-ー ーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーー'ーーーーー昌司圃

8 14 13 31

21 21 14 10

153 168 97 182

0,1,1,1 (7month) 3,3,3, 1 (8month) 4,3,4,3{l2month) 0,0,1,3{l6month)

2 month 3 month 2 month 6 month

600 600→900 600 6∞ SMMC先行 SMMC+PSL SMMC グリチロ ン

18 24 30

-・・・・・E 一一←.

マ:GPT正常化

Komatushima Red Cross Hospital Medical Journal

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症例

症例 2を提示する。

症例 :58歳、男性

主訴 :肝障害の精査

家族歴 :特記事項なし。

既往歴 :薬物服用 (-)、輸血歴 ( -)

現病歴 :平成 7年 7月5日、検診のため近医受診

し、肝障害を指摘され、 肝庇護剤の投与を受けていた

が、肝障害が増悪するために平成 7年8月21日当科を

紹介され、翌日入院した。

入院時現症 :体格中、血圧140/80mmHg、脈拍102/

分、整。貧血、 黄痘、浮腫なし。胸部理学所見は異常

なし。肝牌Jl重、腹水も認めなかった。

入院時検査成積 :トランスアミナーゼの増加 とγ-

GTPの増加を認めた。また、赤沈の促進、 γグロプ

リンと抗平滑筋抗体価の増加も認めた。(表4)

|臨床経過 :(図 2)UDCA 投与後トランスアミナー

表 4 主要検査成績

尿 蛋白(土),織←),ピリルピン←)赤 沈 74岡n/hr

末舗血 Plt. 15.4x10・/μlHb 15.2g/dl RBG 490x10・/μl帽G 5350/μl

血液化学検査団TGPT

LDH T-bi 1. r-GTP ALP

See. 57.8" LYI11lh. 37. 0弛闘。no.3.4" Eosino.O.9% Baso. 0.9% 257 IU/L 721 IU/L 427 IU/L 0.6曙 /dl435 IU/L 253 IU/L

臥JN 17暗 /dlGRNN 0.9暗 /dlNa 141 rrfq/L K 4.1 町まq/LG I 105 rrfq/L FBS 93時 /dl

血清学的検査GRP 0.3r唱/dlHA-lgll(ー),随s..ae(ー), HCV-ab(ー)GIV-lgII(ー)

回 VGA-lgII付,回胤 x40免疫学的検査

蛋自分画TP 10. 6g/d I ANA

Alb 40.3耳 ASIIAαl-glb. 1. 9蝿 AIIAa2-glb. 7.4'軸β-glb. 8.5軸r-glb. 41. 9蝿

x20 x640 (ー)

経国学的検査HPT 88.5" PT 74首APTT 52. lsec

AT-m 73" Fib. 230r暗/dlFDP 5μg/ml

VOL. 4 NO. 1 MARCH 1999

SNMC r一寸60mllday L.....J 仁二二コUDCA

600mglday 1000

GPT (IUIL)

PSL

200

100

40

15mglday

500 + +

5 7 ・94 ・95 ・96 '97

7 '98

7 7

ESR(1hr) 79 97 60

IgG 3420 2440

ASMA X640 X320 X320

ANA X40 X80 X40

nunU

AU

4

ι

n

u

n

O

ノ』

3

xx

42 26 30

1440 1410

X160 X160 X80

X40 X80 X20 X20

LB : liver biopsy

図2 症例 2 臨床経過

ゼは急速に減少したが正常値には至らず、 2ヶ月後に

はトランスアミナーゼの再増加を認め SNMC60ml/日

の併用下に、UDCAを900mg/日に増量した。その後

トランサミナーゼは正常化、図 2下に示した赤沈、

IgG、抗核抗体、抗平滑筋抗体価なども減少した。 し

かし、2回目の生検組織では改善が弱く 、治療開始約

l年後に再度トランスアミナ ーゼが増加し、SNMC

併用も 再開した。一時的にトランスアミナーゼは正常

値とな ったが、その約半年後に、再び増加し、抗核抗

体、抗平滑筋抗体価の増加も認め、 SNMCを中止し、

プレドニゾロン15mg/日の併用を開始した。その後、

トランスアミナーゼは正常値を維持し、抗核抗体、 抗

平i背筋抗体価も減少しつつある。

病理組織 :UDCA治療開始直後の肝生検像では、

門脈域に リンパ球を主体とする炎症細胞の浸潤と 門脈

域周囲に piecemealnecrosisを、また、実質内に炎症

細胞の浸潤を強く認めた。(図 3)

UDCA 投与開始約 7ヶ月後、平成 8年の肝生検像

では、 piecemealne口縄osis、実質炎ともに、軽度だが

改善 していた。(図4)

ステロイド投与開始約 1年後、平成10年 6月の肝生

自己免疫性肝炎に於ける UDCAのi台療効果 3

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検像では、 piecemealnecrosisは消失し、炎症細胞の

浸潤はごく軽度であった。また、実質炎も認めなかっ

た。(図 5)

図 3

図 4

図5

4 自己免疫性肝炎に於ける UDCAの治療効果

考察

本 ~: I) の AIH では、欧米のものと比較し、高齢女性

に好発し、 HLA-DR4陽性の頻度が高く、進展も競徐

なものが多く存在するなどの特徴がある 3)。治療とし

てはプレドニゾロンなどの免疫抑制療法が一般的であ

る。一方、 UDCAは肝細胞障害作用のあるデオキシ

コール酸やタウロコール酸などの胆汁酸と置換するこ

とにより細胞障害性胆汁酸を減少させ、肝機能を改善

させるなどの抗胆汁うっ滞作用と HLAクラス I、ク

ラス H抗原の表出の抑制、リンパ球による免疫グロプ

リン産生の抑制、 1L-2、1L-4、1FN-y産生j:C1l制など

の免疫抑制作用を持つと報告されている O また、グル

ココルチコイド受容体を活性化しステロイド様作用を

発現する可能性も示唆されており へ 田中等は AIH治療において現時点における UDCAの適応を 1)全

身症状がほとんどないか軽微な症例、 2)グルココル

チコイドが副作用などのために使用できないかあるい

は使用しづらい症例、 3)グルココルチコイド単独で

はコントロールが困難な症例、4)肝機能が急速に悪

化 していない症例、 5)原発性胆汁性肝硬変などの臨

床像を併せ持ついわゆるオーバーラップ症候群の症例

としている 5)。

以前に報告した l症例を含め 6)今回検討した 4症例

では、全て自覚症状がほとんどなく、肝機能の急速な

悪化を認めなかった。グルココルチコイドが使用しづ

らい例は糖尿病の合併がある症例 lのみであった。前

述のように本邦の AIHでは高齢で、進行の緩徐なも

のが多く、上記適応の1)と 4)を満たせばUDCA治療の適応として良いと思われる。適応 3)に関して

も初回治療時には UDCA治療を先行し、症例 2,3 の様に組織の炎症が強く、組織の改善が悪い場合にス

テロイドなど免疫抑制療法の使用を考慮すべきかと思

われる。

おわりに

4例のAIHに対するUDCAの治療効果を報告した。

欧米と比べ、本邦の AIHには中高年発症で経過も

穏やかな例が多く、このため副作用はより重要な問題

となる。UDCAのAIH治療効果は症例によりばらつ

きが大きいが、ステロイドに比べ副作用の点で有利で、

Komatushima Red Cross Hospital Medical Journal

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あり、初回治療に際してフ ァース トチョイスとすべき

薬剤のーっと考えた。

文献

1) Mima S, Sekiya C, Kanagawa H, et al: Ursodeoxy-

cholic acid (UDCA) therapy for autoimmune

hepatitis. Int Hepatol Commun 2: 207-212, 1994

2) Johnson PJ. McFarlane IG : Meeting Report: Inter-

national Autoimmune Hepatitis Group. Hepatology

18 : 998-1005, 1993

3) Toda G, Zeniya M, Watanabe F, et al: Present

status of autoimmune hepatitis in Japan-correlating

the characteristics with international criteria in

an area with a high rate of HCV infection. J

Hepatol 26: 1207-1212, 1997

4) Tanaka H, Makino Y, Miura T, et al: Ligand-

indipendent activation of the glucocorticoid re-

ceptor by ursodeoxycholic acid. Repression of

IFN-y-ndu ced MHC class II gene expression via a

glucocorticoid receptor-dependent path way. J

Immunol 156: 1601-1608, 1996

5 )田中慶喜,伊東正春,牧野 勲 :自己免疫性肝疾

患の NewWave いま、そこにある 自己免疫性肝

疾患治療の実際 と臨床医の疑問点 AIHに対する

UDCA療法.Medicina 35: 71-73, 1998

6 )長田淳一,木村 聡,佐藤幸一,他 :UDCA投

与によ り,臨床的組織学的に改善をみた AIHの

l例.新薬と臨床 45 : 1055 -1060, 1996

Therapeutic Effects of UDCA in Autoimmune Hepatitis

Satoshi KIMURA, J unichi NAGAT A, Keiko M1Y A, Koichi SA TO, Makoto HARADA, Hisae 1CH1HARA

Division of 1nternal Medicine, Komatsushima Red Cross Hospital

We experienced a case of a 63 year old female autoimmune hepatitis (A1H) patient complicated with diabetes, who

was administer巴dursodoxycholic acid (UDCA) at a dos巴 of600 mg/day with a marked clinical and histological

improvement. 1n the present study, we report clinical results in this case as weU as those in three aditional cases

treated with UDCA subsequently.

The patients wer巴3women and 1 man aged between 58 and 64. Diagnosis was established in all cases based on A1H

scoring system. The patients were treated with UDCA (600・900mg/day)and a short couse of SNMC (40 to 60 ml/day,

iv) was given additionally. The pretretment GPT were 338. 412, 108 and 118 IU/L. resp巴ctively,and durations

between UDCA administration and normalization of GPT 1巴V巴1were 1 week, 3 months, 2 months and 6 months,

respectively. Histological changes before the treatment were mainly lobular and periportal and fibrosis was mild

exc巴ptin one case. The hepatic tissues after normalization of GPT showed marked lobular and periportal

improvement. Although the therapeutic effects of UDCA on A1H deviate greatly depending on the cases, it has

advantages over steroids in terms of adverse effects and is considered as on巴ofthe drugs of the first choice in the initial

treatment of this disease.

Key words : A1H, UDCA, SNMC, steroids

Komatushima Red Cross Hospital Medical Journa14 : 1-5,1999

VOL. 4 NO. 1 MARCH 1999 自己免疫性肝炎に於ける UDCAの治療効果 5