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INDUSTRY X.0 OF DIGITAL プラント・オペレーションで デジタルの力を最大限に活用する POWER UNLOCKING THE

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INDUSTRY X.0

OF DIGITAL プラント・オペレーションでデジタルの力を最大限に活用する

POWERUNLOCKING THE

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デジタル技術は化学業界の在り方を変えつつあります。アクセンチュアの調査によると1、化学企業は、オペレーション領域のデジタル化への変革に遅れをとっていることが判明しています。しかし、この状況は変わりつつあります。デジタル技術がプラント・オペレーションにもたらす経済的なメリットを、経営層が明確に認識するようになったことで、さまざまなデジタル・プロジェクトが推進されるようになってきているのです。

はじめに工場操業に関する業務の効率化と安心・安全な生産環境の実現は、化学企業の経営層にとって常に最優先の課題です。また、デジタル技術は、オペレーションの効果的かつ継続的な改善を実現する上で、重要な役割を果たすようになってきています。

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こうした見方は、アクセンチュアが実施した、化学プラント・オペレーションにおけるデジタル技術の活用に関する最新調査から得た重要所見です。12カ国の化学企業の経営幹部、360人を対象に実施した本調査では、スマートセンサー、クラウド、人工知能(AI)、アナリティクス、ウェアラブル等のプラント環境におけるデジタル技術に対する意識を調査しています。

本調査は、製造業のデジタル変革―アクセンチュアが提唱する「インダストリーX.0」に内在する具体的な価値への理解が進み始めた時期に実施されました。アクセンチュアでは、化学企業においてデジタル技術を用いた業務効率化を図ることにより、従業員一人あたり平均91,261ドルの経費を削減できると試算しています2。また、世界経済フォーラムとアクセンチュアの調査によると、デジタル技術の使用が普及することで、製造業では10年間で5,500億ドルの利益を得るとともに、1億トンのC02排出量を削減できると報告されています3。高度なデジタル技術の普及により、研究・開発や製造、サプライチェーンなどの主要な経営機能は、ワンランク上のレベルに引き上げられるでしょう。

これらのメリットの実現に向けた業界における取り組みは、まだ始まったばかりです。化学プラント・オペレーションにおけるデジタル技術の活用に関する今回の調査では、化学業界の「現在」と「未来」を見ることができます。また、化学企業がデジタル変革―インダストリーX.0にどのように注力していくべきかの指針も示されています。

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化学企業におけるインダストリーX.0インダストリーX.0とは、デジタル技術を組み合わせて利用することで、能動的に学習する能力を備えた、スマートでコネクテッドなオペレーションを実現する製造業の改革を指します。デジタル技術の普及は、すでにコンシューマー分野において加速していますが、製造業界においても進み始めています。高度なデジタル技術を用いて、主力事業の効率化や、従業員体験・顧客体験の向上、ビジネスモデルそのものの変革などに取り組む企業が増えてきています。

化学企業は、インダストリーX.0の技術を利用することで、デジタル技術に対応した新しいビジネスモデルに内在するイノベーションと成長の可能性を手にし、バリューチェーン全体に埋もれている価値も引き出すことができるようになります。

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化学企業におけるデジタル化の状況化学企業では、さまざまなデジタル技術を化学プラントに導入しています。現在、最も多く利用されているデジタル・ソリューションはアナリティクスで、回答者の67パーセントが「アナリティクスを運用している」または「試験運用を実施している」と回答しており、27パーセントが「アナリティクス戦略を策定済みまたは策定中である」と回答しています。

化学企業におけるデジタル化の最初のステップとして、アナリティクスの導入は必然といえます。化学企業では長年に渡り、オペレーションの自動化やプロセス管理、センサー、リアルタイムデータシステムなどに投資を行ってきました。さらにアナリティクスを導入したことにより、すでに保有しているデータを活用して、より迅速に、リアルタイムでビジネスの価値を創出できるようになりました。

しかし、化学業界はアナリティクスだけに注目しているわけではありません。化学企業では、さまざまなデジタル技術の導入を始めています。ピンポイントで課題解決できるような「特効薬」的な技術を採用するのではなく、インダストリーX.0の技術と組み合わせることによって、仕事のやり方が変革されることへの期待も高まっています。今回の調査では、さまざまなデジタル技術に関する設問で「(設問のデジタル技術は)自社ビジネスには関係ない」と答えた回答者は2パーセント未満でした。

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また調査では、デジタル技術がもたらす価値に対する化学企業の経営層の期待についても報告されています。回答者の半数以上が「アナリティクスはROI(投資対効果)におけるポテンシャルが最も高いデジタル技術である」と考えています(次に人工知能、クラウド、スマートセンサーと続きます)。

ROIに関する設問のほかにも、さまざまな製造オペレーションにおけるデジタル技術の戦略上の重要性に対する意識も調査しています。アナリティクスと人工知能の2つのデジタル技術が、比較的広範なオペレーション分野で上位にランクインした一方で、経営層が重要だと考えるデジタル技術は特定オペレーション分野に偏っていることがわかりました。

興味深いことに、ロボティクスの戦略的役割が期待できるオペレーションとして「生産実行」と答えた回答者が多く、「資材管理/サプライチェーン」と答えた回答者はほとんどいませんでした。現状でロボットの利用が進んでいるオペレーションを思い浮かべてみるとこの結果は少し意外ですが、今回の調査結果における「資材管理/サプライチェーン」への期待の低さは、すでに商品の梱包や移動など生産の最終工程におけるオートメーション化が済んでいる、という化学企業各社の状況が反映されていると解釈できます。ロボティクスが普及している分野への追加投資には、戦略上の価値を見いだしていないということがわかります。また、「生産実行」に対する期待が突出している理由としては、プログラムが容易で汎用性が高く、危険区域での使用にも適した高度なロボットの有用性が影響していると考えられます。

アナリティクスと人工知能が戦略上で重要であるとする見方は、これらの技術が持つ応用力の高さと、時間が経過してからも利益を生み続ける能力に起因するものでしょう。いずれの技術も、時間とともにデータが多く集まるほど機械学習の精度が向上し、人工知能の能力が高まっていきます。

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アナリティクス計画・スケジューリング、生産実行、品質管理

人工知能保全、資材管理/サプライチェーン、生産実行

コラボレーションとソーシャル・ツール保全、環境、健康、安全(EH&S)

高度な工程管理計画・スケジューリング、品質管理

ウェアラブルとモビリティEH&S、資材管理/サプライチェーン

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投資の増加は将来の優先事項を示す

「計画・スケジューリング」におけるデジタル技術への投資は、経営層の23パーセントが最優先事項だと考えており、52

パーセントが優先事項のトップ3に入ると回答しています。

今回の調査では、デジタル技術に対する経営層の関心の高まりが、投資や予算編成にどのような影響を及ぼすかについても調べています。現時点では大部分(80パーセント)が、前年に比べてデジタル技術に対する投資を増やしており、73

パーセントが前年の25パーセント以下、7パーセントが前年の25パーセントを超える投資の増加を予定しています。「投資を減らしている」という回答はごくわずかでした。

また、経営層のほぼ半数が「今後3年間で、アナリティクスはデジタル投資の中核要素になる」と回答しています。これは驚くことではなく、アナリティクスは戦略上でメリットがありROIにおいてポテンシャルが高い、という経営層の考えと一致しています。

今回の調査では、複数のデジタル技術に投資を分散させる傾向が見られました。回答者の3分の1以上が、最優先の投資対象として、人工知能、高度な工程管理、クラウドおよびスマートセンサーのプロジェクトを挙げています。

生産機能に関してデジタル技術への投資が必要と考えられる項目では、下記が優先度のトップ2を占めています。

計画・スケジューリング

資材管理/サプライチェーン

1

2「資材管理/サプライチェーン」では、上の回答がそれぞれ18

パーセントと62パーセントとなっています。

化学企業は「計画・スケジューリング」分野におけるデジタル技術に投資することで、バッチ生産を行っていたり、変更が多く発生したりする企業において、長年の課題となっていた分野への対策を講じることができるようになります。「計画・スケジューリング」への投資は、製造資産の稼働率向上、アジャイル方式による製造、複数施設に分散している生産工程の最適化などによるコスト削減を実現する上で不可欠です。

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デジタル・プロジェクト:効果のある投資化学企業の経営層は「デジタル技術への支出は優れた投資である」と確信しています。

経営層はデジタル技術の導入によりプラント・オペレーションに次の改善効果が認められたと回答しています。

これらの改善は、たとえばある製品の取引で価格を抑えつつ納品頻度を増やした提案ができるようになるなど、化学産業市場における差別化要因につながるケースが多いことから、極めて重要な意味を持ちます。

プラント管理の効率化

品質の向上

が、デジタル技術への投資結果に満足していると回答している。

92%

が、デジタル技術への投資結果に大変満足しており、デジタル・プロジェクトに求めていた利益をすべて、または大半を実現できたと感じている。

37%

が、デジタル技術を導入した結果、5~15パーセントのオペレーションを改善できたと回答している。

76%

リアルタイムなプロセスの最適化

処理スピードの向上/製品化までの期間の短縮

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が、売上が5~15パーセント増加したと回答。回答者の約4分の1が20パーセントを超える増収となったと報告。

たとえば営業利益で見た場合、

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将来に目を向けると、化学企業各社はデジタル・プロジェクトに対して、多額の資金投入を予定しています。デジタル技術がすでに生み出しているメリットを考えれば、これは驚くべきことではありません。

化学企業の経営層は、デジタル技術で実現した具体的な経済上のメリットを次のように回答しています。

85%回答者の85パーセントが、今後3年のうちに、デジタル技術全般に対する投資が増えると予測。

95%が、自社のプラント・オペレーションにおけるデジタル技術の経済的価値を評価できるようになったと回答。

4人のうち3人近く

10人のうち1人

が、1~25パーセントの投資の増加を予測。

が、25パーセントを超える投資の増加を予測。

半数(55%)

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課題:推進力の維持化学企業各社が、今後数年をかけてデジタル技術の導入を進めていくつもりであることは明らかです。また経営層は、それに伴う課題があることにも気付いています。デジタル化によってビジネスにおける価値創出を実現する上での最大の課題は何か、という意識調査では、回答者の多くが、「デジタル技術に対する理解不足」と「デジタル技術の成熟度の不足」を挙げています。

化学企業では、業界自体にデジタル技術に関する経験の蓄積がないことと、テクノロジーの急速な進化が相まって、デジタル技術に対する不透明感が生まれていると考えられます。このため、一つ目の課題である「デジタル技術に対する理解不足」は、デジタル技術の活用事例の周知に努め、社内での成功事例を実現して導入への推進力を維持することで解決できます。二つ目の課題である「デジタル技術の成熟度の不足」は、今後デジタル・プロバイダーが増えて「As-a-Service」デリバリーモデルが主流となり、プラットフォーム・プロバイダーによってサービスが標準化/合理化されていくことで解決される可能性が高いと考えられます。

さらに、三つ目の課題として「人々の行動を変えることの難しさ」が挙げられました。一方で「デジタル化のための資金調達」を課題と考える経営層は13パーセントでした。

経営層は、企業がデジタル技術を導入することで、社員は新しい技術への順応を求められる、ということを認識しています。人々の行動に関する懸念は、「人は簡単には変わることができない」という事実を浮き彫りにしています。経営層が認識しているデジタル技術そのもの以外の課題としては「スキル不足」や「プロセス変更の難しさ」「企業の風土」「デジタル戦略の欠如」などの回答がありました。化学企業全体として、テクノロジー以外の要因が大きな課題であると考えられていることがわかります。

化学企業各社では、すでにこのような組織的な課題への対応を始めています。ほとんど(81パーセント)の企業で、ガバナンス体制の一元化を目的とした情報テクノロジー(IT)部門とオペレーショナル・テクノロジー(OT)部門の統合を行っています。ITとOTの統合を実現していない企業の70パーセントが、ITとOTの統合を検討中だと回答しています。経営層がITとOTの統合によるシステムの堅牢性により2つの大きなメリットを期待しています。すなわち、計画外停止の削減、そしてインシデントや品質トラブルへの対応力の向上です。

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すべての業界で共通する課題ですが、サイバーセキュリティもまた重要な課題のひとつです。化学企業の経営層は、オペレーションの信頼性に関する問題と、生産損失や顧客に対する供給トラブルなど営業に関わる問題を、2つの大きなリスクとして捉えています。サイバーセキュリティ・インシデントは、知的財産や個人情報などの機密データの漏えいを引き起こすことも考えられます。

プラント・オペレーションに対するサイバーセキュリティ攻撃を追跡している企業のうち4分の3が「過去12カ月以内に30回を超えるサイバーセキュリティ攻撃を受けた」と回答しています。さらに回答を詳しく見ていくと、サイバーセキュリティ対策のフロント部分に大幅な改善の余地があることがわかりました。サイバーセキュリティ攻撃に対して、全体の44パーセントは数時間以内に対応を完了できていますが、残りの56パーセントは、問題を収束させるまでに、数日、数週間あるいは数カ月もの時間を費やしています。

回答結果から課題が浮き彫りにされましたが、この調査結果から企業の30パーセントが、すべてのプラント・オペレーションのサイバーセキュリティ・インシデントを追跡しているわけではないということが判明しました。つまり、そもそも自社のシステムに対する不正アクセスの頻度や状況を把握できていない、ということを示します。

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サイバーセキュリティは、プラント・オペレーションにとって、長年に渡る懸案課題でもあります。化学企業のシステムには、特殊なプロトコルの使用やポイント・ツー・ポイント・システム、分散制御システムなどのクローズド・ループ制御アプリケーションが採用されており、OT環境のほとんどがロックダウンされています。また、プラントの常時稼働やオペレーション・リスクの回避などのシステム要件に伴う制約もあり、多くの企業でシステムの最新化が進んでおらず、ITサイドにおける新たな脅威や進化したセキュリティ手法に追い付くことができていない状況です。この状況に加えて、大量のレガシー・アプリケーションとそのサポートに必要な複数のベンダー管理の煩雑さを考慮すると、OT環境にデジタル・ソリューションを導入するリスクが極めて高くなることは明らかです。

ITとOTの環境統合とガバナンス体制の一体化が有意義だといわれる点は、ITでは常識と考えられている、完成度が高く信頼できるセキュリティ・プラクティスを、OT領域にも適用できるようになる点です。さらに、経営層はデジタル技術自体が持つセキュリティ機能の有効性にも期待しており、回答者の40パーセント以上が「資産管理/ID」「インシデント管理」などのツールへの投資が重要だと考えています。

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デジタル化を強力に推進するために、化学企業は計画を進める上で役立つ、6つの命題を検討する必要があります。

コア部分を一新する

体験と結果に集中する

1

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デジタル技術を用いることで、従来のOTシステムの強化、機能拡張などが可能になると同時に、最新機能も利用できるようになります。「レガシー」と「最新」をうまく連携させることで、ワンランク上の運用の効率化を実現し、システムを総入れ替えすることなくデジタル化を推進できます。

デジタル技術に投資することで、従業員だけでなく顧客に対しても、ワンランク上の高度にパーソナライズされた新しい体験を提供できます。また、複数の「スマート・タッチポイント」を提供することで、複数チャネルにおいて、従業員や顧客のエンゲージメントを引き出すことができます。

総括経営層の視点がまとめられた今回の調査報告から、ひとつの事実が明確になりました。それは、化学産業におけるデジタル改革が、必要性を議論する段階から改革を実行に移す段階へと急速に進展しつつあるということです。デジタル技術は、資産を多く保有する化学業界において強力なビジネスツールになるという前提のもと、化学企業各社では、さまざまなデジタル技術関連のプロジェクトが遂行されています。

また化学業界には、デジタル技術をより広範に適用できる余地も十分にあると考えられます。

アクセンチュアの調査結果では、デジタル技術を用いることで、化学企業の40パーセント程度が効率化を実現しており、32パーセントが企業の成長を促進しています。しかし現時点で、この両方を実現している企業は11パーセントにすぎません4。

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既存の運用モデルの有効活用3 デジタル技術のケイパビリティを理解することで、競争力を高めるために必要な保有

資産全体の柔軟性、応答性、効率性についての評価ができるようになります。この評価をさらに深堀りすることで、部門ごとに実施すべき施策の方法や場所を特定していきます。

デジタル技術の対応力を持つ作業員の育成

エコシステムの再構築

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5

デジタル技術への対応スキルを持つ人材の育成と技術力の維持が、今後ますます重要になります。このスキルにより、人と機械との能動的なコラボレーションが進み、安全性と持続的なパフォーマンスを実現することが可能になります。

サプライヤー、販売業者、スタートアップ、顧客で構成される広範で強固なエコシステムを構築していく必要があります。このエコシステムを利用することで、バリューチェーン全体への新しいデジタル・ソリューションの迅速な適用と普及が実現できます。

賢明なバランス6 従来の主力事業と、新規ソリューション、新サービス、新製品など「新しさ」の追求

との間で、デジタル技術の投資バランスを調整する必要があります。目指すべきゴールは、これら2つの領域を両立させ、「今日」の成功を実現しながら「明日」の技術革新と成長を推進していくことです。

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化学企業はインダストリーX.0の取り組みを続ける中で、複数のデジタル技術の力を結集することで、工場操業に関する業務の効率化を実現する新たな手段を追求していくことは間違いありません。

アクセンチュアの調査では、化学企業の経営層は自社におけるデジタル・プロジェクトから、すでに明らかな経済的利益を得ていることが報告されています。その一方で、長期的な改善点、つまり変革についても指摘されています。デジタル技術は化学企業に「破壊的変革」の機会をもたらします。

インダストリーX.0を採用する化学企業は、進化を続けるデジタル技術を用いることにより、単なる「技術対応」にとどまらず「破壊的変革」を促進することが可能となり、最終的には長期的な成功に向けての準備を整えることができるのです。

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Digital Technology in Chemical Plant Operations Survey, Accenture, 2017

Industry X.0 Survey, chemical industry respondents, Accenture, 2017 For more on Industry X.0, see Accenture’s report, “Combine and Conquer,” https://www.accenture.com/us-en/insight-industry-digital-reinvention?src=SOMS#block-dig-deeper

Industry X.0 Survey, chemicals industry respondents, Accenture, 2017For more on Industry X.0, see Accenture’s report, “Combine and Conquer,” https://www.accenture.com/us-en/insight-industry-digital-reinvention?src=SOMS#block-dig-deeper

Digital Transformation Initiative: Chemistry and Advanced Materials Industry, World Economic Forum, 2017https://www.accenture.com/us-en/_acnmedia/Accenture/Conversion-Assets/WEF/PDF/Accenture-White-Paper-DTI-2017-Chemistry-FINAL.pdf#zoom=50

参考文献0102

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調査手法アクセンチュアでは化学業界における360人の最高責任者、トップ・マネジメント層、部門リーダーを対象にオンライン調査を実施しました。調査対象は、現在、主力事業においてデジタル技術を利用している化学企業で、年間総収益5億米ドル~200億米ドルまでの企業です。調査時期は2017年3月中旬から4月中旬。カナダ、フランス、ドイツ、日本、オランダ、サウジアラビア、シンガポール、スイス、トルコ、アラブ首長国連邦、イギリス、アメリカ合衆国の回答者を含みます。

アクセンチュアについてアクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供する43万5,000人以上の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。

アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。

アクセンチュア株式会社 化学業界グループが提供する最新情報やソリューションはwww.accenture.com/jp-ja/chemicals-index

をご覧ください。

筆者トレイシー・カントリーマン

(TRACEY COUNTRYMAN)Accenture Resources

マネジング・ディレクター兼グローバル Resources IndustryX.0 リード

ピーター・フランディナ(PETER FRANDINA)Accenture Resources

マネジング・ディレクター兼北米 Resources IndustryX.0 リード