隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年8月25日号

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2015 The Poultry Magazine “KEIRANNIKU JOHO” 鶏卵卸・加工業者が農場経営権を取得し 新たに生産に進出 インタビュー: ㈲山梨鶏卵市場代表取締役 細川雅通氏に聞く 自社で売る特殊卵は自社で生産したい 8 25 25 2015 年 8 月 25 日発行 [毎月10日、25日発行] 第45 巻第 16 号 通巻第 1504 号 昭和46年11月9日第3種郵便物認可

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Page 1: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年8月25日号

2015

The Poultry Magazine “KEIRANNIKU JOHO”

鶏卵肉情報(毎月 日、 日発行)第 巻第16号平成 年8月25日発行

昭和 年 月9日第三種郵便物認可通巻第1504号

発行人

杉浦嘉彦

禁無断

編集人

伊藤和夫

発行所

株式会社鶏卵肉情報センター

名古屋市瑞穂区下坂町124

1504

8

25

2015

鶏卵卸・加工業者が農場経営権を取得し新たに生産に進出

インタビュー: ㈲山梨鶏卵市場代表取締役 細川雅通氏に聞く

自社で売る特殊卵は自社で生産したい 定価650円+税

45

27

25

46

111088 2525

2015 年 8 月 25 日発行 [毎月10日、25日発行] 第45巻第 16 号 通巻第 1504 号 昭和46年11月9日第3種郵便物認可

Page 2: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年8月25日号

効率性が利益をもたらすハイラインの傑作

白玉鶏に匹敵する高効率の赤玉

卵量追求型白玉鶏産卵性が高く飼料効率抜群のピンク卵

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万全な防疫・衛生対策を施した種鶏場、孵卵場、育成場で生産された良質なヒナをお届けします。

Page 4: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年8月25日号

水の湧出量や日照時間など日本一の

ものが10個くらいあるのに誰も何も

生かし切れていない。ヒマワリは栽

培も簡単だし、せっかく名物になっ

たのだから、もっと活用できれば」

という思いから、研究を始めている。

 「黄味が黄色いんですけど」。お客

さんからそんな衝撃的な苦情の電話

をもらったと笑うのは、㈲山梨鶏卵

市場(甲府市)の細川雅通社長。飼

料用米を10%配合した飼料から生ま

れる「天使のたまご」は、着色のた

めの添加材を入れていないため「昔

ながらの卵黄色で、蛍光のレモンイ

エローのような鮮やかな黄味になっ

ている」という。

 「天使のたまご」をはじめとする

ブランド卵や、厚焼きたまごなどの

鶏卵加工品の卸・販売の同社は8月

1日付けで北杜市の採卵鶏農場の経

営権を取得し、生産に乗り出すこと

になった。

 

細川氏は「生産はもともとやりた

かったのだが、人手を確保できるメ

ドがまったく立たず、そのまま諦め

ていた」という。しかし、鶏ふんを

使った循環型農業への思いや、「自

光レモンイエローの鮮やかな卵黄色

県産飼料用米を配合した「天使のたまご」

分で売る特殊卵は自分でつくりた

い」という思いを捨てきれずにいた

ところ、あるNPOとの出会いが転

機になった。

やり方次第で人は来る

 

山梨県でも耕作放棄地が問題に

なっていた頃、北杜市の旧白州町で

新規就農しながらNPO法人「えが

お・つなげて」を主宰していた曽根

原久司さんが地域おこしとして農業

体験ツアーを開始。都市農村交流事

業としてグリーンツーリズムやボラ

ンティアアルバイトなどの参加者を

募ると、全国から多くの応募があり、

首都圏からの参加者が増えていっ

た。細川氏自身もこの交流の中で飼

料用米事業を練ると同時に、「やり

方次第で人は来る」という手ごたえ

を掴んだという。

高床式開放鶏舎が2棟

 「えがお・つなげて」のコンセプ

トは「地域資源活用型産業社会」。

地域の資源を活用した産業で地域の

活性化につなげていこうというもの

で、企業と提携したレンタル農園や

木質バイオマスエネルギーでの大学

との学習交流など、その活動範囲は

多岐にわたる。

 

山梨鶏卵市場が目指す鶏ふんを活

用した循環型農業もこの理念と合致

しているが、細川氏はさらに踏み込

んだ構想も抱いている。北杜市の旧

明野村は耕作放棄地にヒマワリを植

え、今ではフェスティバルを開くほ

どの名物になっている。しかし、「咲

いた後はそのまま捨てていると聞い

て、もったいないと思った」という

細川氏は、ヒマワリの種を鶏の飼料

に活用できないかと考えた。

 「山梨の人間は富士山にありがた

みを感じていないし、北杜市も深層

Page 5: 隔週刊「鶏卵肉情報」 - 2015年8月25日号

㈲山梨鶏卵市場(山梨県甲府市国母6-4-4)TEL 055-226-0005  FAX 055-237-1813  http://tama-land.com/

シリーズ 進化するブランド 98

鮮やかな卵黄色の「天使のたまご」

 

実際にはカロリーが高過ぎるな

ど、現段階では鶏の飼料としては課

題も多いが、「生産者だからこそで

きることがある。ヒマワリの種を飼

料にできれば、鶏ふんを使った循環

型農業の一歩進んだ流れができる」

として、来年度から飼料化の試験に

着手するつもりだ。

 

本業の卸では新たなスタイルの

販売法に着手し、卸受難の時代で

も「商機はある」と言い切る細川氏。

取材日(8月4日)の前日に選別

機が導入された段階のため、「まず

は生産を軌道に乗せることが第一」

としながらも、「やりたいことはた

くさんある」と、多くの具体的な目

標を定めている。