心臓を守る日常生活の過ごし方 ~...

18
Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER 2010/05/26 ZUSHI 心心心心心心心心心心心心心心 心心心心心心心心心心心心心心心心心心 心心心心心心心心心心心心心 心心 心 pecial Medical Lecture of AYAMA HEART CENTER n ZUSHI 2010/05/26

Upload: charissa-rivera

Post on 01-Jan-2016

27 views

Category:

Documents


7 download

DESCRIPTION

Special Medical Lecture of HAYAMA HEART CENTER in ZUSHI 2010/05/26. 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~. 葉山ハートセンター循環器科 雨宮 浩. 左冠動脈回旋枝病変に対するステント植え込み術. 治療前. 前拡張. 治療後. ステント. 植え込み. 心臓に負担をかけない生活のポイント 病気の知識を持ち必要な注意を守れば,必ずしも病気を恐れることはない. 心臓と交感神経系ホルモン. 心臓に負担がかかる状況. 心拍数の増加. 不必要な. 血圧の上昇. - PowerPoint PPT Presentation

TRANSCRIPT

Page 1: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

心臓を守る日常生活の過ごし方~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

葉山ハートセンター循環器科雨宮 浩

Special Medical Lecture ofHAYAMA HEART CENTERin ZUSHI 2010/05/26

Page 2: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

左冠動脈回旋枝病変に対するステント植え込み術

治療前 治療後前拡張

ステント植え込み

Page 3: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

心臓に負担をかけない生活のポイント病気の知識を持ち必要な注意を守れば,必ずしも病気を恐れることはない

入浴 熱い湯に長時間つかるのは心臓への負担が大きい.浴室と更衣室の温度差を小さくする.

気温・気候

急激な寒暖差は心臓に負担をかける.強い日差しや高温もできるだけ避け,脱水を防ぐ.

水分補給 運動前後,入浴後,起床後には水分の補給を忘れずに. (心不全やその傾向がある人は水分制限が必要)

排便 便秘を防ぐ(繊維を十分に摂取しリズムを整える)

睡眠 体力や精神的ストレスを回復するため睡眠時間を確保

Page 4: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

心臓と交感神経系ホルモン心臓に負担がかかる状況

不必要な心拍数の増加

心筋収縮力の増強血圧の上昇

交換神経系ホルモン(カテコラミン:アドレナリン,ノルアドレナリン・・・)心拍数の増加血管収縮⇒⇒⇒血圧上昇心筋収縮力の増強

心臓に負担をかけない生活を送るためには・・・⇒⇒⇒カテコラミンの過剰分泌を避けて生活するように

心がける.

Page 5: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

カテコラミンの作用と,大量に放出された姿???

カテコラミンは,心拍数増加や血圧上昇、心筋収縮力の増加や発汗、血糖上昇、血液凝固系の亢進などの変化をもたらす。これらは心臓や脳、筋肉への酸素やエネルギー供給を増加させたり、怪我をした場合に出血を最小限にとどめるために適した変化で、本来は強敵に出会った瞬間に,戦闘態勢や逃避行動をすばやくとるために備わっている,

生命を守るための防御機構である。

Page 6: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

カテコラミンの過剰分泌を促す行為

*カテコラミンは交感神経が興奮すると分泌が盛んになる.心臓に負担をかけない生活を送るためにはカテコラミンの過剰分泌を避けて生活するように心がける.

*寒さに曝される*熱い湯に入浴する*排便時にいきむ*重いものをグッと持ち上げる

*イライラや興奮,怒り*激しい運動

Page 7: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

日本人の死亡原因の推移

心疾患の大部分は虚血性心疾患である

資料:厚生労働省大臣官房統計情報部 「人口動態統計」

Page 8: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

2002年12月の死因別死亡(循環器疾患)

実数 年換算死亡率)(人口10万対)

百分率(%)

心疾患全体 16346

152.7 17.6

急性心筋梗塞 4959 46.3 5.3

その他の虚血性心疾患 2789 26.0 3.0

不整脈及び伝導障害 2046 19.1 2.2

心不全 4952 46.3 5.3

厚生労働省「人口動態統計月報(概数)」

Page 9: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

虚血性心疾患と心臓の構造

虚血性心疾患すなわち狭心症や心筋梗塞は,心臓に栄養を供給する冠動脈と呼ばれる血管が,動脈硬化による内腔の狭窄あるいは閉塞を起こすことにより発症する疾患であり,冠動脈疾患とも称される.

平滑筋細胞の増殖

脂肪を貪食した泡沫細胞

単球による細胞外マトリックスの分解

マクロファージの遊走

Page 10: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

虚血性心疾患の原因

虚血性心疾患になりやすい(冠動脈硬化を起こしやすい)遺伝的体質が,その原因と考えられている.それに加えて,虚血性心疾患の危険因子が作用することにより,発症あるいは,より進行しやすくなる.

Page 11: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

虚血性心疾患から心臓を守るために・・・

現在心疾患でない人が,これから心疾患になると仮定すると,その頻度から判断して,虚血性心疾患になる可能性が最も高い.

現在,虚血性心疾患でない人は,遺伝的に虚血性心疾患になりやすい体質を持っていない人なのか,なりやすい体質を持っていて,これから発症する人なのか,その判断は不可能である.

以上より,誰もが虚血性心疾患から心臓を守るための努力をするべきである.

*虚血性心疾患になりやすい体質を変えることは不可能である.

*自分で出来る虚血性心疾患の予防策は,冠危険因子を排除あるいは良好にコントロールすること,または虚血性心疾患の一次予防ガイドラインに沿って,生活習慣を改善することである.

Page 12: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

虚血性心疾患の危険因子

1. 加齢(男性45歳以上,女性55歳以上)2. 虚血性心疾患の家族歴3. 喫煙習慣4. 高血圧(130mm Hg 以上/85mm Hg 以上)5. 肥満(BMI25以上かつウエスト周囲径が男性85cm以上,

 女性90cm以上)6. 耐糖能異常(糖尿病)7. 高コレステロール血症(総コレステロール220mg / dl以上)

8. 高中性脂肪血症(150mg / dl以上)9. 低HDLコレステロール血症(40mg / dl未満)10.精神的・身体的ストレス

年齢,性,家族歴は対策の立てようはないが,その他の項目は,生活の中心である程度防ぐことが可能.そのため虚血性心疾患は生活習慣病の一つとされている

Page 13: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

危険因子の組み合わせによる心筋梗塞発症の相対リスク

喫煙のリスクが極めて大きい

x 1.0x 1.7

x 2.3 x 2.6

x 4.3 x 4.3

x 5.9

x 10.8

0

2

4

6

8

10

12倍

喫煙 - + - - + + - +糖尿病 - - + - + - + +高血圧 - - - + - + + +

心筋梗塞の相対発症頻

Page 14: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

BMI(Body Mass Index)と標準体重

BMI=体重(kg)÷ 身長(m)•身長170cm・体重70kgなら,70 ÷ 1.7 =24.22.•BMIによって肥満度はⅠ~Ⅳに分けられる.

標準体重=身長(m) × 22•身長170cmの人では,1.7 × 1.7 × 22=63.6kg.•22という数字は,体重÷ 身長の二乗がこの値の時,病気になる確率がもっとも低いという疫学調査から導き出された.

•この値がボディマス指数(BMI).

肥満度が進むと有病率が2倍に

BMI>25 高血圧BMI>27 糖尿病BMI>29 高コレステロール

BMIが「25」を超えたら危険信号!BMIが高くなると,高脂血症や高血症,糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなる.

Page 15: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

心臓に良い運動と悪い運動

軽い運動が狭心症や心筋梗塞症の予防となることが証明されている.具体的には上記のような有酸素運動を週3~4回・30分以上,可能であれば毎日30分程度するとよい.

図の右側のような瞬発力が必要な運動は避けるべきである.また早朝や深夜は,冠動脈が日中より収縮していることが多いので避ける方が良い.起床後すぐではなく,1時間後ぐらいが適当である.

疲れずに続けられる有酸素運動が適している瞬発力が必要な運動は避ける

有酸素運動(歩くことが基本) 無酸素運動歩行 重量挙げゆっくりしたジョギング 腕立て伏せかるい水泳 全力疾走

Page 16: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

ストレスと虚血性疾患

A型行動パターン1. 一度に多くのことをやろうとする2. 絶えず動いていないと安心できない3. 苛立ちをすぐに言葉や態度にあらわす4. 挑戦的な言動をとりたがる5. 爆発的に早口でしゃべる6. 食べるスピードが速い

自分を追い込むA型性格は要注意(仕事の虫,短期・攻撃的)性格でタイプAの行動パターンをとる人に心筋梗塞症の発症が多いことが知られている.このような人は,知らず知らずのうちにストレスを受けている.

精神的・肉体的ストレスがかかると,血液中のコレステロールが上昇して動脈硬化が進行しやすくなり,また血中の交感神経系ホルモンが増え,血圧が上昇して冠動脈内皮の傷害が生じやすくなり,心筋梗塞症の引き金となる.『焦らず・怒らない.明日できることは今日しない』という気持ちで,のんびりと着実な生活リズムをつくる必要がある.

焦らず,怒らず,明日できることは今日しない A型人間をやめよう

のんびり着実に

ストレス・過労

血液中のコレステロールが増加

交感神経系ホルモンが増加

動脈硬化の進行 血管の収縮内皮障害

心筋梗塞発症

Page 17: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

生活習慣の管理虚血性心疾患の一次予防ガイドライン(1:目標)

日本循環器学会:虚血性心疾患の1次予防ガイドライン

一次予防:まだ発症していない病気を予防すること

1. 喫煙 完全な禁煙と受動喫煙の回避

2. 運動 週3~4回・1回30分以上の有酸素運動

3. 栄養 糖質エネルギー比50%以上脂肪エネルギー比20 - 25%繊維を十分に摂取食塩摂取10g /日未満

4. 体重 BMI25未満(糖尿病の人は23未満に)ウエスト周囲径 男性85cm未満           女性90cm未満

5. 精神保健 作業量を工夫する.長時間労働を避ける.休日・休息をきちんととる.タイプA行動をコントロールする.

Page 18: 心臓を守る日常生活の過ごし方 ~ 生活習慣の改善による虚血性心疾患予防 ~

Division of Cardiovascular Medicine, HAYAMA HEART CENTER

2010/05/26  ZUSHI

生活習慣の管理虚血性心疾患の一次予防ガイドライン(2:危険因子)

日本循環器学会:虚血性心疾患の1次予防ガイドライン

1.高血圧 130mmHg未満 / 85mmHg未満60歳以上の方は140mmHg未満 / 90mmHg未満

2.高脂血症 総コレステロール220mg / dl未満LDLコレステロール140mg / dl未満中性脂肪150mg / dl未満HDLコレステロール40mg / dl未満

3.糖尿病 空腹時血糖120mg / dl未満HbA1C 6.5%未満