月刊現代ギター (gendaiguitar) - [ lite版 ] 2010年9月号

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GENDAI GUITAR MAGAZINEVol.44 No.10 September2010 No.557

September

PHOTO REPORT24 コンサート・フォト・レポート 渡辺香津美

加藤政幸

中林仲哉

女流ギタリストの夕べ

河野智美

洗足ギターアンサンブル

岡本拓也&ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉

REPORT30 GAGフェスティバル 201040 台湾のギタリスト、上海デビュー43 第22回日本ギター重奏フェスタ・コンクール

READING/ESSAY36 濱田滋郎・鑑賞術[6] タレガの音楽①

47 ロンドン便り[16]

51 ナクソス・ギター・ライブラリー[6]

55 渡辺和彦の a tempo 日記[6](渡辺和彦)

TALK & LECTURE20 愛器を語る[18]

筧 優(ドミンゴ・エステソ)

32 After Hours ~演奏家の放課後[最終回] ゲスト:村治佳織&篠原 良(朝川 博)

49 ギター弦測定(君島 聡)

57 動画をクリック! テクニックレシピ[6]

(松尾俊介)

INFORMATION41 めもらんだむ42 コンクールインフォメーション59 新譜案内62 新刊案内63 外盤案内67 イベントガイド

EMSEMBLEアンサンブルの広場65 あんさんぶる今月のイチオシ

66 ホットトーク&掲示板

5 特 集 世界のギターコンクール     国際ギターコンクールの潮流

      主要国際ギターコンクール歴代優勝者

      コブレンツ国際ギターコンクール優勝者 ラファエル・アギーレ

      GFA国際ギターコンクール レポート

      トゥルネイ国際ギター週間 レポート

      

C O N T E N T S表紙:アナ・ヴィドヴィチ

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特集 1特集 1

Gendai Guitar 5

「コンクールのプロ」化

――本日はさまざまな国際ギターコンクールを審査されてきた福田さんに、現在の国際ギターコンクールの潮流を伺いたいと思います。今年のコブレンツ(コブレンツ国際ギターコンクール“フーバート・ケッペル”)で優勝したラファエル・アギーレなどもそうですが、ここ十数年 1人のギタリストがいくつもの国際コンクール、場合によっては 10 や 20 のコンクールを優勝していくことがあります。その転換点となるような出来事は……。福田 やっぱりパリコン(パリ国際ギターコンクール)がなくなったことでしょうね。僕が優勝した 1981 年からもう 30 年近く経ちましたが、あの時代は 1 つの突出したコンクールがギター界の最高権威というか、ギタリストにとっての決定的なステータスになっていました。その当時パリコンに対抗してできあがったのがイタリアのアレッサンドリア(アレッサンドリア国際ギターコンクール“ミケーレ・ピッタルーガ”)であったり、スペインのベニカシム(タレガ国際ギターコンクール)であったりするわけです。でも実際に「音楽界」で高いステータスを得たいと思うような人には、パリコン以外に目標としているコンクールが 2 つありました。ミュンヘン(ミュンヘン国際音楽コンクール)とジュネーヴ(ジュネーヴ国際音楽コンクール)です。この 2 つは国際「音楽」コンクールでとても大きいものですが、ギター部門があるかないかは不定期でなかなか開催時期が周ってきませんでした。ミュンヘンの方は 1976 年にシャロン・イスビンが優勝しているし 1982 年にはステファノ・グロンドーナとティモ・コルホーネンが第 1 位なしの第 2 位でトーマス・ミュラー=ペリングが第 3 位になっています。ジュネーヴは 1981 年にフランスのジェラール・アビトンとイタリアのマルコ・デ・サンティが第 1 位なしの第 2 位になっています。あとは 1979 年にアサド兄弟がチェコスロバキアのブラティスラヴァでの室内楽コンクールで新人賞をとってヨーロッパでデビューしました。日本人の堀内剛志さんが優勝したセゴビア国際ギターコンクールが始まったのも 1981 年ですね。これらは 1 つの象徴的なできごとで、1980 年を境に衝撃的なことが一気に起こって、強烈なインパクトを人々に与えました。これ

福田進一 Fukuda Shin-ichi

国際ギターコンクールの潮流国際ギターコンクールの潮流国際ギターコンクールの潮流国際ギターコンクールの潮流国際ギターコンクールの潮流国際ギターコンクールの潮流国際ギターコンクールの潮流国際ギターコンクールの潮流国際ギターコンクールの潮流

タレガ国際、アレッサンドリア国際、GFA などハイレベルなコンクールが乱立し、先鋭化する国際ギターコンクール。最高レベルの「ひとつの」コンクールだけを目標にできなくなった時代のギタリストたちは、何を目指し、何を求めてコンクールを受けるのか。その現状を探る。インタビュー:2010 年 7 月 12 日インタビュアー:編集部

1981 年パリ国際ギターコンクール第1位、同年マリア・カナルス国際音楽コンクール・ギター部門第 2 位などの賞歴を重ね国際的な演奏活動を展開。これまでにハバナ、東京、GFA、アレッサンドリア、ガルニャーノ、トゥルク、カモッリ、ハインスベルグなど数々の国際ギターコンクールで審査員を務める。

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特集 2特集 2特集 2

Gendai Guitar 9

主要国際ギターコンクール主要国際ギターコンクール主要国際ギターコンクール主要国際ギターコンクール主要国際ギターコンクール主要国際ギターコンクール主要国際ギターコンクール主要国際ギターコンクール主要国際ギターコンクール主要国際ギターコンクール歴代優勝者歴代優勝者歴代優勝者歴代優勝者歴代優勝者

 長い伝統を誇る「アレッサンドリア」「タレガ」、創立以来高いレベルを維持し続け近年ますますの盛り上がりを見せる「GFA」、短い歴史ながらも活躍の目覚しいギタリストを多く排出している「アルカス」「ギターの春」の 5つの国際ギターコンクールの歴代の優勝者一覧を掲載する。これら以外にもハイレベルなコンクールは多数あるが、詳しくは現代ギター社ホームページ(http://www.gendaiguitar.com/)のリンク集、もしくは国際ギターコンクールの開催情報を詳細にアップロードしているホームページ「GuitarWebPortal(英語)」(http://www.classicalguitarist.info/)などを参照してほしい。 それぞれの一覧表は各国際ギターコンクールのホームページ内に記載されていたリストに準拠している(タレガ国際ギターコンクールは 2009 年の記述なし)。またこの一覧の中で複数のコンクールにまたがって優勝しているギタリストについては赤字で表記している。

GFA 国際ギターコンクール 歴代優勝者

2009 フロリアン・ラルース Florian Larousse(フランス)2008 ガブリエル・ビアンコ Gabriel Bianco(フランス)2007 マルチン・ディラ Marcin Dylla(ポーランド)2006 トマス・ヴィルトー � omas Viloteau(フランス)2005 ジェローム・ドゥシャルム Jerome Ducharme (カナダ)2004 ゴラン・クリヴォカピチ Goran Krivokapić(モンテネグ

ロ)2003 ジェレミー・ジューヴ Jérémy Jouve(フランス)2002 ディミトリ・イラリオノフ Dimitri Illarionov(ロシア)2001 ヨハン・フォスティエール Johan Fostier(ベルギー)2000 マーサ・マスターズ Martha Masters(アメリカ)1999 ロレンツォ・ミケーリ Lorenzo Micheli(イタリア)1998 デニス・アザバギッチ Denis Azabagic(ボスニア)1997 ジュディカエル・ペロア Judicael Perroy(フランス)1996 ファビオ・ザノン Fabio Zanon(ブラジル)1995 アンティゴーニ・ゴーニ Antigoni Goni(ギリシャ)1994 マルガリータ・エスカルパ Margarita Escarpa(スペイン)1993 ケヴィン・ギャラガー Kevin Gallagher(アメリカ)1992 ジェイソン・ヴィオー Jason Vieaux (アメリカ)1991 アレクセイ・ツィマコフ Alexei Zimakov(ロシア)1990 ジョセフ・ヘグドーン Joseph Hagedorn(アメリカ)1989 マーク・テイコルツ Marc Teicholz(アメリカ)1988 オリヴィエ・シャッサン Olivier Chassain(フランス)1987 リカルド・コボ Ricardo Cobo (コロンビア)1986 ピーター・クレメンテ Peter Clemente(アメリカ)1985 メアリー・アカーマン Mary Akerman(アメリカ)1984 なし1983 アダム・ホルツマン Adam Holzman(アメリカ)1983 マイケル・チャプディライン Michael Chapdelaine (アメ

リカ)

フリアン・アルカス国際ギターコンクール 歴代優勝者

2009  ホ セ・ ア レ ハ ン ド ロ・ コ ル ド バ José Alejandro

Córdova(メキシコ)

2008 マウロ・ツャナッタ Mauro Zanatta(イタリア)

2007 ラファエル・アギーレ・ミニャーロ Rafael Aguirre

Miñarro(スペイン)

2006 なし

2005 パブロ・ガリバイ・ロペス Pablo Garibay López(メ

キシコ)

2004 なし

2003 ホセ・アントニオ・エスコバル José Antonio Escobar(チ

リ)

2002 マルチン・ディラ Marcin Dylla(ポーランド)

2001 アドリアーノ・デル・サル Adriano del Sal(イタリア)

2000 なし

ギターの春国際ギターコンクール 歴代優勝者

2008 朴 葵姫 Kyuhee Park(韓国)

2006 ヤン・デプレテール Jan Depreter (ベルギー)

2004 マルチン・ディラ Marcin Dylla(ポーランド)

2002 レミ・ジュスルム Rémi Jousselme (フランス)

2000 クリストフ・ボルテール Christoph Borter (スイス)

1998 カルロス・ペレス Carlos Perez (チリ)

1990 ゴラン・リステ Goran Listes (クロアチア)

1996 デニス・アザバギッチ Denis Azabagic (ボスニア)

1994 ゾーラン・ドゥキッチ Zoran Dukic (クロアチア)

1992 ホアキン・クレルチ Joaquin Clerch(キューバ)

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愛器を語る

筧 優 ◆ドミンゴ・エステソ

(1928)

写真:木田新一

筧優KakeiMasaru ギターを中林淳眞、神谷典孝に師事。1975 年 NHK洋楽オーディションに合格し「夕べのリサイタル」にてデビュー。1977 年作曲家モレノ・トローバが「トローバ・フェスティバル」で来日した際イイノホールにてM=トローバ〈ラファガス〉を初演し激賞される。1978 年東京新聞主催のアグスティン・バリオス・ギターコンクールに優勝。1979 年から 1981 年までスペインに留学し、エルネスト・ビテッティ、ホルへ・アリサに師事。アンドレス・セゴビアのレッスンも受ける。帰国後、各地でリサイタルや演奏会を行ない、1989 年より 17年間NHK文化センターの講師も務める。

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24 Gendai Guitar

Concertphoto report

コンサートイマジン主催で毎年行なわれている七夕コンサート。今年は山田武彦(Pf)、須川展也(Sax)、渡辺香津美(G)、小松亮太(バンドネオン)をソリストとする4つの協奏曲という、まさに「イマジン・ビッグ・フォー」のタイトルがぴったりの豪華出演メンバー。指揮は齊藤一郎、オケは東京都交響楽団。渡辺以外の3人はいつもの楽器を使うのに対して、ジャズ・ギタリスト渡辺にとっては同じギターでもクラシック・ギター、しかも〈アランフエス〉を弾くというのは、とてつもないチャレンジである。聴く側にとっては、ピック弾きでどこまでいけるかという興味になるわけだが、結果として第 1楽章は

ほとんど原曲どおり(な~んだ)、2楽章からジャズ風コード進行が出始め(お、始まったな)、3楽章に至ってジャズ・モード全開(待ってました!)、と盛り上がって終わった。もともとが七夕のお祭り企画。それを受け入れるだけの聴衆の度量も深まったということだろう。プログラム:山田武彦(Pf)/ラプソディー・イン・ブルー(ガーシュウィン)、須川展也(Sax)/サイバーバード協奏曲(吉松隆)、渡辺香津美(G)/アランフエス協奏曲(ロドリーゴ)、小松亮太(バンドネオン)/バンドネオン協奏曲(ピアソラ)。

〔7月7日/東京:サントリーホール〕

渡辺香津美 共演:東京都交響楽団 指揮:齊藤一郎写真:東 昭年

Kazumi Watanabe