1. 表紙 第二校 - jsae...e so jsa n ciety o eエンジン 特集:電 ・非接触 ・走行中...
TRANSCRIPT
E
SOJSA
ENOCIETY OAE エンジン
特集:電・非接触
・走行中
・電磁波
連載: ・ガソリン
NGIOF AUTOMンレビュー
電動車両充電技術・
給電技術の
による生体
ン筒内噴射の
INEMOTIVE E
両用の次標準化の現
の展望 体影響
の開発史(連
E RENGINEER
次世代充電現状
連載第 3 回
RERS OF JA
電インフ
回)Bendix
EVIPAN Vol
フラ
Electroject
IEW. 7 No. 2
tor の登場と
W 2 201
とその進化
17
化を中心に
CONTENTSENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017
コラム:● 将来の自動車保有台数について思う: 1
Think about the number of vehicles owned in the future
小池 誠(豊田中央研究所)
Makoto KOIKE(TOYOTA CENTRAL R&D LABS., INC.)
特集:電動車両用の次世代充電インフラ 2
・非接触充電技術・標準化の現状
Technical Progress and Standardization for Wireless Power Transfer of EV
横井 行雄(京都大学 生存圏研究所)
Yukio YOKOI(Research Institute for Sustainable Humanospere, Kyoto University)
・走行中給電技術の展望 8
The prospects of the Dynamic Charging Technology
高橋 俊輔(早稲田大学 環境総合研究センター)
Shunsuke TAKAHASHI(Waseda University Environmental Research Institute)
・電磁波による生体影響 17
Health Effects of Electromagnetic Fields
宮越 順二(京都大学 生存圏研究所)
Junji MIYAKOSHI(Research Institute for Sustainable Humanospere, Kyoto University)
<連載企画>
・ガソリン筒内噴射の開発史(連載第 3 回) 25
Bendix Electrojector の登場とその進化を中心に
The Technical History of Gasoline Direct Injection
The Appearance of “Bendix Electrojector” and its Evolution ‐The 3rd serial article‐
調 尚孝(株式会社日本自動車部品総合研究所)
Naotaka SHIRABE(NIPPON SOKEN,INC.)
表紙画像/走行中給電用マイクロ波ビーム
(本誌,P. 14)
ENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017 CONTENTS
■ JSAE エンジンレビュー編集委員会
委員長: 飯田 訓正 (慶應義塾大学)
副委員長: 村中 重夫 (元日産自動車)
幹事: 飯島 晃良 (日本大学)
委員: 遠藤 浩之 (三菱重工エンジン&ターボチャージャ)
大西 浩二 (日立オートモティブシステムズ)
金子 タカシ(JX エネルギー)
菊池 勉 (日産自動車)
小池 誠 (豊田中央研究所)
小酒 英範 (東京工業大学)
清水 健一 (元産業技術総合研究所)
下田 正敏 (日野自動車)
西川 雅浩 (堀場製作所)
野口 勝三 (本田技術研究所)
平井 洋 (日本自動車研究所)
山口 恭平 (自動車技術総合機構)
山崎 敏司 (編集)
発行所: 公益社団法人 自動車技術会
発行日: 2017 年 3 月 31 日
発行人: 石山 拓二(京都大学)
〒102-0076 東京都千代田区五番町 10-2
電話:03-3262-8211 ENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017
ENSOCIETY
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
●コラ
米国ト
データは
米国に
し引き 7
依然世界
世界全
に最近 1
されてい
と、アメ
ば概略 2
と考えら
2050 年
億台にな
えると、
ぶ自動車
これは
あろうか
ば大きな
ブルエネ
ーに向か
そうで
おり、新
人ととも
いる。欧
解決法
退社が自
少なくな
が提供す
は高くな
るかもし
自動車
な移動と
会インフ
の指標は
めて問わ
REVIEWGINEERS OF JAPAN
ラム
トランプ大統領
は JAMA や OIC
における 2015 年
760 万台強とい
界一である。
全体で見ると、
10 年間における
いることになる
メリカは 1.2 人
2 人に 1 台とな
られる。一方、
年の世界人口は
なると見込まれ
潜在需要はさ
車利便性を享受
は言わば BAU(b
か。現在、自動
な数字ではない
ネルギーへの転
かう社会構造の
でなくとも過去
新興国でもこの
もにあるから、
欧州では渋滞に
法の一つは、社会
自由になり、イ
なるであろう。
するインフラの
ないとされてい
しれない。
車は人口と同じ
と利便性を提供
フラとして整備
は自ずと違って
われていないだ
W Vol. 7 No. 2 20
将来のThink ab
領が自動車生産
CA などが公開
年度の生産、輸
いうことになる。
自動車生産台数
る保有台数の増
る。世界人口は
に一台と突出し
なっている。こ
中国は 10 人、
は 90 億人に達す
れている。25 億
らにその 2 倍あ
受しようと思え
business as usua
動車が消費して
いが、サスティナ
転換が求められて
の中で、人の移動
去から少しずつ人
の傾向が強まって
都市に自動車が
による損失が 1 年
会で車を共有化
ンターネットを
カーシェアリ
の一つになる可能
いるが、懸念され
じオーダーの数
供する自動車本来
備されるケース
ているはずであ
だろうか。
017
の自動車bout the numb
について言及し
しているので、
輸出、販売はそれ
。生産、販売の
数は 2015 年に
増加は、平均す
73 億人である
しているが、欧
れら OECD 諸
インドは 45 人
すると予想され
億と言えば 1950
ある。そんなに
ば、こういう数
al)ケースである
いるエネルギー
ナブルな社会実
ている。そのた
動や物流への自
人は都市に集ま
ている。2050 年
が集中する。今
年 1 人平均 100
化し、個人で車
を利用した自宅
ングやシェアラ
能性がある。市
れている若者の
に近づいてきて
来の役割は変わ
に分かれていく
る。何のための
車保有台数ber of vehicle
小池
Ma
編集
TO
したこの機に自
、関心のある方
れぞれ 1210 万
の世界一は既に
9 千万台を超え
ると 5 千万台弱
から、平均する
欧州・日本でも
諸国では人数当た
人、アフリカ平
れている。自動車
0 年の世界人口
に生産できるか
数字に向かって
る。将来はもう
ーは人類が消費
実現のために、エ
ため、エネルギ
自動車の関わり
まりつつある。
年には人口の 9
今でも渋滞や駐車
0 時間を超え、
を所有しないこ
宅勤務が普及す
ライディング、
市場調査によれ
の車離れがこのま
て、いよいよ数
わらないとして
くことが考えら
の車か、誰が使
数についes owned in t
池 誠
akoto KOIKE
集委員,豊田中
OYOTA CENTR
自動車の生産量
方は参照された
台、224 万台、
中国に明け渡し
え、保有台数は
弱/年であるから
ると約 6 人に 1
1.5~1.7 人に 1
たりの自動車台
平均では 22 人に
車保有台数は、
に匹敵する。と
は別としても、
て進むことにな
少し違っている
費するエネルギー
エネルギー消費
ーコストは高く
り方が変わる可能
既に先進国で
90%が都市部で
車場不足がもた
経済的損失は
ことだという意
れば、少なくと
Uber のような
ば、現時点では
まま世代を超え
の問題を考えね
ても、ここに述べ
られる。多くの人
う車か、突き詰
いて思う he future
中央研究所
RAL R&D LAB
・普及状況に触
い。
1750 万台と報
しているが、保
12 億台を超え
ら、新車販売の
1 台の車が行き
1 台である。ち
台数はほぼ飽和
に 1 台という普
それまでに現
ところが、2 人
世界何処に行
る。
るかもしれない
ー全体の 17%
費の抑制強化や
くなることが予
能性がある。
は人口の 70~
で生活するとい
たらす時間と経
1000 億円に上
意見がある。働き
とも通勤のため
なシステムが普
はユーザを含め
えて進むと車の
ねばならないの
べたような、個
人が共有して使
詰めれば何のた
BS., INC.
触れてみたい。
報告されている
保有台数は 2 億
えるに至ってい
の半数程度の自動
き渡っている。国
ちなみに乗用車に
和しつつあり、充
普及状況である。
現在の2倍に相当
人に 1 台を充足
行っても日本や欧
い。エネルギーは
%弱である。比率
や化石燃料から
予想され、低消費
~80%が都市部で
いう予測もある。
経済的損失が問題
上ると試算されて
き方改革が進ん
めに車を所有する
普及していくと、
めてこのシステム
の所有に関する意
のではないだろ
個人が所有するケ
使う車と個人で所
ために車を作って
ここに示す
。輸入は差
6 千万台と
る。ちなみ
動車が廃車
国別にみる
に限定すれ
充足の目安
。
当する~25
レベルと考
欧米となら
は大丈夫で
率から見れ
リニューア
費エネルギ
で生活して
。自動車は
題となって
ている。
んで、出社・
る必要性は
、車は社会
ムの受容性
意識は変わ
うか。自由
ケースと社
所有する車
ているか改
1
ENSOCIETY
1 はじ
19 世
世界的
までに
いは大
ブーム
し 2015
の発覚
巻き起
COP20
での批
が一層
の事情
たい。一
航続距
のケー
る。本稿
れてい
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig
非接触
Technical P
横井 行雄
Yukio YOKO
京都大学 生
Research Inst
じめに
世紀後半に電気
的にはカルフォル
何度もあった。
大気汚染が深刻
が起きてきたが
5 年のフォルク
覚を契機にして,
起こってきている
0 での地球温暖
批准,関連する環
層加速すると考
情は,経産省の
一方でこれまで
距離の短さと搭載
ーブル・コネクタ
稿では,そのケ
る,非接触充電
REVIEWGINEERS OF JAPAN
g 1 e-mobility
触充電技
Progress and S
OI
生存圏研究所
titute for Sustai
気自動車(EV)が
ルニア洲の環境
日本でも戦後
刻化し,オイルシ
が,産業として
クスワーゲンによ
欧州,米国に
る。今回は中国
暖化対策目標の
環境規制の深化
えられる。本稿
「EV/PHEV ロ
で EV 普及の深
載電池への充電
の操作性・安全
ケーブル接続の
電(ワイヤレス充
W Vol. 7 No. 2 20
y の位置づけ
技術・標準
Standardizati
inable Humanos
が発明されて以
境規制等が契機
後すぐのガソリン
ショックも起きた
成熟するには
よるディーゼル
おいて乗用車の
国における環境
の日本をはじめ
化,加えて技術
稿では詳細に触
ロードマップ報告
刻な隘路とされ
電時間の長さと
全性の確保・改
の課題を劇的に
充電)技術とその
017
準化の現
ion for Wirele
spere, Kyoto U
降,EV のブー
機になるなど,
ン不足の時期,
70 年代などに
至らなかった。
ル車の排出ガス
の EV 化の大
境問題の深刻
めとする世界主
術の発展からブ
触れないが,そ
告書」1) を参照
れてきた課題の
と並んで,充電
改善が指摘され
に改善すると期
の標準化の現状
現状
ess Power Tr
University
ームは
これ
ある
に EV
しか
ス不正
波が
刻化,
要国
ブーム
の間
照され
の中で,
の為
れてい
期待さ
状に
つい
るが
ス・
(図
2 非
EV
いる
間隔
にな
え方
れて
年 3
が発
発刊
合型
れ,
に2
前線
とし
それ
充電
2.1.
我
ない
中心
Mod
われ
万 1
ransfer of EV
いて報告する。な
が,欧州において
トラックも電動
1)。
非接触充電(ワ
V へのケーブル
る,非接触充電
隔での「磁界共鳴
なり,パワーエレ
方等多くの専門
てきた。その中で
3 月には「電気
発刊され,インフ
刊された「ワイヤ
型」とされ「電磁
電界,磁界を利
016年8月の「
線」4)では対象に
てマイクロ波方
れらを踏まえ,本
電」という用語を
世界の BEV
我が国が主要な
いが,米国や中
心に BEV・PHEV
del-S を 5 万台
れている,中国で
092 台と,日本
なお,日本では
ては e-mobility
化の主たる対
イヤレス充電)
ル接続充電の課
については,20
鳴」方式の送電
レクトロニクス,
分野にわたる横
で,当初あった
気自動車のため
フラ整備との関連
ヤレス給電技術
誘導・共鳴送電
利用するワイヤ
ワイヤレス電力
に EV に限らな
方式を含む幅広
本稿では以降「
を採用する。
・PHEV 市場の
な BEV・PHV 市
国,一部の欧州
V 化の波が押し
台販売し e-Golf
でも,新エネル
本の BEV・PHEV
は乗用車型の E
y として,二輪
象になっている
)技術と市場動
課題を劇的に改
007 年の MIT
電実証報告の位
無線技術,物
横断的な理論研
た用語の混乱も
めのワイヤレス給
連が整理された
術」に関する教科
電の理論と応用
ヤレス給電技術
力伝送技術の研
ない携帯電話な
広い技術を網羅
「ワイヤレス給
の動向
市場の一つとな
州諸国の伸びは
し寄せている。
f は Norway で
ルギー車の 2015
V 販売台数 2 万
EV が主として話
車,大型の商用
ることは注目に
向
改善すると期待
のチームによる
位置づけが大き
物理的な共鳴現
研究・技術開発
も収まりつつある
給電とインフラ
た。さらに 2014
科書3)では,「電
用」という副題が
術がまとめられ
研究開発と実用
ども含めて,技
したものが発刊
電」ないし「ワイ
なっていることに
は著しく,欧州,
2015 年には T
1 万台を出荷し
5 年の販売台数
万 5328 台の 10
2
話題にな
用車,バ
に値する
待されて
る2mの
きな契機
現象の考
発が行わ
る。2011
構築」2)
4 年末に
電磁界結
がつけら
た。さら
用化の最
技術方式
刊された。
イヤレス
に疑いは
米国を
Tesla が
したと言
数は 33
0 倍を超
ENSOCIETY
える台
げてお
る。中国
一方で
は 140
大に向
2.2. 充
EV 用
用いる
7.7kW の
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig 2 各国の
Fig 3 主
数を記録してい
り,2016 年の新
国は新エネ車を
で欧米の車メーカ
モデルを投入す
けた世界的な競
充電インフラとワ
用の充電インフラ
るコンダクティブ
の AC 普通充電
REVIEWGINEERS OF JAPAN
の BEV・PHV の
主な BEV・PHV
いる。中国は,2
新エネ車販売は
を国家の重要政
カは今後 7 年間
すると言われて
競争の激化が
ワイヤレス給電
ラの市場として
ブ充電が中心
電対応と,DC 急
W Vol. 7 No. 2 20
の販売台数の推
市場投入実績
2020 年には 20
は 60 万台を超え
政策として力を入
間で 40 モデルの
ていて,今後 BE
予想される(図
の市場
て現在は,BEV・
である。これら
急速充電対応の
017
推移1)
と見通1)
00 万台の目標
えるものと予想
入れている(図
の BEV を,PHE
EV・PHV の 普
3)。
PHEV のコネク
らは,3.3kW な
の 50kW クラス
標を掲
想され
2)。
EV で
普及拡
クタを
ないし
スの普
及促
クラ
して
きて
る。
が設
ワイ
スワ
2016
PHE
た。
洩電
る。
る E
給電
利用
3 ワ
ワ
用す
ー伝
用す
EV
間か
の世
なる
式の
のシ
評価
F
促進が主である
ラスの超急速充
て公共交通の EV
ている。日本でも
これらは現状で
設置されている
イヤレス給電が
ワイヤレス充電は
6 年のパリモー
EV の S550e に
一方でワイヤレ
電磁界低減の課
他方,欧州の各
EV バスへの実証
電方式での走行
用シーンでの棲
ワイヤレス給電
イヤレス給電が
するコンダクティ
伝送に無線区間
するトランスでは
のワイヤレス充
から電磁界を漏
世の中で運用中
る。このような利
の選定で商用化
システムに与え
価・低減,4)国内
ig 4 EV ワイヤ
る。しかし最近,
電インフラの検
V バス,EV トラ
もすでに各地で
ではコネクタを
が,将来的には
普及するものと
は国際標準化を
ーターショーで
ワイヤレス充電
レス給電の大電
課題を抱えてお
各都市では,自
証実験が試みら
行中給電の実証
み分けが行わ
電の法制度と規則
が,ケーブル・コ
ィブ充電(接触式
間(エアギャップ
は全体を金属で
充電では間隔の
漏えいすることが
中の電波利用の
利用シーンでは
化の際の課題内
える影響評価・低
内・国際制度と
ヤレス給電の課
欧州でコンボ方
検討の開始が報
ラック向けの適用
で路線 EV バスが
を用いる手動の
は,自動充電が
と考えられてい
を経て EV への
はベンツが Q
電を世界初で搭
電力への適用は
おり,一層の技術
自動給電ではあ
られている。電
証評価も各地で
われることになる
則
コネクタあるい
式)と決定的に
プ)を有すること
で覆う(電磁シー
の広狭はあれ,
が避けられない
のシステムと共
は 1)利用周波数
内容が定まり,
低減,3)人体・
との協調が課題
課題
方式をベースに
報じられた。次の
用などが視野に
が導入され運行
のコンダクティブ
が可能で利便性
る。現状で 7.7k
の商用化が目前
ualcomm 社の
搭載するとアナウ
は,人体防護お
術開発が求めら
あるが,接触式
電磁界によるワイ
で開始されてい
るであろう。
はパンタグラフ
異なる点は,エ
である。電磁誘
ールド)こともでき
むき出しのギャ
い。即ち無線通
存が求められる
数とエネルギー
2)漏えい電磁
・生体に対する
題となる(図4)。
3
に 350kW
の世代と
に入って
行してい
ブ充電器
性の高い
kW クラ
前である。
の技術で
ウンスし
および漏
られてい
式を用い
イヤレス
いて,各
フ等を使
エネルギ
誘導を利
きるが,
ャップ区
通信など
ることに
ー伝送方
磁界が他
る影響の
ENSOCIETY
3.1. 日
磁界を
電磁的
波の変
備として
いるの
どの周
えること
が重要
復元す
というこ
な制度
設置し
し,201
行った5
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
日本国内での法
を用いるワイヤ
的にエネルギー
変調を必要としな
て扱われている
で,10kHz 未満
波数を利用し
とは許されない
要である。この影
するインバータ・
ことを意味してい
度化を目指して,
,EV を含む利
5 年 7 月に EV
5)。それを受け
REVIEWGINEERS OF JAPAN
法制度・規則の整
ヤレス給電は,通
ーを伝送するもの
ない。法制度の
る6)。高周波利用
満の利用は現行
ても放送等の他
い。利用周波数
影響への配慮義
コンバータから
いる。総務省は
2013 年 6 月か
用シーンにおけ
V 向け技術基準
て 2016 年 3 月
W Vol. 7 No. 2 20
Fig
整備
通常の無線通信
のであり,情報
のなかでは,現状
用設備は 10kH
行の規制対象外
他の無線業務
数の選定におい
義務は利用周波
ら生ずる高調波
はワイヤレス給
からワイヤレス
ける満たすべき
準について情報
月総務省が関連
017
Fig 5 EV 向
g 6 EV 用 WPT
信業務とは異な
報を載せるため
状は高周波利
Hz 以上を規定
外である。とはい
に重大な影響
いてはこの点の
波数を生成,直
波等にも適用さ
給電システムの
ス電力伝送作業
き技術的要件を
報通信審議会答
連規則を改正す
向け WPT システ
T に適用される
なり,
の電
用設
定して
いえ,
響を与
配慮
直流に
される
簡便
業班を
を検討
答申を
する省
令を
道が
数を
用周
容値
これ
の改
3.2.
CI
その
進す
る。
て 2
議会
テムの分類 5)
る磁界強度基準
を公布し,高周
が開かれた。EV
を 70kHz~90kH
周波数および利
値を,10m 離れ
れを受けて,型式
改正が 2016 年
CISPR(国際無
SPR は無線障
の許容値と測定
することを目的と
ワイヤレス給電
2014 年から開
会答申の許容値
準 5)
波利用設備の
V へのワイヤレ
Hz とし,伝送電
利用周波数以外
れた地点におけ
式指定のため
3 月に行われた
無線,障害特別
障害の原因とな
定法を国際的に
とするIEC(国際
電に関する許容
始されている。
値を国際的に提
の型式指定によ
レス給電の技術
電力 7.7kW クラス
外の周波数にお
る磁界強度で示
の要件を定め
た。
別委員会)におけ
なる各種機器か
に合意することに
際電気標準会議
容値の国際的な
国際的な協調
提案し,積極的に
よる簡易な制度
術的条件は,利
スまでを対象と
おける漏えい電
示された(図5,
る電波法施行
ける国際的検討
らの不要電波に
によって国際貿
議)の特別委員
な検討は日本が
調を行うべく情報
に貢献している
4
度化への
利用周波
して,利
電波の許
図6)。
行規則等
討 7)
に関し,
貿易を促
員会であ
が主導し
報通信審
る。
ENSOCIETY
3.3. 利
エネル
保,シス
電波利
は,当初
利用周
を得る
れてい
Recom
さらには
がってい
論は 4
WRC15
され W
得るた
Pacific
ある日
して活動
3.4. 人
電磁波
離放射
ばく露制
域を目
のガイ
近傍電
用,接触
られて
本質的
けワイヤ
性評価
界の人
4 EV 向
国際
造・流通
られる要
給電制
このう
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
利用周波数の選
ルギー伝送を行
ステムコスト低
利用システムとの
初 42kHz~148
周波数として選定
ために,ITU(国
いる。2015 年
mendation,新
はマイクロ波を
いる。電波利用
4 年に一度の
5 においてワイヤ
WRC19 において
ためにアジアパ
Telecommunit
中韓の CJK(C
動している。
人体安全の側面
波の人体(生体
射線防護委員会
制限に関するガ
的とした先行見
ドラインに沿っ
電磁界からの人
触電流による影
いる。ガイドライ
的には基本制限
ヤレス給電につ
価パターンが策定
人体への暴露の
向けワイヤレス
的な商品である
通させることが普
要件は1)人体
制御,配置,4)製
うち3)は製品相
REVIEWGINEERS OF JAPAN
選定;ITU,WRC
行う周波数の選
減等の技術的
の共存が重要と
8kHz の候補の中
定した。この利
国際通信連合)
時点では PD
新勧告のための
を用いるワイヤ
用に関わる利用
WRC(世界通信
ヤレス電力伝送
て報告されるこ
パシフィック地
ty Wireless Gro
China, Japan, Ko
面
体)への影響の
会(ICNIRP)が時
ガイドラインの見
見直し)を 2010
て無線機器につ
人体の安全の評
影響からなるが
インでは安全率
限に立ち返って評
ついては,情報
定公表されてい
の評価)での検討
ス給電の国際標
る電気自動車
普及の為の重
体安全・電波防
製品固有の条件
相互の接続・互
W Vol. 7 No. 2 20
C での国際的検
選定は,伝送方
的な観点は当然
となる。情報通
中から,79kHz
利用周波数につ
)で勧告を出す
DNR(Prelimina
予備草案)のレ
レス給電技術
用周波数の国際
信会議)で行わ
送は ITU での緊
ことなった。日本
区の主管庁会
oup),あるいは
orea)会合等の
の評価,安全の
時間変化する電
見直し(100kHz
0 年に公表して
ついて電波防護
評価は,電磁波
が,周波数によっ
率を大きめにと
評価することが
報通信審議会答
いる。また IEC
討も開始されて
標準化
(EV)では,世界
要な要件である
護,2)漏えい
件が挙げられる
換性の確保の
017
検討
方式による高効
然のこととして,
信審議会の答
~90kHz を EV
ついて国際的な
すべく努力が重
ary Draft for
レベルまできて
も検討の俎上
際的な割り当て
われている。昨
緊急の研究テー
本は国際的な合
会合の AWG(
は標準化機関会
の場を積極的に
の確保は,国際
電界および磁界
z 以下の低周
ている8)。日本で
護指針を改定し
波の熱作用,刺
って異なること
とっているので,
が必要となる。EV
答申の中でその
の TC106(電界
ている。
界共通の仕様
る。そのために
電磁界の制限
る(図7)。
ために重要であ
率確
他の
答申で
用の
認知
重ねら
New
ている。
に挙
の議
年の
ーマと
合意を
(Asia
会合で
利用
非電
界への
波領
でもこ
した。
激作
が知
より
V 向
適合
界・磁
様で製
に求め
限,3)
あ
る。
標準
搭載
須で
とと
重要
機関
現
22kW
化の
車技
格と
イン
wire
検討
った
に e
よう
加各
F
Fig 8
4)は各社各装
準化にはなじま
載機器の相互接
である。エネルギ
もに,安全を確
要である。これら
関で国内・国際協
現状ではパワー
W クラスへの標
の標準化を見据
技術ハンドブック
としては,IEC/T
ンフラとサプライ
eless power tra
討を踏まえて pa
た。引き続き par
edition1 の策定
な,4 種ものコ
各機関が努力を
Fig 7 標準化法
EV 向け WPT シ
装置の技術的な
ない。ワイヤレ
接続に関わる基
ギー伝送の為の
確保し確実に給
らの国際標準化
協調のもとで進
ークラスが 7.7kW
標準化提案を欧
据えた動きが活
クにまとめられ
TC69(電気自動
イ要素部品が対
ansfer (WPT) s
art1 の IS(Inter
rt2,part3 の TS
定を準備している
コネクタ標準が並
を重ねているが
法制化の基本要
システムの標準
な進歩を担保す
レス給電では給
基本要件の標
のコイル方式,
給電するための
化は IEC/ISO
進められている
W クラスに焦点
欧州,韓国等が
活発化している9
れている10)。ワイ
動車および電動
対象))が IEC6
systems)の制定
rnational Stand
S(Technical Sp
る。ただ,コンダ
並存するような
が,利害が交錯
要件
準化領域
する競争的要件
給電インフラと受
準化が普及の
形状とかパワー
制御通信の標
をはじめとする
(図8)。
点が絞られてい
が提起するなど
) これらの事情
イヤレス充電の
動産業車両(電力
61980(Electric
定をめざし,4 年
dard)化を 2015
pecifications)化
ダクティブ充電で
な事態を避ける
し審議が遅延し
5
であり,
受電側の
の為に必
ークラス
標準化が
る複数の
いるが,
ど大電力
情は自動
の国際規
力設備・
vehicle
年越しの
5 年に行
化を念頭
で起きた
べく,参
している
ENSOCIETY
のが実
に対し
システ
ワイヤ
Specifi
米国で
び UL2
Informa
接続性
はある
討と IE
ITU,C
ねてい
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
実情である。EV
,車両を担当す
ムの構成要素
レス給電の車上
cations)として
では,SAE(自動
2750 規格の制
ation Report)と
性の評価試験を
が,米国では安
EC,ISO での検
ISPR とも密接
る。
標
機
IEC
ISO TC
S
REVIEWGINEERS OF JAPAN
のワイヤレス給
する ISO/TC22
素としての部品を
上側標準の ISO
策定準備を進め
動車技術会)と
制定を進めて
として 2016 年 6
を米国,欧州で
安全面の規格化
検討は同時進行
接に連携し実効
標準化
機関等
C TC69
C22 SC37
SAE
UL
W Vol. 7 No. 2 20
Table 1 EV
給電システムを
2(自動車)/SC
を含む))ではほ
O19363 を PAS
めている(表1)
UL が共同して
いる。SAE で
6 月に公表し,
実施している。
化も担当する。
行しており,もち
的な規格になる
規格名
IEC6198
IEC6198
IEC6198
ISO193
J295
J284
UL275
017
V ワイヤレス給電
Fig 9 IEC での
担当する IEC T
37(電動車両(
ほぼ同じペース
S(Publicly Avai
)。
て,SAE J2954
では TIR(Tech
給電方式間の
UL は認証機
この米国規格
ちろん,IEC/ISO
るべく努力を積
名
80-1
80-2
80-3
363
4
7
50
電国際標準化動
の EV 向け国際
TC69
車両
スで,
ilable
およ
hnical
相互
機関で
の検
O は
み重
5 E
乗
準備
など
送受
が D
発表
(図
Ben
に将
バス
のグ
一般
車
米国の車両
米国
動向 (2016 年
際標準化分担
EV 向けワイヤレ
乗用車向け BEV
備が整いつつあ
どの商品化が活
受電コイルでは
DD 方式を,また
表し製品化への
10,図 11)。20
nz の S550e に
将来期待されて
ス,トラムなどで
グミ市での商用
般要件(2015 年 7
制御通信(
磁界方式(
車両側の安全・相互
両側の規格(2016
車両とイ
NEC(National E
年 12 月時点)
レス給電の今後
V・PHEV 向けの
あることを受けて
活発に進められ
,先行している
たドイツ Bomba
の準備を整え国
016 年のパリで
WPT システム
ている走行中給
での実証を精力
走行を開始し先
活動状況
7 月 IS 済)、改訂
(2017 年春 TS 予
2017;年春 TS 予
互接続性(2017 年
年 5 月末 TIR 発
インフラの通信規格
Electric Code)対
後の展開
のワイヤレス給
て,システム・車
れている。国際標
る Witricity に対
ardier premove
国際標準への採
でのモーターショ
の搭載を世界初
給電では KAIST
的に進めている
先行している。欧
訂版の準備中
予定)
予定)
年 1 月 PAS)
発行、2018 年規格
格
対応の安全規格
給電装置は国際
車に搭載される
標準化を視野に
対抗して,Qualco
社もせり上がり
採用を競い合っ
ョーでは Qualc
初として発表し
T(韓国科学技術
る。2013 年 7 月
欧州での EV バ
格化)
6
際標準の
る受電部
に入れた
omm 社
り方式を
っている
omm が
した。さら
術院)が,
月に韓国
バスのワ
ENSOCIETY
イヤレス
社が 20
を開始
レス補
給電は
プでの
が変動
直し,国
応する
界市場
ックさら
がってい
立って
200kW
MW の
給電と
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig 10 Q
Fig 11
ス充電,商用運
015 年から EV
している。英国
充電のシステム
は 2006 年の MIT
エネルギー伝
動する乗用車型
国際標準化の焦
,7.7kW クラス
場での拡大普及
らにはトラムに至
いる。このシー
いるが,海外で
等の実証評価
計画まで公表
,他の自動化さ
REVIEWGINEERS OF JAPAN
Qualcomm 社の
Bombardier 社
運行では,ドイツ
バスの 200kW
国でも Highway
ムの計画が公表
T による磁界共
送の発表が契
EV への適用
焦点は,コンダ
であり,乗用車
及が期待される。
至るまで,大電
ーンでは,日本で
では,韓国,欧
価も盛んにおこな
している。大電
された接触式超
W Vol. 7 No. 2 20
WPT コイル製
社の車載 WPT
ツの Braunshwe
レベルの走行
England から高
表されている。E
共鳴方式を用い
契機となり本格化
用を強く促した。
ダクティブ充電で
車型 EV の国際
。一方で利用シ
力且つ超急速
では早稲田大学
欧州,米国,中国
なわれている。
電力の試行にお
超急速充電との
017
製品群
コイル
eig 市で Bomba
中充電の実証
高速道路でのワ
EV 用のワイヤ
いた2mのエアギ
化し,伝送ギャ
現在の国内制
での普通充電
際標準に基づい
シーンは,バス,
充電への適用
学の試行・研究
国において,60
韓国の KAIST
いては,ワイヤ
のシステム優位
ardier
証運行
ワイヤ
ヤレス
ギャッ
ャップ
度見
電に対
いた世
,トラ
に広
が際
0kW,
T は1
ヤレス
性の
検討
ラス
環境
要な
進展
てい
【参
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
9)
10)
11)
12)
13)
討が進められて
スの自動接触式
境負荷軽減のた
な解決手段を提
展と相まって,ワ
いる。
考文献】
経産省;EV・
23 日
監修;堀洋一
とインフラ構築
監修;篠原真
出版、2014 年
監修;篠原真
の最前線、20
総務省:電気
技術的条件、
する情報通信
久保田文人,
電子情報通信
総務省, ”オタ
員会資料, 20
総務省:(和訳
界へのばく露
で),情報通信
員会 電波防
付資料 5-2(
南方真人:EV
OHM2015 年
自動車技術ハ
第 10 章、自
横井行雄:大
状況,OHM,
横井行雄, ”
動向”, エネル
横井行雄, ”
エレクトロニク
ていくことになるで
式超急速充電の
ために交通シス
提供する。電池お
ワイヤレス給電
PHV ロードマ
一、横井行雄;電
築、2011 年 3 月
真毅;電磁界結合
年 12 月
真毅;ワイヤレス
016 年 8、CMC
気自動車用ワイ
、国際無線障害
信審議会からの
“高周波利用
信学会誌, Vol.9
タワ会議での審
014,1,
訳抜粋)ICNIRP
露制限に関する
信審議会 情報
防護指針の在り
2014)
V/PHEV 用ワ
5 月号(2015)
ハンドブック第
動車技術会、2
大電力化・走行中
2015 年 5 月号
電気自動車用
ルギー総合工学
中国・欧州・日
クス, No.6,2017
であろう。すで
のバスが市街地
ステムでの EV お
および駆動モー
の重要性はま
マップ検討会 報
電気自動車のた
月、CMC 出版
合型ワイヤレス
ス電力伝送技術
C 出版
イヤレス電力伝
害特別委員会(
の一部答申、20
設備・ISM 装置
97, No.6, pp461
審議結果”, 第
P 声明 時間変
るガイドライン (
報通信技術分科
り方に関する検
イヤレス給電シ
7 分冊 設計
2016 年 2 月
中給電の実現
号(2015)
用ワイヤレス充電
学,Vol.37, No.1,
本の EV ワイヤ
7.1
に欧州では 35
地を運行している
および e-mobil
ータシステムの
すます増大する
報告書、2016 年
ためのワイヤレ
ス給電技術、科
術の研究開発と
伝送システムに
CISPR)の諸規
015 年 7 月 17
置の規定と技術
1, 2014,6
14 回電波利用
変化する電界お
(1Hz から 100
科会 電波利用
討作業班(第 5
システム国際標
「EV・ハイブリッ
に向けた国際・
電-実証評価と
,2014.4
ヤレス充電事情
7
50kW ク
る。地球
ity は重
の一段の
ると考え
年 3 月
レス給電
科学情報
と実用化
に関する
規格に関
日
術課題”,
用環境委
および磁
kHz ま
用環境委
5 回)配
標準化,
ッド」編;
・国内の
と標準化
情”,Motor
ENSOCIETY
1 EV
EV の
的には
車の販
250km
必要とな
る EV
EV の 1
まう。こ
であって
いること
に充電
ロバス
用しての
上記の
速度を
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig 1
走行中
The prospec
高橋 俊輔
Shunsuke TA
早稲田大学
Waseda Univ
への走行中ワ
の“電費” (単位
は 8~10km/kWh
販売価格に見合
程度が経済的
なる。Tesla など
はあるが,その
1/2 程度で,10
これは重い電池
て,CO2 削減を
とになる。また
電するシステムで
サイズか,大型
の短距離ルート
のように EV が
実現するには,
REVIEWGINEERS OF JAPAN
EV の電池搭載
中給電技
cts of the Dyn
AKAHASHI
環境総合研究
versity Environm
イヤレス給電の
位電力量で走行
h,軽量化を進め
合った搭載電池
限界となり,長
どのように内燃
の“電費”を見て
0 年ほど前の第
池を多量に積ん
を目指しての EV
,バスにおいて
では短時間充
型バスの場合は
ト運用にならざ
がエンジン車と同
,未だかなりの
W Vol. 7 No. 2 20
載量と走行距離
技術の展
namic Chargi
究センター
mental Research
の必要性
行可能な距離)は
めた車種では 1
池量を考えると
長距離走行では
燃機関車と同等
てみると 6km/kW
第 2 次 EV 時代並
んで走行距離を
V 普及の点から
てはターミナル
電になるため,
はプラグインハ
ざるを得ない。
同等の航続距離
時間がかかりそ
017
離の関係
展望
ing Technolog
h Institute
は図1のように
12km/kWh にな
1充電走行距
は頻繁な急速充
の 500km 以上
Wh と 新の軽
並の性能になっ
を延ばしている
らは逆方向に行
やバス停で停
充電量からマ
ハイブリッドバス
離とエネルギー
そうである。これ
gy
一般
なるが,
離は
電が
走れ
軽量な
ってし
るため
行って
車中
マイク
スを使
ー充填
れは
長距
を持
スを
必要
高
配が
にな
路か
ると
16cm
図2
走行
の範
対応
や電
電方
Fig 2 ワ
距離走行を実現
持った蓄電池が
を長距離走行さ
要なエネルギー
高速道路を 100k
が 0%において 1
なるとそれぞれ
からの必要供給
と思われる。また
m で,市販大型
2にワイヤレス給
行中給電に求め
範囲を示すと,磁
応できることがわ
電界結合式でも
方式の詳細につ
ワイヤレス給電
現するだけの高
開発途上のため
させる究極の充
ーを常時受け取れ
km/h で走行中
15kW 程度,マ
30kW,95kW 程
給電力は重量車
た車の 低地
型トラックの実際
給電方式毎の伝
められる伝送電
磁界結合型と呼
わかる。ただ,条
も走行中給電は
ついては紙面の
電方式の伝送電
高エネルギー密
めである。そこ
充電機能は充電
れる走行中給電
中の 4 人乗り乗
マイクロバスで 5
程度になると算
車まで考えると
地上高は軸距に
際の 低地上高
伝送電力と伝
電力 10~200kW
呼ばれる電磁誘
条件によっては
は可能である。
の関係で省略す
電力と伝送距離
密度と超急速充
こで,EV や大型
電のために停止
電となる。
乗用車の動力は
50kW 程度,勾配
算定されることか
10~200kW 程
によって変わる
高は 30cm 程度
送距離を示す
W で伝送距離 9
誘導式と磁界共
は電波(マイクロ
なお,各ワイヤ
する。
8
充電性能
型電動バ
止せずに
は道路勾
配が 3%
から,道
程度にな
るが 9~
度である。
。ここに
~30cm
共振式で
ロ波)式
ヤレス給
ENSOCIETY
2 走行
電磁誘
(図3
EV 用と
隔てて
に電気
アを取
クアップ
ある。ワ
いもので
止型は
1978
って行わ
行中ワ
長さ 1.5
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig 3a
Fig 3b
行中ワイヤレス給
誘導式を含むワ
b))の2つの方
として使われる
受電コイルを置
気エネルギーを
り去り,コイルを
プが給電線上に
ワイヤレス給電
であったため E
はかなり後になっ
年,米国 Lawr
われた EV 用電
イヤレス給電開
52m のピックア
REVIEWGINEERS OF JAPAN
a 静止型ワイヤ
b 移動型ワイ
給電の変遷
ワイヤレス給電
方式がある。静
ように,給電中
置いておく必要
充電する。移動
をレール状に伸
にある限りは搬
電の当初の研究
EV や搬送台車
って蓄電池性能
rence Berkeley
電磁誘導式ワイ
開発の始まりと
アップに伝送でき
W Vol. 7 No. 2 20
ヤレス給電シス
ヤレス給電シス
電には,静止型
静止型はヒゲ剃
中は送電コイルの
があり,移動体
動型は,静止型
伸ばして給電線
搬送車の移動中
究は,蓄電池の
車への走行中連
能の向上に伴い
y Laboratory の
イヤレス給電シ
と言える。20kW
きたが,使用周
017
ステム
ステム
(図3 a))と移
剃りなどの家電
の直上にギャッ
体側に搭載した
型の受電コイル
線としたもので,
中にも給電が可
性能が低く大き
連続給電が主で
い出現してくる。
の J.G. Bolger ら
システムの実験
の出力を幅 60
周波数が 180Hz
移動型
品や
ップを
電池
ルのコ
ピッ
可能で
きく重
で,静
らによ
験が走
0cm,
z と言
う低
と短
験の
実
(Pa
ィー
給電
1986
EV
埋め
を用
れた
るこ
5の
づい
音は
F
Fig 5
低周波であったた
短く,当初考えて
のみで終わった
実際に使われた
rtners for Adva
トのテストコース
電線から電磁誘
6 年に米国の K
に走行中給電
め込んだ 2 本の
用いた電磁誘導
た幅 1m,長さ 4.
ことにより,エアギ
のように当時の技
いていると紹介さ
は 40dBA と日常
Fig 5 近未来の
Fig 4 Bolger
5 近未来の走
ため伝送効率は
ていた走行中給
(図4)1)。
初のものは
anced Transit a
スのうち 200 フ
誘導電力を受電
K.Lashkari らが
するシステム2)
の 1.8cm 径アル
導により,走行中
4m で 545kg も
ギャップ 3 インチ
技術雑誌に近未
された3)。可聴域
常生活において
の走行中給電E
による実験シス
走行中給電EVの
は非常に低く,エ
給電の実現は難
1980 年代に米
and Highway)プ
フィートにわたる
電する実験シス
が発表した道路に
)を使ったもので
ルミニウム給電線
中の 7.7m 長ミニ
の重量のある受
チで 6~10kW
未来の EV に燃
域にあるシステ
て非常に静かと
EVの記事
ステム
の記事
エアギャップも
難しく,室内での
米国で行われた
プロジェクトでの
る道路下に埋め
ステムである。
に埋設した給電
で,道路に 1m
線からの周波数
ニバスの底面に
受電モジュール
の電力を受電で
燃料補給できる
テムのバス内外
言われるレベル
9
1インチ
の台上試
た PATH
の 400 フ
め込んだ
。これは
電線から
間隔で
数 400Hz
に設置さ
ルで受け
でき,図
る道が近
外での騒
ルであっ
ENSOCIETY
た。しか
なかった
以下で
密度が
100μT
た国際
る電界
は,f=2
で,400
はなか
油圧式
た信号
動かす
ているシ
証試験
が採ら
鉄道車
電磁誘
Techno
ムを,2
Lomme
MITRA
ンから高
コイルに
の搭載
さに区
PRIMO
基準に
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig 6
かし,共振回路
たため,漏れイ
であったことと,地
が車内で 40μT,
T と大きく実用に
際非電離放射線
界及び磁界への
25~800Hz の周
0Hzでは0.125μ
かった。なお, コ
式ピックアップ支
号線からの信号を
すことができ,
システムであっ
験では電磁波漏
れている。
車両や航空機の
誘導式ワイヤレス
ology と呼ぶス
2012年にFland
el 市の 0.62km
C e-bus への走
高周波電源装置
に供給,2m×1
載電池を充電した
区切られ,車両
OVE 技術で電磁
に適合している。
REVIEWGINEERS OF JAPAN
コンクリート舗
路,特に1次側に
インダクタンスに
地上から 25cm
,車外で 1,500
には至らなかっ
線防護委員会(I
公衆の曝露に
周波数範囲では
μTでしかなく,
コイルの位置ず
支持装置が搭載
をトレースして,
適位置の 25m
った4)。この結果
漏洩の抑制が
のメーカーの B
ス給電システム
スイッチング技術
ders’ DRIVE re
m の道路に 125
走行中給電実証
置により出力 2
m サイズの受
た。地上の送電
両が上に来た
磁波の影響を
各々の送電コ
W Vol. 7 No. 2 20
舗装路の埋設シ
について十分な
により電源力率
m 高さでのコイ
μT,1m 高さで
った。ちなみに
CNIRP)におけ
に関する磁束密
は 50/f(μT)と
今ではとても許
ずれを補正する
載されていて,
,左右方向 20c
mm 以内になるよ
果から,その後
大の課題とな
Bombardier は,
ム,CPS に自社
術を織り込んだ
esearch project
5m にわたって
証を行った。10
200kW,周波数
受電コイルで 80
電コイルは車体
送電コイルに
小限化してい
コイルの脇に沿っ
017
システム
な検討がなされ
率が悪く効率が
イルからの漏れ
でもそれぞれ 2.5
1998 年に制定
ける時間的に変
度のガイドライ
と規定されてい
許容できるレベ
るために,車両
地面に埋め込
cm,上下方向 1
よう位置合わせ
の走行中給電
り,いろいろな
,ドイツ Vahle
社開発の PRIM
だ走行中給電シ
tにおいてベル
て埋め込んで自
kV の商用電源
数 20kHz にして
0kW を受電,60
体長より短い 8.1
にだけ電流を流
て,磁束密度は
って車両検知線
れてい
が 60%
れ磁束
5μT,
定され
変化す
イン値
いるの
ベルで
両側に
込まれ
10cm
せをし
の実
方式
社の
MOVE
システ
ルギー
社の
源ライ
て送電
0kWh
m 長
流す
は EU
線を
設置
(図
果を
を行
韓
Tec
Veh
met
り電
EV バ
を積
90km
トの
の走
ータ
通し
100k
離 2
走行
電と
ル設
にし
効率
減し
20
用セ
損し
発し
た7)
道
置し,コイルへの
6)。実用化を目
を見るためにコン
行った5)。
韓国科学技術院
hnology)は 200
hicle)と呼ぶ走
hod と呼んでい
電磁放射を少な
バスや Yeosu(
積み,これらをベ
m にある Gumi
両端のターミナ
走行中給電を行
タからの電力を幅
して容量 20kW,
kW を受電する
24km のうちの僅
行に必要な電力
というのが実情で
設置時間の短縮
して給電線を直
率が 80%とやや
し,同時に電磁波
013 年,東亜道
セメント材として
しないように転圧
し,KAIST の工
。
道路表層と基層
Fig 7 KAIS
の給電のスイッチ
目指し,送電コイ
ンクリートとアス
院(KAIST:Korea
09 年以来,電磁
行中給電シス
いる PRIMOVE 技
くしたシステムを
麗水)市での E
ベースに 2013
i(亀尾)市で 2
ナルで静止中充
行うものである。
幅 80cm の送電
サイズ 170cm
るもので,総合効
僅か 144m の間
力量の大部分は
である。開発中
縮と建設コストを
直線的に配置す
低くはなるもの
波漏洩量を従来
道路工業は日産
て,コイルや給電
圧作業が不要
法に比べ施工コ
層は舗装打ち替
ST の S 字型コ
チングタイミング
イルを埋設した
スファルトをそれ
a Advanced Ins
磁誘導式の OL
テムについて研
技術に似たコイ
を開発し,キャ
Expo 2012 で EV
年 7 月から D
24km 長の試験
充電,途中の 4
周波数20kHz
電コイルから送
m×80cm の受
効率は約 82%で
間で走行中給電
は 2 箇所のター
中の第 4 世代
を下げるため,
することで,同一
のの,道路の開削
来の 1/5 以下に
産自動車と共同
電線が舗装工
で弾力性のあ
コストを 1/3 に
替え等のメンテナ
コア
グ信号を送出し
た道路の舗装材
れぞれ敷き詰め
stitute of Scie
LEV(On-Line
研究を進め,S
イルのスイッチン
ャンパス内シャト
V バスに搭載し
Daejeon(大田)
験運用を開始した
か所でそれぞ
,出力200kWの
送電し,20cm ギ
受電コイル 5 台
である。しかし,
電を行っているの
ーミナルでの静
のシステムは送
図7のように S
一ギャップ(20c
削幅を 10cm ほ
にできた6)。
同で給電コイル
事中の熱や圧
ある特殊セメント
に抑えられるよう
ナンスで,掘削
10
している
材の効
めて実験
nce and
Electric
Segment
ングによ
トル用の
して実績
)市の東
た。ルー
ぞれ 36m
のインバ
ャップを
台で 大
運行距
のみで,
静止中充
送電コイ
S 字コア
cm)での
ほどに削
ルの舗装
圧力で破
ト材を開
うになっ
削埋め戻
ENSOCIETY
しが路
を表層
テナンス
大型模
は道路
が,この
2015
路構造
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig 8
Fig 9 Ut
Fig 10
盤以下の層よ
や基層に埋設
スコストを押し
模型での検討結
路メンテナンスの
のギャップで電
5 年に米国 Ut
造をした長径500
REVIEWGINEERS OF JAPAN
国総研による
tah 州立大学の
NEXCO 総研に
りも頻繁に繰り
設すると,送電コ
上げる。2013
結果から,図8の
の点から 低 0
力電送を確保す
tah 州立大学は
0フィート,短径
W Vol. 7 No. 2 20
送電コイル埋設
の走行中給電バ
による送電コイ
り返される。その
コイルの管理に
年,国土技術政
のように送電コ
.6m,できれば
するのは至難で
は,キャンパス内
径300フィートの
017
設道
バス
ル構造
のため,送電コ
に必要な経費が
政策総合研究
コイル埋め込み
1m と結論づけ
である。
内に送電コイル
オーバル形の
コイル
がメン
所は
み深さ
けた8)
ルと道
試験
道路
備そ
120
25kW
イン
同じ
り替
20
を配
収納
ンク
準値
速硬
Utah
える
S
ン南
ドバ
で,
コイ
30cm
フラ
緒に
結果
で 1
( 高
検知
Fig
路を設置し,図 9
それぞれの経過
フィート×2 の
W を 8 インチギ
ンチ離れても定
じものを間隔をお
替えるシステムに
016 年,高速道
配置するため,図
納箱を組み込ん
クリートを打設す
値(μ80≧35)を
硬ポリマーセメ
h 州立大学と同
るシステムにして
cania とスウェー
南部の Södertä
バスの運行を開
本運行に先立
イルは 1m×2m
m 以上,効率は
ランスの Sator
に 2016 年 10 月
果が公表される
00kW の電力が
高 90 km/h 以
知のトリガーによ
11 Scania の
9 のような走行
過観察を行って
の走行中充電コ
ギャップにおいて
格出力を維持
おいて並べ,車
にしている9)。
道路総合技術研
図 10 のようにコ
んだコンクリート
する方式を発表
を超えるすべり抵
ントモルタルを
同じように静止型
ている10)。
ーデン王立研究
lje においてワ
始した。実コン
って実験された
の大きさで,出
は 80~90%であ
y 試験場で FA
月から実験開始
見込みである。
が 100m のテス
上)で走る 2 台
より静止スイッチ
の走行中給電トラ
行中ワイヤレス給
ている。1/4 マ
コースを設置し,
て効率 85%で送
持できる。送電コ
車の進行に従い
研究所は路面
コイルを入れレ
トパネルを路盤
表している。実験
抵抗を持つコン
を選定している
型を並べ,スイ
究所は,2016 年
ワイヤレス充電式
ンディションでの
た大型電動トラ
出力が 140kW か
あった(図 11)11
ABRIC が Vedec
始したプロジェク
。3 相 200kVA の
トコースに印加
台の EV に 50kW
チが送電コイル
ラック
給電電気バスと
イルのテストコ
,周波数 20kH
送電でき, 適点
コイル構造は静
いスイッチング回
表面近くに送電
レジンで空間を満
盤の上に置き,周
験の結果,耐荷
ンクリート材料と
る。送電コイル
イッチング回路で
年 6 月からスウ
式プラグインハ
のシステム検証
ックに搭載され
から 200kW,ギャ
)。
com と Qualcom
クトがあり,2017
の商用電源から
加され,定常で 6
W ずつ供給され
ルを切り替えるシ
11
と道路設
コースに
Hz, 大
点から 6
静止型と
回路で切
電コイル
満たした
周囲もコ
荷重と基
として超
ル構造は
で切り替
ウェーデ
ハイブリッ
証が目的
れた受電
ャップは
mm と一
7 年春に
ら 85kHz
60 km/h
れる。車
システ
ENSOCIETY
ムであ
公共
画が進
英国政
feasibil
に走行
Highwa
者に入
充てる
期間は
共振式
レンチ掘
ンを図
公表す
HIGHW
Traffic
2013
おいて
テムの
アムとし
補助を
ロ バ イ
Transp
から 5k
施され
しては接
走行中
に示す
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig 12
る12)13)。
共の場での走行
進んでいないプロ
政府は 2015
ity study 結果を
行しながら充電
ays の実験計画
入札を求めた。英
とし,試験用充
は 18 か月を予定
式で,送電コイル
掘削作業車や鉄
っている14)。事
するとしていた
WAY ENGLAND
Research Lab
3 年 9 月にスペイ
電動バスへの
検証を行う Pro
してはアンダル
行い,Malaga 市
イ ダ ー の ISOT
ortes それにデ
km のルートで 2
ておらず計画の
接触式充電(夜
中ワイヤレス給電
すようにコンバー
REVIEWGINEERS OF JAPAN
英国の Elect
行中給電実証計
ロジェクトを以下
年 8 月に,25
を公開すると共
電が可能な EV
画を発表し,試験
英国運輸省は今
充電レーンは早け
定していた。20c
ルの埋設工事に
鉄道敷設用車
事業者が全て決
たが,計画は延
D はこのプロジ
olatory(TRL)に
インのアンダル
の走行中給電,
oject Victoria を
ルシアエネルギー
市,大手エネル
TROL と 運 用
データ解析をす
21 ヶ月間運用す
のみで終わった
夜間充電)1 カ所
電 1 カ所を設置
ータ部が 25kW で
W Vol. 7 No. 2 20
tric Highways 構
計画が発表され
下に述べる。
52 ページの走
共に,図 12 のよ
V 専用レーン
験道路システム
今後 5 年間で 5
ければ 2015 年
cm ほどのギャッ
に特殊な重機は
両を利用して工
決まった時に,
延期になり,主
ジェクトから降り
にて実施される
ルシアエネルギ
静止中充電な
を実施すると発
ー省が 3.7 百万
ルギー会社の E
を 行 う Empre
する Malaga 大学
することになって
たものと思われ
所,静止型ワイヤ
置し,走行中給
で 2 つの送電コ
017
構想図
れながら,その
走行中給電に関
ように主要幹線
ンを設ける Ele
ムを開発したい
5 億ボンドの予
年内にも着工,
ップで給電する
は使わず,既存
工事費のコスト
試験計画の詳
主体的役割を
り,研究は THE
るとのことになっ
ー省が Malaga
などの各種充電
発表した。コンソ
万ユーロ(5 億円
ndesa,情報通
esa Malagueña
学が組み,2014
ていたが,現在
る。充電システ
ヤレス充電 2 カ
電システムは図
コイルに切り替
後計
関する
線道路
ectric
事業
予算を
試験
磁界
存のト
トダウ
詳細を
を担う
E UK
った。
市に
電シス
ソーシ
円)の
通信プ
a de
年末
在も実
テムと
カ所,
図 13
替えて
給電
には
イタ
出力
150k
証を
そ
実現
われ
3 そ
1)接
ワ
給電
パ
2016
ち外
Sca
Fig 13
Fig
電するインバータ
は小さいと思われ
タリアの Torino
力 20kW で 20
kHz の間の共振
を計画しているが
その他にもいろ
現していない。そ
れる。
その他の走行中
接触式走行中給
イヤレス給電で
電システムの
パンタグラフ接触
6 年 6 月にスウ
外側の 1 車線の
nia 製ハイブリッ
Malaga 市の
g 14 Scania の
タ部が 10kW な
れる15)。
o 市で Politecni
0m のテストコ
振周波数で 50
が,開始したとい
いろなプロジェ
それは4項に述
中ワイヤレス給
給電
ではないが,パ
新動向を述べ
触式は電車やト
ウェーデン中部の
の上部に電力を
ットトラックによ
の Project Victo
の接触式走行中
なので,走行に必
co di Torino と
コースで,また同
0m のテストコー
いう話がない12
ェクトが計画され
述べる課題がク
給電システム
パンタグラフなど
ておく。
トロリーバスで古
の Gävle 市で片
を供給する 2km
よる運用が始まっ
ria 構想図
中給電
必要な電力を供
CRF は周波数
同市で SAET が
ースで走行中給
2)。
れているが,な
クリアされないた
どによる接触式走
古くから見られる
片側 2 車線の公
の架線が張ら
った(図 14)。パ
12
供給する
数 150kHz
が 10~
給電の実
なかなか
ためと思
走行中
るが,
公道のう
れ
パンタグ
ENSOCIETY
ラフが架
蓄電池
以降は
術は S
また,
トコース
接触給
は 200
会社,I
ンを区
上敷設
2)電界
送電側
磁界結
それぞ
ネルギ
つ。
電流
式は電
フェライ
低減で
だけで
よびイン
避ける
ーは数
の電極
的実現
電極を
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig
架線から外れる
池に充電した電力
は通常のエンジ
iemens が開発
2013 年 5 月,
スで,400m の長
給電する Slide I
3 年,フランス
Innorail が開発
切って車が居な
設されていても感
界結合式走行中
側と受電側の
結合式ワイヤレス
ぞれ電極を設置
ギーを媒介にした
により磁界を作
電界を利用する
イトコアやリッツ
できる。出力が大
対応できる利点
ンダクタンスに高
ために電界強度
数 J/m3 程度であ
極間はコンデンサ
現し易く,水平方
を近づける必要
REVIEWGINEERS OF JAPAN
15 Volvo の S
ると,トラックは
力を使いながら
ンによるハイブ
発した16)。
Volvo がスウェ
長さで道路に敷
n と言うシステム
Bordeaux 市の
発した「地表集電
ない所では給電
感電しないシス
中給電
LC 共振器間の
ス電力伝送が可
置し,電極が近接
た電界結合式ワ
作らねばならな
るため電極間に
ツ線コイルを用い
大きな機器に対
点もあるが,共振
高い電圧が印加
度に上限が存
あり,小型車が
サと同じなので
方向の位置ずれ
がある。また,
W Vol. 7 No. 2 20
Slide In システム
容量 5kWh のリ
ら 長 3km の走
ブリット走行とな
ェーデンの Got
敷設した給電線
ムのデモを公開
の LRT に採用さ
電方式」と同じ,
電しない方式を
テムになってい
の「磁界」エネル
可能であれば,
接したときに発
ワイヤレス電力
ない磁界結合式
に電圧を印加す
いないため,機
対しても,接触さ
振回路の Q に
加されるので,
在する。その結
対象になると思
で,磁界に比べて
れに対応しやす
送受電電極間
017
ム
リチウムイオン
走行が可能で,
なる。電力関連
thenburg 近くの
線から電動トラッ
開した(図 15)。
された Alstom
区間毎に給電
を採用していて
いる17)。
ルギーを媒介に
送電側と受電
発生する「電界」
力伝送もまた成
式に対し,電界
するだけで良く,
器の重さやコス
させる面積を広
に応じて接合容
空気中への放
結果,静電エネ
思われる。電界
て一様電界は比
すいが,送受電
間の容量はギャ
ン電池
それ
の技
のテス
ックへ
これ
の子
電ゾー
て,地
にした
電側に
のエ
成り立
結合
また
ストを
広げる
容量お
放電を
ネルギ
界結合
比較
間の
ャップ
状態
波数
豊
ヤや
通し
タン
力伝
間の
のキ
を搭
に成
性検
3)無
遠
周波
電力
に配
方向
流に
無
から
のビ
送電
能が
17a
行中
Fig 16
態によって変化
数またはインダク
豊橋技術科学大
やアスファルトを
しタイヤ内のスチ
ンスを通して電極
伝送するシステ
の伝送効率は 7
キャンパス内に
搭載していないト
成功した(図 16
検討はこれから
無線(マイクロ波
遠方にまで伝搬
波数は 2.45GHz
力をレクテナ(re
配置されたアンテ
向電圧降下が少
に変換することで
無線式には,フ
ら放射されるマ
ビーム形状を形
電方向を示す案
がある。この任意
)に示す照明灯
中のトラックの動
豊橋技科大の
するので,共振
クタンスを調整
大学は,その課
を利用し,路面下
チールベルト間
極板とスチール
ムを開発した。
70%程度である
おいて周波数1
トヨタ車体のコム
)。ただ,車軸や
である18)。
波)式走行中給
する電磁波を利
z などのマイク
ectenna;rectify
テナエレメントで
少ないショットキ
で電力伝送がで
ェーズドアレイ
イクロ波の振幅
形成できる機能と
案内信号により任
意のビーム方向
灯のように設置
動きに合わせて
の電界結合式走
振条件を維持す
整しなければなら
課題を解決する
下の電極板と 1
間でキャパシタ
ルベルト間に流
周波数は MH
。2016 年 3 月
13.56MHzで出
ムスを 10km/h
や地中電極の絶
給電
利用するのが無
クロ波帯が多く,
ying antenna の
で受けたマイク
キーバリアダイ
できる。
イアンテナによる
幅と位相を制御
と,受電側から
任意の方向に
向を制御できる
置したマイクロ波
てトラックの上部
走行中給電
するためには,
らない課題もあ
ため誘電体であ
10cm のアスフ
タンスを形成,キ
流れる高周波電
z 帯で電極板~
月に豊橋技術科
力5kWを送電し
の速度で走らせ
絶縁と雨に対す
無線式であるが
送電されたマイ
の略)と呼ばれる
クロ波エネルギー
イオードなどで直
る複数のアンテ
御,空間合成し
のマイクロ波ビ
ビームを向けら
る機能を使用す
波送電アンテナ
部に連続して給電
13
発信周
る。
あるタイ
ァルトを
キャパシ
電流で電
~タイヤ
科学大学
し,電池
せること
する安全
が,使用
イクロ波
る格子状
ーを,順
直接,直
テナ素子
して任意
ビームの
られる機
ると,図
ナから走
電でき,
ENSOCIETY
ビーム
にだけ
界結合
点を克
デバイ
安全性
4 走行
1)電磁
ワイヤ
ら解放
による
ため,電
あること
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
形状も任意に絞
ビームを絞って
合式の走行中給
服できる可能性
ス損失が大きく
性検証の問題が
行中ワイヤレス給
磁放射
ヤレス給電はエ
されるメリットの
電磁環境が他
電磁両立性(EM
と)が課題である
REVIEWGINEERS OF JAPAN
Fig 17b
Fig 17b
絞れることで.図
て当てるシステ
給電で給電コイ
性がある。しか
く全体効率が低
があり,まだ電波
給電の課題
エネルギー供給
の反面,空間に
他のシステムに
MC)の確立(特
る。EMC は狭義
W Vol. 7 No. 2 20
Fig
b ビーム形状
ビーム形状
図 17b)に示す
テムを構築でき
イルを道路上に
かし,非常に高い
低い課題と,人体
波暗室内でのレ
給のために必要
に放出される電
影響を及ぼす
特にエミッション
義には無線通信
017
17a マイクロ
ようにレクテナ
る。これにより
設置する際の
い高周波を扱う
体への電磁放
レベルである19)
要なワイヤの制
電磁界のエネル
可能性が存在
が規定条件範
信や電子機器へ
ロ波式走行中給
の上
電磁
問題
うため
射の
20)。
約か
ルギー
在する
範囲で
への
干渉
静
シー
とせ
効果
に長
った
ルを
に通
コイ
100k
御回
おく
ルか
給電システムの構
Fig 18
渉の問題である
静止中の充電で
ールドになって,
せるが,走行中給
果が期待できな
長いアンテナ状
た。そこで PRIMO
を短く分割し,ス
通電するシステム
イル長さは 8.1m
km/h で通過す
回路の応答時間
必要が考えられ
からの電磁漏洩
構成図
昭和飛行機工
るが,広義には人
では送受電コイ
外部への電磁
給電では送電
ない。PATH プロ
のコイルであっ
OVE Technolog
スイッチング制御
ムが考案された
m で車体長 1
するには 0.3 秒
間等を考えると,
れる。このような
洩が発生する。
工業の送電コイ
人体への影響の
イルをしっかりと
磁放射を殆ど問
コイルの上を車
ロジェクトでは車
ったため非常に
gy や Segment
御により車体の
た。しかしながら
2m より短くな
秒ほどしか掛から
,次のコイルくら
な場合には車
イル構成図
の問題も含まれ
と正対させると
問題のないレベ
車体が移動しシ
車体寸法に対し
に大きな電磁漏
t method では送
の下にあるコイ
ら,Bombardier
なっているが,こ
らない。スイッチ
らいは同時に通
体が載っていな
14
れる。
と車体が
ベルに落
シールド
して非常
漏洩があ
送電コイ
イルだけ
の送電
この上を
チング制
通電して
ないコイ
ENSOCIETY
これ
コイルを
合うコイ
に打ち
一方
あるが
試体か
車両を
規格化
2)道路
公道
につい
両速度
バスで
重等の
コンクリ
重 5 トン
を施した
社も同
ラスの適
しかし
上に乗
量車で
含む耐
アスフ
スファル
期転圧
80℃前
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig 19
を解消する目的
を偶数回 5m ほ
イルに互いに逆
消しあって電磁
方,走行中給電
,従来の電波暗
から 10m の地点
を走行させながら
化が必要とされて
路上設置
上にワイヤレス
て,5,000 ± 2
度とする規格化が
はまだ使用周波
の議論には至っ
リートで覆うなど
ンに道路の傾斜
たコイルとしてい
様の 6 トン以上
適用で 13 トンの
しながら,これら
乗り上げることを
での動荷重,段差
耐摩耗性,スリッ
ファルト舗装の
ルトを引き均し,
圧をし,100~12
前後で片道 3 回
REVIEWGINEERS OF JAPAN
9 Utah 州立大
的で昭和飛行機
ほどの区間毎に
逆方向の磁束を
磁漏洩が少なくな
電においても不要
暗室やオープン
点で測定する方
らの測定は困難
ている22)。
ス給電の送電コ
250N の耐荷重
が IEC61980 の
波数帯をどうす
ていない。そこ
どして,T10 クラ
斜による偏りを考
いる。欧州では
上の耐荷重とし
の耐荷重にして
らは静止中給電
を想定している
差がある場合に
ップ特性などの規
一般的な施工
,130~140℃前
0℃前後の状態
程度の仕上げ
W Vol. 7 No. 2 20
大学での道路構
機工業は,図 1
に 180°折り曲
を発生させ,遠
なる方法を開発
要放射電磁界
ンサイトでの測定
方法)を基準に作
難である。新し
コイルを設置す
重性能と,8 ±
の Part3 で進めら
するかという入り
こで,国内では,
ラス対応,すなわ
考慮して 6 トン
は IPT Technolo
しているが,中国
ている。
電において車が
る場合で,走行
には衝撃荷重,
規定が求められ
は砕石を転圧後
前後の状態で片
態で片道 3 回の
げ転圧をしている
017
構造
8 に示すように
曲げることにより
遠方から見ると
発した21)。
界を計測する必
定法は 10m 法
作られているた
い測定方法の
するにあたって
2 km/h の試
られている23)。
り口の段階で,
コイル全面を
わち軸重 10 トン
以上の耐荷重
gy 社も Bomba
国 ZTE 社は T2
が低速で送電コ
中給電では他
,ブレーキング
れる。
後,150℃前後
片道 8~11 回
の 2 次転圧の
る。送電コイルを
に長い
り隣り
と互い
要が
法(供
ため,
確立,
て,EV
試験車
一方,
耐荷
樹脂
ン,輪
対策
ardier
25 ク
コイル
の重
グ時を
後のア
の初
のあと
をア
スフ
高速
だコ
る方
ーン
一般
陸に
収縮
が,
易く
図 1
路に
る24
3)正
ワ
び効
電で
途中
搭載
るい
の位
り組
能性
以
なり
ある
題も
F
ファルト内に設置
速道路総合技術
コンクリートパネ
方式を発表してい
ン現象による事
般的に実施され
による段差発生
縮モルタルを流
直線では踏み
なるので,新た
9 のような送電
に設置して電気
4)。
正着性
イヤレス給電で
効率の低下,電
では送電コイル
中で電欠を引き
載カメラと画像処
いは図 20 のよう
位置制御などが
組んでいる自動
性がある。
以上のようにコイ
,コイルの埋設
る。また,受電コ
も今,自動車会
Fig 20 準天頂
置するとこの熱
術研究所は送電
ネルを路盤の上
いる。しかしなが
故の減少に効
れているため,コ
生の問題がある
流し込んで不陸
付け荷重で無収
たな工法が必要
電コイルと道路構
気バスを運用し,
では送受電コイ
電磁漏洩の増加
ル上を正確にトレ
き起こすことにも
処理でコイル位
うに準天頂衛星
が考えられている
運転技術が実
イル構造の 適
設についてもい
コイルが地上コイ
会社が熱心に取
頂衛星による GP
熱と転圧に耐え
電コイルを入れ
上に置き,周囲も
がら, 近の高
効果のある通水
コンクリート被覆
る。コイルと道路
陸や剥がれが起
収縮モルタルに
要と考えられる。
構造の走行中給
,道路設備の経
イル間に位置ズ
加と言った問題が
レースして走行
もなる。静止中
位置あるいはライ
星により精度補完
るが25),今,自
実用化されれば
適化で電磁漏洩
いろいろな技術が
イルからずれる
取り組んでいる
PS 補完
えねばならない。
れた収納箱を組
もコンクリートを
高速道路もハイ
水性アスファルト
覆コイルとの経
路舗装材との間
起きないようにし
にひび割れ等が
Utah 州立大学
給電システムを
経過状態を観察
ズレがあると,出
があり,特に走
行しないと受電で
充電と同じよう
インをトレースす
完された GPS を
自動車会社が熱
,一気に解決さ
洩が押さえられる
が検討・開発さ
ると受電できなく
自動運転技術
15
。そこで
組み込ん
を打設す
ドロプレ
ト舗装が
経年性不
間には無
している
が発生し
学では,
を試験道
察してい
出力およ
走行中給
できず,
うに車体
する,あ
を使って
熱心に取
される可
るように
されつつ
くなる問
術が実用
16
ENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017
化されれば,近い将来にハイウェイのワイヤレス給電レーンにおいて
走行しながら給電を受ける EV を見ることができ,EV の進展を大きく
加速させることであろう。
【参考文献または URL】
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Highway system ,28th IEEE Vehicular Technology Conference
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page 17
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Program Phase 3D Final Report" California PATH Research
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10) 神谷恵三他:走行中非接触給電システム送電コイルの道路敷
設技術開発,自動車技術会,2016 年春季大会学術講演会資料,
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FABRIC project, UNPLUGGED Final Event, 26-03-2015
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opens-in-sweden/
17) http://www.businessinsider.com/volvos-electric-road-for-char
ging-cars-2013-6
18) 日本経済新聞電子版:EV の屋外走行中給電、豊橋技科大が
実験に成功, 2016/3/23 6:00
19) 外村博史:マイクロ波方式のワイヤレス給電、商用車への適用
の可能性, 自動車技術会ワイヤレス電力伝送技術委員会資料,
05-10-2012
20) 篠原真毅:A new microwave power supply system, 第 3 回マイ
クロ波無線送受電技術ビジネス化推進勉強会, 01-12-2016
21) 望月正志ほか:2kW 走行中給電装置の開発,自動車技術会
2015 年春季学術講演会フォーラム資料,20-05-2015
22) 花澤理宏:ワイヤレス給電技術の実用化に向けた UL Japan の
取り組み, 自動車技術会ワイヤレス電力伝送技術委員会資料,
09-12-2016
23) ELECTRIC VEHICLE WIRELESS POWER TRANSFER (WPT)
SYSTEMS – Part 3: Specific requirements for the magnetic
field wireless power transfer systems:IEC/TS 61980-3 /Ed.1,
2015/8/21
24) Charles Morris:Utah State University builds a dynamic wireless
charging test track、Charged,(2015)
25) http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090202/323987
/
26) KAIST OLEV Brochure 2010ver
ENSOCIETY
1 はじ
二十世
ふれる
の利用
因とな
場での
車の非
ー伝送
人が生
リ波や
一途を
電離能
いことも
不安を
健康影
常に浅
の現状
はじめ
響を科
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
電磁波
Health Effe
宮越 順二
Junji MIYAK
京都大学 生
Research Inst
じめに
世紀末から今世
ように飛び交っ
用,携帯電話基地
っている。その
電磁波,空港の
非接触充電を含
送)の急速な普及
生活する上で,定
テラヘルツ波な
たどるであろう
能力を持つ X 線
もあり,このよう
を抱いている人が
影響については
浅い。ここでは,
状ならびに世界保
とした国際機関
学的に正しく理
REVIEWGINEERS OF JAPAN
波による
ects of Electro
KOSHI
生存圏研究所
titute for Sustai
世紀に入って,
っている。特に
地局の新設など
の他,高圧送電
のセキュリティー
含む,電波による
及が近い将来に
定常磁場,低周
など,多種多様
う。電離放射線
線やガンマ線)と
うな背景から,
が多いのも事実
は,本格的な研究
国内外におけ
保健機関(WHO
関の健康への評
理解することに主
W Vol. 7 No. 2 20
Fig 1
生体影
omagnetic Fie
inable Humanos
我々の生活環
,世界中で携帯
どが急速に進展
電線,家庭内の
ーチェックなど
るワイヤレス給
に予想される。
周波,中間周波
様な電磁環境は
(極めて高い周
と同様に,電磁
電磁波の健康
実である。低周
究の歴史は放射
る非電離の電磁
O)や国際がん研
評価をまとめる
主眼をおくが,ま
017
生活環境にお
影響
elds
sphere, Kyoto U
環境には電磁波
帯電話や無線L
展したことが主
電化製品,医
がある。さらに
給電(無線エネ
近未来社会で
波,高周波,さら
は,ますます増
周波数の電磁波
磁環境は目に見
康への影響につ
周波やマイクロ
射線に比べれ
磁波生体影響
研究機関(IARC
る。電磁波の生
まだまだ未解明
おける周波数別
University
波があ
LAN
主な要
療現
自動
ルギ
では,
らにミ
加の
波で、
見えな
ついて
波の
ば非
研究
)を
体影
明な
部分
波,
(Ext
(Rad
べる
わな
触れ
響に
2 歴
電
年に
率が
これ
究や
在か
療,
非電
磁波
別電磁波発生源
分も多く残されて
特に,これまで
tremely low fr
diofrequency e
る。さらに,電気
なければならな
れる。なお,定常
に関する詳細は
歴史的背景
電磁波と健康に
に米国の疫学者
が高いことを発表
れまでに,非電離
や活発な議論が
から将来にかけ
通信,家電,運
電離から電離ま
波発生源の例を
源の例
ている。日々の
でに国際的に
requency elec
electromagnetic
気自動車のワイ
い人体影響に関
常磁場,商用周
は,すでに刊行さ
関する歴史的
者が,高圧送電
表したことが始
離の電磁波の健
が行われてきた
けて生活環境の
運輸など,幅広い
までを含む周波
を示す。
の生活の中で,環
健康評価が実
ctromagnetic f
c fields :RF)に
イヤレス給電技
関する安全性評
周波を含む低周
されている資料
背景について
電線の近くに住
始まりである 6)。
健康への影響に
た。電磁波の発
の中で曝される可
い周波数領域
波数帯別にみた
環境因子として
実施された,極
fields :ELF) と 高
ついて,その概
技術の普及に向
評価について,
周波や高周波の
料を参照されたい
は,まず最初に
む子供の白血
その後,1990
について,国際
生源として,我
可能性が高いの
に渡っている。
た生活環境にお
17
ての電磁
極低周波
高 周 波
概要を述
向けて行
簡単に
の生体影
い 1-5) 。
に,1979
血病発生
年代か
際的に研
我々が現
のは,医
図.1 は,
おける電
18
ENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017
Table 1 電磁波生体影響研究の代表的方法
Table 2 電磁波生体影響の主な評価指標
以下に,これまでの電磁波と健康に関する研究やその評価の現状
を紹介する。
3 電磁波の生体影響に関する評価研究
3.1. 概要
これまでに知られている非電離の電磁波に関する生体影響研究の
成果としては,おおむね 100kHz の周波数で区切っている。ほぼ
100kHz より低周波帯では「刺激作用」,それより高周波帯では「熱作
用」のあることが知られている。極低周波電磁波の細胞や動物レベ
ルの生物学的研究結果では,生活環境レベル(おおむね 1μT,マイ
クロテスラ以下)では影響がなく,この数万倍(磁束密度で数mT)を
超えると影響が出始めると考えられている。多くの電磁波生体影響
研究に用いられている磁束密度は,居住環境における影響を主眼に
おいているため,そのばく露レベルは非常に低いものである。そのた
め,細胞や動物に対する顕著な影響が認められないのは当然かも
知れない。
高周波については,強力なマイクロ波は,人体への発熱作用を利
用した,がん治療,リュウマチや神経痛の理学療法など,臨床医学で
応用されている。ただ,生活環境レベルのマイクロ波については,研
究実績が少なく,不明な点が多かった。前述したように,1990 年後半
からこれまでの十数年の間に,世界中の国々で携帯電話は急速に
普及した。当初から,携帯電話は人の脳に近付けて使用するもので
あり,マイクロ波の影響として,脳腫瘍をはじめ,脳への影響として不
安視されるようになっていた。さらに,熱以外の,いわゆる「非熱作用」
の有無について議論が高まり,特に子供への影響が問題視されてき
た。
電磁波の生体影響を研究する主な手法としては,(1) ヒトの疫学
研究やヒトのボランティア研究,(2) 動物実験研究,および(3) 細胞
実験研究がある(表 1)。
また,研究の対象(ヒト,動物,および細胞)の違いで優劣はつけら
れないが,ヒトへの影響評価を行う場合,疫学(ヒト)研究→実験動物
研究→細胞実験研究の順で結果の重みづけが高くなっている。一方,
結果の精度や再現性については,細胞実験研究→実験動物研究→
疫学研究の順で高く評価される。また,一般的に研究期間の長さもこ
の順で長くなる。ゲノムプロジェクトが十数年前に完了し,近年,DNA
や遺伝子を標的とした研究が急速に発展している。そのため,以前
に比べ,細胞研究の重みが大きくなりつつあると考えられる。
表 2 に,細胞レベル,動物レベルからヒト個体を対象として,これま
で研究が行われてきている電磁波生体影響の主な評価指標をまと
めた。研究内容の多くは,電磁波による発がん性への影響を評価す
ることに主眼がおかれている。しかしながら,近年,細胞研究では免
疫応答やストレス応答,アポトーシス(細胞が損傷したとき、生体に影
響を及ぼさないように自滅すること)などの機能的側面からの研究も
注目され始めている。疫学研究では,発がん以外のアルツハイマー
症なども対象とし,評価指標が広がりつつある。
疫学研究 ヒトを対象とした,電磁波と健康(主に発がん)の調査
動物研究 マウスやラットなどの動物を対象とした,電磁波による生体影響評価実験
細胞研究 ヒトやネズミなどの細胞を用いた,電磁波による影響評価のための細胞や遺伝子レベルの実験
研究分類 対象 研究内容
細胞実験研究 細胞
細胞増殖,DNA 合成,染色体異常,姉妹染色分体異常,小核形成,
DNA 鎖切断,遺伝子発現,シグナル伝達,イオンチャンネル,突然変
異,トランスフォーメーション,細胞分化誘導,細胞周期,アポトーシ
ス,免疫応答など
動物実験研究
実験動物
(ラット,
マウスなど)
発がん (リンパ腫,白血病,脳腫瘍,皮膚がん,乳腺腫瘍,肝臓がん
など),生殖や発育 (着床率,胎仔体重,奇形発生など),行動異常,
メラトニンを主とした神経内分泌,免疫機能,血液脳関門(BBB)など
疫学研究 ヒト 発がんやがん死亡(脳腫瘍,小児および成人白血病,乳がん,メラノ
ーマ,リンパ腫など),生殖能力,自然流産,アルツハイマー症など
人体影響 ヒト 心理的・生理的影響(疲労,頭痛,不安感,睡眠不足,脳波,心電
図,記憶力など),メラトニンを主とした神経内分泌,免疫機能など
19
ENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017
3.2. 疫学研究
疫学研究は,細胞や動物実験に比べて,ヒトのデータという意味で
一般社会に対する結果の影響力は大きいものがある。しかしながら,
その反面,我々人間はいろいろな環境で生活しており,研究の主題
となる因子について純粋に調査することは不可能であり,結果を左右
しかねない集団の選別方法や他の影響因子(選択バイアスや交絡因
子という)が統計的評価を狂わす可能性は排除できない。前述したよ
うに,極低周波の発がん影響を初めて指摘したのは,1979 年の疫学
研究報告である。その後,国際的な議論が高まる中,1990 年代には,
欧米で数多くの極低周波に関する疫学研究が実施された 7)。2000 年
に入って,我が国でも国立環境研究所のとりまとめで,この分野の疫
学研究が初めて行われた 8)。
極低周波(正確には ELF 磁場)と小児白血病の発生について,9 カ
国のプール分析(同じ目的を持った複数の疫学研究結果を総合的に
分析する手法)結果は,0.4μT 未満(ほぼ 99.2%の家庭が対象とな
る)の生活環境に住んでいる子供の極低周波磁場ばく露と白血病発
生リスクとの間には関連性がなく,「影響なし」と考えられる。しかしな
がら,居住環境の低周波磁場レベルが 0.4μT 以上の場合(約 0.8%
の子供が対象となる),白血病の相対リスクがほぼ 2 倍に増加し,こ
れら疫学研究のプール分析の結果では,統計的な有意性があること
を示している 9)。我が国での疫学研究結果もほぼ同じような傾向を示
している 8)。なお,小児の他のがんや成人のがんに関する疫学研究
結果からは,低周波電磁波の「影響はない(関連性が認められない)」
と考えられている。疫学研究での低周波磁場による小児白血病増加
という結果について,これまでのところその生物学的な作用機構は明
らかではなく,また,前述した,疫学研究結果の精度を下げる選択バ
イアスや交絡因子の可能性も完全には否定できないと考えられてい
る。
IARC や WHO の極低周波に関する評価後,極低周波磁場ばく露と
小児白血病発生リスクに関して,新たなプール分析の研究報告がな
された 11)。このプール分析は,電磁波環境測定の正確度を重視した
七つのグループの疫学研究を対象としている。また,前述した我が国
の疫学研究結果も含まれている。結論としては,Ahlbomらのまとめた
9カ国のプール分析結果と大きな差はなく,後述する WHO の発がん
性評価や環境保健クライテリアで総合的にまとめた評価を変更する
ものではないと述べられている。
一方,携帯電話を対象としたマイクロ波に関する疫学研究も,国際
的に活発に行われてきた。大がかりな研究として,IARC がとりまとめ
る形で,日本,イギリス,スゥエーデンなど 13 カ国(ただし米国は不参
加)が参加して「The INTERPHONE Study」として行われた。種々の脳
腫瘍を疾患対象として,症例−対照研究(case-control study)で実施
された。IARC では参加国全ての研究をとりまとめ,本国際共同研究
の最終結論の概要を 2010 年 5 月にプレスリリースの形で発表した 12),
13)。結果をまとめると,(1)定常的携帯電話の使用者の神経膠腫と髄
膜腫でオッズ比(OR:この例では,携帯電話非使用者の脳腫瘍発症
確率に対する携帯電話使用者の発症確率の比)がやや低下した。(2)
10 年以上長期使用者についての,OR の上昇は観察されていない。
(3)1640 時間以上の累積長時間通話者で,神経膠腫の OR が 1.40
(95%信頼区間:1.03~1.89)とわずかな増加を示した。結論として「10
年以上の長期使用者に対する携帯電話使用による脳腫瘍(神経膠
腫と髄膜腫)の上昇はないと考えられる。観察された OR の低下や,
累積長時間通話者のORの上昇,その他,携帯使用側頭葉での神経
膠腫の上昇など,因果関係の正確な解釈は難しい。」と述べている。
その他,多くの疫学研究で,発がん増加を示す証拠は見つかって
いない。しかし,スウェーデンでの疫学プール分析に見られるように,
2000 時間を超える通話者は,神経膠腫が 3 倍になるという報告 14)や,
我が国の疫学研究で,1 日 20分以上の通話を超える場合に,聴神経
腫瘍の増加を示唆する報告 15)がある。なお,職業的なマイクロ波ばく
露と脳腫瘍,白血病,リンパ腫などのがん,ラジオやテレビの電波塔,
基地局などからの送信電波と発がん性については,明確な証拠は見
つかっていない。子供の携帯電話使用と発がんに関する疫学研究は,
Cefalo(デンマーク等 3 カ国が参加)と MobiKids (日本を含む 15 カ国
が参加)の二つのプロジェクトが行われてきた。Cefalo のプロジェクト
は研究が終了し,子供への統計的に有意な影響は認められていな
い 16)。MobiKids 研究 10)は,2014 年 1 月から,現在,EU の GERoNiMO
プロジェクト (Generalized EMF research using novel methods. An
integrated approach: from research to risk assessment and support to
risk management.)と命名変更し,2018 年までの 5 年間で,新しい大型
研究を推進している。このプロジェクトは,これまでの疫学研究のみ
ならず,実験では動物研究,細胞・分子レベルの研究も行っている。
さらに,リスクマネージメントやコミュニケーションまでワークパッケー
ジに含まれている。周波数領域も中間周波数帯が加わるなど,非常
に幅広い研究計画となっている 17)。
3.3. 動物実験
極低周波の電磁波生体影響評価として,マウスやラットを用いた動
物実験での検証が 1990 年代を中心として,数多く進められてきた。
多くの動物実験研究では,そのほとんどが発がんへの影響を検討す
るものであったが,その他,生殖に関するもの(胎仔の発育や催奇形
性について),神経系に関するもの(行動や感覚機能について)や免
ENSOCIETY
疫機能
過程に
変化さ
が極低
ーション
検討され
結果と
や乳腺
発がん
(生殖,
いわゆ
験から
「影響あ
一方,
電波の
代に入
てきた
れまで
物を用
ない 20)
んの増
2016
BioEM2
Nationa
Toxico
間報告
の方が
ばく露に
通信方
通信方
発性の
rate; 比
ルギー
いて,G
てのば
書には
ットアッ
かし,赤
影響な
響は極
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
能に関するものも
に影響を及ぼし
せるのか(イニ
低周波ばく露によ
ン),または,そ
れた極低周波の
して,ごく一部
腺腫瘍の増加を
ん影響はないと
行動,免疫な
ゆる「影響なし」で
の検証におい
あり」とする十分
,高周波につい
のばく露により白
入り高周波電波
。欧米や我が国
の研究報告か
いた研究で,ほ
)。ただ,複合的
増加が複数報告
年 6 月に米国
2016(ケント,
al Instutute of
logical Program
告の研究結果概
が,コントロール
によりオスのラ
方式の1つ)では
方式の1つ)では
の神経鞘腫,シ
比吸収率;電波
ーを W/kg で示し
GSM,CDMA とも
ばく露による,脳
は未記載であるが
ッセイ(DNA 鎖切
赤血球細胞の小
なしである。これ
極めて大きい。し
REVIEWGINEERS OF JAPAN
も行われてきた
ているとすれば
ニシエーション)
より更に悪性腫
その両方とも関
の磁束密度は数
の研究におい
を認める報告は
という陰性結果
など)に関する結
であった。従っ
て,明確な極低
分な証拠はない
いて,1997 年に
白血病が増加す
波の発がんへの
国を中心として
からは,2 年間の
ほとんどの結果
的発がん研究(化
告されている 21-2
国から大規模な
ベルギー)の
f Health (NIH,
m (NTP) 研究
概要は以下の通
ル群より,寿命が
ットで増加して
はすべてのばく露
は6W/kg のみ)
シュワン細胞の
波により生体の単
したもの)依存的
もに増加している
脳,心臓への影響
が,(5)細胞の
切断)試験では
小核形成(細胞
れは NIH の研究
しかし,現時点で
W Vol. 7 No. 2 20
た。もし,極低周
ば,正常な細胞
),イニシエーシ
腫瘍形成を促進
与するのか,大
数μTから 1mT
て,極低周波ば
はあったが,ほと
であった 18)。発
結果も同様で,
て,これまで行
低周波の影響は
い。
にトランスジェニ
するという報告が
の影響評価はさ
て動物実験研究
の長期ばく露,
果はマイクロ波
化学物質とマイ
23)。
な動物実験研究
の学会中に行
米国国立衛生
究の一つとして実
通りである。(1)寿
が延びる傾向が
いる(GSM(第
露,CDMA(第3
)。(3)心臓シュ
の腫瘍):SAR(s
単位重量あたり
的(~6W/kg)に
る。(4)メスのラ
響は認められて
の遺伝毒性につ
は,SAR 依存的
胞核フラグメント
究であり,権威が
で中間報告であ
017
周波ばく露が発
胞をがん化細胞
ションを受けた
進させるのか(プ
大きな議論であ
Tまで幅広く行
ばく露により白
とんどの研究で
発がん以外の
ほとんどの報
行われてきた動
は見られておら
ックマウスを用
があり 19),200
さらに活発に行
究が推進された
発がんしやす
波の影響を認め
イクロ波)では,
究の中間報告 24
われた。それ
研究所)の Nat
実施されている
寿命:電波ばく
がある。(2)脳腫
2世代(2G)規
3世代(3G)規
ュワンノーマ(心
specific absorp
りに吸収される
に,オスのラット
ラットについて:
ていない。中間
いて:脳細胞の
的に増加している
トの分離)試験
が高く,国際的
あり,今後の研
発がん
胞へと
細胞
プロモ
あった。
行われ,
血病
では,
研究
告が
物実
らず,
用いて,
00 年
われ
た。こ
すい動
めてい
発が
4)が,
れは,
tional
る。中
く露群
腫瘍:
規格の
格の
臓原
ption
るエネ
トにお
すべ
報告
のコメ
る。し
験では,
的な影
研究の
進展
3.4.
細
世界
では
は発
染色
ん遺
に対
離,
胞分
核と
生
の研
しく,
られ
携
EU,
の研
電波
否定
ック
用と
する
の生
いる
的な
い。
験(
トレス
展について注視
細胞実験
細胞(分子・遺伝
界各国で活発に
は紙面の関係上
発がんとの関連
色体異常,突然
遺伝子,熱ショッ
対する電磁波の
フラグメント形
分裂期の 2 核
として現れる。
生活環境レベル
研究で陽性と報
,「影響なし」ま
れている 18)。
携帯電話や基地
米国,日本,韓
研究成果から,
波による熱効果
定的である。一方
タンパクに注目
としてある種の熱
るという報告があ
生体影響を肯定
る。この結果は,
な報告もあり,現
このように細胞
免疫機能,遺伝
ス,アポトーシス
Fig 2 小核形
視してゆく必要が
伝子レベルを含
に行われてきて
上,詳細は関連
連性から,細胞の
然変異など)や機
ックタンパクを主
の影響検証が行
成や切断によ
細胞時に,核か
(おおむね 1μ
報告された研究結
または検出がで
地局から発生する
韓国などで多く
細胞の遺伝毒
果のないレベルで
方,細胞の代謝
目した研究が行
熱ショックタンパ
ある 25)。このこ
定的に捉える研
多くの研究室
現時点では,科
胞を用いた研究
伝子発現(RNA
ス,増殖能力な
形成の例(矢印
がある。
含む)を対象とし
ている。数多くの
連資料を参照され
の遺伝毒性(小
機能的変化とし
主体としたストレ
行われている。図
り生じる小核形
から分離した染
μT 以下)の低周
結果も,その後
できないほど極
る高周波につい
くの研究が実施
毒性(発がん性
では,多くの報
謝機能による産
行われている。電
パク(たとえば
ことは携帯電話
研究結果として,
室で確認されたも
科学的に明確な
究は,遺伝毒性
A,タンパク),細
など)で,一部の
が小核)
した電磁波影響
の論文発表があ
れたい 1-5)。研究
小核形成,DNA
しての遺伝子発
レスタンパク発
図 2 には染色
形成の一例を示
染色体断片(DN
周波については
後の研究で再現
めて小さいもの
いても,2000 年
施されてきた。こ
性に関与)につい
報告は高周波の
産物の一つとして
電波による非熱
HSP-27)産生
話や基地局から
再現実験が行
ものでなく,また
な結論は出され
性試験や非遺伝
細胞情報伝達,
の論文で“陽性
20
響研究は,
あり,ここ
究の多く
A 損傷,
発現(が
現など)
色体の分
示す。細
NA)が小
は,初期
現性に乏
のと考え
年以降,
これまで
いては,
の影響に
て熱ショ
熱的な作
生が増加
らの電波
行われて
た,否定
れていな
伝毒性試
酸化ス
”を示す
21
ENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017
結果があるものの,発熱のない条件で,マイクロ波の作用機構として
明確な証拠は得られていない 20)。
4 国際がん研究機関(IARC)や世界保健機関(WHO)の評価と動向
1990 年以降,国際的に電磁波の健康影響に関する議論が高まる
中,WHO は,1996 年に国際電磁波プロジェクト(International EMF
Project)を立ち上げた 26)。国際電磁波プロジェクトは,WHO の組織と
して,電離放射線の健康影響を担当する部署に所属している。また,
このプロジェクトはシンポジウムやワークショップなどの開催をはじめ
として,その時々における生体影響評価の現状報告や取り組むべき
課題の提案などを行ってきた。
極低周波電磁波の発がん性評価については,IARC(リヨン,フラン
ス)で 2001 年に評価会議が開催された。最初に特記すべきことは,
IARC の発がん性評価は,発がんの定性的性質を評価する(単に証
拠の強さを示す)ものであって,どの程度の発がん影響があるかとい
う発がん性を定量化するものではない。この点をよく理解しないと,一
般の人たちに誤解を与えかねない報道になることがある。
簡単にまとめると以下のようになる。(1)極低周波(ELF)磁場の発
がん影響評価として「グループ 2B」(発がん性があるかも知れない)と
分類した。(2)この「グループ 2B」の根拠として,疫学研究により ELF
磁場が小児白血病の増加を示唆していることをあげている。グルー
プ 2B の根拠としては,やはり疫学研究結果が大きく影響していた。な
お詳細は IARC モノグラフ 80 巻を参照されたい 18)。
その後,2005 年に WHO は,がん以外の影響も含めて ELF 電磁波
の生体影響評価を行うタスク会議を開催した。この会議は環境保健
クライテリア(EHC: Environmental Health Criteria)を作成するためのも
ので,Web 公表 27)は 2007 年 6 月,さらに 2008 年 2 月に刊行本とし
て出版された 28)。全 519 ページの大作である。
マイクロ波については,2011 年 5 月に,IARC で発がん性評価会議
が開催された。評価会議に参加した 15 カ国 30 名のワーキンググル
ープメンバーの結論は以下のとおりである。(1)疫学研究の評価:こ
れまでの研究結果を総合すると,上述した一部の“陽性結果”を判断
材料の基礎として,ワーキンググループは,「限定的証拠(Limited
evidence in humans) 」と評価した。(2)実験動物研究の評価:これま
での研究結果を総合すると,陰性の結果が多いものの,上述した一
部の複合的発がん研究の“陽性結果”は発がんの証拠として認めら
れ,ワーキンググループは,「限定的証拠(Limited evidence in
experimental animals」と評価した。(3)細胞実験研究の評価:一部の
論文で“陽性”を示す結果があるものの,ワーキンググループの総合
的判断として, 「発がんメカニズムについては,弱い証拠 (Weak
mechanistic evidence) 」として評価した。(4)総合評価:ヒトの疫学研
究および実験動物の発がん研究について,それぞれ「限定的証拠」
と評価した。細胞研究などの「メカニズムとしての弱い証拠」も含めて,
ワーキンググループのマイクロ波発がん性総合評価は,「グループ2
B(Possibly carcinogenic to humans」(発がん性があるかもしれない)
と決定した。
今回のマイクロ波に関する「2B」の評価は,あくまで,携帯電話から
の電磁波と脳腫瘍との関係を「限定的な証拠」として認めたものであ
る。この結果は評価速報として,その概要が報告されている 20)。詳細
は,モノグラフ 102 巻として,2013 年に出版された 29)。なお,モノグラ
フ 102 巻が発刊されたとほぼ同時に,この評価委員の座長や IARC
関係者らが,携帯電話の発がん評価に関する独自のコメントを発表
した 30)。今後も充分な情報を継続して社会へ発信することが重要であ
ると述べている。
IARC がこれまでに発がん性を評価してきた,生活や労働環境の中
の化学物質,電磁波,嗜好品,飲食(料)物,薬,労働環境,大気環
境など,998 項目に達している 31)。(2016 年 10 月現在)発がん性を評
価・分類された各分類グループにおける該当総数とそれらの代表例
を表 3 に示す。
WHO は IARC のマイクロ波発がん性評価を受けて,発がん以外の
健康影響を含めた総合評価,環境保健クライテリア(Environmental
Health Criteria:EHC)作成作業を 2017 年以降に予定している。WHO
は,2014 年 9 月 30 日に,EHC のドラフト 32)を公開し,同年 12 月 15
日まで,パブリックコメントを求めた。全 14 章からなっているが,ドラフ
トは第 2 章から第 12 章までが公開された。EHC については,第 1 章
(要約や推奨研究),第 13 章(健康リスク評価)および第 14 章(防護
対策)が重要であり,パブリックコメットの対応を含めて,タスク会議で
の結論を待たねばならない。
また,欧州委員会から要請された,新興および新規に同定される健
康リスクに関する委員会(Scientific Committee on Emerging and
Newly Identified Health Risk:SCENIHR)が 2015 年 1 月に,電磁界ば
く露の健康影響の可能性に関する科学的意見(Opinion on Potential
health effects of exposure to electromagnetic fields(EMF)) を発表し
た 33)。RF 電磁波に関する健康影響のまとめを要約すると,以下の通
りである。
・ 疫学研究結果については,脳腫瘍のリスク上昇について,十分
なエビデンスを示していない。頭頚部の他のがんや小児がんを
含む他の悪性疾患のリスク上昇を示していない。
・ 初期の研究結果は,携帯電話のヘビーユーザーにおいて,神経
膠腫および聴神経鞘腫のリスク増加の問題を提起した。直近の
22
ENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017
Table 3 IARC による発がん性の分類・評価とその代表例
コホート研究(ここでは携帯電話の使用頻度と脳腫瘍の発症率
について、長期にわたる数十年単位で調査する前向きの疫学手
法)および発症率の時間に依存した研究によると,神経膠腫のリ
スク上昇の証拠は弱まっている。聴神経鞘腫と RF ばく露の関連
の可能性については未解決である。
・ RF ばく露が,覚醒時および睡眠時の脳電図(EEG)で影響する
かもしれない結果が,最近の研究でさらに立証されている。ただ,
小さな生理学的変化の生物学的意味は不明である。
・ RF ばく露がヒトの認知機能に影響を及ぼすという証拠はない。
・ 現行のばく露限度値を下回る RF ばく露レベルによる生殖および
発達への有害な影響はない,と結論した先の SCENIHR 意見書
内容は,最近の研究データを含めても,この評価結果に変更は
ない。
5 電磁過敏症
マスコミなどでは,いわゆる「電磁波過敏症」と称しているが,正確
に は , WHO は 「 電 気 的 ( 電 磁 ) 過 敏 症 ( EHS: electrical
hypersensitivity)」と呼んでいる。微弱な電磁波に曝されると,皮膚症
状(発赤,灼熱感など)や自律神経系症状(頭痛,疲労感,めまい,
吐き気など)が現れる。原因と考えられる電磁波に,特別な周波数帯
はなく,低周波でも高周波でも起こりうるらしい。WHO は,2004 年に,
チェコのプラハ市で EHS のワークショップを開催した。また,WHO は
電磁過敏症に関するファクトシートを発表している 34)。EHS は化学物
質過敏症(いわゆるシックハウス症候群など)とは異なると考えられ
ている。また,自覚症状を持つ「患者」に盲検法(患者はいつ電磁波
に曝されたかわからない)でその因果関係が調査されてきたが,これ
までのところ電磁波との関連性は全く認められていない。現時点で
EHS に関する科学的データから,WHO は電磁波の影響としては否定
の立場をとっている。しかし,特に,重篤な自覚症状を訴える人もいる
ので,科学的証拠の有無の追求や医療でのケアは行わねばならな
いと考える。
6 電磁波の生体影響とリスクコミュニケーション
上述のように,現代社会はいたるところで電気をエネルギーとして
動いており,さらに情報通信をはじめ,生活環境における多種多様な
電磁波利用の役割は極めて大きく,この流れは,将来にかけてます
ます加速してゆくものと考えられる。利便性が高くなる一方で,電磁
波に対する危惧,特に健康への影響について不安を抱く人々が多い
ことも事実である。ここで取り上げた電磁波は,低周波や高周波で,
電離能力もなく,一般的に「放射線」といわれている電離能力のある
エックス線やガンマ線とは異なる電磁波である。エネルギー面からい
えば,細胞の DNA を直接傷つけることは考えにくいところだが,一般
分類 これまでの評価結果の例[998 種]
グループ 1: 発がん性がある アルコール飲料,喫煙,受動喫煙,無煙たばこ,電離放射線(全種類),太陽光,紫外線
(波長 100~400nm),紫外線を照射する日焼け装置,アスベスト(全形態),カドミウム及
びカドミウム化合物,アフラトキシン 35,ベンゼン,ホルムアルデヒド,ディーゼルエンジン
排ガス,ト リクロロエチレン 37,屋外大気汚染,粒子状物質など
[合計 119 種]
グループ 2A: おそらく発がん性がある アクリルアミド 38,無機鉛化合物,熱いマテ茶,日内リズムを乱す交代制勤務,マラリア,
テトラクロロエチレン 37,木材などのバイオ マス燃料の室内での燃焼,赤肉(牛・豚・羊な
どの肉)など
[合計 81 種]
グループ 2B: 発がん性があるかもしれない 鉛,重油,ガソリン,コーヒー39,漬物,メチル水銀化合物,クロロホルム,超低周波磁場,
ガソリンエンジン排ガス,高周波電磁波
(ワイヤレス式電話からのものを含む)など
[合計 292 種]
グループ 3: 発がん性を分類できない 静電場,静磁場,超低周波電場,蛍光灯,原油,軽油,カフェイン,お茶,マテ茶,水銀及
び無機水 銀化合物,有機鉛化合物,など
[合計 505 種]
グループ 4: おそらく発がん性はない カプロラクタム 40
[1 種]
23
ENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017
社会における「電磁波」ということばは,「放射線」と同じように受け止
められているようにも思われる。関係省庁(経済産業省,総務省,環
境省など)やその関連機関では,ホームページを利用するなど一般
の人々への周知に努力している 35-39)。生体影響研究を進めつつ,こ
のように電磁波と健康の理解にはリスクコミュニケーションも重要な
役割を果たしている。
7 電気自動車の非接触充電・給電の普及に向けての人体影響に関
する安全性評価
現在は,環境因子の安全性に関して,常に社会的注目を浴びてい
る。新しい電波利用技術の普及についても,生体影響評価が十分に
行われ,安全性が確認されていることが前提条件となる。上述したよ
うに,電磁波(場)という観点からは,商用周波の ELF と高周波の RF
(数百 MHz~2.4GHz)については,国際的評価はほぼ完了している。
電気自動車のワイヤレス電力伝送(WPT)システムに関しては,一例
として 80kHz 前後の周波数を想定しており,この周波数帯はこれまで
に行われた生体影響研究が極めて少ない。さらに,多くの人(少なく
とも1~10 万人,それ以上)に対してのばく露経験もなく,この周波数
帯での対象となる疾患を想定した疫学研究は不可能であると考え
る。
最初のステップとしては,電気自動車の WPT システムを想定したば
く露評価,適合性確認(方法も含めて)を行わなければならない 40)。
停車中の電気自動車への充電は人が立ち入る可能性がある距離
(人体接近距離,20cmと想定している)における人体,走行中のWPT
による給電については,車内での人体,それぞれに対するばく露評
価と適合性確認が必要となる。生体影響評価研究としては,ばく露評
価による強度レベルを基準として,細胞と実験動物を対象とした研究
が主体となるであろう。さらに,体内植え込み医療機器に対する影響
評価も行わなければならない。このように,電気自動車の非接触充
電・給電の普及に向けては,電波防護指針を遵守していることはもち
ろんだが,その安全性を担保するための医学・生物学領域における
影響評価研究も重要な位置を占めるものと考える。
8 おわりに
電磁波生命科学は,その主たる目標の一つとしては,科学的に信
頼のおける研究成果から,電磁波の生体影響を正当に評価すること
にある。その一方,環境レベルをはるかに超えた磁束密度での生体,
細胞や高分子重合体などの電磁波応答研究の成果も本分野の将来
への発展につながる重要なものである。これらの成果は,電磁波の
線量-効果関係(現在のところ,低周波の場合,線量を磁束密度や誘
導電流,高周波の場合,線量を電波のエネルギー比吸収率としてお
り,さらにばく露時間も因子として加えている)に基づいたしきい値の
推定を可能とする。
携帯電話をはじめとして,ワイヤレス給電の分野でも,工学的技術
の進歩は目を見張るものがある。その一方,電磁波は新しい環境因
子として,社会的に注目されることも考えておかなければならない。
電気自動車のワイヤレス給電システム(走行中も含む)など,非接触
エネルギー伝送技術をはじめとして,近い将来の電磁波利用は高ま
るばかりである。このように増加の一途をたどる将来の電磁環境を考
えると,電磁波の安全性を科学的なデータから判断するため,未解
明な部分については,生命科学の先端技術を駆使して,研究を推進
してゆく必要があると考える。
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考慮した技術基準について,第2回人体の電磁界ばく露評価研
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パス,(2015)
原稿受
ENSOCIETY
8. 前史
銅線を
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ガソリン(連載第 3
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調 尚孝
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をコイル状に巻き
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017 年 1 月 28
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-The 3rd ser
合研究所
を吸引するとい
部,特に弁機構
出願したといわ)というディーゼル
として)初めてデ
弁を Fig.37 に示す
で(外部から自在
ennedy らの電磁
ロークで弁を高速
y H.E.Kennedy
rial article-
うソレノイド(電磁
に使用するとい
れているが,そ
ルエンジンの製造
ディーゼルエンジ
す。これが燃料噴
在に)開閉制御で
磁弁構造は当時
速に開閉できたと
(US Patent N
磁石)の原理は
いう発想は技術者
の構造は定かで
造会社があった
ジン用にソレノイ
噴射に採用され
できるようになっ
時としては極めて
とのことである。
No. 1,892,956)
誰でも知ってお
者として当然の着
でない。その後の
た。この Atlas Im
ドを燃料噴射弁
れた電磁弁の原点
ったのである。これ
て先進的で,既に
。
25
り,現
着想と
のことに
mperial
弁に適用
点と思
れを当
にステー
ENGSOCIETY O 9. Ben
9.1. Be
本節は
とって重
1957
大センセ
現在の
時で既
開発は
実用化
節で解説
まず,
を持って
れ,ノズ
言い換
(trigger
(modul
し,電流
を供給す
抵抗の
で,暑い
る状態で
し,空気
は,スプ
は吸気
回されて
地補正
以上が
の規正
重複す
射システ
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
dix 社の Electro
endix の SAE 発
は吸気管噴射の
重要な位置づけ
年に Bendix 社の
セーションを巻き
燃料噴射に関わ
に出来上がって
航空機用燃料供
されたと同様,米
説した航空機用
Fig.38 でシステ
て循環し続ける。
ズル 14 から,吸気
えると矩形波の
ring selector)1
ator)に入ると,
流の強さ,すなわ
するためには検
アームは時計方
い時は中に巻き
では抵抗は大き
気室 28 内の圧力
プリング 25 に反
管内圧力による
て抵抗が増す。
)用で,ベローズ
がシステムの作
とその各気筒へ
るところもあるが
テムの原形(原点
REVIEWGINEERS OF JAPAN
ojector の登場
発表(1957 年)と
の話であり,本稿
となるトピックで
の技術者 Sutto
き起こしたことは
わる技術者なら
ていたことが分か
供給系開発部門
米国でも航空機
用の Bendix-Stro
テムの作動を詳細
。ソレノイド電磁
気弁 41 に向かっ
の幅を加減して行
によって制御され
規則正しい周期
わち矩形波の高
検出用の抵抗 33
方向にまわって抵
込むので抵抗は
きくなる。抵抗 32
力もこれに等しく
反抗して上がり,電
るスピードデンシ
24 のタップは,機
ズ 20 中に一定気
動説明だが,前
への分配を行う)
が,Sutton らの
点)はまさしくここ
W Vol. 7 No. 2 20
とそのシステムの
稿の主旨から一見
であるため,あえ
on らが SAE に“
は既に述べた。こ
Fig.38 をひと目
かる。なお,SAE
門の技術者が担
機における燃料噴
omberg Pressur
細に説明する 63)
磁弁 10 のコイル
って,ガソリン 15
行い,幅が広けれ
れる。噴射する
期と幅を持つ矩形
さも一定値まで
3 が働く。すなわ
抵抗を増す。抵抗
は少なくなり,寒
2 は加速時に濃
くなる。ただし空気
電気接点 30 と
シティ空燃比制御
機関がある程度
気圧の気体をつ
前出の Sutton ら
,(3)吸入負圧
SAE 論文原文 6
こにあった。
Fig. 38 “
017
の作動
見外れるように思
て説明を加え紙
Electrojector”関
この技術内容につ
みて気づくと思う
Paper61)では著者
当していたことが
噴射技術が自動
re Carburetor(噴)。ガソリンは燃料
11 に矩形型の
5 を噴射する。ガ
れば噴射量は多
時期になると断
形波に直され,さ
増幅されて,ソレ
ち始動用ボタン
抗が増すと,矩
い時には逆に抵
濃い混合気を供給
気室 26 内の圧
29 がはなれるた
御を行なわせるも
度以上に減速する
めておき,外気
の論文 61)ではシ
検出器,(4)エレ61)を基に(1)~(4
“Bendix ELECTR
思われるかもしれ
紙数を割くことに
関する論文 61),62)
ついて以降解説
うが,スピードデ
者である Sutton
がうかがえる。ド
動車に降りてきた
噴射気化器)があ
料タンク 8,ポン
電圧信号を入力
ガソリンは吸気弁
多くなる。矩形波
断続器の回路が閉
さらに機関の運
レノイド 11 を通
ンを押すと,コイル
形波の幅が広く
抵抗が大きくなる
給するためにもの
圧力は絞り 31 が
ため,抵抗 32 が
もので,空気室
る時は噴射を休
気圧が下がるとア
システムの基本
レクトロニックモジ
4)について概説
ROJECTOR” M
れないが,後の
した。 )を提出し,この論
説する。棚澤泰先
デンシティ方式の
n らの所属会社
ドイツで航空機技
たのである。当時
あったことは言う
ンプ 7,フィルター
力して電流が流れ
弁のヘッドに衝突
の周期は点火用
閉じて,パルス電
転状態を検出す
り,電磁弁 10 の
ル 36 に電池から
くなり,ガソリンの
る。38 は微速空
ので,絞り弁を急
あるため,すぐに
が入り,抵抗が大
22 中の圧力が上
休止して,燃料カ
アーム 19 があが
本機能として(1)燃
ジュレータ,その
する。図は JAN
Manifold Injection
筒内噴射も含め
論文は当時のガ
先生の書かれた
の電子制御式燃
社名が Bendix Av
技術が自動車に
時の Bendix 社の
うまでもない。
ー5,絞り 9 を経由
れると,磁気作用
突して微粒化する
用の分配器と同
電流を発生する
する部分(sensor
の開いている時間
ら電流が流れ,軟
の噴射量を増す
転用の抵抗で絞
急に開いて加速
には高くならず少
大きくなる。したが
上がると,ピスト
カットを図るための
がって抵抗 18 は
燃料系統,(2)イ
の他に分けて解説
N P. NORBYE の
n System
めた電子制御噴
ガソリン噴射装置
システム図(Fig
燃料噴射装置の基
viation Corporat
に降りて初の筒内
の Electrojector 技
由して常に 20ps
用によって,針弁
る。噴射量は電
同軸についている
。このパルスが
r)からの信号を
間を制御する。始
軟鉄棒 35 はコイ
す。34 はバイ・メタ
絞り弁 40 と連動
速しようとすると,
少し遅れる。その
がってガソリン噴
トン 23 が下がり
のものである。抵
は少なくなる。
インジェクションコ
説している。以下
の書籍 64)から引用
噴射装置全体の進
置開発者たちの
g.3863))が参考に
基本骨格が 195
tion となっており
内噴射搭載エン
技術の基盤とし
si(約 1.5 気圧)位
弁 13 は上に吸上
電流の流れている
る回転式断続器
が 2 から変調器
を 4 から受けて幅
始動時に,濃い
イル 36 中に吸込
タル製の平スプ
動し,絞り弁が閉
吸気管内の圧力
のためダイアフラ
噴射量が増す。抵
,アームは時計
抵抗 18 は高度調
コントローラ(噴射
下,前述の部分
用した。現在のポ
26
進化に
の間で一
になる。
57 年当
り,この
ジンが
して 4.2
位の圧力
上げら
る時間,
幅を変化
い混合気
込まれ,
リング
閉じてい
力は増
ラム 27
抵抗 21
計方向に
調節(高
射時期
分と一部
ポート噴
ENGSOCIETY O (1)燃料
Fig.39 は
各気筒
ンプとイ
からであ
面に湿
る。燃料
ンジン不
プがバル
射に変
に,気化
(2)イン
時期を定
られた。
ジェクシ
ーに対応
カーポイ
(電流パ
セレクタ
ントロー
され,パ
レーカー
ューター
F
Fi
se
O
ac
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
料系統
は基本的な燃料
にあるインジェク
インジェクタの間
ある。今までの経
りが最小になる
料系統はボンネ
不調になったこと
ルブシートからは
動なく,消費馬力
化器とは,全く違
ンジェクションコン
定めて継続的に
。それらのものは
ションコントローラ
応する部分があ
イントは,エンジ
パルスの立ち上
タ部に返信され,
ーラとがこの噴射
パルス電流が正
ーポイントより伝
ーを少し変えるだ
Fig. 39 Bendix
into in
ig. 41 Timing P
elector unit (ass
Opening duration
ccordance with
REVIEWGINEERS OF JAPAN
料系統を示してい
クタに通ずるパイ
間には燃料フィル
経路によると,燃
るからである。燃料
ット内の高温に
とはない。ソレノ
はなれて開くと,
力も低い,適当な
違った新しいもの
ントローラ(噴射開
に噴射する方式を
はデイストリビュ
ラの中には一対
ある。ブレーカー
ジンシリンダー数
がり時期を規正
電流パルスは
射系中にどんな風
しい時期に個々
伝えられる電気的
だけで,エンジン
Electrojector s
take ports with
Pulse are sent
sembled as a pa
n is determine
speed and load
W Vol. 7 No. 2 20
いる。燃料は燃料
イプ内の圧力を
ルターがある。燃
燃料は吸入バル
料がオイルタン
さらされたり,エ
イドインジェクタ
下部の噴口か
な値段のものが
ので,現在でも尚
開始時期の制御
を採用している。
ューターの架台と
対のブレーカーポ
ーは,通常の点火
と同じ回数だけ
正する。)衝撃信号
ちょうど噴射順序
風に配置されて
々のインジエクタ
的エネルギーも小
ンの駆動方式にエ
system featured
a 20-psi comm
to the injectors
art of the norma
ed by the elec
d(manifold press
017
料タンクよりフィー
20±1/2psi に保
料の濾過程度は
ルブの頭にむけて
クへ帰る回路は
エンジン停止中パ
タは Fig.40 に示さ
ら噴射される。こ
が出来上がったの
尚,製作の簡易化
御ならびに各気筒
。標準のエンジン
と標準のイグニシ
ポイントとデイスト
火用ポイントを働
け断続する。ブレ
号がエレクトロニ
序に当たってい
いるかを示すも
ターに分配される
小さいので,イン
エレクトロジェク
d timed injection
mon rail fuel line
s from the trigg
l ignition distribu
tronic modulat
ure)
ードポンプによっ
保っている。この
は 20μm で良い
て噴射させるのが
は燃料回路中よ
パイプに燃料がな
されている。燃料
このソレノイド・イ
のである。ソレノ
化と性能向上を期
筒への配分を行
ンデイストリビュ
ションデイストリビ
トリビューテイン
働かせるカムで動
ーカーポイントが
ニックモジュレー
るインジェクタに
ものである。インジ
るのである。コミテ
ンジェクションコン
タを採用するこ
n
gering
utor).
tor in
って汲み上げられ
のフィードポンプ
い。と云うのは燃
が一番良好な結
り空気及び燃料
なくなったりする
料はインジェクタ
インジェクタは,数
ノイド・インジェクタ
期するために絶
行う部分)
ューターにインジ
ビューター・キャ
グ・コミテーター
動かされる。従っ
が接続される毎
ータに伝わる。そ
に分配される。Fi
ジェクションコン
テーターセグメン
ントローラの寿命
とが出来る。
Fig. 40 Electr
according to el
was discharged
れる。フィードポ
は噴射する燃料
燃料系統には機械
結果になることが
料蒸気を追い出す
ることがあっても,
の頭部から入り
数多い実験の後
タはこの噴射系
絶えざる改良が加
ェクションコント
ップとの間にサン
ーとがあり,コミテ
ってエンジンが 2
に,電流パルス
の後変形された
ig.41 はエレクトロ
トローラを通じて
ントは噴射系の電
命は相当長いもの
rojector include
ectronic signals
d in spray form f
ポンプは電気的に
料を計量するわけ
械的に滑動する
が判明している。
す作用を受持た
,現在まで空気
り,コアの孔を通
後に始めて,高速
系に用いられてい
加えられている
ローラとロータ(
ンドウイッチ式に
テーターには各ソ
2 回転する間に,
スを発生される引
た信号がインジェ
ロニクモジュレー
てエンジンの回転
電気回路を断続
のだと云って差
ed a valve oper
s. Fuel entered
from the nozzle
に駆動され,エン
けではない。フィ
る精密篏合部分
この場合に吸入
たせるためにもう
や燃料蒸気によ
通り,インジェクタ
速でも作動が確
いる他の装置と同
(回転子)とが付
に挿入されている
ソレイノイドインジ
インジェクター
引き金の役目を果
ェクションコントロ
ータとインジェクシ
転数,噴射時期
続することがない
支えない。デイス
ated by a solen
at the top end
e at the bottom
27
ンジンの
ィードポ
がない
入管壁
けてあ
よってエ
タのパイ
実で噴
同様
付け加え
る。イン
ジエクタ
・ブレー
果たす
ローラの
ションコ
が感受
いし,ブ
ストリビ
noid
and
ENGSOCIETY O (3)エレ
エレクト
準の幅
様にエレ
加え合わ
伝えられ
よって行
空管を用
(4)吸入
標準型
タに送っ
その傍
すべての
増すとパ
その他
いる。
日本で
を Fig.4
次節で
空気量
Fig. 4
Fig.
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
レクロトニックモジ
トロニックモヂュレ
をもった電流パ
レクトロニクモヂ
わされ,標準幅
れ,そこからちょ
行わせる(Fig.42
用いていた。)
入負圧検出部
だがもっと大きな
っている。信号は
らに絞り弁筐の
の検出部と同様
パルスの幅が大
,SAE Paper61)で
では Bendix 社の
44 に示す。
でガソリンエンジ
に見合う燃料量
42 Four gen
tested bef
Bendix beg
warmup be
came down
the same
closely wit
43 The manifo
diaphragm
mechanism
signals to t
REVIEWGINEERS OF JAPAN
ジュレータ
レータすなわち「
パルスに変えるこ
ヂュレータに入っ
の電流パルスが
ょうど噴射時期に
2)というのは,真
な絞り弁がエンジ
はエンジンに送り
の写真が載せてあ
様に,ソレノイドイ
大きくなり,従って
では「加速時の過
のこの基本特許
ジンで重要となる
量を供給するとい
eration of elec
fore the first
gan with vacuu
efore they coul
n progresssively
scale as it is
h the dimension
old pressure sen
whose motions
m that enabled a
the modulator.
W Vol. 7 No. 2 20
「頭脳箱」の第一
ことである。エンジ
って来る。外から
がエンジンの状態
に当たっているイ
真空管と違って,
ジンへの気流を
り込まれる空気密
ある。実際の抵抗
インジェクタに伝
てインジェクタが
過剰燃料の取扱
が昭和 33 年(1
る供給燃料の基本
いう考えから空燃
ctronic modulat
production un
um tubes, which
ld be brought i
y. The final vers
s predecessors
n of the fourth g
nsor worked wit
s were relayed b
a transducer to
017
一番の作用は,イ
ジンの各部に取
入ってきたこれ
態に合うように修
インジエクターに
加熱時間がいら
を調整するのに用
密度の相対値を
抗特性はエンジ
えられる電流パ
開いている時間
扱い」,「アイドリン
1958 年)に公告
本的な制御方法
燃比制御方法と言
tor were built
it was develop
h needed time
into function. S
ion is not shown
, but correspo
generation unit
th a spring-load
by a crank
send quantified
インジェクション
取り付けられてい
らの信号はエレ
修正される。修正
に電流パルスを送
らず,電池から消
用いられる。絞り
を示すものである
ジンの構造並びに
パルスの幅を調整
間が長くなり,噴
ング時の過剰燃
告 65)されており,前
法について解説す
言うこともできる
and
ped.
for
Size
n to
onds
ed
d
Fig
ンコントローラより
いる検出装置から
レクトロニックモジ
正された電流パ
送ることになる。
消費する電流が
り弁筐に吸入負
る。Fig.43 はその
に型式で変わっ
整する基本回路
射量が増す事に
燃料の取扱い」及
前出 Sutton らが
する。ガソリンエ
る。
g. 44 Figures
(No.Shouwa33
り伝えられるスパ
らエンジンの運転
ジュレータ中の標
ルスはインジェク
その機能は,真
が極めて小さいか
圧検出部があっ
の略図で,吸入管
て来るであろう。
路の抵抗を増して
になる。
及び「冷間時始動
が出願者となって
エンジンでは,目
from the Japan
-3303) applied
パイクシグナル(
転状態に応じて
標準幅電流パル
クションコントロー
真空管を使わない
からである。(但し
って,信号をエレ
管負圧検出部の
。原理としては,
ているのであって
動時の制御」につ
ている。この特許
標とする空燃比
nese Examined
by Bendix
短い信号)を,あ
発せられる信号
ルスを発する回路
ーラ中のセレクタ
いので,トランジ
し,初期試作品
レクトロニックモヂ
の作用を説明して
この検出部は,
て,検出回路の抵
ついて解説がな
許における代表
比を設定して吸入
Patent Publica
28
ある標
号も,同
路中に
タ部に
ジスタに
には真
ヂュレー
ている。
他の
抵抗が
なされて
表的な図
入した
ation
ENGSOCIETY O 9.2. 空
ガソリ
(1)マスフ
(2)スピー
(3)スロッ
概念図
(1)マスフ
吸入空
この時要
必要とな
(1973)
(2) スピ
吸気管
n・ηv・
ティと呼
と考えて
よって実
いる。こ
計測 を
式であっ
(3) スロ
スロッ
という言
は鈍感
用化され
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
空燃比制御方法の
リンエンジンへの
フロー コントロー
ード デンシティ
ットル スピード
を Fig.45 に示す
フロー コントロー
空気量を直接計
要求燃料噴射量
なる。マスフロー
はこのマスフロ
ピード デンシティ
管圧力 p を計測
V・γa/2 となり
呼ばれる所以であ
て負荷に応じて
実用化された世界
この方式は先に述
を意味する) また
った。
ロットル スピード
ットル弁開度α(
言い方もする。最
であるため制御
れた例はない。
REVIEWGINEERS OF JAPAN
の基本的な考え
の燃料供給量の制
ール方式 (Ma
コントロール方
ド コントロール方
す 66)。以下それぞ
ール方式
計測する方式で,
量(質量)を q,所
ーとは吸入空気の
ー方式である。
ィ コントロール方
測する方式で,空
り,一方ηv≒k1
ある。吸入空気量
p と N のマップ
界初の点火時期
述べた Bendix E
た古くは先の章
ド コントロール方
角度)が吸入空
最も単純な方式で
御が難しい。スロ
W Vol. 7 No. 2 20
え方
制御方法には大
ass Flow Contro
方式 (Speed Den
方式 (Throttle S
ぞれ解説する。
毎時の吸入空
定の空燃比をλ
の質量流量を意
(L は Luftmeng
方式
空気の比重をγa
(p/Ta)であるか
量は吸気管圧力
を作って燃料噴
期電子進角制御
Electorjector や
章で述べた Mess
方式
空気量に比例する
ではあるがスロッ
ットル開度を直
Fig. 45 T
017
大きく次の 3 つの
l)
nsity Control)
Speed Control)
気量(質量)を Q
λとすると,q=1
意味する。のちに
gen:空気計測,K
a,空気温度を T
から,Q≒k2・(p/T
力 p に比例したも
噴射量の制御を行
御方式である MIS
やその後実用化
erschmitt DB エ
るという考えから
ットル弁開度と吸
接検出すること
Three Ways to c
の考え方がある
Q,エンジン回転
1/λ・Q/N とな
にこの考え方でシ
K は Kontinuier
Ta,気筒数を n,
Ta)・γa・N となる
ものとなる。実際
行う。吸気管圧力
SAR(Microproc
化された Bosch 社
エンジンに搭載さ
ら,燃料噴射量を
吸入空気量の関
とから過渡の制御
control Air-Fue
。
転数を N とした時
なる。これが基本
システムを実用化
liche Einspritzun
気筒容積を V,
る(k1, k2 は定数
際には燃料噴射
力を検出するセ
essed Sensing a
社の D-Jetronic
された筒内噴射
をαと N と関数
関係はリニアでは
御レスポンスに優
l Ratio in gasoli
時,エンジン1回転
本制御式である。
化した Bosch 社
ng:連続噴射を意
容積効率をηv
数)。この式に N
量 q は吸気管圧
ンサが必要とな
and Automatic R
c(1967)に採用さ
装置の燃料制御
として制御する方
はなく,小開度の
優れレースで使用
ne engine
転あたりの吸入
吸入空気量を検
社の L-Jetronic(
意味する)
v とすると 4 サ
N とγa が含まれ
圧力 p とエンジン
なる。ちなみにこ
Regulation)67)も
されている。(D
御もスピードデン
方法である。α
の時は吸入空気
用されたことはあ
入空気量は Q/N
検出する流量セ
(1974) や K-Je
サイクル機関では
れるのでスピード
ン回転数 N の基
れは 1978 年に
同じ考え方を採
は Druckmenge
ンシティコントロー
N(アルファ・エヌ
量に敏感で大開
あるが,この方式
29
となり,
センサが
etronic
は Q/N=
ドデンシ
基本関数
に GM に
採用して
en:圧力
ール方
ヌ)方式
開度で
式で実
ENGSOCIETY O 9.3. Be
これま
Bendix
台ほど販
ルは当
とである
かもしれ
ンジンの
はその
る。194
険であっ
しかし
てきた。
比制御
い出され
射の雄
9.4. Bo
この動
ニア工科
その結
Bosch は
なる時代
置の開
して大気
ンジン性
Bosch
となる)
世界初
当時の
サ,イン
在量産
Bosch の
によると
法バラツ
F
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
endix Electrojec
までの解説で明ら
社は 1957 年に
販売されたとの
時としては決して
るがやはり信頼性
れない。だが,ひ
の性能向上が得
時それを求めて
47 年に Shockley
ったと思われる。
しながら,Bendix
。一点だけ Bend
精度を確保する
れる燃料量の変
Bosch 社であっ
osch による電子
動きの起源は米
科大学教授がこ
果人体や植物に
は自動車排出ガ
代がやってくると
発をスタートさせ
気浄化法(Clean
性能向上でなく排
h はついに 1967
を発表し,VW16
は前述 Chrysle
Bosch 技報を基
ンジェクタ及び燃
されている部品
のインジェクタは
と,噴射量(静的
ツキを吸収・調整
Fig. 46 VW160
Interna
REVIEWGINEERS OF JAPAN
ctor のその後
らかなように Ele
このシステムを
記述があるがそ
て低くなく,Bend
性やコストの問題
ひと言で言えば「
得られることにど
ていたのだろうか
y らがトランジス
。
x 社の特許はその
dix 社が標榜しな
るということを,気
変えることになる
った。しかし彼ら
子制御式吸気管
国カリフォルニア
このスモッグの原
に有害影響をもた
ガスをクリーンに
と考えたのである
せた。その頃の社
n Air Act)が加え
排気中の有害成
7 年,商品名 Je
600 LE/TLE(対
er 車の Electroje
基にこのシステム
燃料ポンプをそれ
品では大幅な小型
は Bendix の Elec
的)を規定するノズ
整する機構にした
00 LE/TLE pres
ational Motor S
W Vol. 7 No. 2 20
ectrojector やそ
公表して Chrys
それ以降発売され
dix 社は気化器を
題もあったのか
早すぎた」という
どれだけの価値が
か?加えて 1957
スタを発明して高
の後基本中の基
なかったことが「
気化器では多大
。「エンジンの設
のシステムの実
噴射システムの
ア州の空にある
原因は自動車排
たらすと指摘した
にしてカリフォルニ
る。Bosch は Be
社会の動きは 1
えられ 1968 年式
成分の低減に向
etronic(当初は
対米仕様で 1968
ector だが,量産
ムの概要を示す
れぞれ Fig.49,Fig
型簡素化・低コス
ctrojector から進
ズルの部分とノ
たこと,最後にス
ented in the 19
how (IAA) in Fr
017
それを構成する部
ler の Plymouth
れることはなかっ
を意識してか「エ
かもしれない。Ele
うことではないだ
が認められたの
年の発表当時で
高価ながらも民生
基本として効力を
空燃比制御性の
大な工数をかけて
設計変更を最小限
実用化までさらに
の実用化 70)
。既に 1943 年に
排出ガス(特に排
た。
ニアに青い空を取
endix からライセ
960 年カリフォル
式の新車から連
けられ,そのため
D-が付いていな
年モデルとして
産されたものとし
す(Fig.47)73)。シス
g.50 及び Fig.51
スト化されている
進化が見られる。
ズルの動きを規
スプリングの荷重
67
ankfurt, German
部品やシステムは
Dodge,DESolo
った 69)。その理
エンジンの設計変
ectrojector シス
だろうか?電子制
であろうか?この
で自動車にトラン
生用に使われつ
を発揮し,そのラ
の良さ」である。
て燃料通路に設
限に」ということ
に 10 年の歳月が
にはロサンゼル
排気中の NO2 と炭
取り戻すには,
センス供与を受け
ルニア州で自動車
連邦統一の排出ガ
めには気化器か
なかったが,その
て開発されたもの
してはこの VW 車
ステムを構成す
に示す。燃料ポ
るが,当時はサイ
。Electrojector か
規定するソレノイ
重調整で噴射量
ny
は,現在のポー
に搭載することを
由はなぜであろ
変更を最小限に
テムが不調でリ
制御化しても気化
のあたりは技術
ンジスタを使用す
つあったが,19
ライセンスはその
吸入空気量を制
けた多数のオリ
以上にこの「空燃
が必要であった。
ルスでスモッグの
炭化水素)が紫外
「空燃比制御性
け,Electrojector
車汚染規制法が
ガス規制が適用
からのコスト上昇
の後いろんな方式
の)に電子制御式
車が世界初の電
る機械部品を F
ポンプの図のみ
イズがかなり大き
から進化したとい
ドの部分を機能
量(動的)を規定す
Fig
ート噴射システム
を発表した 68)。そ
ろうか?Electroje
に」ということを標
リーコルされたと
化器よりかなり高
術者がよく陥りや
するという信頼性
57 年時点でこれ
の後の燃料噴射
制度良く検出し,
リフィスの径を(カ
燃比制御性の良
。
の発生が社会問題
外線(太陽光)に
性の良い」電子制
発表から 5 年後
が成立(施行 196
用されることになる
昇を容認するとい
式が派生したの
式燃料噴射装置
電子制御式燃料噴
Fig.48 に示す。な
JAN P. NORBY
きく構成部品点数
いうインジェクタ
能分離して設計構
するようにしたこ
. 47 Bosch D-
ムのほぼ基本骨格
その後 1958 年に
ector とそのシス
標榜した。そのこ
という記述 68)もあ
高価で気化器と
すい自己満足の
性面の抵抗感が
れを自動車に使
射装置サプライヤ
燃料噴射量を噴
カン・コツで)選択
良さ」に目を付け
題化していた。1
により光化学反応
制御式燃料噴射装
後の 1962 年,電
65 年 7 月)し,1
る。ガソリン噴射
いう土壌が整った
ので識別するため
置を搭載すること
噴射装置搭載車
なかでも主要部
YE の書籍 64)から
数も多かったの
タの発明性は Bo
構成し,両者を組
ことにある 74)。
-Jetronic Syste
格をなすものであ
にオプション設定
ステムの技術的
ことも技術的に重
ありそうしたことが
同等かそれより
の世界で,社会や
があったものと推
使うということは大
ヤに大きな影響を
噴射期間で制御
択してベンチュリ
けたのが欧州の燃
1952 年にはカリ
応を起こすことに
装置がかならず
電子制御式燃料
965 年には連邦
射への期待はも
たのである。
めにのちに D-Je
とになる 71)。少量
車両である(Fig.4
品である吸気圧
ら引用した。これ
のである。その中
osch 社の H.Kna
組み合せた時に
em (1967)
30
あった。
定で 300
的なレベ
重要なこ
が要因
り少しエ
や顧客
推定す
大きな冒
を与え
御し空燃
リから吸
燃料噴
リフォル
にあり,
ず必要に
料噴射装
邦政府と
はやエ
etronic
量販売で
46)72)。
圧力セン
れらは現
で,
pp 博士
に部品寸
ENGSOCIETY O
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
Fig. 48
REVIEWGINEERS OF JAPAN
Mechanical Com
W Vol. 7 No. 2 20
mponents for B
Fig
Fi
017
osch D-Jetroni
g. 50 Fuel Injec
ig. 51 Fuel Pum
c System
ctor for Bosch D
mp for Bosch D
Fig
D-Jetronic Sys
D-Jetronic Syst
g. 49 Manifo
D-Je
tem
em
fold Pressure
etronic System
Sensor for B
31
Bosch
ENGSOCIETY O さて,
して燃料
えて適合
噴射装
Merced
Citroen
日本で
Bosch
械式連
表であり
様々な
されたの
いくこと75)。L-J
して Bo
リン噴射
GINE ROF AUTOMOTIVE ENG
VW1600 LE/TL
料噴射量を規定
合したことが新し
置の装着性・搭
des-Benz280/30
n と Opel を除い
は初めて 1970
hはさらに改良に
続噴射(噴射弁
り,新興電子産
欧州ではブラック
のが K-Jetronic
とになる。L-Jetro
Jetronic はさらに
osch は世界中の
射装置の技術開
REVIEWGINEERS OF JAPAN
LE に採用された
定し(スピードデン
しい点である。も
搭載性と排出ガス
00,Citroen DS21
た 6 モデルは対
年 11 月,いすゞ
に改良を重ね,K
弁は油圧で開閉す
業とは別格とい
クボックスとして
c であり一時期欧
onic は,マスフロ
に排気 O2 センサ
の燃料噴射装置
開発史は文献 76)
W Vol. 7 No. 2 20
た D-Jetronic にお
ンシティ方式),空
もちろん,エンジ
ス適合の自由度
1J,Opel Adm/D
対米輸出を前提
ゞ117 クーペが B
K-Jetronic(1973
する外開自動弁
いう距離を置いて
てのコンピュータ
欧州ではかなり採
ロー式の電子制
サ(ラムダセンサ
置サプライヤにラ)に紹介されてい
Fig. 5
017
おける燃料制御
空燃比を変えて
ン自体の設計変
度という特徴によ
ippl.E,Volvo1800
としている。さら
Bosch 製 D-Jet
3年),L-Jetroni
弁)である。なぜこ
ていた。電子産業
は自動車のサー
採用されていた
制御間欠噴射であ
)と三元触媒を用
ライセンス供与を
いる。
52 Air-flow sen
御方法は,エンジ
得られるトルクと
変更は基本的に
よって,1969 年に
0E,Saab99E,VW
らに 1970 年には
tronic を搭載して
ic(1974年)等々
この時期に機械
業の部品を使うこ
ービス体制も含め
たが,電子制御の
あり,吸気圧セン
用いてフィードバ
をしていく。日本の
nsor for Bosch
ジン回転数と吸気
と排気中の CO
にはなく,インジェ
には欧州の 8 つの
W411E 及び Pors
は欧州で 3 モデル
て発売されてい
々なる商品を世に
械式かというと自
ことに信頼性上の
めて課題が大き
の信頼性が認め
ンサに代わって
バック制御を導入
のデンソーにおけ
L-Jetronic Sy
気管圧力(エンジ
及び炭化水素の
ェクタを吸気管に
のモデル,Merc
sche914 が D-J
ル,1971 年には
る。
に出していく。な
動車産業は当時
の抵抗感があり
きかった。そうした
められ,実績が証
新たにエアフロ
入し,排気有害成
ける 1960 年代初
ystem
ジン負荷と考える
の濃度の内,CO
に取り付ける改造
cedes-Benz250
Jetronic を採用し
は 6 モデルが追加
なお,K-Jetronic
時で言えば機械
り,国により電子
た中,機械屋の
証明されていく中
ーセンサが開発
成分の低減を格
初頭から 1970 年
ることもできる)の
O 排出量をある
造だけで良かった
CE,
している。そのう
加されるに至って
はマスフロー方
械工業の古くから
子産業の発達程度
こだわりとして生
中で,徐々に姿を
発されている(Fig
格段に向上させた
年代末にかけて
32
の関数と
る量に抑
た。この
うち,
ている。
方式の機
らの代
度の
生み出
を消して
g.52)
た。並行
てのガソ
33 ENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017 9.5. 電子制御式ガソリン噴射装置普及の要因と意義 70)
これまで解説してきたガソリン噴射装置は,Bendix のコンセプトであるエンジンの設計変更は最小限で,エンジンからの駆動も必要とせず,センサ類は
エンジンの周辺にある程度自由に配置できるようになっていた。気化器は吸気の絞りとなるため設置部分で圧力損失が発生するが,ガソリン噴射装置
はこのようなこともなく,しかも排気有害成分の低減には気化器に比較して非常に適合が簡便であった。つまり使う側にとって非常に使いやすいという特
徴を持っていた。これが商品として普及した要因の一つである。
また,米国での排気規制の追い風を受け VW 車に次いで自動車メーカ各社が相次いで採用に踏み切った。この時このガソリン噴射装置は,個々のエ
ンジンの設計に特化したものではなく,機能別に分割された主要コンポーネント群はいわゆる標準化されたものであった。例えば,インジェクタは外観は
同じだがエンジンの排気量に合わせて流量サイズの異なるものが何種類か用意された。インジェクタのデリバリパイプ側と吸気側のシール面の径と軸
方向長さを合わせると,世界中のどのガソリン噴射エンジンにも互換性をもって搭載できるようになり,インジェクタのインターナショナルフイッティングが
世界標準として定着していた。Bosch も含めてライセンスを受けた世界中の燃料装置サプライヤが,自動車メーカの個別の搭載要求を越えてこの標準
品を世界中で大量生産するに至った。その中で,この技術に係わる機械技術者,電子技術者,制御技術者,生産技術者,材料技術者,品質保証技術
者たちがどんどん増えていった。そして市場での実績も積上げ信頼性も向上し,やがてマイコンや LSI がシステムに使われるようになりシステムの性能
改良・高機能化が図られ,同時にコストダウンも着実に進んでいった。これが商品として普及した二つ目の要因である。
さらに,二つ目の要因に関連して世界の大衆車 VW に電子制御式ガソリン噴射装置を搭載したという意味には,従来の機械式噴射が一部の高級車・
スポーツ車専用で高コストのイメージがあったのに対し,これを払拭し他の自動車メーカが後続しやすい雰囲気を作り,この技術を世界中に定着させる
という戦略があったものと考えられる。これが商品として普及した三つ目の要因である。
Bendix と Bosch が「死の谷」を越え,これに VW が協力し,,彼らと後に続く世界中の燃料噴射装置サプライヤが競争しつつも一緒になって「ダーウィン
の海」を泳ぎ渡り,電子制御式ガソリン噴射装置という技術がある意味商品としてコモディティ化したのである。
10. 第 3 回連載追記
本稿では,一見主旨と異なり電子制御式ガソリン噴射(吸気管噴射)の創世記から進化の過程の説明に紙数のほとんどを費やしたが,あえてその理
由を述べる。Bendix の Electrojector 登場からほぼ 40 年後,Bosch の D-Jetronic から数えて 30 年後に日本で登場した世界初の電子制御式ガソリン筒
内噴射は,これら吸気管噴射(のちにエンジンのベースが気化器エンジンから噴射専用のエンジンに代わる際,機関の応答性を向上し燃料ウエットを低
減するためにより燃焼室に接近して噴射すること狙ってエンジンヘッドのポート部に噴射位置を取り「ポート噴射」になった)の発明と進化,普及(市場実
績と低価格)がなければ,絶対に出現することは無かったといっても過言ではないからである。
1960 年代から 1970 年代にかけて,高圧の機械式ガソリン筒内噴射(多くは実験的にディーゼル用ジャーク式燃料噴射をガソリン用に改造したもの,あ
るいは 1950 年代半ば以降に市販された Mercedes-Benz300SL 搭載のガソリン噴射装置を流用したもの)を使って数多くの研究者によりいろいろなコン
セプトの直噴層状給気(DISC:Direct Injection Stratified Charge)が試みられた。が,結果は死屍累々で一つとして実用化されたものはなかった。そして
1980 年代後半までガソリン筒内噴射はほとんど顧みられない時期を迎える。その間は,まさに吸気管(あるいはポート)への電子制御ガソリン噴射が着
実に進化していた時期であった。
(第 4 回連載に続く)
第 4 回連載内容(予定)
(1)直噴層状給気(DISC)に対する数多くの試み(1940 年代~1970 年代)
(2)直噴 2 サイクルエンジンの開発熱(1980 年代後半 ~ 1990 年代半ば)
(3)電子制御式筒内噴射の出現(1990 年代後半)
【参考文献】
(58) Atlas-Imperial - Wikipedia
(59) US Patent No.1,892,956
(60) P.G.Burman, F.Deluka, Fuel Injection and Controls for internal combustion engines, American Bosch,p19,1962
(61) Winkler, A. and Sutton, R., "ELECTROJECTOR—BENDIX ELECTRONIC FUEL INJECTION SYSTEM," SAE Technical Paper 570060, 1957
(62) 塩崎真行, エレクトロニクスによってコントロールされるベンディックス燃料噴射装置,モーターファン,1957 年 12 月号,303-306, 三栄書房 61)の
邦訳解説となっている
(63) 棚沢泰,気化器とガソリン噴射装置, 社団法人自動車技術会 技術シリーズ No.1,p16,1957
(64) JAN P. NORBYE, AUTOMOTIVE FUEL INJECTION SYSTEMS A TECHNICAL GUIDE,70-72,Motorbooks International Publisher &Whole Sales,1981
(65) 特許出願公告 昭 33-3303
(66) 藤沢英也,小林久徳, 電子制御ガソリン噴射 ,p9,山海堂,1897
(67) Evernham, T. and Guetersloh, D., "MISAR-The Microprocessor Controlled Ignition System," SAE Technical Paper 780666
(68) http://www.allpar.com/cars/desoto/electrojector.html このサイトの標題は” 1958 Chrysler-DeSoto Electrojector - World’s First Electronic Fuel
34 ENGINE REVIEW SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN Vol. 7 No. 2 2017
Injection”であり,Electrojector を搭載した Chrysler 車が詳細に解説されている Electrojector のサービスマニュアルも掲載されている
http://www.allpar.com/chrysler-literature/1958/Electrojector-fuel-injection-testing/index.php
http://www.allpar.com/history/desoto.html には Electrojector システムリコールのことも書かれている
(69) デンソー・トヨタ有志編, EFI 事始め,1998 年
(70) 9.4 節と 9.5 節は,小林久徳氏の遺稿(未公表)を参考にした
(71) ボッシュ・ジャパン ホームページ http://www.bosch.co.jp/jp/press/group-0708-01.asp
(72) http://www.invetr.com/automotive-industry/april-28th-2014 より写真引用
(73) Guenter Bauman, Eine elektronich gesteurete Kraftstoffeinspritzung fuer Ottomotoren,Bosch Techn.Berichte2 -Heft3,107-116,November 1967
(74) 小川王幸,東条重樹,燃料噴射ノズルの現状と将来, 自動車技術, Vol.41,No,10,1141-1149,1987
(75) Robert Bosch GmbH, Gasoline Fuel-Injection System L-Jetronic Technical Instruction Edition 95/96 ,1995
(76) 伊藤誠悟, 株式会社デンソー 電子制御式ガソリン噴射装置(EFI)の開発・事業化, CASE#11-04 一橋大学イノベーション研究センター
(2011/09/26)http://pubs.iir.hit-u.ac.jp/admin/ja/pdfs/show/1252