aij伝熱合同wg 建築環境のシミュレーション・ツー...

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AIJ伝熱合同WG 建築環境のシミュレーション・ツールについて -熱・空気の節点系のツールを主として- Simulation Tools of Architectural Environment - Mainly for Nodal Models of Heat and Air - 2005/09/17 宮城高専 内海康雄 Miyagi National College of Technology Yasuo UTSUMI

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AIJ伝熱合同WG

建築環境のシミュレーション・ツールについて-熱・空気の節点系のツールを主として-

Simulation Tools of Architectural Environment- Mainly for Nodal Models of Heat and Air -

2005/09/17

宮城高専 内海康雄Miyagi National College of Technology

Yasuo UTSUMI

全体の内容• 海外のシミュレーションの現状

DOEのHP http://www.eren.doe.gov/buildings/tools_directory/

• 各国の取組み

IEA-ANNEX、EU、中国など

• シミュレーションの研究・技術開発・利用の情報交換

IBPSA本部及び日本支部の活動

• 熱関係資料等をインターネット上にまとめる動き

予備的アンケート調査、欧米等の研究・開発者の考え方

• シミュレーション・ツールの動向

傾向と留意点

• 計算ツールの今後?

DOE(米国エネルギー省)のHP 1/3

288

DOE(米国エネルギー省)のHP 2/3

• 登録本数 288本

• 建物全体の解析エネルギー・シミュレーション 負荷計算

新エネルギー 改修の解析

持続性/グリーン・ビルディング

• 規格・基準

• 材料、要素、機器、システム外皮システム HVACシステム

照明システム

DOE(米国エネルギー省)のHP 3/3

• 他のアプリケーション大気汚染 エネルギー経済

室内空気質 複合施設

太陽/気候の解析 訓練・講習

ユーティリティの評価 検証ツール

換気/空気流れ 節水

その他

ソフトウェアの表記 1/2

• 操作画面などの画像 インターフェース• 説 明 何ができるか• 必要な知識 使い手による• 検 証 確かさとは何か• 現ユーザー数 機関の数、人数• 対象ユーザー 誰が使うか• 入力データ 入手のしやすさ• 出力データ 表現のレベル

ソフトウェアの表記 2/2

• 計算環境 初期経費• プログラミング言語 コーディングする際• キーワード アピールする点• 特 長• 短 所• 連 絡 先• 入手しやすさ 無料ダウンロードもある• 開 発 国 日本のものがまだない

負荷計算とエネルギー・シミュレーションが両方できるプログラム

APACHE-HVAC BLAST BSim2000 DOE-2 Energy SchemingEnergyPlus EnergyPro ENER-WINESP-r HAP HEEDHOT2000 HOUSE IDA IndoorClimate and Energy LESOCOOLLESOSAI MarketManager Micropas6Physibel REM/Design REM/RateSMILE SMOG SolacalcSOLAR-5 SPARK e-QuestSystem Analyzer VisualDOE

欧米を中心とした熱計算ツールの状況 1/2DOEのHPに登録されている国別のシミュレーション・ツール

• 建物の熱負荷と機器容量の計算ができるソフトウェアは36本

国 名 本数 国 名 本数

アメリカ 183 ベルギー 2

イギリス 21 インド 1

カナダ 15 アイルランド 1

ドイツ 11 オランダ 1

スウェーデン 8 ニュージーランド 1

スイス 7 ロシア 1

フィンランド 4 南アフリカ 1

オーストラリア 3 スペイン 1

フランス 3 ブラジル 1

デンマーク 2 総 計 267

欧米を中心とした熱計算ツールの状況 2/2

• 作成年と申告されているユーザー数が分る17本• 第1次オイルショックの1970年代から開発開始、大学・研究所・政府研究機関が多い。• 2本を除いて50~2300ユーザー数、その2つを除いた平均ユーザー数は729。

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

10000

1970 1980 1990 2000 2010作成年

公称

ユー

ザー

換気計算のプログラム国 名 本数

アメリカ 10

イギリス 4

スウェーデン 1

フィンランド 1

べラルース 1

総 計 17

○ 17本中3本はCFDコード○ 換気計算用に作られたもの○ 熱計算のオプションとして作られたもの

換気計算のプログラム 1/2Tool Applications AIRPAK airflow modeling, contaminant transport, room air distribution,

temperature and humidity distribution, thermal comfort, computational fluid dynamics (CFD)

APACHE thermal design, thernal analysis, energy simulation, dynamic simulation, system simulation

BUS++ energy performance, ventilation, air flow, indoor air quality, noise level

COMIS multizone airflow, pollution transportCONTAM airflow analysis; building controls; contaminant dispersal;

indoor air quality, multizone analysis, smoke control, smoke management, ventilation

DesiCalc desiccant system, air-conditioning, system design, energy analysis, dehumidification, desiccant-based air treatment

ESP-r energy simulation, environmental performance, commercial buildings, residential buildings, visualisation, complex buildings and systems

FLOVENT airflow, heat transfer, simulation, HVAC, ventilation

換気計算のプログラム 2/2IAQ-Tools indoor air quality, 'sick' buildings, ventilation design,

contaminant source control design, tracer gas calculationsIDA Indoor Climate and Energy

design, energy performance, thermal comfort, indoor air quality, commercial buildings

Indoor Humidity Tools

indoor air humidity, dryness, condensation

LoopDA airflow analysis, indoor air quality, multizone analysis, natural ventilation

Microflo CFD, airflow, air quality, thermal performanceModEn object-oriented simulation, energy simulation, controls,

energy audit, energy-saving, energy performance, dynamic simulation, research, education, heating, air conditioning

myupgrades.com

HVAC updates, HVAC equipment selection, energy savings, up-sell

Thermal Comfort

thermal comfort calculation, comfort prediction, indoor environment

VentAir 62 ventilation design, ASHRAE Standard 62

IEA-Task34/Annex43

• IEA国際エネルギー機関

– SHC 太陽エネルギーによる冷暖房プログラム

– ECBCS 都市とコミュニティの省エネルギープログ

ラム

IEA Task34/Annex43• Testing and Validation of Building Energy

Simulation Tools建物のエネルギーシミュレーションのためのツールの

試験と検証

建物の熱負荷などについての空調機器を含む動的シミュ

レーションのためのツールの検証方法が検討される。

• SHCのタスク22の発展で8,12と関連BESTTESTを開発した。

Annex40(性能検証)と密接に関係する。ICEBO’04 タスクリーダー Ron JUDKOFF、米国NREL

扱う項目Ground Coupling 地盤連成(作業中)

Shading/Daylighting/Load Interaction日射遮蔽/昼光/負荷の交互作用

Double Façade ダブルファサード

Multi-Zone (physical and imaginary partitions)多数室(計算ゾーンの物理的と“仮想的”な区切り方)

Validation Guide 検証法のガイド

Interzonal Air Movement* 室間の空気流れ * ここでのプロジェクトは多数

室で行われる。

Chiller/Tower/Plant System Optimization + Controller Strategies for Efficiency** チラー/タワー/プラントシステム最適化+効率向上のための制御戦略

Mechanical Equipment and Plant** 機械設備と“プラント”

OA/Mechanical Ventilation Control Options**OA/機械換気制御オプション

INFORMATION-CENTRE [EMPA]

– Centre for Building Simulationを提案

– インターネット上に仮想的なセンターを作ってソフトウェアの提供、サポートなどを行う。

– 現在AIVCは換気関連のみであり熱についての

センターが必要。

EUにおける建物の消費エネルギーへの取組みとシミュレーション

• 2002年12月の広報(Official Journal)「on the energy performance of buildings」

(a)総合的な建物のエネルギー性能の計算手法の一般

的な枠組みの作成

(b)新築建物のエネルギー性能の最低必要条件の適用

(c)大改修を必要とする大規模既存建築のエネルギー

性能の最低必要条件の適用

(d)建物のエネルギー保証

(e)建物のボイラーと空調システムの定期検査に加えて

15年以上経過したボイラーの暖房性能の評価

ヨーロッパでの計算モデルの統合STEDI Project

• 様々なソフトウェアとCADデータなどの統合的なシミュレーション

• 質点系とCFD連成のASPサービス

• STEDIプロジェクト– Easy access to thermal behaviour simulation tools in

ASP mode– EUの第5枠組の中のIST (Information Society

Technologies)プログラムにより2年間

目 標

1.熱挙動のシミュレーション・ツールを統合– 質点系+CFD

2.新しいASPモデルを作る

3. ユーザーが直接使うこと、普及させること

により、これらのツールの使い方を示す

4. エンド・ユーザーが本質的な役割を持つ

エネルギー効率の高い設計への連成計算 1/2

1. CFDによる計算

2. 多数室熱計算

エネルギー効率の高い設計への連成計算 2/2

USER TERRITORYUSER TERRITORY SERVER TERRITORYSERVER TERRITORY USER TERRITORYUSER TERRITORY

Multi-zone Thermalcomputation

CFDcomputation

FAVENT

EU EVEプロジェクト

• EVE (Enriched Virtual Environment)• IFC(Industrial Foundation Classes、世界

標準のCAD等の規格)のデータを基に各種の環境シミュレーションを統合

• 各シミュレーションで変更されたデータはそのまま他のソフトウェアで使える

• VR(人工現実感) を含めて可視化(視覚、聴覚)

• 人工現実 は、計画されている建物の視覚的(従って直感的)な3次元表現を通じて意思決定者間のコミュニケーションを改善できる

Our vision for VE in B&C

Architect

Construction Site

ConsultantPROJECTMODEL

Contractor

Client

Sub-contractor

Facilities Manager

Sub-contractor

Construction Site

Architect

Contractor

Client

Facilities Manager

Consultant

EVE Platform Buildings

Urbanscenes

Air Pollution ExternalAcoustics

Aging offacades

ExternalComfort

conditions

Distrib.Manager

Viewer

Acoustics LightingThermalcomfort

Acess toRegulationsFire safety

Enriched Virtual Environments (EVE) 1/3

Applications for buildings 2/3

EVE Platform Buildings

Urbanscenes

Air Pollution ExternalAcoustics

Aging offacades

ExternalComfort

conditions

Distrib.Manager

Viewer

Acoustics LightingThermalcomfort

Acess toRegulationsFire safety

Applications for buildings 3/3

Buildings

Acoustics LightingThermalcomfort

Acess toRegulationsFire safety

Lightingacoustics

Thermal comfort

CAD tool(ArchiCad)

中国 DeSTプロジェクト (清華大学)

• CADとシミュレーションの統合

• BS2007開催 朱先生

Structure of DeST

Designer involved, Process of analysis and determinationDesigner involved, Process of analysis and determination

Medpha

CABD

BAS

EDB

SchemeScheme

DNA

ACSelACSel CPSCPS

PNAPNA

Comparison with other software

▲ DEST

IBPSAの活動

◆IBPSA:International Building Performance Simulation Association

(国際建物性能シミュレーション協会)

建築された環境をより良くしようとする

研究者、開発者、実務者からなる非営利団体

使命:建物性能のシミュレーションの発展・促進

◆組織構成

IBPSAの組織図

支部: オーストラリア、ブラジル、

カナダ、チェコ、フランス、

アイルランド、日本、

ネザーランド、スコットランド、

スロバキア、アメリカ合衆国

会長: オクラホマ州大学

Jeffrey Spitler氏

理事会メンバー: 京都大学

吉田治典理事

◆活動の目標と内容

■活動の目標

・ 建築環境における問題の確認

・ 建物性能の特徴の確認

・ 建物性能シミュレーションの研究開発、要求、成果の提供

・ 建物シミュレーションの基準化の促進

・ 最先端の情報提供と啓蒙

■活動内容

・ 建物の設計者、所有者、

使用者、開発者への提言

・ 教育プログラム、宣伝による

シミュレーションの促進

・ 科学的な基礎の構築

・ コンピュータプログラム、

ソフトウェアの枠組みの開発

・ ツールの適切な適用促進

・ CADと性能ソフトウェアの

統合の支援

・ 教育のためのトレーニングコース、

技術フォーラム、雑誌、ニュースや

他の材料の準備・認可

・ シミュレーションツール、実務改善研究、

開発プロジェクトの主催・共催

・ 実務のための基準の準備

・ 利用可能なコードの検索、

特徴の紹介等の出版

・ コンピュータコード情報センター

の役割

・ コンピュータ開発者による新しいツール・

手法開発シミュレーションの支援

・ 建物要素の語彙集や他の定義の整備

・ 実務基準の理解・翻訳のための機関に

対する成文化の支援

・ 電子ネットワーク等のコミュニケーション支援

・ 国際的に、そして他の学問分野との

情報交換の促進

◆具体的な活動

■BS国際会議

・ 全体会議:

2年に1回行われる

→研究発表

開発ツールのデモンストレーション

ツールの展示会

・ BS2003(第8回):

オランダで開催

192編の発表

・ 第9回会議

2005年8月15~18日、

カナダのモントリオールで開催

テーマ(オーラル・セッション) 論文数

発展:理論と実務におけるモデリングの進展

25

統合化:建物の諸過程におけるシミュレーションの役割/統合 25

アプリケーション:アプリケーションとベンチマークテスト 25

ソフトウェア:ソフトウェアの開発とシミュレーション言語 20

関連領域への展開:ユーザーとの情報交換、可視化、他のソフトウェアとの接続などの研究

15

検証:校正と検証の研究 10

ポスターセッション 72

総 計 192

BS2003における発表論文の内訳

◆通常の活動

情報交換のほとんどはインターネット上

1) ニュースレターの配布

・ 年1~3回のニュースレターの配布

・ BS国際会議、シミュレーション関連会議・催事、ソフトウェアのニュース等

2) ホームページの運営

・ 各種イベント、ソフトウェア・関連資料のリンク先、その他

3) メーリングリスト(ML)の活動

・ 2004年11月からBLDG-SIMを使って、ニュース等の配信、

会員への連絡

◆MLの利用状況双方向のコミュニケーション

内 容 メール数

ソフトウェアについて:CFD、DOE2、Energy Plus、eQuest、ESP-r、ソフトウェアの比較など

81

建物に関するもの:ダブルファサード、 建物外皮、屋上緑化、照明、太陽光発電、日射遮蔽装置、 蓄熱、換気、その他

64

HVACに関するもの:冷凍機、空調危機、機器制御、送風機、ヒートポンプ、冷暖房、蓄熱システム等

62

気象データについて 26

管理関連:セミナー・講習会の案内、IBPSAニュースレター等 23

設計・計画に関するもの:省エネルギー、ヒートアイランド、HVAC容量、ゾーニングなど

15

規格・基準に関するもの:LEEDなど 11

求人情報 11

総 数 293

('04.11.1~'05.5.9)

◆IBPSA日本支部の活動

■活動内容

・ 日本支部: 京都でのBS99国際会議を契機に立ち上げられた

・ 情報提供、海外研究者、研究団体との交流促進

ニュースレターの発行、総会、研究会の開催、会員・非会員への情報発信、

国際会議への参加呼びかけ、国際的な学術、技術交流、論文集の発行

■関連する国内学会との協働

・ 日本支部: 平成16年度から熱シミュレーションの関連学会との共同活動

・ 共同研究会:

空気調和・衛生工学会の熱負荷・システムシミュレーション法小委員会

日本建築学会の伝熱WG

熱シミュレーションの情報センター設立の動き

• 10年以上前からの働きかけがあった

→ ExCOは反対していない

• 換気についてはIEA-ECBCS-Annex5 AIVC(Air Infiltration and Ventilation Centre)がある

• 熱に関する情報センターがない

• インターネット上に作れば、より容易

• シミュレーション・センターのレベル

プログラムごとに作るのか

• サポート・レベルの範囲/対象プログラム

プログラムとの関係

• 国際的なサポートセンター

国際的ネットワーク

2004年、15名からのアンケートの回答(IEA-Task34/Annex43の参加者)

Evaluation of Services提供するサービスの評価

シミュレーション品質の重要性

技術上の実行可能性と能力

経費上の実行可能性

ソフトウェア市場の受入

センターor開発者のタスク

ユーザー側からの要求

品質保証の方法

(ラベル)

建物シミュレーションの一般的なガイドラインとチェックリスト

試験データ一式(各プログラムに対

応)

ユーザーの能力検証システム

+

-+

-+

-+

-

シミュレーション・センター

文書化されたアプリケーションの計算例

領域/プログラム毎のシ

ミュレーションのガイドラインとチェックリスト

アプリケーションごとの標準的な入力

文書化された試験ケースと検証手順

+

-

+

-+

-

+

-

プログラムのサポート単位 1/2シミュレーション品質の重要性

技術上の実行可能性と能力

経費上の実行可能性

ソフトウェア市場の受入

センターor開発者のタスク

ユーザー側からの要求

国際的なユーザー・グループ

プログラム開発・更新の情報

文書化されたアルゴリズムとルーチン(パブリック・ドメインと

IEAの研究・開発 )

バグの文書化

+

-+

-+

-+

-

プログラムのサポート単位 2/2

シミュレーション品質の重要性

技術上の実行可能性と能力

経費上の実行可能性

ソフトウェア市場の受入

センターor開発者のタスク

ユーザー側からの要求

領域/プログラム毎

のサポート単位からの支援

国ごとのユーザー・グループ、ワークショップ、初心者講習会

ユーザーの能力検証

+

-+

-+

-

シミュレーション品質の重要性

技術上の実行可能性と能力

経費上の実行可能性

ソフトウェア市場の受入

センターor開発者のタスク

ユーザー側からの要求

各国のユーザー・グループ

全体の平均

+

--0.2

-0.1

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

シミュレーション品質の重要性

技術上の実行可能性と能力

経費上の実行可能性

ソフトウェア市場の受入

センターor開発者のタスク

ユーザー側からの要求

集計のまとめ

◆ 集計全体のまとめ

・ 経費の援助・調達が難しい

・ プログラム開発者の強力な支援が不可欠

・ シミュレーションの仲間は大体は閉鎖的

・ 自身が関係するプログラムに関心を持つ

■関心の高い点

・ 建物シミュレーションの一般的なガイドラインやチェックリスト

・ 試験データ一式

・ 文章化されたユーザー・グループ、ワークショップ、初心者講習コース

■関心の低い点

・ ユーザーの能力検証システム・ バグの文章化

◆シミュレーション・ツールの現状等について

■現在のツールの傾向

・ 個々の計算モデルやソフトウェアの精緻化

・ 異なる計算モデルの統合化

■今後の留意点

・ ユーザーの参加・ ユーザーインターフェースの設計・ シミュレーションに用いるデータ構造の定義・ プログラムのモジュール化・ 計算モデルの間の橋渡し

• このアンケートの結論にExCoが関心を持つ

かどうか

– タスクの見直し?

– IBPSAとの協働による活動の展開

設立への今後の活動

ソフトウェアの今後

• どのようなものがあるのか?

• どのようなものが必要なのか?

時間とスケールによる分類

建築環境工学の主に熱・空気が取り扱うテーマスケール

地球

国・地域

都市

街区

建物

企画 基本計画 基本設計 実施設計 施工 管理(維持・改修など) 取壊し 時の流れ

COP3京都議定書

CFD

GIS, Remote Sensingの役割

SHASE Cx

プロジェクト or コンセプト entity:実施方法・成果物

東京都:CO2削減国交省:屋上緑化

東京ハーフプロジェクト豊橋技大COE(都市・建築関連)

GBC, Kyoto Buildingsグリーン庁舎

GBTool, BREEAM, BEEPAC,LEED, HKBEAM, CASBEE

新エネルギー

都市熱源ネットワーク

地域冷暖房

モニタリング

EnvironmentManagement

System

BEMS

HEMS

District EMS(?)

City EMS(?)

3R

LCA, LCCO2

クリマアトラス

東北環境設備研究会のテーマスケール

地球

国・地域

都市

街区

建物

企画 基本計画 基本設計 実施設計 施工 管理(維持・改修など) 取壊し 時の流れ

1)空間のスケールと経過時間に応じて多くの範囲の講演会などが開催されている2)個別の空調機器や課題などについては建物や室のスケールでの設計・計画が多くなる3)これまでにあまり行われていない領域(黄色)としては建物から都市などのスケール、管理・取壊しなどの時間スケールがある4)熱・空気の研究者の数が多いのでそれに関するテーマが多い

37th地球環境建築憲章と環境建築

プロジェクト or コンセプト

2001SHASE支部総会講演会「ハイブリッド換気・空調システムの理論と実際」

29th気候・風土を考慮した伝統的建築技術の再評価と現代建築への適用

39th建築部材の構成と換気システムの稼動状況が空気質に与える影響について

38th工場の換気や空調をめぐる諸問題について 海外の現状、大空間の局所暖房

2003.1市民向け「シックハウスの現状、室内環境の実態と防除対策」

30th中国における住宅建築のエネルギー消費と環境問題

46th コミッショニング2002.3市民向け公開講座「水問題と建物の節水」

45th「IAQ室内空気 2004講習会「低温送風空調システム計画と設計」2004講演会「今いちど給排水衛生設備を考える」

シンポジウム「建築設備の耐震設計および診断について」

SHASE支部地区講演会「グローバル二酸化炭素リサイクル地球温暖化を防ぐクリーンエネルギー」

33rd 都市環境デザインの実践「環境共生と地域づくり」

34th「空気調和・衛生設備の環境負荷削減対策」

31st室内環境と人体周辺の微気象-化学物質汚染防止の観点から-

32nd都市環境におけるクリマアトラスの利用

2000.5SHASE支部総会講演会「地球環境時代における空調設計のあり方」

36th東北地方におけるビルの環境管理システム-室内環境から省エネまで-

2003.2市民向け「くらしの中の安全と衛生、そして健康」

40th空気調和・衛生産業の今日的課題

環境と計画の関係スケール

地球

都市

街区

建物

室 互いの関係・入力と出力・インターフェース環境としてスケールと時間軸上で行う各作業項目水・光・空気・音・熱

企画 基本計画 基本設計 実施設計 施工 管理(維持・改修など) 取壊し 時の流れ

環境デザイン(広義)tangible bits、affordance

環境:建築設備

都市計画

クリマアトラス

建築設備の役割の変化

GISの役割

計画 phase 1用途別の建築計画、動線、造形、etc.

計画 phase 2 計画 phase # 計画 phase #

地方計画部会 中心市街地の再生企画の段階にも関連

熱・空気関連のプログラム/ライブラリの種類

平面図

平面図+建築物理

平面図+建築物理+流体力学

上記+プログラミング

建物全体の消費エネルギー・

換気量

各室の消費エネルギーと各室の換気量・経路

上記+室内の大まかな温度・気流

分布

上記+室内の詳細な温度・気流分

単 室

多数室

ゾーナル

CFD(数値流体力学)

モデル 仮定 入力データ 必要知識 計算資源 出力

電卓

パソコン

PCUNIXマシン

スーパーコンピュータ

経験式

一様分布

経験的なパラメータ

DNSでは仮定不要

図面

上記+設備機器の

仕様

上記+設備機器の詳

細仕様

上記+境界条件

プログラム/ライブラリの特徴空気・熱関連

地域や人により異なる

応用範囲が狭い

最も実際的なシミュレーション経験則と簡易式を検証できる問題点をチェックできる

CFDへの境界条件を与える

精密なシミュレーション高価、時間がかかる

単 室

多数室

ゾーナル

CFD(数値流体力学)

経験則

簡易式

質点系

部分的

な分布

連続体

空気の流れのモデル

静圧

静圧+動圧

静圧+動圧+粘性

現状と今後の傾向

–計算の高度化

–シミュレーションの統合

–開発者とユーザーのつながり

計算の高度化

• 計算モデルの精緻化

–モデルの仮定に応じた適用範囲

• 計算の高速化–PC性能の向上

–解法・アルゴリズムの開発

シミュレーションの 統合 1/2

• 幾つかの計算モデルの統合化

– 節点系と分布系

– 対象とする時間と空間の拡大

• データの構造化

– プログラムのモジュール化

– データ構造の定義 共通の中間ファイル

– CADデータとの関係 DXF, IFC, XML

シミュレーションの 統合 2/2• データベース、知識ベース

–すべてを統一的に扱える構造よりは、使える程度に複雑ではあるが、 できるだけ簡単な構造

–維持・管理の重要性

CD-REEF(仏) DBの管理

IBPSA、TRNSYSのML

ユーザーの参加 1/2

• 全体的な取組

–各種学協会• AIJ, SHASE, ASHRAE, CEN, ASTM,

DOE, etc.

–IEA ANNEX5 AIVC–IEAのVirtual Center

• ANNEX43での提案

ユーザーの参加 2/2

• ユーザーの理解を支援する

–ユーザー・インターフェースの改良

–人工現実感 VR (Virtual Reality)–実務への対応

設計、見積り、申請書類

誰が作り誰が何のために使うのか

使 い 手

作り手1 官公庁等

2 建設・設備

会社等

3 学協会・研

究教育機関等

1 官公庁等

2 建設・設備

会社等

3学協会・研究教育機関等

行政

など

研究教育など

設計管理など

ツールの作り手と使い手

ソフトの使い手

1 官公庁の研究機関等

2 建設・設備会社とその研究機関、コンサルタント等

3 研究教育機関等

ソフトの作り手

1 官公庁の研究機関等

2 建設・設備会社とその研究機関、コンサルタント等

3 研究教育機関等

既成

仕様の

要求

ユーザーと作り手のコミュニケーション

• NMF (Neutral Model Format)という書式

ex. TRNSYSのPROFORMA

– 現象を表す数式モデルがあれば、

ソフトウェア技術者はコーディングをする。

– 研究・開発者はコーディングにかかる大量のエネルギーを節約できる。

シミュレーション・ツールの使われ方

作業内容 重視される性能

研 究 厳密さ

機器・システム開発 性能評価ができる精度

コンサルタント 課題に対応する柔軟さ

定型的な設計等の業務 入出力のしやすさ

プレゼンテーション表現力ex.VR(人工現実)

日本で要望されていること

第33回熱シンポジウム 2003/12/5~6

• 設計でのツールの使われ方

• ツールに必要とされる性能

• 設備機器の運用開始後の利用

• 性能検証における熱負荷シミュレーション

• シミュレーションプログラムの開発

1/5 設計でのツールの使われ方

• 余裕率全体を見直すためピーク負荷6%、換気負荷50%など、機器容量が大きいと消費エネルギーは増加、 余裕を取ると部分運転が多くなる

• 熱源設計の立場から熱源機器の稼動状況のデータが得られない熱源機器の最適分割が必要→便利なソフトウェア

• 非定常数値解析を応用した熱負荷計算法各種手法が地域と建物種別で有効かどうか判断したい

• 設計の品質をどう考えるか建築の目標は環境配慮・省エネだけではないので総合的に考えるべき。

2/5 ツールに必要とされる性能• 環境・設備設計において

最大熱負荷計算と年間熱負荷計算が主ポイント:負荷を元から断つ、高効率設備の構築、設計品質の向上

• 省エネルギー設計の立場から省エネ手法の組合せ方、150種類の内6割が室内熱負荷低減に関係

• 熱負荷と空調シミュレーション建物との相互作用、空調コンポーネントの汎用化、機器の部分負荷特性、自動制御、熱負荷よりエネルギー消費が必要

• 快適性姿勢による違い、上下温度分布、人体温熱感

• シミュレーションの新しい機能自然換気、外部日よけ、窓( AFW等)、外部空間とのリンク、CFDとのリンク、空調システム、熱橋、放射の波長特性等、最適化

• ライブラリ、データの整備

3/5 運用開始後の利用

• BEMSとシミュレーションの関係

• ポスト・デザインツールとして用いる

改良、性能検証など

• パッシブ手法・自然エネルギー利用

熱負荷計算法の整備

4/5 性能検証Cxにおける熱負荷シミュレーション

• 実際の建物のエネルギー消費量は設計と実態で異なる→運用時のシミュレーションが必要

• 熱源システムの設計理論と運転実態の大きな乖離←リコミッショニング結果に基づいて

機器の行きと還りの温度差などを考慮したシミュレーション負荷・還り温度・稼働台数の関係の検討

• モデル化している内にモデルが複雑・巨大化しているシステム同定が難しい各方位のSATが微妙に異なる場合蓄熱特性の現場測定、部位のサンプリングテストなど

5/5 シミュレーションプログラムの開発

• 誰が作る?

• インターフェース?

• CADとの関係?

• デファクトスタンダードは必要か?

• 精度は?• オブジェクト指向?

• メンテは誰が?

• メーリングリストML?

サポートする人材の確保

今後の開発の留意点

• 現状と今後の傾向

– 計算の高度化

– シミュレーションの統合

– 開発者とユーザーのつながり

• ユーザーの参加

• ユーザーインターフェースの設計

• シミュレーションに用いるソフトウェア構造の検討

ユーザーの参加

– 作り手とユーザーが情報交換できる広いコミュニティが必要

– ヒトの知識・ノウハウをどのように組み込むか

– そのようなサービス形態にするのか

作り手とユーザーのコミュニティ

• どんな枠組みが必要– 協働するグループの存在– メーリング・リストMLなど

• IBPSAのML BLDG-SIM– IBPSAのニュースを始めとして、Building

Simulationについて、気象データや様々な資源のニュースや案内を配信

– GARD Analytics, Inc.社の厚意

– 【登録】何も書かずに下記にメールを送って下さい。

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知識・ノウハウの組込み

• 既存ツールの例– KB (Knowledge Base)– ES (Expert System)など

– EES (Engineering Equation Solver)• M. Klein氏が開発

人工知能の光と影

単純かつ最低限の利用

サービスの形態

• スタンド・アローンのパッケージ

• インターネット上での提供– ASP (Application Service Provider)等

計算負荷が小さければ個別、大きければサーバー?

メンテナンスをどのように行うのか

必要となるメンテナンスのレベル

ex.操作法から新しい課題への対応まで

ユーザーインターフェースの設計

• GUIをどのような枠組みで作るか。Ex.インターネット上

• CADや他のデータベースとの関係

• どこまでチェック機能を持たせるかEx.変数値の許容範囲、単位の整合など

複数のコンピュータ言語の混在ex.日本語以外にも対応する?

複数の分野のソフトウェアの統合

シミュレーションに用いるソフトウェアの構造

• プログラムの構造

– 機能の分類・整理

– モジュール化

– 各スケールをつなげる枠組み

• データの構造と表記– DXF、IFC、XML– 熱計算や換気計算に共通なデータ構造

• データ固有のフォーマット– 日本のデータ(地域性) ex.拡張AMeDAS

GUI (Graphical User Interface)

大まかな構造?

CADデータ

建材DB

後処理システム

計算エンジン(熱)

気象データ

スケジュール

全体の管理

データのチェック、単位の整合、変数の範囲のチェックなど

外部のプログラムとのやり取り

既存ツールとの関連

節点系、CFD建物モデル

建物モデルの中間ファイル?

・・・・・・・

計算エンジン(換気)計算エンジン

(その他)

モジュール化 1/2

• モジュール、オブジェクト、モジュラー形式

– モジュール(あるいはオブジェクト)とは、

入力と出力が定義されたある計算機能を持つ集まり

使う側が計算の中身を気にしなければブラックボックス

モジュール化 2/2

• プロジェクトを小さいモジュールの集まりとそれらの関係の記述に置き換える。

• 既存・新規のモジュールの組合せを変えて様々なプロジェクトを構成・計算する。

• ソフトウェアが多様性を持って共存できる。• 使い手が目的に応じて必要な仕様を開発者に示し、

開発を促すことができるようになる。

各スケールをつなげる枠組み

• すべてのスケールを扱えるソフトウェアを開発するのではなく、 スケールの異なる各モデル間のデータの橋渡しを行う

• GIS (Geographic Information System)地理情報システム

データの構造と表記

• DXF、IFC、XML• 熱計算や換気計算に共通なデータ構造

規格化は必要だが、過度の規格化や抽象化は自由度を小さくする

建物モデルの中間ファイル

建物モデルの中間ファイル?

計算ツールD

計算ツールC

計算ツールA

計算ツールB 計算ツール・・・

計算ツール・・・

ツールをどうやって開発する?資源: ヒト、もの、経費、時間

• ヒト:複数の領域からの人たちが必要– 建築環境工学 理論、実験、シミュレーション– 計算工学 アルゴリズム– ソフトウェア CAD、データベース、推論エンジン、

インターフェース、可視化ツール、GIS(地理情報システム)など

• もの:既存のツール、個別のプログラム• 経費:公募• 時間:何年?

作業の手順

• 目標の設定

• 仕様の記述

• 既存ツールの収集と関係の整理

• 全体構成の記述

・・・・・・・

おわりに

• 海外のシミュレーションの現状

• 各国の取組み

• シミュレーションの情報交換

• シミュレーション・ツールの動向

• 日本の計算ツールは今後どうなるのか?