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循環器 0 循環器系 東京有明医療大学 保健医療学部柔道整復学科 木村明彦 目次 血管総論 1 心臓 2 血液の循環 6 動脈 7 静脈 17 胎児循環 23 リンパ系 25 胸腺 26 脾臓 27 血液細胞 28 骨髄 29 動脈の筋支配 30 筋に分布する動脈 32 動脈の流れ 36

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Page 1: 循環器 0 循環器系 目次 - さくらのレンタルサーバ...循環器 1 循環器 循環器系は、血管系とリンパ管系からなり、体液(血液とリンパ液)を循環し、酸素およ

循環器 0

循環器系

東京有明医療大学

保健医療学部柔道整復学科

木村明彦

目次

血管総論 1

心臓 2

血液の循環 6

動脈 7

静脈 17

胎児循環 23

リンパ系 25

胸腺 26

脾臓 27

血液細胞 28

骨髄 29

動脈の筋支配 30

筋に分布する動脈 32

動脈の流れ 36

AK
長方形
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循環器 1

循環器 循環器系は、血管系とリンパ管系からなり、体液(血液とリンパ液)を循環し、酸素およ

び栄養を補給し、炭酸ガスおよび老廃物を取り除き、また免疫機構に関与する。

血管 血管は、動脈、静脈、毛細血管から構成される。動脈と静脈は毛細血管で連結さ

れ、原則として非開放形になっている。

A.血管壁

動脈と静脈の血管壁は、外膜、中膜、内膜の3層構造からなっている。内膜は毛細

血管に移行している。

1.動脈の中膜

中膜の組成(弾性線維、平滑筋)により、弾性型動脈(太い、大動脈など)と

筋性動脈(細い、橈骨動脈など)にわかれる。弾性型動脈は強い血圧に対し弾

力的に受け止めることができる。一方、筋性動脈は平滑筋の働きで内径を変化

させ血行の調節を行う(脈動として感じられる)。

2.静脈の中膜

静脈は動脈に比べ、中膜の発達が悪い(皮静脈を除く)。

B.動脈

心臓から出て行く血管系を動脈という。動脈は末梢に向かい、枝分かれを行

いだんだんと細くなっていく。細動脈は交感神経の刺激に応じ管腔が収縮し、

血流量の低下などが起きる。

C.静脈

心臓に戻ってくる血管系を静脈という。静脈は中枢に向かい

根が合流しだんだん太くなってくる。多くの静脈は動脈に伴行し

ている。静脈は陰圧で心臓に送り込まれるため、逆流を防ぐた

め静脈弁(四肢に多い)が存在することもある。

D.毛細血管

細動脈と細静脈結ぶ管を毛細血管といい、薄い内皮細胞からなる。毛細血管は約

5~10μm で赤血球がやっと通れるほどの管径である。毛細血管のなかで血管腔が

広いものを洞様毛細血管(類洞)といい、肝臓や脾臓に見られる。

E.吻合血管

毛細血管を通らない血行を吻合という。通常、動脈は互いに吻合し、血栓などで閉

塞を生じた時、他の経路を通り閉塞部の先に分布することができる。これを側副循環

路という。脳、心臓、脾臓、腎臓など

に分布する動脈は吻合をもたないか

または極めて細く、閉塞するとその先

の血行障害を起こす。この様な動脈

を(機能的)終動脈という。

動脈が毛細血管を介さず静脈に

つながるのを動静脈吻合という。

F.動脈血と静脈血

酸素を豊富に含む血液を動脈血、

炭酸ガスを多く含む血液を静脈血と

いう。出生後の循環では大循環系で

は動脈に動脈血が、静脈に静脈血

が流れるが、肺循環系では逆に肺動

脈には静脈血が、肺静脈には動脈血が流れる。

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循環器 2

心臓 A.心臓の位置と外景

心臓は胸骨と肋軟骨の後ろで左右の肺に挟まれ、縦郭に存在するがやや左に偏

在し、2/3は正中線より左にあり、外面は心膜に包まれる。重さは約200~300g、握

りこぶしの1.5~2倍大の筋性の中腔性器官で、丸みを帯びた円錐形をしている。心

軸(心臓の長軸)は、右上後方から左下前方へ向いている。

①心底:心臓の上端部は広がっていて心底といい大血管が出入りする。大血管出

入部は第2肋骨の高さに相当する。

②心尖:下端部は尖っていて心尖といい左心室先端にあたる。この部位は拍動触

知部位で(拍動の中で最も強い拍動をする)、体表では左第5肋間隙・左乳

頭線(鎖骨中線)から1~2横指内側に位置する。

B.心臓壁

心外膜、心筋層、心内膜の3層からなり、特に心筋層は厚い。

①心外膜:心臓表面の漿膜で、漿膜性心膜の臓側板(臓側心膜)にあたる。大血

管起始部で折れかえった壁側板(壁側心膜)との間の腔所を心膜腔という。

壁側板の外側は線維性心膜がおおう。漿膜性心膜の壁側板と線維性心膜

を合わせて心嚢という。

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②心筋層:心臓の主体をなす心筋組織でできている。心房の筋層と心室の筋層は

線維輪(結合組織)によって明確に隔てられる。両筋層間の連絡は特殊心

筋が行う。心筋は心臓内腔面では櫛状の独特な形態を示している。特に心

室では顕著であ

り、その一部は

乳頭筋となる。

一方、心房では

平坦な構造を呈

している。これは

心 房 が 静 脈 の

心 臓 化 に 起 因

するものであり、

本 来 の 心 房 は

左右の心耳であ

る。

③心内膜:単層扁平上皮(内皮細胞)とそれを裏打ちする結合組織よりなり、血管の

内膜に相当する。心臓の弁膜は心内膜のヒダである。

C.心臓の4つの部屋

心臓は右左2つのポンプに分かれ、各々心房と心室からなっている。心臓外面で

は心房と心室は冠状溝(冠状静脈洞が通る)によって、左・右心室は前・後室間溝(冠

状動脈が通る)によって区分されている。内部的には心房と心室はそれぞれ心房中

隔・心室中隔により左右に分けられる。4つの部屋の外形的大きさは異なるが拍出量

(約70mℓ)はほぼ一緒である。

1.心房

①右心房:右上部を占め、上大静脈、下大静脈、冠状静脈洞が流入する。

②左心房:左上部を占め、左右2本ずつの肺静脈が流入する。

心房の壁の一部は心耳として大動脈と肺動脈の基部に伸び出ている。内面

は平滑であるが、心耳の部位のみ櫛状の筋束が見られる。

心房中隔の右心房側には卵円窩というくぼみがある。これは胎生期の卵円

孔(右心房から左心房への通路)が出生後ふさがった遺残物である。

2.心室

①右心室:心臓の

前面下部に位置し肺

動脈がでる。

②左心室:心臓の

後下部に位置し上行

大動脈がでる。

心室壁(約 4~12

㎜)は心房壁(約 2 ㎜)

に比し極めて厚い。ま

た、左心室壁(約 12

㎜)は右心室壁(約 4

㎜)の3~4倍の厚さ

がある。左心室が全

身に血液を高い圧力

で送り出すためであ

る。

心室中隔は大部分が肉厚(筋性部)であるが、上端に膜性部という心筋線維

を欠く部位がある。心室中隔欠損はこの部位で起こることが多い。

D.心臓の4つの弁

血流の逆流を防ぐため、心房と心室の間(房室弁)と心室の出口(動脈弁)に弁が

存在する。

上・下大静脈→ 右心房→ 右房室弁→ 右心室→ 肺動脈弁→ 肺動脈【幹】

肺静脈→ 左心房→ 左房室弁→ 左心室→ 大動脈弁→ 上行大動脈

1.房室弁

心房と心室の間は房室口とよばれ、房室口には房室弁(尖弁)がある。房室

弁は三角形の弁で、その底辺を房室口に付け、頂点に腱索が付く。腱索は心

室内壁の乳頭筋から出ている。心室の拡張期には房室弁は開き、心房の収縮

により心房内の血液が心室に流入する。

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右房室弁(三尖

弁)は3つの尖弁か

ら な り 、 左 房 室 弁

(二尖弁、僧帽弁)

は2つの尖弁からな

る。

2.動脈弁

右心室と肺動脈

〔幹〕の間(肺動脈口)

には肺動脈弁が、

左心室と上行大動

脈の間(大動脈口)

には大動脈弁があ

る。肺動脈弁、大動

脈弁はいずれも3つ

の半月弁(ポケット

状の弁)よりなる。

E.心臓の栄養血管

心臓壁を栄養する血管は左右の冠状動脈であり、心臓内を通る血流は心臓自身

の栄養にはあまり関与していない。冠状動脈は上行大動脈基部(大動脈球部)から起

こる。

①右冠状動脈:大動脈基部前面から起こり右心耳の下で冠状溝に入り心臓を右か

ら回って後面に達し、後室間枝となる。右心房(前壁は左冠状動脈)、右心

室、心室中隔の後ろ1/3を栄養する。

②左冠状動脈:大動脈基部左側から起こり肺動脈と左心耳の間を前方に走り冠状

溝に達し、前室間枝と回旋枝に分かれる。前室間枝は前室間溝を下行し、

回旋枝は冠状溝を通り心臓を左から回って後面に向かう。左心房、左心室、

心室中隔の前2/3、右心房前壁を栄養する。

心臓の主な静脈は、心臓の後面の冠状溝にある冠状静脈洞に流入し右心房に入

る。

冠状静脈洞

大心静脈などの心臓の大きな静脈は、心臓の後面の冠状溝にある冠状静脈洞に

注ぐ。小さい静脈は直接右心房に開口している。

冠状静脈洞に入る根にはつぎの静脈がある。

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循環器 5

1.大心[臓]静脈: 最大の心臓の静脈で、心尖に始まり、前室間溝を上行し、冠

状溝を左にまわって冠状静脈洞に入る。

2.左心室後静脈: 左心室の後面を上行し、冠状静脈洞に注ぐ。

3.左心房斜静脈: 左心房の後面を斜走して、冠状静脈洞に入る。

4.中心[臓]静脈: 心尖に始まり、後室間溝を上行し、冠状静脈洞に注ぐ。

5.小心[臓]静脈: 右心室の後面を上行し、冠状溝を左にまわって冠状静脈洞

に注ぐ。

直接右心房に注ぐ静脈には、つぎのものがある。

1.前心[臓]静脈: 右心房前面を上って直接右心房に入る。

2.細小心[臓]静脈: 心房壁、心房中隔より出て、右心室前面を上行し、直接右

心房に注ぐ。

F.刺激伝導系

刺激を心筋全体に伝える一連の特殊心筋線維群を刺激伝導系という。

①洞房結節(キース・フラック結節):右心房の上大静脈の開口部付近にあり、ここ

で周期的に興奮が発生し(歩調とり、ペースメーカー)、ここから始まる刺激は

左右の心房に伝わり、心房が収縮する。

②房室結節(田原結節):右心房の冠状静脈洞の開口部付近にあり、房室束に伝

える。

③房室束(ヒス束):心室中隔筋性部の上端で左脚と右脚に分かれ、プルキンエ線

維となる。

④プルキンエ線維:それぞれ左心室、右心室の心筋層、乳頭筋に分布し、心室の

収縮を起こす。

特殊心筋が明るく見えるのは筋形質が豊富で、またグリコ-ゲンが多いためである。

特殊心筋は病気に対してもめったに変化しない。(MT染色)

G.心臓の神経

心臓機能は自律神経により調節される。交感神経は心臓機能に対し促進的(心拍

数の増加・収縮力の増強など)に、副交感神経(迷走神経)は抑制的(心拍数の減少・

収縮力の低下など)に作用する。これらの神経は上行大動脈や大動脈弓周囲で心臓

神経叢を形成する。

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血液の循環系 血液の循環は、肺で酸素をえて炭酸ガスを排出するための肺循環(小循環)と、

体の組織に血液中の栄養、酸素を与え、老廃物、炭酸ガスを血液中にうけとり心

臓へもどすための体循環(大循環)に分かれる。

肺循環(小循環) 右心室→肺動脈(静脈血)→肺→肺静脈(動脈血)→左心房

肺動脈、肺静脈は肺の機能血管である。肺の栄養血管は気管支動脈である。

1.肺動脈

右心室から出た肺動脈幹は、大動脈弓の下部で左右の肺動脈となり肺門に入

る。左右肺動脈は各々肺の肺門で枝分かれをして各肺葉に入り、気管支および

細気管支に沿って分岐を繰り返し肺胞に至る。肺胞でガス交換された動脈血は

肺小葉間にある静脈に注ぐ。

2.肺静脈

肺区域内の血液を集め気管支や肺動脈と離れ、単独に肺門に至り、右上・右

下・左上・左下肺静脈の4本となり左心房に戻る。

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体循環(大循環)

体循環(大循環)は、大動脈→動脈→身体各部の毛細血管網→上・下の大静脈という

経路よりなる。腸から吸収した栄養分と肺から取り込んだ酸素はこの系統によって全身

に供給され、また体内で発生した老廃物と二酸化炭素はこの系統により集められ排出さ

れる

1.主幹動脈の走向 心臓を出た大動脈は順に、上行大動脈→大動脈弓→下行大動脈との3部に

区分される。下行大動脈は胸大動脈と腹大動脈に分けられる。腹大動脈は第4腰

椎位で左右の総腸骨動脈に分岐する。

a.上行大動脈

左心室の動脈口から起こり、始めは肺動脈幹の後方に位置し上行し、後

方に曲がり大動脈弓になる。上行大動脈は動脈弁のすぐ上方で膨大し(大

動脈球)、左右の冠状動脈(心臓に分布)が分岐する。

b.大動脈弓

上行大動脈の上端に始まり、上方に凸の弓状を呈しつつ左後方に走って、

第4胸椎の左側で下行大動脈に移行する。

大動脈弓は右から順に、腕頭動脈、左総頚動脈、左鎖骨下動脈を分枝

する。腕頭動脈はすぐに2分し、右総頚動脈と右鎖骨下動脈となる。

①総頚動脈:甲状軟骨上縁の高さで内頚動脈(主に脳に分布)と外頚動

脈(主に頭蓋の外面に分布)に分岐する。分岐部に頚動脈小体があ

る。

②鎖骨下動脈:本幹は主に上肢に血流を送る動脈である。鎖骨下動脈か

らは、椎骨動脈、内胸動脈、肋頚動脈、甲状頚動脈などの枝がでて、

脳、頚部および胸壁に分布する。

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c.下行大動脈

横隔膜を貰くまでを胸大動脈といい、その後を腹大動脈という。

d.胸大動脈

第4胸椎の高さで大動脈弓から続き、第12胸椎の高さで横隔膜の大動脈

裂孔を通って腹腔に入り腹大動脈となる。

e.腹大動脈

腹大動脈は腹腔で脊柱の前面を下大静脈とともに下行する。上方は横隔

膜の大動脈裂孔より始まり、下方は第4腰椎の高さで左右の総腸骨動脈に

分かれるまでをいう。

f.総腸骨動脈

総腸骨動脈は骨盤に分布する内腸骨動脈と下肢に分布する外腸骨動脈

に分かれる。

2.頭頚部の動脈系 主に外頚動脈(総頚動脈の枝)が頭頚部や顔面に分布する。

a.外頚動脈

主として顔面、前頚部、頭蓋壁を養う動脈で、浅側頭動脈と顎動脈の2終

枝に分かれる。その前に上甲状腺動脈、舌動脈、顔面動脈、上行咽頭動脈、

後頭動脈、後耳介動脈などの枝を出す。

a.上甲状腺動脈: 外頚動脈起始部前面から出て、咽頭と気管の側壁に

そい前下方に走り、甲状腺に分布する。

b.舌動脈: 上甲状腺動脈よりやや上方で外頚動脈から出て上内方に向

かい、舌に入り舌筋に枝を与える。

c.顔面動脈: 舌動脈のやや上で、舌骨上筋である茎突舌骨筋と顎二腹

筋後腹の内側を通って顎下腺に達し、これを貫いて咬筋付着部から前

にまわり顔面に出て、下唇動脈、上唇動脈などの枝を出しながら鼻背に

向かい、眼角動脈となる。

d.上行咽頭動脈: 外頚動脈の初部内側から出て、咽頭の側壁に枝を与

えつつ上行して頭蓋底に達し、咽頭壁に分布する。

e.胸鎖乳突筋枝: 同名筋に分布する。

f.後頭動脈: 顎二腹筋後腹の下を通って後上方に走り、乳様突起の同

名溝をへて僧帽筋の付着部後端を貫き、皮下に出て後頭部と頭頂部に

分布する。

g.後耳介動脈: 耳介内側面に分布する。

h.浅側頭動脈: 外頚動脈の終枝の1つで、その起始部は耳下腺におお

われて耳介前方を上行し、まもなく皮下に出てさらに上行し、前頭枝、頭

頂枝に分岐する。

i.顎動脈: これも外頚動脈の終枝の1つで、下顎枝の内面を前進し、側

頭筋と外側翼突筋との問を通って翼口蓋窩にいたる。ここから下歯槽動

脈、後上歯槽動脈、前後の深側頭動脈、眼窩下動脈、中硬膜動脈(棘

孔より頭蓋内に)などの枝を出す。

3.脳に分布する動脈系 内頚動脈(総頚動脈の枝)と椎骨動脈(鎖骨下動脈の枝)が脳に分布する。両

動脈の枝は脳底で吻合する。

a.内頚動脈

頭蓋底の頚動脈管を経て頭蓋腔に入り、まず眼動脈を分枝し、その後、

さらに脳底で前大脳動脈と中大脳動脈に分かれる。

a.眼動脈: 視神経管を通って眼窟にはいる。これより滑車上動脈、鼻背

動脈の2終枝が出る。眼底検査の際、眼動脈の枝を観察することにより

脳内動脈の状況を推察できる。

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b.大脳動脈

ⅰ.前大脳動脈: 大脳縦裂

の前下端かちまがり、脳梁

の背面を後に向かい、大

脳半球内側面に分布する。

左右のこの動脈は、前交通

動脈により交通する。

ⅱ.後交通動脈: 脳底動脈

の分岐による後大脳動脈と

交通する。

ⅲ.中大脳動脈: 大脳半球

外側面の大部分に分布す

る。また大脳核や内包にも

枝を与える。

ⅳ.後大脳動脈: 椎骨動脈

の吻合によって生じた脳底

動脈が分岐して、左右の後

大脳動脈をつくる。大脳半

球後部に分布する。

c.大脳動脈輪(ウイリスの動脈

輪): 左右の内頚動脈の枝

と脳底動脈の枝は、後交通動脈と交通して、トルコ鞍の周囲に輪状また

は六角形の動脈輪をつくる。

b.椎骨動脈

頚椎横突孔を通り大〔後頭〕孔から入った左右の椎骨動脈は、前脊髄動

脈、後脊髄動脈、後下小脳動脈などを分枝し、橋の下端で合して1本の脳

底動脈となる。

脳底動脈:前下小脳動脈、迷路動脈、橋枝、上小脳動脈を分枝し、橋の前

端で左右の後大脳動脈に分かれる。

c.脳底部の動脈

内頚動脈は前大脳動脈と中大脳動脈にわかれる。左右の前大脳動脈は

前交通動脈により吻合する。中大脳動脈と後大脳動脈は後交通動脈により

吻合する。このように、左右の前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈、後交

通動脈および前交通動脈が脳底でトルコ鞍をとり囲むように存在する環状

(多くは7角形)の動脈の吻合を大脳動脈輪(ウィリスの動脈輪)という。

①前大脳動脈:大脳縦裂の前下端から曲がり、脳梁の背面を後に向かい、

大脳半球内側面前部に分布する。

②中大脳動脈:大脳半球外側面の大部分に分布する。また大脳核や内包

にも枝を与える。

③後大脳動脈:脳底動脈の終枝で大脳脚を越え後外方に走り、大脳半球

内側面後部に分布する。

4.上肢の動脈系

鎖骨下動脈→腋窩動脈→上腕動脈→ ┌ 橈骨動脈↘深掌動脈弓 ┐

→指の動脈 └ 尺骨動脈↗浅掌動脈弓 ┘

A.鎖骨下動脈

右側の鎖骨下動脈は腕頭動脈から、左側のものは大動脈弓から直接出て、

肺尖の前を外方に走り、前斜角筋と後斜角筋の問を通り、鎖骨の下を通り、腋

窩に入り腋窩動脈となる。おもに上肢に血流を送る動脈で、その枝は主として、

脳、頚部および胸壁に分布する。ここからつぎの枝が出る。

1.椎骨動脈: 鎖骨下動脈基部より出て、第6頚椎以上の横突孔を貫いて上

行し、大後頭孔から頭蓋腔に入り、左右のものが合して脳底動脈となり、その

枝は、延髄、橋、小脳、大脳後部に分布する。

2.内胸動脈: 前斜角筋の内側で分かれ、胸鎖関節の後方をへて、前胸壁の

後面で胸骨外側縁の外方約1cm の所を下り、その経過中に心膜、横隔膜に

枝を与え、第6または第7肋軟骨の高さで、筋横隔動脈と、上腹壁動脈の2終

枝に分かれる。

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循環器 10

3.肋頚動脈:深頚動脈と最上肋間動脈に分かれる。最上肋間動脈から第1肋

間動脈と第2肋間動脈が出る。 4.甲状頚動脈: 前斜角筋の内側で始まり、下甲状腺動脈、上行頚動脈、肩

甲上動脈などに分かれる。

B.腋窩動脈

鎖骨下動脈のつづきで、腕神経叢とともに走り、大胸筋の停止部の腱の下で

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循環器 11

上腕動脈に移行する。これからつぎの枝を出す。

1.最上胸動脈: 大・小胸筋、前鋸筋に分布する。

2.胸肩峰動脈: 胸筋枝、肩峰枝などに分かれ、大胸筋、肩峰、三角筋などに

分布する。

3.外側胸動脈: 前鋸筋の上を下行し、この筋に分布する。

4.肩甲下動脈: 後方に向かい、つぎの2枝に分かれる。

a.胸背動脈: 肩甲骨外側縁を下り、広背筋、前鋸筋に分布する。

b.肩甲回旋動脈: 肩甲骨外側縁を下り棘下筋に分布する。肩甲上動脈と

吻合して、棘上筋、大円筋、小円筋、肩甲下筋、三角筋、広背筋を養う。

5.前上腕回旋動脈: 上腕骨外科頚の前面をまわって外方に走り、後上腕回

旋動脈と吻合して肩関節付近の筋に分布する。

6.後上腕回旋動脈: 上腕骨外科頚の後面を通り、外方に走り前上腕回旋動

脈と吻合する。

C.上腕動脈

腋窩動脈のつぎで、上腕の内側を上腕二頭筋の内側縁にそって下り、肘窩

で橈骨動脈と尺骨動脈に分かれる。経過中つぎの3本の枝を出す。

1.上腕深動脈: 上腕二頭筋長頭、三角筋、上腕骨、上腕三頭筋内側頭、外

側頭などを養う。

2.上尺側側副動脈: 肘関節付近に分布する。

3.下尺側側副動脈: 肘関節付近に分布する。

D.橈骨動脈

肘関節の届側で、上腕動脈から出て前腕の前面橈側側を下行して、手根に

達し手背におもむき、第1・第2中手骨底の問を通り、手掌の深部で母指主動

脈と深掌動脈弓に分かれる。橈骨動脈からつぎの枝が出る。

1.橈側反回動脈: 肘関節の下に出て弓状に上方にまがり、肘関節付近に分

布する。

2.浅掌枝: 母指球の表面を通り、母指球筋に分布し、尺骨動脈の浅掌枝と

吻合して浅掌動脈弓をつくり、ここから総掌側指動脈を出し指を養う。

3.母指主動脈: 母指の橈側、尺側縁および第2指の橈側縁に分布する。

4.深掌動脈弓: 中手骨底の掌側に深く位し、弓状をなし、尺側に向かって尺

骨動脈の深掌枝と交通する。この動脈弓より出た枝は総掌側指動脈に入り、

指を養う。

E.尺骨動脈

肘窩で上腕動脈から分かれ、下内方に走り手根に達して手掌に出て、その終

枝は橈骨動脈と吻合して浅掌動脈弓となる。尺骨動脈からつぎの枝が出る。

1.尺側反回動脈: 尺骨動脈の起始部から出て、前後の2枝に分かれる。

2.総骨間動脈: 尺骨動脈から出て、前後の骨間動脈に分れる。

3.深掌枝: 橈骨動脈の深掌動脈弓に合流する。

4.浅掌動脈弓 : ここからは1本の小指尺側動脈、3本の総掌側指動脈を出し

指を養う。

5.手背の動脈: 尺骨動脈と橈骨動脈の背側手根枝と総骨間動脈の枝の前

骨間動脈の吻合によって手背動脈網が形成され、これより背側中手動脈が

出る。この動脈のうち、第1~第4のものは指根部で2本に分かれ、背側指動

脈となり各指の対向側を走り末節に達する。

5.胸腹部の動脈(下行大動脈)

第4胸椎の高さで大動脈からつづき、第12胸椎の高さで横隔膜の大動脈裂孔

を通って腹腔に入り、第4腰椎の高さで総腸骨動脈につづく、横隔膜を貫く前を

胸大動脈といい、その後を腹大動脈と称する。

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循環器 12

A.胸大動脈 この動脈は、始めは脊柱の左側を通り、終わりは前側に位する。ここからつぎ

の枝を出す。

〔臓側枝〕

胸部内臓に分布する。

1.気管支動脈: 気管支にそって肺門に向かい、気管支および肺の実質を

養う2~3本の血管である。

2.食道動脈: 2~7本の枝で食道に分布する。

〔壁側枝〕

1.縦隔枝: 多数の枝で、胸膜、心膜、横隔膜などに分布する。

2.肋間動脈: 第1・第2肋間隙に入るものは鎖骨下動脈から出る最上助間

動脈であるが、第3~第11肋間動脈は胸大動脈から出る。第12番目のも

のは肋下動脈と称し、これを除いてはいずれも肋間隙を走り、肋間筋、横

隔膜などに枝を出す。また背部の筋や皮膚に背側枝を出す。

3.上横隔動脈: 横隔膜に分布する。

B.腹大動脈 腹腔で脊柱の前面を下大静脈とともに下行する。上方は横隔膜の大動脈裂

孔より始まり、下方は第4腰椎の高さで左右の総腸骨動脈に分かれるまでをいう。

この分岐点から細い正中仙骨動脈が下行する。腹大動脈からはつぎの枝が出

る。

〔壁側枝〕

1.下横隔動脈: 腹大動脈上端近くより出て横隔膜の下面に分布する。

2.腰動脈: 肋間動脈に相当するもので、左右4対あり、腰筋、前腹筋に分

布する。脊柱管中に脊髄液を送る。

3.正中仙骨動脈: 腹大動脈の左右の総腸骨動脈への分岐部より起こり、

仙骨前面の正中線を下り尾骨にいたる。

〔臓側枝(1対性)〕

1.中副腎動脈: 上腸間膜動脈起始部から出る1対の動脈で、外側に向か

って水平に走り、副腎に分布する。

2.腎動脈: 上腸間膜動脈の下方、第2腰椎の高さて腹大動脈から出る1対

の動脈で、外側に水平に走り、下副腎動脈を副腎に送った後に腎門より腎

臓に入る。

3.精巣動脈/卵巣動脈: 腎動脈の下で腹大動脈から1対分枝し、尿管の

前を横切り下外方に走り、大腰筋の前を外下方に向かう。男では鼡径管を

通り、精索に加わり精巣に達する。女では小骨盤に入って卵巣、卵管に枝

を与える。

〔臓側枝(無対性〕

1.腹腔動脈: 第12胸椎または第1腰椎の高さで分枝し、1~2cm さきで、た

だちにつぎの3枝に分かれる。

a.左胃動脈: 胃の小弯にそって左から右へ走り、右胃動脈と交通し、胃

の小弯、噴門に分布する。

b.総肝動脈: 膵臓の上縁にそって右方に走り、右胃動脈、胃十二指腸

動脈を出したのちに、固有肝動脈となる。

ⅰ.右胃動脈: 胃の小弯にそって左に走り、左胃動脈と交通して胃の小

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循環器 13

弯、幽門部に分布する。

ⅱ.胃十二指腸動脈: 幽門、十二指腸上部の後ろを下行し、右胃大綱

動脈、上膵十二指腸動脈に分かれる。前者は大弯付近と大網に分布

し、後者は十二指腸、膵頭に分布する。

ⅲ.固有肝動脈: 小網の肝十二指腸問膜中を走り、肝門にいたり、肝

臓に分布する。胆嚢に胆嚢動脈を分枝する。

c.脾動脈 : 胃の後側から膵臓の上縁を左方に走り、脾臓に達し脾門より

ここに入る。

2.上腸問膜動脈: 腹控動脈のやや下で、腹大動脈から分かれて十二指腸

下部の前を下行して小腸間膜に入り、その枝は膵臓、十二指腸、空腸、

回腸、盲腸、結腸上半部に分布する。この動脈からつぎの枝が出る。

a.下膵十二指腸動脈: 十二指腸内側を上行する2本の動脈で、膵頭お

よび十二指腸下部に分布する。

b.小腸動脈: 15~20枝の空腸動脈、回腸動脈からなる。それぞれ空腸、

回腸に分布する。

c.中結陽動脈: 横行結腸に分布する動脈、その上行枝は左結腸動脈と

吻合する。

d.右結腸動脈: 上行結腸に分布する動脈で、その上行枝は中結腸動脈

と、下行枝は回腸動脈と吻合する。

e.回結腸動脈: 回盲部、上行結腸初部に分布する。虫垂に向かう虫垂

動脈を出す。

3.下腸間膜動脈: 第3腰椎の高さで腹大動脈から出て、左下方に向かい

結腸間膜に入り、つぎの枝を出す。

a.左結腸動脈: 上行結腸に分布する。その上行枝は、中結腸動脈と結

合する。

b.S状結腸動脈: S状結腸に分布する。

c.上直腸動脈: 直腸上部に分布する。

6.総腸骨動脈 腹大動脈が第4腰椎の下端で左右の総腸骨動脈に2分する。これは大腰筋の

内側にそい外下方に走り、仙腸関節の前で内腸骨動脈に分かれる。

骨盤部の動脈系

A.内腸骨動脈

総腸骨動脈から分かれ小骨盤に入り前枝・後枝の2枝に分かれ、さらに前枝

からは閉鎖動脈、臍動脈、下膀胱動脈、精管動脈/子宮動脈、中直腸動脈、

内陰部動脈、後枝からは腸骨動脈、外側仙骨動脈、上殿動脈が出る。

〔後枝〕

1.腸腰動脈: 大腰筋の後側を通って腸骨窩に入り、腸腰筋に分布する。

2.外側仙骨動脈: 仙骨前面を下り、これから出る枚が仙骨に分布する。

3.上殿動脈: 最大の枝で大坐骨孔を通り、殿部の大殿筋、中穀筋、小殿筋

に枝を出す。

〔前枝〕

1.臍動脈: 胎生期には大血管を呈したが、生後は大部分退化し臍動脈索と

なり、始めの一部が上膀胱動脈として膀胱に分布する。

2.閉鎖動脈: 骨盤側壁にそって前走し、閉鎖管を通って骨盤前壁の外面に

出て前後の枝に分かれる。前枝は内転筋上部に分布し、後枝は殿部外側の

深部の筋と寛骨臼に分布する。

3.精管動脈/子宮動脈:

精管動脈は精管にそい、鼡径管を通って精巣に達し、精嚢から精索までの

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循環器 14

問に分布する。

子宮動脈は子宮広間膜内を走り、子宮頚に達し、子宮壁に分布する。

4.下膀胱動脈: 膀胱底および生殖器に分布する。すなわち男では精嚢、前

立腺、女では腟上部に枝を与える。

5.中直腸動脈: 直腸中部、肛門挙筋、精嚢、前立腺、腟に分布する。

6.内陰部動脈: 大坐骨孔から骨盤外に出て、ふたたび小坐骨孔から骨盤内

に入り前走し、会陰動脈および陰茎動脈/陰核動脈に分かれる。

a.下直腸動脈: 直腸下部および肛門付近に分布する。後陰嚢枝/後陰唇

技を出す。

b.会陰動脈: 会陰筋に枝を与え、男では陰嚢に、女では大陰唇に分布す

る。

c.陰茎動脈/陰唇動脈: 恥骨結合の下を通り、陰茎深動脈/陰核深動脈

と陰茎背動脈/陰核背動脈に分かれる。

7.下殿動脈: 大坐骨孔を通り骨盤外に出て、大殿筋下部とその付近の大腿

に分布する。

下肢の動脈系 外腸骨動脈→大腿動脈→膝窩動脈→

膝窩動脈→

┌前脛骨動脈→ 足背動脈──── ───┐

└後脛骨動脈→ ┌内側足底動脈┐

→足底動脈弓→趾の動脈 └外側足底動脈┘

A.外腸骨動脈

下肢に分布する動脈の本幹で、仙腸関節の前から鼡径靱帯の下の血管裂孔

までの部分で、その走行中に、つぎの枝を出して大腿動脈に移行する。

1.下腹壁動脈: 鼡径靱帯の高さで起こり、前腹壁の内面を上がり、腹直筋鞘

の後葉の前面に出て、この筋に分布して臍の高さで上腹壁動脈と交通する。

2.深腸骨回旋動脈: 下腹壁動脈と同じ高さで出て、鼡径靱帯後側を上前腸

骨棘に向かい、ついで腸骨稜にそって走る。

B.大腿動脈

血管裂孔を出て、大腿静脈の前外側に接して腸恥窩および内転筋管をへて

〔内転筋〕腱裂孔にいたるまでをいう。その走行は、ほぼ鼡径靱帯の中点から大

腿骨内側上顆に向って引いた線に一致する。この動脈からつぎの枝が出る。

1.浅腹壁動脈: 伏在裂孔のあたりで出て、皮下を上行し鼡径靱帯を越えて、

さらに前腹壁の皮下を上に向かい、臍の高さで上腹壁動脈の枝と吻合する。

2.浅腸骨回旋動脈: 浅腹壁動脈と同じ高さで出て、鼡径靱帯にそい上前腸

骨棘にいたる。

3.外陰部動脈: 内側に走り外陰部にいたる。これより鼡径枝を出して、男では

前陰嚢枝、女では前陰唇枝となる。

4.大腿深動脈: 大腿動脈の枝の中で最大のもので、鼡径靱帯下約5cm で分

かれて、さらにつぎの枝を出す。

a.内側大腿回旋動脈: 横枝を恥骨筋に、深枝を大腿方形筋、大内転筋、

大腿屈筋群に、寛骨臼枝を股関節に送る。

b.外側大腿回旋動脈: 上行枝を縫工筋、大腿筋膜張筋、殿筋、腸腰筋に、

下行枝を大腿四頭筋に与える。

c.貫通動脈: 大腿後側に出て屈筋に分布する。また上下の大腿骨栄養動

脈を出す。

5.下行膝動脈: 筋枝を内側広筋、縫工筋、薄筋に、関節枝を膝関節に与え

る。

C.膝窩動脈

大腿動脈につづき、膝関節の後側の正中線を下り、ヒラメ筋腱弓の下で前後

の脛骨動脈に分かれる。この動脈からつぎの枝を出す。

1.外側上膝動脈: 腹筋起始部の上で出て、大腿骨下端の外側および内側を

前方へまわる。

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循環器 15

2.内側上膝動脈: 腹筋起始部の上で出て、大腿骨下端の外側および内側を

前方へまわる。

3.中膝動脈: 膝関節中に分布する。

4.腓腹動脈: 腓腹筋の内側頭、外側頭に分布する。

5.外側下膝動脈: 腓腹筋の内側頭および、外側頭の下を走り、膝関節下部

に分布する。

6.内側下膝動脈: 腓腹筋の内側頭および、外側頭の下を走り、膝関節下部

に分布する。

D.前脛骨動脈

ヒラメ筋腱弓の下で起こり、下腿骨間膜の上端の裂孔を貫き、この膜の前面を

下行し、足根に入り足背動脈となる。前脛骨動脈からつぎの枝が出る。

1.後脛骨反回動脈: 前脛骨動脈が下腿骨問膜を貫く前に分枝し、上行して

膝関節動脈網に分布する。

2.前脛骨反周動脈: 前脛骨動脈が下腿骨問膜を貫いた直後に分枝し、上行

して膝関節網に入る。

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循環器 16

3.前外果動脈: 前脛骨動脈の下端近くで外側および内側から出て、外果お

よび内果付近に分布する。

4.前内果動脈: 前脛骨動脈の下端近くで外側および内側から出て、外果お

よび内果付近に分布する。

5.足背動脈: 足背を前進して第1・第2中足骨間に入り、深足底枝と第1背側

中足動脈の2終枝に分かれる。足背動脈からつぎの枝が出る。

a.外側足根動脈: 足の外側縁に向かって走り、骨膜、足根の関節包に分

布する。

b.内側足根動脈: 足の内側縁で骨膜、足根の関節包に分布する。

c.弓状動脈: 凸面を前方に向けた弓状の動脈で、ここから3本の背側中足

動脈と1本の外側小趾背側動脈を出す。

d.深足底枝: 足底に出て足底動脈弓と結合する。

E.後脛骨動脈

ヒラメ筋腱弓に始まり、下腿の深浅両層の屈筋の間を下り、足底に出て内側

および外側足底動脈に分かれる。この動脈からつぎの枝が出る。

1.腓骨回旋枝: 膝関節動脈網および付近の筋に分布する。

2.腓骨動脈: 後脛骨動脈の最大枝で、腓骨にそって下り、外果より踵骨にい

たる。

3.脛骨栄養動脈: 脛骨栄養孔に入る。

4.内果枝: 内果動脈網に加わる。

5.内側足底動脈: 足の内側縁に分布する。

6.外側足底動脈: 足底動脈弓をつくり、ここからさらに4本の底側中足動脈と、

1本の外側小趾底側動脈を出す。

拍動の触れる動脈

動脈の大部分は深部を走行するが、一部の動脈は浅層を走行する。これらの動

脈は拍動を触れることができる。

①浅側頭動脈:外耳孔の前上部(コメカミの部)、外耳孔と下顎頭

②顔面動脈:下顎角の前方約2㎝から下顎底の上前方約2~3㎝

③後頭動脈:外後頭隆起の約1~2横指外側

④総頚動脈:頚動脈三角(顎二腹筋後腹、肩甲舌骨筋上腹、胸鎖乳突筋で囲ま

れる部分)、小鎖骨上窩(胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間)

⑤鎖骨下動脈:鎖骨前凸部(内側 1/3 の点)より約1㎝上方

⑥腋窩動脈:上腕の腋窩側

⑦上腕動脈:内側二頭筋溝、肘窩(血圧測定)

⑧橈骨動脈:橈骨下端外側部のすぐ内側で橈側手根屈筋腱と腕橈骨筋腱の間

(脈拍測定)、第1中手骨と第2中手骨の間の近位端

⑨尺骨動脈:手関節のやや上方で尺側手根屈筋腱と浅指屈筋腱との間

⑩大腿動脈:大腿三角(スカルパ三角)(鼡径靭帯、縫工筋、長内転筋)内で鼡径

靭帯から2~3㎝下方まで

⑪膝窩動脈:膝窩

⑫後脛骨動脈:内果の後下方約2㎝

⑬足背動脈:足背の足関節部前方で長母趾伸筋腱と長趾伸筋腱との間

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循環器 17

浅側頭動脈 頚動脈 鎖骨下動脈

顔面動脈

腋窩動脈 上腕動脈 橈骨動脈・尺骨動脈

大腿動脈 膝窩動脈 後脛骨動脈 足背動脈

体循環の静脈系 大循環の静脈は、心臓の静脈、上大静脈、下大静脈に分けられる。これは別々に

右心房に注ぐ、一般に静脈は、体の深部を走る深静脈と、皮下を走る浅静脈に分か

れる。

深静脈は同名動脈にそって走り、伴行静脈と呼ばれ、1本の動脈に対して2本ある。

浅静脈は皮静脈といわれ、皮下を走り、最終的には深静脈に開口する。

上半身の血液は上大静脈に、下半身の血液は下大静脈に流入し右心房に戻る。

心臓壁への血液は冠状静脈洞(心臓を参照)に流入し右心房に戻る。

体壁の一部は奇静脈系を経て、上大静脈系に流入する。

上大静脈 上大静脈は主として頭頚部、上肢などからの血液を集める静脈の本幹である。

上大静脈は左右の腕頭静脈が右側の1肋軟骨の高さで合し、上行大動脈の右側

を下行して、右の第3肋軟骨下縁の高さで右心房に入る。

①腕頭静脈:内頚静脈と鎖骨下静脈が合したもの(合流部を静脈角という)

で、さらに左・右の腕頭静脈が合し、上大静脈となる。

②外頚静脈:広頚筋のすぐ下層にある浅在性の静脈であり、主として鎖骨下

静脈に注ぐ。

A.腕頭静脈

頭頚部および上肢の静脈血を集める静脈で、内頚静脈と鎖骨下静脈が合流して

つくる。左右の脱頭静脈は右側第1肋軟骨内側で合流する。(発生的には左上大

静脈が右上大静脈への交通枝を出し、のち左上大静脈の心房への通路がなくなっ

たことにより腕頭静脈が構成される)。腕頭静脈に注ぐ根にはつぎのものがある。

1.下甲状腺静脈: 甲状腺下縁にある静脈叢より出て数本の静脈となり、腕頭静脈

に入る。

2.椎骨静脈: 同名動脈に伴行して、第7頚椎の横突孔より出る。

3.深頚静脈: 後頚部に起こり下行する。

4.内胸静脈: 腹部の皮下の腹皮下静脈から起こり、上腹壁静脈をへて同名動脈

に伴行して、右側では奇静脈に、左側では副半奇静脈に注ぐ。

B.内頚静脈

頭蓋腔の静脈のほとんどすべてを集めるもので、横静脈洞、S状静脈洞のような

硬膜静脈洞につづいて、頭蓋底の頚静脈孔に始まり、上方は内頚動脈に伴行し、

下方では総頚動脈にそって下り、鎖骨下静脈と合流して腕頭静脈をつくる。内頚静

脈にはつぎの根が入る。

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循環器 18

1.蝸牛小管静脈: 内耳の蝸牛より集まる。

2.咽頭静脈: 咽頭の後壁の咽頭静脈叢から起こる。

3.舌静脈: 舌、顎下腺、舌下腺からの静脈をうける。

4.上甲状腺静脈: 甲状腺上部より起こる。

5.胸鎖乳突筋静脈: 同名動脈に伴行して、同名筋より始まる。

6.顔面静脈: 内眼角付近で眼角静脈、滑車上静脈、眼窩上静脈が合して顔面

静脈をつくり、顔面動脈に伴行する。

7.下顎後静脈: 顎関節の後下方で浅側頭静脈と顎静脈が合してこれをつくり、顔

面静脈となって内頚静脈に注ぐ。

C.脳の静脈 ⇒

D.鎖骨下静脈: これは上肢の静脈を集める腋窩静脈のつづきをなし、第1肋骨の

下から胸鎖関節のうしろまでをいい、ここで内頚静脈と合して腕頭静脈をつくる。

E.腋窩静脈: これは上腕静脈のつづきで、腋窩動脈と伴行し、腋窩の大胸筋の下

縁から第1肋骨の下までをいう。

1.橈側皮静脈: ⇒ 皮静脈

F.上腕静脈: これは橈骨静脈と尺骨静脈が合してできる。上肢の深静脈は、同名

動脈に伴行する2本の静脈よりなる。

1.尺側皮静脈: ⇒ 皮静脈

G.橈骨静脈および尺骨静脈 : 手掌にある深掌静脈弓および浅掌静脈弓より起こり、

橈骨動脈および尺骨動脈に伴行し、上行し、肘窩で合して上腕静脈をつくる。

H.上肢の皮静脈 ⇒ 皮静脈

奇静脈系 奇静脈系は総腸骨静脈から出る上行腰静脈に始まる。奇静脈系は上・下大静

脈を結ぶ側副経路として重要である。その走行中に肋間静脈が合流する。

1.奇静脈

胸大動脈に相当する。腹腔後壁にある右の上行腰静脈より始まり、横隔膜を

貫いて胸腔中の胸椎前面を上行し、第3胸椎の高さで上大静脈に注ぐ。

2.半奇静脈/副半奇静脈

半奇静脈は左の上行腰静脈に始まり、胸部に入ると胸椎左側を上行し、第9

胸椎のあたりで脊椎を横切って奇静脈に入る。半奇静脈の上方は副半奇静脈

で、上行し、左腕頭静脈または下行して奇静脈に注ぐ。奇静脈、半奇静脈はつ

ぎの根をうける。

a.肋間静脈: 右側のものは奇静脈に、左側のものは半奇静脈および副半奇

静脈に入る。

b.縦隔静脈: 縦隔より血流を導く。

c.上横隔静脈: 横隔膜上面より起こる。

d.心膜静脈: 心膜より起こる。

e.食道静脈: 食道から出る。

f.気管支静脈: 肺の実質からでる。右側は奇静脈に、左側は肋間静脈または

副半奇静脈に入る。

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循環器 19

下大静脈 下大静脈は下半身の血液を集める静脈の本幹であり、第4~第5腰椎の高さで

左右の総腸骨静脈が合流したものである。下大静脈は背柱の前を大動脈の右側

に沿って上行し、肝臓の後部と横隔膜の大静脈孔を貫き右心房に入る。腹部内臓

のうち、泌尿器、生殖器、副腎、直腸下部の静脈は下大静脈に入る。他の内臓か

らの静脈は門脈を経て下大静脈に入る。

A.壁側根

1.下横隔瀞脈: 同名動脈に伴行し、横隔膜下面からくる。

2.腰静脈: 同名動脈に伴行する左右5対の静脈からなり、その一部は上行腰

静脈に入る。

B.臓側根

1.肝静脈: 肝臓から出る2~5本の静脈で、下大静脈が肝臓後面の大静脈溝

を通るときに、これに入る。

2.腎静脈: 腎門より出て同名動脈の前を走り、下大静脈に入る。左側のものは

腹大動脈の前を横切る。また、これには通常左精巣静脈/左卵巣静脈が入る。

3.副腎静脈: 副腎門から出て、右側は下大静脈に入る。左側は左腎静脈に入

る。

4.精巣静脈/卵巣静脈: 精巣動脈は精巣より起こり、精索中で蔓状静脈叢を

つくり、鼡径管をへて腹腔中の精巣動脈に伴行し、右側は下大静脈に、左側は

左腎静脈に入る。

卵巣静脈は卵巣より起こり、卵管に平行に走り、子宮広間膜内で蔓状静脈叢

をつくり、卵巣動脈に伴行し、右側は下大静脈に、左側は左腎静脈に入る。

門脈 肝臓の機能血管である門脈は、胃、小腸、大腸、膵臓、脾臓などからの静脈血

を肝臓に送る静脈幹であり、肝門を通るのでその名がある。門脈の主根は脾静脈、

上腸間膜静脈、下腸間膜静脈がある。副根は胆嚢静脈、左胃静脈、右胃静脈、

臍傍静脈などがある。

①脾静脈:4~5本の静脈で、脾門を出て間もなく1本に合し、膵臓の上縁に

沿って右方に走り、門脈に注ぐ。脾静脈は、短胃静脈、左胃大網静脈

を受ける。

②上腸間膜静脈:上腸間膜動脈と伴行して門脈に入る。上腸間膜静脈には

空腸静脈、回腸静脈、右胃大網静脈、膵静脈、回結腸静脈、右結腸

静脈、中結腸静脈、膵十二指腸静脈が開口する。

③下腸間膜静脈:膵臓の下方あるいは後方で右方に向かい、上腸間膜静

脈、または脾静脈に注ぐ。また下腸間膜静脈には左結腸静脈、S状結

腸静脈、上直腸静脈が開口する。

④直接門脈に入る根: また、胆嚢静脈、左胃静脈、右胃静脈、幽門前静脈、

臍静脈、臍旁静脈は直接門脈に入る根である。

【側副循環】

門脈の根は体循環の静脈と連絡しており、この部位は血流障害時(肝硬変な

ど)の側副循環路として重要である。以下の3ヵ所がある。

①食道噴門部側副路:左胃静脈→食道静脈→上大静脈

②肛門部側副路:上直腸静脈→中・下直腸静脈→内腸骨静脈→総腸

骨静脈→下大静脈

③前腹壁側副路:臍傍静脈→前腹壁の皮静脈→上大静脈および下大

静脈

門脈圧亢進症では血液中の液体成分を腹腔内に放出するので腹水が生じ、

腹部がボール状に膨らみ、前腹壁の皮静脈が臍を中心に放射状に怒脹し、メド

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循環器 20

ゥーサ(メズサ)の頭を生じる。また、食道部では食道静脈瘤を生じる。

総腸骨静脈 仙腸関節の前で内・外腸骨静脈が合してこれをつくり、内上方に走って第4腰椎

の前方で、左・右両側のものが合して下大静脈となる。その走行中、右側のものは

同名動脈の後、左側のものは後内側を走る。これに開口する根にはつぎのものがあ

る。

1.正中仙骨静脈: 同名動脈に伴行して、総腸骨静脈に開口する。

A.内腸骨静脈

骨盤壁および骨盤内臓から静脈血を集める。

1.壁側根: 内腸骨動脈の枝とほぼ一致する。

a.腸腰静脈

b.上殿静脈

c.下殿静脈

d.閉鎖静脈

e.外側仙骨静脈

2.臓側根

a.内陰部静脈: 骨盤内臓からの静脈は、つぎの静脈叢から起こり、内陰部静

脈に注ぐ。

ⅰ.陰部静脈叢: 恥骨結合の後側にある。

ⅱ.膀胱静脈叢: 膀胱後壁にある。

ⅲ.子宮静脈叢: 女性で子宮および腟のまわりにある。

B.外腸骨静脈

大腿静脈のつづきで、鼡径靱帯の下の血管裂孔に始まり、同名動脈の内側上方

に走り、仙腸関節の高さで総腸骨静脈に入る。下腹部および外陰部の一部と下肢

全体の静脈血を集める。外腸骨静脈にはつぎの根が入る。

1.下腹壁静脈: 腹壁の皮静脈をうける。

2.深腸骨回旋静脈

C.大腿静脈

膝窩静脈のつづきで、同名動脈に伴行して、下部では2本であるが上部では1本

となる。血管裂孔に入り、外腸骨静脈につづく。大腿静脈の根にはつぎのものがあ

る。

1.浅腹壁静脈: 前腹壁下半部よりの静脈をうける。

2.浅腸骨回旋静脈: 同名動脈に伴行する。

3.外陰部静脈: 男では前陰嚢静脈、浅陰茎背静脈、女では前陰唇静脈、浅陰

核背静脈の根をうける。

4.大伏在静脈 ⇒ 皮静脈

5.大腿深静脈: 同名動脈に伴行する。

D.膝窩静脈

前および後脛骨静脈が合してこの静脈をつくる。同名動脈の後方を走る。膝窩静

脈にはつぎの根が入る。

1.膝静脈

2.小伏在静脈 ⇒ 皮静脈

E.前脛骨静脈

足背からの静脈をうける。

F.後脛骨静脈

足底からの静脈をうける。

G.下肢の皮静脈 ⇒ 皮静脈

頭蓋の静脈 頭蓋内の静脈で、おもに脳よりの血流を集める。

1.硬膜静脈洞

脳硬膜の2葉間にある間隙で、その内面は血管内膜のつづきでおおわれ、頭

蓋内の静脈を集める。また導出静脈により頭蓋外静脈系と結合する。

硬膜静脈洞にはつぎのものがある。横静脈洞、上矢状静脈洞、下矢状静脈洞、

直静脈洞、後頭静脈洞、海綿静脈洞、蝶形[骨]頭頂静脈洞、上錐体静脈洞、下

錐体静脈洞、脳底静脈洞など。 上矢状静脈洞 ┐

→ 静 脈 洞 交 会

横静脈洞→

S状静脈洞→

内頚静脈 下矢状静脈洞 ┐

→直静脈洞 ┘ 大大脳静脈 ┘

(ガレノスの静脈)

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循環器 21

2.大脳の静脈

a.上大脳静脈: 大脳の表面を走り、上矢状静脈洞に入る。

b.下大脳静脈: 大脳下面および側面下部を走り、海綿静脈洞および上錐体静

脈洞に入る。

c.浅中大脳静脈: 外側溝から起こり、海綿静脈洞に入る。

d.内大脳静脈: 第3脳室脈絡叢の中を走る。

e.大大脳静脈: 左右の内大脳静脈が合してつくる。直静脈洞に入る。ガレヌス

の静脈

3.小脳の静脈

a.上小脳静脈: 小脳上面の静脈で直静脈洞に入る。

b.下小脳静脈: 小脳下面の静脈で横、S状および下錐体静脈洞に入る。

4.板間の静脈

頭蓋冠の内外両板間を走る静脈で、つぎの枝を出す。前頭板間静脈、側頭板

間静脈、後頭板間静脈。

5.導出静脈

頭蓋骨を貫いて頭蓋内外の静脈と連絡するもの。たとえば頭頂導出静脈など。

6.眼静脈

a.上眼静脈: 眼動脈に伴行し、内眼角に起こり、上眼窩裂を通って海綿瀞脈洞

に注ぐ。

b.下眼静脈: 眼窩底より起こり上眼静脈に注ぐ。一部下眼窩裂より翼突筋静脈

に入る。

7.迷路静脈

迷路動脈に伴行し、内耳から出て、内耳道をへて下錐体静脈洞または横静脈

洞に入る。

皮静脈 体温調節のため皮下に存在する静脈を皮静脈という。皮静脈の中膜(平滑筋)

は他の静脈に比べ発達している。

a.上肢の皮静脈

肘部の皮静脈は静脈注射や採血に利用される。

①橈側皮静脈(頭静脈):母指と示指の間に始まり、前腕の外側上腕二

頭筋溝を上行し、三角筋胸筋溝を通り、鎖骨の下で腋窩静脈

(または鎖骨下静脈)に入る。

②尺側皮静脈(貴要静脈):手背静脈叢の尺側から起こり、前腕の尺側

を上行し、上腕の下部 1/3 で上腕静脈に入る。

③前腕正中皮静脈:前腕の前面より起こり、肘窩で肘正中皮静脈(橈

側肘正中皮静脈と尺側肘正中皮静脈に分かれるていることも

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循環器 22

ある)に注ぐ。肘正中皮静脈は斜めに橈側皮静脈と尺側皮静

脈をつなぐ。

b.下肢の皮静脈

①大伏在静脈:下腿・大腿内側に位置する皮静脈で、足の内側縁の

足背および足底静脈網から出て、下腿および大腿の内側を上

行し、伏在裂孔を通り大腿静脈に流入する。

②小伏在静脈:足の外側縁で、足背および足底静脈網から起こり、下

腿後側を上行して、膝窩で膝窩静脈に入る。

10:前頚静脈、6:腋窩、9:乳輪静脈叢、7:胸腹壁静脈、11:臍、2:浅腹壁静脈

3:浅腸骨回旋静脈、4:外陰部静脈

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循環器 23

胎生時の循環系 出生後は肺が酸素の受け入れ口であるが、胎児では胎盤でガス交換を行なう。こ

のような特殊な循環系を胎児循環という。

1.出生前の血液循環

a.胎盤

胎児は母体の子宮動脈の動脈血に満たされた胎盤腔から、血管壁を通

して酸素および栄養を受ける。

b.臍静脈

胎盤からの動脈血が流れる臍静脈(1本)は、臍帯を経て胎児の臍に返り、

肝臓の下面にいたる。門脈と合する直前で静脈管を分枝する。門脈に合し

た血流は肝門より肝臓に入り、肝静脈を経て下大静脈に入る。

c.静脈管(アランチウス管)

肝臓での酸素および栄養の消費を抑えるため、静脈管は臍静脈から分

枝し、下大静脈(あるいは肝静脈を経て)に流入する。

d.卵円孔

動脈血を含む下大静脈は右心房に入る。この血液の大部分は心房中隔

の卵円孔を経て左心房に入る。下大静脈は卵円孔に直線的に流入できるよ

うになっているが、上大静脈はその上を通過するようになっており、あまり交

じり合わない。卵円孔を通過した動脈血は左心室を経て頭部や上肢に分布

する。

卵円孔は構造的には弁状をしており、右心房から左心房に流れるが、逆

流は行われない。

e.動脈管(ボタロー管)

上大静脈は頭、頚部、上肢および奇静脈系から静脈血を集め、右心房に

入る。右心室を経て肺動脈に入った血液の大部分は肺には流れず、動脈管

を経て大動脈弓末端部に流入する。

f.臍動脈

下行大動脈に流入した静脈血は、内腸骨動脈の枝の臍動脈(1対)により

胎盤に導かれる。

2.出生後の変化

胎児循環でみられた血管系の構造物は出生後、臍帯の血管の閉鎖により呼吸中

枢が刺激され呼吸が開始する。これに伴い肺への循環が始まり、左心房の内圧が

右心房に対し高くなり卵円孔の弁構造は閉じられた状態を維持する。動脈管や静

脈管も筋の収縮や内膜に細胞増殖が起こり器質的に閉鎖する。

胎生期の構造 臍静脈 静脈管 動脈管 卵円孔 臍動脈

遺残物 肝円索 静脈管索 動脈管索 卵円窩 臍動脈索

3.心臓発生と奇型

ヒトの心臓は鳥類、他の哺乳類と同様に2心房2心室であるが、発生初期には

1心房1心室の魚類型、2心房1心室の両生類・爬虫類型の心臓を経由する。こ

の発生途中にて障害が起こると心臓の先天性異常が生じる。

【心房中隔欠損】

左右の心房間の心房中隔にある卵円孔は弁状構造を呈する。出生後弁状構

造は接合し、線維化して閉鎖する(卵円窩)。中隔の発生が起こらないと先天性

異常を呈し心房中隔欠損という。このうち弁状構造呈しない欠損を卵円孔開存

症という。

【心室中隔欠損】

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循環器 24

心室中隔が発生せず、1心室の形態を示す異常を心室中隔欠損といい、この

なかで心室中隔の膜様部のみが欠損するのを膜様部心室中隔欠損という。

【動脈管開存症】

胎児循環において重要な意義もつ動脈管は、生後まもなく閉鎖するが、なん

らかの原因により動脈管の閉鎖が行なわれなかった場合、動脈管(ボタロー管)

開存症となる。

【ファロー(ÉLA Fallot)四徴候】

心室中隔欠損、肺動脈狭窄、大動脈騎乗および右心室肥大を伴う先天性心

疾患をファロー四徴候という。

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リンパ系 リンパ液の循環路をリンパ系という。リンパの流れは癌の転位の際に留意しなけれ

ばならない。また腸リンパ本幹は消化管で吸収された脂肪分の運搬経路としても重

要である。

A.主要なリンパ本幹

リンパ管は毛細リンパ管、リンパ管、リンパ本幹と順次太さを増し、その経過中に

多数のリンパ節を経由し、静脈角(内頚静脈と鎖骨下静脈の合流点)で静脈に合流

する。

1.右リンパ本幹

右上半身の頚リンパ本幹、鎖骨下リンパ本幹、気管支縦隔リンパ本幹などは、

右リンパ本幹として右静脈角に注ぐ。

2.胸管(左リンパ本幹)

胸管は下半身と左上半身のリンパ本幹を集める約35~40㎝の管である。第1

~2腰椎の右前側にある乳ビ槽(腸リンパ本幹と左右の腰リンパ本幹が流入する

嚢状のふくらみ)から始まり、横隔膜の大動脈裂孔を通って胸腔に入り、食道の後

ろを通って左静脈角に注ぐ。左静脈角に注ぐ直前に左上半身の頚リンパ本幹、

鎖骨下リンパ本幹、気管支縦隔リンパ本幹などを受ける。

B.主要なリンパ節

個々のリンパ節群は特定の部位のリンパ管を集める。これらは体部または器官所

属のリンパ節という。

表在性のリンパ節:浅頚リンパ節、腋窩リンパ節、鼡径リンパ節など。

①浅頚リンパ節:左側では胃癌の転移(ウィルヒョー)のリンパ節)に関与

②腋窩リンパ節:乳癌の転移に関与

③鼡径リンパ節:下肢の骨折・捻挫、性病の感染時に肥大

深部のリンパ節:気管・気管分岐部リンパ節、肺門リンパ節、胃リンパ節、上腸間

膜リンパ節など。

C.リンパ節の構造

リンパ節は独立した

器官として存在するリ

ンパ器官の1つである。

凸面には輸入リンパ

管が数本から十数本

存在し、凹面(門)に

は2~3本の輸出リン

パ管が存在し、これら

のリンパ管よりなる網

を形成する。

リンパ節は皮質と髄

質に区分され、皮質

には、多くのリンパ小

節が髄質を囲んで並

び、髄質に髄索を突

出させる。

D.リンパ小節

リンパ小節はリンパ組織の塊であり、孤立して存在する孤立リンパ小節と、集合し

て存在するた集合リンパ小節とがある。孤立リンパ小節は気管および気管支、空陽

にみられ、集合リンパ小節は回腸(パイエル板)、虫垂にみられる。また脾臓に散在

する脾小体(白脾髄)もリンパ小節に属する。

リンパ小節には中心に明るい部分である胚中心(反応中心、明中心)が存在する

場合がある。胚中心は抗原刺激に応じてリンパ球が造成される場所である。

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胸腺 1.胸腺の位置と大きさ

胸腺は胸骨の後側で、縦隔の上部に位置し、左右両葉よりなる扁平なリンパ器

官の1つであるが、リンパ小節は存在しない。胎生期から思春期にかけて発達し、

新生児では約10~15g、思春期では約30~40gで、思春期以後は退縮して脂

肪化していく。思春期以後も発達している場合は胸腺リンパ体質とよばれ、刺激

に対して過敏になる。

2.胸腺の構造

胸腺の構造は多数のリンパ球と細網組

織よりなる皮質と、比較的リンパ球が少な

く、多くの細網細胞よりなる髄質に区別さ

れる。髄質にはハッサル小体という構造が

認められる。胸腺ではTリンパ球の分化が

行なわれている。このTリンパ球は胸腺由

来のリンパ球とよばれ、細胞性免疫に関

与する。胸腺退縮後はリンパ節の胸腺依

存域(リンパ小節の周辺部と髄索)がTリン

パ産生に関与する。

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脾臓 脾臓は赤血球の分解、リンパ球、単球の造血を行うほか、門脈圧の調整も行う。

胎生期には脾臓でも造血作用がある。

A.脾臓の位置と大きさ

腹腔内の左上腹部後面(脾

腹(ひばら))に位置し、長径は

10㎝、短径は5㎝、厚さは3㎝、

重さは90~120gである。その

長軸は左第10肋骨(第9~第

11肋骨)に沿う。その凸面をな

す横隔面は横隔膜に接し、凹

面をなす臓側面には左腎臓の

前面、胃底、膵尾、左結腸曲

が接する。

B.脾臓の実質

脾臓は腹膜におおわれ、そ

の下に厚い被膜がある。脾臓

の内部の実質部は脾髄とよばれる。

脾髄はリンパ球を造血する白脾髄

と、赤血球を分解する赤脾髄に区

分される。赤脾髄で分解された赤

血球は脾静脈、門脈を経て肝臓に運ばれる。

①白脾髄:中心動脈のまわりにあるリンパ組織で、リンパ球と単球の生成部

位で、肉眼的には白くみえるのでこの名がある。白脾髄は脾小体またはマルピ

ギー小体ともよばれる。

②赤脾髄:実質の大部分を占めている。広い管腔をもつ脾洞とその間を埋め

る細網組織の脾索よりなる。脾洞中に多くの血液を含むために、肉眼的には赤

褐色にみえる。脾索には大食細胞の一種である脾細胞があり、老化あるいは変

性した赤血球を取り込んで分解する。

C.脾臓の血管系

脾動脈→脾柱動脈→中心動脈→筆毛動脈→莢動脈→脾洞→脾柱静脈→脾静脈

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血液細胞の分化過程 すべての血球は幹細胞(血球芽細胞)から発生するが、各血球は各々異なった発育

段階を経て成熟血球になる。

┌ 前赤芽球→ 正染赤芽球→ 網状赤血球→ 赤血球

├ 巨核芽球→ 巨核球→ 血小板

血球芽細胞┼ 骨髄芽球→ 骨髄芽球→ 顆粒球

├ 単芽球→ 単球

└ リンパ芽球→ リンパ球

骨髄性白血球の分化過程

骨髄芽球 myeloblast:細胞核は大きく緻密なクロマチン構造で核小体を普通2-3個

入れる。細胞質は塩基性でクリアな染色性を見せる。芽球から好中性白血球への分化、

好酸性・好塩基性白血球への分化が始まる。この芽球ではどの白血球に分化するのか

は分からない。次の前骨髄球になって分化の方向性の特徴を見ることができる。急性骨

髄性白血病時の芽球は細胞質の分化と細胞核の分化が異なってくるので種々の形態

を見せる。特に細胞質を欠いた様なN/C比の変化がある。また封入体としてのアウエ

ル小体(auer body)は急性骨髄性白血病の特徴である。

前骨髄球 promyelocyte:芽球と異なるのは細胞質中にアズール顆粒が出現すること

である。他の染色性についてはさほど大きな変化はない。わずかにクロマチンが粗にな

る。この前骨髄球では骨髄性白血球の分化の方向性の特徴が顆粒として見られる。好

中球へ分化するアズール顆粒は赤く見られるが、好酸球へ分化する顆粒は褐色で汚く

感じられる。好酸性前骨髄球は分化が進むと好酸性の顆粒がこの段階で見ることがで

きる。

骨髄球 myelocyte:この段階の細胞は共通して核は円形で小さくなりクロマチン構

造はまとまって粗になる。細胞内顆粒は好中性では小さなアズール顆粒を残すものもあ

るが、好中球の特徴である好中性顆粒に変化している。好酸性骨髄球ではその特徴で

ある好酸性顆粒になる。

後骨髄球 metamyelocyte:後骨髄球の細胞核はクロマチン構造はさらに粗になり、

楕円から腎臓型にくびれが見られる。細胞質はすでに分化が終わった段階なのでそれ

ぞれ細胞の顆粒になっている。

桿状核球 stab cell:この細胞は末梢血中に見られる棒状、「く」の字状の細胞でクロ

マチン構造は濃縮しているのでさらに粗になる。

分核球 segmented cell:分化が終わった白血球である。好中球の核はさらに分か

れて3核から4核で見られる。好酸球は末梢血中、組織中で2核で見られる。

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骨髄

骨の髄腔および海綿質内の腔には骨髄が存在し、血球(赤血球、白血球、血小板)造

血を行っている。生後の正常造血は骨髄のみで行われる。骨の長さの成長が止まるととも

に、造血は長骨の末端部、扁平骨、短骨の海綿質内の腔に限られてくる。成人の骨髄は

全体で 2,600gで体重の約 4.5%を占める。

骨髄には造血能力のある赤色骨髄と、加齢と共に造血能力を失い脂肪化した黄色骨

髄がみられる。赤色骨髄はおもに顆粒白血球形成と赤血球形成のための細胞(1)ならび

に骨髄巨核細胞(2)、脂肪細胞(3)、および骨小稜(4)を含んでいる。

1:顆粒白血球形成と赤血球形成のための細胞。2:血小板形成。3:脂肪細胞。

胎生期の造血

1.巨大赤芽細胞期:最初の造血は受精後約2週間後に卵黄嚢の胚外結合組織と肺

芽の腹茎ではじまる。血液細胞は核を持つ大きな赤血球=巨大赤芽細胞である。

この時期白血球はまだない。この時期は第3ヶ月の終わりまで続く。

2.肝脾期:第2ヶ月の終わりに造血は肝臓と脾臓で、そして極わずかにはリンパ節でも

行われ始め、白血球が出現し、赤血球は正常の大きさになる。この時期は出生前に

終わる。

3.骨髄期:第5ヶ月になるとすべての骨の骨髄で造血が始まる。

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循環器 30

動脈の筋支配 総頚動脈の枝 上甲状腺動脈の舌骨枝:胸骨舌骨筋、甲状舌骨筋 上甲状腺動脈の胸鎖乳突筋枝:胸鎖乳突筋、胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋 上甲状腺動脈の輪状甲状枝:輪状甲状筋、胸骨甲状筋 上喉頭動脈:後輪状披裂筋、外側輪状披裂筋、斜披裂筋、横披裂筋、甲状披裂筋、声帯

筋、甲状喉頭蓋筋 上行咽頭動脈:前頭直筋、外側頭直筋 上行咽頭動脈の口蓋枝:口蓋咽頭筋(咽頭口蓋筋)、上咽頭収筋筋、耳管咽頭筋 上行咽頭動脈の小咽頭枝:中咽頭収筋筋 上行咽頭動脈の前椎骨枝:頚長筋、頭長筋 上行咽頭動脈の咽頭枝:下咽頭収筋筋、茎突咽頭筋 舌動脈の舌下枝(舌下動脈):顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋 舌動脈の舌骨枝:胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋 舌下動脈:オトガイ舌筋、舌骨舌筋、茎突舌筋 舌深動脈:上縦舌筋、下縦舌筋、横舌筋、垂直舌筋 顔面動脈の下唇枝(下唇動脈):下唇下制筋(下唇方形筋)、口角下制筋(オトガイ三角

筋)、オトガイ筋、口輪筋 顔面動脈の眼角枝(眼角動脈):眼輪筋、鼻根筋(鼻錐体筋)、上唇挙筋(鼻翼挙筋を含

む) 顔面動脈の筋枝:頬筋、咬筋、内側翼突筋、茎突舌骨筋 顔面動脈の枝:上縦舌筋、下縦舌筋、横舌筋、垂直舌筋 顔面動脈の中隔枝:鼻孔圧縮筋(鼻筋横部)、鼻中隔下制筋 顔面動脈の鼻翼枝:鼻中隔下制筋 顔面動脈の扁桃枝:中咽頭収筋筋、上咽頭収筋筋 顔面動脈の上唇枝(上唇動脈):鼻孔圧縮筋(鼻筋横部)、鼻中隔下制筋、上唇挙筋、口

角挙筋(犬歯筋)、大頬骨筋、笑筋、口輪筋 顔面動脈の外側鼻枝:鼻根筋(鼻錐体筋)、鼻孔圧縮筋(鼻筋横部)、鼻孔拡大筋(鼻筋

鼻翼部) 上口蓋動脈:口蓋帆張筋、口蓋垂筋、口蓋舌筋(舌口蓋筋) 上口蓋動脈の枝:口蓋咽頭筋(咽頭口蓋筋) 上行口蓋動脈:口蓋帆挙筋、耳管咽頭筋 オトガイ下動脈:オトガイ舌筋、舌骨舌筋、広頚筋、顎舌骨筋 オトガイ下動脈の枝(前腹):顎二腹筋 後頭動脈:外側頭直筋 後頭動脈の筋枝:茎突舌骨筋、頭最長筋 後頭動脈の筋枝(後腹):顎二腹筋 後頭動脈の胸鎖乳突筋枝:胸鎖乳突筋 後頭動脈の下行枝:大後頭直筋、小後頭庭筋、下頭斜筋、上頭斜筋、頭半棘筋 後頭動脈の下行枝の筋枝:頭板状筋 後耳介動脈の下行枝(後頭部):後頭前頭筋 後耳介動脈の筋枝(後腹):顎二腹筋 後耳介動脈の耳介枝:耳介筋(前、上、後) 後耳介動脈の後頭枝(後頭部):後頭前頭筋、胸鎖乳突筋

茎乳突孔動脈:アブミ骨筋 浅側頭動脈の顔面横枝:咬筋 浅側頭動脈の耳介枝:側頭頭頂筋 浅側頭動脈の前枝(前頭枝):眼輪筋、皺眉筋 浅側頭動脈の側頭枝:側頭頭頂筋 浅側頭動脈の中側頭枝:側頭筋 浅側頭動脈の頭頂枝:側頭頭頂筋、耳介筋(前、上、後) 浅側頭動脈の頭頂枝(前頭部):後頭前頭筋 浅側頭動脈の頬骨枝(頬骨眼窩動脈):眼輪筋、皺眉筋 顎動脈の眼窩下枝:下直筋、下斜筋 顎動脈の後深側頭枝:側頭筋 顎動脈の前深側頭枝:側頭筋 顎動脈の頬筋枝(頬動脈):頬筋 顎動脈の翼突筋枝:内側翼突筋、外側翼突筋 顎動脈の咬筋枝:咬筋 前鼓室動脈:アブミ骨筋 下歯槽動脈の顎舌骨筋枝:顎舌骨筋 中硬膜動脈:アブミ骨筋 上鼓室動脈:鼓膜張筋 下口蓋動脈:口蓋帆張筋、口蓋垂筋、口蓋舌筋(舌口蓋筋)、口蓋咽頭筋(咽頭口蓋筋) 下行口蓋動脈:口蓋帆挙筋、耳管咽頭筋 眼動脈の下部筋枝:下直筋、外側直筋、内側直筋、下斜筋 眼動脈の上部筋枝:上眼瞼挙筋、上直筋、上斜筋 眼窩上動脈:上眼瞼挙筋 鎖骨下動脈の枝 椎骨動脈の筋枝:大後頭直筋、小後頭庭筋、下頭斜筋、上頭斜筋、頚長筋、頭長筋、前

頭直筋、外側頭直筋、脊柱起立筋(仙棘筋) 内胸動脈の肋間枝:小胸筋、内肋間筋 内胸動脈の胸骨枝:胸横筋 内胸動脈の貫通枝:大胸筋 内胸動脈の前肋間枝:外肋間筋 心膜横隔動脈:横隔膜 筋横隔動脈:外肋間筋、肋下筋、横隔膜 筋横隔動脈の肋間枝:内肋間筋 上腹壁動脈の筋枝:腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋 下甲状腺動脈の小筋枝:下咽頭収筋筋 下甲状腺動脈の上行頚枝:頭長筋、前斜角筋 下甲状腺動脈の上行頚枝の筋枝:後斜角筋 下喉頭動脈:輪状甲状筋、後輪状披裂筋、外側輪状披裂筋、斜披裂筋、横披裂筋、甲状

披裂筋、声帯筋、甲状喉頭蓋筋 上行頚動脈の筋枝:頚長筋、中斜角筋 肩甲上動脈(肩甲横動脈):棘上筋、棘下筋 肩甲上動脈の胸骨上肢:広頚筋

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循環器 31

肩甲上動脈の筋枝:胸鎖乳突筋 下行肩甲動脈(頚横動脈):僧帽筋、広背筋、大菱形筋、小菱形筋、肩甲挙筋 頚横動脈の浅枝:後斜角筋、頭板状筋、頚板状筋 肋頚動脈:外肋間筋、内肋間筋 肋頚動脈の深頚枝:頚最長筋、頚棘筋、頭棘筋、横突間筋、多裂筋、頚半棘筋、頭半棘

筋、棘間筋 深頚動脈:脊柱起立筋(仙棘筋) 胸肩峰動脈:小胸筋 胸肩峰動脈の鎖骨枝:鎖骨下筋 胸肩峰動脈の三角筋枝:三角筋 胸肩峰動脈の胸筋枝:大胸筋 外側胸動脈:小胸筋、前鋸筋、肩甲下筋 肩甲下動脈:広背筋、肩甲下筋 肩甲回旋動脈:棘下筋、小円筋、大円筋 上腕動脈:上腕筋 上腕動脈の筋枝:上腕二頭筋、烏口腕筋 上腕深動脈の枝:上腕三頭筋、肘筋 橈骨動脈の筋枝:橈側手根屈筋、浅指屈筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋 橈骨動脈の浅掌枝:短母指外転筋、短母指屈脂、母指対立筋 橈側反回動脈:上腕筋、腕橈骨筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、回外筋 深掌動脈弓:短母指内転筋、虫様筋、背側骨間筋、掌側骨間筋 尺骨動脈の筋枝:浅指屈筋、深指屈筋 尺骨動脈の背側手根枝:小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋 尺骨動脈の掌側骨間枝:深指屈筋、長母指屈筋、方形回内筋 尺骨動脈の深掌枝:小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋 前尺側反回動脈:円回内筋 後尺側反回動脈:長掌筋、尺側手根屈筋 後上腕回旋動脈:三角筋 後骨間動脈:指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋、回外筋、長母指外転筋、短母指伸筋、

長母指伸筋、示指伸筋筋 浅掌動脈弓:短掌筋、虫様筋 下行大動脈の枝 上横隔動脈:横隔膜 肋間動脈:上後鋸筋、外肋間筋、肋下筋、胸横筋 肋間動脈の筋枝:横突間筋、胸半棘筋、頚半棘筋、頭半棘筋、回旋筋、棘間筋、内肋間

筋 肋間動脈の後枝:脊柱起立筋(仙棘筋)、腰腸肋筋、胸腸肋筋、頚腸肋筋、胸最長筋、頚

最長筋、頭最長筋、胸棘筋、頚棘筋、頭棘筋 肋間動脈の内側筋枝:多裂筋 肋間動脈の平行枝:外肋間筋 肋間動脈の背枝:下後鋸筋、上後鋸筋、肋骨挙筋 下横隔動脈:横隔膜 腰動脈の筋枝:横突間筋、棘間筋

腰動脈の後枝:脊柱起立筋(仙棘筋)、腰腸肋筋、胸最長筋 腰動脈の内側筋枝:多裂筋 総腸骨動脈の枝 腸腰動脈の腰枝:大腰筋、小腰筋、腰方形筋 腸腰動脈の腸骨枝:腸骨筋 閉鎖動脈:恥骨筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋、外閉鎖筋 上殿動脈:大殿筋、大腿筋膜張筋、梨状筋、内閉鎖筋 上殿動脈の深枝:中殿筋、小殿筋 下殿動脈:大殿筋、梨状筋、上双子筋、下双子筋、肛門挙筋、尾骨筋(坐骨尾骨筋) 内陰部動脈:梨状筋 内陰部動脈の会陰枝:浅会陰横筋、球海綿体筋(男性)、球海綿体筋(女性)、坐骨海綿

体筋、深会陰横筋(男性)、深会陰横筋(女性)、尿道括約筋 内陰部動脈の筋枝:内閉鎖筋、肛門挙筋、尾骨筋(坐骨尾骨筋) 下直腸動脈:肛門挙筋、外肛門括約筋 下腹壁動脈:腹横筋 下腹壁動脈の筋枝:腹直筋、錐体筋、外腹斜筋、内腹斜筋 下腹壁動脈の精巣挙筋枝(精巣挙筋動脈):精巣挙筋 深腸骨回旋動脈:腹横筋 深腸骨回旋動脈の筋枝:内腹斜筋 大腿動脈の筋枝:縫工筋、内側広筋 大腿深動脈の筋枝:内側広筋、薄筋 内側大腿回旋動脈:大腿方形筋、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋、外閉

鎖筋 外側大腿回旋動脈:大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、中間広筋 貫通動脈:大内転筋、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋 貫通動脈の第1貫通枝:大殿筋 膝窩動脈の筋枝:大内転筋 膝窩動脈の上部筋枝:大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋 膝窩動脈の膝枝:内側広筋、膝窩筋 膝窩動脈の腓腹枝:腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋 前脛骨動脈の筋枝:前脛骨筋、長趾伸筋、第三腓骨筋、長母趾伸筋、長腓骨筋 足背動脈:短趾伸筋 外側足根動脈:短趾伸筋 背側中足動脈:背側骨間筋 後脛骨動脈:ヒラメ筋、長趾屈筋 内側足底動脈:短母趾伸筋、母趾外転筋、短趾屈筋 外側足底動脈:小趾外転筋、小趾対立筋、短小趾屈筋、足底方形筋 第1底側中足動脈:母趾内転筋 第1底側中足動脈(外側および深足底動脈の結合部有り):短母趾屈筋 底側中足動脈:底側骨間筋 底側中足動脈(足底中足動脈):虫様筋 腓骨動脈:ヒラメ筋、後脛骨筋 腓骨動脈の筋枝:長腓骨筋、短腓骨筋、長母趾屈筋

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循環器 32

筋に分布する動脈 頭部 鼓膜腔の筋 アブミ骨筋:茎乳突孔動脈、前鼓室動脈、中硬膜動脈 鼓膜張筋:上鼓室動脈 頭部 眼の筋 下斜筋:顎動脈の眼窩下枝、眼動脈の下部筋枝 下直筋:顎動脈の眼窩下枝、眼動脈の下部筋枝 外側直筋:眼動脈の下部筋枝 上眼瞼挙筋:眼動脈の上部筋枝、眼窩上動脈 上斜筋:眼動脈の上部筋枝 上直筋:眼動脈の上部筋枝 内側直筋:眼動脈の下部筋枝 頭部 頭と顔の筋 後頭前頭筋:浅側頭動脈の頭頂枝(前頭部)、後耳介動脈の後頭枝(後頭部)、後耳介

動脈の下行枝(後頭部) 側頭頭頂筋:浅側頭動脈の耳介枝、浅側頭動脈の側頭枝、浅側頭動脈の頭頂枝 鼻根筋(鼻錐体筋):顔面動脈の眼角枝(眼角動脈)、顔面動脈の外側鼻枝 鼻孔圧縮筋(鼻筋横部):顔面動脈の上唇枝(上唇動脈)、顔面動脈の中隔枝、顔面動

脈の外側鼻枝 鼻孔拡大筋(鼻筋鼻翼部):顔面動脈の外側鼻枝 鼻中隔下制筋:顔面動脈の上唇枝(上唇動脈)、顔面動脈の鼻翼枝、顔面動脈の中隔

枝 眼輪筋:浅側頭動脈の頬骨枝(頬骨眼窩動脈)、浅側頭動脈の前枝(前頭枝)、顔面動

脈の眼角枝(眼角動脈) 皺眉筋:浅側頭動脈の頬骨枝(頬骨眼窩動脈)、浅側頭動脈の前枝(前頭枝) 耳介筋(前、上、後):後耳介動脈の耳介枝、浅側頭動脈の頭頂枝 口輪筋:顔面動脈の下唇枝(下唇動脈)、顔面動脈の上唇枝(上唇動脈) 口角下制筋(オトガイ三角筋):顔面動脈の下唇枝(下唇動脈) 笑筋:顔面動脈の上唇枝(上唇動脈) 大頬骨筋:顔面動脈の上唇枝(上唇動脈) 上唇挙筋:顔面動脈の上唇枝(上唇動脈) 上唇挙筋(鼻翼挙筋を含む):顔面動脈の眼角枝(眼角動脈) 下唇下制筋(下唇方形筋):顔面動脈の下唇枝(下唇動脈) 口角挙筋(犬歯筋):顔面動脈の上唇枝(上唇動脈) 頬筋:顔面動脈の筋枝、顎動脈の頬筋枝(頬動脈) オトガイ筋:顔面動脈の下唇枝(下唇動脈) 頭部 咀嚼筋 咬筋:浅側頭動脈の顔面横枝、顎動脈の咬筋枝、顔面動脈の筋枝 側頭筋:浅側頭動脈の中側頭枝、顎動脈の前深側頭枝、顎動脈の後深側頭枝

外側翼突筋:顎動脈の翼突筋枝 内側翼突筋:顔面動脈の筋枝、顎動脈の翼突筋枝 頭部 舌の筋 外舌筋群 オトガイ舌筋:舌下動脈、オトガイ下動脈 茎突舌筋:舌下動脈 舌骨舌筋:舌下動脈、オトガイ下動脈 頭部 舌の筋 内舌筋群 横舌筋:舌深動脈、顔面動脈の枝 下縦舌筋:舌深動脈、顔面動脈の枝 上縦舌筋:舌深動脈、顔面動脈の枝 垂直舌筋:舌深動脈、顔面動脈の枝 頭部 口蓋の筋 口蓋帆挙筋:上行口蓋動脈、下行口蓋動脈 口蓋帆張筋:上口蓋動脈、下口蓋動脈 口蓋垂筋:上口蓋動脈、下口蓋動脈 口蓋舌筋(舌口蓋筋):上口蓋動脈、下口蓋動脈 口蓋咽頭筋(咽頭口蓋筋):上口蓋動脈の枝、下口蓋動脈、上行咽頭動脈の口蓋枝 頭部 咽頭の筋 下咽頭収筋筋:下甲状腺動脈の小筋枝、上行咽頭動脈の咽頭枝 中咽頭収筋筋:上行咽頭動脈の小咽頭枝、顔面動脈の扁桃枝 上咽頭収筋筋:顔面動脈の扁桃枝、上行咽頭動脈の口蓋枝 茎突咽頭筋:上行咽頭動脈の咽頭枝 耳管咽頭筋:上行口蓋動脈、下行口蓋動脈、上行咽頭動脈の口蓋枝 頚部 頚の筋 頚部 広頚筋:オトガイ下動脈、肩甲上動脈の胸骨上肢 頚部 頚の筋 椎骨の前方 頚長筋:上行咽頭動脈の前椎骨枝、上行頚動脈の筋枝、椎骨動脈の筋枝 頭長筋:下甲状腺動脈の上行頚枝、上行咽頭動脈の前椎骨枝、椎骨動脈の筋枝 頚部 頚の筋 椎骨の側方 前斜角筋:下甲状腺動脈の上行頚枝 中斜角筋:上行頚動脈の筋枝 後斜角筋:下甲状腺動脈の上行頚枝の筋枝、頚横動脈の浅枝 頚部 頚の筋 頚部 胸鎖乳突筋:上甲状腺動脈の胸鎖乳突筋枝、後頭動脈の胸鎖乳突筋枝、肩甲上動脈

の筋枝、後耳介動脈の後頭枝(後頭部)

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循環器 33

頚部 頚の筋 椎骨の前方 前頭直筋:椎骨動脈の筋枝、上行咽頭動脈 外側頭直筋:椎骨動脈の筋枝、後頭動脈、上行咽頭動脈 頭部 後頭下の筋 大後頭直筋:椎骨動脈の筋枝、後頭動脈の下行枝 小後頭庭筋:椎骨動脈の筋枝、後頭動脈の下行枝 上頭斜筋:椎骨動脈の筋枝、後頭動脈の下行枝 下頭斜筋:椎骨動脈の筋枝、後頭動脈の下行枝 頚部 頚の筋 舌骨上筋群 顎二腹筋:後耳介動脈の筋枝(後腹)、後頭動脈の筋枝(後腹)、オトガイ下動脈の枝

(前腹) 茎突舌骨筋:顔面動脈の筋枝、後頭動脈の筋枝 顎舌骨筋:舌動脈の舌下枝(舌下動脈)、オトガイ下動脈、下歯槽動脈の顎舌骨筋枝 オトガイ舌骨筋:舌動脈の舌下枝(舌下動脈) 頚部 頚の筋 舌骨下筋群 胸骨舌骨筋:上甲状腺動脈の胸鎖乳突筋枝、上甲状腺動脈の舌骨枝、舌動脈の舌骨

枝 肩甲舌骨筋:舌動脈の舌骨枝、上甲状腺動脈の胸鎖乳突筋枝 胸骨甲状筋:上甲状腺動脈の輪状甲状枝 甲状舌骨筋:上甲状腺動脈の舌骨枝 頚部 喉頭の筋(喉頭内在筋) 横披裂筋:上喉頭動脈、下喉頭動脈 外側輪状披裂筋:上喉頭動脈、下喉頭動脈 後輪状披裂筋:上喉頭動脈、下喉頭動脈 甲状喉頭蓋筋:上喉頭動脈、下喉頭動脈 甲状披裂筋:上喉頭動脈、下喉頭動脈 斜披裂筋:上喉頭動脈、下喉頭動脈 声帯筋:上喉頭動脈、下喉頭動脈 輪状甲状筋:上甲状腺動脈の輪状甲状枝、下喉頭動脈、上甲状腺動脈の輪状甲状枝 背部 下後鋸筋:肋間動脈の背枝 上後鋸筋:肋間動脈、肋間動脈の背枝 背部 背部深層の筋 脊柱起立筋(仙棘筋):椎骨動脈の筋枝、深頚動脈、肋間動脈の後枝、腰動脈の後枝 腰腸肋筋:肋間動脈の後枝、腰動脈の後枝 胸腸肋筋:肋間動脈の後枝 頚腸肋筋:肋間動脈の後枝 胸最長筋:肋間動脈の後枝、腰動脈の後枝

頚最長筋:肋間動脈の後枝、肋頚動脈の深頚枝 頭最長筋:肋間動脈の後枝、後頭動脈の筋枝 胸棘筋:肋間動脈の後枝 頚棘筋:肋間動脈の後枝、肋頚動脈の深頚枝 頭棘筋:肋間動脈の後枝、肋頚動脈の深頚枝 頭板状筋:後頭動脈の下行枝の筋枝、頚横動脈の浅枝 頚板状筋:頚横動脈の浅枝 横突間筋:肋頚動脈の深頚枝、肋間動脈の筋枝、腰動脈の筋枝 多裂筋:腰動脈の内側筋枝 多裂筋:肋間動脈の内側筋枝 多裂筋:肋頚動脈の深頚枝 胸半棘筋:肋間動脈の筋枝 頚半棘筋:肋間動脈の筋枝、肋頚動脈の深頚枝 頭半棘筋:肋間動脈の筋枝、後頭動脈の下行枝、肋頚動脈の深頚枝 回旋筋:肋間動脈の筋枝 棘間筋:肋間動脈の筋枝、腰動脈の筋枝、肋頚動脈の深頚枝 胸部 胸郭の筋 肋骨挙筋:肋間動脈の背枝 外肋間筋:肋間動脈、肋間動脈の平行枝、肋頚動脈、内胸動脈の前肋間枝、筋横隔動

脈 内肋間筋:肋間動脈の筋枝、内胸動脈の肋間枝、筋横隔動脈の肋間枝、肋頚動脈 肋下筋:筋横隔動脈、肋間動脈 胸横筋:内胸動脈の胸骨枝、肋間動脈 横隔膜:下横隔動脈、上横隔動脈、筋横隔動脈、心膜横隔動脈 腹部 腹部の筋 腹直筋:上腹壁動脈の筋枝、下腹壁動脈の筋枝 錐体筋:下腹壁動脈の筋枝 外腹斜筋:上腹壁動脈の筋枝、下腹壁動脈の筋枝 内腹斜筋:上腹壁動脈の筋枝、下腹壁動脈の筋枝、深腸骨回旋動脈の筋枝 精巣挙筋:下腹壁動脈の精巣挙筋枝(精巣挙筋動脈) 腹横筋:深腸骨回旋動脈、下腹壁動脈 腰方形筋:腸腰動脈の腰枝 骨盤 骨盤の筋 肛門挙筋:内陰部動脈の筋枝、下直腸動脈、下殿動脈 尾骨筋(坐骨尾骨筋):内陰部動脈の筋枝、下殿動脈 骨盤 会陰の筋 外肛門括約筋:下直腸動脈 球海綿体筋:内陰部動脈の会陰枝 坐骨海綿体筋:内陰部動脈の会陰枝 深会陰横筋:内陰部動脈の会陰枝

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循環器 34

浅会陰横筋:内陰部動脈の会陰枝 尿道括約筋:内陰部動脈の会陰枝 上肢 上肢を前胸壁と側胸壁につなぐ筋 大胸筋:胸肩峰動脈の胸筋枝、内胸動脈の貫通枝 小胸筋:胸肩峰動脈、内胸動脈の肋間枝、外側胸動脈 鎖骨下筋:胸肩峰動脈の鎖骨枝 前鋸筋:外側胸動脈 上肢 上肢を脊柱につなぐ筋 僧帽筋:下行肩甲動脈(頚横動脈) 広背筋:下行肩甲動脈(頚横動脈)、肩甲下動脈 大菱形筋:下行肩甲動脈(頚横動脈) 小菱形筋:下行肩甲動脈(頚横動脈) 肩甲挙筋:下行肩甲動脈(頚横動脈) 上肢 肩の筋 三角筋:後上腕回旋動脈、胸肩峰動脈の三角筋枝 棘上筋:肩甲上動脈(肩甲横動脈) 棘下筋:肩甲上動脈(肩甲横動脈)、肩甲回旋動脈 小円筋:肩甲回旋動脈 大円筋:肩甲回旋動脈 肩甲下筋:外側胸動脈、肩甲下動脈 上肢 上腕の筋 上腕二頭筋:上腕動脈の筋枝 烏口腕筋:上腕動脈の筋枝 上腕筋:橈側反回動脈、上腕動脈 上腕三頭筋:上腕深動脈の枝 上肢 前腕背側の筋 浅層筋群 肘筋:上腕深動脈の枝 上肢 前腕掌側の筋 浅層筋群 円回内筋:前尺側反回動脈 橈側手根屈筋:橈骨動脈の筋枝 長掌筋:後尺側反回動脈 尺側手根屈筋:後尺側反回動脈 浅指屈筋:尺骨動脈の筋枝、橈骨動脈の筋枝 上肢 前腕掌側の筋 深層筋群 深指屈筋:尺骨動脈の掌側骨間枝、尺骨動脈の筋枝 長母指屈筋:尺骨動脈の掌側骨間枝

方形回内筋:尺骨動脈の掌側骨間枝 上肢 前腕背側の筋 浅層筋群 腕橈骨筋:橈側反回動脈 長橈側手根伸筋:橈骨動脈の筋枝、橈側反回動脈 短橈側手根伸筋:橈骨動脈の筋枝、橈側反回動脈 指伸筋:後骨間動脈 小指伸筋:後骨間動脈 尺側手根伸筋:後骨間動脈 上肢 前腕背側の筋 深層筋群 回外筋:橈側反回動脈、後骨間動脈 長母指外転筋:後骨間動脈 短母指伸筋:後骨間動脈 長母指伸筋:後骨間動脈 示指伸筋筋:後骨間動脈 上肢 手の筋 短掌筋:浅掌動脈弓 短母指外転筋:橈骨動脈の浅掌枝 短母指屈脂:橈骨動脈の浅掌枝 母指対立筋:橈骨動脈の浅掌枝 短母指内転筋:深掌動脈弓 小指外転筋:尺骨動脈の深掌枝、尺骨動脈の背側手根枝 短小指屈筋:尺骨動脈の深掌枝、尺骨動脈の背側手根枝 小指対立筋:尺骨動脈の深掌枝、尺骨動脈の背側手根枝 虫様筋:浅掌動脈弓、深掌動脈弓 背側骨間筋:深掌動脈弓 掌側骨間筋:深掌動脈弓 下肢 腸骨部 腸骨筋:腸腰動脈の腸骨枝 大腰筋:腸腰動脈の腰枝 小腰筋:腸腰動脈の腰枝 下肢 殿部の筋 大殿筋:上殿動脈、下殿動脈、貫通動脈の第1貫通枝 中殿筋:上殿動脈の深枝 小殿筋:上殿動脈の深枝 大腿筋膜張筋:外側大腿回旋動脈、上殿動脈 梨状筋:上殿動脈、下殿動脈、内陰部動脈 内閉鎖筋:内陰部動脈の筋枝、上殿動脈 上双子筋:下殿動脈 下双子筋:下殿動脈

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循環器 35

大腿方形筋:内側大腿回旋動脈 下肢 大腿前面の筋 縫工筋:大腿動脈の筋枝 大腿直筋:外側大腿回旋動脈 外側広筋:外側大腿回旋動脈 中間広筋:外側大腿回旋動脈 内側広筋:大腿動脈の筋枝、大腿深動脈の筋枝、膝窩動脈の膝枝 下肢 大腿内側の筋 恥骨筋:内側大腿回旋動脈、閉鎖動脈 長内転筋:内側大腿回旋動脈、閉鎖動脈 短内転筋:内側大腿回旋動脈、閉鎖動脈 大内転筋:内側大腿回旋動脈、貫通動脈、閉鎖動脈、膝窩動脈の筋枝 薄筋:大腿深動脈の筋枝、閉鎖動脈、内側大腿回旋動脈 下肢 殿部の筋 外閉鎖筋:閉鎖動脈、内側大腿回旋動脈 下肢 大腿後面の筋 大腿二頭筋:貫通動脈、膝窩動脈の上部筋枝 半膜様筋:貫通動脈、膝窩動脈の上部筋枝 半腱様筋:貫通動脈、膝窩動脈の上部筋枝 下肢 下腿前面の筋 前脛骨筋:前脛骨動脈の筋枝 長趾伸筋:前脛骨動脈の筋枝 第三腓骨筋:前脛骨動脈の筋枝 長母趾伸筋:前脛骨動脈の筋枝

下肢 下腿外側の筋 長腓骨筋:前脛骨動脈の筋枝、腓骨動脈の筋枝 短腓骨筋:腓骨動脈の筋枝 下肢 下腿後面の筋 浅層筋群 腓腹筋:膝窩動脈の腓腹枝 ヒラメ筋:後脛骨動脈、腓骨動脈、膝窩動脈の腓腹枝 足底筋:膝窩動脈の腓腹枝 下肢 下腿後面の筋 深層筋群 膝窩筋:膝窩動脈の膝枝 後脛骨筋:腓骨動脈 長趾屈筋:後脛骨動脈 長母趾屈筋:腓骨動脈の筋枝 下肢 足の筋 短母趾伸筋:内側足底動脈 短趾伸筋:足背動脈、外側足根動脈 母趾外転筋:内側足底動脈 短母趾屈筋:第1底側中足動脈(外側および深足底動脈の結合部有り) 母趾内転筋:第1底側中足動脈 小趾外転筋:外側足底動脈 小趾対立筋:外側足底動脈 短小趾屈筋:外側足底動脈 短趾屈筋:内側足底動脈 足底方形筋:外側足底動脈 虫様筋:底側中足動脈(足底中足動脈) 背側骨間筋:背側中足動脈 底側骨間筋:底側中足動脈

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循環器 36

動脈の流れ ┌ 上行大動脈 ┬ 右冠状動脈 ─ 後室間枝 │ └ 左冠状動脈 ┬ 前室間枝 │ └ 回旋枝 ├ 大動脈弓 ┬ 腕頭動脈 ┬ 右鎖骨下動脈 │ │ └ 右総頚動脈 │ ├ 左総頚動脈 │ └ 左鎖骨下動脈 │ │ │ ※ 総頚動脈 ┬ 外頚動脈 ┬ 上甲状腺動脈 │ │ ├ 上行咽頭動脈 │ │ ├ 舌動脈 │ │ ├ 顔面動脈 │ │ ├ 後耳介動脈 │ │ ├ 浅側頭動脈 │ │ └ 顎動脈 ┬ 下歯槽動脈 │ │ ├ 中硬膜動脈 │ │ ├ 深側頭動脈 │ │ └ 後上歯槽動脈 │ └ 内頚動脈 ┬ 眼動脈 │ └ 大脳動脈 ┬ 後交通動脈 ⇒ 後大脳動脈 │ ├ 前脈絡叢動脈 │ ├ 前大脳動脈 ┬ 前交通動脈 │ │ ├ 皮質枝 │ │ └ 中心枝 │ └ 中大脳動脈 ┬ 皮質枝 │ └ 中心枝 ─ 線状体枝 │ │ │ ※ 鎖骨下動脈 ┬ 椎骨動脈 ┬ 脊髄枝 ┬ 後脊髄動脈 │ │ │ └ 前脊髄動脈 │ │ ├ 後下小脳動脈 │ │ └ 脳底動脈 ┬ 前下小脳動脈 ─ 迷路動脈 │ │ ├ 橋枝 │ │ ├ 上小脳動脈 │ │ └ 後大脳動脈 ┬ 後交通動脈* ⇒ 中大脳動脈 │ │ ├ 皮質枝 │ │ └ 中心枝 │ ├ 内胸動脈 ┬ 心膜横動脈 │ │ ├ 筋横隔動脈 │ │ └ 上腹壁動脈 │ ├ 甲状頚動脈 ┬ 下甲状腺動脈 │ │ ├ 頚横動脈

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│ │ └ 肩甲上動脈 │ ├ 肋頚動脈 ┬ 深頚動脈 │ │ └ 最上肋間動脈 ┬ 第一肋間動脈 │ │ └ 第二肋間動脈 │ ※└ 腋窩動脈 ┬ 最上胸動脈 │ ├ 胸肩峰動脈 │ ├ 外側胸動脈 │ ├ 肩甲下動脈 ┬ 胸背動脈 │ │ └ 肩甲回旋動脈 │ ├ 前上腕回旋動脈 │ ├ 後上腕回旋動脈 │ ※└ 上腕動脈 ┬ 上腕深動脈 ┬ 中側副動脈 │ │ └ 橈側側副動脈 │ ├ 上尺側側副動脈 │ ├ 下尺側側副動脈 │ ※├ 橈骨動脈 ┬ 橈側反回動脈 │ │ ├ 掌側手根枝 │ │ ├ 浅掌枝 │ │ ├ 背側手根枝 ─ 背側手根動脈弓 ─ 背側中手動脈 ─ 背側指動脈 │ │ ├ 母指主動脈 │ │ └ 深掌動脈弓─ 総掌側指動脈 ─ 固有掌側指動脈 │ ※└ 尺骨動脈 ┬ 尺側反回動脈 │ ├ 肘関節動脈網 │ ├ 総骨間動脈 ┬ 後骨間動脈 ─ 反回骨間動脈 │ │ └ 前骨間動脈 ─ 正中動脈 │ ├ 掌側手根枝 │ ├ 背側手根枝 │ ├ 深掌枝 │ └ 浅掌動脈弓 ─ 総掌側指動脈 ─ 固有掌側指動脈 │ │ └ 下行大動脈 ┬ 胸大動脈 ┬ 気管支動脈 │ ├ 食道動脈 │ ├ 上横隔動脈 │ ├ 肋間動脈(第3~11) │ └ 肋下動脈(第 12 肋間動脈に相当) └ 腹大動脈 ┬ 下横隔動脈 ─ 上副腎動脈 ├ 腰動脈 ├ 正中仙骨動脈 ├ 腹腔動脈 ┬ 左胃動脈 │ ├ 総肝動脈 ┬ 右胃動脈 │ │ ├ 胃十二指腸動脈 ┬ 上膵十二指腸動脈 │ │ │ └ 右胃大網動脈 │ │ └ 固有肝動脈 ┬ 右肝動脈 ─ 胆嚢動脈

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│ │ └ 左肝動脈 │ └ 脾動脈 ┬ 膵枝 │ ├ 左胃大網動脈 │ ├ 短胃動脈 │ └ 脾枝 ├ 上腸間膜動脈 ┬ 下膵十二指腸動脈 │ ├ 小腸動脈 ┬ 空腸動脈 │ │ └ 回腸動脈 ─ 虫垂動脈 │ ├ 右結腸動脈 │ └ 中結腸動脈 ├ 下腸間膜動脈 ┬ 左結腸動脈 │ ├ S状結腸動脈 │ └ 上直腸動脈 ├ 中副腎動脈 ├ 腎動脈 ┬ 下副腎動脈 │ ├ 前枝 │ ├ 後枝 │ └ 尿管枝 ├ 精巣動脈♂ ├ 卵巣動脈♀ ※└ 総腸骨動脈 ┬ 内腸骨動脈 ┬ 前枝┬ 閉鎖動脈 │ │ ├ 臍動脈 ─ 上膀胱動脈 │ │ ├ 下膀胱動脈 │ │ ├ 子宮動脈♀ │ │ ├ 精管動脈♂ │ │ ├ 中直腸動脈 │ │ ├ 内陰部動脈 ┬ 下直腸動脈 │ │ │ ├ 会陰動脈 │ │ │ ├ 後陰嚢動脈 │ │ │ ├ 後陰唇動脈 │ │ │ ├ 尿道動脈 │ │ │ ├ 尿道球動脈 │ │ │ ├ 腟前庭球動脈 │ │ │ ├ 陰茎深動脈 │ │ │ ├ 陰茎背動脈 │ │ │ ├ 陰核深動脈 │ │ │ └ 陰核背動脈 │ │ └ 下殿動脈 │ └ 後枝 ┬ 腸腰動脈 │ ├ 外側仙骨動脈 │ └ 上殿動脈 └ 外腸骨動脈 ┬ 下腹壁動脈 ┬ 精巣挙筋動脈 │ └ 子宮円索動脈 ├ 深腸骨回旋動脈

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※└ 大腿動脈 ┬ 浅腹壁動脈 ├ 浅腸骨回旋動脈 ├ 外陰部動脈 ├ 大腿深動脈 ┬ 内側大腿回旋動脈 │ ├ 外側大腿回旋動脈 │ └ 貫通動脈 ├ 下行膝動脈 ※└ 膝窩動脈 ┬ 外側上膝動脈 ├ 内側上膝動脈 ├ 中膝動脈 ├ 腓腹動脈 ├ 外側下膝動脈 ├ 内側下膝動脈 ├ 膝関節動脈網 ├ 膝蓋動脈網 ※├ 前脛骨動脈 ┬ 前外果動脈 │ ├ 前内果動脈 │ ├ 内果動脈網 │ ├ 外果動脈網 │ └ 足背動脈 ┬ 外側足根動脈 │ ├ 内側足根動脈 │ └ 弓状動脈 ┬ 背側中足動脈 │ └ 背側趾動脈 ※└ 後脛骨動脈 ┬ 腓骨動脈 ├ 内果枝 ├ 踵骨枝 ├ 内側足底動脈 ↘ │ ┬ 足底動脈弓 └ 外側足底動脈 ↗ └ 足底中足動脈 ─ 固有底側趾動脈