磁力と磁界 -...

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− 23 − − 23 − 電磁気 磁力と磁界 反発力 +m 1 [ Wb ] +m 2 [ Wb ] N 極 N 極 r [ m ] 吸引力 +m 1 [ Wb ] -m 2 [ Wb ] N 極 S 極 r [ m ] +m[ Wb ] P r [ m ] H [ A/ m ] H [ A/ m ] m [ Wb ] F[ N ] H 1 [ A/ m ] +m 1 [ Wb] -m 2 [ Wb ] H 2 [ A/ m ] H [ A/ m ] S N S N S N S N チェックポイント <磁気に関するクーロンの法則> 二つの磁極間に働く磁力の大きさF[N]は,両磁極の強さ m1,m2[Wb]の積に比例し,両磁 極間の距離r[m]の2乗に反比例する。 F =  1 m1m2 =  1 m1m2 ,F = 6.33 × 10 4 × m1m2 [N] 4πμ   r 2     4πμ o μ r r 2                       r 2 μ=μ μ(真空中でμ=1の場合) m1,m2:磁極の強さ[Wb] r:両磁極間の距離[m] μ :真空中の透磁率[H/m] (μ :4 π× 10 −7 [H/m]) μr:比透磁率 μ:透磁率[H/m] <磁気による磁界の強さ> ⑴ 磁極による磁界の強さ m[Wb]の大きさをもつ磁極からr[m]離れた点Pにおける磁界の強さH[A/m]は次式のよ うになる。 (真空中でμ=1の場合) H =  1 m 6.33 × 10 4 × m [A/m] 4πμ  r 2            r 2  ⑵ 磁界中の磁極に働く力 F[N] 磁界の強さH[A/m]の磁界中に,m[Wb]の磁極を置くと,これに作用する力F[N]は次式 のようになる。 F=mH[N] ⑶ 二つ以上の磁極による磁界の強さ 二つ以上の磁極によって,ある点Pにつくられる磁界Hは,そ れらの磁極による磁界H,Hをベクトル的に合成したもの である。 =H 1 +H 2 《 基 本 問 題 》 磁極の強さがそれぞれ 2 × 10 −4 Wbと 8 × 10 −4 Wb の二つの点磁極が真空中に 4cm の距離を離して置 かれている。この両磁極間に働く力の大きさF[N]を求めよう。 (答)F =  

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Page 1: 磁力と磁界 - yatsuume.jpyatsuume.jp/pdf/electrical.pdf二つの磁極間に働く磁力の大きさF[N]は,両磁極の強さm1,m2[Wb]の積に比例し,両磁 極間の距離r[m]の2乗に反比例する。

− 23 −− 23 −

電磁気磁力と磁界

反発力+m1 [ Wb ] +m2 [ Wb ]

N 極 N 極

r [ m ]

吸引力+m1 [ Wb ] -m2 [ Wb ]

N 極 S 極

r [ m ]

+m[ Wb ]P

r [ m ]

H [ A / m ]

H [ A / m ]

m[ Wb ] F[ N ]

・H1 [ A / m ]

+m1 [ Wb ] -m2 [ Wb ]・H2 [ A / m ]

・H [ A / m ]P

S N S NS N S N

チェックポイント<磁気に関するクーロンの法則> 二つの磁極間に働く磁力の大きさF[N]は,両磁極の強さ m1,m2[Wb]の積に比例し,両磁極間の距離r[m]の2乗に反比例する。   F = 1 ・ m1m2 =  1  ・ m1m2 ,F = 6.33 × 104 × m1m2[N]    4πμ   r2     4πμoμr   r2                      r2

   μ=μ0μr           (真空中でμr=1の場合)

m1,m2:磁極の強さ[Wb]   r:両磁極間の距離[m]  μ0:真空中の透磁率[H/m]  (μ0:4 π× 10−7[H/m])  μr:比透磁率   μ:透磁率[H/m]

<磁気による磁界の強さ>⑴ 磁極による磁界の強さ  m[Wb]の大きさをもつ磁極からr[m]離れた点Pにおける磁界の強さH[A/m]は次式のようになる。  (真空中でμr=1の場合)   H =  1 ・ m = 6.33 × 104 × m [A/m]     4πμ  r2              r2 

⑵ 磁界中の磁極に働く力 F[N]  磁界の強さH[A/m]の磁界中に,m[Wb]の磁極を置くと,これに作用する力F[N]は次式のようになる。    F=mH[N]⑶ 二つ以上の磁極による磁界の強さ   二つ以上の磁極によって,ある点Pにつくられる磁界Hは,そ れらの磁極による磁界H1,H2をベクトル的に合成したもの である。    H

= H・

1 + H・

2

《 基 本 問 題 》1 磁極の強さがそれぞれ 2 × 10−4 Wbと 8 × 10−4Wb の二つの点磁極が真空中に 4cm の距離を離して置

かれている。この両磁極間に働く力の大きさF[N]を求めよう。

                          (答)F =  

Page 2: 磁力と磁界 - yatsuume.jpyatsuume.jp/pdf/electrical.pdf二つの磁極間に働く磁力の大きさF[N]は,両磁極の強さm1,m2[Wb]の積に比例し,両磁 極間の距離r[m]の2乗に反比例する。

− 25 −− 25 −

電流が作る磁界

電流の流れる向きを右ねじの進む向きとすると,右ねじを回す向きが磁界の向きとなる。

チェックポイント<電流による磁界の強さ>⑴ アンペアの右ネジの法則 電流が流れているとその周囲に電流を中心とする同心円状に磁界が発生する。

⑵ ビオ・サバールの法則  任意の形の導線に I[A]の電流を流したとき,この導線の微 小部分Δℓ[m] によって,O 点から r[m]離れた P 点に生ずる磁界の強さΔH[A/m]は次式のようになる。

  Δ H = IΔℓ sinθ[A/m]     4πr2

 θ:Δℓの O 点の接線と OP のなす角度 磁界の向きはアンペアの右ネジの法則による。 ⑶ アンペアの周回路の法則 電流の流れている導体をとり囲み,磁界の強さの等しい閉じた経路を一回りすれば,電流によってできた磁界の強さ H[A/m]とその電流I[A]との間には次式が成立する。

   Hℓ= I[A]⑷ 無限長直線導体から r[m]離れた点の磁界の強さH[A/m]

  H = I  [A/m]     2πr⑸ 巻数N回の円形コイルの中心の磁界の強さH[A/m]

  H = NI [A/m]     2r⑹ 無限長コイルの内部の磁界の強さ[A/m]

  H = NOI[A/m]   NO:1[m]あたりの巻き数

⑺ 環状コイルの内部の磁界の強さH[A/m]

  H = NI = NI [A/m]     2πr  ℓ

N:コイルの巻数r:磁路の平均半径[m] ℓ:平均磁路の長さ[m]

r[ m ]

H [ A / m ]

ΔH [ A /m ]

Ⅰ [A]

Ⅰ[A]

H [ A / m ]

r[m ]

ℓ[ m ]

N[ 回 ]

θ

O r[m ]

PΔ ℓ [ m ]

I [A ]

r[ m ]

H [ A / m ]

Ⅰ [A]

H [A/m]

H [A/m]I [A]

I [A]

H [A/m]

H [A/m]

H [A/m]

I [A]

I [A] r [m]

N [回]

ℓ[m]

I [A]

r [m]

N0 [回 /m]

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− 27 −− 27 −

Ⅰ[A ]

N[ 回 ] A[ m2 ]

H [ A / m ][ℓ m]

H [ A / m ]

B [T ]

鋼鉄

軟鉄

Br

Hc Hm

Bm

H [ A / m ]

B [T ]

並列の場合

磁気抵抗Rm1 [ H-1]

磁気抵抗Rm2 [ H-1] 磁気抵抗

Rm3 [ H-1]

直列の場合

磁気抵抗Rm1 [ H-1]

磁気抵抗Rm2 [ H-1]

エアギャップ

磁気回路

チェックポイント<磁束と磁束密度>⑴ m[Wb]の磁極からはこの周りの物質に関係なく,m[Wb]の仮想的な線が出ているものとし, これを磁束という。磁束を表す量記号にΦを,単位記号に[Wb]を用いる。⑵ 磁束密度  磁界と直角な平面A[m2]を通る磁束がΦ[Wb]であるとき磁束密度B[T]は(単位T:テスラ)

   B = Φ [T]      A⑶ 磁界の強さH[A/m]と磁束密度B[T]の関係は

   B =μ H =μ0μrH[T]  μ0:真空中の透磁率 μr:比透磁率

<磁束と磁気回路>⑴ 起磁力 Fm          → 電気回路(起電力 E)

   Fm = NI = Rm Φ[A]⑵ 磁気抵抗 Rm        → 電気回路(電気抵抗 R)

   Rm = ℓ  [H−1]      μA⑶ 磁 束 Φ      → 電気回路(電流 I)

   Φ= Fm = NI =μANI[Wb]      Rm   Rm   ℓ⑷ 磁束密度 B   1m2 あたりの磁束

   B =μH[T]   B = Φ =μAI[T]     A   ℓ

⑸ 磁気回路の直並列計算 直列合成磁気抵抗 Rm = Rm1 + Rm2

 並列合成磁気抵抗  Rm = Rm1 + Rm2 × Rm3

                           Rm2 + Rm3

<磁化曲線とヒステリシスループ>⑴ 磁化曲線(B−H曲線) 強磁性体(鉄やニッケル)を磁化したときの磁化力(磁界) Hと磁性体中の磁束密度Bの関係を表す曲線を磁化曲線またはB−H曲線という。磁化力Hの増加に対して磁束密度Bは飽和するので磁気飽和曲線ともいう。⑵ ヒステリシスループ(ヒステリシス曲線) 磁性体を磁化する場合,磁化力Hを増加させたときと減少させたときは,同じ磁化力Hに対する磁束密度Bの値が異なり,この様子を表したものをヒステリシスループという。残留磁気 Br および保持力 Hc は,この曲線の特徴を決定する要素である。また,鉄心の磁化力Hの方向を周期的に変化させると,鉄心中に熱を生じる。この損失をヒステリシス損と呼び,ヒステリシスループの面積に比例する。

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− 31 −− 31 −

2 下図の導線またはコイルに電流を流したとき⑴~⑶へは a 点の磁界の向きを,⑷~⑹へは導体に働く力の向きを図中に記入しよう。

⑴              ⑵                ⑶

⑷               ⑸             ⑹

3 磁束密度 0.8 Tの磁界中に,長さ 30cm の電線を磁界と直角に置き,これに 5A の電流を流した。電線に働く電磁力F[N]を求めよう。

                          (答) F =           

4 磁束密度 1 Tの平等磁界中に長さ 10cm の電線を磁界の向きに対して 30°の位置に置き,これに 5 Aの電流を流した。電線に働く電磁力F[N]を求めよう。また,電磁力が最大になる角度θを求めよう。

                          (答) F =                                     (答)θ=     

5 空気中で10cmの間隔をもたせた2本の平行な電線に,それぞれ5Aの電流を逆向きになるように流した。この電線 1 mあたりに働く力の大きさF[N]と方向を求めよう。

                        (答)F =       方向  

6 下図のような巻数 20 回,a=5cm,b=6cm の方形コイルを磁束密度 0.8 Tの平等磁界中に置き,3 Aの電流を流した。コイルが磁界と 30°の角度をなすとき,コイルに働くトルクT[N・m]を求めよう。

                          (答) T =     

《 応 用 問 題 》1 磁束密度が 0.4T の平等磁界内に,長さ 20cm の直線導体を磁界の方向と 60°の角度に置くと,0.12 Nの

電磁力が生じた。このとき導体に流れている電流 I[A]を求めよう。

                          (答) I =

a aⅠ[ A]

a

6cm

5 cm

X

X 3 A

θ

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− 32 −

2 平行な 2 本の導線が 9cm 離して置かれている。この平行導線に同じ大きさの電流を流したとき,導線1 m毎に 4 × 10−3 Nの力を生じた。流した電流の大きさI[A]を求めよう。

                          (答) I =           

3 下図のように 2 本の長い電線を空気中で 3cm 離して平行に置いたとき,次の各問に答えよう。⑴ 電線Aに 0.4 Aの電流を流したとき,電線Bに生じる磁界の強さ HB[A/m]を求めよう。

            

                          (答)HB =        

⑵ 電線Bに 0.8A の電流を流した。電線Aに生じる磁界の強さ HA[A/m]を求めよう。

                          (答)HA =        

⑶ 電線A,Bに 0.8A,0.4A の電流をそれぞれ同じ向きに流した場合,電線 1m 毎に働く電磁力F[N] を求め図示しよう。

                     

                          (答) F=         

4 図(a)のような形状の 10 回巻きのコイルを,図(b)のように磁束密度 2T の平等磁界中に置いたとき,次の各問に答えよう。

                  ⑴ AB間に働く力の大きさF[N]を求めよう。

                                                

                          (答)F=         

                  ⑵ 図(b)の状態でコイルに働くトルクT[N・m]を求めよう。

                          (答)T=          

⑶ 図(b)に示す電流を流したとき,コイルの回転方向を記入しよう。

3cm

ⅠBⅠA

A B

3cm

ⅠBⅠA

A B

(a)

(b)

5cm

10cm I=2A

A

B C

D

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− 33 −− 33 −

電磁誘導

チェックポイント

力 F[ N]

電流Ⅰ[A

Ⅰ [ A]

N [ 回 ]

L [ H]

e2 [V]

A [ m2 ]

N1 [ 回 ]

Ⅰ [A]

N2 [ 回 ]

M [ H]

コイルSコイルP

磁界 H[A/m ]

]

遠ざける 近づける

抵抗負荷 e [ V ]

 [ Wb]

 [ Wb]

 [ Wb]

<電磁誘導>⑴ 電磁誘導の方向 ア レンツの法則

 誘導起電力は,コイルに生じる磁束の変化を妨げるような向きに発生する。

 イ フレミングの右手の法則 右手の親指,人さし指,中指を互いに直角になるように開き,人さし指を磁界の向きに,親指を導線の運動の向きに向けると,中指の指す向きに誘導起電力が生じる。

⑵ 誘導起電力の大きさと方向 電磁誘導によって生じる起電力は,もとの磁束の変化を妨げるような向きに生じるため,右ねじの法則に従う向きを正(+)としたとき,誘導起電力 e が磁束の変化を妨げる向き,すなわち負(−)の向きに生じることを表している。 ア 磁束の変化による起電力

 コイルを貫く磁束が,Δt秒間にΔΦ[Wb]変化したときの誘導起電力e[Ⅴ]は              N:コイルの巻数

  e =− N ΔΦ [V]  ΔΦ:磁束[Wb]     Δ t    Δt:時間[s] 

 イ 導体の運動による起電力              B:磁束密度[T]  e = Bℓvsinθ[V] ℓ:導体の長さ[m]              v:導体の速度[m/s]              θ:磁界の向きと導体の運                動する向きとのなす角度 ⑶ 自己誘導起電力の大きさ コイルに流れる電流I[A]が変化すると,このコイル自身と鎖交する磁束が増減する。このときコイルの磁束の増減を妨げる大きさの誘導起電力を生じる。

             L:自己インダクタンス[H]

  e =− L Δ I [V]  ΔI:電流[A]     Δ t    Δ t:時間[s] 

⑷ 相互誘導起電力の大きさ コイルP(一次コイル)に流れる電流を変化させるとコイルS(二次コイル)を貫く磁束が増減し,コイルSに誘導起電力が生じる現象。

              M:相互インダクタンス[H]

  e2 =− M Δ I [V] Δ I:1 次コイルの電流[A]     Δ t   Δ t:時間[s] 

(e2 はコイルSに生じる)

誘導起電力による磁束

誘導起電力

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− 34 −

チェックポイント<インダクタンス>⑴ 自己インダクタンス L[H]は,コイルの形状・大小・巻数および媒質の透磁率などにより決ま

るコイル固有の値である。  L = N Φ [H]      I ア 環状コイルの自己インダクタンス

  L = NΦ= μAN2 [H]     I   ℓ

 イ 円筒形コイルの自己インダクタンス

  L = NΦ=μAN2 [H]     I   ℓ

⑵ 相互インダクタンス

  M =N2Φ1= N1Φ2=μAN1N2 [H]      I1   I2   ℓ  L1 = N1Φ1 [H]      I1

  L2 = N2Φ2 [H]      I2

⑶ 自己インダクタンス( L1 L2 )と相互インダクタンス(M)との関係

  M = k √L1L2 [H]  k:結合係数

⑷ 合成インダクタンス ア 和動接続  L = L1 + L2 + 2M イ 差動接続  L = L1 + L2 − 2M

<電磁エネルギー>⑴ 自己インダクタンスに蓄えられるエネルギー

  W = 1 LI2 [J]     2⑵ 磁界内に蓄えられるエネルギー

  W = 1 BHℓA [J]     2  また,磁界内の 1[m3]あたりに蓄えられるエネルギー

  W = 1 BH2 [J/m3]     2

Φ[ Wb]

ℓ[ m ]

N[ 回 ]

A [ m2 ]

A [ m2]

N1 [回 ]

Ⅰ1[ A]

N2[回 ]

M [H]

Ⅰ2 [A]

2 [Wb]

L1 L2

ℓ[ m ][Wb]

Φ

Φ

N:コイルの巻数Φ:磁束[Wb] I:電流[A]

μ:透磁率[H/m]Φ:磁束[Wb]ℓ:導体の長さ[m]N:コイルの巻数A:環状鉄心(媒質)の断面積[m2]

μ:透磁率[H/m]Φ:磁束[Wb]ℓ:導体の長さ[m]N:コイルの巻数A:環状鉄心(媒質)の断面積[m2]

μ:透磁率[H/m]N1:一次コイルの巻数N2:二次コイルの巻数ℓ:導体の長さ[m]A:環状鉄心(媒質)の断面積[m2]

和動接続 差動接続

ℓ[m]

N[回] I [A]

I [A]

P S SP

I [A]

A[m2]Φ[Wb]

L1L1 L2

L2

M M

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− 76 −

三相交流回路

チェックポイント<三相交流について>

 下図に示すように 23 π(120°)ずつ位相差がある交流を三相交流という。回転磁界をつくるのに適

している。

<△結線・Y 結線>△結線:線電流は相電流の√3 倍で,        Y結線:線間電圧は相電圧の√3 倍で,

    位相差は π6 (30°)である。         位相差は

π6 (30°)である。

相電圧  Ea = Vab 線間電圧     相電圧 3 Ea = Vab 線間電圧相電流   3 Iab = Ia  線電流      相電流  Ia’ = Ia   線電流

<三相電力>P =√3VIcosθ [W]  I:線電流  V:線間電圧  cosθ:力率

瞬時式

va = Vm sin ωt       [V]

vb = Vm sin(ωt− 23 π)[V]

vc = Vm sin(ωt− 43 π)[V]

(実効値)V = Vm

2 [V]

 極座標表示にすると

V・

a = V ∠0 [V]

V・

b = V ∠−2π [V]      3

V・

c = V ∠−4π [V]      3

2 π3 Va

Vc

Vb

2 π3

2 π3

EaEa

EbEb

Ec

Ec

IaIa

Ib Ib

Ic Ic

Ic Ia

Ib

Vab Vca

Vba

I'a

Iab

Ic

Ib

-Ic IaEb

Ec -Vb Vab

Ea

Vab =Va -VbIa=Iab -Ica

VabVca

Vba

2π3

2 π3

2π3

π6

π6

2 π3

a b

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− 77 −− 77 −

チェックポイント<△− Y 変換> △結線をした平衡負荷を等価の Y 結線に置き換えると,各相の負荷は,△結線時の  になる。

《 基 本 問 題 》1 図の三相回路(△−△結線)の,線間電圧 Vab [V],線電流 Ia[A]を求めよう。 ただし,Ea = Eb = Ec = 100V,Z= 10Ωとする。

 (答)Vab =       Ia =       

2 下図の三相回路(Y−Y結線)の線間電圧 Vab[V],線電流 Ia[A]を求めよう。 ただし Ea = Eb = Ec = 100V,Z= 10Ωとする。

(答)Vab =       Ia =       

3 下図の Y 結線を等価の△結線に置き換えるとき,各相の抵抗 Zd[Ω]の値を求めよう。

(答)Zd =       

4 下図の△結線を等価の Y 結線に置き換えるとき,各相の抵抗 ZY[Ω]の値を求めよう。

(答)ZY =       

Z Z・ ・

Z・

Z3

Z3

Z ZVab

Z

Ia Ia

Ib

Ea

Eb

Ec Ic b

ZZ

Ea

EbEc

Ia Va

Vab

10Ω            Zd Zd

10Ω 10Ω         Zd

30Ω 30Ω           ZY

30Ω            ZY ZY

13

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− 79 −− 79 −

⑵ 相電流 I’a[A]を求めよう。

(答)I’a =       ⑶ 全消費電力 P[W]を求めよう。

(答)P =       2 下図の三相回路について各問に答えよう。 ただし,Ea = Eb = Ec = 100V,R = 12 Ω,X L= 16 Ωとする。⑴ 負荷のインピーダンスの大きさ Z[Ω]と,力率 cos θ[%]を求めよう。

(答)Z =     力率=     ⑵ 線間電圧 Vab[V]を求めよう。

(答)Vab =       ⑶ 相電流 Iab[A]を求めよう。

(答)Iab =       ⑷ 線電流 Ia[A]を求めよう。

(答)Ia =       ⑸ 全消費電力 P[W]を求めよう。

(答)P =       3 △結線したときの線電流 I’a は,同じ負荷を Y 結線したときの線電流 Ia の何倍流れるかを求めよう。

(答)         

R XLVab

XLR XL

R

Ea

EbEc

Ibc

Ica

Ia

ba

Ia Ia’

ZZ Z

Z ZZ

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− 106 −

IC+ic

IB+ib

icib

hie hfeib

Vi ViVo

EBEC

RLRL

IB=40μAIB=35μAIB=30μAIB=25μAIB=20μAIB=15μAIB=10μAIB= 5μA

トランジスタの特性と増幅回路

チェックポイント<静特性>                          

     

<h定数>

入力インピーダンス:hie =Δ VBE [Ω]  電圧帰還率:hre =Δ VBE               Δ IB               Δ VCE

電流増幅率:hfe =Δ IC  出力アドミタンス:hoe = Δ Ic [S]          Δ IB                Δ VCE

<h定数による等価回路>

<増幅度と利得>

電圧増幅度:AV = VO      電圧利得:GV = 20・log10 AV[dB]          Vi

電流増幅度:AI = IO       電流利得:GI = 20・log10 AI[dB]          Ii

電力増幅度:AP = AVAI     電力利得:GP = 10・log10AP[dB]

電流伝達特性(IB − IC 特性) 出力特性(VCE − IC 特性)

入力特性(VBE − IB 特性)

IB[μA]

IB[μ

A]

I C[m

A]

I C[m

A]

VBE[V]

VCE[V]

IC

IBVCE

VBE B E

C

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− 107 −− 107 −

チェックポイント<バイアス回路>  2電源方式       固定バイアス     自己バイアス     電流帰還バイアス

《 基 本 問 題 》1 次の文の( )に適語を記入しよう。⑴ トランジスタには3つの端子があり,その内の一つを入出力の共通端子にして,他の2端子を入力と出

力にする。一般に使われるのは,(①      )接地であり,この回路は,(②      )が入力で,(③     )が出力となる。入力と出力の信号の位相は(④     )し,増幅度は,(⑤     )。

⑵ トランジスタは,(⑥     )電圧をかけることで動作し,(⑦     )信号を(⑧     )する。直流電圧・電流に関する特性を(⑨     )特性と呼び,この特性の中で(⑩     )特性,

(⑪     )特性,(⑫      )特性がよく使われる。この特性曲線の傾きを(⑬      )定数といい,hfe を(⑭     ),hie を(⑮      ),hoe を(⑯      ),hre を(⑰     )という。

⑶ 増幅度とは,(⑱     )信号を(⑲     )信号で割った値をいい,(⑳     )増幅度, (㉑     )増幅度,(㉒     )増幅度の3種類がある。対数表示をした利得でも表し,単位に

は(㉓     )を用いる。

《 応 用 問 題 》1 下図の回路の入力,出力の電圧,電流が次の値のときの電圧,電流,電力の増幅率,利得を求めよう。                  vi = 10mV,vo = 1V, = 0.5mA, = 20mA

 (答)AV =           AI =           AP =          (答)GV =           GI =           GP =         

2 トランジスタの IB − VBE 特性と IC − IB 特性を調べたら下表のようになった。 hie と hfe の値を求めよう。

 (答)hie =           hfe =         

IB[μA] 20 40

VBE[V] 0.7 0.9

IC[mA] 4 8

IB[μA] 20 40

R2 R2 R2

R3 RE

R1R1

EB

R1 R1

ECEC EC EC

vi

voRL

ECEB

Io

Ii

IoIi

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− 145 −− 145 −

《 応 用 問 題 》1 次の文に適する規格,形式を答えよう。⑴ Windows 標準の動画を扱う形式。 (        )⑵ ISOなどの合同組織により標準化された動画の圧縮技術で音を圧縮したもの。(       )⑶ Windows 標準の画像を扱う形式。 (        )⑷ ISOなどの合同組織により標準化された静止画の圧縮技術。 (        )⑸ DVDビデオに採用されている規格。 (        )⑹ インターネットによく使用されている画像の形式でアニメーション化もできる。 (        )⑺ 高密度,非圧縮で異機種間での交換が出来,データ量は大きい。 (        )⑻ 電子音源を持った装置に用いられるファイル形式で,データ量は極めて小さい。 (        )⑼ 携帯電話やアナログ回線などの低速な回線で利用するための動画圧縮方式。 (        )⑽ ライセンスフリーでGIFより圧縮率が高い静止画像のファイル形式。 (        )

2 2枚の画像を 240 × 120 ドット,256 色,JPEGで 10 分の1に圧縮してアナログ回線で伝送した場合の時間を計算しよう。ただし,33.6k ビット/秒で,1k=1024 で計算し,回線利用率は 100%とする。

                                (答)t=         [秒] 3 WWWブラウザで 24bit カラーの写真データを 100 枚掲載しようとした場合,ネットワークの負荷を小

さくするための静止画像形式は何がよいか解答群より選ぼう。  解答群   a.BMP    b.TIFF   c.GIF   d.JPEG   

4 インターネットで電子メールを送る場合,文字化けの可能性がある文字は次のうちどれか解答群より選ぼう。

  解答群   a.αβ    b.☆◇   c.①②   d.÷×   e.『』   

5 電子商取引において取引当事者から独立した認証局(CA)が作成するものを解答群より選ぼう。  解答群   a.取引当事者のパスワード    b.取引当事者の公開鍵      c.取引当事者の電子証明書    d.取引当事者の秘密鍵 

6 インターネットを利用した企業間取引において取引データをそのまま社内文書や起票に変換することが容易に出来るマークアップ言語はどれか解答群より選ぼう。

  解答群   a.HTML    b.SGML   c.UML   d.XML  

7 データの伝送における暗号化技術に関する記述において適切なものを解答群より選ぼう。  解答群   a.暗号化および復号する際の鍵の方式として,主に「公開鍵方式」と「比較鍵方式」を使用する。   b.データを暗号化して伝送することで情報の漏えいおよびデータの破損を防止できる。   c.電子決済などのユーザ認証に使用される電子署名は「公開鍵方式」を使用した暗号技術が使用     される。   d.不特定多数の相手とデータ交換するときに適しているのは「共通鍵方式」を使用した暗号化である。

【調べよう。k(キロ)、M(メガ)の代わりに ki(キビ)、Mit(メビ)が使用されることがある。】

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− 150 −

《 応 用 問 題 》1 次のプログラムは,素数を小さい順に prm[0] から prm[5] まで 6 個求めるものである。素数は,先に

見つかった素数では割りきれないので,割り切れなかったものを新たに素数として prm[ ] に登録するようにしている。ラベル toi で,x,j,k,prm[j] の値はどのようになるかトレースした。トレース表を完成させよう。

#include <stdio.h>#define N 6

int main(void){ int i,j,k,x,prm[N]; prm[0] = 2; x = 1; k = 1; while (k < N){    x = x + 2 ; j = 0;    while (j < k && x % prm[j] != 0){toi: j++; } if (j == k)prm[k++] = x;

   }    printf("¥n 素数一覧 ");    for(j = 0; j < N; j++)    printf("%3d", prm[j]);

   return 0;  }

回 x j k prm[j] 回 x j k prm[j]

1 3 0 1 2 9 11 1 4 3

2 5 0 2 2 10 11 2 4 5

3 5 1 2 3 11

4 7 0 3 2 12

5 7 1 3 3 13 13 1 5 3

6 7 2 3 5 14 13 2 5 5

7 15 13 3 5 7

8 16

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− 152 −

2 次のプログラムは,4 人の苗字と名前を別々に入力させ,続けて「苗字 名前」と表示するものである。入力の方法は,最初に 4 人の苗字のみを入力し,その後名前を入力する。また,4 人の苗字,名前の文字数は,最大で全角 10 文字とする。空欄に適切なものを記入しよう。

#include <stdio.h>#include <string.h>

int main(void){   char name  ①  ;   char myouji  ②  ;   int i;

   printf(" 名字 ¥n");   for (i = 0; i<4; i++){     printf("%d 人目 :", i+1);      scanf("  ③  ",myouji[i]);      if(strlen(myouji[i]) > =   ④  ){         printf("¥n 長すぎます。再入力してください。¥n");         i--;      }   }

   printf(" 名前 ¥n");   for(i=0; i<4; i++) {     printf("%d 人目 :", i+1);      scanf("  ⑤  %s",name[i]);      if(strlen(name[i])> =  ⑥  ){         printf("¥n 長すぎます。再入力してください。¥n");         i--;

      }   }

   printf("¥n");

   for(i = 0; i<4; i++){     printf("  ⑦  ¥n", myouji[i], name[i]);   }

   return 0;

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− 10 −

解答磁力と磁界− 基本問題(P.23 ~ 24)−

1.F= 6.33 × 104 × m 1 m 2

r 2

   = 6.33 × 104 × 2 × 10−4 × 8 × 10−4

0.042

   = 6.33[N](答)F = 6.33[N]

2.H= 6.33 × 104 × mr 2

   = 6.33 × 104 × 5 × 10−5

0.42 = 19.8[A/m]

(答)H = 19.8[A/m]3.F= mH = 2 × 10−3 × 100 = 0.2[N]

(答)F = 0.2[N]− 応用問題(P.24)−1.F= 6.33 × 104 × m 1 m 2

r 2

   = 6.33 × 104 × 5 × 10−5 × 8 × 10−5

0.022

   = 0.633[N](答)F = 0.633[N]  異極同士なので吸引力

2.H= 6.33 × 104 ×mr 2  より

  m = 15.8 × 0.22

6.33 × 104 = 9.98 × 10−6[Wb]

(答)m = 9.98 × 10−6[Wb]

3.F= 6.33 × 104 ×m 1 m 2

r 2  より

  r = 6.33×104×4×10−3×4×10−3

3 = 0.581

(答)r = 0.581[m]

4.H1 = 6.33 × 104 × 4 × 10−5

0.12 = 253.2[A/m]

H2 = 6.33 × 104 × −8 × 10−5

0.22

  =− 126.6[A/m]H= 253.2 − 126.6 =− 126.6[A/m]

(答)H = 126.6[A/m] 右方向

5.H= 6.33 × 104 × mμr r 2

   = 6.33 × 104 × 8 × 10−5

3 × 0.042 = 1055[A/m]

(答)H = 1055[A/m]

電流が作る磁界− 基本問題(P.26)−1.(1)① 2πr ②I/ 2πr

(2)③H= I2πr = 6.28

2π× 0.1= 9.99[A/m]

2.H=N I2 r = 100 × 0.1

2 × 0.1 = 50[A/m]

(答)H = 50[A/m]

3.H= N 0 I = 1000 × 0.5 = 500[A/m](答)H = 500[A/m]

4.H= N I2πr = 120 × 2

2 ×π× 0.1= 382[A/m]

(答)H = 382[A/m]

− 応用問題(P.26)−

1.H= I2πr  より

  I = H × 2πr = 8 × 2 ×π× 0.2 = 10.1[A](答)I = 10.1[A]

2.H= N I2πr  より

  I = 250 × 2π× 0.2100 = 3.14[A]

(答)I = 3.14[A]磁気回路− 基本問題(P.28)−1.Fm=NI= 200 × 2 = 400[A]

(答)Fm = 400[A]

2.Rm= ℓμA = 0.2

4π× 10−7 × 1000 × 4 × 10−4

   = 3.98 × 105[H−1]  (答)Rm= 3.98 × 105[H−1]

3.Φ= N IR m

= 500 × 48 × 105 = 2.5 × 10−3[Wb]

(答)Φ= 2.5 × 10−3[Wb]

4.B=μH=μ0μrH= 4π× 10−7 × 1200 × 100   = 0.151[T]

(答)B = 0.151[T]

5.①H  ②B  ③ヒステリシス  ④Br⑤磁束密度  ⑥残留磁気  ⑦Hc ⑧磁化力   ⑨残留磁気  ⑩保持力⑪永久磁石  ⑫磁心材料

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− 11 −− 11 −

6.(1) Rm= ℓ1

μA + ℓ2

μA

      = 0.34π×10−7×1000×5×10−4

      + 4 × 10−3

4π×10−7×5×10−4

      = 6.84×106[H−1] (答)Rm= 6.84 × 106[H−1]

(2) Φ= N IR m

= 64006.84 × 106

    = 9.36 × 10−4[Wb](答)Φ= 9.36 × 10−4[Wb]

電磁力− 基本問題(P.30 ~ 31)−1.①電磁力 ②左手 ③直角 ④電磁力 ⑤磁界  ⑥電流2.

(1)        (2)

(3)        (4)

(5)        (6)

3.F= BℓI = 0.8 × 0.3 × 5 = 1.2[N](答)F= 1.2[N]

4.F= BℓI sinθ= 1 × 0.1 × 5 × sin30°   = 0.25[N]

(答)F= 0.25[N]F= BℓI sinθが最大のとき  sinθ= 1 → θ= 90°

(答)θ= 90°5.F= 2I 1 I 2

r × 10−7

   = 2 ×5× 50.1 × 10−7 = 5 × 10−5[N]

(答)F= 5 × 10−5[N]方向 反発力6.T= BℓI a N cosθ= 0.8 × 0.06 × 3 × 0.05 × 20 × cos30°= 0.125[Nm]

(答)T= 0.125[Nm]

− 応用問題(P.28 ~ 29)−1.Fm=NI より  I= F

N = 300500 = 0.6[A]

(答)I= 0.6[A]2.Φ= N I

R m より

  N =4 × 10−3 × 6.5 × 105

22.4 = 116[回]

(答)N = 116[回]3.Rm= ℓ

μA  より

  μ= ℓR m A = 0.3

6 × 105 × 5 × 10−4

   = 1.0 × 10−3[H/m] μ=μ0μr  より

μr = μμ0

= 1.0 × 10−3

4π× 10−7 = 796

(答)μ= 1.0 × 10−3[H/m]  μr = 796

4.B=μH よりμ= B

H = 1.5250 = 6.0 × 10−3 [H/m]

μr = μμ0

= 6.0 × 10−3

4π× 10−7 = 4775

(答)μ= 6.0 × 10−3  μr = 4775

5.(1) Rm= ℓμA = ℓ

μ0μrA

      = 0.34π× 10−7 × 800 × 3 × 10−4

      = 9.95 × 105[H−1] (答)Rm= 9.95 × 105[H−1]

(2) Fm=NI= 1000 × 0.5 = 500[A](答)Fm = 500[A]

(3) Φ= N IR m

= 0.5 × 10009.55 × 105

    = 5.24 × 10−4[Wb](答)Φ= 5.24 × 10−4[Wb]

(4) B = ΦA = 5.24 × 10−4

3 × 10−4 = 1.75[T]

(答)B = 1.75[T]

(5) H = N Iℓ = 500

0.3 = 1667[A/m]

(答)H = 1667[A/m]

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− 13 −− 13 −

5.(1) 題意より2本の電線には同じ電流Iが流れているので

F= 2I 1 I 2

r × 10−7 = 2I 2

r × 10−7 より

I2 = Fr2 × 10−7 = 3 × 10−2 × 0.1

2 × 10−7 = 15000

I= 15000 = 122.5[A](答)I= 122.5[A]

(2) H= I2πr = 122.5

2π× 0.05 = 390[A/m]

2本の導線には逆方向に電流が流れているので、中央のP点においては磁界は合成されるため2倍の磁界となるHP = 390 × 2 = 780[A/m]

(答)HP = 780[A/m]

(3) 逆方向の電流のため  反発力

6.(1) H = N Iℓ =200 × 40 × 10−3

0.4 = 20[A/m]

(答)H = 20[A/m]

(2) Φ= μ0μr ANIℓ

= 4π×10−7×3000×8×10−4×200×40×10−3

0.4= 6.03 × 10−5[Wb]

(答)Φ= 6.03 × 10−5[Wb]

(3) L= NΦI = 200×6.03×10−5

40 × 10−3 = 0.302[H]

(答)L= 0.302[H]7.T= B I a b N cosθ   = 0.8 × 5 × 0.4 × 0.2 × 40 × cos30°   = 11.1[Nm]

(答)T= 11.1[Nm]8.(1) ア

(答)A → Bイ e= Bℓv = 0.4 × 0.5 × 10 = 2[V]

(答)e= 2[V]

12.W= 12 LI2 = 1

2 × 0.25 × 22 = 0.5[J]

(答)W = 0.5[J]

− 応用問題(P.37 ~ 39)−

1.e= N ΔΦΔt = 50 ×(1.0 − 0.2)× 0.6

0.4 = 60[V]

(答)e= 60[V]

2.(1) e= L ΔIΔt = 40 × 10−3 × 7

2 = 0.14[V]

(答)eAB = 0.14[V]

(2) 電流の変化がないのでe= 0[V]

(答)eBC = 0[V]

(3) e= L ΔIΔt = 40 × 10−3 × −7

3    =− 0.093[V]

AB 間とは逆向き   (答)eCD = 0.08[V]

3.k = ML1 L2

= 0.240.45 × 0.2 = 0.8

(答)k = 0.8[V]

4.磁極からP点までの距離は 0.12 [m]

それぞれの磁極からの磁界の強さを求めると

H= 6.33 × 104 × 2 × 10−3

( 0.12 )2

= 2.53 × 104[A/m]

P点の合成磁界は

H= 2.53 × 104

2 × 2 = 3.58 × 104[A/m]

(答)H = 3.58 × 104[A/m]

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− 23 −− 23 −

3.⑴ Z・

= 3 + j4 [Ω]

⑵ I・

= V・

Z・ = 100

3+j4 = 100(3−j4)(3+j4)(3−j4)

  = 100(3−j4)9+16 = 4(3−j4) = 12−j16[A]

 I = 122+162 = 400 = 20[A]

⑶ VR = 3 × 20 = 60[V]  VL = 4 × 20 = 80[V]  ∴ V

= V・

R + jV・

L = 60 + j80[V]

4.Z・

= 10 + j20

I・

= V・

Z・ =

10010+j20 = 2 − j4[A]

θ= tan−1( −42 )= −63.4[° ]

cos(−63.4°)≒ 0.448  44.8[%]

5.Z・

= 4 − j3V・

= I・

Z・

= (4 − j3) × 5 = 20 − j15V = | V

| = 202+152 = 25[V]

θ= tan−1 ( −1520 )= −36.9[° ]

RLC直列回路− 基本問題(P.67 ~ 68)−1.Z

= 8 + j(12 − 6) = 8 + j6[Ω]V・

=(8 + j6)× 10 = 80 + j60[V]Z = | Z

| = 82+62 = 10[Ω]

θ= tan−1 68 = 36.9[° ]

2.Z・

= R + jωL − j 1ωC

Z・

= 20+j(2π × 50 × 100 × 10−3

          − 12π×50×200×10−6 )

 = 20 + j15.5[Ω]Z = 202+15.52= 25.3[Ω]

3.Z・

= 5 + j(10 − 5) = 5 + j5[Ω]Z = 52+52 = 7.07[Ω]

θ= tan−1 55 = 45[° ]

V・

= 60 + j80[V]

V・

= 100[V]

I・

= 2−j4[A]

4.Z・

= Z・

1 + Z・

2 = (4 + j10)+(3 − j4) = 7 + j6

I・

= V・

Z・ = 100

7+j6 = 8.24 − j7.06

I = 8.242+7.062 = 10.8[A]

θ= tan−1( 7.068.24 ) = −40.6[° ]

5.Z・

= 5 + j ( 2π × 60 × 31.8 × 10−3

            − 12π×60×166×10−6 )

 = 5 − j3.99[Ω]Z = 52+3.992 = 6.40[Ω]

θ= tan−1 −45 = −38.6[° ]

6.Z・

= 3 − j4[Ω]

V・

= I・

Z・

=(3 + j2)×(3 − j4)= 17 − j6[V]V = | V

| = 172+62 = 18.0[V]

θ= tan−1( −617 )= −19.4[° ]

7.⑴ Z・

= 15 + j(20 − 10)= 15 + j10[Ω]

⑵ I・

= V・

Z・ = 100

15+j10 = 4.62 − j3.08[A]

  I = 4.622+3.082 = 5.55[A]

⑶ VR = 15 × 5.55 = 83.3[V]  VL = 20 × 5.55 = 111[V]  VC = 10 × 5.55 = 55.5[V]

⑷θ= tan−1( −3.084.61 )= −33.7[° ]

⑸ cos(−33.7°)= 0.832 83.2[%]⑹ S = V × I = 100 × 5.55 = 555[VA]  P = VR × I = 83.1 × 5.55 = 461[W] Q =(VL − VC)× I=(111 − 55.5)× 5.55  = 308[var]

アドミタンスによる並列回路の計算− 基本問題(P.69 ~ 70)−1.I

= Y・

V・

= (4 + j3) × 20 = 80 + j60[A]I = 802+602 = 100[A]

θ= tan−1( 6080 )= 36.9[° ]

2.Y・

= 120 + 1

j25 = 0.05 − j0.04[S]

I・

= Y・

V・

= (0.05 − j0.04) × 100 = 5 − j4[A]I = 52+42 = 6.40[A]

θ= tan−1( −0.040.05 )= −38.7[° ]

cosθ= cos(−38.7°)= 0.780 78.0[%]

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− 34 −

4 電子技術半導体の基礎

− 基本問題(P.105)−1.(1)①n ②電子 ③p ④正孔

(2)⑤流れ ⑥順 ⑦流れない ⑧逆 ⑨整流⑩検波

(3)⑪逆 ⑫ツェナー降状 ⑬一定(4)⑭順(5)⑮2 ⑯npn ⑰pnp ⑱増幅

⑲スイッチング(6)⑳接合 ㉑MOS ㉒ドレーン ㉓ソース

㉔チャネル ㉕エンハンスメント㉖デプレション ㉗入力インピーダンス

トランジスタの特性と増幅回路− 基本問題(P.107)−

1.(1)①エミッタ ②ベース ③コレクタ ④反転 ⑤大きい

(2)⑥直流 ⑦交流 ⑧増幅 ⑨静 ⑩入力⑪電流伝達 ⑫出力 ⑬h ⑭電流増幅率⑮入力インピーダンス⑯出力アドミタンス ⑰電圧帰還率

(3)⑱出力 ⑲入力 ⑳電圧 ㉑電流㉒電力 ㉓dB

− 応用問題(P.107 ~ 109 )−

1.AV = Vo

Vi= 1

10 × 10−3 = 100

AI = Io

Ii= 20 × 10−3

0.5 × 10−3 = 40

AP = AVAI = 100 × 40 = 4000GV = 20 × log10AV

= 20 × log10100 = 40[dB]GI = 20 × log10AI

= 20 × log1040 = 32[dB]GP = 10 × log10AP

= 10 × log104000 = 36[dB](答)AV=100 AI=40 AP=4000 GV=40[dB]

GI=32[dB] GP=36[dB]

2.hi e = ΔVBE

ΔIB

= 0.9 − 0.740×10−6 − 20×10−6

= 10 × 103 = 10[kΩ]

hf e = ΔIC

ΔIB

= 8×10−3 − 4×10−3

40×10−6 − 20×10−6

= 200(答)hi e = 10[kΩ]  hf e = 200

3.(1)IB = 25[μA]  IC = 26[mA]

hFE = IC

IB= 26×10−3

25×10−6 = 1040

(答)IB=25[μA]  IC=26[mA] hFE = 1040(2)IC =4[mA]

hFE = IC

IB= 4×10−3

20×10−6 = 200

(答)IC =4[mA] hFE = 200

4.① hi e = 600[Ω]

② RL = 1hoe

= 140×10−6 = 25[kΩ]

③ ib = vi

hie=0.03

600 = 50[μA]

④ ic = hf e ib = 50 × 5 × 10−5

= 2.5[mA] (答)① 600[Ω]  ② 25[kΩ]  ③ 50[μA]

④ 2.5[mA]

5.(1)

(2)AV = hf eRL

hie= 100 × 6×103

2×103

= 300AI = hf e = 100AP = AVAI = 300 × 100 = 30000Zi = hi e = 2[kΩ]Zo = RL = 6[kΩ](答)AV = 300 AI = 100 AP = 30000

Zi = 2[kΩ] Zo = 6[kΩ]

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− 37 −− 37 −

− 応用問題(P.119 )−1.① 直流負荷線を引く(RDC = 0)

② IC = 150[mA]より動作 P を求める③ 負荷抵抗 RL を求める

RL = n1

n2

2[Ω]= 22 × 10 = 40[Ω]

④ 交流負荷線を引く⑤ 最大出力電力 Pom を求める

  Pom = 12 VCCICP = 1

2 × 150 × 10−3

   = 0.45[W]⑥ 供給されている直流電力  PDC = VCCICP = 6 × 150 × 10−3

   = 0.9[W]⑦ 電源効率を求める

  ηm = Pom

PDC=0.45

0.9 = 0.5

(答)Pom = 0.45[W]η= 50[%]

2. Pom = ICP

2 ・ VCC

2 = ICPVCC

2

  = 150 × 10−3 × 62 = 1.2[W]

PDC = 2π ICPVCC = 2

π × 400 × 10−3 × 6

= 1.53[W]

ηm = Pom

PDC= 1.2

1.53= 0.78

(答)Pom = 1.2[W]ηm = 78[%]

変調回路− 基本問題(P.121)−

1.(1)① 信号波 ② 搬送波 ③ 変調(2)④ 振幅 ⑤ 周波数 ⑥ 位相(3)⑦ 搬送波 ⑧ 最大値 ⑨ 最小値(4)⑩ 変調度 ⑪ 過変調

− 応用問題(P.121)−1.B = 2 × 4.5 = 9

(答) B = 9[kHz]

2.B = 2 ×(80 + 15)= 190(答) B = 190[kHz]

3.m = 15 / 100 × 100 = 15(答) m = 15[%]

4.m =(125 − 75)/(125 + 75)× 100 = 25(答) m = 25[%]

復調回路− 基本問題(P.122)−

1.(1)① 大 ② 小(2)③ 上側 ④ 下側 ⑤ S 字(3)⑥ 周波数 ⑦ 制御

− 応用問題(P.122)−1.

a

b

c

電源回路− 基本問題(P.124)−

1.(1)① 逆 ② 電流 ③ 電圧④ 電流 ⑤ 定電圧(ツエナー)

(2)⑥ 交流 ⑦ 安定 ⑧ 平滑⑨ コンデンサ ⑩ チョーク⑪ 交流

− 応用問題(P.124 ~ 125)−1.巻数比= 100 / 5 = 20 N2 =(5 × 1000)/ 100 = 50

巻数比= 20  N2 = 50

2.δ=(20 − 15)/ 15 × 100 = 33.3

(答)δ= 33.3[%]

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− 43 −− 43 −

マルチメディア技術マルチメディアとインターネット

− 基本問題(P.144)−1.① 緑 ② マゼンタ ③ 黄 ④ シアン

⑤ 加色 ⑥ 256 ⑦ 65536 ⑧ 16777216⑨ High Color ⑩ Full Color ⑪ VGA⑫ SVGA ⑬SXGA ⑭ UXGA

2.①光ファイバ ②FTTH ③回線終端装置④モデム ⑤ADSL ⑥スプリッタ⑦ISDN ⑧TA ⑨DSU※⑧と⑨は逆でも良い

3.(1) SMTP (2) HTML (3) ASP(4) POP 3 (5) EC

− 応用問題(P.145)−1.(1) AVI (2) MP 3 (3) BMP  

(4) JPEG (5) MPEG 2 (6) GIF(7) TIFF (8) MIDI (9) MPEG 4(10) PNG

2.(240 × 120 × 2 × 8)÷(10 × 33.6 × 1024 × 1) = 1.339・・・・      (答) 1.34 秒

3.d4.c5.a6.d7.c

データベース技術− 基本問題(p.146)−

1.(1)①項目(属性) ②レコード ③表(2)④選択 ⑤射影 ⑥結合(3)⑦正規(4)⑧主 ⑨外部(5)⑩集合(6)⑪DBMS(7)⑫完全性 ⑬安全性(8)⑭実体 ⑮関連(9)⑯SQL

          [④⑤⑥、⑫⑬は順不同]

− 応用問題(P.146)−1.(1) (左の表)商品番号、(右の表)仕入先

(2)

(3)

(4)

2.

プログラム− 基本問題(P.147)−

1.①h ②d ③j ④h ⑤n ⑥u ⑦s ⑧n ⑨o

− 応用問題(P.148)−1.①b ②i ③e ④k

資格コード 資格名 報奨金

従業員コード 資格コード 取得年

商品番号 商品名 価格 仕入先 所在地1001 チョコ 380 A社 東京2002 ケーキ 400 B社 名古屋1002 クッキー 120 B社 名古屋2040 あんパン 350 C社 大阪3025 ジュース 190 A社 東京

商品名 価格チョコ 500ケーキ 400

クッキー 120あんパン 350ジュース 190

商品番号 商品名 価格 仕入先1002 クッキー 120 B社3025 ジュース 190 A社