一枚画像からの簡単な3次元復元 と複数形状の高速 …3...

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1 一枚画像からの簡単な3次元復元 と複数形状の高速な統合手法 埼玉大学 工学部 情報システム工学科 准教授 川崎 広島市立大学大学院 情報科学研究科 講師 古川 亮

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Page 1: 一枚画像からの簡単な3次元復元 と複数形状の高速 …3 3次元データ自動作成の手順 1. スキャナーにより計測・画像から復元 2.全体が取れるまで複数回(裏側まで撮る)

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一枚画像からの簡単な3次元復元

と複数形状の高速な統合手法

埼玉大学 工学部 情報システム工学科

准教授 川崎 洋

広島市立大学大学院 情報科学研究科

講師 古川 亮

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研究背景

• 製造現場( 3次元CAD/CAM)

• 地理システム(3次元GIS)• 映画やテレビ・ゲーム・VR(医療)・文化財保存など

•3次元データ製作(供給)が需要に追いつかない状況

→ 3次元データ製作の自動化が強く求められている

3次元データの急激な需要増

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3次元データ自動作成の手順

1. スキャナーにより計測・画像から復元

2.全体が取れるまで複数回(裏側まで撮る)

3.複数の3次元データを位置あわせ

4.一つの形状に統合

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単画像からの形状復元

• 単画像からの形状復元や、手軽に3次元を計測することが求められている

–写真測量

– CG–ゲームなど

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従来技術

• 2枚以上の画像を利用・・・写真測量

• 単画像からの復元・・・消失点や直方体を用いる

• 道具を用いる手法・・・直線物の影を利用

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従来技術の問題点

• 単画像からの復元

–消失点や直方体が必要

–それらの拘束が連結されている必要がある

• 影を利用する方法

–光源の位置が既知である必要がある

–基準となる平面が必要

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発明の内容

• 単画像からの復元

–共面性を用いる手法により、より幅広い条件を利用可能(連結されている必要性がない)

• 影を利用する手法

–光源が既知である必要性がない

その年、国際会議で600超の投稿論文の中からベストペーパーを受賞

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復元例

• 従来手法でも復元できるもの

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復元例

• 従来手法での復元が困難なもの

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影からの復元

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競合製品など

• カナダのShapeQuest(http://www.shapecapture.com/)

• CANOMA(MetaCreations社 )

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利用が見込まれる先

• 測量会社

• CAD関連会社

• 画像処理ソフト開発会社

–フォトショップなどのプラグインなど

• 3次元CGソフト開発会社

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3次元データ自動作成の手順

1. スキャナーにより計測・画像から復元

2. 全体が取れるまで複数回(裏側まで撮る)

3. 複数の3次元データを位置あわせ

4. 一つの形状に統合

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従来技術

• ポリゴンメッシュベースの手法や、ボクセルベースの手法が研究されている

–前者の例:スタンフォード大のzipperなど

• 時間がかかるため現在あまり用いられない

–後者の例:Voxelベースの手法

• スタンフォード大

• 東京大・産総研

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従来技術の問題点

• ポリゴンメッシュベースの手法だと統合がうまくいかないことが多い

• ボクセルベースの統合・穴埋め手法は、3次元空間全体の符号を計算する必要性から、時間のかかる処理

• 高速化する手法も提案されているが、その場合、ボクセルの符号付距離の精度が低くなり、穴埋めの品質が大きく下がる

• サンプリングが少ない場合、穴埋めの精度が低くなる

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発明の内容

• グラフィックカード(以下GPU)によるパラレル処理に適した手法により、符号付距離場による統合・穴埋めを高速化する

• サンプルが少ない場合の欠損部分の穴埋めの品質を、ステレオシステムの特性およびベイズ推定により実現

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統合・穴埋め結果

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統合・穴埋め結果

• SC法 VD法 提案手法

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競合製品など

• ジオマジック

(日本では東京貿易が代理販売)

• ラピッドフォーム(韓国)

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利用が見込まれる先

• 3次元計測ハードウェア製造会社

– コニカミノルタ(Vivid)–独ライカ社(Cyrax)

• 3次元ソフト開発会社

–前述の会社

–国内の計測会社(凸版印刷、大日本印刷、その他デジタルアーカイブ関連など)

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本技術に関する知的財産権

• 発明(その1) :画像処理装置、画像処理方法およびプログラム

– 出願番号 :特許出願2007-196740

– 出願人 :埼玉大学、広島市立大学

– 発明者 :古川亮、川崎洋、森栄晃彦、板野友哉

• 発明(その2) :画像処理装置、画像処理方法およびプログラム

– 出願番号 :特許出願2007-196741

– 出願人 :埼玉大学、広島市立大学

– 発明者 :川崎洋、古川亮

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お問い合わせ先

埼玉大学地域オープンイノベーションセンター

知的財産シニアコーディネーター 角田 敦

TEL 048-858-9106

FAX 048-858-9120

e-mail tiiki@ml.saitama-u.ac.jp