清水町境興行時代の文柴

附'子供首振り芝居の流行

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赦寺境内の興行禁止は､進運のスタートを切らうとしてゐる文楽座にとって､どれほど大打

撃であったか知れない｡横塚地を奪ほれた天保の改革以来､どういふ興行状態を糖けたかとい

ふと､北堀江市之側'若太夫の芝居を借りて､天保--弘化--素永--を経てゐる｡さうし

,小

て安政元年

一月から'

西横堀清水町演の新

埋立地に座を建て～､漸やく自分の家らしいものに

廃

って束たが'もちろん永久的のものでは無かつた｡けれどもその興行ぶりはなかなか壮んな

もので'常に有名な太夫を巧みに招埴して､斯界の党政に立ってゐたことは疑ひを容れな

い｡

かうして此新興布地に約三ケ年間居掘ってゐたが'時代とともにさしも厳酷であった禁令もや

うヤ-弛んで来たのを見てとつた文楽座主棺村翁はもとの稲荷社内

へ複勝を願ひ出たところ､

■

許されて'安政三年九月1再び葡地に櫓を上げることが出水た｡同九日初日｡

『鬼

1法眼三崎

整

F芦屋遺漏大内鑑』櫓下の長登太夫が菊畑'湊太夫が大蔵卿舘'春太夫の葛の菓子別れ'

これは無論大盛況｡文楽座はかうして次第に確賓な地盤を築きながら明治の時代に入って行-｡

さて明治に入るまでに'ちょっと此時代を低梱して見て

(天保より明治まで)おもしろい出

来ごとと'浄瑠璃界の愛車を知って貰ふに必要なことだけを拾って行-ことゝする.

その一つは､南匠清水町演の興行地のことである｡

この演は天保十二年､西横堀州の川幅を狭めて'その東岸を埋立てた新築地ヽ地固めの薦め

に興行物を許されたのであった.上棄権

(四ツ橋)から金屋橋東詰までの演地'南北炭屋町の

部分がそれである.韓瑠璃興行が始めて此土地で行はれ/たと思はれるのは宮芝居禁止から程を

く､弘化二年二月'その頃の番附によると､

『清水町宙新築地にて』と記して'梶'むら､吹

太夫の連中で'

『二十四孝』と'それから特に此興行の岳めに書卸されたと息はれる

『西横堀

築地版｡浪花名所記』を出してゐる｡惣嫁場といふ

1幕をチャリ語りの名人として聞えた津賀

/

太夫

(後に日本第

1滑稽物語竹本山域接と在った人)が勤めてゐるところを見るとtかそら-､

此時が此土地の妬けた始めで､浄瑠璃座の始まりでもあったのであらう｡さうして此築地はず

つと明治へかけて'道頓堀につ.いでの繁昌地になってゐたことは想像するに難くはなく'説教､

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祭文､浄瑠璃'歌舞伎芝居､諦樺､新内､曲猶柴'からくれ人形､錦影槍'月細工夜どずら-

と並んで､見世物や金比羅さんの出し店も娠ふ､と云ったヤう夜状態である｡文楽座のか～つ

た位置はどの盛りかといふと､鰻谷の西横堀の涯にあった小芝居の跡だと云ひ'叉は御地横束

詰南に入った演にあつたとも云ふ｡清水町演といふ名稀は､即ち御地橋から木綿屋棟までの間

をさしての名稀で､尚又､北の方四ツ橋の間にも芝居見世物があって､諦樺定席で名高い熊の

席なども東側にあった､それから南方の木綿崖橋から南道頓堀川までの間には､興行物は無か

ったらしいと､此蓮の古老

の話で為る｡

この清永町演興行の時代に､後略は書出史三郎以来の名人と嚇されたこの療興行の人気者､

人形つかひ書出玉造にかゝる､

一つ二つの挿話がある｡まだ二十歳にも足らぬ青年であるが､

これもやは-天保の改革に解れて､人形を遭ふことを禁ぜられて､その天牙を惜まれてゐた頃

のこと｡かうして禁制の錠を人形遭ふ腕におろされてゐても､-一時もぢつとしてゐることが出

来なくて､びそかに或る

1案を案出して'舞毒

へ出ることを試みた.苦心を凝らした破れの新

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案とはどんなものであったかとい

ふと､切放き槍の押し槍を竹の竿の先に張りつけた人形で､

こ

れをいつもの人形の代-に操るのである｡けれどもこれとても､もとよ-人形を遭ふこと郎

ち舞蔓

へ出ることを禁せられてゐる玉造が平気で麿垂

へ出られる筈はない｡無論監親の役人の

目を掠めてやってゐる仕事である｡棄て課し合せてあるので､･木戸番の男は役人の姿がそこら

に見えるとすぐ舞室

へ合図をする'さうすると人形は忽ち舞董裏へ影をひそめる｡とかうわふ

手段で毎日くりか

へしてゐたのだが'こんを樽もない急推ら

への蟹てこ夜人形でも'菅田玉造

が遭ってゐると見物はすっかり轡心してしまってゐて'『さながら生きた歌舞伎芝居のやうだ山

といふ評判｡何が人気になるかわからをいものであるoところが'此菅～これが役人の耳へ人

らねば寓歳だがさうはうまくは行か,ない'評判が高くなるにつれて'役人の目は光る､たうと

う玉造は捕ほれた'牢獄

へ入れられるといふ騒ぎである｡だが幸ひに玉造を惜しむ周囲の人々

は百方これを嘆願して､やうヤう罪を免れることが出来た｡これが又入寮の出る原因と怒って'

玉造違法事件は逆効果を上げて文楽の人気者をいよいよ盛り上げるヤうな結果に在った｡

もう

1つの話.

玉造はその頃'社昔夕斉で名高い新町の廃屋の主人三郎兵衛にひゐさを受けてゐた｡この島

屋三郎兵衛は人形芝居に非常に趣味をもってゐて'巧みに人形を遭ふばかりかtl自身で人形の

頚を彫り上げることを楽しみにしてゐるほどで'時々太夫衆の流れ場

(座敷の鼻ン中に廊下の

IB

やうな夜間をこしら

へて通ひ路にした庭)へ舞室をこしら

へたりして､人形芝居の催しをして'

太夫や家内中の者に見せてゐた.

(孫にあたる中村腐治郎の話では､後に文楽を僕蛮したやう

な人形舞垂を作ってゐたといふことである｡なは三郎兵衛遺愛の人形は古びた衣裳と共に同家

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しびんけ萌形人たれ生

ら か 品 作椅近 に保存されてゐる)ある年の正

月､三郎兵衛は太夫衆や家内の人達を慰める薦め､親類縁者を招いて人形芝居の催しをすることになった｡そこで'日･･jJろひゐさの玉造を招んで'自分の遭ふ人形の左手を手樽はせよぅと考へたが､困ったことには廓の中へは蛮人は1切出入することならぬといふ投があった｡そこへ気のつかぬ

三郎兵衛ではなかつたが､どうでも

玉造に達はして見たかったので'

一策を案じて玉造を茶の

友人といふことにして,コツソリと

呼びよせて馨いた｡やがて主人些

二番里を潰ひ玉造は左手

をもって舞蔓

へ現ほれた｡無敵誰

1

人巣衣を着てゐる玉造が解る筈がない､と思ってゐると､見

紫太夫がこれを看破して､あれは卓人に違ひないtと云ひ出した｡若紫は家内の者に注意をし

た､皆は三郎兵衛にそれを樽

へて諌膏をした｡廓の投で蛮人の出入を禁せられてゐるばか-か'

ことに改革令以水盛人の取締が

l膚やかましく在ってゐるのだから､成

一その筋の臼に止った

ら､それこそ､どんなことになるかも知れない､菌

1家名に庇がつくやうなことがあってはな

らをいから､と注告をしたので､三郎兵衛もさうと範附いて､芝居はそのま～で中止をするこ

とになった｡さうして玉造には記念として､そ.の時遣った三番夏の人形

(三郎兵衛が

一年間苦

心して自作したといふ頭)を共催輿

へて蹄すことに在ったので､若紫太夫も槻はり合の

一人と

して､此日の催しを惜しんで､玉造とは知らずに貸してゐた樺

(これは排塵子友巣材緬の扱聯)

を記念として贈ることにを-'まづ紘無事に済んだ.玉造は些

高

を生姓の恩出として死に至

るまで自宅の床の間に飾ってゐたきうである｡

この玉造が後に文楽座の故高棉威である櫓下の位鮭に､春太夫と典に名を連らねてゐる時の

ことである｡明治八年三月の番附を見ると､饗知として

1人の若い人形道ひの名が人形連名に

適らねられてゐる'その名は即ち膏川玉太郎､誰れあらうこれは名優小村億治郎であるO玉太

郎は腐治郎の本名で､その頃はまだ歌舞伎

へは籍を置いてゐないたゞの少年である｡たゞの少

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年ではあるが'新町切つての大-つわ

(皆屋)廃屋三郎兵衛の孫ほどあづて､家庭に在る時か

ら人形芝唐に趣味をもってゐたゞけに'多少の心縛はあったのだ々

っ｡明治五年の遊女解放令

施行以来易屋は職を奪ほれて'すつか-挙桁をして屠-'女親

1人を蕃ふ篭めに膚治郎は背賓

ひ.:敬服の商ひをして廻ったといふ事は'かつて同氏の白棒によって明らかを通りである｡その

東

の轟を状態を見た三郎兵衛恩顧の膏H玉造が､義侠的に腐治郎の玉太郎を報恩の

l端に文勢

へ引き寄せて生活の1助としたのに相違ない｡けれども､規約の巌頚を文楽では､如何をる事

情のもとにあつても,素人が直ちに仲間

へ飛び込んで来て､面かも休耕にすぐ番附に名を連ら

ね･その上相皆な役を振られたのだから'これは

1間超である.

衆議は喧々清々として湧いたt

だが玉造の棟威がかういふ物議を直ちに押しっぶしてしまったことは想像できるし､玉造はそ

れ准迄に深く三郎兵衛の恩義に感新してゐたと想像される.それで番附に名を現はした新参の

玉太郎に､先代萩

の沖の井の役をどをふってゐるところを見ると如何にもその格別の撫ひであ

ったか!,知られるわけである｡こんをわけで'書的玉大姉の名は同十三年三月まで浦五ケ年間

連耕して興行の蕃附面に出てゐるが'おそらく本人は年期か

7年の常座だけ出てゐて､あとは

有名無賓であったらうと思はれるが'要するに給料だけはとゞ

けてやってゐたのであらう｡こ

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れは清永町渡文柴興行時代に結ばれた廃屋三郎兵衛と玉造の関係と､更に鼠屋の孫腐治郎

への'

玉造報恩の人情葵誰の

一挿許である｡

その頃の興行界を風解した流行物に､首ふり子供浄瑠璃といふ'浄瑠璃道から見れば世紀末

的を轡態性の1つの額はれがある｡これは､人形の代-を俳優がして董詞は

三日も云はず身振

-ばか-で芝居をする｡太夫三味線の床が主であって'人形蓮ひが俳優を人形のヤうに操るの

であるが'もつとち此流行はすでに天明年間にも

1時あったが､天保'革水に至っていよいよ

盛んを纏めてゐる｡俳優も太夫も三味線も皆子供ばか-'ちょっとか伽芝居のヤうで婦人や子

供客を喜ばしたものだらう｡

『子供首振り芝居』といふ看顔を上げた天明五年道頓堀若太夫の

芝居の興行では､頼太夫の床'甘酢

(奥次郎)､

錦群女

(花桐)'

刺藤内

(友寂)といふ顔解

れの子供達で

『固俸爺合戦』が出た｡この芝居を見物した常時七歳の梅玉歌右衛門が､自分達

とおなじ年頃の子供が芝居をしてゐるのがまやまし-てたまらなめ.而かも首ふ-といふ襲っ

た形式だったから､被はどうでも此

一座

へ出て見たいと思ひつめたら､欠も楯もたせらず､そ

の若太夫の芝居の勘定場にゐる伯父の源薮に頼み込んで､次の芝居から出して貰ふことにをづ

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た｡その芝居は

『廿四孝の三段目』'

磯太夫が床'景勝

(奥次郎)tわ種

(一徳)'母

(花桐)'

慈悲載

(青松)､そりして梅玉歌右衛門は横寂｡筒大切の

F伊勢物語』では梶太夫'春太夫'搬

太夫三人掛合の床'小よし

(花桐)､豆四郎

(奥次郎)'しのぶ

〓

徳)'鋲八

(青松)'有常

(歌右

衛門)とかうSふ役割で'大へんを大骨-大入りを占めた.それは偏に日ごろ信心する千旦削

竹林寺の不動尊の御利益であらうと子供心に喜んだ---とかう

F梅玉験響』にある同僚の手

簡の中に見える｡それ以後各地をこの

『子供首慮-芝居』で巡業して廻ってゐたといふ｡

その梅玉歌石碑門が有名な俳傍と覆った天保二年末月の盾頓堀角の芝居で､挟-歌舞伎軒交

ぜ興行といふのをやってゐる｡いふまでもな-これは子供ではを3'而かも名優と名匠との混

交芝居である｡前が

『養終千本樫』'切が

『妹景清八嶋日記』の日向嶋で'この切埜

百が即ち打

交警告をのである.太夫には藍玉こと組太夫､.三味線鶴樺勇造'人形青は千四といふ大家揃ひ

で､歌右衛門は貴簡の役を首振-で勤めてゐる｡歌右衛門の口上書に

此度操-方衆中と打交にて組太夫殿を以て首振り操-にて私相勤め申候

とある｡こ

の口上啓を解樺すると､をかなか意味がある｡

組太夫殿と云ひ､全文甚だ敬意を

i.ってゐる｡それは何故かといふと'元来浄瑠璃太夫は俳優とは

1緒に公衆の面前

へは出をSt

13g

芝居の地を勤めてはチrhポ

(芝居の下座に便ふ浄瑠璃)に墜ちるのだから出をいことになって

ゐる｡だが今度の場合はかうして俳優を婁詞なしの人形として便ってゐるのだから差支ない､

とSふので'他の太夫仲間からも何等の故障は出なStそればかりか歌右衛門は以上の如く太

夫を尊重して'町噂に自分の舞童

へ迎

(てゐるのであるから､それでよいわけである｡

またこれより以前竹本政太夫'型竹駒太夫'同君太夫､人形の苦悶冠寂や三吾などの大家連

も此種の興行に出てゐることが記録にある｡ずつと後になって明治二十二年頃､角の芝居で'

先代市川右圏次

(番人)が

r二十四孝｣の八重垣姫に扮Lt腰竹柳適太夫'豊樺廉作の味､膏

払底五郎の手潤で'首振り人形生血で勤めてゐることは知ってゐる人々もあらう､勝頼

(延三

郎)､浦衣

(巌笑)であった｡

併し､どっちかといふと大人の首振りよ-も'子供の首振りの方が人気がよかったのは嘗然

で'どうせ轡態件のものなら'可愛い子供の方がむしろ徹底してゐるわけである｡革空

ハ年三

月に鐙醇期若太夫の芝居で興行した

F子供首振り芝居.Jが､此種の興行の中興とも云ってSゝ

だらう｡

F妹背山三段目｣が美しS輪番冊

になって発行されたりしてゐる｡大刑事

(市川編太

畑

郎,±

二束'後に帝人)'久我之助

(資川延太郎､六歳)tを高

(市川猿之助･十

1歳)､雛鳥

(三桝源五郎'六歳)'撃花

(蔑鳥居之助､五歳)｡太夫側は妹山が

音

組太夫､十七歳)､′菅

山が

(長子太夫,十七歳後に五世禰太夫)､三味線は

(豊八･.十七歳)'(囲八､十七歳)とで

脚

ある｡この以後子供首振りはなかなか侮り難S勢ひで流行して行き､梨安政元年六月､竹田の

.

芝居では'前

F朝顔日記し､次

r今昔浪花曝し'居

能曙｣が歌舞伎､大切が即ち打交興行で

r凄

浦兜軍記L琴責･子供役者で絞､市川米寂

(後の市川左圏次の兄)が岩永'中根政治郎

(後の

福助)が阿古屋'塞息を中村鴫之助･榛輝を中村駒之助｡子供太夫は岩永が長子太夫.)阿盲屋

が普組太夫､塞息が小任太夫｡三曲は寛治改め鶴揮大書郎､以上の磯割である｡

この流行町勿

論道頓堀にはかぎらず'御室裏門の席､座摩紳敢裏門の.席'北堀江阿禰陀池の席､そ9他あち

らこちら可なり盛んである｡この流行につれて子供役者からはいろいろの顔欄れを首振り芝居

へ迭つてゐる｡中村米膏

(後中村歌六)'片岡松之助

(後中村紫琴)'斉川衛寂'斉川延松'市川

赤助'尾上多見七'尾上多見之助'嵐雛之助'中村雀之助'

中村稲松'中村もしは'三桝福太

郎･中村玉太郎'片岡玉二､嵐豊丸､風害之助夜ど｡

こんを風にだんだん子供首振りが盛んになるにつれて'浄瑠璃太夫と俳優との境目が怪し-

なって来たものと見えて'浄瑠璃の緒赦因講では安政四年十二月､首振-浄瑠璃歌舞伎打交輿

行に就七

の是非が論議されて､結局は弊書ありと認めて'今後此種の興行に出演するものは除

名虞分に附すとSふやう夜決議をした｡これで普分仲間からは

一切出演するものは出をYを

つ

たから'勢ひ中雁の秦で､さしも流行を極めた子供首振-も影をひそめたが'それはたった

1

二年のことで､三年目の寓延元年から又々再燃して'ドシドシ流行し出したのである･それがた

うとう明治維新まで頼いてゐる｡後には

1廉の俳優になった多-の少年俳優が､この首振-芝

居の影響を多分に享けてゐたことは争はれぬ事算でぁらうと思ふ｡

夜ほかうした子供浄瑠璃の超源はいっの頃

のことかと調べて見ると'現在のと,Jろ'もっと

も古い文献では､享保十六年六月

1日.I

束の芝居の豊竹座で'近松門左衛門の

r酒呑童子枕青

葉Jの出た時'その幕間に

r間の物』といふ断り書がついて,子供達の道行風の聖

慕

出てゐ

る｡むろんこんを牲質だから､道具や背景は用ひ覆いで'素を背後にしてやったものであらう｡

撃剛少操の門人で､左近'右近'三味線は野揮文二郎といふのが勤めてゐる｡右近がワキであ

る.

どうやらこゝらが子供首振-芝居の始めであるらしい｡前に4''へた説教讃語座の説教芝居

の役者は'悉く十三歳以下の子俵であったこ

と紘同軸係の文書にも見えてゐる｡

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