研修の意図と期待すること研修の意図と期待すること...

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研修の意図と期待すること 平成27年度強度行動障害支援者養成研修より出典 1日目 10:10~10:30 なぜ強度⾏動障害になるのか? ⼈や場に対する 嫌悪感・不信感 環境 (物理的な環境、⽀援者、その他の⼈、状況等) 情報・刺激が ■偏ったり ■分かりにくい ■独特な形で ⼊ってくる 伝えたいことを ■⾔葉ではない ■独特の表現や ⾏動を通して 伝えようとする 障害特性 × 環境要因 ⇒ 強度⾏動障害 「分からない」 の積み重ね 「伝わらない」 の積み重ね

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研修の意図と期待すること

平成27年度強度行動障害支援者養成研修より出典

1日目 10:10~10:30

なぜ強度⾏動障害になるのか?

⼈や場に対する嫌悪感・不信感

環境(物理的な環境、⽀援者、その他の⼈、状況等)

情報・刺激が■偏ったり■分かりにくい■独特な形で⼊ってくる

伝えたいことを■⾔葉ではない■独特の表現や⾏動を通して

伝えようとする

障害特性 × 環境要因 ⇒ 強度⾏動障害

「分からない」の積み重ね

「伝わらない」の積み重ね

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共通する⽀援の枠組み

構造化された環境の中で

医療と連携しながら

リラックスできる強い刺激を避けた環境で

⼀貫した対応をできるチームを作り

⾃尊⼼を持ちひとりでできる活動を増やし

地域で継続的に⽣活できる体制づくりを進める

基礎研修と実践研修の⽬指すもの

【講義】○ 強度⾏動障害とは(地域で強度⾏動障害者に⽀援する体制を構築する重要性)

○ 様々な強度⾏動障害者⽀援の取り組み(実践報告・家族の提⾔・医療との連携)

○ PDCAサイクルの重要性(構造化、記録と再計画)

基礎研修

【演習】○ 気付き:障害特性の理解の重要性(コミュニケーション理解と様々な⼿がかり)

○ 探索:⾏動の背景を考える(氷⼭モデル)

【講義】○ チーム⽀援の基本(チームで同じ⽅向に向かって⽀援することの重要性)

○ 様々な強度⾏動障害者⽀援の取り組み(実践報告・家族の提⾔・医療との連携)

実践研修

【演習】○ プラン①:障害特性に配慮した⽀援計画の⽴案(4つのプロセス)

○ プラン②:⽀援の⼿順書の作成○ 記録:効果的な情報収集の⽅法・チームで⽀援するための報告

障害特性を理解した⽀援が⼤切であること、個⼈プレイに⾛らずチームで取り決めた⽀援⽅法を丁寧に実施する⼤切さを学ぶ

障害特性に配慮した具体的な⽀援計画を⽴案し、チームで協⼒して⽀援を続けるために努⼒することの⼤切さを学ぶ

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サービス等利⽤計画

【作成者】相談⽀援専⾨員

個別⽀援計画or

居宅介護計画

【作成者】サービス管理責任者

orサービス提供責任者

⽀援⼿順書兼 記録⽤紙

【作成者】実践研修修了者

*⼿順書の把握・遵守*記録と報告

【担当】基礎研修修了者

⽀援の実施

⽇々の利⽤者の変化に応じた細かな⽀援の変更が必要 ⽀援の記録を取り、修正に反映する仕組みが重要になる

チームで⽀えるという意味をしっかり考えよう

強⾏指導者養成研修の⽬指すところ

【基礎研修】

強度⾏動障害者⽀援の⼈材養成のコース案

強度⾏動障害⽀援者養成研修(実践)

サービス管理責任者研修

広域相談

計画相談・⼀般相談

⾃⽴⽀援協議会

障害特性の理解

障害特性に配慮した計画

健康やニーズを配慮

質の⾼い⽣活の実現

OJT強度⾏動障害者⽀援においては、障害特性の理解とその特性に配慮した計画を⽴案できることが⼤変重要であり、この過程を学ぶことに⼤きな時間と労⼒を要する

研修フォロー交流会

地域単位の⼈材養成

強度⾏動障害⽀援者養成研修(基礎)

⾏動障害の背景にある障害特性を理解し、どのように対応を⾏うか、その基本的ノウハウを学ぶ第⼀歩の研修

強度⾏動障害⽀援者養成研修だけで、強度⾏動障害者⽀援の⼈材養成が完了するわけではない。施設・事業所内のOJTの重要性はもちろんのこと、ステップアップするための⼯夫を都道府県や市町村単位で⼯夫して下さい(ステップアップのあり⽅については、のぞみの園でも研究を続けていきます)

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1日目 13:20~16:50〔210 分〕

【演習】障害特性の理解とプランニングⅠ

ー日中活動場面における「支援の手順書」を作成するー

平成 28 年度 強度行動障害支援者養成研修より 出典

【この時間の流れ】

演習①:行動の背景(障害特性)を考える:昼食場面

演習②:「強み」を活かした新たな環境を考える:班別活動

演習③:支援手順書を作成する:班別活動

個人で

考える

10分

グループ

で考える

20分

発表

5分

演習の説明

5分

演習の

まとめ

5分

個人で

考える

20分

グループ

で考える

15分

発表

5分

演習の説明

10分

グループで

考える

20分

模造紙に手

順書を書く

15分

発表

5分

演習の説明

5分

この時間は、生活介護事業所で強度行動障害がある人へ日中活動を提供する場面を想定し、自閉症

や知的障害の障害特性に配慮した「支援の手順書」を作るプロセスを学びます。

【ポイント】

① 実際に起きたことや本人の行動を客観的に捉えましょう。

② 自閉症や知的障害の障害特性と環境との相互作用に着目し、行動が起きている背景(障害特

性)について、しっかりと考えてみましょう。

③ 本人の強みや好みを活用して具体的な支援の方法を検討しましょう。

演習の説明予行演習

20分

事例の紹介

20分

演習①

45分

演習②

50分

全体のまとめ

10分

支援手順書の作成(例示)

20分

演習③

45分

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演習に入る前に|演習の流れ

この研修における演習は、原則この流れで進めます

演習の説明 → グループディスカッション → 発表とまとめ

グループで演習を進めるにあたっての注意点は、

① 時間厳守

② 演習の説明で内容をしっかり理解する

③ 役割を明確に(司会、記録、発表等)

④ グループディスカッションは、テーマに沿って

グループディスカッションは積極的に

① 司会者はタイムキープしながら、グループ全員の意見を引き出すよう努力して下さい

② ディスカッションは、テキストに記された「テーマ」についてグループ内で意見交換するものです(自由な討論ではありません)

③ 記録者は要約筆記を行い、発表者にディスカッションの要旨を的確に伝えて下さい

「司会者」を⑤、「記録」を②、「発表」を③の人が担当します。

はじめにグループ名を決めます。

記録者は、グループ名と、その理由を簡潔にまとめて下さい。

発表者は、記録者から記録された用紙をもらい、発表するための心の準備をしておいてください

【演習の流れ】

グループで

考える

5分

発表

5分

演習の説明

数分

予行演習|グループ名を決める

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【グループ】

1. グループ名を相談し、決めます。

【発表】2. 2~3のグループに発表してもらいます。

5分

5分

予行演習|グループ名を決める

2~3グループに発表してもらいます。発表者はグループ

で話し合われた内容を全体に報告してください。

グループ名

なぜ、そのグループ名を選んだのか?

予行演習|発表(5分)

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「情報シート」(資料)の内容を確認します。

■ 高崎のぞむさんの生育歴

■ サービス等利用計画【要約】

■ サービス等利用計画【週間計画表】

■ 個別支援計画

■ 生活介護事業所「あじさい」

■ 支援の留意点

■ 追加情報

■ 行動援護計画

■ 行動援護を利用したのぞむさんの外出

事例の紹介|資料の確認

「情報シート」を読みます(20分間)

1. これから高崎のぞむさんの情報シートの中から、次の2つを読み

ます。

■ 高崎のぞむさんの生育歴

■ サービス等利用計画【要約】

2. 「強み」を意識しながら、のぞむさんの状態像をイメージしましょう。

(アンダーラインが引いてある箇所が、強みの部分です)

事例の紹介|高崎のぞむ さん

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スライドを見ながら、のぞむさんについて

イメージしてみてください

事例の紹介|

演習①|障害特性を考える

引き続き、「発表者」を③、「司会者」を⑤、「記録者」を②が行って下さい。

エピソード「いつも人の食事を…」を読み、行動の背景にある障害特性を考えてみましょう。

【演習の流れ】

個人で

考える

10分

グループ

で考える

20分

発表

5分

演習の説明

5分

演習の

まとめ

5分

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のぞむさんが通っている生活介護事業所「あじさい」では、11:00前くらいからご飯の炊ける匂いとお味噌汁の香りがしてきます。昼食は業者にお願いして料理は配達してもらいますが、「できるだけ家庭的な雰囲気を味わってもらいたい。」そんな思いで、ご飯とお味噌汁だけは職員が毎日準備をしています。

11:45から12:45の間に各自が昼食を食べに食堂に来ます。午前の作業や活動を終えて少し休憩をしてから食べに来る人もいますが、多くの人は活動が終わるとすぐに食堂へ入ってきます。のぞむさんも午前の班別活動が終わると、すぐに食堂へ行き昼食を食べ始めます。

いつもの席で食べているのぞむさんですが、食事の配膳をしている職員は気になっていることがありました。それは揚げ物や果物など、のぞむさんが好きなメニューだと、人の食事をとって食べてしまうことでした。今日はのぞむさんの大好きなハンバーグです。あっ!目の前の人のハンバーグを見ている…

人の食事を食べた時は、すぐに「それは◯◯さんの食事です。」と注意しますが、一向にお構いなしで食べ続けます。また制止しようとすると、大きな声を上げて頭突きや押してくることがあります。勿論、とられた利用者もカンカンです。言っても分かってもらえないし……どうしたらいいんだろう?

演習①|いつも人の食事を…

右上の写真は、エピソードの日の昼食です。メニューは、ご飯、味噌汁、漬け物、副菜(ハンバーグとサラダ)です。その下の写真は、「あじさい」の食堂です。のぞむさんはいつも、8人掛けの机の決まった場所で昼食を食べています。

のぞむさんが食べているときは、この机は8人の利用者が食事を食べられています。8人分の食事が机に並ぶので、机の上はお皿(食事)で一杯になります。

これから、のぞむさんの昼食時の課題(人の食事を食べてしまう)について整理し、根拠に基づいた支援の手順書を考えてみましょう。

演習①|いつも人の食事を…

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演習①|障害特性を考える

・好きなメニューが出ると、他者のおかずをとって食べる・制止すると、誰彼構わず人の腕をつねる、噛みつく

環境・状況の影響(環境要因)

□一斉に利用者が食事を開始する(ざわざわした環境)

□机の上が8人分の食事で一杯になり、煩雑な状態(自分の食事と他の人の食事が分かりずらい)

本人の障害特性

演習①|障害特性を考える

【各自】

1. エピソード「いつも人の食事を…」をもう一度読み、のぞむさんの行動の背景にある障害特性について、ワークシート(WS-1)に書いてみましょう。

【グループ】2. 1)書いた障害特性を、各自グループ内で発表

2)グループ内で障害特性をまとめる

【発表】3. 3つのグループに発表してもらいます

10分

5分

10分

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7

2~3グループに発表してもらいます。発表者はグループ

で話し合われた内容を全体に報告してください。

背景の障害特性を発表して下さい

なぜそう思ったのか、根拠となる部分を教えて下さい

演習①|発表(5分)

演習①|氷山モデルで考える(例)

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支援手順書の作成|モデル演習

■これから、のぞむさんの昼食場面での支援手順書の作成方

法(考え方)について、一緒に見ていきます。

⇒ 作成の流れと支援手順書を例示します。

■次の演習②では、各自、グループで支援手順書まで作成し

ます。支援手順書作成までのプロセスをしっかりと意識し、

支援手順書を作成しましょう。

観察・予測|日々の生活状況やアセスメントシート等から情報を収集

① 背景の障害特性を推測|氷山モデル

生じている問題・生じうるリスクを具体的に記す

支援手順書|「4つのプロセス」で考える

② 障害特性を「強み」の表現に変換

③ 他の場面から「強み」のリスト追加

行動の背景にある障害特性(生物学的・心理的)と環境要因を推測し、リストアップする。

リストアップした障害特性を「強み」の表現に変換する。

他の場面の観察から、リストされていない「強み」を加える。

④ 「強み」を活かした新たな環境

生じている問題・生じうるリスクのある場面で、「強み」のリストを活かした環境づくり(構造化)の計画を立てる。

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ステップ①

①背景の障害特性を推測する|氷山モデル

行動の背景にある障害特性(生物学的・心理的)を推測し、リストアップします。その際、行動の生起要因のきっかけとなっている環境(本人に影響を及ぼす物、事、人)要因にも留意しましょう。

氷山モデルとは、障害がある人

の課題となっている行動を氷山

の一角として捉え、氷山の一角

に注目するのではなく、その水

面下の要因に着目して支援の方

法を考えることを意味します。

環境・状況の影響

対象者の障害特性

相互に作用

水面下の要因に注目する

表面上見えている行動

生じている問題、生じうるリスクを具体的に記載

①背景の障害特性を推測|氷山モデル ②障害特性を「強み」の表現に変換

※演習①で考えた障害特性を記入します ●些細な違いや変化に気がつく、または非常に我慢強い

●興味・関心があるものに、強く注意を向けることができる

●細部に、強く意識を向けることができる

●目で見た情報は理解しやすい

③他の場面から「強み」のリスト追加 ④「強み」を活かした新たな環境

昼食場面|障害特性を推測

・好きなメニューが出ると、ほかの人のおかずをとって食べてしまう。

・制止すると、誰彼構わず人の腕をつねる、噛みつく(利用者・保護者からの苦情有り)。

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ステップ②

②障害特性を強みの表現に変換する

苦手なことばかりに注目すると、「苦手なこと(もの)を避ける」支援に偏ってしまいます。リストアップした障害特性を「強み」の表現に変換(リフレーミング)しましょう。 視点を変えることで、強みを活かした支援に繋げやすくなります。

ことばを聞いて理解すること

が苦手

集団で一斉に行動することが

苦手

抽象的、あいまいなことの理

解が苦手

目で見た情報は理解しやすい

マイペースに課題を完了する

ことができる

具体的で、はっきりとしたこ

とを好む

ヒントシートを参考にして下さい

生じている問題、生じうるリスクを具体的に記載

①背景の障害特性を推測|氷山モデル ②障害特性を「強み」の表現に変換

※氷山モデルで考えた障害特性 ●些細な違いや変化に気がつく、または非常に我慢強い

●興味・関心があるものに、強く注意を向けることができる

●細部に、強く意識を向けることができる

●目で見た情報は理解しやすい

③他の場面から「強み」のリスト追加 ④「強み」を活かした新たな環境

昼食場面|障害特性を強みに変換

・好きなメニューが出ると、ほかの人のおかずをとって食べてしまう。

・制止すると、誰彼構わず人の腕をつねる、噛みつく(利用者・保護者からの苦情有り)。

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対象者の「強み」を様々な場面、記録から膨らませていきます。

特定の行動上の問題やリスクが推測される場面だけでなく、日常生活全般の様

子から、強みのリストを補強していきます。

ステップ③

③他の場面から「強み」のリストを追加

他の場面の観察から、リストされていない「強み」を加えていきます。

保護者からの情報 生育歴 生活全般の記録 各種記録

生じている問題、生じうるリスクを具体的に記載

①背景の障害特性を推測|氷山モデル ②障害特性を「強み」の表現に変換

※氷山モデルで考えた障害特性 ●些細な違いや変化に気がつく、または非常に我慢強い

●興味・関心があるものに、強く注意を向けることができる

●細部に、強く意識を向けることができる

●目で見た情報は理解しやすい

○一旦学習すると、繰り返し確実に実施する

○好きな活動があり、生活の中で楽しめている

③他の場面から「強み」のリスト追加

○決まったパターンを几帳面に行うことができる:写真

と具体物のマッチングができる

○一人で行う作業や自立課題は20分程度集中して

取り組む

○一人で楽しめる活動を持っている:余暇グッズ

④「強み」を活かした新たな環境

昼食場面|他の場面から強みを探す

・好きなメニューが出ると、ほかの人のおかずをとって食べてしまう。

・制止すると、誰彼構わず人の腕をつねる、噛みつく(利用者・保護者からの苦情有り)。

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構造化とは、その場の状況に最も適切な意味と見通しを明確に伝え、安心でき

てかつ自立的に行動ができるよう環境(もの、事、人)を調整することです。

ステップ④

④「強み」を活かした新たな環境

生じている問題・生じうるリスクのある場面で、「強み」のリストを活かした

環境づくり(構造化)の計画を立てます。

物理的構造化 スケジュール ワークシステム 決まった手順や習慣 視覚的構造化

・物理的、視覚的に分かりやすい境界を作る

・活動と場所の1対1の対応

・妨害刺激の除去

どんな活動があるのか、その流れがどうなっているのかを視覚的に示す方法

自立的活動をする為の情報を伝える方法①何をするか②どれぐらいするか③どうなったら終わるのか④終わったら次に何をするか

・いつも同じ手順で課題、活動を行う・習慣化することで、普段の生活を安定したものにする・ルーチンを使って繰り返している内に学習する

“見て分かる”ようにして理解しやすくする

①視覚的提示②視覚的明瞭化③視覚的組織化

生じている問題、生じうるリスクを具体的に記載

①背景の障害特性を推測|氷山モデル ②障害特性を「強み」の表現に変換

※氷山モデルで考えた障害特性 ●些細な違いや変化に気がつく、または非常に我慢強い

●興味・関心があるものに、強く注意を向けることができる

●細部に、強く意識を向けることができる

●目で見た情報は理解しやすい

○一旦学習すると、繰り返し確実に実施する

○好きな活動があり、生活の中で楽しめている

③他の場面から「強み」のリスト追加

○決まったパターンを几帳面に行うことができる:写真

と具体物のマッチングができる

○一人で行う作業や自立課題は20分程度集中して

取り組む

○一人で楽しめる活動を持っている:余暇グッズ

昼食場面|強みを活かし新たな環境

・好きなメニューが出ると、ほかの人のおかずをとって食べてしまう。

・制止すると、誰彼構わず人の腕をつねる、噛みつく(利用者・保護者からの苦情有り)。

④「強み」を活かした新たな環境

・11:35に午前の活動を終了。スケジュール確認後、食堂へ

移動(他の利用者より5分前には入室)。

・トレーにセットされた昼食をトレーごと机に運び、テープで囲って

ある場所にトレーを置く(トレーの写真も貼って有る)。

・食後トレーごと下膳し、静養室にてスケジュール確認。その後

余暇を過ごす(時間に併せて、DVD又はCDの視聴)。

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時間 活動 サービス手順

11:35-12:45 昼食

昼休み

【スケジュール5:昼食】

1.静養室(スケジュール確認)

→ 2.食堂(配膳台からトレーにセットされた昼食をとる)

→ 3.テープで囲ってある場所にトレーを置く

→ 4.食事をとる

→ 5.下膳(トレーごと、下膳場所に持って行く)

→ 6.静養室(スケジュール確認 →休憩)

③他の場面から「強み」のリスト追加

①背景の障害特性を推測|氷山モデル

②障害特性を「強み」の表現に変換

④「強み」を活かした新たな環境

昼食場面|支援手順書(例)

・11:35に午前の活動を終了。スケジュール確認後、食堂へ

移動(他の利用者より5分前には入室)。

・トレーにセットされた昼食をトレーごと机に運び、テープで囲って

ある場所にトレーを置く(トレーの写真も貼って有る)。

・食後トレーごと下膳し、静養室にてスケジュール確認。その後

余暇を過ごす(時間に併せて、DVD又はCDの視聴)。

【各活動の時間】

一つ一つの活動の、持続可能な時間を把握しておくことは大切なポイントになり

ます。その中で、少し余裕を持って次の活動に移る活動を設定してみましょう

【強みの考え方】

現在、対象者が既に獲得している「強み」を把握し、積極的に活かすよう、意識

してみましょう

困難な状況や課題となっている行動がある場面では、苦手なことを克服するとい

う考え方よりも、現実的に考え、対象者や周囲が「どう対処するか」「その場面を、

どう不快ではなく(楽しく)、又は安全に過ごすか」という視点で考えてみましょう

支援の手順書|作成のポイント

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観察・予測|日々の生活状況やアセスメントシート等から情報を収集

① 背景の障害特性を推測|氷山モデル

生じている問題・生じうるリスクを具体的に記す

まとめ|「4つのプロセス」の作成

② 障害特性を「強み」の表現に変換

③ 他の場面から「強み」のリスト追加

行動の背景にある障害特性(生物学的・心理的)と環境要因を推測し、リストアップする。

リストアップした障害特性を「強み」の表現に変換する。

他の場面の観察から、リストされていない「強み」を加える。

④ 「強み」を活かした新たな環境

生じている問題・生じうるリスクのある場面で、「強み」のリストを活かした環境づくり(構造化)の計画を立てる。

「司会者」を⑤の人が担当します。

エピソード「これまでの作業、これからの作業」を読み、4つのプロセスを整理します。

1)③他の場面から「強み」のリスト追加

2)②に③の内容を追加

3)④「強み」を活かした新たな環境を作成

【演習の流れ】

個人で

考える

20分

グループ

で考える

15分

発表

5分

演習の説明

10分

演習②|班別活動の新たな環境を考える

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これまでの作業、これからの作業

今年の4月から約半年間、のぞむさんはDVDの表面に貼ってあるシール(新作、準新作)を剥がす作業を行っていました。最初の4ヶ月は、シールを剥がすことや、剥がした後のシールやケースの置き場所が分かりませんでした。また剥がし終えたカバーは机右横の段ボール箱に入れてもらうようにしていたのですが、元の場所にカバーを戻してしまうことも度々ありました。

分かりやすいようにと1日分の作業を本人の机上に置いたり、タイマーを設置し鳴ったら終わり(45分間でセット)としていました。しかし、タイマーが鳴る前から中断したり、逆にタイマーが鳴っても終われないことがありました(声かけしても終われない)。そんな日は大きな声を出し、部屋から飛び出してしまうことがよくありました。

一番困ったのは、間違えていたときに教えてあげたり(ときには注意も)、終われなかったさいに声かけすると、大声を出したり、掴みかかってくることでした。でも同じ教えてあげるのでも、黙って手本を見せていたときは怒らず、じっと職員の手元を見ていました(・・・そういえば、それ以降作業の間違いがなくなったかも)。

少しずつ手順を覚え作業ができるようになってきたのぞむさんですが、半年を過ぎても作業が中断したり、又は終われないということが続いています。もう一度のぞむさんの特性を踏まえ、強みを活かした支援内容を考えてみたいと思います。

右は、 「これまで」の支援手順書です。

「これまでの作業、これからの作業」のエピソードの通り、従来の支援手順では課題があります。

これから4つのプロセスを整理し、「強み」を活かした新たな環境、そして新たな支援手順書を作成します。

これまでの支援手順書

時間 活動 サービス手順

9:30-10:00 来所 【スケジュール1:朝の準備】

・静養室でスケジュール確認

・静養室で着替えて作業室へ

10:00-10:45

班別活動 【スケジュール2:DVDシール剥がし】

10:45-11:00 お茶

休憩【スケジュール3:お茶休憩】

11:00-11:45 班別

活動【スケジュール4:DVDシール剥がし】

11:45-12:45 昼食

昼休み【スケジュール5:昼食】

12:45-13:30 散歩 【スケジュール6:散歩】

13:30-14:35 自立

課題【スケジュール7:自立課題】

14:35-15:00 帰り 【スケジュール8:帰宅】

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生じている問題、生じうるリスクを具体的に記載

①背景の障害特性を推測|氷山モデル ②障害特性を「強み」の表現に変換

・抽象的、あいまいなことの理解が苦手

・ことばを聞いて理解することが苦手

・「いつ終わる」かを理解するのが苦手

・全体をとらえて関係性をつかむことが苦手

●具体的ではっきりしたことを好む●目で見た情報は理解しやすい●決められたことをやり続けようとする●細部に、強く意識を向けることができる◯◯◯

③他の場面から「強み」のリスト追加

④「強み」を活かした新たな環境

・最初の4ヶ月間は、作業工程(方法や場所)を正確に理解できていない(現在も同様)・声かけや注意をすると、大きな声を出したり、掴みかかってくることがある・作業が終われないことがある

演習②|班別活動の新たな環境を考える

【各自】

1. エピソードと4つのプロセスをもう一度確認し、プロセスの③、②、④をワークシート(WS-2)へ記入。

【グループ】2. 1)各自グループ内で発表(1人1.5分程度で発表)

2)グループで、1つを選ぶ

【発表】3. 2~3のグループに発表してもらいます。

20分

5分

15分

演習②|班別活動の新たな環境を考える

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2~3グループに発表してもらいます。発表者はグループ

で話し合われた内容を全体に報告してください。

①他の場面から「強み」のリスト追加、②「強み」を活かした新たな環境、の順で報告して下さい

どのような点に悩みましたか?

演習②|発表(5分)

演習②|新たな環境(例)

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「司会者」を⑤、「記録」を④、「発表」を⑥の人が担当します。

「強み」を活かした新たな環境を基に、班別活動時の支援手旬書を作成します。

【演習の流れ】

グループで

考える

20分

模造紙に手

順書を書く

15分

発表

5分

演習の説明

5分

演習③|班別活動の支援手順書を作成する

【グループ】

1. 班別活動時の「強み」を活かした新たな環境から支援手順書を考える。

【グループ】2. 1)模造紙に、考えた支援手順書を記載する

【発表】3. 2~3のグループに発表してもらいます。

20分

5分

15分

演習③|班別活動の支援手順を考える

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2~3グループに発表してもらいます。発表者はグループ

で話し合われた内容を全体に報告してください。

支援手順書の内容を報告して下さい

どのような点に悩みましたか?

どのような点を工夫しましたか?

演習③|発表(5分)

演習②|支援の手順書(例)

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観察・予測|日々の生活状況やアセスメントシート等から情報を収集

① 背景の障害特性を推測|氷山モデル

生じている問題・生じうるリスクを具体的に記す

まとめ|支援手順書の作成プロセス

② 障害特性を「強み」の表現に変換

③ 他の場面から「強み」のリスト追加

行動の背景にある障害特性(生物学的・心理的)と環境要因を推測し、リストアップする。

リストアップした障害特性を「強み」の表現に変換する。

他の場面の観察から、リストされていない「強み」を加える。

④ 「強み」を活かした新たな環境

生じている問題・生じうるリスクのある場面で、「強み」のリストを活かした環境づくり(構造化)の計画を立てる。

■来所場面の支援手順書の変更経過(のぞむさん)

上:はじめに作った支援手順書

中:活動の切替えは静養室(スケジュール確認)と変更

下:着替え時、他利用者への

他害の恐れが生じたため、

場所を変更。また休憩の終

わりもアラーム使用に変更

■対象者の状態に即し、根拠に基づいた支援を、支援者が統一しやすいように、その都度、更新が大切。

まとめ|支援手順書の更新

時間 活動 サービス手順

9:30-10:00 来所 【スケジュール1:朝の準備】静養室(スケジュール)→静養室(着替え)

→静養室(休憩)→アラーム(15分)→作業室

10:00-10:45 班別活動

【スケジュール2:DVDシール剥がし×2回】作業室(作業15分)→静養室(休憩10分)→アラーム→トイレ→静養室(スケジュール)→作業室(作業15分)

時間 活動 サービス手順

9:30-10:00 来所 【スケジュール1:朝の準備】・静養室でスケジュール確認・ロッカー室で着替えて作業室へ

10:00-10:45 班別活動

【スケジュール2:DVDシール剥がし×2回】・途中で10分間、静養室で休憩

時間 活動 サービス手順

9:30-10:00 来所 【スケジュール1:朝の準備】静養室(スケジュール)→ロッカー室(着替え)

→静養室(スケジュール)→作業室

10:00-10:45 班別活動

【スケジュール2:DVDシール剥がし×2回】作業室(作業15分)→静養室(休憩10分)→アラーム→トイレ→静養室(スケジュール)→作業室(作業15分)

10月18日(金)

10月24日(木)

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【対応策だけでなく根拠を整理する】

行動の背景や理由を確認する

適切な引き継ぎだけでなく応用の可能性

【今後の暮らしを考える手がかり】

支援者側からの問題が生じなければよいか?

暮らしを支える(広げる)積極的な支援へ(予防)

理解を助け自立を支援する(構造化)

※今できることを多くの場面で活用する

【事業所のサービスとしてチームで支援する】

まとめ|作成のプロセスが重要

参考文献

藤村出、服巻智子、諏訪利明、内山登紀夫、安倍陽子、鈴木信五「自閉症のひとたちへの援助システム」朝日新聞厚生文化事業団,1999

佐々木正美、内山登紀夫、村松陽子「自閉症の人たちを支援するということ」朝日新聞厚生文化事業団,2001

ノースカロライナ大学医学部精神科TEACCH部/服巻繁「見える形でわかりやすく―TEACCHにおける視覚的構造化と自立課題」エンパワメント研究所,2004

佐々木正美/宮原一郎「自閉症児のための絵で見る構造化」学習研究社(学研),2004

佐々木正美「自閉症のすべてがわかる本」講談社,2006

水野敦之「「気づき」と「できる」から始めるフレームワークを活用した自閉症支援」エンパワメント研究所,2011

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障害者支援施設虹のいえ生活介護事業自閉症支援の取り組みについて

生活介護事業

サービス管理責任者 飯坂 淳子

1日目:16:50〜17:30

本日のアウトライン

○ケースAさんについて・本人の状況について・TEACCHプログラムによる支援・医療面からのアプローチについて・その他関係機関との連携について

Page 36: 研修の意図と期待すること研修の意図と期待すること 平成27年度強度行動障害支援者養成研修より出典 1日目10:10~10:30 なぜ強度 動障害になるのか?

Aさんについて

○障害名:精神発達遅滞

※自閉症の診断はないが自閉症の障害特性あり

○年齢27歳、男性、療育手帳A、障害程度区分6

○生活情報

・2歳の頃に風邪で小児科に受診した際に医師から他の子供と違うことを指摘され、児童相談所へ紹介される。その後、精神遅滞と診断される。

・小学校は特殊学級、中学より特別支援学校に在学。

・平成20年4月に虹のいえ入所

利用者Aさんについて①

Page 37: 研修の意図と期待すること研修の意図と期待すること 平成27年度強度行動障害支援者養成研修より出典 1日目10:10~10:30 なぜ強度 動障害になるのか?

○本人の特性について

温厚ではあるが、こだわりが多く見られる。コミュニケーションについては本人の意に反する答えが返ってくると戸惑いを見せる。身辺処理についてはある程度は出来るものの見守りが必要である。多動であり、落ち着きがない。好きなことには集中できるが、それ以外のことになると突然走り出したり、唸り声を上げたりする。落ち着かなくなると不適応行動(唾吐き、水かけ行為、放尿、暴力)が見られる。

利用者Aさんについて②

過去3年間の問題行動のデータ

※26年度は5月11日までの集計となっている

Page 38: 研修の意図と期待すること研修の意図と期待すること 平成27年度強度行動障害支援者養成研修より出典 1日目10:10~10:30 なぜ強度 動障害になるのか?

過去3年間の問題行動のデータ(内訳)

※26年度は5月11日までの集計となっている

データから読み取れるもの(分析)

○自宅外泊後から放尿行為が連続発生している。

○同室者から叱責を受けたことをきっかけに問題行動が連鎖反応している。

○ジュース溢しについては付添い支援が出来なかった時に発生している。

○平成26年8月の居室変更に伴い、水浴び行為が連続的に起きている。

○行動が頻繁に起きている時ほど、物品交換の要求が高い。(例:色鉛筆の交換、ハンドソープの詰替え)

○アダルトサイト閲覧で指摘された夜には放尿行為が見られる。

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本人の傾向及び問題行動の背景として

○対外的・・・特定の他利用者に対してアクションを起こす○内向的・・・人ではなく、放尿や水浴びといった自分に向

けての行動○干 渉・・・執拗に干渉されることで対象者に対してアク

ション○思い通り・・・思い通りにいかないことへのイライラ○不 安・・・先の見通しが立たないことへの囚われと

不安(例:日帰り旅行の日程等)○連鎖反応・・・きっかけは他利用者から受けるストレス等

が原因で行動を起こすも、一度火が付くと連鎖反応で立て続けに問題行動を起こしてしまう面が見られる

TEACCHプログラムによる支援①

Page 40: 研修の意図と期待すること研修の意図と期待すること 平成27年度強度行動障害支援者養成研修より出典 1日目10:10~10:30 なぜ強度 動障害になるのか?

①日課についてTEACCHプログラムを応用し、居室支援と入浴支援の順番を固定化し、構造化を図る。日中活動における作業の見通しが確立出来る。

②お盆をひっくり返し行為の対応について職員間の動きを統一し、食堂の見守り支援が整った上で、対応する体制を構築。

③個室化での支援についてABAの観点から個室化の構造化を図っても本人の気持ちの落ち着きに変化が見られなかったことから、本人の気持ちの揺れ、問題行動は別なところから来ていると推測される。

④今後の方向性について構造化を図っても問題行動の増減に変化がないこと、また高齢者へ突発的な暴力行為があるため、今後の支援の方向性について保護者と協議していく。

TEACCHプログラムによる支援②

医療面からのアプローチについて

○平成26年12月にケース会議を実施

構造化を図っても問題行動の増減に変化がないこと、また突発的な暴力行為があるため、医療面へのアプローチが必要である旨、保護者に説明している。嘱託医であるS病院ありきではなく、まずは医療とのつながりを持つこと。その際に主治医に問題行動について相談し、服薬等についての助言をいただくという段取りを保護者と確認している。

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医療面からのアプローチについて

○平成27年1月と2月に服薬調整のために入院

環境の構造化を図っても問題行動の増減に変化がないこと、特定利用者への暴力行為が発生し、嘱託医に相談した結果、保護者からの同意もいただき任意入院となる。行動面の安定化及び眠剤等の調整のための入院となっている。

○平成27年2月中旬に退院

服薬調整が終わり退院となる。退院後は本人の嫌子が入院となり、退院後は不適応行動が起きなくなった。定期通院を通して主治医に状況を伝えている。

○本人のストレスについて

・確認行為(不安が大きくなると確認行為を行う)が多く見られ、表情も険しいまま。

・入院というワードに対して囚われる傾向が強くなった。

○不適応行動について

・退院後、不適応行動は一回も見られていない。

退院後の利用者Aさんの状況について

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発達障害者支援センターとの連携について

秋田県発達障害者支援センター主催の巡回相談を活用し、退院後の状況、確認行為の頻回等について相談し、助言をいただく。相談員よりAさんのケースの場合、“嫌子による不適応行動の抑止は必ず反動が来るため、すぐに好子による報酬を用いての支援に切り替えること。それは発達障害者に有効であり、個々の理解度に応じて報酬を獲得できるシステムが必要である”との助言をいただいている。

報酬を活用した支援システムについて

目的:好子による報酬システムを活用して、嫌子(入

院)から好子(お菓子のコロン)による不適応行

動の抑止を行う。

問題行動(暴力、放尿、水かけ行為等)をしない場合

①夜勤職員は20時30分頃に本人を医務室に誘導する

②医務室にあるホワイトボードに好きなシールを1枚本人に渡し、マスに貼る

③マスが全部埋まったら報酬として本人が好きなお菓子(コロン)を渡し、医務室で摂取してもらう。

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報酬を活用した支援システムについて

Aさん

Aさん

食事支援のフェードアウトについて

入所してからお茶お水溢しが始まり、そしてお盆ひっくり返し行動が見られるようになった。その都度、ケース会議を実施し、本人への食事支援が手厚くなる。

支援の内容としては食事摂取の時間帯をずらし、職員の付添いと防止の観点から本人への接触支援が始まり、今日に至っている。支援の流れとしては手洗い後に居室で待機してもらい、職員による配膳、声掛け、誘導、付添い支援にて食事を摂取している。

4/20の退院後、問題行動=入院という本人の認識から問題行動が抑止されている。確認行為をしつつも、手厚かった支援を軽減できるタイミングであると判断し、支援を以下の段階でフェードアウトしている。

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食事支援のフェードアウトについて②

○フェードアウトイメージ図

職員の支援

配膳・声掛け・誘導・付添い・見守り

Aさん

食堂へ行く・配膳・食事・下膳

支援の割合

Page 45: 研修の意図と期待すること研修の意図と期待すること 平成27年度強度行動障害支援者養成研修より出典 1日目10:10~10:30 なぜ強度 動障害になるのか?

年度 備    考

男性 女性 計 区分4 区分5 区分6 男性 女性 計

22 4 1 5 3 2 0 2 2 4・地域活動支援センター(定員10人)延べ人数1134人(稼働247日)

23 5 1 6 2 3 1 3 2 5・地域活動支援センター(定員10人)延べ人数1447人(稼働241日)

24 5 1 6 1 4 1 3 2 5・地域活動支援センター(定員10人)延べ人数1497人(稼働241日)

25 5 2 7 2 4 1 4 2 6・生活介護事業(逢い/従たる事業所)(定員10人)延べ人数1792人(稼働257日)

26 6 2 8 2 3 3 4 2 6・生活介護事業(逢い/従たる事業所)(定員10人)延べ人数1912人(稼働259日)

27 7 2 9 2 2 5 4 2 6・生活介護事業(逢い/従たる事業所)(定員10人)延べ人数2145人(稼働258日)

28 9 2 11 0 3 8 4 3 7・生活介護事業(単独事業所)(定員20人)延べ人数   人(稼働  日)

平成28年度秋田県強度行動障害支援者養成研修【実践研修】「まとめの実践報告③」

 利  用  状  況

                            活  動  内  容                  (平成28年8月現在)

・ゆったりと楽しく、ありのままに、社会の一員として、地域生活を営み

一人一人が持っている力で暮らしの喜びと自信を得ながら

色々な活動を通して、地域の人達との交流を持ち、相互理解を深めていく

~ぽぽろの家の事業方針~

                        NPO法人逢い 障がい者支援事業所 ぽぽろの家サービス管理責任者 菊地陽子

                                               平成28年10月4日(火)(9:30~9:50)

区分(~25年障害程度区分) (26年~支援区分)

利用者数(人) 職員数(人)

・創作活動(壁画制作/あきたアート展/福祉展作品制作)

・駅クリーンアップ・さをり織り・販売品袋入れ等(もろこし・石海苔)・ごみ袋名前書き・アルミ缶回収箱設置(1/M)

・クッキング(季節のおやつ作り)・陶芸活動(月1回)・健康相談

※天気やメンバーの体調等を見ながら、活動内容は変更になることがあります。

※外食、アート展、防災学習館見学・1泊旅行や、誕生会他各種行事をおこなっています。

・昼食の献立決め/買い物/調理・DVD鑑賞他(第1土曜日のみ生活介護)

※上記の活動内容以外にも、メンバーそれぞれが色々な作業をしています。

・室内清掃・総合体育館靴棚清掃・商品点検・来週の話し合い

・プール遊泳館利用(減免)・クッキング/図書館利用

午     前 午    後

・駅クリーンアップ・アルミ缶回収ポスティング(1/M)・買い物・商品点検(地域の商店へ納品)

・アルミ缶プルタブ外し・商品点検・アルミ缶回収(月1回)

・運動レクリエーション・総合体育館(天候を見ながら野外レク等)

・地域商店委託販売品袋入れ(もろこし・石海苔)・駅クリーンアップ・さをり織り・ごみ袋名前書き

・音楽活動(逢い合同交流会/季節の行事に向けて)

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2日目 9:50~12:20〔150 分〕

【演習】障害特性の理解とプランニングⅡ

―行動援護を利用した外出時の「支援の手順書」を作成する―

平成 28 年度 強度行動障害支援者養成研修より 出典

【この時間の流れ】

屋内での日中活動の支援とは異なり、外出時の支援には特有の配慮が必要となります。この時間は、

「高崎のぞむさん」が行動援護を利用して外出する場面を想定し、自閉症や知的障害の障害特性に配慮

した外出時の「支援の手順書」を作るプロセスを学びます。

【ポイント】

① アセスメントや検討した支援計画が「正しい」かどうかを問題にする時間ではありません。

② 外出時の支援で特に気をつけなければいけないポイントを押さえましょう。

③ 経験の比較的浅いヘルパーに指示を出す際の留意点を整理しましょう。

演習①:支援の手順書の作成(バス内の過ごし方を考える)

事例の説明

10 分

演習① (支援計画の作成)

55 分

演習② (ヘルパー説明)

80 分

まとめ

5 分

演習②:支援の手順書を伝える(伝え方を考える)

演習の説明

5 分

作戦タイム

30 分

〔グループ〕

ロールプレイ

10 分

〔グループ〕

15 分

演習の説明

5 分

〔グループ〕

支援計画作り

30 分

発表

10 分

まとめ

10 分

発表と まとめ

20 分

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のぞむさんの休日

ある天気のいい土曜日の午後のことです。のぞむさんは行動援護事業所のヘルパーと一緒に路線バスに乗って15分くらいのところにある大学構内に散歩に出かけました。

あまり人のいない静かな構内の散歩道を歩き、学生食堂前にある自動販売機でジュースと小さなお菓子を買う。乗り物好きで食べることも大好きなのぞむさんの、休日のささやかな楽しみです。

長年続いていた週末のドライブがお父さんのケガで続けられなくなったのをきっかけに、継続可能な週末の過ごし方を考えようと、この散歩を取り入れてから早2ヶ月が経ちました。

毎回、出発時に外出の流れを写真カードを使いながら丁寧に説明していることもあり、のぞむさんもだいぶ慣れたようです。今ではヘルパーが訪問すると、嬉しそうにリュックサックを背負って家から出てくるようになりました。

のぞむさんの外出|バスのルート

自宅

目的地(大学)

乗車時間:約15分

寺尾三丁目

市役所

市民病院前のぞみ

大学前

和田橋寺尾一丁目

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2

のぞむさんの外出|大学の構内

左上:バス停

右上:食堂前の広場

左下:自動販売機

あるヘルパーの悩み

のぞむさんの外出を担当しているヘルパーにはとても困っていることがあります。それは、のぞむさんが降りる停留所ではないのに降車ボタンを押してしまうことです。

ボタンを押してしまうと降りずにはいられません。仕方なく手前のバス停で降りることになり、混乱するのぞむさんを目の前にして途方にくれたこともあります。

今のところ、その場しのぎでボタンを隠したり遮ったりもしていますが、のぞむさんがイライラするだけであまり効果はありません。ただ座って着くのを待つのが苦手なようで、着くのを今か今かと待っている様子も見られます。

のぞむさんは子どもの声も苦手です。バスの中でうまく過ごせずイライラしているときに、もしバスに小さな子どもが乗ってきたら…。悩む日々が続いています。

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3

演習①|バス内の過ごし方を考える

テキストに沿って、のぞむさんのバスの中での過ごし方について支援計画を考えましょう。

「司会」を①、「発表者」を②「記録」を③の人が行います。

【演習の流れ】

【使用する情報】

1. のぞむさんの基本情報(情報シート P1-P8)

2. のぞむさんの外出について(情報シート P9)

3. スライド「あるヘルパーの悩み」

演習の説明

5分

〔グループ〕支援計画作り

30分

発表

10分

まとめ

10分

演習①|4つのプロセスの作成

①~④のステップに沿って、グループで話し合いながら4つのプロセスを作成しましょう。ワークシート(WS-3)を使ってください。

目的地より手前のバス停で降車ボタンを押し、実際にそのバス停で降りてしまう。

小さな子どもが乗ってきたときに、声に反応して押す・声をあげる等の行動が出るおそれがある。

生じている問題、生じうるリスクを具体的に記載

①背景の障害特性を推測|氷山モデル ②障害特性を「強み」の表現に変換

③他の場面から「強み」のリスト追加 ④「強み」を活かした新たな環境

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4

演習①|発表とまとめ(20分)

1. 2~3グループに発表してもらいます。

2.発表者は、4つのプロセスに沿って、どのような結論になったのかを簡潔に報告してください。

演習①|記入例

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演習②|支援の計画を伝える

4つのプロセスから得られた結果を「支援の手順書」にまとめます。

3人の小グループに分かれて、役割を決め、「支援の手順」を互いに伝達し合います。

【演習の流れ】

演習の説明

5分

〔小グループ〕作戦タイム

30分

〔グループ〕ロールプレイ

10分

〔グループ〕ディスカッション

15分

発表

10分

まとめ

10分

演習②|作戦タイム(30分)

小グループと役割の確認

1. 奇数の番号の小グループ(①③⑤)と、偶数の番号の小グループ(②④⑥)を作ります。

2. 小グループには、「報告者(③④)」「ヘルパーA(⑤⑥)」「ヘルパーB(①②)」の3つの役割があります。

支援の手順書を作成し、相手グループへの説明準備

3. 演習①で考えた支援の計画をもとに、「支援の手順書」を作成しましょう。適宜、ワークシート(WS-4) を使ってください。

4. 「支援の手順書」を使って3分間で相手グループのヘルパーに説明する準備をします。少なくとも「根拠を示して」「わかりやすく」の2点には留意しましょう。

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演習②|ロールプレイ(10分)

1. どちらの小グループから報告するのかを決めてください。

2. 報告者は、作戦どおりに相手グループのヘルパーに説明をしましょう。時間は3分間です。(タイムキープは講師が担当)

3. 報告を受けた小グループのヘルパーは、報告者に対して質問や確認をしましょう。報告者は質問に対して簡潔に答えましょう。

ヘルパーA:具体的な状況をあげて、トラブルが起きたときの対応

について質問しましょう。

例)急に腹痛になった時にはどうしたらいいですか?

ヘルパーB:支援の手続きについて整理して、「◯◯ということで

すね」と確認をしましょう。

4. 小グループを交代して、同じように1~3を行ってください。

演習②|支援手順を伝える(3分間)

①手順の説明

④内容の確認

②予想されるトラブルへの質問等

ヘルパーA

ヘルパーB

報告者(中堅)

奇数グループ 偶数グループ

ヘルパーA

ヘルパーB

報告者(中堅)

(③質問への返答)

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演習②|支援手順を伝える(3分間)

①手順の説明

④内容の確認

②予想されるトラブルへの質問等

ヘルパーA

ヘルパーB

報告者(中堅)

奇数グループ 偶数グループ

ヘルパーA

ヘルパーB

報告者(中堅)

(③質問への返答)

演習②|ディスカッション(15分)

1. ヘルパー役の人は、 相手の説明で「分かりやすかった・良かった点」をあげてください(説明方法)。

2. 報告者役の人は、報告するうえで「難しかった点」をあげてください。

3. もう一度報告するとしたら、どの点を改善するかを考えてみましょう。

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8

演習②|発表(10分)

1. 2~3グループに発表してもらいます。

2.発表者は各グループで話し合われた内容を全体に報告してください。

演習②|まとめ

※スライドに出す例示は、昼休憩時に会場の外に準備しておきます。必要な方はお持ち帰りください。

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9

まとめ|(外出時の)支援のポイント

【外出で失敗しないために】

障害特性や本人の行動特性に配慮した事前準備を念入りに

常に先手の支援で行動障害の予防

本人の疲労度に配慮 → 疲労に起因する行動障害

次回の外出に対するモチベーションに配慮

日常生活に戻るまで支援は終わらないetc.

まとめ|伝えるときのポイント

【手順書と説明のチェックポイント】

手順はシンプルか(対応が細か過ぎたり、手順が複雑すぎないか)

課題となる行動への対応方法が具体的に伝えられているか

なぜそのような方法になったのかという意味(理由)が伝わっているか

本人の行動と支援の流れが整理されているか

記録の内容と方法が決められているか

2人で付くときの役割分担が決められているかetc.

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10

まとめ|大切なポイント

対象者の障害特性や環境要因を考慮し、支援の手順書を作成する

直接支援を行うヘルパーや支援者に、正確に手順書の内容を伝える(相手が理解できるように伝える)

支援の手順書を作成することがゴールではなく、

直接支援する人たちに分かりやすく伝えること、

それが私たちの仕事(求められていること)です

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行動障害のある人の生活

社会福祉法人 秋田県社会福祉事業団

阿桜園 佐藤泰昭

平成28年10月 4日13:10~14:10

1

はじめに

利用者支援を行う上で、過去のケース記録や引継ぎ事項等を基に支援を行っています。

支援において、「継続した支援」や「統一した支援」、「アセスメント」が重要です。本ケースでは、上記のことに留意してケースカンファレンスを行い、支援を行いました。

2

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K・Nさんについて

昭和57年生 33歳 男性

養護学校高等部卒業

療育手帳A IQ15~17 障害支援区分6

障害 「最重度知的障がい」

「自閉症」「てんかん(週一回程)」

1~2語文で自分の気持ち等を伝えられる。(「紙、欲しい」等限られた言葉)また、日常生活におけるごく一部の言葉は理解出来る。

食事や排泄は自立、整容と身だしなみは一部支援。

3

入所前の生活

普通分娩により出生したが、2歳頃から言葉の遅れに家族が感じ、3歳時に小児療育センター受診する。

小学部3年の時行方不明となり、1.5km離れた民家で

冷蔵庫を開けた所を発見され通報される。その後も、近隣の民家や商店に入り同様の行為があるため、家族は常時目が離せない状態だった。

コップを投げて割れる音を聴いて笑い、投げるのを止められると大声を出し、手の甲で額や壁を叩く。(20~30分)

菓子袋、紙、食べ物等へのこだわりが強かった。広告紙をちぎって過ごすことが好きだった。

4

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入所の経緯とその後の生活

体格が良くなり、本人の衝動的な行動に家族が対応できなくなり、平成10年2月に施設入所となる。(15歳)

施設入所後も突然走り出し、国道を横切り近隣の商店へ行くことが何度もある。昼夜を問わずあり、車との接触事故もあった。

食器や窓ガラス等を衝動的に壊すことが多く、ガラス片で腕を裂傷することがあった。

創作的活動は難しく、身体を使った作業には参加できるが途中で止めてしまうことが多い。

お菓子袋、紙、食べ物へのこだわりは強く、衝動的な行動をすることが多い。

5

卒業後の様子

卒業後は、日課の参加を支援した。

(農作業、運動、掃除など・・・)

ただし、必ずマンツーマンであった。

紙片をまとめた物にこだわって持っていた。

(紙片が無くなった時だけ広告を渡す約束)

平成16年以降、日課中に眠ったり参加を拒否することが増えた。

すると

昼夜逆転する日が出てきた6

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統一されていない支援

本人へ紙を必要以上に提供しない約束

しかし

「日中起きていてもらうために」「紙をちぎることが好きそうだから」といった理由で紙を渡す職員が出てきた。

7

本人の行動の変化(H25年)

昼夜逆転、不眠がすごく多くなった。

こだわりが強くなった。

(紙の要求、セロハンテープの要求等)

日課に参加出来ないことが増えた

8

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9

観 察

自閉症の障がい特性から、際限なく要求に応えることはこだわりを強くする恐れがある。

※どこまでやって良いか分からない。終わりが見えない。

夜間不眠時の行動として、静かに起きていることは少なく、殆どが「紙」の要求や「セロハンテープ」の要求をすることが多い。

紙片が完成するとしばらくそれを眺めて過ごし、数日もしくは一週間程はその紙片で満足し、新たな紙の要求はない。

紙片が完成しているのに「紙」を渡すと、完成していた紙片を再度分解して作り直し始めるが、気に入った「形」にならない時は再度「紙」の要求がある。

10

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考 察

本人の好きなことは、作った紙片で「遊ぶ」「眺める」こと。

本人が要求していないのに紙を渡す行為は「余分な刺激」

「余分な刺激」によっての紙片の作り直しやこだわりの強化により、夜間の不眠に繋がっているのではないのだろうか・・・

「紙」という刺激を引くことで精神の安定を図り、夜間も落ち着いて過ごして安眠に繋がるのではないだろうか・・・

11

本人の強みに着目

ある程度は言葉を理解することが出来る。

日課について、職員の決まった動き等からある程度理解することが出来る。

ex.金曜日:カレー

土曜日:納豆

日曜日:パン

12

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⽣じている問題、⽣じうるリスク(具体的に記載)

①背景の障害特性を推測|氷⼭モデル ②障害特性を「強み」の表現に変換先の⾒通しをうまく持てない。(いつまで待つのか分からない。待つた

めのグッズや⽅法がない)

⾒通しが持てると安⼼して⽣活が出来る。

③他の場⾯から「強み」のリスト追加・ある程度の⾔葉の理解がある。・職員がいつも同じ⾏動をしているとあ

る程度の理解が出来る。・⾳楽鑑賞等、余暇が出来る。・紙を⾒ないとこだわらないことが多い。

④「強み」を活かした新たな環境・紙を渡す場⾯を限定する。・セロハンテープの時間を決める。・⾳楽鑑賞が⼀⼈出来る環境を作る。

▢こだわりから衝動的な⾏動や夜間不眠がある。

13

新しい約束事(H26年)

日課に参加しないで眠ってしまっても広告紙を渡さない。

広告紙は紙片がなくなった時にだけ渡す。

食事で提供された紙パック等を本人が欲しがった時は渡す。

余暇の過ごし方を本人と都度確認して提供する。

※新しい余暇の方法がないか観察する。14

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H26の支援 初期

広告紙 ~いつもすぐに渡していた職員への要求が特

に激しく、根気強く支援。(職員にも)

紙パック~以前は渡さないように支援した職員がいたが、

必ずもらえるようになって安心している。

余 暇~TV視聴、外での活動(散歩等)、CD視聴して

もらうがなかなか難しかった。

15

H26の支援 中期

広告紙 ~要求が激しくなった時は複数で対応。余暇支

援等で気を紛らかし、徐々に回数が減った。

紙パック~毎回持ち帰り、それを食後にちぎることが

徐々に定着。(食後にセロハンテープ要求)

余 暇~TV視聴はあまり興味示さない。外での活動

(散歩等)は笑顔を見せるが道路へ走り出す

ことがある。CD視聴は、懐メロが好きだがラ

ジカセ等を壊そうとすることがある。16

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H26の支援 後期

広告紙 ~要求することは少なくなってきたが、時折要

求することがあった。しかし、以前ほど激しく

要求しなくなった。

紙パック~定着し、毎食後にセロハンテープ要求。

余 暇~CDが一番提供しやすく、本人の反応も良

かった。そこで、居室でいつも聴けるように設

置した。(壊さないように工夫)

17

※平成27年度は9月30日現在

3

19

71

33

106

0

20

40

60

80

100

120

不眠(一睡もしない)

殆ど眠らない

激しいこだわり

物壊しや破衣行為

その他(発作、放尿等)

平成26年度

18

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困ったこと

セロハンテープの要求はどれ位応えればいいの?

音楽以外の楽しみはないの?

19

新しい約束事(H27年)

食後のセロハンテープの要求にはすぐ応える。

(10cm程の長さの物を3~5本)

それ以外の要求には「ご飯の後でね」と答える。

CD以外の余暇の過ごし方を探す

20

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H27の支援 中期

セロテープ~食後以外の要求には「ご飯の後でね」と

答えると納得することが多くなった。

また、渡すのは歯磨き後に統一する。

余 暇~プリントアウトしラミネートした写真を観ても

らうと以前より破こうとしないで観ている。

本人用の写真を用意してはどうか・・・

21

H27の支援 後期

こだわり ~紙を要求することはほとんどなくなった。目に

した時は強くこだわることがあり、他利用者の

雑誌等に配慮が必要だった。

余 暇~写真に反応が良いのでフォトフレームを購入

して観てもらう。

(CD視聴、TV視聴等の他に)

22

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23

24

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医療相談

医療相談し、てんかん薬の血中濃度が低いことが分かる。そこで、ガバベン200mgが追加処方(昼食後)。

しかし、眠気が強くなり、歩行も不安定になるだけでは

なく、表情も良くなくなってしまった。(H28.2)

そこで、発作になることが多い「外出」「家族との行事」「精神科受診」の前にとんぷく薬としてガバベン200mgを事前に服薬することにする。

外出中に発作になることが減り、楽しむことが出来るようになった。 25

※平成27年度は9月30日現在

4

14

52

23

76

0

10

20

30

40

50

60

70

80

不眠(一睡もしない)

殆ど眠らない

激しいこだわり

物壊しや破衣行為

その他(発作、放尿等)

平成27年度

26

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H28年 現在の様子

本人が落ちついたことにより、写真鑑賞している時間も長くなり、観ている時の表情も良くなっている。

写真鑑賞導入初期は周りに人がいなかったが、本人が落ちついていることにより自然と他利用者が集まり、一緒に過ごすことが出来るようになった。(本人のことをあまり好きではなかった利用者も側に来るようになった)

紙の要求はほとんどなくなった。

突然走り出すことはあるが、破壊衝動ほとんど見られなくなった。 27

職員の変化

始めの頃は職員が警戒しながら支援をしていた。

(いつ走り出す? 物を壊さないかな? 大丈夫?)

このことは少なからず本人に伝わっていたと思う。

今は、職員の関わり方に余裕ができ、全員で本人を信

じて支援することが出来るようになった。

笑顔が増えた。

28

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(K・Nさん)

時間 活 動 サービス⼿順 備考 9:00

9:30

10:00

10:15 11:00 12:00 12:30

掃除

休憩

朝の会

作業

休憩

昼⾷ ⻭磨き

本⼈の⾏動 援 助 者 フォトフレームは⽀援員室

雑⼱、モップで居室を掃除する。 居室等で休憩する。 1.「朝の会ですよ」と声をかける。 2.談話室に移動してもらう。 3.⽇課を確認し、⽔分補給する。 作業に参加する。 ※運動訓練はF・Yさんとペアで⾏ う。 居室、廊下、談話室で休憩する。 ⾷堂へ移動する。 洗⾯所へ移動して⻭磨きする。

「掃除ですよ」と声かける。 休憩場所を本⼈に確認する。 ⼀緒に談話室へ移動する。 コップを床に投げることあり、注意する。 本⼈と⼀緒に作業をする。または、突発的な⾏動に対応出来る所で⾒守りする。 休憩⽅法を確認する。 ※⾳楽鑑賞、写真鑑賞、TV視

聴、横になる。 ⾷事であることを伝え、⼀緒に移動する ⻭磨きの声かけをして⼀緒に移動する。 磨き残しの⽀援をする。 ※コップ等を壊そうとすること

があり、気を付ける。

【緊急の時】 破壊衝動、こだわりが強い時は2⼈以上で⽀援して下さい。 発作の時は居室へ誘導して治まるまで⾒守りして下さい。(3〜8時間程続きます)

【気をつけておいてほしいこと】 発作の前後に衝動的になることや破壊衝動が現れることがあります。 突発的に外へ⾛り出してしまうことがあります。 紙へのこだわりが強いので、「お菓⼦袋」「広告」等が気にならないようにして下さい。

※⾚⾊、⻘⾊、⻩⾊、緑⾊が好きです。 ⾷後にセロハンテープの要求があったら 10cm程の⻑さの物を 3〜5 枚渡して下さい。 眠気が強い時があります。歩⾏や転倒に注意して下さい。

【記録表】※別紙。 排便後、すぐに流して確認出来ないことがあるので注意して下さい。 発作は始まりと終わりの時間を記⼊して下さい。短いと連続することあります。

29

排便なしの日数

排便

排便の記入法は、多量=◎ 普通量=〇 少量=△ で表記して下さい。排便なし5日目の就寝時にラキソベロンを服薬して下さい。服薬量は通常20滴です。発作状況は眼球上転、多動となります。もし、他の症状が出た場合は記載お願いします。通常時の発作の場合は時間だけの記入でお願いします。

備考

備考

排便なしの日数

排便

ラキソ有無

発作なしの日数

発作<時間>

K・Nさん 健康状態確認表 平成  年 月74 5 6

ラキソ有無

発作なしの日数

121 2 3

16 17 18 19 20 21 22 23

13 14 15日付

日付 3024 25 26 27 28 29

8 9 10 11

発作<時間>

31

30

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※平成27年度は9月30日現在

22

42

133

36

82

3

19

71

33

106

4

14

52

23

76

0

20

40

60

80

100

120

140

不眠(一睡もしない)

殆ど眠らない

激しいこだわり

物壊しや破衣行為

その他(発作、放尿等)

平成25年度 平成26年度 平成27年度

31

失敗した所・・・

自分達の支援方法を省みる前に、「昼夜逆転にならないようにしなくては」「作業させなくては」といったことを考えてしまった。

固定概念はダメだった。

32

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今後の目標

余暇支援はもっと自由に、もっと選択出来るように。

(職員を介さない。みんなとも笑顔で)

出来ることを増やす。

(たとえば、買い物に職員が2人が付き添っているが、本人も支援者(家族)も楽な方法やルール作り)

もう少し発作の軽減が図れないかな?(回数、時間)

33

より良い支援のために

利用者の方の支援において、「継続」した支援と「アセスメント」、「統一した支援」が重要だと思います。

34

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2⽇⽬ 14:10〜16:10〔120 分〕

【演習】記録に基づく⽀援の評価 -危機対応・虐待防⽌との関連から-

平成 28 年度強度⾏動障害⽀援者養成研修より出典

【この時間の流れ】

本⼈に合った⽣活環境を模索している過程で、職員や他の利⽤者を叩くなどのトラブルが発⽣してし

まうことは少なくありません。この時間はそうした事態を想定して、記録を取り、それに基づいて⽀

援の⽅法を再検討するプロセスを学びます。

【ポイント】

① アセスメントや再検討した⽀援計画が「正しい」かどうかを問題にする時間ではありません。

② 「どのようなプロセスで記録の⽅法を考えればいいのか」というプロセスを理解しましょう。

個⼈で 考える

5 分

グループで

考える

10 分

発表

5 分

記録の原則と⽅法

20 分

〔グループ〕 演習①

30 分

〔グループ〕 演習②

60 分

まとめ

(危機介⼊)

10 分

演習の説明

5 分

〔グループ〕 仮説を選ぶ

5分

〔グループ〕 記録⽅法を考える

30 分

発表

10 分

演習の説明

5 分

まとめ

10 分

演習①:必要な情報を考える

演習②:記録の⽅法を考える

まとめ

5 分

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■これから休憩をとります

■休憩時間中に、係の人が模造紙と、マジックペンを、準備しておきます。

■演習②で使用する備品です。 

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