新生児期，乳児期におけるプロテイン...
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奈医誌. 0. Nara Med. Ass.) 40， 421-434，平1
新生児期，乳児期におけるプロテイン Sの推移
奈良県立医科大学小児科学教室
橋本憲治
CHRONOLOGICAL CHANGES OF PROTEIN S
IN NEWBORN AND INFANTILE PERIODS
KENJI HASHIMOTO Deβartment 01 Pediatrics， Nara Medical Uni1リersity
Received恥1ay31， 1989
(421)
Summary: Chronological changes of levels and plasma distribution of vitamin K-
dependent protein S (PS) were studied in infants throughout the first 12 months of life.
Total PS antigen (T-PS: Ag)， C4b-binding protein (C4bp: Ag)， free PS antigen (F-PS:
Ag)， PS: Ag complexed with C4b田bindingprotein (C4bp-S :Ag) and PS activity (PS: Act)
were measured in 450 full term infants with no bleeding and thrombotic episodes. T-PS: Ag
assayed by ELISA were 22.4土9.4U/dl (mean土SD)on 0 day after birth (cord plasma)， 22.
3:t9.4 U/dl on 1 day and rose gradually， reaching 72.0土16.8U/dl at 12 months of age. PS:
Act assayed by modified A-PTT using PS-immunodepleted plasma showed no increase but
considerably higher levels in contrast with T-PS : Ag during the first 1 month of age， and
then started to rise in parallel with T-PS : Ag， reachdsg 75.2土19.3U/dl at 12 months of age.
Although 54-57 % (same as the normal adult value) of PS were found to be bound to C4
bp in infants after 3 months of age， only 11.9 % -34.0 % of PS were bound in infants before 1 month of age because of relatively lower levels of Cbp.
Index Terms
protein S (PS)， C4b-binding protein (C4bp)， C4b.司bindingprotein S antigen (C4bp-S: Ag)，
free protein S antigen (F田PS:Ag)
緒 官昔E司
重要な調節蛋白である C，b司bindingprotein (C，bp)と結
合しており，残りの 40-50%は遊離型 PSとして存在
プロテイン S(Protein S ; PS)は， DiScipio')ら(1977) し， APCの補助因子として抗凝固能を示すことが知られ
によってヒト血祭より純化された分子量69，000，N末端 るようになった6)7).
に10個のy-carboxyglutamin酸 (Gla)残基を有するピ 従来，凝固因子の欠乏が出血傾向を発現せしめること
タミンK依存性血疑蛋白である2) 当初，本因子の生物学 はよく知られてきたが，近年血栓を反復する患者のなか
的活性，機能については不明であったが，その後本因子 にはフィブリノゲン，アンチトロンピンIII(AT-III)，プ
はプロトロンピン，第VIl，第lX，第X因子などのピタミ ロテインC(PC) ，プラスミノゲンの先天的欠乏ないし異
ンK依存性凝固因子が示すプロテアーゼ作用はなく，活 常に基底するものが存在することが相次いで報告される
性化プロテインC(Activated protein C ; APC)の非酵 ようになり， Compら8)(1984)はPSの先天的欠乏によ
素性補助因子として，第V因子及び第四因子を失活して り血栓を反復する 1家系を報告した.以来，著者らの観
凝固抑制的に働くことが明らかにされた3)4)5)• 察例U9)を含め現在までに 10数家系の先天性 PS欠乏症が
更に， PSはヒト成人血築中では50-60%が補体系の 報告されている 10)-12). 後天的には， PSは妊娠，紅斑性
(422) 橋 木
狼癒，経口避妊薬摂取など血栓傾向のリスクの高い状態
では低下し，又 PSが肝で合成されることより肝疾患で
も低下することが報告されている.従って，肝の未熟と
ビタミンKの不足状態の新生児期には PSの生理的低下
が推察されるが，新生児期および乳児期の PSの存在形
成およびその推移の詳細については明らかでない.
教室では既に， PS及び C4bpを血媛より純化し，家
兎，マウスに免疫した各異種抗体を得，これを用いた
Enzyme.linked immunosorbent assay (ELISA)によ
る.遊離型 PSとC4bp結合型 PSの PS抗原測定法を
確立した山4).本稿では新生児期，乳児期における PS動
態を明らかにする目的で，正期産児騎帯血及び生後 1日
目より 12ヶ月に至る健常児について， PS抗原，活性，
及び PSの C4bpとの結合様式の推移を検索した.
検索対象及び方法
1.検索対象
心 臓帯血.満期正常分娩における騎帯結染直後の
隣帯血 (30例〉を採取し，直ちに 1/9容の 3.8%クエン
酸ナトリウムと混和し 10分間遠心分離した.尚，母体へ
のビタミンK投与はされていない症例を対象とした.
日 新生児，乳児.周産期にピタミンK投与の既往が
なく出血症状及び血栓症状を呈していない正期産正常新
生児生後 1日30例，生後 2日30例，生後 3-4日30
例，生後 5-7日30例，及び 1ヶ月 3ヶ月 6ヶ
月 9ヶ月， 12ヶ月の健常乳児(各 60例〉より採血，上
記同様の方法にて血援を得た.尚，各血竣サンプノレは測
定に使用する直前まで-80'Cにて凍結保存した.
2. 人工的 PS欠乏血媛:著者らの作成した抗 PS家
兎血清よりの IgG分画をゲノレに吸着，不溶化せしめて抗
PSーセフアローズ 4Bカラムを作製し， これに正常プー
ノレ血援を通過させ， PS欠乏血援を得た叫.
3. プロテインS活性測定法:PS欠乏血援に対する
被検血援の活性化部分トロンボプラスチン時間 (A
PTT)延長効果で測定した14). 125μlの人工的プ。ロテイ
ンS欠乏血殺と 25μlの被検血援の混合物に Actin
(Dade， USA)を100μl添加し，3TC， 1分間反応さ
せ， 10μlの純化APC(50μg/μ1)を添加した. 1分後
50μIの50mMCaC12を再加し，凝固時聞を測定した.標
準曲線は，PS欠乏血援にて種々の濃度に希釈した正常
プーノレ血援を用いて作成した.
4.全プロテイ γS抗原量 (T-PS:Ag) :著者らの開
発した酵素免疫測定法 (ELISA)に拠った.抗 PSマウ
ス血清を 0.05M炭酸塩緩衝液 (PH9.6)にて 2000倍
希釈し， ELISA用 microtitre.plate(NUNC，Denmark)
憲 治
に200μlずつ分注後4'cにて 24時間放置した.吸引除
去後 4% bovine serum albumin (BSA)を含む 0.05M
炭酸塩緩衝液 200μlを各々添し 3TC2時間反応させブ
ロy キングを行ったCstep1).ブロッキング液を 0.05%
Twe巴n20を含む 0.02Mリン酸緩衝化生食水 (pH7.2)
(A液〕にて十分洗浄後，被検血撲を 4%BSAを含む
0.02Mリン酸緩衝化生食水 (B液〉にて希釈し，抗原と
して各々 100μl ずつ添加し 4'c， 24時間反応させた
CStep 2). St巴p2での反応液をA液で十分に洗浄し，
B液にて 1000倍に希釈した自家製抗 PS家兎血清 100
μlを添加し，3TC 2時間反応させた (Step3).
A液にて洗浄後B液にて 2000倍に希釈したベノレオキ
シダーゼ標識抗家兎 IgGヤギ抗体 (MilesLab Ltd.，
USA) 100μlを添加し 3TCで60分間反応させた.A液
で十分な洗浄後， O-phenylendiamineを基質として添
加，発色させ 5-10分後に 2.5M硫酸で反応を停止さ
せ 492nmでの吸光度を測定した (step4).
既報の如く，本 ELISAは，遊離型及び C.bp結合型
PS共に補促し，全 PS抗原量を反映した叫.
5. C4bp結合型 PS抗原量 CC4bp-S:Ag) : Step 2
の過程までは T-PS:Agと全く同様に行い， Step 3に
おいて，抗 PS家兎血清にかえて抗 C4bp家兎血清を
2000倍希釈したものを用いた.以下 St巴P4も T-PS:
Agと全く同ーの方法で行った. 4， 5の ELISA法と
もに，純化 PS，純化 C4bp-PScompl巴X を対象として
用い標準曲線を作成し ELISAによって得られた値を蛋
白量に換算した. C4bp-PS compl巴X は， モノレ比 1: 1
の非共有結合とされているので，得られた C4bp.PS
complexの蛋白量のうち，各々の分子量より PS部分の
蛋白量を算定した14).
6.遊離型 PS抗原量 (Free-PS : Ag) : 4で得た T
PS: Ag蛋白量から 5で算定した C4bp結合型 PS:
Ag蛋白量をヲIl、て遊離型 PS抗原蛋白量を算定した.
尚， 4， 5， 6の成績は健常成人 20名よりのプール血撲
を標準 100%として， U/dlで表現した.
7. プロテイン S抗原の二次元交差免疫電気泳動法
(PS: CIE) : 1 mM EDTA加， 0.075 M ベロナーノレ緩
衝液 (pH8.6)で溶解した 1%アガロース平板を作成
し，被検血衆8μIを添加後 Bromophenolblueをマー
カーとしたアルブミンピークが 3.7cm移動するまで
2.5mA/cmで一次元泳動を行った.泳動後，孔より 2
mm上方で泳動方向に平行にゲノレを切りとり，その上部
に1%抗 PS家兎血清加 1%アガロースゲノレを作成し，
一次元泳動と直角方向に 0.7mA/cm， 16時間泳動した.
泳動後ゲ、ノレを乾燥させ Coomassiebrilliant blue-R250
新生児期，乳児期におけるプロテインSの推移 (423)
で染色した9) C4bpの二次元交差免疫電気泳動は抗 PS 抗原の二次元交差免疫電気泳動像 (PS:CIE) 成熟新生
家兎血清を抗 C4bp家兎血清に換えて上記と同様の方法 児の血竣中 PSの存在形式について，自家製抗ヒト PS
で行った. 家兎血清を用いた二次元交差免疫電気泳動法により， PS
8.全 C4b-bindingprotein抗原量 (C.bp: Ag)測 抗原の泳動像を観察した.正常成人血竣サンプノレでは，
定法:自家製抗 C4bp家兎血清を用いた Laurell法によ 起点に近し位置に peakの高い sIowmovingな部分と，
るロケット免疫電気泳動法に拠った13)14). 0.075 M ベロ これに連なって陽極側に中等度の peak高を示す fast
ナーノレ緩衝液 (pH8.6)で溶解した 1%アガロース movingな部分の二蜂性の arcpatt巴rnが観察された.
(Sigma， USA)に1%になるべく抗 C4bp家兎血清を 成熟新生児の騎帯血竣サンフーノレでは陰極側の sIowmov
混和し，ゲル平板を作成した.ベロナーノレ緩衝液で、 10倍 ing arcは欠如していたが，陽極側には成人に比して若干
希釈した被検血竣5μlを添加後0.6mA/cmの定電流 peak高の低い fastmoving arcが認められた.生後 1
で16時間泳動した.
成 績
日のサンフ.ルで、は sIowmoving arcは殆ど欠如してい
たが，経日的に漸次出現し始め，生後5日のサンプノレで
は明らかな二蜂性を呈した (Fig.1).一方，抗ヒト C4b
1.成熟新生児，乳児期にま全ける血疑中プロテイン S -binding protein (C4bp)家兎血清を用いた二次元交差
(A) 翻意滋議機紛議遡瞳機議議手議機 m 二議¥諸都 (D)
(B) 機議機緩約冬鱗畿を笠幾綴幾機感懇騒総選選 (E)
(C) 襲 撃お球議議採襲撃“制 点均約二渓懇綴議 (F)
Fig目1.Crossed immunoelectrophoresis of PS : Ag (A) Healthyadult (NormaI ControI) (B) Cord plasma (C) 1 day aft巴rbirth (D) 5-7 days after birth (E) 1 month aft巴rbirth ( F) 3 months afterbirth
(424) 橋 本 憲 治
免疫電気泳動にて，正常成人血媛サンァツレは起点に近い Agは，瞬帯血 30サンフツレでは 2-45 U/dl (平均土標準
陰極側にー蜂性の arcが観察された.隣帯血では arcは 偏差 22.4土9.9U/dl)で成人値の約 1/4の値であった.
欠如していたが生後 5日のサンフソレで arcが少量出現 生後 1日7-48 U/dl (22.3士9.4U/dl)と同様に低値
し始め，生後 1ヶ月のサンフツレで、は成人の 2/3peak高 であったが，生後 2日7-49 U/dl (25.4士10.2U/dl)，
を示す arcが観察された.従って PS:CIEに於いて 3-4日12-41U/dl (26.5土8.4U/dl)と軽度に増加し
二蜂性を呈した PS抗原 arcのslowmoving partはc. はじめ，生後 5-7日では 16-59U/dl (33.5土10.3U/
bpと結合した C4bp-Sであり， fast moving partは dl)と成人値の約 1/3となり 1ヶ月で 19-61U / dl
Free-PSによるものと判定した (Fig.2). (36.6:t9.2 U/dl)， 3ヶ月 12-97U/dl (45. 9:t13. 7 U
2.新生児期及び乳児期の血築中の全 PS抗原量 (T /dl)と成人値の約 1/2に到達した. 6ヶ月で 19-127U
PS: Ag)， C4bp結合型 PS抗原量 (C4bp-S:Ag)，遊 / dl (59.7土20.1U/dl)， 9ヶ月 22-123U/dl (66.6士
離型 PS抗原 (Fr巴e-PS:Ag)及びC.bp抗原量 (C4bp: 20.8U/dl)と漸次増加し， 12ヶ月では 42-121U/dl
Ag)の推移:成熟新生児の出生直後より生後 1年まで経 (72.0:t16.8 U / dl)と成人の下限値内に到達した
時的に T-PS:Ag， C4bp-S: Ag， Fre巴-PS:Ag及び C4 (Table 1， Fig. 3).
bp:Agの推移を追跡した.ELISA法で測定した T-PS: 同様の ELISA法で測定したC.bp-S:Agは，隣帯血
(A) 欄騒騒騒縁側機長講畿機綜 (D)
(B) 覇覇藤総議襲撃議議五プ的繁懇義務、明、y 、 (E)
(C) 九?知機関察議機織只議終持議 (F)
Fig. 2. Crossed immunoelectrophor巴sisof C4bp : Ag (A) Healthy adult (Normal Control) (B) Cord plasma (C) 1 day after birth (D) 5-7 days after birth (E) 1 month after birth ( F) 3 months after birth
新生児期，乳児期におけるプロテインSの推移 (425)
Tabl巴1. Mean:tSD (U/dl) of PS: Ag， PS: Act and C，bp: Ag in each age group
o D (Cord) 1D 2Ds 3-4Ds 5-7Ds
Total PS: Ag 22.4士 9.9 22.3:t 9.4 25.4:t10.2 26.5土 8.4 33.5:t10.3
PS : Ag complexed with C，bp 10.7:t10.6 12.8:t 9.8 16.3士10.7 15.5士 8.1 22.2:t10.2
Free PS: Ag 40.9土16.6 37.2:t12.7 37.0土14.5 37 .6:t12. 0 36.9士10.2
C，bp: Ag 3.9土 5.2 6.3:t 7.4 8.2:t 8.5 13.0:t 8.1 23.4士12.3
PS: Act 42.6土11.5 38.4:t11.6 37.l:t13.6 39.6土13.4 38.l:t 13.5
1M 3Ms 6Ms 9Ms 12乱1s Adu1ts
Total PS: Ag 36.6:t 9.2 45.9:t13.7 59.7:t20.1 66.6:t20.8 72.0士16.8 96.1土18.5
PS: Ag compl巴X巴dwith C4bp 30.6土 9.4 48.2:t19.2 56.6:t20.2 65.8土17.8 69. 4:t 18.1 93. 7:t 15.8
Fre巴 PS:Ag 43.0士12.8 48.0土17.2 59.0土20.4 68.3士22.3 75. 9:t30. 4 98.4:t26.1
C4bp: Ag 43.0:t16.0 67.1土19.8 77.3土13.3 83.4士16.7 89.1土12.1 95.l:t16.2
PS: Act 43.1土19.1 48.1土18.7 59.5土22.6 66.3士21.3 75.2:t19.3 90.4:t26.8
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(cord)
Fig. 3. Chronological changes of total.protein S antigen
30サンフ。ルでは0-47U/dl 00. 7:t10.6 U/dl)であり， ヶ月では42-107U/dl (69.4土18.1U/dl)と成人の下限
生後 1日で 0-31U/dl C12.8:t9.8 U/dl)， 2日0-46 値に達した (Table1， Fig. 4).
U/dl (16.3:t10. 7 U/dl)， 3 -4日3-40 U/dl (15.5土 Free.PS: Agは，隣帯血 30サンフ。ノレでは8-78 U/dl
8.1 U/dl)と著しく低下していた (40.9土16.6U/dl)であったが，生後 1日で 10-70U/
生後 5-7日で 7-43 U/dl (22. 2土10.2U/dl)と増加 dl (37.2土12.7U/dl)， 2日10-76U/dl(37.0士14.5U
しはじめ， 1ヶ月 7-60 U/dl(30.6士9.4U/dl)， 3ヶ月 /dl)， 3 -4日13-61U/dl(37.6士12.0U/dl)， 5 -7
では 10-108U/dl (48.2:t19.2 U/dl)と成人値の約1/2 日14-64U/dl (36.9土10.2U/dl)と麟帯血の値より軽
に達した. 6ヶ月 21-114U/dl (56.6士20.2U/dl)， 9 度に低下していた.生後 1ヶ月で 19-88U/dl (43.0士
ヶ月 21-108U/dl (65.8土17.8U/dl)と漸次増加し， 12 12.8 U/dl)と増加し始め 3ヶ月では20-89U/dl(48.0
治
推移していた.生後 5-7日では 8-51 U/dl (23.4士
12.3 U/dI)， 1ヶ月 12-79U/dl (43.0土16.0U/dI)と
著増し 3ヶ月では 26-108U/dl (67.1士19.8U/dI)と
成人値の約 2/3値に達した.その後6ヶ月で 41-117U/
dl(77.3土13.3U/dI)， 9ヶ月 37-113U/dl(83.4土16.7
U/dI)と緩徐に漸増し， 12ヶ月では 49-117U/dl(89.1
:t12.1 U/dI)と成人の下限値内に達した(Table1， Fig.
6).
T-PS: AgとC.bp-S:Agの比は，隣帯血では0.12
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土17.2U/dI)と成人値の約1/2に達した. 6ヶ月で 17-
134 U/dl(59.0:t20.4 U/dI)， 9ヶ月 22-123U/dl(68.3
士22.3U/dI)と漸次増加し， 12ヶ月では41-142U/dl
(75.9士30.4U / dI)と成人の下限値内に到達した
(Table 1， Fig. 5).
Laurell法で測定した C，bp:Agは，隣帯血 30サンプ
ノレでは 0-15U/dl(3.9士5.2U/dI)， 生後 1日o-23U
/dl C6.3:t7.4 U/dI)， 2日o-24 U / dl C8.2:t8.5 U /
dl)， 3 -4日0-3203.0土8.1U/dI)と極めて低値で
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Fig. 4. Chronological changes of protein S antig巴ncompl巴X巴dwith C，b-binding protein
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Fig. 5. Chronological changes of free.protein S antigen.
3-4
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(427) 新生児期，乳児期におけるプロテインSの推移
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Fig. 6. Chronological changes of C4b-binding protein antigen
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士
0.11
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0.57
土
0.12
6Ms
0.54
±
0.05
3Ms
0.55
± 0.17
1M
0.34
± 0.10
5-7Ds
0.31
士
0.09
3-4Ds
0.28
土
0.08
2 Ds
0.23
土
0.11
1D
0.16
十
0.11
0.12
土
0.10 S.D.
Fig. 7. Chronological changes of the ratio of protein S antigen com日
pl巴xedwith C4b-binding protein to total-protein S antigen. The ar巴asurrounded by diagonallines indicates healthy adu1ts values.
治
T-PS: AgとFree-PS:Agの比は，騎帯血では 0.82
:t0 .18，生後 1日0.76士0.19と極めて高値であった.生
後2日で 0.70土0.21， 3 -4日0.68土0.13，5 -7日
0.52:t0.14， 1ヶ月では0.54士0.12と漸次低下し， 3ヶ
月で 0.48士0.12とほぼ成人レベルの比率 (0.40-0.50)
に達した. 6ヶ月で 0.44:t0.07，9ヶ月 0.42土0.08，12
ヶ月ではO.45:t0. 06と同様の比率であった (Fig.8).
憲本
:t0.10，生後 1日o.16:t0.11と極めて低値であった.生
後2日で 0.23土0.11，3 -4日0.28:t0.08，5 -7日
0.31土0.09，1ヶ月では 0.34土0.10と漸次増大し， 3ヶ
月では0.55:t0.17とほぼ成人レベルの比率 (0.50-
0.60)に達した.以後6ヶ月で 0.54土0.05， 9ヶ月 0.57
:to .12， 12ヶ月では0.56:t0.11であり同様の比率で推
移した (Fig.7).
橋(428)
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0.42
士
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土
0.12
1M
0.54
土
0.12
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0.68
士
0.13
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0.70
士
0.21
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0.76
士
0.19
0.82
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0.18
Fig. 8. Chronological chang巴sof th巴ratioof fr巴巴ーprot巴inS antigen to total.protein S antigen. The area surrounded by diagonallines indicates healthy adults valu巴s.
S.D
(429)
この PS:ActがT-PS:Ag， C.bp-S: Ag， Free-PS:
Agのいずれと平行して推移するか，各々についての相
関を求めた.
PS:Actと T-PS:Agの相関係は，燐帯血で寸土γ=
0.91，生後 1日γ=0.92，2日γニ0.89，3 -4日γニ0.88
と良好であった.生後 5-7日ではγ=0.75，1ヶ月γ=
0.67， 3ヶ月γ=0.60とかなり係数は低下し相関は不良
であったが， 6ヶ月で、Yニ0.88，9ヶ月γニ0.88，12ヶ月
で、は)1=0.82と再び良好な相関を示した (Fig.10).
PS: ActとC.bp-S:Agの相関係数は，隣帯血で、はγ
ニ0.81，生後 1日γニ0.83，2日γニ0.87，3-4日)1=
0.76と相互の相関は良好であった.生後 5-7日ではγ
=0.63， 1ヶ月γ=0.60，3ヶ月γ=0.60とこの時期の相
新生児期，乳児期におけるプロテイン Sの推移
3.新生児期及び乳児期の血竣中の PS活性値 (PS:
Act)の推移 騎帯血 30サンフ勺レで、は 20-73U/dl(42.6
土11.5U/dJ)であった.生後 1日で 11-68U/dl (38.4
土11.6U/dJ)， 2日5-64 U/dl(37.1士13.6U/dJ) ， 3
-4日7-65 U/dl(39.6:t13.4 U/dJ) ， 5 -7日5-68
U/dl (38.1士13.5U/dJ)と騎帯血の値より低値を示した
が，生後 1ヶ月で 7-97 U/dl(43.1土19.1U/dJ)と軽度
に増加し始め 3ヶ月では 12-97U/dl (48.1土18.7U/
dJ)と成人値の約 1/2に達した. 6ヶ月で 19-119U/dl
(59.5土22. 6 U / dJ)， 9ヶ月 25-123U/dl (66.3土21.3
U/dJ)と漸次増加し， 12ヶ月では33-128U/dl (75.2土
19.3 U/dJ)と成人値下限に到達した (Table1， Fig
9).
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Fig. 9. Chronological changes of protein S activity
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PS : Act (U/dl) PS : Act (U/dl) PS : Act (U/dl) P5: Act (U/dl)
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Fig. 10 Correlation between total.protein S antigen and protein S activity.
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Fig. 11. Correlation between protein S antigen complexed with C，b巴bindingprotein and prot巴inS activity.
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Fig. 12. Correlation b巴tweenfree-protein S antig巴nand prot巴inS activity.
れぞれ分子内に活性中心のセリン残基を有し，セリンプ
ロテアーゼの前駆体として血祭中に存在している.一方
PSは上記因子と同じくビタミンK依存因子であり肝で
合成されるが，血築中ではプロテイン C(PC)の活性型
である Activat巴dPC (APC)の作用の補助因子として，
凝固制御的に働くことが明確にされるようになった制4).
臨床的に PC及び PSの欠乏ないし低下は，凝固制御機
構の破綻による血栓形成を招来せしめることが知られて
いるが，新生児期及び乳児期の PCならびに PSの動態
については殆ど知られていない PSはヒト血竣中に珍
いて補体系蛋白C.bpと結合している PS(C，bp-S)と，
結合せず遊離している PS(Free-PS)の二様式で存在し
ている 6)7) 著者は成熟新生児の生直後より生後 1年ま
で，全 PS抗原量， C，bp結合 PS抗原量，遊離 PS抗原
量及び PS活性の推移を検索した.
自家製抗ヒト PS家兎抗血清を用いて血疑中の PSの
関はかなり低下したが，その後6ヶ月ではyニ 0.83，9ヶ
月yニ 0.76，12ヶ月γニ0.70であり健常成人と同様の相
関値を示した (Fig目 11).
PS:ActとFre巴ーPS:Agの相関係数は，隣帯血では
γ=0.93，生後 1日γニ 0.92，2日y=0.91， 3 -4日γ=
0.91であった.生後 5-7日で、はγ=0.90， 1ヶ月γ=
0.88， 3ヶ月 γ=0.86，6ヶ月 y=0.91， 9ヶ月 γニ
0.89， 12ヶ月 y=0.82といずれの時期も良好な相関を示
しTこ (Fig.12).
新生児期には肝の未熟性ならびにピタミンK欠乏によ
りプロトロンピン(第II因子)，第VII因子，第IX因子及び
第X因子などの凝固因子の活性が低下し，これら各因子
の低下度は新生児出血症の発現とも関連することは従来
より良く知られてきたところである.これら 4因子はそ
察考
新生児期，乳児期におけるプロテインSの推移 (431)
二次元交差免疫電気泳動を行うと，正常成人血媛サンプ
ノレで、は，泳動原点近くに高 peakのC.bp結合型 PS抗
原の arcと，それに連なって陽極側に peak高のやや低
い遊離型 PS抗原の arcとの二蜂性の泳動 patternが観
察された.成熟新生児の隣帯血サンフソレでは， C4bp結合
型 PS抗原の arcは欠如し，かっ遊離型 PS抗原のやや
低い arcのみが観察された. C.bp結合型PS抗原の arc
は生後 2 日より出現しはじめ生後 5~7 日では成人像よ
り低いが，明あかな二蜂性 arcが認められれた.
自家製抗ヒト C4bp家兎抗血清を用いた二次元交差免
疫電気泳動では騎帯血，生後 1日のサンフソレで、は，泳動
arcが欠如していたが，経時的に出現しはじめ 1ヶ月で
は成人の約 2/3のarc高を呈した.遊離型 PS抗原は隣
帯血サンァ・ノレで、は成人の約 1/2高の arcを呈し 1ヶ月
以後漸次増高し 3ヶ月では成人の約 2/3の arc高を呈
することが観察された.新生児期には C4bp抗原が極め
て低値のため PSは結合し得ず，殆ど遊離型 PSの型で
存在しているものと考えられた.このような PS抗原の
定性所見に基づいて，新生児，乳児期にま全ける血中の PS
複合体の推移について，全 PS抗原， C4bp結合型PS抗
原，遊離型 PS抗原を定量的に検索した.全 PS抗原量
は隣帯血 22.4:t9.9U/dl，生後 1日22.3:t9.4U/dlと
成人値の約1/4の値を示し，その後漸次増加し，生後 1
ヶ月で 36.6:t9. 2 U/dlとなり， 12ヶ月で 72.0:t16.8U
/dlと成人下限値内に到達した.C4bp自体の抗原量は新
生児期では極めて低値であり，第 5~7 日より 3 ヶ月に
かけて著しい増加を認めたが，その後漸次増加し 12ヶ月
で89.1士12.1U/dlと成人下限値内に達した.C.bp抗原
量と C4bp結合型 PS抗原量の推移とは平行していた.
これに対し，遊離型 PS抗原量は隣帯血 40.9土16.6U/
dl と成人値の約 2/5 であり，生後 5~7 日 36.9 土 10.2 U
/dl， 1ヶ月 43.0:t 12 . 8 U / dlと優位の増加を認めなかっ
たが，同時期の全 PS抗原量に比し有意の高値を示した.
その後漸次増加し 12ヶ月では 75.9土30.4U/dlと成人
下限値内に到達していた.
PSの活性は凝固法により測定したが，隣帯血では
42.6土11.5U/dlであった.生後 1~ 7日の間更に低下
したが， 1ヶ月で 43.1土19..1U/dlとなり，その後3ヶ
月より 12ヶ月に至る期間は漸増傾向を認めた.PS活性
と全 PS抗原量または C4bp結合型 PS抗原量との相関
は，生下時より生後 3~4 日までは良好であったが，生
後 5~7 日より 3 ヶ月にかけて相互の相関は優位な低下
を認めた.6ヶ月以降 12ヶ月までは再び良好な相関を示
した.一方 PS活性と遊離型 PS抗原量との相関は，騎
帯血より 12ヶ月に至る全期間に珍いて良好な相関を示
した.
以上の成績から下記のことが推論される.即ち，新生
児期には C4bp抗原量が極めて低値であり， PS抗原側
から見た場合 C4bpが相対的に不足し， C4bp結合型 PS
の占める割合が有意に低下している.従って遊離型 PS
の占める比率が高くなる. Comp15)らによって報告され
ている如く， この C4bp結合型 PS抗原は PS活性を持
たないため， C.bp結合型比率の低い新生児期に拾いて
は，相対的な活性高値として反映されるものと考えられ
る.又ヶ月まで， PS活性が殆ど増加しないのは，全
PS抗原量がゆるやかに漸増するものの， C4bp抗原の漸
増傾向により，活性を有さない C4bp結合型 PS抗原の
存在比率の増加によって相殺されたものと考えられた.
6ヶ月以降， PS活性値と全 PS抗原量は，ほぽ平行し
た漸増傾向を示し良好な相関で推移した. PS活性を持
たないC.bp結合型 PSの全 PS抗原量に占める比率は，
新生児期より 1ヶ月にかけては (0.12~0 .34)と有意に
低値であり，遊離型 PS優位の状態であった. 3ヶ月
(0.55:t0.l7)， 6ヶ月 (0.54:t0.05)，9ヶ月 (0.57:t
0.12)， 12ヶ月 (0.56土0.11)と健常成人レベルの比率
(0.50~0.60) と同様であり，生後 1 ヶ月から 3 ヶ月の
聞に PSとC4bpとの結合関係が成人レベノレに樹立され
ていくものと推察された.成人では遊離型 PS，遊離型 C4
bpと C4bp-PScomplexは平衡関係にあり， KDニ 0.7
X10-7Mであることが知られている 16). Laurell法で C4
bpが測定限界以下の症例が含まれる生後 3~ 4日まで
は KDを求めることは出来ないが， PS及び C4bpが共
に減少している生後 5~7 日 1 ヶ月 3 ヶ月での KD
を求めると各々 0.5X10-7M，0.8x10一7M，0.8x10-7M
となり平衡関係はほぼ一定した値を示している.このこ
とは全 PS抗原量が成人の約 1/3，全 C4bp抗原量が成
人の 1/4である生後 5~ 7日で、は， C4bp-PS complexが
成人の約 1/9~1/12であることを示しており，僅かに血
中に出現した C4bpのうち PSと複合体を作成する割合
は PS量の減少を伴うが故に成人より更に低いことが示
唆された.
著者の成績について学会発表とほぼ同時期に，独立し
た4ケ所の研究 Group'7-20)から，胎児血又は隣帯血にお
ける PS，C4bpを検索した成績が発表された.彼らはそ
れぞれ胎児血又は隣帯血を 20例から 30例検索し，これ
らに珍いて C4bp抗原が欠如~著減している事，並びに
この時期の遊離型 PS優位を指摘している.著者の成績
はこれらとほぼ一致していた.それに加えて PS抗原の
存在様式の推移を，隣帯血，新生児期 1日目より 12ヶ月
まで詳細に追跡した結果，生後 1カ月までの遊離型 PS
(432) 橋 本 憲 治
抗原の優位，及び3ヶ月以降は PS抗原が一定した成人 3. PS抗原は，生直後より 1ヶ月に至るまで遊離型の
レベルでの存在様式を維持すること，即ち PSと C.bp 占める割合が 82~54 %と健康常成人の 40~50 %に比し
が生後1ヶ月から 3ヶ月の聞に成人レベノレで、の平衝に達 て有意に高く， C.b-binding protein (C.bp)抗原量の増
するという新知見を得た.又，ごく最近正常新正児，乳 加に平行して C.bp結合型の占める比率が増加した. 3
児の PSの推移を 6ヶ月まで検索した成績が報告され ヶ月以降，遊離型， C.bp結合型の存在比率は健常成人と
た21).彼らは著者の成績と同様，新生児期の低値より 6ケ 同様であり一定していた.
月期までの漸増傾向を報告しているが，著者の成績に比 4.遊離型 PS，遊離型 C4bpと C4bp-PScomplex
して全経過を通じ若干高値である.この差については， における KD は，生後 5~7 日 1 ヶ月 3 ヶ月で各々
彼らはロケット免疫電気泳動で全 PS抗原量を測定して 0.5 x 10-7M， 0.8 X 1Q-7M， 0.8 X 10-7とほぼ一定した値
おり，本稿で用いた ELISA法との方法論の差によるも を示した.
のか，もしくは人種差によるものかは現時点では明らか
でない.又，彼らの成績は全 PS抗原量の測定のみであ 本論文の要旨は，第 29回日本臨床血液学会(1987年 10
り， C.bpとの関連については全く言及していない. 月，千葉〉及び第 10問国際血栓学会(1988年5月，アテ
ピタミンK依存性凝固因子の場合，ビタミンK欠乏状 ネ〉に万全いて発表した.
態において，生物学的活性を持たない Glaを欠く異常蛋 尚，本研究費の一部は昭和 62年度文部省科学研究費
白 (Proteininduc巴dby vitamin K absenc巴orantago-
nist ; PIVKA)が出現し，新生児メレナ及び乳児特発性
ピタミンK欠乏症と密接に関連することが知られてい
(N o. 62770681)の援助を受けた.
文 献
る221-291. PSもピタミンK依存性因子であり，新生児期1)DiScipio， R.， Hermodson， M. A.， Yates， S. G.
乳児期に珍ける PIVKA-PSの存非の検索は重要である andDavie， E. W.: A Comparision of Human
しかしながら，一般に PIVKA出現時は，活性が抗原量 Prothrombin， Factor IX (Chrismas Factor)， Fac-
に比して有意に低下しており，今回の新生児期の PSの tor X (Stuart Factor)， and Prot巴inS. Biochemis-
成績とは全く逆の discrepancyを示すことになる.この try 16: 698ー706，1977.
ための場合，活性，抗原値から PIVKA-PSの存在を推 2) Lundwall， A.， Dackowski， W.， Cohen， E.， Shaf.
定することは不可能である.又， PIVKA存在時，他の fer， M.， Mahr， A.， Dahlback， B.， Stenflo， J. and
ピタミンK依存性因子の場合，二次元交差免疫電気泳動 Wydro， R.: Isolation and sequence of th巴 cDNA
法 (CIE)にてこ蜂性 patternを確認できることがある for human prot巴inS， a regulation of blood coagu戸
が，前述の如く PSの CIE像は，正常人において二蜂 lation. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 83: 6716
性 patternを呈するため，現時点では CIEによる 6720， 1986.
PIVKA-PS検索法も確立されていない.PIVKA-PS測 のWalker，F. J.: R巴gulationof activated protein C
定には PIVKA-PSを認識するモノクロ一ナノレ抗体の作 by a new protein. ]. Biol. Chem. 255 : 5521-5524，
成等の方法なども含めて今後の課題と思われる 1980.
結 語4)明Talker，F. J.: Protein S and the regulation of
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成熟新生児の生直後より 12ヶ月の乳児期まで，血築中 10: 131-138， 1984.
プロテインSの抗原および活性の推移を検索した 5)Suzuki， K.， Nishioka， J.， Matsuda， M.， Mur-
1.全 PS抗原量は騎帯血 30サンフ。ルで、は 22.4土9.9 ayama， H. and Hashimoto， S.: Protein S is essen-
U/dl，生後 1日22.3土9.4U/dl，生後 1ヶ月 36.6土9.2 tial for the activated protein C-ca talyzed
U/dl， 3ヶ月 45.9:t 13. 7 U/dl， 12ヶ月 72.0土16.8U/dl inactivation of platelet-associated factor V. ].
と健常成人下限値に達した Biochem.96 : 455-460， 1984.
2. PS活性は隣帯血 42.6士11.5U/dl，生後 1日38.4 6) Dahlback， B. and Stenflo， J.: High molecular
士11.6U/dl， 1ヶ月 43.1士19.1U/dlでありこの間有意 W巴ightcomplex in humn plasma betwe巴nvitamin
な増加はなかった.又全 PS抗原量に比して活性値は有 K-d巴pendentprotein S and complement compo-
意に高かった. 3ヶ月以降は 12ヶ月に至るまで，全 PS n巴ntC.b-binding protein. Proc. Natl. Acad. Sd.
抗原量にほぼ平行して漸増した USA.78: 2512-2516， 1981.
新生児期，乳児期におけるプロテインSの推移 (433)
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