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運動方程式の練習 解答編 p.23〜24 物体の運動状態を考える場合,運動方程式が用いられることが多く,式を的確に立てることが重要である。こ こでは,運動方程式の立て方を改めて学習しよう。運動方程式は,次のような手順で立てることができる。 手順どの物体について 運動方程式を立てるかを 決める。 物体が複数ある場合は,各物 体について運動方程式を立て る。 手順着目する物体が受 ける力を図示する。 物体は,重力のほか,接触す る他の物体から力を受ける。 手順正の向きを定め, 加速度を a とする。 運動する向きを正とすること が多い。 手順物体が受ける運動 方向の力の成分の和を求 め,運動方程式 ma=F に代入する。 91. 水平面上の運動 なめらかな水平面上に置かれた物体に,2 本の軽い糸をつけて水平方向に力を加 え,等加速度直線運動をさせる。それぞれの図の物体の運動に関して,次に示された量を求めよ。 1 物体の加速度の大きさと向き 2 糸の張力の大きさ TN40 第Ⅰ章 力と運動 例題 13 鉛直方向の運動 演習問題 92 質量 2.5 kg の物体に軽い糸の一端をつけて,他端を手でもち,糸の張力の大きさが 29.5 N で一定となるように, 鉛直方向に物体を運動させた。このとき,物体の加速度はどちら向きに何 m/s か。ただし,重力加速度の大 きさを 9.8 m/s とする。 指針 手順①〜④に沿って,運動方程式を立てる。 解説 手順① 物体に着目する。 手順② 物体が受ける力は,重力 mgN〕,接触している 糸からの張力 TN〕の 2 つである。 手順③ 運動の向きが未知であるが,鉛直上向きを正と し,物体の加速度を am/s 〕とする。 手順④ 運動方向の力の成分の和は, Tmg=29.5−2.5×9.8 N これを運動方程式 ma=F に代入すると, 2.5×a=29.5−2.5×9.8 a=2.0 m/s 鉛直上向きに 2.0 m/s 2 Advice 運動の向きが未 知であるが,仮に正の向きを 定めて運動方程式を立てる。 得られた加速度の正,負から, 加速度の向きを判断する。

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Page 1: 運動方程式の練習 解答編p.23〜24 - daiichi-g.co.jp · 運動方程式の練習 蔚解答編p.23〜24 物体の運動状態を考える場合,運動方程式が用いられることが多く,式を的確に立てることが重要である。こ

運動方程式の練習 蔚解答編 p.23〜24

物体の運動状態を考える場合,運動方程式が用いられることが多く,式を的確に立てることが重要である。こ

こでは,運動方程式の立て方を改めて学習しよう。運動方程式は,次のような手順で立てることができる。

手順●① どの物体について

運動方程式を立てるかを

決める。

物体が複数ある場合は,各物

体について運動方程式を立て

る。

手順●② 着目する物体が受

ける力を図示する。

物体は,重力のほか,接触す

る他の物体から力を受ける。

手順●③ 正の向きを定め,

加速度をaとする。

運動する向きを正とすること

が多い。

手順●④ 物体が受ける運動

方向の力の成分の和を求

め,運動方程式ma=F

に代入する。

91. 水平面上の運動 なめらかな水平面上に置かれた物体に,2本の軽い糸をつけて水平方向に力を加

え,等加速度直線運動をさせる。それぞれの図の物体の運動に関して,次に示された量を求めよ。

1 物体の加速度の大きさと向き 2 糸の張力の大きさ T〔N〕

答 答

40 第Ⅰ章 力と運動

例題13 鉛直方向の運動 演習問題 92

質量 2.5kgの物体に軽い糸の一端をつけて,他端を手でもち,糸の張力の大きさが 29.5Nで一定となるように,

鉛直方向に物体を運動させた。このとき,物体の加速度はどちら向きに何 m/sか。ただし,重力加速度の大

きさを 9.8m/sとする。

指 針 手順①〜④に沿って,運動方程式を立てる。

解 説 手順① 物体に着目する。

手順② 物体が受ける力は,重力mg〔N〕,接触している

糸からの張力 T〔N〕の 2つである。

手順③ 運動の向きが未知であるが,鉛直上向きを正と

し,物体の加速度を a〔m/s〕とする。

手順④ 運動方向の力の成分の和は,

T−mg=29.5−2.5×9.8N

これを運動方程式ma=F に代入すると,

2.5×a=29.5−2.5×9.8 a=2.0m/s

鉛直上向きに 2.0m/s2

Advice 運動の向きが未

知であるが,仮に正の向きを

定めて運動方程式を立てる。

得られた加速度の正,負から,

加速度の向きを判断する。

Page 2: 運動方程式の練習 解答編p.23〜24 - daiichi-g.co.jp · 運動方程式の練習 蔚解答編p.23〜24 物体の運動状態を考える場合,運動方程式が用いられることが多く,式を的確に立てることが重要である。こ

92. 鉛直方向の運動 物体に軽い糸を取りつけ,鉛直方向に力を加えて運動させる。それぞれの図の物

体の運動に関して,次に示された量を求めよ。ただし,重力加速度の大きさを 9.8m/sとする。

93. 斜面上の運動 なめらかな斜面上を物体が運動している。それぞれの図の物体の運動に関して,次

に示された量を求めよ。ただし,重力加速度の大きさを 9.8m/sとする。

94. 2物体の運動 図のように,なめらかな水平面上で,質量 2.0kgの物体A,質量 4.0kgの物体Bを

運動させる。それぞれの運動に関して,次の各問に答えよ。

集中トレーニング 4 41

第Ⅰ章

力と運動

1 物体の加速度の大きさと向き

2 物体の加速度の大きさと向き

1 すべりおりている物体の加速度の大きさ

2 初速度を与えられてすべり上がる物体の加速度

の大きさと向き

1 A,Bを接するように置き,Aを右向きに 18N

の力で押す。

①右向きを正とし,A,Bの加速度を a〔m/s〕,互

いにおよぼしあう力の大きさを f〔N〕として,A,

Bの運動方程式をそれぞれ立てよ。

答 A: B:

②加速度 a〔m/s〕,力の大きさ f〔N〕をそれぞれ求

めよ。

答 a: f:

2 A,Bを軽い糸でつなぎ,Bを右向きに24Nの

力で引く。

①右向きを正とし,A,Bの加速度を a〔m/s〕,糸

の張力の大きさを T〔N〕として,A,Bの運動方

程式をそれぞれ立てよ。

答 A: B:

②加速度 a〔m/s〕,糸の張力の大きさ T〔N〕をそれ

ぞれ求めよ。

答 a: T: