女子高校生の痩身願望と食行動女子高校生の痩身願望と食行動 誌名...

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女子高校生の痩身願望と食行動 誌名 誌名 食農資源経済論集 ISSN ISSN 03888363 巻/号 巻/号 672 掲載ページ 掲載ページ p. 1-14 発行年月 発行年月 2016年10月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

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女子高校生の痩身願望と食行動

誌名誌名 食農資源経済論集

ISSNISSN 03888363

巻/号巻/号 672

掲載ページ掲載ページ p. 1-14

発行年月発行年月 2016年10月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

1.はじめに

女子高校生の痩身願望と食行動

Eating Behaviors of Female 回出SchoolStudents and Their Desire to be Slim

石田章*・徳岡貴子村・横山繁樹***

AkiraISI宜DA Takako TOKUOKA Shigek:i YOKOYAMA

最近若年層とくに 10歳代から 20歳代の女性の痩身傾向が指摘されている。例えば厚生労働省『平成

25年国民健康・栄養調査報告』によると, 20歳代の若年女性(男性)の痩身率肥満指数(BMI=体

重(kg)÷身長の2乗(m2))が 18.5未満である者の比率ーは, 1981年には 13.4%(7.8%), 1990年

には 19.0%(8.7%), 2000年には 22.9%(8.1 %) , 2010年には 24.4%(10.8%) l)であったと報告さ

れている。また,文部科学省『学校保健統計調査報告書』の集計データを用いて痩身率を推定した松坂

ほか(2014)によると, 17歳(高校生)・女子の痩身率は, 1970年には6.2%,83年には8.7%,93年

には 9.6%,2003年には 11.3%,2013年には 12.4%であったという。生魚ほか(2010)も, 2006年に

変更された学校保健統計調査の体格判定基準に基づいて, 1980年度, 90年度, 2000年度, 06年度の同

集計データを用いて比較を行うことによって,痩身傾向児2)の出現頻度は増加基調に推移していると指

摘している。さらに池田ほか(2008)は,短期大学生を対象とした 14年間にわたる調査データを用い

て,痩身体型の学生比率が増加基調にあることを実証している。よって,以上の報告を総じてみれば,

10歳代から 20歳代女性の痩身傾向はより顕著となっていると考えられる。

しかし思春期から若年期における過度の痩身あるいは欠食・食事制限などのダイエットが不定愁訴

(飯原ほか, 2001;重岡ほか, 2007)や疲労感(池田ほか, 2008),将来的に骨粗霧症のd寵患リスクを

高める低骨量(榎ほか, 2005;米山ほか, 2008),低体重児出産(津田ほか, 2002)などを助長すると

指摘されており,若年女性の痩身傾向の高まりが及ぼす健康面への負の影響が懸念されている。

こうした事情もあって,若年女性の痩身傾向に関する研究が活発に行われており,若年成人や大学生・

短大生を調査対象とした成果が多数発表されている。しかし意外なことに,思春期後期の高校生を対象

とした調査研究は極めて限られており 3),高校生の痩身願望に影響を及ぼす要因については十分に検討

されていない。さらに管見の限り,若年成人や大学生・短大生も含めて,女性の食行動の変化と痩身願

望との関連について時系列的に論じた研究も皆無に等しい4)。このため,痩身願望やそれとの関連が強

い減量行動などの食行動がいつ頃から形成され高まっていくかについても,定量的な検討はほとんど行

われていない。そこで本稿では,女子高校生を対象として,女子高校生の痩身願望と関連の強い要因を

明らかにすると同時に,小学生期以降の食行動の変化と痩身願望との関連を定量的に分析することを主

*神戸大学大学院農学研究科 **元島根大学生物資源科学部

***国際農林水産業研究センター

Key Words -痩身,女子高校生,食行動

(1)

たる目的とする。

2.データ

本稿では,2013年9月中旬に女子高校生412名に対して独自に行ったWebアンケート調査の個票デー

タを用いる。より具体的には,マクロミル社に登録している 15歳から 17歳のモニター会員に対して事

前調査を行い,高校生あるいは高等専門学校のl年生から3年生と確認できたモニター会員のうち約800

名に対して, PCあるいはスマートフォンを用いてWeb上に掲載した本アンケート票に回答するように

依頼した5)。

本アンケートでは,食習慣・食行動に関して,朝食,間食,夜食,コンビニ弁当,インスタント食品,

甘い食べ物,脂っこい食べ物,サプリメントなどの摂取頻度,早食いや嫌いなものを残す頻度,食卓の

環境・雰囲気,家事手伝いの頻度等に関する質問を行った。これに加えて,公的自己意識,自己肯定感,

不定愁訴,現在の体重・身長およひ理想、の体重などについても質問を行った(具体的な質問文に関して

は,付表を参照されたい)。

3. 分析方法

調査対象者に対して,現在の身長と体重および理想の体重について記入式で回答を求めた。明らかに

記入ミスと考えられる l名のデータを除いたうえで,それらの回答データを用いて,各調査対象者の現

在の肥満指数(BMI,平均は20.5)と理想とする BMI(平均は 18.3)を算出した。さらに,理想のBMI

から現在のBMIを減じた後に現在のBMIで除することによって,理想と現在の体型差を表すギャップ

率を計算した。具体的に,ギャップ率の計算式を示すと以下のとおりである。

理想の BM!ー現在の BM!ギャップ率(%)= 一 ’ ×100

現在の BM!

しかし,ギャップ率と現在の BMIとの聞にはg齢、負の相関関係(相関係数は一0.713)一つまり,馬

場・菅原(2000),板東 ・森(2013),田崎(2007)の指摘と同様に,肥満度の高い者ほど理想と現実と

の体型差は大きし、ーが認められた(図 1)。こうした現在の肥満度による影響を除去するために,ギャッ

プ率を従属変数,現在の BMIを独立変数とする回帰式6)を用いて予測値を求め,ギャップ率の実測値

と予測値の差を推計した。そして,図2のように,その差が平均(=O)から標準偏差(σ)を減じた値

よりも小さい場合を「痩身願望=大J, -1×標準偏差(σ)の値以上平均(=O)未満の場合を「痩身願

30

20 ---・-一一一・一……… ω……......山叩叩

0 可S「

①痩身願望=大

②痩身願望=中

③痩身願望=小

① ③

Cコ円ギ

ロ~

5

…n0

・……nu …向。

…お

一nu一2一回。-

nV 5

-20 -10-<>(・5.750) 0 (=平均) 10

キャップ串の実測値予測値

20 30

図1 BMIとギャップ率の関係 図2 「ギャップ率の実測値と予測値の差」の分布

(2)

女子高校生の痩身願望と食行動(石田・徳間・横山)

望=中」,平均(=O)以上の場合を「痩身願望=小」として,調査対象者を3群に分類した(各群に分

類された高校生数はそれぞれ50人, 150人, 211人であった) 7)。そのうえで,食習慣・食行動,公的

自己意識,自己肯定感等の意識面に関する質問項目(選択肢は「よくある(よくあった)」=4,「とき

どきある(あった)」=3,「あまりない(なかった)」=2,「ほとんどない(ほとんどなかった)」=I)

について, Steel-Dwass検定を用いて3群聞の多重比較を行う。本稿では,検定に用いる有意水準を 10%

とする。

4.分析結果

(1)体型(肥満度)と痩身願望

議論の取りかかりとして,最初に調査対象者の身長と体重のデータを用いて,調査対象者の体型(肥

満度)を確認する。日本肥満学会の基準を参考にして, BMIが18.5未満の者を「低体重(痩せ)」, 18.5

以上 22未満の者を「普通体重(標準値未満)」, 22以上 25未満の者を「普通体重(標準値以上)」, 25

以上の者を「肥満」と分類する。

この分類に従うと,調査時点における回答者の体型は 105人(25.5%)が「低体重(痩せ)」, 211人

(51.3%)が「普通体重(標準値未満)」, 72人 (17.5%)が「普通体重(標準値以上)J, 23人(5.6%)

が「肥満j であった(表 1)。このように約4人に 1人の女子高校生は「低体重(痩せ)Jであり,さら

にBMIの平均値も 20.5(標準偏差は 2.92)と最も有病率が低いとされる標準値(BMI=22)を大きく

下回っている。

このように顕著な痩身傾向が認められるにもかかわらず,全体の91.0%(411人中 374人)は現在よ

りも痩せたいとしづ願望を持っており,すでにBMIが18.5未満の「低体重(痩せ)」に分類される女子

高校生ですら 72.4%(105人中 76人)が痩身願望を有している。その結果,理想の体重と調査時の身長

を用いて計算した理想のBMIの平均値は 18.3(標準偏差は 1.74)であり, B阻が 18.5未満の「低体重

(痩せ)」を理想の体型とする者が過半数(411人中229人)を占めている。

表1 調査時の体型と痩身願望の有無および理想の体型調査時の体型1)

低体重(痩せ)普通体重 普通体重

肥満 合計(標準値未満) (標準値以上)

人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比

痩身願望の有無2)

あり(痩せたい) 76 72.4 203 96.2 72 100.0 23 100.0 374 91.0 なし(現状維持) 14 13.3 3 1.4 。0.0 。0.0 17 4.1 なし(太りたし、) 15 14.3 5 2.4 。0.0 。0.0 20 4.9

理想の体型3)

低体重(痩せ) 100 95.2 111 52.6 14 19.4 4 17.4 229 55.7 普通体重(標準未満) 5 4.8 99 46.9 55 76.4 9 39.1 168 40.9 普通体重(標準以上) 。0.0 1 0.5 3 4.2 9 39.1 13 3.2 肥満 。0.0 。0.0 。0.0 1 4.3 1 0.2 合計 105 100.0 211 100.0 72 100.0 23 100.。411 100.0

註.1)日本肥満学会の基準を参考にして,調査時のB阻が18.5未満の者を「低体重(やせ)」, 18.5以上22未満の者を「普通体重

(標準値未満)J,22以上25未満の者を「普通体重(標準値以上)」, 25以上の者を「肥満」と分類した。

註:2)調査時の体重>理想の体重と回答した者を「あり(痩せたい)」,調査時の体重=理想の体重と回答した者を「なし(現状維

持)J,調査時の体重く理想の体重と回答した者を「なし(太りたい)Jと分類した。註:3)日本肥満学会の基準を参考にして,現在の身長と理想の体重から計算したBM!が18.5未満の者を「低体重(やせ)J, 18.5以上22未満の者を「普通体重(標準値未満)」, 22以上25未満の者を「普通体重(標準値以上) J,25以上の者を「肥満Jと分類した。

資料.調査データを用いて作成した。

(3)

表2 痩身願望と公的自己意識・自己肯定感・不定愁訴1)

1群:痩身願望=大 2群:痩身願望=中 3群:痩身願望=小 合計

150 A) 1150 A) 1211人) (411人)人数 比率 人数 比率 人数 比率 人数 比率

外見が気になる

よくある 44 88.0 119 79.3 136 64.5 299 72.7 ときどきある 5 10.0 26 17.3 61 28.9 92 22.4 あまりない 1 2.0 3 2.0 12 5.7 16 3.9 ほとんどない 。 0.0 2 1.3 2 0.9 4 1.0 検~結果(ロイ直) 2) 1群vs2群:0.361 1群vs3群:0.004**脅 2群vs3群:0.006*** 自分自身に満足してしも

よくある 1 2.0 7 4.7 22 10.4 30 7.3 ときどきある 2 4.0 34 22.7 55 26.1 91 22.1 あまりない 20 40.0 49 32.7 86 40.8 155 37.7 ほとんどない 27 54.0 60 40.0 48 22.7 135 32.8

検定結果lo佑) 2) 1群vs2群:0.027付 1群vs3群:0.000*** 2群vs3群0.003帥*

イフイフする

よくある 30 60.0 71 47.3 82 38.9 183 44.5 ときどきある 14 28.0 57 38.0 89 42.2 160 38.9 あまりない 3 6.0 18 12.0 35 16.6 56 13.6 ほとんどない 3 6.0 4 2.7 5 2.4 12 2.9

検定結果lo値) 2) 1群vs2群 0.364 1群vs3群 0.039付 2群vs3群 0.231註.1)公的自己意識,不定愁訴,自己肯定感に関する各文章について「あなた自身にどのくらいあてはまりますか。 Jとしう質問を行い,「よ

くあるJ.rときどきあるJ,「あまりない」,「ほとんどない」の選択肢から択一して回答するように求めた。註 2)Steel・Dwass検定を用いて,「比較する2群聞に差はない」という帰無仮説を検証した。紙幅の関係から,検定統計量は割愛しがlのみを示した。なお,*帥,帥,

資料:調査デ一夕を用いて作成した。

(2)痩身願望と個人特性

つぎに,痩身願望の大小と個人特性との関連性を検討する。食行動との関連性が指摘されている公的

自己意識,自己肯定感(あるいは自尊感情),不定愁訴について,「痩身願望=大」,「痩身願望=中」,「痩

身願望=小jの3群聞で多重比較を行った結果を表2に示した。

最初に,公的自己意識との関連が5齢、「外見が気になる」ことが「よくあるJ者の比率を比較すると,

第 l群(痩身願望=大)は88.0%,第2群(痩身願望=中)は79.3%,第3群(痩身願望=小)は64.5%

であった。多重比較による検定の結果,第 1群と第3群(p値=0.004),第2群と第3群(p値=0.006)

の聞に 1%水準で、有意差が認められた。

つぎに,「自分自身に満足している」ことが「あまりない」あるいは「ほとんどなし、」一つまり,自己

肯定感あるいは自尊感情が低い一者の比率を比較すると,第2群と第3群が各々72.7%と63.5%である

のに対して,第 1群は 94.0%と最も高かった。多重比較の結果,第 1群と第2群(p値=0.027),第 l

群と第3群(p値=0.000),第2群と第3群(p値=0.003)のすべての群間で有意差が認められた。

最後に,不定愁訴が強く「イライラするJことが「よくある」あるいは「ときどきある」者の比率を

比較すると,第 l群は88.0%,第2群は85.3%,第3群は81.1%で、あった。多重比較の結果,第 1群と

第3群の間(p値=0.039)に有意差が認められた。

(3)痩身願望と食事減量行動との関係

つぎに,痩身願望の大小と食事減量行動の多寡について,小学生期・中学生期・高校生期に分けて検

討していく(表3)。減量行動の頻度については,「家での毎日の食事において,高校(高専) 1・2年生,

中学2年生,小学5年生のとき,それぞれダイエットのために食べる量を減らすことがどれくらいあり

ますか(ありましたか)。」という質問を行った。この質問に対して,「よくある(あった)」,「ときどき

ある(あった)」,「あまりない(なかった)J,「ほとんどない(なかった)」の選択肢から択ーして回答す

るように求めた。

(4)

女子高校生の痩身願望と食行動(石田・徳岡・横山)

表3 痩身願望と食事減量行動頻度1)

第1群痩身願望=大 第2群痩身願望=中 第3群:痩身願望=小 合計(50人) (150人) (211人) (411人)

人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比

両校生期

よくある(あった) 17 34.0 22 14.7 23 10.9 62 15.1 ときとーきある(あった) 21 42.0 61 40.7 67 31.8 149 36.3 あまりなし、(なかった) 8 16.0 32 21.3 64 30.3 104 25.3 ほとんどない(なかった) 4 8.0 35 23.3 57 27.0 96 23.4

検定結果(p値)2) 第1群vs第2群.0.002 ***第1群vs第3群:0.000***第2群VS第3群 .0.123

中学生期

よくあった 9 18.0 24 16.0 18 8.5 51 12.4 ときどきあった 13 26.0 23 15.3 33 15.6 69 16.8 あまりなかった 12 24.0 37 24.7 51 24.2 100 24.3 ほとんどなかった 16 32.0 66 44.0 109 51.7 191 46.5

検定結果(凶直)2) 第1群vs第2群 .0.268 第1群vs第3群:0.009**合第2群vs第3群 .0.163

小学生期

よくあった 3 6.0 6 4.0 4 1.9 13 3.2 ときどきあった 6 12.0 16 10.7 16 7.6 38 9.2 あまりなかった 10 20.0 30 20.0 39 18.5 79 19.2 ほとんどなかった 31 62.0 98 65.3 152 72.0 281 68.4

検定結果(p値)2) 第1群vs第2群 0.863 第1群vs第3群:0.247 第2群VS第3群・0.282

註:1)「高校(高専)1・2年生,中学2年生,小学5年生のとき,ダイエットのために食べる量を減らすことがどれくらいありますか(ありましたか)。」とい

う質問に対して,「よくある(あった)J,「ときどきある(あった)」,「あまりない(なかったlJ. rほとんどない(なかった)」の選択肢から択一して回答するように求めた。

註 2)Steel-Dwass検定を用いてf比較する2群聞に差はない」という帰無仮説を検証した。紙幅の関係から,検定統計量は割愛しp値のみを示し

た。なお,帥合.帥メは各々1%.5%, 10%水準で有意であることを示す。資料.調査データを用いて作成した。

最初に,高校生期について多重比較を行った結果,第2群と第3群聞の減量行動頻度には有意差は認

められなかったが(p値=0.123),第 1群と第2群の間(同 0.002),第 1群と第3群の間(同 0.000)に

は1%水準で有意差が認められた。高校生期にダイエットしたことが「よくある(あった)」あるいは「と

きどきある(あった)」比率を比較すると,第2群が 55.4%,第3群が42.7%であったのに対して,第 l

群は76.0%と高率であった。よって高校生期には,第 1群は第2群と第3群よりも減量行動の頻度が高

いと判断できる。

中学生期では,第l群と第2群間(p値=0.268),第2群と第3群間(同0.163)には有意差は認めら

れなかったが,第1群と第3群間(同0.009)には 1%水準で有意差が認められた。ダイエットしたこと

が「よくあったJあるいは「ときどきあったJ比率を比較すると,第2群が 31.3%,第3群が24.1%で

あったのに対して第l群は44.0%であった。高校生期と同様に中学生期においても,痩身願望が最も大

きい第 1群は最も小さい第3群よりも減量行動の頻度が高かったと判断できる。

しかし小学生期においては,第 1群と第2群間(p値=0.863),第 1群と第3群間(同 0.247),第2

群と第3群間(同 0.282)のいずれの 2群聞においても減量行動の頻度に有意差は認められなかった。

念のためにダイエットしたことが「よくあった」あるいは「ときどきあったJ比率を比較すると,第 l

群は 18.0%,第2群は 14.7%,第3群は9.5%であり,中高生期よりも明らかに各群聞の差は小さかっ

た。

(4)痩身願望と食習慣,食事の栄養バランス,食車環境・雰囲気,家事手伝い

前小節において,痩身願望が大きい女子高校生は,中学生期以降に食事減量行動の頻度が高い傾向に

あることを指摘したが,痩身願望の大小と小学生期から高校生期にかけての食習慣,食事の栄養ノ〈ラン

ス,食卓環境・雰囲気,家事手伝いの頻度とはし、かなる関係にあるのであろうか。

本稿では,家での毎日の食事に関する各項目について,「高校(高専) 1・2年生,中学2年生,小学

5年生のとき,どれくらいありますか(ありましたか)。Jという質問を行った。具体的には,食習慣に

(5)

(。)

表4 痩身願望と食習慣,食事の栄養バランス,食車環境・雰囲気,家事手伝い

第l群 第2群 第3群小学生期 中学生期 高校生期

痩身願望=大 痩身願望=中 痩身願望=小

平均値I) 平均値I) 平均値I) 検定結果2) 検定結果2) 検定結果2)

小学中学高校 小学中学高校 小学中学高校 第1群 第l群 第2群 第l群 第l群 第2群 第1群 第l群 第2群

生期生期生期 生期生期生期 生期生期生期vs vs vs VS vs VS vs vs vs

第2群 第3群 第3群 第2群 第3群 第3群 第2群 第3群 第3群食習慣

朝食をとらずに学校に行く 1. 76 2.20 2.22 1.74 1.83 1.72 1.58 1.83 1.85 1.000 0.634 0.378 0.159 0.139 0.993 0.013 ** 0.090 * 0.500 早食いする 2.40 2.68 2. 74 2.07 2.37 2.41 2.02 2.20 2.30 0.184 0.086 * 0. 756 0.191 0.019会合 0.257 0.148 0.025 ** 0.605

全部食べずに残す 1.98 2.30 2.32 2.24 2.27 2.36 2.16 2.26 2.40 0.304 0.595 0.716 0.993 0.986 0.986 0.967 0.927 0.976

夕食の前に間食をする 2.52 3.00 2.96 2.65 2目77 3.01 2.51 2. 70 2.91 0.763 0.998 0.501 。目401 0.169 0.790 0.940 0.916 0.536

夕食の後で夜食を食べる 1.84 2.24 2.20 1. 79 2.05 2.01 1.79 1.98 2.11 0.979 0.931 0.976 。目620 。目363 0.820 0.566 0.878 0.657

食事の栄養バランス栄養のバランスを考えて食べる 1.88 2.08 2.10 2.06 2.06 2.52 1.91 2.16 2.52 0.419 0.968 0.256 0.999 0.784 0.615 0.022合宋 O目016** 1.000

嫌いなものを残す 2.80 2.82 2. 74 2.43 2.45 2. 36 2.27 2.22 2.27 0.106 0.014 ** 0.421 0.107 0.003 *** 0.127 0.111 0.032合* 0.736

インスタント食品を食べる 2.04 2.64 2. 72 2.11 2.32 2.43 2.07 2.30 2.44 0.854 0.951 0.920 0.127 0.098 * 0.983 0.165 0.147 0.999 スーパーやコンビ、ニの弁当を食べる 1.68 2.30 2.42 1.73 1.95 2.21 1.64 1.85 2.17 0.913 0.960 0.562 0.088 * 0.012 ** 0.512 0.388 0.191 0.914

甘しものをたくさん食べたり飲んだりする 2.92 2.96 3.14 2.71 2.79 2.97 2.68 2.82 2.85 0.385 0.326 0.985 0.572 0.651 0.955 0.483 0.079 * 0.365 油の多い食べ物をたくさん食べる 2.78 2.96 2.86 2.59 2.69 2.67 2.51 2.64 2.61 0.481 0.199 0.719 0.204 0.097 * 0.886 0.394 0.170 0.744

栄養ドリンクやサプリメントを飲む 1.50 1.82 2.08 1.37 1.59 1.94 1.33 1.56 1.77 0.983 0.647 0.464 0.577 0.342 0.764 0.815 0.206 0.165

食卓環境・雰囲気食卓の雰囲気は明るい 3.30 3.10 3.02 3.22 3.09 3.10 3.26 3.04 3.07 0.751 0.866 0.899 0.939 0.782 0.877 0.965 0.996 0.851

食事の時聞が楽しい 3.26 2. 96 2. 90 3.17 3.06 3.08 3.18 3.01 3.05 0.750 0.723 0.999 0.934 0.986 0.943 0.720 0.738 0.999

食事がおいしく食べられる 3.36 3.34 3.46 3.31 3.31 3.60 3.32 3.20 3.53 0.645 0.742 0.943 1.000 0.779 0.617 0.919 0.996 0.721

食事中に,家族と会話する 3.26 3.22 3.24 3.23 3.25 3.28 3.29 3.07 3.16 0.978 0.950 0.727 0.967 0.708 0.283 0.984 0.842 0.520

朝食を一人だけで食べる 2目44 2.70 3.16 2.23 2.65 3目04 2.02 2.44 2.91 0.590 0.085合 0.146 0.928 0.422 0.282 0.723 0.357 0.644

夕食を一人だけで食べる 1.50 2.10 2.40 1.57 1.94 2.35 1.53 1.85 2.27 0.938 0.956 0.654 0.686 0.309 0.613 0.972 0.781 0.709

テレビを見ながら,食事をする 3目30 3.36 3.40 3.27 3.30 3.49 3目24 3.35 3.54 0.877 0.838 0.993 0.885 0.956 0.940 0.988 0.995 0.999

携帯電話・スマホをしながら,食事をする 1.50 2.20 2.48 1.37 1.81 2.33 1.36 1.70 2.17 0.905 0.773 0.915 0.059ま 0.004女合合 0.476 0.689 0.163 0.310

家事手伝い食事の準備を手伝う 2.66 2.64 2. 74 2目50 2.41 2.65 2.61 2.62 2.66 0.633 0.922 0.611 0.420 0.980 0.139 0.846 0.922 0.976

食事の後片付けを手伝う 2.48 2.52 2.86 2.39 2.39 2.57 2.37 2.51 2.58 0.874 0.806 0.987 0.788 0.992 0.532 0.187 0.176 0.988

家の人から料理を教えてもらう 2.24 2目00 2.12 2.06 2.12 2.17 2.18 2.12 2.18 0.661 0.967 0.474 0.655 0.720 0.994 0.853 0.872 0.999

註:1)「よくある(あった)」に4点,「ときどきある(あった)」に3点,「あまりない(なかった)」に2点,「ほとんどない(なかった)」に1点を配点し,各群の平均値を示した

註:2)Steel・Dwass検定を用いて「比較する2群聞に差はないJという帰無仮説を検証した。紙幅の関係から,検定統計量は割愛しpfu宣のみを示した。なお,***, **, *は各々 1%,5%, 10%水準で有意であることを

示す。

資料:調査データを用いて作成した。

女子高校生の痩身願望と食行動(石田・徳岡・横山)

関する 5項目的,食事の栄養ノ〈ランスに関する 7項目 9),食卓環境・雰囲気に関する 8項目 10),家事手

伝いに関する 3項目 11)の質問に対して,「よくある(あった)J,「ときどきある(あった)J,「あまりな

い(なかった)」,「ほとんどない(なかった)」の選択肢から択ーして回答するように求めた。

ここでは紙幅の関係から,集計結果については,「よくある(あった)」に4点,「ときどきある(あっ

た)Jに3点,「あまりない(なかった)Jに2点,「ほとんどない(なかった)」に 1点を配点し,小学

生期・中学生期・高校生期にわけて各群の平均値を示した(表4)。

2群聞の比較において 10%未満の水準で有意差が認められた質問項目を示すと,小学生期は食習慣の

「早食いするJ(第 1群と第3群間,平均値=2.40と2.02,p値=0.086),食事の栄養バランスの「嫌い

なものを残すJ(第 1群と第3群間,平均値=2.80と2.27,p値=0.014)食卓環境・雰囲気の「朝食を

一人だけで食べる」(第 1群と第3群間,平均値=2.44と2.02,p値=0.085)の3項目であった(カッ

コ内に 10%水準で有意差が認められた群名,平均値, p値を示した)。

中学生期では,食習慣の「早食いする」(第1群と第3群間,平均値=2.68と2.20,p値=0.019),食

事の栄養ノ〈ランスの「嫌いなものを残す」(第 l群と第3群間,平均値=2.82と2.22,p値=0.003),「イ

ンスタント食品を食べる」(第 1群と第3群間,平均値=2.64と2.30,p値=0.098),「スーパーやコン

ビニの弁当を食べる」(第 l群と第2群間,平均値=2.30と1.95,p値=0.088,第 l群と第3群間,平

均値=2.30と1.85,p値=0.012),「池の多い食べ物をたくさん食べるJ(第 l群と第3群間,平均値=

2.96と2.64,p値=0.097),食卓環境・雰囲気の「携帯電話・スマホをしながら食事をする」(第 l群と

第2群間,平均値=2.20と1.81,p値=0.059;第 1群と第3群間,平均値=2.20と1.70,p値=0.004)

の6項目で、あった。

高校生期には,食習慣の「朝食をとらずに学校に行く」(第1群と第2群間,平均値=2.22と1.72,p

f直=0.013;第 1群と第3群間,平均値=2.22と1.85,p値=0.090),「早食いするJ(第 1群と第3群間,

平均値=2.74と2.30,p値=0.025),食事の栄養バランスの「栄養のバランスを考えて食べる」(第 1群

と第2群間,平均値=2.10と2.52,p値=0.022;第 l群と第3群間,平均値ニ2.10と2.52,p値=0.016),

「嫌いなものを残す」(第 1群と第3群間,平均値=2.74と2.27,p値=0.032),「甘いものをたくさん

食べたり飲んだりするJ(第 l群と第3群間,平均値=3.14と2.85,p値=0.079)の5項目で、あった。

5.考察

(1)現在と理想の体型および痩身願望

調査対象者の 25.5%はBI'.但が 18.5未満の痩身体型であり, 91.0%が現在よりも痩せたいとしづ願望

を持っていた。このように本研究においても,大多数の思春期・若年女性が痩身願望を有しているとし、

う先行研究(亀崎・岩井, 1998;金本ほか, 2005;森ほか, 2012;鈴木, 2014;米山ほか, 2008)の指

摘と整合的な集計結果が得られた。

さらに, BMIが18.5未満の「低体重(痩せ)」に分類された者ですら 72.4%が痩身願望を有していた。

こうした背景には,メディアによる痩身を理想体型とする価値観の流布(森ほか,2012;小津ほか,2005)

などもあって,女性が自己の体型を過大評価する傾向(池田ほか, 2008;亀崎・岩井, 1998;大家ほか,

2001;尾略ほか, 2005;重田ほか, 2007)が深く関係していると察せられる。鈴木(2014)も指摘して

いるとおり,現体型よりも痩身体型を理想の基準とすることによって,自己の体型に対する不満が生じ

痩身願望が高まるのであろう。

また,調査時点と理想のBMIの標準偏差は各々2.92と1.74であり,理想、のBMIのちらばりがより小

(7)

さいといえる。同様な分析結果を得た鈴木(2014)がすでに指摘しているとおり,メディア等の影響も

あって女子高校生の理想とする痩身体型がある程度近似している可能性が示唆された。

(2)痩身願望と個人特性

痩身願望の大小と個人特性の関連を比較・検討した結果,第 1に,痩身願望が大きい女子高校生ほど

概して外見を気にする傾向が強いことが明らかになった。こうした分析結果は,公的自己意識が高い者

ほど痩身願望が大きい,あるいは女性の向性同士の視線が痩身願望を増長させる(鈴木, 2014)という

先行研究の指摘と整合的である。

第2に,痩身願望と自己肯定感・自尊感情との間には明瞭な相関関係が認められた。こうした分析結

果は,低い自尊感情が現在の体型への劣等感を助長し痩身願望を高める(馬場・菅原, 2000;内海・西

浦, 2014),自尊感情と痩身願望との聞に有意な相関関係が認められる(田崎, 2007),自己肯定感ある

いは自尊感情が高い思春期児童ほど食事減量行動の頻度は低い(板東・森, 2013),という指摘とも整

合的である。すでに,米山ほか(2013)や内海・西浦(2014)が指摘するとおり,自己肯定感の向上あ

るいはそれを支える自我の確立の大切さが確認されたといえる。

最後に,重田ほか(2007)などの指摘と同様に,痩身願望と不定愁訴との聞にも関連性が認められた。

高校生を対象とした定量分析によって,不定愁訴が減量行動,過食,偏食などの食行動の乱れを助長す

ることが明らかにされている(米山ほか, 2013)。こうした指摘も総じて判断すると,過度な痩身願望

や食行動の乱れを抑制するうえで,子どものストレス対処能力の向上あるいはそれを支える自我の確立

の大切さがあらためて確認できるであろう。

(3)痩身願望と食事減量行動

概して,痩身願望が大きい女子短大生・大学生ほど食事減量行動の頻度は高いと指摘されている(馬

場・菅原, 2000,池田ほか, 2008;溝口ほか, 2000;重田ほか, 2007;田崎, 2007など)。これらの指

摘と同様に,本稿で検討したインフォーマントの高校生期においても,痩身願望の大小と減量行動の頻

度との聞には明瞭な相関関係が認められた。さらに,痩身願望の大きい女子高校生は,中学生期におい

ても減量行動をより頻繁に行っていた傾向が認められた。

減量行動を「よく」あるいは「ときどきJ行う(行った)比率を学齢期ごとに比較すると,小学生期

は 12.4%,中学生期は29.2%,高校生期は51.4%で、あった。痩身願望の大小によって減量行動の頻度に

差が出始める以前の小学生高学年時代においですら,すでに 1割以上が減量行動を行っていたという回

答結果を踏まえると,小学生期から学校教育等を通じて健全な食意識形成を促し過度な減量行動を抑制

することが必要かもしれない。

(4)痩身願望と食習慣,食事の栄養バランス,食卓環境・雰囲気,家事手伝い

痩身願望の大きい女子高校生は,すでに小学生期において,朝食孤食と好き嫌いの傾向が認められた。

さらに,将来的に朝食欠食へと繋がる可能性(有宗ほか 2009)が指摘されている早食し、傾向も小学生

期から認められた。

引き続き中学生期においても小学生期同様に,痩身願望の大きい女子高校生は早食い・好き嫌いの傾

向が認められた。さらに,彼女らは食事の減量をより頻繁に行っていた一方で,インスタント食品・コ

ンビニ弁当や油脂類の摂取頻度が有意に高かった。痩身願望の大きい女子高校生は,すでに中学生期に

は概して食行動が乱れ気味であると察せられる。また,朝食と夕食の孤食頻度に有意差は認められなかっ

たが,食事中における携帯電話・スマートフォンの使用頻度が有意に高かった。よって,高校生を対象

としたアンケート調査から携帯電話の使用頻度と食行動の乱れとの関連性が指摘されているが(米山ほ

(8)

女子高校生の痩身願望と食行動(石田・徳岡・横山)

か 2013),この指摘と整合的な分析結果が得られたといえる。

高校に進学以降,食事中の携帯電話・スマートフォン使用やコンビニ弁当・インスタント食品の摂取

頻度などについては,痩身願望の大きい群と他群との聞に有意差は認められなかった。しかし,中学生

期に見られた早食い,偏食,食事減量に加えて,朝食欠食,栄養ノくランスを考えない食事,甘い食べ物

の飲食頻度も有意に高かった。

(5)考察の総括

こうした小学生期から高校生期にかけての分析結果を総じてみると,痩身願望の大きい女子高校生は,

小学生期と比較して中学校に進学以降に食行動の乱れが顕著となり,さらに高校進学以降に乱れが悪化

する傾向が認められた。溝口ほか(2000)は,体型・体重に関する過去の否定的体験などが現在の痩身

願望の大小を強く規定しているという分析結果を根拠に,若年女性(調査対象者である女子大学生)の

痩身願望は「早い時期から形成されているのではないか」と述べている。森ほか(2012)も,おしゃれ

意識を刺激するメディアの影響もあり,多くの女子大学生がすで、に小学生期から痩身願望を有すると指

摘している。

また,小学生の体型と生活習慣との関連性を検討した大須賀(2013)は,痩身傾向の小学生が阻暢不

足であることを明らかにしている。本稿の分析結果では,痩身願望の大きい女子高校生はすでに小学生

期から一貫して早食い傾向が認められた。早食いと租唱不足との聞に明瞭な関係が認められると仮定す

れば,減量行動などの食行動にまだ明確な差が認められない小学生期においても,中学生期以降の痩身

願望に基づく食行動変化の兆候を読み取ることが可能かもしれない。女子高校生の食行動規定要因を考

察する際に,小学生あるいは中学生時代まで遡って考察する必要があるだ、ろう 12)。

また,痩身願望の大きい女子高校生は,朝食欠食や減量行動の頻度が高い一方で,「油の多い食べ物を

たくさん食べたJ(中学生期)あるいは「甘いものをたくさん食べたり飲んだりする」(高校生期)頻度

が有意に高かった。こうした食行動は一見矛盾しているが,女子大学生・院生に対する調査データを分

析した幸田・菅原(2009)は,絶食のような減量行動が反動として過食を助長し,そのことがさらなる

減量行動を誘発すると指摘している。こうした指摘を踏まえると,痩身願望の大きい女子高校生ほど,

減量と過食を繰り返す悪循環極端な場合には,食べ物の摂取と幅吐を繰り返す食行動異常 に陥る危

険性が高いと推察される。

6.おわりに

本稿では,女子高校生の痩身願望と関連の5齢、要因を明らかにすると同時に,小学生期以降の食行動

の変化と痩身願望との関連を定量的に分析することを目的とした。女子高校生を対象とした Webアン

ケート調査の個票データを用いて定量分析を行った結果, 1)すでに顕著な痩身傾向が認められるにも

かかわらず,約9割の女子高校生は現在よりもさらに痩せたいという願望を有していること, 2)痩身

願望と公的自己意識,自己肯定感・自尊感情,不定愁訴などの個人特性との聞に強い関連性が認められ

ること, 3)痩身願望の大きい女子高校生ほど,中学校に進学以降に食行動の乱れや減量行動が巨立ち

始め,さらに高校進学以降にそれらが一層顕著となること, 4)痩身願望の大きい女子高校生は,すで

に減量行動が目立ち始める以前の小学生期において,朝食孤食,好き嫌い,早食い傾向が認められたこ

と,を明らかにした。

それでは,痩身願望に起因する食行動の乱れを改善するにはいかなる対応策が取り得るだろうか。中

学生期以降に痩身願望との関連性が明らかとなったのは,食卓環境・雰囲気や家事手伝いなどの家庭要

(9)

因ではなく,公的自己意識や自己肯定感のような個人特性で、あった。このことを踏まえると,自我の確

立の大切さがあらためて指摘できる。

同時に,痩身願望の大きい女子高校生ほど,すでに小学生期において朝食孤食の傾向が認められた点

には留意すべきであろう。孤食という家庭要因が小学生の朝食欠食等の食行動の乱れを助長するという

指摘は多い(例えば有宗ほか, 2009)。痩身願望の大きい女子高校生がすでに小学生期から朝食孤食,

好き嫌い,早食い傾向にあることを踏まえると,中学生期に入ってから食育や家庭科の調理実習を行っ

たとしても,限定的な教育効果しか得られない可能性がある。保護者を対象とした子育て教育に加えて,

食習慣が形成される小学校前期から給食,保健・家庭科などを一体化した食と健康に関わるより包括的

な教育の実践が強化されるべきかもしれない13)。さらに,メディアからの情報が女性の痩身願望形成

に影響を及ぼしているという指摘を踏まえると,女子高校生が接する機会の多い雑誌,ウェブサイト,

テレビ番組などを通じて,女子高校生に人気のある商品を販売している企業と一緒に彼女らが好むコン

テンツを提供することなども考えられる 14)。

いずれにせよ,女子中学生・高校生は男子生徒よりも食事の制限や減量に対する意識が過敏であり,

食べるという行為に対する強迫観念や罪悪感が強いという指摘(板東・森, 2013)を踏まえると,健全

な食意識形成を促す予防的教育フ。ログラムの開発に向けた介入研究が今後の課題となろう。

1)各調査年のばらつきを少なくするために,厚生労働省『平成 25年国民健康・栄養調査報告』の第

90表(p.210)に掲載されている時系列データを用いて計算した3年移動平均値を示した。

2)未成年者の肥満度・痩身度を表す指標として,文部科学省『学校保健統計調査報告書』では, BMI

ではなく(実測体重一身長別標準体重)÷身長別標準体重×100(%)の値が用いられている。痩

身傾向児とは,この値が-20%以下の児童のことである。例えば,身長が 155.0cmの 17.0歳女子

を例にとると,この値が 20%になるのは体重が40.3kgの場合である(日本成長学会・日本小児内

分泌学会合同標準値委員会が作成した「体格指数計算ソフト」を用いて算出)。同条件で計算した

BMIは16.8であり,痩身の判断基準となる BMI=18.5の水準を大きく下回る。

3)学術情報データベースの CiNiiを用いて,「痩身Jと「大学生」,「女子大生」,「短大生」,「高校生J,

「女子高生」をキーワードに論文タイトル検索を行った。文献数を比較すると,「大学生」は 17件,

「女子大生」と「短大生」はともに 5件,「高校生j は2件,「女子高生」は O件で、あった(2016

年 2月 4日確認)。こうした検索結果からも,大学生・短大生と比較して高校生を対象とした痩身

研究が限られていることが確認できる。

4)小学生期から高校生期や大学生期までの長期間にわたり,大規模な追跡調査を実施することは極め

て困難である。このため,食意識や食行動の時系列変化に関する分析においては,「振返り調査」が

行われることが多い。なお,数少ない追跡調査データを用いた研究としては,富山県の児童を対象

に3歳と小学校4年の2時点で、比較検討を行った関根ほか(2001)などがある。

5)マクロミル社が管理しているモニターの個人属性’情報(具体的には,性別と年齢)を用いて選定し

た15歳から 18歳の女性に対して事前質問を行い,高校(あるいは高等専門学校)の生徒であるか

どうか,生徒である場合には学年を回答するように求めた。高校・高専の 1年生から 3年生である

と確認できた者に対してのみ,本調査への回答を依頼した。調査開始から約 25時間後に,研究予

算の制約を考慮して設定した回答目標数(400サンプル)が得られたことからアンケート調査を終

(10)

女子高校生の痩身願望と食行動(石田・徳間・横山)

了した。

なお,回答者412人の年齢構成を示すと, 15歳が41人(10.0%)' 16歳が 134人(32.5%)' 17

歳が 161人(39.1%) ' 18歳が76人(18.5%)で、あった。居住地域については,北海道が20人(4.9%),

東北地方が 25人(6.1%),関東地方が 168人(40.8%),中部地方が 58人(14.1%),近畿地方が

77人 (18.7%),中国・四園地方が29人(7.0%),九州|・沖縄地方が35人(8.5%)であった。

6)ギャッフ。率に関する計測結果を示すと,つぎのとおりである(括弧内の数値はt値)。

理想のBM!ー現在のBM!x 100 = 31.355 -1.999×現在のBMI r2 = 0.508

現在のBM! (15.576) (一20.534)

7)痩身願望の程度を計測する際には,「痩せたいですかj等の単純な質問の回答結果から判断する方法

(池田ほか, 2008;金本ほか, 2005;森ほか, 2012;重田ほか, 2007),体重・体型等への意識に

関する複数の質問を因子分析等の手法で処理して尺度化する方法(馬場・菅原, 2000;溝口ほか,

2000;田仲ほか, 2013),現在と理想のBMIの差から判断する方法(米山ほか, 2008),体型イメー

ジ図を用いて被験者の現在と理想とする体型の差を計測する方法(田崎, 2007;内海・西浦, 2014)

などが用いられている。しかし,これらの方法では,現在の体型が痩身願望に及ぼす影響は考慮さ

れていない(概して,肥満度の高い者ほど痩身願望が大きいと判断されやすくなる)。こうした点を

改善するために,本稿では回帰式を用いた簡便な補正を試みた。なお, 3群のBMI平均値を示すと,

第l群「痩身願望=大」は21.0,第2群「痩身願望=中」は20.1,第3群「痩身願望=小」は20.6

であり,いずれの群間にも有意差は認められなかった(Tukey検定による検定統計量のp値を示す

と,第 1群と第2群は0.114,第1群と第3群は0.601,第2群と第3群は0.231)。

8)具体的には,「朝食をとらずに学校に行くJ,「早食いする」,「全部食べずに残すJ,「夕食の前に間食

をする」, f夕食の後で夜食を食べるJの5項目である。

9)「栄養のバランスを考えて食べるJ,「嫌いなものを残すj,「インスタント食品を食べる」,「スーパー

やコンビニの弁当を食べるJ,「甘いものをたくさん食べたり飲んだりする」,「油の多い食べ物をた

くさん食べるJ,「栄養ドリンクやサプリメントを飲む」の7項目である。

10)「食卓の雰囲気は明るいJ,「食事の時聞が楽しい」,「食事がおいしく食べられる」,「食事中に,家族

と会話する」,「朝食を一人だけで食べる」,「夕食を一人だけで食べる」,「テレビを見ながら,食事

をするJ,「携帯電話・スマホをしながら,食事をする」の8項目である。

11)「食事の準備を手伝うj,「食事の後片付けを手伝う」,「家の人から,料理を教えてもらうJの3項目

である。

12)女子大学生を対象とした調査を実施した森ほか包012)によると,インフォーマントが「おしゃれ

のために痩せている方が良いJと考え始めた時期は小学校高学年時代が 11.0%,中学校時代が38.3%,

高校時代が41.7%,大学入学後が 8.7%であったとし、う。

13)本稿で用いた調査データの分析結果から,痩身願望の抑制に効果的な教育プログラムを具体的に提

示することはできなかった。健全な食意識形成を促す予防的教育プログラムの開発に向けた介入研

究に関しては,今後の課題としたい。

14)本研究のアンケートでは,減量行動などの情報入手先に関する詳細な質問を設定しなかったことか

ら,メディアが流布する情報に女子高校生がどの程度影響を受けているかについては検討できな

かった。今後の課題としたい。

、(11)

付記

本稿は,科学研究費補助金(基盤研究(c) 26450328)による研究成果の一部である。

引用文献

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(12)

女子高校生の痩身願望と食行動(石田・徳岡・横山)

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pp.55・61.

Abstract

Recently, it has been pointed out出atyoung girls tend to internalize the白血ideal,but only a l副 総dnwnber

of studies have examined吐ieslimming practices of femal巴highschool students in late pube町.Fur由民 little

or no time-series research has been conducted on血erelationship between也echanges in eating behaviors and

the desire to be slim among young girls. Against也isbackground, the present paper examines也erelationship

between the changes m回出gbehaviors and the desire to be slim in and after elementary school years among

female high school students. A quanti句.tiveanalysis was conducted using individual data from a web-based

questionnaire Sぽ veyadministered to 412 female high school students.百ieresults showed也atfemale high

school students with a s住ongdesire to be slim tend to show worse ea出gbehaviors after entering junior high

school吐ianwhile血eywere in elementary school, and their ea住宅 behaviors白川ierdeteriorate after they

(13)

enter high school.百iedesire to be slim during and a食erthe junior high school period was not related to

family factors such as dining environment/atmosph巴reand domestic help, but was related to personality

characteristics such as public self-awareness and selιaffirm甜on.Further, female high school students wi血a

甜ongerdesire to be slim紅emore likely to have had a habit of ea白igbreakfast alone even when出eywerein

elementary school. Taking into account也efinding白atsuch girls have had a habit of ea住宅breakfastalone

and exhibited picky ea出gand fast eating even at elementary-school age, we should consider not only

educating parents and guardians about healthy dietary practices for children but also providing comprehensive

education on nutrition and health (integrated wi也 theschool lunch and the health or domestic science

curriculum) to students, right from elementary school, as白isis the period in which eating habits眠 formed.

付表 表 1から表4の集計に用いたアンケートの質問文と選択肢

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(受理日 2016年3月8日)

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