高輝度電子-陽電子衝突型加速器 を用いた ダークマ...
TRANSCRIPT
1.研究のモチベーション 2.Belle II実験 3.ダークフォトンの 検出感度測定
4.まとめ!2
Contents
!3
Theoretical motivation
(1) ダークマター
◀銀河団同士の衝突 (カラー):x線観測 (緑):重力レンズ
・光では見えない重力源が存在。 ・質量の多い部分(重力レンズ)と明るい部分(X線)がずれている。
!4
Theoretical motivation
ダークマター宇宙の観測からダークマターの確かな証拠が数多く報告されている。
現在の宇宙でDMは通常の物質(バリオン)の5倍 ΩDM = 26.8%, Ω通常 = 4.9%
素粒子の標準理論では対応する粒子は存在しない。 →素粒子物理、宇宙物理にとって大きな課題。 ダークマターを足掛かりにした新物理の探索が期待される。
▲WMAP衛星による宇宙背景放射(CMB) スペクトル ▼宇宙の組成比
ダークマターの性質
1.電気的に中性 2.色荷を持たない 3.有限な質量持ち、非相対論的に運動 4.十分長い寿命を持つ
!5
ダークセクター
ベクターポータル(A’)→ダークフォトンなど スカラーポータル→ダークヒッグスなど 擬スカラーポータル→ALPsなど ニュートリノポータル→右巻きニュートリノ
「ダークセクター(DS : Dark Sector)」という枠組みが注目されている。 残存するダークマターの量を説明するには、宇宙初期に標準模型の粒子(SM)と DS間の相互作用が必要、仲介粒子のみを介して相互作用が可能と仮定。 →その相互作用を媒介する粒子を「仲介粒子(ポータル)」と呼ぶ。
SM(標準模型) Dark Sector
結合定数 結合定数
PortalυeH e−π ρ n
pγ
g ?π dρdχSMとDS間の
結合定数
gSM gD
Dark Matter
ε
Theoretical motivation
仲介粒子
・DMのひとつ、SMとDSの両方に結合する ・SMとの相互作用、ゲージ不変、ローレンツ不変を仮定 ・ゲージ不変より、可能な相互作用は4つに絞られる▶▶ ・SMとの結合定数はフリーパラメータとする →高統計の実験が必要
SMのU(1)Yのテンソル場 Bμνと、 DSのU(1)Dのダークボソンのテンソル場 A’μνが 運動項を通して混合、 ゲージ対称性に矛盾することなく 標準理論粒子との相互作用が可能。 (Kinematic coupling)
ラグランジアンの運動項はSMの電弱相互作用 の破れのあと、
Fμνは光子、ZμνはZ0のテンソル
!6
ダークフォトン模型 : A’
SM
SM
ε
γ ,ZA'
Theoretical motivation
ダークフォトンA’と 標準理論の結合定数
※以下、εはフリーパラメータとして扱う
εY2Bµν A'
µν →εY2cosθW Fµν − sinθWZµν( )A'µν
!7
e+e- 衝突現象を用いたダークフォトン探索Theoretical motivation
e+ e-衝突型加速器でのinvisible粒子の探索 →終状態が1つの光子のみの事象を利用。
光子のエネルギーEγを測定する事によって invisibleな系の質量Minvが決まる。
Eγ =1− Minv
2
s
e+ + e− → γ + invisible
▲1光子事象のイベントディスプレイ
もしダークフォトンA’が生成されていれば Minvの分布にA’の質量MA’のピーク構造が見える。 (Minv = MA’)
εA'
γ
γ
e+
e−
信号事象
▲ 事象 (A’は観測されない)e+ + e− → γ + A'
!8
2.Belle II実験
Belle II experiment
Belle II 実験
�9
Belle II 検出器
8m
8m
・荷電粒子、光子等の中性粒子の検出能力を備えた大型測定器 ・高い運動量分解能、エネルギー分解能、粒子識別能力を持つ
崩壊点検出器 : 粒子の崩壊点の検出
中央飛跡検出器 : 荷電粒子の飛跡・運動量・エネルギー損失の測定
粒子識別検出器 : 粒子の種類の同定
電磁カロリーメータ : 電子の識別・光子のエネルギー測定
非対称エネルギーの電子-陽電子衝突型加速器 SuperKEKBと、Belle II 検出器 を用いて行われるルミノシティフロンティア実験
B中間子の物理をはじめ、稀な物理事象を 高統計・高精度に探索することを目的とする。
ビームの 重心系エネルギー 10.58GeV
θ
天頂角:θ
方位角:φ
!10
Belle II 検出器 Belle II experiment
Z
θ
天頂角:θ
方位角:φ
!11
電磁カロリーメータ Electromagnetic calorimeter (ECL)
CsI(Tl)結晶シンチレータと反応し生じた 電磁シャワーにより電子・光子の エネルギーを測定する。
中央飛跡検出器 Central Drift Chamber (CDC)
荷電粒子の運動量測定、 粒子の崩壊点決定を行う。 本研究では光子と荷電粒子を識別し 荷電粒子ベトーに用いる。
Belle II experimentBelle II 検出器
Z
!12
モンテカルロシミュレーションによる検出効率や背景事象、 トリガーの評価を行い Belle II実験でのダークフォトン・ダークマターの 探索可能領域について報告する。
3.ダークフォトンの 検出感度測定
0 2 4 6 8 10
Minv [GeV]0
20
40
60
80
100
120
140
160
A') [
nb]
γ →
(e+e
- σ
*)|<0.966γθ|cos(=1∈
Production cross section
MA’ (GeV)
信号事象 (1光子事象)の モンテカルロ(MC)サンプルを独自に生成。
とすると生成断面積は
β=1,ε=1のとき 上の式は の生成断面積に一致する。
e+ + e− → γ + A'
e+e− → γγ
信号事象MCサンプルの生成
The study
!13
15° ≤θγ* ≤165°
▼ε=1のときのA’の生成断面積σA’
σ (e+e− → γ + A') =3αε 2
sdcosθ 8−8β + 3β 2 + β 2 cos2θ
β sin2θ∫
β = 1− M 2A' / s
γ
e+
e−
A'
α
αε
信号事象角度分布はSMとA’の結合が ベクター型であることから決まっている。
質量MA’
The study
!14
MA’ = 0, 0.2, 0.5, 1, 1.7, 2.5, 3, 5, 6, 7, 8 (GeV)
θ*γ :
θ[15,165(度)]
φ*γ : 一様分布 φ[0,360 (度)]
f (θ ) = 8−8β + 3β 2 + β 2 cos2θβ sin2θ
・それぞれのMA’に対してMCサンプルを10,000 イベントずつ生成。 ・作成したMCサンプルは実機をモデルにしたBelle II検出器シミュレーション を通し、その後実際のデータと同様の解析を行った。
信号事象MCサンプルの生成条件
The study
!15
εA'
γ
γ
e+
e−
信号事象❶イベント中に2個以上の光子が 生成されているにも関わらず 光子が1つしか検出できなかった場合
❷荷電粒子が検出できなかった場合
❸ビーム由来の背景事象 ビームガス散乱・タウシェック散乱など
γ
γe+
e−
主要な背景事象
ダークフォトン探索において QED由来の背景事象を 取り除くことは 最も重要な課題。
背景事象のMCサンプルを用いて 選別後に残る 背景事象の事象数を 定量的に見積もる。
e+e− → e+e−γ
e+e− → µ+µ− (γ )
e+e− → γγ γ( )
主要な背景事象
The study
!16
❶イベント中の1番高いエネルギーを持った光子に対して Eγ > 2 GeV かつ 20⚪ < θγ <145⚪を要求
❷飛跡検出器・崩壊点検出器の情報から よく再構成された荷電粒子の飛跡が0本
1光子事象のプレセレクションε
A'
γ
γ
e+
e−
信号事象
▲1光子事象のイベントディスプレイ
(lab)2ndγEEntries 488Mean 0.1098
Std Dev 0.1713
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1(GeV)2nd
labγE
0
50
100
150
200
250
even
ts /
(0.0
5 G
eV) (lab)2ndγE
Entries 488Mean 0.1098
Std Dev 0.1713
!17
The study
❸エネルギーが2番目に高い光子に対して Eγ2nd =< 0.05 GeV && 20⚪ < θ2ndγ 145⚪を要求
背景事象の除去
▼ 選択❷後残った、2番目に高いエネルギーを持った光子のEγ2nd分布図
信号事象 2光子あるのは全体の5%
除去
(lab)2ndγEEntries 2.473338e+07
Mean 3.132
Std Dev 1.898
0 1 2 3 4 5 6 7 8(GeV)2nd
labγE
0
0.5
1
1.5
2
2.5
610×
even
ts /
(0.0
5 G
eV) (lab)2ndγE
Entries 2.473338e+07
Mean 3.132
Std Dev 1.898背景事象e+e− → γγ γ( )
除去
→ 事象を除くe+e− → γγ γ( )
Eγ2nd =0GeV は 9512事象
!18
選別❸後の信号事象 の分布e+e− → γ + A'
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4226Mean x 76.34Mean y 4.855Std Dev x 44.96Std Dev y 0.3361
0
2
4
6
8
10
12
14(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4226Mean x 76.34Mean y 4.855Std Dev x 44.96Std Dev y 0.3361
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 3066Mean x 51.31Mean y 2.229Std Dev x 26.23Std Dev y 0.1132
0
5
10
15
20
25(MCS)γ(Lab) vs Eγθ
Entries 3066Mean x 51.31Mean y 2.229Std Dev x 26.23Std Dev y 0.1132
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4125Mean x 75.79Mean y 5.098Std Dev x 45.47Std Dev y 0.3413
0
2
4
6
8
10
12
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4125Mean x 75.79Mean y 5.098Std Dev x 45.47Std Dev y 0.3413
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4090Mean x 75.23Mean y 5.143Std Dev x 45.15Std Dev y 0.3558
0
2
4
6
8
10
12
14
16(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4090Mean x 75.23Mean y 5.143Std Dev x 45.15Std Dev y 0.3558
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4427Mean x 75.22Mean y 4Std Dev x 43.72Std Dev y 0.2617
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4427Mean x 75.22Mean y 4Std Dev x 43.72Std Dev y 0.2617
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4343Mean x 76.08Mean y 4.417Std Dev x 43.96Std Dev y 0.29
0
2
4
6
8
10
12
14(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4343Mean x 76.08Mean y 4.417Std Dev x 43.96Std Dev y 0.29
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4276Mean x 75.97Mean y 4.731Std Dev x 44.37Std Dev y 0.3282
0
2
4
6
8
10
12
14
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4276Mean x 75.97Mean y 4.731Std Dev x 44.37Std Dev y 0.3282
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4438Mean x 75.12Mean y 2.913Std Dev x 42.78Std Dev y 0.1548
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4438Mean x 75.12Mean y 2.913Std Dev x 42.78Std Dev y 0.1548
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4468Mean x 74.68Mean y 3.499Std Dev x 43.28Std Dev y 0.2149
0
2
4
6
8
10
12
14
16
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 4468Mean x 74.68Mean y 3.499Std Dev x 43.28Std Dev y 0.2149
MA’ = 0GeV
MA’ = 1GeV
MA’ = 3GeV
MA’ = 4GeV
MA’ = 5GeV
MA’ = 6GeV
MA’ = 7GeV
MA’ = 8GeV
・Eγは帯状に分布 ・MA’が小さいとEγは大きく、MA’が大きいとEγは小さくなる
光子の角度 θγlab
光子の重心系エネルギー
Eγ*
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 309027Mean x 59.48Mean y 4.243Std Dev x 45.24Std Dev y 1.302
0
500
1000
1500
2000
2500
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 309027Mean x 59.48Mean y 4.243Std Dev x 45.24Std Dev y 1.302
γγ
The study
!19
選別❸後の背景事象 の分布 特徴(1) エンドキャップ方向に事象が多い 特徴(2) 1つの光子がECLの隙間を通り抜ける事象がある 特徴(3) 3光子事象によるバンド構造
e+e− → γγ
θγlab
光子の角度 θγlab
光子の重心系エネルギー
Eγ*
背景事象の E*γ vs θlabγ 分布
e+e− → γγ γ( )背景事象
Zビームパイプ
γ
γ
隙間
The study
!20
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 309027Mean x 59.48Mean y 4.243Std Dev x 45.24Std Dev y 1.302
0
500
1000
1500
2000
2500
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 309027Mean x 59.48Mean y 4.243Std Dev x 45.24Std Dev y 1.302
Zθγlab
光子の角度 θγlab
光子の重心系エネルギー
Eγ*
背景事象の E*γ vs θlabγ 分布
e+e− → γγ γ( )背景事象
選別❸後の背景事象 の分布 特徴(1) エンドキャップ方向に事象が多い 特徴(2) 1つの光子がECLの隙間を通り抜ける事象がある 特徴(3) 3光子事象によるバンド構造
e+e− → γγ
γ
γ
隙間
The study
!21
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 309027Mean x 59.48Mean y 4.243Std Dev x 45.24Std Dev y 1.302
0
500
1000
1500
2000
2500
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 309027Mean x 59.48Mean y 4.243Std Dev x 45.24Std Dev y 1.302
Z
θγlab
光子の角度 θγlab
光子の重心系エネルギー
Eγ*
e+e− → γγ γ( )背景事象
背景事象の E*γ vs θlabγ 分布選別❸後の背景事象 の分布 特徴(1) エンドキャップ方向に事象が多い 特徴(2) 1つの光子がECLの隙間を通り抜ける事象がある 特徴(3) 3光子事象によるバンド構造
e+e− → γγ
隙間
The study
!22
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 309027Mean x 59.48Mean y 4.243Std Dev x 45.24Std Dev y 1.302
0
500
1000
1500
2000
2500
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 309027Mean x 59.48Mean y 4.243Std Dev x 45.24Std Dev y 1.302
γ
ビームパイプ
γ
Z
θγlab
γ
光子の角度 θγlab
光子の重心系エネルギー
Eγ*
e+e− → γγ γ( )背景事象
背景事象の E*γ vs θlabγ 分布選別❸後の背景事象 の分布 特徴(1) エンドキャップ方向に事象が多い 特徴(2) 1つの光子がECLの隙間を通り抜ける事象がある 特徴(3) 3光子事象によるバンド構造
e+e− → γγ
Z
The study
!23
❹検出光子がバレル部分(35⚪ < θγ 120⚪)にあることを要求 ❺E*γが十分大きい事を要求 Minvの値によって2種類の条件を課す
背景事象の除去
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 309027Mean x 59.48Mean y 4.243Std Dev x 45.24Std Dev y 1.302
0
500
1000
1500
2000
2500
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 309027Mean x 59.48Mean y 4.243Std Dev x 45.24Std Dev y 1.302
光子の重心系エネルギー
Eγ*
光子の角度 θγlab
e+e− → γγ γ( )背景事象
▶Minv > 6 GeV : E*γが より大きい▶Minv =< 6 GeV : E*γが より大きい
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180(degree)
labγθ
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
(GeV
)C
MS
γ E
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 8659Mean x 68.99Mean y 5.068Std Dev x 21.47Std Dev y 0.3674
0
20
40
60
80
100
120
(MCS)γ(Lab) vs EγθEntries 8659Mean x 68.99Mean y 5.068Std Dev x 21.47Std Dev y 0.3674
γ
γ
隙間
The study
!24
! ( 4.5 GeV<E*γ && 58⚪=<θγ=<61⚪) を要求❻ECLの隙間に光子が逃げたことによる事象を除く
Zθγlab
背景事象の除去
e+e− → γγ γ( )背景事象
光子の重心系エネルギー
Eγ*
光子の角度 θγlab
!25
The study
20− 10− 0 10 20 30 40 50)2inv(GeV2 M
0
500
1000
1500
2000
2500
3000)2
Ent
ries
/ (0.
5GeV
)γee()γ(γγ)γ(µµ
eeeeµµee
Recoil mass distribution
背景事象
・背景事象を全て足し合わせ50fb-1で規格化。 ・信号事象の検出率は約10% 。
・以上の選別で残る背景事象はほとんどが 信号の感度を上げるにはさらにこの事象を落とす必要がある。
e+e− → γγ
Belle II 50fb-1
弱い選別(❶~❻)後のM2inv分布
ARICHCDC End plate
Z
θγ lab2nd
γ 1st
γ 2nd
(degree)lab2ndγθ
Entries 5973
Mean 103.1Std Dev 49.33
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
(degree)lab2ndγθ
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
220
)°ev
ents
/ (1 (degree)
lab2ndγθ
Entries 5973
Mean 103.1Std Dev 49.33
ARICH
CDC End plate
弱い選別(❶~❻)後の背景事象 の 分布 ・130⚪~150⚪付近 : 多量の背景事象が存在 考えられる理由
→内側の検出器に信号が残っていないか確認が必要
e+ + e− → γγ (γ ) θγ lab2nd
!26
弱い選別で残る背景事象の様子
The study
→前方の測定器(CDCやSVD)に
2番目の光子の角度
▶CDCの読み出し回路が搭載されたエンドプレートで光子のエネルギーが吸収されている? ▶ビームバックグラウンドの光子?
▶ 事象のうち、1光子がビームパイプに抜けた?e+ + e− → γγ (γ )
!27
The study
❼完全な1光子事象を要求する
背景事象の除去
( Belle II検出器で再構成可能な最低エネルギーは0.02GeVなので、 0.02GeV以上の光子を全て取り除く)
!28
The study
それぞれのダークフォトンの質量MA’に対する背景事象数を評価する。
20− 10− 0 10 20 30 40 50 60)2inv(GeV2 M
0
50
100
150
200
250
300
)2 E
ntrie
s / (
0.5G
eV
)γee()γ(γγ)γ(µµ
eeeeµµee
Recoil mass distribution
背景事象
Belle II 50fb-1
強い選別(❶~❼)後のM2inv分布
背景事象数の評価方法
2MinvEntries 658Mean 36.3Std Dev 3.303
20− 0 20 40 60 80 100
)2(GeV2Minv0
5
10
15
20
25
30
35
40
)2En
tries
/(0.5
GeV
2MinvEntries 658Mean 36.3Std Dev 3.303
信号事象 MA’ = 6GeV
0 1 2 3 4 5 6 7 8
]2 [GeV/cA'M0
5
10
15
20
25
30
35
40
45310×b
!29
The study
それぞれのMA’に対して期待される背景事象数 b 青 : 弱い選別 (選別❶~❻ E2ndγ< 0.05GeV) 赤 : 強い選別 (選別❶~❼ 2光子事象を全て排除)
Belle II 50fb-1
・強い選別(❼)は、弱い選別(❻)で残っていた 由来の背景事象を1/10に減少させる。 ・信号の検出効率は弱い選別から約1%減少した。e+ + e− → γγ (γ )
背景事象数の結果
0 1 2 3 4 5 6 7 8(GeV)A'M
0
0.05
0.1
0.15
0.2
0.25
0.3
0.35
0.4
Sign
al e
ffici
ency
▼信号の検出効率 ηeff
信号の事象数の上限値 前節で求めた予想される背景事象数bから、ダークフォトンの質量毎に Likelihood関数を用いて信号の上限値を算出。
Likelihood関数
90%の信頼度での事象数の上限Nup
求めたNupから、ダークフォトンの 生成断面積の上限値σupは
L : ルミノシティ(収集したデータ量) 50fb-1と仮定。
!30
ダークフォトンの検出感度The study
σ up =NupL ⋅ηeff
Nup =1.28
1b1−
σ b2
b⎛
⎝⎜⎞
⎠⎟
L µ,b( ) = µ + b( )nn!
e −µ+b( ) ⋅expm− b( )22σ b
2
⎛
⎝⎜⎜
⎞
⎠⎟⎟
真の信号数:μ 真の背景事象数:b bの誤差:σb 観測した背景事象数:m 観測した信号と背景事象数の和:n
信号事象の検出効率 : ηeff
2−10 1−10 1]2 [GeV/cA'M
4−10
3−10
ε
Tight-1Expected sensitivity Belle II 50 fb
Loose-150 fb
Tight-1Expected sensitivity Belle II 50 ab
!31
The study
▼ Belle II実験で期待される結合定数εの上限値
結合定数εの上限値 求めたσupと、ε=1の時の生成断面積σA'との比をとり、 ダークフォトンA’の結合定数の上限値εupを算出。
結合定数εへの制限
ε up = σ up
σ A'(ε=1)
!32
The study
・50fb-1(2020年夏達成予定)で先行実験と同等の探索領域を実現 ・Belle II実験の目標ルミノシティ50ab-1までデータを収集すると、 ε~O(10-4)まで探索範囲の拡大が可能。 ・BelleIIで探索できる10MeV-5GeVの質量領域は、 宇宙のDMの量を説明を試みる様々な理論で注目されている領域である。
2−10 1−10 1]2 [GeV/cA'M
4−10
3−10
2−10ε
Tight-1Expected sensitivity Belle II 50 fb
Loose-150 fb
Tight-1Expected sensitivity Belle II 50 ab
先行研究(BaBar)本研究
結合定数εへの制限
4.まとめ
!33
2−10 1−10 1]2 [GeV/cA'M
4−10
3−10ε
Tight-1Expected sensitivity Belle II 50 fb
Loose-150 fb
Tight-1Expected sensitivity Belle II 50 ab
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まとめSummary
Belle II 実験におけるダークフォトン生成事象 (e+e- → γ + A′) の検出可能性についてシミュレーションを用いて検出効率と期待される背景事象数を評価した。 ・信号事象の検出効率は10%。
・ 事象が最も大きな背景事象。 ・検出器の隙間等を考慮して、解析条件の最適化した(更に改善の余地あり)。
e+e− → γγ
DMとSMとの結合定数εの 探索可能領域(信頼度90%)右図に示す。
BelleIIで探索できる10MeV-5GeVの質量領域は、宇宙のDMの量を説明を試みる様々な理論で注目されている領域である。