電子陽電子衝突の 歴史と展望 - kek...電子陽電子衝突の 歴史と展望...

50
電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望東京大学大学院理学系研究科 駒宮幸男

Upload: others

Post on 01-Mar-2021

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

電子陽電子衝突の歴史と展望

(エネルギーフロンティア)

2004年11月4日

シンポジウム「物質の創成と展望」

東京大学大学院理学系研究科

駒宮幸男

Page 2: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

電磁 気力

磁 気電弱理論

β崩壊 弱い力

超対称性による大統一?

原子核 強い力量子色力学

地球上での物体の運動

天体の運行

重力 量子重力?

超弦理論?

マックスウエル

ワインバーグなど

フェルミ

湯川

ガリレオ

ケプラー

ニュートン

アインシュタイン

標準理論 (LEPで精密検証)

電気

LEP実験

LHC/ILC

?力(相互作用)の統一

一般相対性理論

Page 3: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

加速器の技術革新加速器の技術革新 (70年以上の歴史)(70年以上の歴史)

レマン湖

CERN

ジュラ山脈

ジュ

ネー

ブ空

1932年 ローレンス世界初のサイクロトロン直径13 cm, エネルギー80keV

LHC 2007年完成直径9km, エネルギー 14TeV

9km/13cm = 69,231 14TeV/80keV = 175,000,000

Page 4: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

最初の素粒子電子の発見1897

J.J.Thomson

Page 5: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

陽電子の発見1932

反粒子をDiracが

予言

Andersonが発見

山田作衛先生

御誕生約10年前

Page 6: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

e+e- collider• G.BudkerVepp-1,2 e-e-

• G.K.O’Neill(radiation dumping)

Princeton-MIT• F.Amman

ADONE• B.Richter

SPEAR• G.Voss

DORISVepp-1 1965

Ecm= 2x0.16 GeVL= 3x1027[cm-2 s-1]

Page 7: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

ノボシビルスクのBudker教授と3GeV3GeV電子

陽電子衝突装置を用いる協同実験協定の署名。

(小柴先生の写真集から)

山田先生、極寒の

シベリアへ

Page 8: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

11月革命前夜HEP conference 1974 Summer

B.Richter

J.Ellis

R=σhadron/σμμ=ΣQq2

Page 9: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

The November Revolution1974年 J/ψの発見

e+e- →ψ SLAC Richter et al.

J→ e+e- BNL丁 et al.

J/ψ=cc bound state

Page 10: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

The November Revolution

B.Richterワイン片手に解析

Page 11: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

1974年11月革命の帰結とその後1974年11月革命の帰結とその後

レプトンとクォークは同じ階層の素粒子であることが

実験家にもわかった。 ⇒ 素粒子物理の方向を決定

1975 τレプトンの発見 (第3世代の発見) SLAC(米)

1976 bクォークの発見 Fermilab (米)

1979 グルーオンの発見 DESY(独) 素粒子センターも参加

1983 W、 Zボゾンの発見 CERN(欧)

1989 素粒子の世代数=3 CERN/SLAC 素粒子センターも参加

1994 tクォークの発見 Fermilab(米)

1999 ニュートリノの質量 Super Kamiokande (日)

Page 12: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

DASP Detector at DORIS1974-1977

須田英博、山田作衛、折戸周治、戸塚洋二

Page 13: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

DASP の建設。 東大グループの現地責任者は須田英博助手。

DASPが完成し

データを取り始めて3ヶ月後にチャー

ムの発見。DORISのエネル

ギーをそれに合わせて直ちにチャーモニウムのp状態

を発見。

東大グループはこの実験に依って電子陽電子衝突実験の実績を積むことが出来た。

(小柴先生写真集

から)

Page 14: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

DASP実験Charmonium, Open Charm,Tau Lepton

Page 15: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

JADE 実験を提案。

Tokyo-Heidelberg-Manchester

多くの成果をあげたが特にグルーオンの実験的検証によりヨーロッパ物理学会特別賞を受けた。

(小柴先生の写真集ら)

Page 16: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

PETRA/PEP1978-1986

Page 17: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

PETRA/PEPでの物理

グルーオンの発見 PETRA

B-hadron: long lifetime PEP

σ(e+e-→qqg)

σ(e+e-→qq)αs~

Three-jet events

Page 18: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

TRISTAN 1987-1994 Zの生成エネルギーまで行く

べきだった哀れやな Zの下の トXXXX(当局の介入により伏字)

しかし、世界に先駆けて超伝導加速空洞技術を確立

Page 19: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

SLC 変則的リニアコライダー 1989-1995

Mark-II 24 PRL papers/500Z0 San Francisco地震

SLD Beam Polarization (σR-σL)/(σR+σL)

Page 20: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

LEP 1989-2000

渋谷

上野

池袋

東京

Page 21: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

OPAL電磁カロリメター (LEP2特定領域成果報告用)

●約一万本の鉛ガラスカウンターで構成

鉛ガラス :ドイツショット社製光電子増倍管:浜松ホトニクス製

●光子や電子のエネルギーを精密に測定

●衝突点を完全に取り囲むUniformity (一様均一な)Hermeticity (隙間のない)Granularity (単位が細かい)

●12年間に渡る実験を通して全てのカウンターが作動した

OPAL物理解析の最重要要素

Page 22: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

素粒子の世代構造素粒子の世代構造

素粒子の世代数は3で打ち止め素粒子の世代数は3で打ち止め

N=2.9841 +N=2.9841 +-- 0.00830.0083 (LEP)(LEP)

Zボゾンの生成断面積

Page 23: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

LEPII1995-2000

Page 24: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

相互作用(力)は相互作用(力)はゲージ原理ゲージ原理

が支配が支配LEPLEP実験で高い精度実験で高い精度

で証明で証明

一方、ヒッグス粒子はゲージ一方、ヒッグス粒子はゲージ

対称性を破り素粒子に質量を対称性を破り素粒子に質量を

与える与える

LEPLEP実験ではヒッグス粒子を実験ではヒッグス粒子を

114114~~260 260 GeVGeVの狭いの狭い

質量範囲に絞り込んだ。質量範囲に絞り込んだ。

ヒッグス粒子(質量の起源)ヒッグス粒子(質量の起源)

LHCで粒子発見

⇒ILCで原理発見

Page 25: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

当該学問分野への貢献度(LEP2特定領域成果報告用)

○相互作用におけるゲージ原理の確立Wボソンの対生成の精密測定

⇒ 電弱相互作用でのゲージ原理を検証

⇒ Veltman、‘t Hooft の2000年ノーベル物理学賞

量子色力学に関しても、Running Coupling(Asymptotic Freedom) を

τレプトンの質量から、LEP-IIの最高エネルギー迄測定

⇒ 強い相互作用でのゲージ原理を検証

⇒ Gross, Politzer, Wilczekの2004年ノーベル物理学賞

○ヒッグス粒子の質量を狭い範囲に絞り込む

mH = 114GeV~260GeV (信頼度95%、標準理論の場合)

⇒ 素粒子物理の進むべき方向を決定

⇒LHC・ILCでのヒッグス粒子と超対称性の発見・詳細研究に期待

本領域研究の当該分野に対する貢献度は並外れて高い。

Page 26: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

円形電子・陽電子コライダーの限界円形電子・陽電子コライダーの限界

電子陽電子反応は単純、実験は容易 しかし…

電子は磁場で曲げられると放射光を出してエネルギーを失う。

一周に失うエネルギーΔE は

ΔE ∝ (E/m)4/R

E:粒子のエネルギー

m:粒子の質量 R:半径

E, m

莫大な電力を消費しないためには

(1) 重い粒子を回す(陽子質量/電子質量=1800) ⇒ LHC

(2) Rを大きくする LEP(周囲27km)が限界 ⇒R=∞にしてしまえ

2R

Page 27: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

文部科学省向けLHCプロパガンダ

Page 28: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

ヒッグスボゾン

恐らく実際は

Page 29: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

孫子曰く…..

彼を知りて己を知れば、百戦して殆うからず。

彼を知らずして己を知らば、一勝一敗す。

彼を知らず己を知らざれば、戦うごとに必ず殆うし。

己=e+e- 彼=hadron colliders

LHC/LC Physics Working GroupLHC⇔ILC 同時期に走ることによって競争

原理、相乗効果を生み宇宙の理解を深める

Page 30: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

次世代の電子・陽電子コライダー• 高エネルギー物理学将来検討小委員会

第一次 1986 長島順清第二次 1996 駒宮幸男

「LCは我が国の高エネルギー物理学の

次期基幹計画」

LCに関する答申ACFA答申 1997 2001ECFA 2001HEPAP 2001

ICFA答申 2004

Linear Collider は世界的な次期基幹計画

Page 31: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

ヒッグス粒子ヒッグス粒子IILCLC はは ヒッグス・ファクトリーヒッグス・ファクトリー

O(10 ) O(10 ) 個の事象を生成して徹底的に研究個の事象を生成して徹底的に研究

質量の起源質量の起源 「「真空」の構造真空」の構造 ..

初めてのスピンゼロのスカラー素粒子

-

5

M(素粒子) = g(結合定数) v(真空期待値)

Page 32: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

超対称性粒子超対称性粒子(SUSY)(SUSY)・超対称性=フェルミ粒子とボーズ粒子を入れ換える対称性・超対称性=フェルミ粒子とボーズ粒子を入れ換える対称性

重力を含む力の統一で決定的な役割重力を含む力の統一で決定的な役割

・全ての素粒子に超対称性パートナーが存在し、その・全ての素粒子に超対称性パートナーが存在し、その質量は質量はTeVTeV以下以下

⇒⇒反粒子の発見に匹敵する成果反粒子の発見に匹敵する成果

・最も軽い超対称性粒子は、宇宙の「・最も軽い超対称性粒子は、宇宙の「暗黒物質暗黒物質」の最有力候補」の最有力候補⇒⇒宇宙構造の理解宇宙構造の理解

Page 33: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

超対称性は、力の大統一を予言超対称性は、力の大統一を予言

超対称性の間接的な証拠

(1)力の統一 (2)暗黒物質 (3)ヒッグスは軽い

Page 34: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

超対称性粒子の探索超対称性粒子の探索生成 崩壊

e

e

W

W+ +

- -

γ, Z

~ W -~

χ 0~

W -

χ 0~

χ 0~

W qq

e+ e-

W μν

χ 0~

χ 0~

は最も軽い超対称性粒子

ニュートラリーノ

ニュートリノのように測定器に見えない

がエネルギーと運動量を持ち去る

-

⇒ 非常にバランスの悪い事象となる

Page 35: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

リニアコライダーでの物理の概略リニアコライダーでの物理の概略

ゲージ原理(力の統一)

物質の究極構造の研究(クォーク・レプトン)

時空構造の解明(超対称性、隠れた次元)

超弦理論?

LCでの発見⇒素粒子物理のパラダイムの転換

宇宙論 壮大な時空素粒子 極微の世界初期宇宙は高エネルギーの世界LCは宇宙創生(ビッグバン)

から10-12秒後を実現 宇宙のエネルギー組成の観測結果

Dark Energy (暗黒エネルギー) 73% Dark Matter (暗黒物質) 23% 通常の物質(陽子、中性子等) 4%

真空の構造(ヒッグス粒子)時空の新たな構造(超対称性)粒子数・反粒子数の非対称

ヒッグス粒子質量の起源・真空の構造

Page 36: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

ILCe+e- collider の

実験では事象頻度が少なく、放射線も弱いので、物理の要請にあった最新鋭の測定器をデザイン・製作できる。

測定器 ( e+e- ZH μ+μ- b b)-

Page 37: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

2004年8月20日北京、2004年8月20日北京、

ITRPITRP(国際(国際LCLC技術推薦パネル)技術推薦パネル)

ILCSCILCSC(国際リニアコライダー(国際リニアコライダー

操舵委員会)に対して操舵委員会)に対して

超伝導技術超伝導技術を推薦を推薦

Page 38: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

Site power: 140 MW

Sub-systems: 43MWLinac: 97MW

Cryogenics:

21MW

RF: 76MW

65%

78%

60%

Beam: 22.6MW

Injectors

Damping rings

Water, ventilation, …

信頼性、省エネルギー

⇒ 超伝導主加速器

Page 39: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

超伝導加速空洞の製作研究 ドイツ電子シンクロトロン研究所(DESY)

Page 40: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

超伝導加速空洞技術はわが国がパイオニア(TRISTAN加速器)

高加速勾配には超伝導物質ニオブの表面処理が本質的に重要

高エネルギー加速器研究機構の斉藤健治氏

化学研磨法 電解研磨法

• 多くの加速管の加速勾配> 40 MV/m

• 4 個の9セルのモジュール ~35 MV/m,

うち、1モジュール 40 MV/m

Page 41: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

Electro-Polishing の成果9 cell module

1,00E+09

1,00E+10

1,00E+11

0 10 20 30 40

Eacc [MV/m]

Q0

2 K

1,8 K

1,6 K

1011

109

1010

加速勾配

Page 42: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

Damping ring

e+ source

Beam delivery

The sub-systems…• Considerable complexity

• technical and beam dynamics challenges

e- sources

Damping ring

Positron Production

Final Focus

Challenging

Page 43: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

Final FocusFinal Focus

FFTB at SLAC (Shintake monitor)

Page 44: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

Accelerator Test Facility at KEK

E=1.28GeVNe=1x1010 e-/bunch

1 ~ 20 bunchesRep rate = 1.5Hzγεy=10-8 rad m

QD31T

ML5TBPM.2

BH1R

BH1R.36BH1R.19

BH1R.18

BPM.1

ZV51RZH48RBPM.48

BPM.49

QF1R.14 ZV24R ZH23R

QF2R.14 QF2R

QF1R.28

QF31T ZH30T

ZV30T

Beam Dump

MW1XMW1XMW2X

MW3XMW4X

ATF Damping Ring

Electoron Linac

BT( Beam Transport Line )

Extraction Line

SR Monitor

RF Cavity

Wiggler

Injection Kicker

Seputum Magnets

Extraction KickerWiggler

East Arc

North Straight

South Straight

West Arc

Wire scanner

Page 45: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

規格エミッタンス

世界記録

ILC

Page 46: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

ILCILC建設候補地建設候補地

地質的な考察から選定 (地盤振動が低いことが期待される安定な花崗岩などの岩盤地帯) .

Page 47: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

大臣級会合での大臣級会合での公式声明文公式声明文

High Energy Physics21. Ministers acknowledged the importance of ensuring access to large-scale research infrastructure and the importance of the long-term vitality of high-energy physics. They noted the worldwide consensus of the scientific community, which has chosen an electron-positron linearcollider as the next accelerator-based facility to complement and expand on the discoveries that are likely to emerge from the Large HadronCollider currently being built at CERN. They agreed that the planning and implementation of such a large, multi-year project should be carried out on a global basis, and should involve consultations among not just scientists, but also representatives of science funding agencies from interested countries. Accordingly, Ministers endorsed the statementprepared by the OECD Global Science Forum Consultative Groupon High-Energy Physics (Annex 3).

Page 48: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

波及効果(我が国の国益に合致)波及効果(我が国の国益に合致)(1)社会的・教育的な利益(1)社会的・教育的な利益 ⇒⇒第3次科学技術基本計画第3次科学技術基本計画

●●若い世代に夢と誇りを与える若い世代に夢と誇りを与える⇒⇒次世代の科学者、技術者を育てる次世代の科学者、技術者を育てる●●新粒子や新現象の発見は国民の知的好奇心を喚起する新粒子や新現象の発見は国民の知的好奇心を喚起する⇒⇒科学振興科学振興●●ILCは真の国際的な計画ILCは真の国際的な計画 ⇒⇒科学における重要な国際貢献科学における重要な国際貢献

「真のグローバリゼーション」「真のグローバリゼーション」 は文化の相違性や類似性の相互理解を基本とするは文化の相違性や類似性の相互理解を基本とする

(2) 即効的な経済効果 (経済効果波及係数=2~3)●産業界への経済還元 :総合建設、重工業、 電機、 材料、 計算機、 情報産業

など 全ての産業・技術に繋がる ⇒科学技術立国●リニアコライダーは世界的な基準を決める総合的なシステム

(3)Spin-off (派生技術)

リニアコライダーの技術は様々な産業に役立つWWW (CERNでの発明), GRID ⇒ IT (Internet、情報化社会)XFEL ⇒バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、物質科学, 化学反応, 構造生物医療、環境 ⇒ 滅菌用小型電子加速器 など

(4) 長期的な効果 人類共通の知的財産の創造 ⇒文化創造立国百年の計: 電子、原子核は100年前に発見された⇒現在の産業基盤

Page 49: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」

孫子曰く、兵とは孫子曰く、兵とは 言危言危道なり。故に能なるもの道なり。故に能なるもの

これに不能を示し、用なるものこれに不用をしこれに不能を示し、用なるものこれに不用をし

めし、近くともこれに遠きめし、近くともこれに遠きををしめし、利にしてこれしめし、利にしてこれ

を誘い、乱にしてこれをとり、を誘い、乱にしてこれをとり、……これ兵家の勢、先には伝うこれ兵家の勢、先には伝うべべからざるなり。からざるなり。

孫子を鵜呑みにするとやばい孫子を鵜呑みにするとやばい

国際協同では騙し撃ちは局地戦に勝っても国際協同では騙し撃ちは局地戦に勝っても

隔意が生じて破綻を導く隔意が生じて破綻を導く

能力、意志力、誠実さをもって戦うべき能力、意志力、誠実さをもって戦うべき

Page 50: 電子陽電子衝突の 歴史と展望 - KEK...電子陽電子衝突の 歴史と展望 (エネルギーフロンティア) 2004年11月4日 シンポジウム「物質の創成と展望」