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行動宣言実践事例集<総括版> (平成30年度実施分)

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行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

1.岩田会長挨拶

(一社)札幌建設業協会は、平成28年5月に創立百周年を迎

え、次の100年に向けて、「3つの心」を持って「5つの行動」を実践していくことを決意し、地域を支え、真に地域から頼りにされる建設業を目指していくこととしています。

この宣言に基づき、平成30年度に取り組んだ具体的な事例をとりまとめ、会員企業が情報共有し相互の事例を学び合うことで、行動の質や量を高めていくとともに、本総括版により広く発信することにより、建設業の様々な取組を多くの皆様に理解していただけるものと期待しています。

令和元年12月一般社団法人札幌建設業協会会長 岩田 圭剛

2.行動宣言「2016」

○地域を支える建設業として心に留める3つの心

<ものづくりの心> <人を守る心> <地域づくりの心>を持って、○次の5つの行動を実践していきます。

①環境問題に対応し、優れた技術により高い品質を確保します

②労働環境の整備に努め、担い手の確保育成を推進します③コンプライアンスと安全管理の徹底に努めます④災害への迅速な対応に努め、地域強靭化を支援します⑤建設業の魅力を発信し、地域の振興と発展に貢献します

3.平成30年度の取組実績の概要

各会員企業から寄せられた平成30年度の取組事例は426事例であり、その内訳は次のとおりで、部門ごとの代表的事例をそれぞれ4つ取上げ次ページ以降で紹介します。

1.行動区分部門(5つの行動ごとの実践事例)①環境・品質確保(78事例:24社、協会事務局)②労働環境・担い手対策(87事例:28社、協会事務局)③コンプライアンス・安全管理(60事例:26社、協会事務局)④災害対応・地域強靭化対策(68事例:27社、協会事務局)⑤魅力発信・地域振興(104事例:28社、協会事務局)

2.普及定着部門(行動宣言を社内等で普及拡大していくための施策事例)①社内における取組(18事例)②社外における取組(11事例)

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

4.代表的な実践例の紹介

Ⅰ.環境保全・品質確保

当社では、2018年5月にSDGs推進委員会を設置しました。同委員会ではSDGsに対する取り組みについて検討を重ね、当社が取り組むべき目標と活動内容を設定し、成果としてサスティナビリティレポートを発刊および当社HP上で公表しています。社内説明会の実施やロゴ入り名刺の作成、国連本部のSDGsバッジの配布で当社社員へ意識付けしているほか、工事作業所でのポスター掲示などにより外部へのPRも行っています。

■岩田地崎建設株式会社 「SDGs推進委員会の発足」

社員が飲んだ飲料のエコキャップ収集状況

平成23年から実施し平成30年度までに124,000個あまりが集まりました。キャップは日本資源技術㈱において加工・売却され売却益がNPO法人「世界の子供にワクチンを」日本委員会に寄付され医療支援、障害者支援、環境教育等に貢献しています。

■株式会社田中組 「エコキャップリサイクルの実施」

「岩田地崎サスティナビリティレポート2019」冊子

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

4.代表的な実践例の紹介

Ⅰ.環境保全・品質確保

3D-MC搭載のブルドーザーとコントロール状況

3次元マシンコントロールシステム:3D-MCを搭載したブルドーザーを使用し、GNSS(衛星測

位システム)により取得した情報から排土板の高さを自動で制御、運転席モニターで確認しながらの作業で整地工の均平精度・作業効率が向上しました。測量作業時にはGPSを活用し、現場

事務所に基地局を設置することで時間の短縮と、測量データの自動記録・出力が可能になることにより、作業効率の向上と人為的ミスの低減を図りました。

■株式会社中山組 「ICTの活用による作業効率・品質の向上」

■丸彦渡辺建設株式会社 「ICT技術の活用」

弊社は札幌市北区篠路町上篠路の社有地を、冬期間は札幌市の雪堆積場として利用しており、雪山ステージの造成や、雪解け後の地盤整地などにICT建機を導入しています。

ICT技術に関してはドローンによる3次元測量や3Dデータの作成も行っていることから、これら技術の発展や、若者が建設業への興味を持ってもらうことを目的に、札幌市の担当部署や専門学校生を対象にICT施工を体験する見学会を行いました。

専門学校生による運転席体験の様子

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

4.代表的な実践例の紹介

Ⅱ.労働環境改善・担い手確保

安全掲示板でのWBGT値表示と現場常備の熱中症対策グッズ

夏期作業中の熱中症対策として、現場内に簡易休憩スペースを設け、塩飴、冷却スプレー、熱中症対策キット等を現場作業員に自由に使用できるよう提供しました。作業中は熱中症対策指数のWBGT値をリアルタイムに測定したものを現場の安全掲示板に表示し、休憩指示や注意喚起に役立てたほか、夏期作業中に現場に従事した作業員全員に冷感タオルを配布し熱中症予防に努めました。

■株式会社中山組 「熱中症対策の取組」

健康保険組合と連携して、ヘルスアップチャレンジを宣言し、4月に健康診断とストレ

スチェックを実施、その保険組合の保健師・栄養士による健診結果に基づく保健指導を25名の従業員に対して行いました。

また特定保健指導、再検査、精密検査及び治療対象者への受診勧奨を個別に行うとともにコミュニケーション促進のためのレクリエーションを会社行事として実施するなどの取組みを行いました。

■宮永建設株式会社 「ヘルスアップチャレンジ宣言」

札幌ビール園での花のない花見

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

4.代表的な実践例の紹介

Ⅱ.労働環境改善・担い手確保

学校での職業講話の様子

キャリア教育の一環として、協力依頼を受けた各学校における在校生を対象に、建設業の仕事や役割、建設業で働くことをテーマに職業講話を実施しています。講話では、建設業界へ興味をもってもらうきっかけになればと、当社社員が自ら経験した現場での苦労や面白さ、これからの目標などとあわせて建設業の魅力を伝えています。

■岩田地崎建設株式会社 「各学校における職業講話の実施」

工業高校土木2年80名を招待し現場見学会

札幌工業高校の土木科2年生2クラス80名を招待し、札幌市内の高架橋下部工事で現場見学会を行ないました。杭が出来上がるまでの工程等を図や写真で紹介し、普段は見ることのできない橋台の杭基礎工事の施工過程を見学してもらいました。札幌工科専門学校、札幌工業高校、苫小牧工業高校の学生生徒をインターンシップで現場に受け入れました。測量実習など現場管理体験を通じ建設業の魅力ややりがい等を伝えました。

■北土建設株式会社 「現場見学会の開催とインターンシップの受入れ」

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

4.代表的な実践例の紹介

Ⅲ.コンプライアンス・安全管理

水防訓練(積み土のう工法)

社会問題化しているパワハラをメインにハラスメントを会社とて根絶するため、今年の仕事始めで社長が全役職員に宣言し、あわせて相談窓口を設置しました。活動の中で、協力会社からパワハラを意識すると担い手に対する指導が疎かになる場合が懸念されるという相談が相次ぎ、安全衛生協力会の総会で会員100名と社員を対象に勉強会を実施し理解を深められたと思います。

今後継続的に安全衛生活動の重要な項目として位置付けています。

■板谷土建株式会社 「ハラスメント対策の本格的な実施」

コンプライアンス規程及び基本方針の周知状況

コンプライアンス規程を策定するとともに、環境法令集の定期的な追録管理と改訂毎の外部機関の情報誌の閲覧によって、主要事項の社内伝達を行っています。

■株式会社中井聖建設 「コンプライアンス規程の策定と社内伝達の推進」

安全衛生協力会総会

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

4.代表的な実践例の紹介

土木部及び建築部で毎月安全パトロールを実施しているほかに、安全管理室でも月1~2回程度、パトロールを実施しています。その際、安全管理室に所属している女性職員も同行し、安全面のみならず、衛生面(トイレ・更衣室・休憩所等の環境整備)や、5S運動(整理整頓等)、公衆災害防止、現場近隣とのコミュニケーションなどの指導を、女性からのきめ細かい視点で行っています。

■岩倉建設株式会社 「女性職員による安全パトロールの実施」

札幌建設業協会協賛時におけるICTの体感

VRやARを活用し、実施工前に仮想現実を

使用し現場にて事前打合せを実施する事で、フロントローチディングが可能となりコミュニケーションが活性化されました。また、現場見学会や各協会への協賛時にICTデータ活用を行い、建設業の魅力発信を実施しています。

■一二三北路株式会社 「ICTを活用した安全教育と魅力発信」

Ⅲ.コンプライアンス・安全管理

安全(幹部)パトロール実施状況

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

4.代表的な実践例の紹介

Ⅳ.災害対応・地域強靭化

多目的支援車(人員機材を河道閉塞箇所に輸送)

2018年9月6日に震度7の地震が発生した、北海道胆振東部地震災害支援。・厚真町への遠隔操作機械(北海道開発局所

有)支援。9月11日に厚真川の流入土砂の撤去作業に遠隔操作バックホウを使って参加しました撤去作業は北海道との共同作業でした。

・多目的支援車(北海道開発局所有)の派遣。9月11日から20日にかけ厚真川支流の土砂崩落によりできた、崩壊の危険がある河道閉塞箇所の監視・観測施設設置のため、多目的支援車により人員機材の輸送を行いました。

■株式会社玉川組 「北海道胆振東部地震への災害復旧支援」

炊き出し支援活動

「平成30年北海道胆振東部地震」により、

甚大な被害を受け、その後も避難所生活が長引いている被災者の方々に、少しでも元気になっていただこうと、炊き出しなどの支援活動を行いました。本社、札幌支社から22名の社員を派遣し、厚真町の「総合ケアセンターゆくり」にて9月14日~17日の4日間で豚丼やカレー、うどんなど全3,000食を提供、併せて義援金を贈呈、段ボールベット15セットを寄付しました。

■宮坂建設工業株式会社 「北海道胆振東部地震の被災者支援活動」

4.代表的な実践例の紹介

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

■荒井建設株式会社 「災害の備えに安心・安全な防災用小型ライトを寄贈」

北海道胆振東部地震でのブラックアウトを受け、災害の備えに役立つ防災用小型ライト200個を札幌市豊平区に寄贈しました。水に浸けるだけでLEDライトが灯る小型軽量ライトで火

気の心配もなく、子供から高齢者まで安心・安全に使用できます。豊平区内にある32ヵ所の指定緊急避難所に配備されました。

また、災害発生時の緊急対応として、周辺住民への配布用100個を支店内に備蓄保管してい

ます。今後も地域のために防災活動を続けます。

■機械開発北旺株式会社 「備蓄食料等の拡充」

非常時の備蓄食料等について、ご飯物は水、お湯に関係なく調理ができるものから発熱剤を利用する物やパンや麺類、ビスケットなど手軽で簡単な物までをバランスよく取り揃え直すとともに、装備品においても従来のラジオや懐中電灯を携帯電話充電可能で懐中電灯としても使える多機能ラジオライトへの買い替え、新たに折りたたみヘルメット、災害用救急セット等を購入し拡充を図りました。

Ⅳ.災害対応・地域強靭化

災害備蓄用の防災ライトを豊平区へ寄付

現在の備蓄食料、装備品の一部

4.代表的な実践例の紹介

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

Ⅴ.魅力発信・地域振興

■道路工業株式会社 「未来ある子供たちへ~絵本の寄贈と作成」

2015年より毎年札幌市内の児童会館へ絵本の寄贈を始め、2018年には札幌市内各区の全児童会館への寄贈をしました。2019年には創立70周年・創業90周年を迎え、子供たちに「道路の大切さ」を伝えるオリジナル絵本を作成し、北海道へ150冊、札幌市へ300冊寄贈しております。2019年2月さっぽろ青少年女性活動協会主催の『げんキッズフェス』にて絵本の贈呈式が行われ、児童会館の子供たちから感謝状をいただきました。

■(一社)札幌建設業協会事務局 「PR動画 ただ今工事中(建築工事編)の制作・発信」

5年前に制作した建設業のPRまんが「ただ今工事中(建築工事編)」を実写と漫画を組み合わせ、2.5次元アニメ化でリメイクしました。北海道商工会議所連合会、札幌商工会議所と当協会の3団体が中心となって、北海道建設業協会や専門工事業団体からの助言などを受け、エアーダイブ社に委託して7分間と3分間の2バージョンを制作しました。YouTubeによりインターネットで世界に向け公開・発信しているとともに、DVD版も作成し、道内の全ての高校や官公署などにも配付しています。

「建設産業ふれあい展」でのPR

「げんキッズフェス」での絵本の贈呈式

4.代表的な実践例の紹介

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

Ⅴ.魅力発信・地域振興

■勇建設株式会社 「冬季歩行者転倒防止対策」

当社の所在する桑園地域は近年人口増加が著しいエリアとなっています。JR桑園駅の利用者及び駅周辺の交通量も年々増加傾向にあり冬季における朝夕の通勤時間帯の交差点は大変滑りやすい状況にあります。冬季間JR桑園駅前の交差点に砂箱を2か所設置し、安全に歩行者が横断できるように転倒防止対策を図りました。また、本社社屋前の交差点においても朝夕の滑りやすい時間帯には、当社の役職員にて砂まきを実施しています。

■株式会社丸竹竹田組 「郷土記念館の修繕」

『地域の歴史を後世に継承していく施設の存続』を目的に、長期にわたる建物の破損劣化部分をリニューアルすることで、展示室を明るく観覧しやすい環境にしました。また、メンテナンスのしやすい材料を使用して施設管理の軽減化を図りました。来館する誰もが快適に利用できる施設つくりに協力していきます。

本社社屋周辺における砂まき作業の実施状況

郷土記念館 館内のクロス貼替の様子

4.代表的な実践例の紹介

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

Ⅵ.宣言の普及定着

■杉原建設株式会社 「行動宣言2016カードの役職員への配布」

(一社)札幌建設業協会より配付された行動宣言2016の携帯カードを役職員へ配付し、役職員それぞれが日頃から行動宣言を意識できるよう、各自の名刺入れや野帳などに入れて常時携帯しています。配付する際には、パンフレットを用いて宣言の内容を説明し、札幌建設業協会の会員企業としてこの宣言を理解し業務に取り組む際に意識できるよう促しています。

■(一社)札幌建設業協会事務局 「名刺用テンプレート、クリアファイル等の作成」

協会役員及び事務局職員の名刺の裏面に「3つの心と5つの行動」を記載し、協会活動を広く発信、伝えることを積極的に行っています。また、行動宣言の普及啓発資材として、財布や定期券入れ用の携帯カード、行動宣言クリアファイル、名刺用テンプレートを製作し、会員企業に配布するなどして、協会会員の一人ひとりが宣言の内容を理解し、意識をもって行動を実践していただく一助として活用してもらっています。

行動宣言2016カードを野帳に入れて携帯

4.代表的な実践例の紹介

行動宣言実践事例集<総括版>(平成30年度実施分)

Ⅵ.宣言の普及定着

■伊藤組土建株式会社 「行動宣言の5つの取組事例をHPで発信」

行動宣言5つの行動に当てはまる活動に取り組んだ際は、随時HPに掲載しています。各地域で実施した除雪や草刈り等のボランティア活動、地域の子供たちを招いた現場見学会、環境保全の活動として行っている植樹会や河川美化活動等を紹介しています。

また、奨学金返済助成制度等の新制度や女性職員の活躍、技術発表会等に講師として職員が参加したことなどを概要と写真を添えて紹介しています。

■(一社)札幌建設業協会事務局 「行動宣言パンフの配付、協会HPによる積極発信」

行動宣言の趣旨や内容を広く内外に知っていただくために、行動宣言パンフレットを製作し、平成28年5月30日に開催された「創立百周年記念式典」の参加者(来賓も含む)全員に配布したとともに、以降、様々な協会活動のPR資材として活用しています。また、協会ホームページの行動宣言コーナーにおいて、わかりやすく発信しています。

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行動宣言の普及ツール一式(その2)