コロナ禍における 消費行動に関するマーケティングデータ...

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コロナ禍における 消費行動に関するマーケティングデータ ~飲食店に対する意識変化編~ 2020年6月 朝日大学マーケティング研究所

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  • コロナ禍における消費行動に関するマーケティングデータ

    ~飲食店に対する意識変化編~

    2020年6月

    朝日大学マーケティング研究所

  • 1

    調査概要

    ■ 調査方法 Webアンケート

    ■ 調査期間 2020年5月21日(木)~5月23日(土)

    ■ 調査対象 首都圏在住の20歳~69歳男女

    ■ 有効回答 合計500名(均等割付)

    年代 男性 女性

    20~29歳 50名 50名

    30~39歳 50名 50名

    40~49歳 50名 50名

    50~59歳 50名 50名

    60~69歳 50名 50名

    合計 250名 250名

  • 2

    1. 新型コロナウイルスによる食料品店・飲食店の利用変化

    飲食店の利用は軒並み下がった。「とても減った」に注目すると「居酒屋・飲み屋」が 57.2% でトップ。

    ◼ 「とても減った」「やや減った」の合計(TOP2)は多い順に「喫茶店・カフェ」「ファミリーレストラン」「寿司屋」。

    ◼ 「とても減った」に注目すると「居酒屋・飲み屋」が 57.2% で最も多い。◼ 「元々利用していない」を除いた場合、TOP2は「居酒屋・飲み屋」「焼き肉・すき焼き・鍋店」「寿司屋」の順。◼ 飲食店の利用が軒並み減少する一方、「スーパー」「ドラッグストア」「コンビニエンスストア」「弁当屋・惣菜屋」は

    「増えた」とする回答も一定割合ある。◼ 「食材の通販」は「とても減った」「やや減った」の合計よりも「とても増えた」「やや増えた」の合計が上回っている。

    新型コロナウイルスに関連した自粛要請や緊急事態宣言を受け、下記の店舗・サービスの利用頻度は、それ以前と比べて、どのように変わったか。

    喫茶店・カフェ 72.8% 84.8%

    ファミリーレストラン 71.8% 81.4%

    寿司屋 69.4% 85.9%

    ラーメン店 67.8% 82.7%

    ファストフード店 67.4% 74.9%

    居酒屋・飲み屋 65.8% 88.2%

    焼き肉・すき焼き・鍋店 65.6% 87.9%

    そば・うどん屋 65.0% 80.4%

    定食屋・どんぶり屋 63.2% 81.2%

    デパ地下

    (デパートの食品売場)51.2% 76.4%

    パン屋 47.6% 59.2%

    スーパー 39.6% 39.8%

    ドラッグストア 37.4% 38.1%

    コンビニエンスストア 34.6% 35.3%

    弁当屋・惣菜屋 33.0% 45.7%

    食材の通販 4.6% 15.2%

    「元々利用して

    いない」を除い

    た「減った計」

    TOP2

    減った計

    元々利用

    していないとても増えたやや増えたとても減った やや減った 変わらない

    53.8

    53.2

    54.6

    49.6

    42.0

    57.2

    50.8

    47.6

    45.4

    37.4

    24.8

    11.0

    11.8

    13.0

    16.6

    3.2

    19.0

    18.6

    14.8

    18.2

    25.4

    8.6

    14.8

    17.4

    17.8

    13.8

    22.8

    28.6

    25.6

    21.6

    16.4

    1.4

    12.0

    14.6

    10.4

    12.8

    19.8

    7.6

    8.4

    14.4

    12.8

    14.6

    29.2

    43.6

    48.2

    49.4

    28.8

    17.6

    0.2

    1.2

    0.4

    0.2

    2.0

    0.4

    0.0

    0.8

    0.8

    0.6

    3.2

    12.8

    10.6

    11.0

    9.4

    6.0

    0.8

    0.6

    0.6

    1.2

    0.8

    0.8

    0.6

    0.6

    1.0

    0.6

    0.4

    3.6

    2.0

    3.0

    1.0

    2.0

    14.2

    11.8

    19.2

    18.0

    10.0

    25.4

    25.4

    19.2

    22.2

    33.0

    19.6

    0.4

    1.8

    2.0

    27.8

    69.8

    ※「元々利用していない」を除いた「減った計」は85%を超えている項目を赤字表記

    N=500

  • 3

    2. 利用が減った食料品店・飲食店の自粛要請・緊急事態宣言解除後

    少しずつ利用を再開する人が大多数。「居酒屋・飲み屋」は利用に不安あり。

    ◼ 全体として「少しずつ利用し始めると思う」が最も多い。◼ 「スーパー」「ドラッグストア」「コンビニエンスストア」といった食料品店はすぐに利用が戻り、「そば・うどん屋」

    「ラーメン店」も様子見の後、利用が戻っていくことが予想される。◼ 一方、「焼き肉・すき焼き・鍋店」「居酒屋・飲み屋」は他の飲食店と比べて「しばらくは利用しないと思う」の割合が

    高く、不安が大きいことがみてとれる。繁華街での集団感染の報道や、お酒を飲みながらおしゃべりしたり、料理を共有するイメージが尾を引いていると思われる。

    利用が減った食料品店・飲食店の利用は自粛要請・緊急事態宣言解除後、どうなると思うか

    ※「とても減った」「やや減った」と回答した食料品店・飲食店についてそれぞれ質問(回答者が30サンプルを超えた項目のみ抜粋、TOP2順)

    スーパー (198) 97.0%

    ドラッグストア (187) 94.7%

    コンビニエンスストア (173) 89.6%

    パン屋 (238) 79.8%

    ファストフード店 (337) 73.3%

    デパ地下

    (デパートの食品売場)(256) 72.7%

    弁当屋・惣菜屋 (165) 71.5%

    そば・うどん屋 (325) 68.6%

    ラーメン店 (339) 67.6%

    ファミリーレストラン (359) 67.1%

    喫茶店・カフェ (364) 67.0%

    定食屋・どんぶり屋 (316) 66.8%

    寿司屋 (347) 64.3%

    焼き肉・すき焼き・鍋店 (328) 57.6%

    居酒屋・飲み屋 (329) 48.0%

    すぐに利用するようにな

    ると思う

    少しずつ利用し始めると

    思う

    しばらくは利用しないと

    思う

    このまま利用しなくなると

    思う(n=) TOP2

    27.3

    20.3

    15.6

    11.3

    9.5

    11.7

    6.7

    7.1

    8.8

    6.7

    9.1

    8.2

    6.1

    5.8

    4.6

    69.7

    74.3

    74.0

    68.5

    63.8

    60.9

    64.8

    61.5

    58.7

    60.4

    58.0

    58.5

    58.2

    51.8

    43.5

    3.0

    5.3

    10.4

    19.7

    25.2

    25.8

    27.3

    30.2

    31.3

    32.0

    31.9

    31.6

    34.3

    41.2

    48.6

    0.0

    0.0

    0.0

    0.4

    1.5

    1.6

    1.2

    1.2

    1.2

    0.8

    1.1

    1.6

    1.4

    1.2

    3.3

  • 4

    3. 利用が増えた食料品店・飲食店の自粛要請・緊急事態宣言解除後

    利用が増えた食料品店・飲食店は、このまま利用される公算が大きい。

    ◼ 新型コロナウィルス問題で利用が増えた食料品店・飲食店は、多数が「しばらくは利用すると思う」「このまま利用し続けると思う」と回答している。

    ◼ 「食材の通販」は「このまま利用し続けると思う」が62.5%と最も高い。◼ 「弁当屋・惣菜屋」は外食の代替として利用されていたためか、「利用しなくなる」割合が最も高い。

    利用が増えた食料品店・飲食店の利用は自粛要請・緊急事態宣言解除後、どうなると思うか

    ※「とても増えた」「やや増えた」と回答した食料品店・飲食店についてそれぞれ質問(回答者が30サンプルを超えた項目のみ抜粋、TOP2順)

    弁当屋・惣菜屋 (52) 30.8%

    コンビニエンスストア (70) 24.3%

    食材の通販 (40) 17.5%

    スーパー (82) 17.1%

    ドラッグストア (63) 14.3%

    利用しなく

    なる計

    TOP2

    すぐに利用しなくなると

    思う

    少しずつ利用しなくなる

    と思う

    しばらくは利用すると思

    このまま利用し続けると

    思う(n=)

    7.7

    7.1

    7.5

    4.9

    6.3

    23.1

    17.1

    10.0

    12.2

    7.9

    36.5

    20.0

    20.0

    22.0

    31.7

    32.7

    55.7

    62.5

    61.0

    54.0

  • 店内が混雑している

    店内の換気が悪い

    店員がマスクをしていない

    ビュッフェ/ バイキング形式で食品を提供する

    食品/食材がパックされずに店頭に並んでいる

    複数人で同じ鉄板や鍋を共有する

    隣と席が近い

    お箸などの食器がまとめて置かれている

    試食ができる

    歓談・おしゃべりをしている客が多い

    隣の席との間に仕切りがない

    飲酒している客が多い

    コショウ・醤油などの

    調味料の容器を他の客と共有する

    素手で調理している(寿司・刺し身など)

    靴を脱ぐ必要がある

    店員が「いらっしゃいませ!」「一丁あがり!」

    等の掛け声をする

    現金しか利用できない

    店員が注文を取りにくる

    クレジットカード・ポイントカードの操作を店員が行う

    店内のタブレット端末に自分で入力して注文する

    食券機で購入して注文する

    とても抵抗がある やや抵抗がある 気にならない

    74.2

    69.0

    59.2

    56.4

    49.0

    48.6

    45.2

    42.4

    42.2

    41.8

    36.0

    36.0

    35.4

    32.6

    23.6

    17.2

    13.0

    9.0

    8.8

    7.8

    7.0

    19.0

    24.2

    29.6

    31.6

    36.0

    36.6

    44.8

    40.0

    40.6

    41.6

    47.0

    41.0

    43.2

    39.2

    38.4

    43.8

    36.2

    42.0

    37.4

    33.6

    25.6

    6.8

    6.8

    11.2

    12.0

    15.0

    14.8

    10.0

    17.6

    17.2

    16.6

    17.0

    23.0

    21.4

    28.2

    38.0

    39.0

    50.8

    49.0

    53.8

    58.6

    67.4

    5

    4. 利用に抵抗がある食料品店・飲食店

    「混雑」「換気が悪い」「店員がマスクをしない」「ビュッフェ/バイキング形式」は半数以上が「とても抵抗がある」。

    ◼ 利用に「とても抵抗がある」とする回答割合が半数を越えているのは「店内が混雑している」「店内の換気が悪い」「店員がマスクをしていない」「ビュッフェ/バイキング形式で食品を提供する」。とくに「店内が混雑している」は74.2%と高く、「店内を確認して、混んでいるので利用をやめる」という客の姿も頻繁に見られるだろう。

    ◼ 「食券機で購入して注文する」「店内のタブレット端末に自分で入力して注文する」「店員が注文を取りにくる」といった注文に関わる部分は、他の項目に比べて意識されていない。

    ◼ 店舗でできる安全・安心への工夫という意味では、「とても抵抗がある」が30~50%程度の中位項目が他店との差をつける上で重要になるだろう。

    食料品店・飲食店の商品やサービスを利用する際について、新型コロナウイルス対策の観点から抵抗があるもの

    N=500

  • 6

    データの総括

    結果から推測される仮説

    結果①飲食店の利用は軒並み下がった。

    結果②飲食店の利用を少しずつ再開する人が大多数。「居酒屋・飲み屋」は不安が強い。

    結果③「混雑」「換気が悪い」「店員がマスクをしない」「ビュッフェ/バイキング形式」に強い抵抗

    ■前回のレポートで飲食店の人の戻りは屋内の娯楽施設に比べて早いことがわかったが、食料品店・飲食店という枠組みで細かく見た場合、「居酒屋・飲み屋」の利用は「歓談・おしゃべり」「鉄板や鍋の共有」「飲酒」が揃っていることが多く戻りは鈍いだろう。個人同士・家族での利用から戻ることが想定されるが、職場での「飲み会」は建前があるのでなかなか戻らないだろう。また「ビュッフェ/バイキング形式」への抵抗感は大きく、これを売りにしていた形態の飲食店は対策をアピールしても理解を得られない可能性がある。

    ■一方で「食材の通販」のように、全体のパイとしては大きくはないが「利用が増えた」割合が高いサービス形態もある。自粛要請・緊急事態宣言解除後も大多数が「利用を続ける」としており、新型コロナウイルスへの不安が続く間は、不安そのものが継続圧力として働くだろう。この期間に、長期の固定客になるよう「顧客の習慣を変える」視点での施策が求められる。

    新型コロナウイルス問題によって、飲食店の利用は軒並み減っている。とくに「居酒屋・飲み屋」「焼き肉・すき焼き・鍋店」「寿司屋」は利用者の9割近くが「減った」と回答した。

    一方、「ドラッグストア」「コンビニエンスストア」「食材の通販」といった食材・弁当の販売店は利用が減った割合は少なく、外食の代替として「増えた」人も一定程度いる。

    新型コロナウイルスによって食料品店・飲食店の利用が「減った」割合(抜粋)

    「店内が混雑している」「店内の換気が悪い」「店員がマスクをしていない」「ビュッフェ/バイキング形式で食品を提供する」は「とても抵抗がある」との回答が半数を超えている。

    上記の4項目は抵抗感が非常に高く、とくに混雑に関しては「店内を確認して、混んでいるので利用をやめる」という客の姿が頻繁に観察されるだろう。

    「スーパー」「ドラッグストア」「コンビニエンスストア」の食材や惣菜の販売店の利用が自粛要請・緊急事態宣言解除後に大部分戻るのに比べ、「居酒屋・飲み屋」「焼き肉・すき焼き・鍋店」「寿司屋」は戻りが鈍いことが予想される。

    しかし、利用を再開する割合は、最も低い「居酒屋・飲み屋」でも48.0%と半数近くに達し、個人同士の「飲み会」や「家族・親族での集まり」といった形から利用は徐々に戻ってくると思われる。

    食料品店・飲食店を利用する際について、新型コロナウイルス対策の観点から抵抗があるもの(抜粋)

    ※「元々利用していない」を除く「とても減った」「やや減った」の合計割合の上位3項目と下位3項目を抜粋

    店内が混雑している

    店内の換気が悪い

    店員がマスクをしていない

    ビュッフェ/バイキング形式

    で食品を提供する

    とても抵抗がある やや抵抗がある 気にならない

    74.2

    69.0

    59.2

    56.4

    19.0

    24.2

    29.6

    31.6

    6.8

    6.8

    11.2

    12.0

    スーパー (198)

    ドラッグストア (187)

    コンビニエンスストア (173)

    寿司屋 (347)

    焼き肉・すき焼き・鍋店 (328)

    居酒屋・飲み屋 (329)

    (n=)

    97.0

    94.7

    89.6

    64.3

    57.6

    48.0

    0% 50% 100%

    利用が減った食料品店・飲食店の自粛要請・緊急事態宣言解除後(抜粋)※「すぐに利用するようになると思う」「少しずつ利用し始めると思う」の合計

    N=500

    居酒屋・飲み屋 (373)

    焼き肉・すき焼き・鍋店 (373)

    寿司屋 (404)

    ドラッグストア (491)

    コンビニエンスストア (490)

    食材の通販 (151)

    (n=)

    88.2

    87.9

    85.9

    38.1

    35.3

    15.2

    0% 50% 100%

  • トピックスリサーチ

    コロナ禍における消費行動に関するマーケティングデータ

    ~飲食店に対する意識変化編 2020年6月~

    発行日 2020年 6月 30日

    発行・調査分析 朝日大学 マーケティング研究所

    〒501-0296

    岐阜県瑞穂市穂積1851

    TEL:058-326-1173

    お問い合わせ [email protected]