テキストブック - mri...
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発行:2016年6月
この資料は、製造元から提供される取扱説明書の操作方法・注意事項等を簡潔に記載したものであるため、装置の操作にあたっては、製造元から提供される取扱説明書を参照してください。
安全使用に関しての注意等は省略されている場合があります。安全使用のための注意、患者さんの安全確保のために、守っていただきたい事項などにつきましては、取扱説明書、添付文書に従ってください。
テキストブック
- MRI アーチファクト編 -
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Chapter1 画像処理によるアーチファクト
1. エリアジング (Aliasing)
2. 化学シフト (Chemical shift)
3. 打ち切り (Truncation)
1. 体動 (Motion artifact)
2. 拍動・流れ (Flow artifact)
Chapter2 患者さんによるアーチファクト
テキストブック
- MRI アーチファクト編 -
1.クロストーク (Cross talk)
2.ジッパー (Zipper artifact)
Chapter3 RFパルスによるアーチファクト
1. 静磁場の不均一 (Inhomogeneity of Static Magnetic Field)
2.磁化率アーチファクト (Susceptibility Artifact)
3.脂肪抑制 (Fat Suppression)
4. N/2アーチファクト (N/2 Artifact)
Chapter4 磁場によるアーチファクト
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被写体がFOVよりも位相方向に大きい場合、はみ出したものがFOVの中に折り返り、被写体の信号に重なってしまいます。これを折り返しアーチファクトと言います。
周波数方向
位相方向
❷ ❶❶ ❷
【位相方向のOver sampling】
256
128
128
256
Chapter1:画像処理によるアーチファクト- 1.エリアジング (Aliasing)-
位相方向に折り返しアーチファクトが発生する場合、位相方向のデータを余分に収集することで折り返しを防ぐことができます。
【Aliasing(折り返し)】
図 折り返しアーチファクトの概念図
図 Over Samplingの概念図
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【Aliasingの対処方法】
1. FOVの拡大
2. 周波数と位相方向の変更
3. 過剰サンプリング法 (Over Sampling)
・位相過剰サンプリング法 (No Phase Wrap)
・・・位相エンコード数が2倍になるので、撮影時間をかえずに加算回数を半分にします。
(ただしS/Nに変化はありません。)
4.飽和パルス(Saturation Pulse)
→ FOV外の折り返す被写体をSATパルスで抑制することで折り返しを防ぎます。
Chapter1:画像処理によるアーチファクト- 1.エリアジング (Aliasing)-
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1.位相方向のFOVを広げる
2. SMASH系(ARC*)のパラレルイメージングに変更する。
Chapter1:画像処理によるアーチファクト- 1.エリアジング (Aliasing)-
【ASSET併用時のAliasingについて】
図 ASSETの原理概念図
<ASSETの基本原理>(i) ASSETは位相エンコードステップを間引いて撮影時間を短縮します。(ii) 位相エンコードを間引いただけでは下図のように折り返しが発生します。(iii)そこで、本撮像前に行うキャリブレーションデータを元に折り返ってしまう部分を
展開しています。
Aの信号値が105だったとすると、これは元々のAの信号と、折り返ったBの信号の合計と考えられる。感度マップからAの位置の感度0.84、Bの位置の感度0.35とすると
105=0.84A+0.35B 96=0.48A+0.80B
同様にBの信号値が96だったとすると元々のBの信号と折り返ったAの信号の合計。感度マップからAの位置の感度0.48、Bの位置の感度0.80とすると
105 = 0.84A + 0.35B
96 = 0.48A + 0.80B
連立方程式↓
A=100、B=60
各ボクセル毎に計算を行い折り返し画像を元に戻す
A B
0.84 0.35コイル1
コイル1で得られるPhaseFOV画像
A B
0.40 0.84 コイル2
コイル2で得られるPhaseFOV画像
A B A B
【ASSET併用時のAliasingの対処方法】
※ マルチチャンネルコイルが故障すると展開ミスが起こる可能性があるので注意が必要です。
図 ASSETアーチファクトの例
* オプション
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周波数方向
位相方向
・ MRでは水(H2O)に共鳴周波数を合わせて撮像を行っています。1.5T ; 64MHz3.0T ; 128MHz
・ 水と脂肪のプロトン(H)は周波数差3.5ppmがあります。※ppmとは“Part Per Million”の略で、100万分の1を示します。
では、3Tでは3.5ppmとはどれくらいの周波数差でしょうか?
1.5T ; 64MHz × 3.5ppm = 224Hz3.0T ; 128MHz × 3.5ppm = 448Hz
Chapter1:画像処理によるアーチファクト- 2. 化学シフト (Chemical Shift)-
ケミカルシフトは、水と脂肪のスピンに約3.5ppm共鳴周波数差があることから水と脂肪の信号がずれた位置に表示される現象です。
【ケミカルシフトアーチファクト(Chemical Shift Artifact)とは?】
【水と脂肪の共鳴周波数の差】
水脂肪
3.0Tで約440Hz, 1.5Tで約220Hzの水/脂肪の周波数差があります。
図化学シフトアーチファクトの例
図水と脂肪のスペクトル例
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3.5ppm (約440Hz @3.0T)
水
脂肪
高周波数 低周波数
例: マトリクス 256 × 256 受信バンド幅= ±12.8kHz(= 25.6kHz)とすると
1ピクセルの周波数幅は・・・ 25.6kHz ÷ 256 = 100Hz
1.5Tの場合のピクセルずれは、
・・・ 220Hz ÷ 100Hz = 2.2 約2~3ピクセルのずれ
3.0Tの場合のピクセルずれは、
・・・ 440Hz ÷ 100Hz = 4.4 約4~5ピクセルのずれ
【磁場強度及びバンド幅による化学シフトのピクセルずれ】
Chapter1:画像処理によるアーチファクト- 2. 化学シフト (Chemical Shift)-
磁場強度が上がると化学シフトの影響が大きくなります。
図水と脂肪のスペクトル概念図
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1.バンド幅を広げる。
デメリット> ・・・ SNRの低下
2.脂肪抑制法により脂肪信号を取り除く。
・脂肪飽和パルス(Fat SAT Pulse)
・STIR法
3.FOVを変えずにマトリクスを減らし、ピクセル径を大きくする。
デメリット> ・・・空間分解能の低下
4.位相エンコード方向と周波数エンコード方向を交換する。
・化学シフトの方向を変える。
脂肪抑制併用
【Chemical Shiftの対処方法】
Chapter1:画像処理によるアーチファクト- 2. 化学シフト (Chemical Shift)-
脂肪抑制なし
脂肪抑制パルスを併用することで脂肪信号が抑制され、ピクセルずれが生じていない。
図脂肪抑制パルスの有無による化学シフトアーチファクトの違い
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・高コントラストの接触面近くに隣接する縞模様が現れます。
・フーリエ変換時のサンプリング(サンプリング不足)により生じるアーチファクトです。
・T1強調画像でもT2強調画像でも現れます。
Chapter1:画像処理によるアーチファクト- 3. 打ち切り(Truncation)-
【打ち切りアーチファクト(Truncation Artifact)とは?】
<打ち切りアーチファクト>
サンプリング時間に制限があるため、
階段状に変化した信号強度を正確に近似
出来ないことによって起きます。
サイドローブの大きさ
・・・ N(サンプリング数)が小さいとサイドロープが広くなり矩形からのズレが大きい。
【打ち切りアーチファクト(Truncation Artifact)の原因】
Echo
図 Truncation アーチファクトの例
図サンプリング数とサイドロープの大きさの概念図
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128x128 256x256 512×512
ピクセル径を小さくすると
・・・マトリクスを増やす(FOVの変更なし)
FOV24×24 FOV20×20
ピクセル径を小さくすると
・・・ FOVを小さくする(マトリクスの変更なし)
バンド幅を小さくすると
・・・
BW±100kHz BW±41.7kHz BW±10.4kHz
Chapter1:画像処理によるアーチファクト- 3. 打ち切り(Truncation)-
図各撮像パラメータの変化とTruncationアーチファクト
【Truncation Artifactと撮像パラメータ】
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1. サンプリング時間を長くする。
・ バンド幅を小さくする。
2. ピクセル径を小さくする。
・ 周波数エンコード及び位相エンコード数を増やす。
・ FOVを小さくする。
Chapter1:画像処理によるアーチファクト- 3. 打ち切り(Truncation)-
【Truncation Artifactの対処方法】
※ ただし、 Truncation Artifactが完全に消えるわけではありません。
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Motion Artifactの距離(Dp)は撮像時間を体動周期で除した式で求められます。
Dp =AT
PT=
PT
TR × Ny × NEX
AT:撮像時間
PT:体動周期
TR:繰り返し時間
Ny:フェーズエンコードステップ数
NEX:加算回数
Dp
Dp
遅い呼吸の場合
(10回/min)
周波数方向
位相方向
速い呼吸の場合
(20回/min)
Chapter2:患者さんによるアーチファクト- 1. 体動(Motion Artifact)-
【周期的な動きのアーチファクト】
図モーションアーチファクトと呼吸数の関係
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呼吸同期法なし 呼吸同期法あり
呼吸同期法(Respiratory Triggering )によりMotion Artifactを低減します。
Chapter2:患者さんによるアーチファクト- 1. 体動(Motion Artifact)-
NEX 2, scan time 2minNEX 1, scan time 1min
NEX 4, scan time 4min NEX 8, scan time 8min
【加算回数NEXと呼吸運動によるアーチファクト】
【呼吸同期法によるアーチファクトの低減】
図加算回数NEXとモーションアーチファクトの関係
図呼吸同期法の有無によるモーションアーチファクトの差
NEXを増やすとAveraging効果によりMotion Artifactが低減します。
位相方向
位相方向
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TR 400msec TR 800msec TR 1,000msec
折り返しの折り返しに注意
繰り返し時間(TR)を長くするとゴーストが発生する間隔が遠くなります。
【繰り返し時間(TR)とゴーストの位置関係】
Chapter2:患者さんによるアーチファクト- 2. 拍動/流れ(Flow Artifact)-
【拍動性のアーチファクト】
流れと垂直方向(下図の場合、S, I方向)にSaturation Pulseを付加することによりアーチファクトが低減できる場合があります。
位相方向
図 Saturation Pulseと拍動性アーチファクト
Saturation Pulseなし Saturation Pulseあり(S, I方向:St:SI)
図繰り返い時間(TR)とゴーストの位置関係
【Motion Artifactの出現方向】
周波数(位相)方向を変更することでアーチファクトが出現する向きを変えることができます。
図周波数(位相)方向とアーチファクトの出現方向
位相方向
位相方向
位相方向周波数方向
周波数方向
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• プロペラを使う
• 呼吸同期などの併用
• 心拍同期法(心電同期法・脈波同期法)の併用
• 流速補正法(Flow Compensationなど)の併用
• 飽和パルスの付加
デメリット> ・・・ 撮像時間の延長 / 撮像枚数の減少
• 位相エンコード方向と周波数エンコード方向の交換
注意:アーチファクトの出現方向が変わるにすぎない
• 患者の固定
TR・位相エンコードステップ数・加算回数を増加させてゴーストの出現間隔を長くする
(呼吸回数にも注意)。
.
Chapter2:患者さんによるアーチファクト- 1. 体動(Motion Artifact)-- 2. 拍動/流れ(Flow Artifact)-
【Motion/Flow Artifactの対処方法】
※ 患者さんの状態や抑制したいアーチファクトに合わせて上記を選択します。
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Chapter3:RFパルスによるアーチファクト- 1. クロストーク(Cross talk) -
MRI検査ではある厚みだけのデータを収集するためにその厚みだけを選択的に励起されます。この時、スライス励起の範囲(スライスプロフィール)は理想的には矩形波で励起されるはずですが実際には完全な矩形では励起されず、下記のような状態でその辺縁がひろがった状態でスライスの励起が行なわれます。
その為にスライスとスライスの間隔が狭い場合はその辺縁が重なることで干渉が起き、ノイズが増加してSNRが低下します。十分なスライス間隔を設定するとクロストークの影響を小さくすることができます。
【クロストーク(Cross talk)とは?】
実際のスライスプロファイル(スライス間隔広い)
理想的なスライスプロファイル
実際のスライスプロファイル(スライス間隔狭い)
クロストーク
図スライスプロファイルとクロストーク
スライス間のギャップがある場合
スライス間のギャップが小さい場合
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スライス厚 10mmスライス間隔 0mm
1. スライス間にギャップを置く
・スライス厚の20%程度(目安)
2. インターリーブ法によりスライス間のギャップを得る
デメリット> ・・・ 2 Acquisitionになることで撮像時間が2倍になる。
【クロストーク(Cross talk)の例】
【Cross-Talkの対処方法】
Chapter3:RFパルスによるアーチファクト- 1. クロストーク(Cross talk) -
スライス厚 10mmスライス間隔 5mm
(i) スライス間隔によるクロストーク
(ii) スライスが重なることによるクロストーク
図スライス設定とクロストーク
図スライス間隔とクロストーク
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原因としては下記の要因が主に考えられます。
【ジッパーアーチファクトの原因】
1. MR信号の混入
MR信号(FID, Stimulated echo)が部分的に180°パルスに重なるために生じます。
FID信号が無くならない内に180°パルスが印加される。
90°パルス 180°パルス
Chapter3:RFパルスによるアーチファクト- 2. ジッパーアーチファクト(Zipper Artifact) -
【ジッパーアーチファクト(Zipper Artifact)とは?】
周波数エンコード方向または位相エンコード方向に白黒の信号が交互に現れる破線状のアーチファクトです。
2. RF励起パルスの混入
RF励起パルスが完全に消えずに信号に影響を与えるために生じます。
図位相アーチファクト
周波数方向
位相方向
位相方向中心に周波数方向の線状アーチファクト
図周波数アーチファクト
周波数方向
位相方向
周波数方向中心に位相方向の線状アーチファクト
3. 外部からのRFノイズの混入
MR装置以外からのRF(電磁波)の混入により生じます。
位相方向に出る線状アーチファクトではありますが、周波数方向の中心ではなく、ある特定周波数領域に影響が出ます。
図外部からのRFノイズ混入例
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1. MR信号の混入
2. RF励起パルスの混入
3. 外部からのRFノイズの混入
・不完全なスライス選択励起、あるいは、RF送信コイルの不具合が原因の一つとして考えれます。・・・ 担当サービスマンにご連絡ください。
・ MR装置またはプロトコルの破損が原因の一つとして考えれます。・・・ 担当サービスマンにご連絡ください。
・ 扉が開いてないか確認してください
・ 検査室内でのノイズ発生源の確認をします①コイルコネクターの差し直しを行ってください。②患者様に金属が付いてないか確認します③インジェクターなどの機器の電源を落としてみてください
・検査室RFシールドチェック・・・ 担当サービスマンにご連絡ください
Chapter3:RFパルスによるアーチファクト- 2. ジッパーアーチファクト(Zipper Artifact) -
【Zipper Artifactの対処方法】
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【静磁場不均一によるアーチファクト】
・ スピンエコー/ファーストスピンエコー法系列のシーケンスでは影響は少なくなります。→理由:エコー取集のためにRefocus RFパルス(180°パルス)を使用するので、
乱れたスピンが再収束されるからです。
・グラディエントエコー法系列のシーケンスでは影響が大きくなります。→理由: エコー取集のためにグラディエントを使用するので、乱れたスピンは
再収束されないまま、データ収集されるからです。
Chapter4:磁場によるアーチファクト- 1. 静磁場の不均一(Inhomogeneity of Static Magnetic Field)-
大きさFOVで撮像すると発生しやすくなります。
図静磁場不均一によるアーチファクト例
【静磁場不均一の各シーケンスの影響】
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発行:2016年6月
SE法 GRE法
Chapter4:磁場によるアーチファクト- 2.磁化率の違いによるアーチファクト
(Susceptibility Artifact)-
【磁化率の違いによるコントラストの影響】
磁化率の違いによる影響は撮像シーケンスにより異なります。Susceptibilityの影響を極力大きく表現しようとしたものが磁化率強調画像です。
【外部的な要因による磁化率アーチファクト】
外部的な要因により磁化率アーチファクトが発生する場合があります。この場合も上記例と同様に撮像シーケンスにより異なります。
Fast SE GRE SSFP
図出血性病変のコントラスト 図磁化率強調画像の撮像例(SWAN)
図ハローベスト***装着患者さんのアーチファクト発生例
*** MR Safe, MR Conditional以外の金属インプラントのMRI撮像を容認するものではありません。
SWAN法
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発行:2016年6月
BW 62.5KHzBW 10.4KHz
TE 3.5msecTE 30msec
【受信バンド幅と磁化率の影響】
受信バンド幅を大きくすると磁化率によるアーチファクトは小さくなる傾向があります。
Chapter4:磁場によるアーチファクト- 2.磁化率の違いによるアーチファクト
(Susceptibility Artifact)-
図受信バンド幅と磁化率アーチファクト(T1強調画像 TR 600msec., TE 4.5msec.)
【エコー時間(TE)と磁化率の影響】
エコー時間(TE)を小さくすると磁化率によるアーチファクトは小さくなる傾向があります。
図エコー時間(TE)と磁化率アーチファクトGRE法: TEが短いと位相ズレの影響が少なくなります。
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発行:2016年6月
SE (FSE)< GRE < SSFP <EPI
SE法では180°パルスにより位相ズレを戻すため、磁化率アーチファクトは最小になります。
1. TEを短くする。
2. SE/高速SE法系のパルスシークエンスを使用する。
3. 受信バンド幅を大きくする。
4. 位相エンコード方向と周波数エンコード方向の交換
Chapter4:磁場によるアーチファクト- 2.磁化率の違いによるアーチファクト
(Susceptibility Artifact)-
【Susceptibility Artifactの対処方法】
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発行:2016年6月
頚部、胸部など局所的な磁場不均一の影響で脂肪抑制がかかりにくくなります。
・ SPECIAL、ASPIR
選択的脂肪抑制法
非選択的脂肪抑制法
水/脂肪信号相殺法
水選択励起法
・ ChemSAT、Fatsat
・ STIR
・ Out of phase
・ IDEAL / FLEX
・ SSRF
⇒ 水と脂肪の周波数差を利用した方法
⇒ 水と脂肪の緩和時間の差を利用した方法
⇒ 水と脂肪の位相分散の差を利用した方法
⇒ 水と脂肪の位相分散の差を利用した方法
Chapter4:磁場によるアーチファクト- 3.脂肪抑制(Fat Suppression)-
【磁場の不均一による脂肪抑制ムラ】
【脂肪抑制法の種類】
図頚部、胸部近傍の脂肪抑制画像(Chemical SAT)
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発行:2016年6月
選択的脂肪抑制法:磁場の不均一による脂肪抑制ムラを軽減するには、、、
1. 磁場の不均一の影響を無くすようなポジショニングの工夫
2. 水の中心周波数の確認
3. 検査に応じて脂肪抑制法の変更
・ 非選択的脂肪抑制法(STIR)
・ 水選択励起法(SSRF)
・ 水/脂肪信号相殺法(IDEAL、LAVA-FLEX)
Chapter4:磁場によるアーチファクト- 3.脂肪抑制(Fat Suppression)-
【Susceptibility Artifactの対処方法】
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発行:2016年6月
1. 読み出し傾斜磁場の極性を変化させ何度もk空間内の正・負領域を行き来するため位相の誤りが生じる場合があります。
Chapter4:磁場によるアーチファクト- 4.エヌハーフアーチファクト(N/2 Artifact) -
• EPI特有のアーチファクトで、位相エンコード方向にゴーストがFOVの半分だけずれて出現します
【N/2 Artifactとは?】
2. 渦電流により不完全な傾斜磁場パルス、あるいは、奇数番と偶数番のエコータイミングの不釣合いによってゴーストが位相方向に生じます。
【N/2 Artifactの原因】
渦電流なし渦電流あり
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発行:2016年6月
1. 現象が発生した場合
・一度Auto ShimをON/OFFしてみる。
・Advanced TabのIntegrated Reference ScanをON/OFFしてみる
・FOVを広げる。
・Phase FOVを「1」にする
・マトリクスを下げる(128x128程度)。
・ASSETを抜いてみる。
・Ramp SamplingがONになっていたら、OFFにしてみる。
→渦電流が発生しにくいように、傾斜磁場の傾きを緩くします。
・リファレンススキャンを何度か行なう( Integrated Reference ScanをONだ
とリファレンスキャンは使用できません)。
・TEが1番短くなるバンド幅に変更する。
・Dual Spin Echoを入れてみる
2.上記設定を試されても改善しない場合は担当サービスにご連絡ください。
【N/2 Artifactの対処方法】
Chapter4:磁場によるアーチファクト- 4.エヌハーフアーチファクト(N/2 Artifact) -
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発行:2016年6月
・第2の化学アーチファクト
・受信コイルの感度ムラ(左右差)
・磁場の不均一
おわりに
• コイルのコネクターの抜き差しをして下さい。
• 手は拳上してますか?• 患者様に金属は付いてないですか?
• TEがOut of phaseの場合は第2の化学アーチファクトが出現します。
下図の画像には複数のアーチファクトが発生しています。各々のアーチファクトの詳細は各項目をご確認ください。
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発行:2016年6月
【製造販売業者の名称と連絡先、発行部署】
製造販売業者 : GEヘルスケア・ジャパン株式会社
住所 : 東京都日野市旭が丘4-7-127
保守サービス連絡先 : GEヘルスケア・ジャパン株式会社
電話 : 0120 – 055 – 919 FAX : 042 – 648 – 2927
発行部署 : ヘルスケア統括本部 Radiology推進本部