液体クロマトグラフの基礎と上手な使い方

• 液体クロマトグラフについて 知っておくべきこと

• 液体クロマトグラフィーにおける 分析条件設定の要点

• 液体クロマトグラフィーにおける 日常分析の留意点

液体クロマトグラフィーについて 知っておくべきこと

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は，汎用機器分析法として比較的簡単に使用でき，手順通り操作すれば何らかの結果を得ることができる。

しかし，最低限の基礎知識を身に付けておかないと，思わぬ落とし穴にはまり込んでしまうことがある。

本講演では，HPLC分析に携わる上で知っておくべき基礎知識について述べる。

クロマトグラフィーとHPLC

分離モードの基礎

基本パラメーターと分離の最適化

HPLC装置の基礎

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クロマトグラフィーの種類

移動相による分類

液体クロマトグラフィー (liquid chromatography，LC)

ガスクロマトグラフィー (gas chromatography，GC)

超臨界流体クロマトグラフィー (supercritical fluid chromatography，SFC)

形状による分類

カラムクロマトグラフィー (column chromatography)

平面クロマトグラフィー (planar chromatography)

薄層クロマトグラフィー (thin layer chromatography，TLC)

ペーパークロマトグラフィー (paper chromatography)

固体

気体

液体 超臨界流体

臨界温度

臨界点

臨界圧力

管状 平面状

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利点 分析対象成分の多さ(対GC)

幅広い応用性

高い分離能力と感度

優れた定量性と再現性

高い拡張性

HPLCの特徴

応用分野 生化学分野

医薬品分野

食品分野

化学分野

環境分野

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• 極性物質と非極性物質

• 水は ･･･ 極性物質

• メタンは ･･･ 非極性物質

物質の極性 極性の基本的な考え方 ･･･ 電気陰性度に基づく分子内の電荷(電子雲)の偏り(分極)

･･･ 永久双極子モーメントをもつ分子が極性物質

• 極性基と非極性基

• ヒドロキシ基は ･･･ 極性基

• メチル基は ･･･ 非極性基 CH3- メチル基

-OH ヒドロキシ基

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C

H H

H

H

メタン

O

H H

水

δ－

δ＋ δ＋

吸着クロマトグラフィー (adsorption chromatography)

分配クロマトグラフィー (partition chromatography)

順相分配 (normal phase partition)

－親水性相互作用 (hydrophilic interaction chromatography，HILIC)

逆相分配 (reversed phase partition)

イオン交換クロマトグラフィー (ion exchange chromatography)

陽イオン交換 (cation exchange)

陰イオン交換 (anion exchange)

サイズ排除クロマトグラフィー (size exclusion chromatography)

主な分離モード

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液体クロマトグラフィーにおける 分析条件設定の要点

1. 化合物の物性と分離モード

2. 逆相クロマトグラフィー

3. 順相クロマトグラフィー

4. イオン交換クロマトグラフィー

5. サイズ排除クロマトグラフィー

6. イオン排除クロマトグラフィー

7. 逆相クロマトグラフィー用シリカ充てん剤の特性

8. 逆相クロマトグラフィー用シリカカラムの特性

9. 分離条件設定の考え方

10. イオンペアクロマトグラフィー

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イオンペアクロマトグラフィー

条件設定の手順

◆ まず、有機溶媒の種類と濃度を定める。 → 共存成分（主に中性化合物）の保持を考慮する。

◆ 次に、移動相pH（緩衝液の種類）を定める。 → 目的成分（イオン性化合物）のpKaを考慮する。

◆ そのうえで、イオンペア試薬を選択する。 → 平衡化時間を考慮する（5 mmol/L ～ 20 mmol/L が適当）。

◆ 最後に、緩衝液の濃度を定める。

◆ グラジエント溶出法の場合の判断 → 通常のイオンペア試薬（界面活性剤）は好ましくない。

例） アルキルスルホン酸の代わりに過塩素酸を用いる。

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分析の目的，分析対象化合物および共存成分の物性を考慮して分析条件を設定する。

◆ 分離モードの選択

– 目的成分の構造式および溶解度・pKa等を調べる。

◆ カラムの選択

– 同じ分離モードのカラムでも粒子径，金属含有量，表面修飾率などで異なる。

◆ 分析条件の選択

– 移動相組成，流量 ，カラム温度，試料注入量を考える。

◆ 検出の選択

– 溶出条件や必要な感度等から検出方法を決定する。

液体クロマトグラフィーにおける 日常分析の留意点 HPLC分析を行う場合，手順書や試験法などに書かれて

いる通りに作業を行っても思うようにデータが得られないことがある

本講演では，日常分析において知っておくべき留意点から，いざという時に慌てないトラブル対応法について解説する

HPLC分析を成功させるには，移動相，カラム，検出器 などに関する基本ノウハウやコツをしっかり身に付けて おくことが不可欠である

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１．移動相に関する留意点

1-1 水・試薬の選び方 1-2 有機溶媒の選び方 1-3 移動相の調製方法 1-4 移動相の使用準備（脱気・ろ過・置換）

２．よくあるトラブル事例と対処法

2-1. ベースラインの変動 2-2. 保持時間の変動 2-3. ピーク面積の変動 2-4. 不明ピークの出現 2-5. ピーク形状の劣化

内容

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