ミャンマーの投資環境と投資関係制度 ·...
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ミャンマーの投資環境と投資関係制度
2018年8月23日
上田隆文（Takafumi Ueda）
JICA投資促進アドバイザー
計画財務省投資企業管理局（DICA）
1
内容
1. 自己紹介2. ミャンマー概要3. 外国投資の動向4. 進出時の窓口情報5. 投資関連制度6. ミャンマーの魅力7. ティラワ経済特別区と工業団地8. ミャンマーの課題9. 進む改革10. 中国との関係
附則：参考資料
2
自己紹介
• 1982年富士銀行
• 1988年海外コンサルティング企業協会（ECFA）
– スタンフォード大学経営大学院・食糧問題研究所修士
• 1993年ILO@バンコク （約5年間）
• 1998年ILO@ジュネーブ（約7年間）
• 2005年JICA@ダッカ（2年間）
• 2007年JICA本部で国際協力専門員– 主にアフリカ、中央アジア、中南米へ出張
• 2017年3月よりヤンゴン
3
預金、融資、外為
投資促進、中小企業振興
中小企業振興、マイクロファイナンス、生産性向上
民間セクター開発
（投資促進、中小企業振興、カイゼン、地場産業振興）
投資促進
世界73ヶ国+3地域を訪問
2．ミャンマー概要
4
アセアン諸国比較
5
フィリピン
GDP： 3,117億ドル
一人あたりGDP： 2,991ドル
人口： 1億420万人
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol64/
マレーシア
GDP： 3,027億ドル
一人あたりGDP： 9,546ドル
人口： 3,172万人
インドネシア
GDP：9,410億ドル
一人あたりGDP：3,636ドル
人口：2億5,880万人
シンガポール
GDP： 2,966億ドル
一人あたりGDP： 53,053ドル
人口： 559万人
ブルネイ
GDP： 1,046億ドル
一人あたりGDP： 24,713ドル
人口： 42万人
ミャンマー
GDP： 683億ドル
一人あたりGDP： 1,306ドル
人口： 5,225万人
タイ
GDP： 3,906億ドル
一人あたりGDP： 5,662ドル
人口： 6,898万人
ベトナム
GDP ： 2,005億ドル
一人あたりGDP： 2,164ドル
人口： 9,264万人
カンボジア
GDP： 1,937億ドル
一人あたりGDP： 1,227ドル
人口： 1,578万人
ラオス
GDP： 138億ドル
一人あたりGDP： 1,921ドル
人口： 716万人
データ出典：IMF (2016) “World Economic Outlook Database”
ミャンマー基本情報
6
出典： 外務省等 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/myanmar/data.html#section1
地図は国連 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Un-myanmar.png
DASSK: http://www.statecounsellor.gov.mm/en/latest-news
ミャンマー連邦共和国
国土面積 68万平方km日本の約1.8倍）
人口 5,392万人(2018年国連推計値)
首都主要都市
ネピドー（93万人）ヤンゴン（448万人）マンダレー（121万人）
民族 ビルマ族(約70％)、シャン族、カレン族等135民族
言語 ミャンマー語
宗教 仏教（90%）、キリスト教、イスラム教
政治体制 共和制：ウィン・ミント大統領
アウン・サン・スー・チー国家最高顧問・外相
地方行政 ・7地域：
ヤンゴン、マンダレー、バゴー、エヤワディ、ザガイン、マグウェー、タニンダリー
・7州：
カチン、チン、シャン、カヤー、カイン、モン、ラカイン
・連邦領：ネピドー
インド
中国
タイ
マンダレー
ネピドー
ヤンゴン
ベトナム
ラオス
バングラデシュ
カンボジア
経済成長率（％）
6.7
6.2
6.8 7.1
6.8 7.0 7.0 7.0 7.0 7.0
7.3 7.0
6.8
5.0
7.0 7.0
5.9
6.8 6.8
7.2
3.0 3.3
3.9 4.0 4.1
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
2015 2016 2017 2018 2019
ベトナム
カンボジア
ラオス
ミャンマー
タイ
7出典： Asian Development Bank “Asian Economic Outlook 2018”
実績値 推計値
インフレ率（％）
5.75.1
10
6.8
5.3
6.2 6
-2
0
2
4
6
8
10
12
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
ベトナム
カンボジア
ラオス
ミャンマー
タイ
8
実績値 推計値
輸出入の状況（2016年）
タイ24%
中国19%
香港19%
インド8%
日本5%
韓国3%
ドイツ3%
その他14%
輸入
タイ 中国香港 インド日本 韓国シンガポール ドイツマレーシア インドネシア
中国26%
シンガポー
ル21%日本
8%
タイ9%
インド7%
韓国4%
その他15%
輸出
中国 シンガポール日本 タイインド 韓国インドネシア マレーシア台湾 米国
韓国
9
中国
中国
タイ
タイ
シンガポール
日本
日本
インドインド
香港
韓国
出典： Asian Development Bank “Key Indicators for Asia and the Pacific 2017”
輸出入品目（2016年）
10
輸出
出典： https://atlas.media.mit.edu/en/profile/country/mmr/
天然ガス等 縫製品等
乾燥野菜等
砂糖等
木材品
機械類
食料品 化学製品石油等
金属
繊維品
輸送機械
輸入
日本との貿易（2016年）
繊維・衣料
品76%
靴9%
野菜5%
その他6%
ミャンマー⇒日本
繊維・衣料品 靴 野菜 動物 その他
輸送機械
79%
機械・電気電
子
11%
繊維・衣料品
3%
その他
7%
日本⇒ミャンマー
輸送機械 機械・電気電子 繊維・衣料品 その他
11
輸送機器
機械・電気電子
繊維・衣料品
靴
野菜
出典：https://wits.worldbank.org/CountryProfile/en/Country/JPN/Year/2016/TradeFlow/Import/Partner/MMR/Product/all-groups#
3. 外国投資の動向
12
外国投資動向
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年半期
業種別投資認可額推移（百万米ドル）
その他
不動産開発
製造
運輸・通信
電力
石油・ガス
13
1,419
6,650
9,481
8,011
4,107
5,718
(資料) DICA (June 2018)
注：ミャンマーの会計年度は現在4月から翌年3月までとなっているが、2018年10月から翌年9月までの会計年度に変更される予定で、それまでの半期を記載。
830
（7月末）
石油・ガス以外の投資額
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年半期
石油・ガスを除いた投資認可額推移（百万米ドル）
その他
不動産開発
製造
運輸・通信
電力
14
1,110
6,650
4,790 4,663
4,107
5,718
(資料) DICA (June 2018)
830
（7月末）
15
‘17 ‘16 国/地域名 件数 (百万USD)
1 1 シンガポール 42 2,164
2 2 中国 65 1,395
3 18 オランダ 6 534
4 7 日本 12 384
5 6 韓国 14 254
6 5 香港 23 252
7 8 イギリス 4 211
8 -- アメリカ 2 129
9 4 タイ 11 124
10 -- アラブ首長国連邦 * 101
計 26か国 222 5,718
2 累計(88/89以降) 件数 (百万USD)
1 中国 235 19,950
2 シンガポール 279 19,012
3 タイ 117 11,047
4 香港 167 7,812
5 イギリス 90 4,341
6 韓国 152 3,810
7 ベトナム 18 2,100
8 マレーシア 63 1,955
9 オランダ 21 1,528
10 日本 104 1,076
11 インド 26 744
計 49か国 1,470 76,028
(資料) DICA (March 2018)
投資元国別FDIデータ (MIC承認＋エンドースメント）: 2018年3月末実績
追加投資は金額には含まれるが、件数には含まれていない。 日本は4位に。 シンガポールの伸び。 中国は件数でトップ。 今年度オランダが上位に。 アラブ首長国連邦は追加投資のみ（*）。
日本からの投資推移
54 55 85219
60
384198
765
141
160
855
140
133
42
148
33
97
18
91
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
2012/13 2013/14 2014/15 2015/16 2016/17 2017/18
MIC直接 MIC第三国経由 SEZ直接 SEZ第三国経由
16
1,478
280
590
1,023
55
252
注意：MICは投資許可+エンドースメント、SEZは許可の数字。出典：DICA資料に基づきジャパンデスクにて集計したもの。
17
‘18 ‘17 国/地域名 件数 (百万USD)
1 1 シンガポール 7 315
2 2 中国 21 105
3 4 日本 3 85
4 8 アメリカ 1 56
5 6 香港 4 55
6 5 韓国 7 44
7 9 タイ 1 44
8 -- サモア * 42
9 -- インド 4 19
10 7 イギリス * 11
計 11か国 53 822
2 累計(88/89以降) 件数 (百万USD)
1 中国 256 20,055
2 シンガポール 286 19,327
3 タイ 118 11,091
4 香港 171 7,867
5 イギリス 90 4,352
6 韓国 159 3,854
7 ベトナム 20 2,107
8 マレーシア 63 1,955
9 オランダ 21 1,528
10 日本 107 1,161
11 インド 30 764
計 49か国 1,523 76,850
(資料) DICA (July 2018)
投資元国別FDIデータ (MIC承認＋エンドースメント）: 2018年7月末実績
追加投資は金額には含まれるが、件数には含まれていない。 日本は3位。 中国は件数でトップ。 サモア、イギリスは追加投資のみ（*）。
ミャンマー日本商工会議所会員数の推移
18
年度 貿易部会 金融保険部会 工業部会 建設部会 流通サービス部会 運輸部会 総数2017年度末 26 18 86 115 90 41 376
出典： JETRO資料
0
50
100
150
200
250
300
350
400
運輸部会
流通サービス部会
建設部会
工業部会
金融保険部会
貿易部会
３76社
53社
86社
4. 進出時の窓口情報
19
20
投資形態 管轄 手続き
投資法（SEZ外の全ての事業）
MIC（事務局はDICA）又は州・管区投資委員会
（新）投資法(2016)に基づき、認可要否判断、必要に応じ手続き
経済特別区（SEZ） 各SEZ管理委員会（例：ティラワ管理委員会）
SEZ法(2014）に基づく投資認可会社設立
二種類の投資窓口
ミャンマー投資委員会（MIC）委員構成
• 2018年6月18日付通達61/2018により、議長が交代。• 計画財務省からは、セ・アウン副大臣（ティラワ管理委員長）が委員に就任。
出典： MIC通達61/2018（ ミャンマー語版）より仮英訳
委員長Chairman H.E. Thaung Tun 連邦政府省大臣 Union Minister, Union Government Office
副委員長Vice Chairman
H.E. Dr. Than Myint 商業大臣 Union Minister, Ministry of Commerce
委員Member U Htun Htun Oo 法務長官 Attorney General, Attorney General’s Office
委員Member U Set Aung 計画財務副大臣 Deputy Minister, Ministry of Planning and Finance
委員Member Daw Ni Lar Kyaw ヤンゴン管区大臣Minister, Yangon Regional Government
委員Member Dr. Aung Tun Thet 電力エネルギー省エコノミスト Economist, Ministry of Electricity and Energy
委員Member U Khin Maung Yee 天然資源環境保全省次官 Permanent Secretary, Ministry of Natural Resources and Environment Conservation
委員Member U Toe Aung Myint 商業省次官 Permanent Secretary, Ministry of Commerce
委員Member U Htein Lwin 元・電力エネルギー省次官 Permanent Secretary, Ministry of Electricity and Energy
委員Member U Htay Chun 元・投資企業管理局（DICA）副局長 Deputy Director General (Retired), Directorate of Investment and Company Administration
委員Member U Aye Lwin ミャンマー連邦商工会議所連合会副会頭 Joint Secretary General, Republic of the Union of Myanmar Federation of Chambers of Commerce and Industry
事務局長Secretary
U Aung Naing Oo 投資企業管理局(DICA)局長 Director General, Directorate of Investment and Company Administration
副事務局長 Joint Secretary
Daw Mya Thuza 元・投資企業管理局(DICA)副局長 Deputy Director General (Retired), Directorate of Investment and Company Administration
21
MICとDICA
Planning
Financial Regulatory
Customs
Directorate of Investment and Company Administration
MIC事務局 会社登記所
投資家 投資家 投資家 投資家 投資家
投資企業管理局（DICA）
ミャンマー投資委員会（MIC）Myanmar Investment
Commission
22
計画財務省（MOPF）Ministry of Planning and Finance
Soe Win大臣
Thaung Tun委員長
Aung Naing Oo
局長
Internal Revenue
情報源
• DICAウェブサイト（https://www.dica.gov.mm/ ）
• JETROヤンゴン事務所
• 日系法律事務所・会計事務所
• その他ビジネスサポート企業（進出コンサル、通訳紹介、人材紹介、不動産仲介）
• 金融機関
• 日本語の無料情報誌（Myanmar Japon, Myanmar Business Partners, Mybiz等）
23
5. 投資関連制度
24
投資法（2016年）の特徴
• 内外企業双方を対象とし、投資家保護策を整備（内国民待遇・最恵国待遇・公正衡平待遇、収用、紛争解決等）
• 但し「制限投資活動」を規定（≈ネガティブリスト）
• MIC投資許可を必要とする事業を限定。
• 他の投資にも税金・土地に関する恩典を与える「エンドースメント」制度創設
• 不明瞭な場合の問い合わせを可能にした「投資予備審査」制度あり（10日以内に回答）
25
26
投資手続き判断フロー
出典: 田原作成フローを上田加工
制限活動に該当するか？
MICの投資許可が必要か？
連邦議会の承認が必要か？
連邦議会の承認
MICの投資許可取得
（60日以内）
不動産長期リース
又は
税務の恩典が必要か？
MICのEndorsement取得
（30日以内）
DICAで会社登録後、恩典つきで事業開始
恩典なしで事業開始、または投資をしない。
DICAで会社登録後、事業開始
出資比率変更
又は
各省許可取得
投資法41条・禁止事業
42条・国営企業にのみ認め
られる事業
・外資企業に制限される事業
・ミャンマー会社（国民）との合弁でのみ認
められる事業
・関連省庁からの承認が必要な事業
36条・国家にとって重要・多額の投資
・環境に重要な影響・政府所有の土地・建物を使用する事業・政府が、MIC許可が必要と判断した事業
46条・国家・国民の安全、経済、環境、社会的利益に重要な影響を与え
る事業
No
Yes
Yes
No
No
Yes
Yes
No
Yes
No
27
新投資法第42条に基づく制限投資活動通達 活動数
I. 連邦政府のみが実施するものとされている投資活動 9
II. 外国投資家による実施が許されない投資活動 12
III. ミャンマー国民（が有する事業体）との合弁のみ外国投資が認められる投資活動（投資規則22条で外資は最高80％と規定）
22
IV.関連省庁からの承認により許される投資活動（10省）: 内務省(1)、情報省(6)、農業畜産灌漑省(18)、運輸通信省(55)、天然資源環境保全省(15)、電力エネルギー省(8)、工業省(1)、商業省(2)、保健スポーツ省(12)、建設省(8)
126
合 計 169
制限投資活動通達（No. 15/2017）
注目される主な規制
• 床面積1万平方フィート（929m2）未満のミニマーケット、コンビニは外国企業参入不可。
• 卸売業、小売業共に商業省の許可が必要。
• 輸出入は商業省の政策に従うことと注釈。
• 他省庁・組織が管轄する法律によって制限された投資はその法律に従うと注釈で明記。
• 銀行・保険・（他の）金融事業は、関係省庁・機関の計画に従うことと注釈。
• アパートとコンドミニアムは合弁での外資参入を認める。
• 建設省の許可が必要とされるもの：– 100エーカー（40.5ha）以上の都市開発プロジェクト、工業団地開発に伴う5万平米以上の床面積を持つ住宅開発、ネピ
ドー・ヤンゴン・マンダレー以外の州（管区）都での4エーカー超の都市再開発、ニュータウンの開発
MIC許可を要する事業
28
MIC認可を要する事業（投資法第36条）
(a) ミャンマー国にとって戦略的に重要な事業/投資活動
(b) 多額の資本集約的な投資プロジェクト（別途細則にて多額＝1億ドル超と定義）
(c) 自然環境と地域社会に大きな影響を及ぼす可能性のあるプロジェクト
(d) 国有地/建物を利用する事業/投資活動（別途細則にて5年以下の賃借等は対象外）
(e) MIC申請が必要と政府が別途定める事業/投資活動
ミャンマー国にとって戦略的に重要な事業/投資活動（新投資法第36条(a)）に該当する条件（投資細則第3条）
(a) 技術（ICT・医療・バイオ等）、運輸インフラ、エネルギーインフラ、都市開発インフラ、採掘/天然資源、メディアの各セクター（かつ投資額20百万ドル超）
(b) 当局からのコンセッション等によるグラント案件（かつ投資額20百万ドル超）
(c) 国境地域・紛争影響地帯（外資は全部、内資は投資額1百万ドル超）
(d) 国境をまたぐ投資（外資は全部、内資は投資額1百万ドル超）
(e) 複数の州/管区をまたぐ投資
(f) 1,000エーカー超の土地を占有または利用する農業関連投資
(g) 100エーカー超の土地を占有または利用する非農業関連投資
税制
• 申告– 高額納税事務所（LTO）MTO1は自己申告制度へ移行済– MTO2・3は未だ賦課課税方式だが順次自己申告に移行する方針
29
・事業所得25％
・源泉税（前払法人税）は居住者同士を今年度廃止
・原則5％
・輸入時に関税と同時に徴収
• 主な国税
投資法で優遇措置を提供
• MIC認可・エンドースメント取得案件を対象• 税金関連
– 奨励セクター（通達13/2017）については法人税免除3、5、7年（投資地域によって区別、地方を優遇）
– 建設期間中、国内調達できない機械、建築資材などの関税・商業税免除
– 業務開始後は、輸出製品に対応する輸入原材料は関税・商業税免除・還付
– CMP (Cutting, Making, Packing)制度で、委託加工料を受け取る制度あり。（輸出型の縫製業、革製品製造など）
• 不動産貸借に関する優遇措置– 通常外国企業は1年迄→最高50年（+10年+10年）可
30
31
概要
• 新投資法に基づく「奨励セクターの分類にかかるMIC通達」（Notification No.13/2017: Classification of Promoted Sector）が、2017年4月1日付にて制定。
• 「投資政策」で打ち出された優先8類型をベースに、かなり細分化した分類に。
• 20セクター・192業種を網羅。産業コード（ISIC、CPC）を付す試みがなされた。
• 当リストに入っている業種への投資事業には、法人税免税措置が与えられる。
出典: DICA (2017), 本間仮分析
奨励セクター通達（No.13/2017）
奨励セクター 業種数 奨励セクター 業種数
A 農業・農業関連サービス業 30 K 航空機のメンテナンス 1
B 植林・森林保全・他森林関連 4 L 供給・運輸サービス（物流関連等） 12
C 畜産・水産・関連サービス業 10 M 発電・送電・配電 1
D 製造業（煙草・ビール等以外） 92 N 再生可能エネルギー 2
E 工業団地開発 1 O 通信ビジネス 3
F 新都市地域開発 1 P 教育サービス 7
G 都市開発（給水・ゴミ・住宅・交通） 5 Q 保健サービス 5
H 道路・橋梁・鉄道建設 4 R 情報技術サービス 2
I 港湾・河川港・ドライポート建設 1 S ホテル・観光 3
J 空港の管理・運営・メンテナンス 1 T 科学研究開発ビジネス 7
投資する場所（Township）によって法人税免税期間が異なる
32
ゾーン１7年免税
ゾーン3
3年免税ゾーン2
5年免税
外国送金
• 海外送金に関してMICの許可は不要。
• 法律上は、原則、中央銀行に事前届出を行うことにより海外への送金可能。
–実際は不明瞭な部分も多い。
• 借入比率について制限あり。（返済の際の国外送金に影響。）
• 根拠となる書類を銀行に提示。
33
MIC・ティラワ比較
34
MIC（経済特別区以外） ティラワ経済特別区内
根拠法令 投資法（2016年） 経済特区法（2014年）
インフラ △ ○
規制業種 計画・財務省の通達およびMIC
の通達により、細かく規制されている。
9個の禁止事業以外の業種は基本的に可能。
外資比率規制 外資制限される業種あり。
合弁が求められる事業について、原則外資は80%まで。
規制なし
最低資本金規制 なし あり
投資認可手続きにかかる期間
投資認可は60日エンドースメントは30日
投資申請書の提出から30日以内に認可するか否か判断する。
出典：田原作成を上田加工
インセンティブ比較
35
投資法（2016） 経済特別区法 細則
フリーゾーン プロモーションゾーン
法人税
免税 免税対象事業のみ投資する地域により3/5/7年
7年間 5年間
50%免税 － 翌5年間 翌5年間
再投資利益の50%免税
6年目以降 翌5年間 翌5年間
輸入関税等
建設資材・製造設備
免税国内調達できないもののみ
免税 5年＋翌5年間の50%免税
原材料 輸出製品のための原材料・半製品のみ免税
免税 －
ただし輸出分については還付
欠損金の繰越 恩典としての規定はないが、税法により3年繰越控除可能
5年間 5年間
土地リース期間 50年＋10年＋10年＝合計最大70年
50年＋25年＝最大75年
出典：田原作成を上田加工
6. ミャンマーの魅力
36
ミャンマーの魅力:欧州企業の見方
• 国内市場と将来性
• 自由化へのコミット
• 戦略的位置
• 「蛙飛び」の可能性
• 天然資源
• 競争力のある労働コスト
37
出典： “Myanmar Investment Climate: A Wave of Optimism – Will it Last?”, a presentation made by Mr. Thomas Klotz, Managing Partner, Roland Berger Strategy Consultant, South-East AsiaMyanmar Investment Forum, Nay Pyi Taw, 6th June 2017
日本企業（製造業）の見方（魅力）
38
出典： 国際協力銀行（2016）「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告ー2016年度 海外直接投資アンケート結果（第28回）－」
ミャンマーの魅力まとめ
⃝消費市場としての魅力・将来性
⃝国民レベルでの対日感情の良さ
⃝豊富で安価な労働力
⃝地理的重要性、戦略性
⃝豊富な天然資源。広大で肥沃な国土。豊かな農産品
⃝大きなインフラ需要
⃝特恵関税の適用
39
7. ティラワ経済特別区と工業団地
40
41
ティラワは、ヤンゴン中心市街地から23キロ東南に位置する。車で1時間弱の距離
日本・ミャンマー官民連携プロジェクト
2013年11月に着工し、2015年9月に正式開業
全体開発計画2,400haのうちZone A 405haを開発済
7月にZoneB 101ha完工。第二期77ha 2019年8月完工予定。
円借款による周辺インフラ整備（ガスパイプライン、港湾、発電所、変電所、アクセス道路・橋、通信設備、浄水設備）
ワンストップサービスセンターによる迅速な許認可（会社登記、投資認可、環境申請、ビザ発行等）
手厚い税制優遇
認可済み企業96社（2018年6月現在）
ヤンゴン中心市街地
ティラワ開発地区⇒
ティラワ経済特別区の開発
2013年11月の起工式の様子
出典：JICA
出典：MJTD
Zone A
Zone B
ODA支援実績（主に実施中のもの）
スキーム 実施期間 案件名 状況（支援額含む）
概要
有償 2013年6
月契約締結
ティラワ地区インフラ開発事業（フェーズ１）
実施中（20,000百万円）
ティラワ地区において、港湾ターミナルの設備および電力関連施設の整備
有償 2014年9
月契約締結
ティラワ地区インフラ開発事業（フェーズ２）
実施中（4,613百万円）
ヤンゴンとティラワ地区を結ぶ幹線道路の拡幅・整備
有償 2015年6
月契約締結
ティラワ地区インフラ開発事業（フェーズ1）（第二期）
実施中（14,750百万円）
第一期借款に続く二期目の借款にあたり、主に港湾ターミナルの整備に必要な残りの資金需要に対応するもの
有償 2014年9
月契約締結
ヤンゴン都市圏上水整備計画
実施中（23,683百万円）
ヤンゴンおよびティラワ地区で急増する水需要に対応するため、上水道施設を拡充
有償 2015年3
月契約締結
通信網改善事業 実施中（10,500百万円）
ミャンマー主要3都市（ヤンゴン（含む
ティラワ地区）、ネピドー、マンダレー）間及び一部市内において通信網の改善を図る
技協 2014年9
月～2016年9
月
ティラワ経済特別区管理委員会能力向上支援
実施中 ティラワSEZ管理委員会とワンストップサービスセンター（OSSC）の円滑な立ち上げと効果的なSEZ運営管理を支援
海外投融資（出資）
2014年4
月、
出資承諾
ティラワ経済特別区（Class A区域）開発
事業（海外投融資・出資事業）
出資比率10%
ティラワSEZの早期開発区域であるClass-A区域（約400ha）を対象に工
業団地開発・販売・運営事業を行う日緬官民事業会社に出資を行うもの。
ティラワ経済特別区関連のJICA支援
42
33kV配電線230kV送電線
ガスパイプライン
タンリン変電所（借款対象外）
アクセス道路
50MW発電所変電所
港湾
ヤンゴン市内
ティラワSEZ
上水道
通信（無償）
バゴー橋（計画中）
ティラワ経済特別区管理委員会（Thilawa SEZ Management Committee: TSEZ MC)
Chairman: (Vice Minister of Planning and Finance)ワンストップサービスセンターOne Stop Service Center (OSSC)
入国管理・人口省 入国管理・国民登録局
労働省 労働局
財務省 関税局（税関）
国家経済開発省 企業登録局(DICA)
中央銀行 等
円滑なワンストップサービス提供のための業務監督およびアドミ支援
投資企業
-投資相談・投資認可付与-認可事業の操業モニタリング-機械・設備、原材料、建設資材の輸入登録-住民移転対策等社会配慮- MJTDおよび関連省庁が行うインフラ事業の監督行政許可・登録サービス
の提供（上記、※の業務を実施）
TSEZ-MC及びOSSCの組織運営・経営管理能力強化 輸出入・税関・物流管理体制の確立 各種申請・許認可（※）に関する業務フローの確立及び運用
※代表的な許認可対象：投資認可、企業登録、建設関連許可、環境アセスメント等環境関連許可、納税者登録、労働許可、ビザ発行、外国人登録証明書等
⇒ これまでにない仕組みで投資を促進
JICAの
技術支援内容
TSEZ MC・OSSC 体制図
ティラワ経済特別区の体制
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工業団地情報
• 「Industrial Zone」がヤンゴン管区内に26ヶ所– 一部のIndustrial Zone（例：ミンガラドン工業団地）以外は、地目変更済みの土地
• 中小企業向けのレンタル工場はティラワSEZ内にあり。
• 今後工業団地開発の動きあり– ミャンマー民間企業参入するも、内容は不明
– 工業団地の基準がない。
– 韓国土地住宅公社（LH）、韓国民間企業、タイ民間企業など外資も参入予定
44
8. ミャンマーの課題
45
ミャンマーの課題：欧州企業の見方
• 技能不足• 経済政策不明瞭• 予測できない法制度• 法規制の選択的実施• 労働コスト上昇• 過剰な規制・手続き• 市場障壁と投資規制• 金融アクセス制限• 不安定なチャット
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“Myanmar Investment Climate: A Wave of Optimism – Will it Last?”,
presentation made by Mr. Thomas Klotz, Managing Partner, Roland
Berger Strategy Consultant, South-East Asia,
Myanmar Investment Forum, Nay Pyi Taw, 6th June 2017
日本企業（製造業）の認識（課題）
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出典： 国際協力銀行（2016）「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告ー2016年度 海外直接投資アンケート結果（第28回）－」
ミャンマーの課題
X 電力供給の脆弱さ。自家発電コストの増大
X その他インフラ未整備
X 不動産価格の高騰、権利関係が不明確
X 対日貿易を考えた場合のロジスティクス上の問題
X 一般労働者は賃金が比較的低いものの、技術者、専門職、管理職など、人材不足の職種は上昇気味
X 「裾野産業」は未発達で、現地調達は困難
X 法律（運用）の不透明さ
整備途上の法制度が多く、改革開放が進行中。（「明治維新」と言う人も）
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投資環境改善の動き
• 「3年以内に『Doing Business』ランキング100位以内に」– 6月20日にミン・スウェ副大統領が表明
• 世界銀行「Doing Business」 とは？– ビジネスのし易さを項目別に指標化– 毎年調査しランキングを発表– 現在190の国・地域対象– 改善されるとランキングが上昇– 本来は中小企業が対象– 企業にアンケートをとって調査
• 「改革」だけではダメ
– 手続きにかかる日数と費用
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https://www.mmtimes.com/business/26927-myanmar-to-raise-rank-on-
world-bank-index-in-3-years.html
http://www.doingbusiness.org/rankings
Doing Businessランキング比較
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項目ミャンマー
ベトナム カンボジア タイ インド 中国 日本2018 2017
総合順位 171 170 68 135 26 100 78 34
1創業手続き 155 146 123 183 36 156 93 106
2建築許可 73 66 20 179 43 181 172 50
3電力取得 151 149 64 137 13 29 98 17
4不動産登記 134 143 63 123 68 154 41 52
5金融アクセス 177 175 29 20 42 29 68 77
6少数株主保護 183 179 81 108 16 4 119 62
7税金支払い 125 119 86 136 67 119 130 68
8輸出入手続き 163 159 94 108 57 146 97 51
9契約の強制 188 188 66 179 34 164 5 51
10破産手続き 164 164 129 74 26 103 56 1
出典：http://www.doingbusiness.org/ ミャンマーより下位
50位以内
51
汚職認知指標（Corruption Perception Index）
Source：Transparency International “Corruption Perceptions Index 2017”
2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
シンガポール 6 7 8 7 5 5 5
日本 20 20 18 15 18 17 14
マレーシア 62 55 54 50 53 54 60
中国 77 79 83 100 80 80 75
インドネシア 96 90 88 107 114 118 100
タイ 96 101 76 85 102 88 80
ベトナム 107 113 112 119 116 123 112
フィリピン 111 101 95 85 94 105 129
ミャンマー 130 136 147 156 157 172 180
ラオス 135 123 139 145 140 160 154
バングラデシュ 143 145 139 145 136 144 120
カンボジア 161 156 150 156 160 157 164
対象国数 180 176 168 175 177 176 182
https://www.transparency.org/news/feature/corruption_perceptions_index_2017
汚職対策が進むミャンマー DICAも8月3日に企業向け反汚職倫理規定発表。
https://www.dica.gov.mm/sites/dica.gov.mm/files/document-files/noti_anti-corruption_eng.pdf
ミャンマー長期投資促進計画（MIPP; Myanmar Investment Promotion Plan）• JICAの支援でFDIPP（2014年）を改訂し、7月に
MIPPを閣議決定。
• 四つの成長の道を想定：①輸出志向型、②国内市場型、③資源活用型、④知識集約型
• 五つの投資促進戦略：1. 投資関連政策・規則の整備
2. 投資促進機関強化
3. インフラ整備
4. ビジネス関連制度整備
5. 地場産業・人材育成
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MIPP実施体制
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閣議
投資促進委員会（IPC）議長：MIC議長
委員：関係13省次官+商工会議所連盟副会頭＋DICA局長
投資促進関連政策タスクフォース
- 投資促進組織強化タスクフォース
事務局（DICA）
調整・連携
* 民間セクター開発協議会
*
SEZ中央委員会
調整・連携
インフラ開発タスクフォース
地場産業・人材育成タスクフォース
ビジネス関係制度整備タスクフォース
*
ビジネス・貿易促進特別タスクフォース
DICA副局長 農業省課長 工業省課長 商業省課長 計画局課長 国家歳入局課長
等々・・・
商工会議所連盟代表
DICA課長
DICA副局長 情報省課長 商業省課長 DICA投資1～
4課長 等々・・・ 商工会議所連盟代表
DICA投資促進課長
建設省副局長 法務省課長 内務省課長 農業省課長 環境省課長 運輸通信課長 SEZ管理委員会代表
等々・・・ 商工会議所連盟代表
工業省課長
教育省副局長 農業省課長 商業省課長 中央銀行課長 商工会議所連盟代表
計画財務省（金融課）課長
工業省副局長 国境省課長 農業省課長 労働省課長 ホテル観光省課長
商業省課長 商工会議所連盟代表
DIDA課長
日本からの支援
• 日緬共同イニシアティブ• JICAによる支援
– 投資振興アドバイザー（DICA）– 投資促進・輸出振興に係る情報収集確認調査（DICA＆商業省貿易振興局）– ティラワ経済特別区管理委員会運営支援アドバイザー（同管理委員会）– 産業振興機能強化プロジェクト（工業省）– ミャンマー日本人材育成センタープロジェクト（商業省）– 知的財産行政アドバイザー（教育省知財室）– 労働行政政策アドバイザー（労働移民人口省）– 工学教育拡充プロジェクト（教育省）– 法整備支援プロジェクト（法務長官府）– 電力開発計画能力向上プロジェクト（電力エネルギー省）– 税務行政アドバイザー（内国歳入局）– 通関電子化を通じた税務行政能力向上プロジェクト（関税局）– 証券監督能力強化アドバイザー（証券取引委員会）– 中小企業金融強化事業（円借款）
54
その他海外からの支援
• IFC/世銀：– 建築許可
• YCDCで手続きの「リエンジニアリング」進行中。• IFCが開発したソフトウェアをミャンマー化し導入。• その後マンダレー、ネピドーで。
– 貿易手続き• 商業省：輸出入許可手続きの見直し• 関税局：税関検査方法• FDA：食品安全検査
– 企業登録情報の一元化• DICA、商業省、工業省、税務局、等々
• GIZ：– DICA：ミャンマー投資ガイド改訂予定– 商業省：貿易法、消費者保護、貿易円滑化、貿易促進、貿易政策
• DaNa Facility（英国援助庁等のプロジェクト）– ヤンゴン地域のIndustrial Zonesの現状調査
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9. 進む改革
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投資法体系の明確化
• 投資法・投資規則・各種通達により制度が明確化（みえる化）
• 特に、制限投資活動通達（15/2017）では各省の許可が必要なものを明示、今後も順次改訂予定
• （JICA支援により）各省の手続きを明確化中– DICAのOSS強化
• 各許可の内容を明確化しつつある– 農業・畜産・灌漑省、資源・自然環境保全省、電力・エネルギー省、保健省、内務省、情報省、教育省、商業省（後述）
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会社法（Myanmar Companies Law）の施行
• 1914年旧会社法を昨年2017年12月に全面改正。8月1日から施行開始。• 会社設立が容易に。
– 最低資本金の規制廃止（ミャンマー企業と同じ扱いに）– 一人株主可能（以前は二人以上）
• 但し、取締役の内、最低1名はミャンマー居住者（年183日以上滞在）
– 事業目的記載不要→DICAの「営業許可」を廃止→各業法を順守– これまでの「基本定款（Memorandum of Association）」や「付属定款（Articles
of Association）」は「会社定款（Company Constitution）」に。（モデル定款も公表。）
– 授権資本（authorized share capital）や「fix value of shares」廃止
• 外資35％まで「ミャンマー企業」と定義– 旧法下では1株でも外資なら「外国企業」として各種規制の対象– 不動産譲渡制限法には影響を与えない（第464条）– 卸売・小売業については、商業省が別途通達を発表
• 海外企業（「overseas corporation」）を規定（=支店・駐在員事務所）• 持株会社、子会社の設立、無議決権株式発行が可能に
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会社法（続き）
• 電子登録開始 https://www.myco.dica.gov.mm/
– 旧法で登録されている会社は６ヶ月以内（2019年1月末迄）に再登録を。（電子登録無料）
59
卸売・小売の開放
• 5月に商業省通達No.25/2018で卸売・小売業の規制緩和
• 卸売＝小売業者又は製造業者に対する多量の商品の販売
• 当初仕入れ投資額で制限
• 店舗面積は投資制限活動通達を踏襲
• 7月にはSOPとして詳細を発表
60
外資比率 0% 1%～80% 81%～100％
卸売業 制限なし 200万米ドル以上 500万米ドル以上
小売業 制限なし 70万米ドル以上 300万米ドル以上
教育分野の開放
• 4月に基礎教育、技能教育訓練、高等教育、
語学学校等の科目別教育訓練への外国投資を開放
• 100％外資、ミャンマーとの合弁を共に認める
• ミャンマー又は国際的なカリキュラム
• 教育関連法改正の場合は、その規定に従う
• 8月には申請の際の審査項目を発表した。
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その他
• 労働関連の法律は順次改正中
• 知的財産権関連4法（商標法、特許法、工業
デザイン法（意匠法）、著作権法）が国会審議中
• コンドミニアム法関連規則
• ヤンゴン証券取引所で外国人投資を可能にする動き
62
10. 中国との関係
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中国との関係は重要
• 国境地域の少数民族との和解が達成できていないミャンマーにとって、隣国中国との関係重要
• ラカイン問題で欧米からの投資が停滞する中、アジアからの投資に期待せざるを得ない。
• 「一帯一路」の下、ミャンマーは中国にとってインド洋への出口として戦略的に重要
– 既にチャオピュー（ラカイン州）から雲南省までの石油パイプライン完成
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「中緬経済回廊（CMEC）」構想
• 年内にMoU締結を目指して協議中
• 内容は、インフラ、建設業、製造業、農業、国境地域の経済協力ゾーン、「デジタル・シルクロード」、保健、水技術、防災、観光、金融、研究開発、等多岐。
• メガプロジェクト：1. New Yangon City Development（ヤンゴン西部）
2. Yangon-Ayeyarwaddy Development project (Nga Yoke Kaung) & Pathein Industrial City（エヤワディ地域）
3. New Mandalay Resort City（マンダレー地域）
4. Myotha Industrial Park（マンダレー地域）
5. Muse Central Business District（シャン州北部中国国境）
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提案されているメガプロジェクトの例
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マンダレー
ネピドー
ヤンゴン
New Yangon City
Development
Yangon-Ayeyarwaddy
Development project
(Nga Yoke Kaung)
Pathein Industrial City
New Mandalay Resort City
Myotha Industrial Park
Muse Central
Business District
出典：https://www.mmtimes.com/news/myanmar-showcase-investment-projects-reforms-hong-kongs-belt-and-
road-forum.html
最後に・・・
• 投資も含めてバランスの取れた外交関係・経済関係を望んでいる。– 「責任ある投資」をする日本に期待
• 親日的な国民性、人材として期待
• 国内市場の将来性
• インフラなど整備中、民間にもインフラ投資を期待
• 各種法体系・制度整備・改革中
• DICAは投資法・会社法を改正し、今後は投資促進委員会を通じて各省に改革を働きかける予定
• 日本政府も引き続き支援方針
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附則：参考資料
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DICA出版物• DICAウェブサイト https://www.dica.gov.mm/
→「Resources」→「Publications」
69
ミャンマー投資ガイド
2018
会社役員の手引き
ミャンマー投資コスト調査2018
ミャンマー投資申請ガイドブック
他にも、マンダレー地域、シャン州、カイン州、カヤー州の投資機会調査報告書あり。
日本での出版物
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ご清聴ありがとうございました。
DICAジャパンデスク
No.1, Thitsar Road, Yankin Township, Yangon
上田隆文 田原隆秀
+95-(0)9-250-314-654 +95 (0)-94-5000-6945
[email protected] [email protected]
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