(4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2...

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1 (4) 周産期医療 2 3 第1 現状と課題 4 5 周産期医療計画の概要 6 沖縄県の周産期医療は、平成 14 年度に県立中部病院を、平成 18 年度に県立南部医療セ 7 ンター・こども医療センターを総合母子周産期医療センターとして指定し、平成 15 年度に那覇市 8 立病院、沖縄赤十字病院を、平成 23 年に琉球大学医学部附属病院を地域周産期母子医療 9 センターに認定し、各施設が連携を図りリスクの高い妊産婦、新生児の医療体制を構築してきま 10 した。 11 また、国の周産期医療体制整備指針(以下「整備指針」)に基づき策定した「沖縄県周産期 12 保健医療体制整備計画」に基づき、北部、宮古、八重山の県立病院の機能充実を図り地域周 13 産期母子医療センターに追加認定しました。 14 周産期保健医療体制整備計画は、平成 27 年度までの5年間の計画期間でしたが、国での 15 整備指針見直し検討の結果、周産期医療計画を第7次医療計画に一体化することが決定し、 16 医療計画の分野別計画として策定することになりました。 17 計画策定にあたっては、前計画の施策の方向性を踏まえつつ、周産期医療の現状や環境の 18 変化に即した内容とし、また関連の深い救急医療、災害医療、小児医療との連携を図り、計画 19 の推進にあたっては、本県の母子保健計画である「すこやか親子おきなわ21(第2次)」、「沖縄 20 県障害福祉計画(第5期)」、「黄金っ子応援プラン」(沖縄県子ども子育て支援事業計画)」と 21 の整合性を図っていきます。 22 なお、本計画の推進のため、各周産期母子医療センターや関係機関の専門家からなる専門 23 部会を継続し、行動計画を策定し計画の推進並びに進捗管理を行うこととします。 24 25 周産期保健医療の現状 26 (1)出生数及び出生率と低出生体重児の出生状況 27 本県は昭和 47 年の本土復帰以来、全国一高い出生率を維持していますが、出生数は昭 28 和 62 年に2万人を割り、ここ 10 年は、17,000 人前後で推移しております。 29 出生数に占める低出生体重児の出生割合は、平成 10 年以降 10%台に上昇し、その後も 30 横ばい状況にあり、全国一高くなっています。(図1) 31 32 33 34 35 36 37 - 251 -

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Page 1: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

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(4) 周産期医療 2

3

第1 現状と課題 4

5

1 周産期医療計画の概要 6

沖縄県の周産期医療は、平成 14 年度に県立中部病院を、平成 18 年度に県立南部医療セ 7

ンター・こども医療センターを総合母子周産期医療センターとして指定し、平成 15 年度に那覇市 8

立病院、沖縄赤十字病院を、平成 23 年に琉球大学医学部附属病院を地域周産期母子医療 9

センターに認定し、各施設が連携を図りリスクの高い妊産婦、新生児の医療体制を構築してきま 10

した。 11

また、国の周産期医療体制整備指針(以下「整備指針」)に基づき策定した「沖縄県周産期12

保健医療体制整備計画」に基づき、北部、宮古、八重山の県立病院の機能充実を図り地域周13

産期母子医療センターに追加認定しました。 14

周産期保健医療体制整備計画は、平成 27 年度までの5年間の計画期間でしたが、国での 15

整備指針見直し検討の結果、周産期医療計画を第7次医療計画に一体化することが決定し、16

医療計画の分野別計画として策定することになりました。 17

計画策定にあたっては、前計画の施策の方向性を踏まえつつ、周産期医療の現状や環境の 18

変化に即した内容とし、また関連の深い救急医療、災害医療、小児医療との連携を図り、計画 19

の推進にあたっては、本県の母子保健計画である「すこやか親子おきなわ21(第2次)」、「沖縄 20

県障害福祉計画(第5期)」、「黄金っ子応援プラン」(沖縄県子ども子育て支援事業計画)」と 21

の整合性を図っていきます。 22

なお、本計画の推進のため、各周産期母子医療センターや関係機関の専門家からなる専門 23

部会を継続し、行動計画を策定し計画の推進並びに進捗管理を行うこととします。 24

25

2 周産期保健医療の現状 26

(1)出生数及び出生率と低出生体重児の出生状況 27

本県は昭和 47 年の本土復帰以来、全国一高い出生率を維持していますが、出生数は昭28

和 62 年に2万人を割り、ここ 10 年は、17,000 人前後で推移しております。 29

出生数に占める低出生体重児の出生割合は、平成 10 年以降 10%台に上昇し、その後も 30

横ばい状況にあり、全国一高くなっています。(図1) 31

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Page 2: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

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図1 2

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13

14

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16

(2)母の年齢階級別出産の推移 17

平成 15 年までは 25~29 歳の年代が 31.9%と最も多かったものの、平成 16 年以降は 30~18

34 歳の割合が最も多くなっています。 19

35 歳以上については、平成 27 年に平成 15 年より 10.6 ポイント増加し 27.1%となり、一方で 20

19 歳以下の出生産率は平成 20 年以降2%台で推移しています。平成 27 年は全国 1.2%に21

対し沖縄県は 2.6%と約2倍を超え高い状況にあります。(図2) 22

図2 23

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25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

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38

20,281

20,39220,657

18,11117,088

17,15416,751

16,92816,680

16,773

17,16916,571

16,30316,362

16,115

16,483

16,58816,736

16,74417,098

16,91817,074

17,209

16,37316,941

1,3841,510

1,6071,474

1,4681,575

1,5591,739

1,7151,735

1,8791,774

1,7191,788

1,7491,815

1,9611,833

1,9301,912

1,796

1,979

1,957

1,8761,848

7.4 7.47.8 8.1

8.69.2 9.3

10.3 10.3 10.310.9 10.7 10.5

10.9 10.9 11.011.8

11.011.5 11.2

10.6

11.6 11.4 11.510.9

5.6 5.7 5.76.2 6.3

7.9 7.58.1 8.4 8.6 8.8 9.0 9.1 9.4 9.5 9.6 9.7 9.6 9.6 9.6 9.6 9.6 9.6 9.5 9.5

0

5

10

15

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

低体重児出生割合(%)

出生数(人)

出生数 低体重児出生数 低体重児出生割合

(県)

低体重児出生割合

(全国)

出生数及び低体重児出生の割合

3.1

3.7

3.4

2.4

2.7

2.6

2.6

2.8

2.6

2.6

2.6

1.2

18.8

18.9

17.5

15.8

14.6

13.5

13.3

12.5

12.9

12.2

11.8

8.4

33.6

33.1

31.9

28.1

27.5

28.8

28.0

27.5

27.8

26.7

25.7

26.1

29.5

28.5

30.7

32.1

31.9

30.6

31.0

31.1

31.3

31.3

32.8

36.3

12.8

13.3

13.9

18.4

19.6

20.4

20.6

21.3

21.7

21.7

21.1

22.7

2.2

2.5

2.6

3.2

3.6

4.1

4.4

4.8

5.3

5.5

6.0

5.3

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

平成5年

10年

15年

20年

21年

22年

23年

24年

25年

26年

27年

27…

母親の年齢別出生数と構成割合の年次推移

19歳以下

20~24歳

25~29歳

30~34歳

35~39歳

40歳以上

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(3)出生時体重別出生割合率の推移 1

500~1000g 未満の超低出生体重児の出生割合は、0.3~0.5%前後(61~86 人)で推移2

しており、500g 未満の児は 0.024~0.06%(4~11 人)で推移しています。 3

4

図3 5

6

7

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10

11

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13

14

15

16

17

18

19

(4)周産期死亡率の推移 20

周産期亡率は徐々に低下し平成 22 年からは、3~4‰台(50~77 人)で推移しています。 21

22

図4 23

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33

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38

0.04 0.04 0.06 0.04 0.02 0.04

0.40 0.32 0.44 0.35 0.47 0.41

1.76 1.56 1.66 1.64 1.77 1.47

8.678.07

8.92 8.77 8.61 8.41

0.00

1.00

2.00

3.00

4.00

5.00

6.00

7.00

8.00

9.00

10.00

H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年

出生数に占める低出生体重児の割合

500g未満出生率 500~1,000g未満出生率

1,500~2,000g未満 2,000~2,500g未満

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Page 4: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

(5)妊産婦死亡の推移 1

妊婦死亡率はここ 10 年では 0~11.5 (0~2 人)と年度により変動があります。 2

我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成 27 年には 3.8(出産 10 万対)3

でした。平成 27 年の全国の妊産婦死亡数が 39 人に対し、本県は0人となっています。妊産婦4

死亡は1人の増減でも死亡率が大きく変動するため、率のみにとらわれず、妊娠期の管理につ5

いて今後は関係者で検証し、共有する仕組みが必要となっています。 6

図5 7

8

9

(6)新生児死亡率の推移 10

新生児死亡率は、平成 22 年より 0.8~1.3(13~23 人)で推移しており、全国と同じ水準で11

す。 12

図6 13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

2.9

4.3

3.6

2.4

1.6

0.8 1.2 0.91.3 1.2

0.9 0.8

3.4

2.62.2

1.8

1.41.1 1.1

1.01.0 0.9 0.9 0.9

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

4.5

5 新生児死亡率

沖縄県 全国

(出生千対)

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(7)母親を取り巻く環境の変化 1

全国的に女性の雇用の増大に伴い晩婚化が進展しています。本県においては、平成 27 年2

の女性の平均初婚年齢は 29.0 歳で、10 年間で 1.3 歳、20 年間では 2.8 歳上昇しています。 3

晩婚により出産年齢が高くなり、(図2)、合計特殊出生率も 1.96 と少子化が進行していま4

す。 5

さらに、本県の状況は把握しておりませんが、東京 23 区における 2005~2014 年の 10 年間6

で 63 例の妊産婦の自殺が起こっており、これは産科異常による妊産婦死亡率の 2 倍以上であ7

ったことから、妊産婦のメンタルヘルスケアへの対策が求められています。 8

また、望まない妊娠による 0 ヶ月 0 日の虐待も全国的に大きな課題であり、貧困家庭や若年9

妊産婦など社会的ハイリスク者の多い沖縄県においては、地域の関係機関と連携し切れ目の10

ない支援を行う必要があります。 11

12

13

14

15

16

17

18

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20

21

22

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3 周産期医療従事者の現状と課題 1

(1) 周産期母子医療センターの状況 2

ア 産科・新生児科医及び小児科医の現状 3

4

産科医 5

平成 28 年の総合周産期母子医療センター(以下「総合周産期センター」という。)及び地6

域周産期母子医療センター(以下「地域周産期センター」という。)における分娩取扱数は7

3,979 件であり、本県の全分娩数の四分の一を占めています。(「総合周産期センター」と「地域8

周産期センター」をまとめて「周産期母子医療センター」という。) 9

総合周産期センターでは、一般産科病床とは別に、ハイリスク症例に対応する母体・胎児集10

中治療室(MFICU)を管理するために産科医が常駐することが求められ、常時複数の産科医11

が当直する体制が必要です。 12

2カ所の総合周産期センターにおいて、産科医が 2 名ずつ当直すると、1か月の延べ当直数13

は 120 回となります。一人で月に4回の当直とするには 30 人の産科医が必要ですが、現状は14

18 人で 12 人不足しています。 15

地域周産期センターにおいても、自然分娩予定の妊婦が途中で急変する事もあることから16

30 分以内に緊急帝王切開に対応できる体制を常に維持し続けていく必要があります。 17

近い将来、正常分娩を取り扱う地域の産科施設の減少に伴い、圏域によって周産期母子医18

療センターでハイリスク症例のみならず、ローリスク症例への対応も求められる状況になることが予19

測されることから、周産期母子医療センターにおける人材の維持、育成が重要な課題です。 20

21

新生児科医及び小児科医 22

周産期あり方検討委員会 「NICU(新生児集中治療室)の整備及びNICU勤務医師の充足に関する23

報告」では、総合周産期センターにおいて、24 時間体制下、安定したベッドコントロール、安全体24

制、専門医養成研修の面からNICUベッド数 15 床あたり、新生児専門医は 10 名以上が必要25

とされています。 26

本県では総合周産期センターの 30 床のNICUに対し 20 人の専門医が必要となりますが、現27

在は4人であるため 16 人の不足となっています。 28

また、地域周産期センターに必要な専門医数は言及されておりませんが、重症新生児が増加29

していることから専門医の配置が望まれます。 30

31

離島を含む各圏域の周産期医療を充実させながら、質の高い医療を維持し、今後も安定32

的に周産期母子医療センターを運営していくためには、圧倒的に産科医、新生児科医、小児33

科医の数が不足し医師の過重労働が慢性的な課題となっているため、その解消を図る必要が34

あります。 35

36

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イ 研修医の研修体制の現状 1

2

周産期医療の維持には、将来を担う後継者の育成が不可欠です。そのためにはまず初めに3

基本領域である産婦人科、小児科医を増やす必要があります。その上で周産期専門研修医4

(以下「専門研修医」という。)を育成する必要がありますが、県内で研修する専門研修医(研5

修領域は「母体・胎児」と「新生児」の2領域がある)が少ないことが課題です。 6

専門研修医を育成するためには、専門研修医を育成する指導医や、専門研修医の研修が7

行える周産期専門医認定施設(一般社団法人 日本周産期・新生児医学会が認定、5年8

ごとに更新される)の資格を維持し、専門研修医を県内で育成できる体制を確保する必要があ9

ります。 10

県内の母体・胎児の周産期専門医認定施設(以下「認定施設」という。)は基幹認定施設11

3ヶ所、指定研修施設3ヶ所であり、新生児認定施設は基幹認定施設が2ヶ所、指定認定施12

設2ヶ所となっています。 13

認定施設の資格要件には、施設基準、指導医に関わる医師の基準、診療実績など、複数14

の要件がありこれらを全て満たす必要があります。 15

認定施設の資格要件の維持は、個々の施設や指導医の努力により行われていますが、認16

定施設資格維持に対する公的支援と、専門研修を県内施設で志す医師を増やす取り組み、17

さらには専門医の資格取得後に県内で働く医師を積極的に増やす取り組みが必要です。 18

19

ウ 周産期医療に関連する診療科医師の現状 20

21

周産期医療の水準を維持するためには、麻酔科をはじめ、未熟児網膜症に対応可能な眼22

科や小児外科、小児泌尿器科など複数診療科とのチーム医療が不可欠であることから、関連23

診療科医等スタッフの確保に取り組む必要があります。 24

同時に専門診療科の医師の偏在や減少、県内医師数などの現状を踏まえ、周産期母子25

医療センターで提供する医療について機能分担を行う必要があります。 26

さらに平成 31 年度からは、産後 2 週目と1ヶ月目に市町村の実施する公的補助による産婦27

健診が開始されます。産科医療機関及び助産所等においては、健診を受診する産婦へ対応28

するスタッフの確保と育成を図る必要があります。 29

30

エ 看護師、助産師の現状 31

32

ハイリスク妊産婦に対する身体・精神面の支援や、NICU の新生児に対する看護は高い専33

門性が求められることから、一定の経験と知識を積んだ看護師・助産師等の配置や、専門性を34

高める看護師・助産師等の育成に取り組むとともに、ハイリスク妊産婦等への支援やローリスク35

の分娩のどちらの症例にも対応できる助産師の実践能力向上のために、研修等の支援を充実36

していく必要があります。 37

産科医不足や分娩取り扱い施設の減少が見込まれるなか、助産師外来において、助産師38

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が自立して正常妊産婦の健康診査や母乳に関する相談等に対応することで、妊産婦の多様1

なニーズに応えることが可能になります。現在、県内には 23 カ所の助産師外来が設置されてい2

ますが、今後も更なる充実が求められています。 3

併せて周産期母子医療センターへの院内助産所の設置により正常分娩を助産師が担う等4

の役割分担についても検討していく必要があります。 5

6

オ リスクのある妊産婦や、重症新生児の医療を支える医療スタッフの現状 7

8

臨床工学技士、薬剤師について 9

重症新生児の管理には、NICUの高度かつ多様化する医療機器を安全に、かつ 24 時間態10

勢で運用することや、周産期に特有な薬剤を安全に投与する必要があります。そのため周産期11

専属の臨床工学技士や薬剤師の配置、または増員が望まれます。 12

表1 13

14

15

16

17

18

19

20

21

臨床心理士(公認心理士)、退院支援コーディネーター、医療ソーシャルワーカー、保育士 22

の現状 23

社会的なハイリスク妊産婦や、NICU入院による母子分離、児の発育や障害の受け入れな24

ど、周産期には様々な面で母親や保護者の心理的、社会的な支援が必要となります。 25

母子の愛着形成や児の健やかな発育・発達を支援するために、臨床心理士(公認心理士)26

や、退院支援コーディネーター、医療ソーシャルワーカー等の医療スタッフや保育士の配置が望ま27

れます。 28

特に臨床心理士(公認心理士)は総合周産期センターの必要条件となっていますが、地域周29

産期センターにおいても心理的、社会的支援が必要な退院困難な母児は多く入院していること30

から、総合周産期センターと同様に地域周産期センターにも臨床心理士(公認心理士)を配31

置することが必要です。 32

33

表2 34

35

36

37

38

平成29年度 周産期母子医療センターの医療スタッフ配置状況

臨床工学技士 薬剤師

29 35(1) (0)48 108(0) (0)

   (    )は周産期センター専属者数  【地域保健課調べ】

総合周産期

地域周産期

臨床心理士 ケースワーカー退院支援

コーディネーター保育士

6 11 23 7

(1) (1) (2) (2)

5 15 21 4

(1) (1) (1) (0)

 (    )は保育士はNICU専属、それ以外は周産期センター専属者数      【地域保健課調べ】    

総合周産期

地域周産期

平成29年度 周産期母子医療センターの医療スタッフ配置状況

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カ ローリスクの分娩を支える産科医の現状 1

図7 2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

【地域保健課調べ】 14

本県で、正常分娩を取り扱う産科医療機関の常勤医師は、60代が20人と最も多く、次いで15

50 代が 17 人となっています。40 代以下は女性医師の割合が高くなっています。 16

また、常勤医師が1~2人の診療体制が多く、産科医師は高齢化していることから、数年後17

には地域の分娩取り扱い医療機関が大幅に減少する可能性があります。 18

全国的に正常分娩を取り扱う産科施設の集約化が進んでいますが、本県においても、圏域19

によっては正常分娩の集約化について検討を行う必要があります。 20

21

4 周産期医療施設の現状と課題 22

(1) リスクのある妊産婦・新生児の医療提供体制 23

ア 周産期母子医療センターの現状 24

身体的疾患や精神疾患を合併した妊婦や 22 週以降の早産児、1000g 未満の超低出生25

体重児等への高度な周産期医療は2ヶ所の総合周産期センターと各医療圏域に設置された26

6ヶ所の地域周産期センターにより提供されています。 27

出産年齢が高くなったこと等によりハイリスク妊婦が増加していること、また救命可能な在胎週28

数の低下や、先天異常等への救命アプローチの変化、医療技術の進歩に伴ってより質の高い29

医療が求められるようになっており、濃密な医療を必要とする妊産婦や新生児は今後も増加す30

ることが見込まれます。 31

本県では長年低出生体重児が全国より高い割合で出生する状況にあり、島嶼県で他県の32

ように県外搬送が容易ではないため、現在提供している周産期医療体制を維持していくには各33

周産期母子医療センターの機能強化と分担を進める必要があります。 34

表3 35

36

37

38

北部 中部 南部 宮古 八重山

那覇市立病院

沖縄赤十字病院

琉球大学医学部附属病院

県立八重山病院

平成29年度 周産期母子医療センター一覧

地域周産期

県立南部医療センター・

こども医療センター県立中部病院

県立北部病院

総合周産期

県立宮古病院

- 259 -

Page 10: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

イ 周産期における高度急性期病床の現状 1

本県は低出生体重児の出生率が高く、総合周産期センターが恒常的に満床状態にあるこ2

とが課題です。また、離島等からも重症の妊産婦及び新生児を受け入れている総合周産期セ3

ンター・地域周産期センターでは、NICUの満床状態が続き、突発的な事例に速やかに対応す4

ることが困難な状態が長期間継続する状況にあります。 5

現状では、出生1万人に対しNICUが 25~30 床という国の整備基準は満たすものの、専門6

医の配置がない地域周産期センターのNICUは対応できる疾患に制限があり、総合周産期セ7

ンターに搬送する事例もみられます。 8

また、観光立県である本県は国内外の観光客も多く、周産期センターでは県内の妊産婦だ9

けではなく、観光客への対応も常に求められています。 10

「周産期医療の体制構築に係る指針」ではGCUはNICUの2倍以上の病床数を有すること11

が望ましいとされていますが現在は 54 床とNICUよりも少ない状況であることから、GCUの整備12

が必要となっています。 13

島嶼県の特徴として、離島にも周産期医療を確保する必要があり、現行の周産期保健医14

療体制整備計画に基づき、定められた病床数の中で、離島を含めた全圏域に高度な地域周15

産期センターを整備したところです。しかし、医療従事者の育成が間に合わず結果的に経験豊16

富な医療者が分散化し、離島からの搬送を受け入れる総合周産期センターや地域周産期セ17

ンター双方の過重負担が課題となっています。 18

また、平成 30 年度にNICUを県立中部病院に9床増床することを予定しており、その稼働状19

況を踏まえ、入院が長期化する重症新生児の出生が集中した際にも十分対応できる病床の20

確保について検討していく必要があります。 21

表4 22

23

24

25

26

27

28

(2) 正常分娩を取り扱う産科施設及び助産所の現状 29

分娩を取り扱う施設は、圏域による地域偏在が大きく、また産科医の高齢化により全県的に30

分娩を取り扱う施設の減少が見込まれます。(表5.図7) 31

表5 32

33

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35

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38

単位:床北部 中部 南部 宮古 八重山  計

NICU 0 12 18 0 0 30GCU 0 18 12 0 0 30NICU 6 0 18 3 3 30GCU 0 0 18 6 0 24NICU 6 12 36 3 3 60GCU 0 18 30 6 0 54

総合周産期

地域周産期

平成29年度 周産期母子医療センターの病床数

 

病院 診療所 合計 病院 診療所 合計出張

他施設借用自施設出張

自施設 合計

平成22年 19 35 54 18 19 37 1 1 0 2

  23年 19 32 51 18 18 36 1 1 0 2

24年 19 32 51 18 19 37 1 1 0 2

25年 19 33 52 18 17 35 1 1 1 3

26年 18 32 50 16 18 34 3 1 1 5

27年 18 28 46 17 16 33 4 0 1 5

28年 18 27 45 17 17 34 4 0 1 5

29年 18 27 45 17 18 35 3 0 1 4

妊婦健診取扱機関 分娩取扱機関 助産所

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Page 11: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1

2

3

4

5

6

7

8

9

5.周産期搬送の現状と課題 10

11

周産期の搬送については、2ヶ所の総合周産期センターを中心に構築された周産期ネットワ12

ークと周産期医療に関わる医師の努力により円滑な搬送が保たれてきました。しかし最近は重13

症新生児の増加に伴うNICUの満床等により、地域からの搬送受入の調整が困難な状況が14

発生しています。また、自宅からの計画外分娩等による搬送受け入れについても、より安全な搬15

送や受け入れ体制を確保、維持するため、搬送の評価システムの構築と全県的な周産期搬16

送の運用の改善に取り組む必要があります。 17

18

6.大規模災害対策への現状と課題 19

これまで本県における災害対策は主に、台風による停電や火事などを想定したものでした。20

今後は大規模災害を想定した訓練や、医療備品等の備蓄を行っている周産期医療施設の状21

況等を把握し、災害発生時にも、周産期医療が継続できる体制を構築するために、小児・周22

産期リエゾンの育成と、周産期医療施設の災害対応マニュアルの策定が必要です。また、災害23

発生時の役割分担について協議の場を設定し、沖縄県災害医療マニュアルに内容を反映し、24

県全体で連携及び調整できる体制を構築する必要があります。 25

26

27

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表6

北部 中部 南部 宮古 八重山 計病院 1 5 9 1 1 17診療所 2 5 10 1 0 18

助産所 ※ 0 1 0 0 0 1

 ※自施設での分娩取り扱いのみ (沖縄県地域保健課調べ)

表7

北部 中部 南部 宮古 八重山 計

平成28年出生数 1,051 6,003 8,315 564 684 16,617 (人口千対) 10.4 12.1 11.5 10.9 12.8 11.6

(人口動態)

平成28年 圏域別出生数及び出生率

平成29年4月末現在

平成29年 圏域別分娩取扱施設数 

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Page 12: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

7 NICU退院児の在宅療育・療養の現状と課題 1

2

(1)NICU等長期入院児及び医療的ケアを要する児の現状 3

昨今は、医療技術等の進歩と周産期医療従事者の努力により妊娠 22 週以降の早産児が4

救命されるようになりました。それに伴い NICU 等に長期入院した後、退院後も引き続き在宅で5

人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な障害児6

(以下「医療的ケア児」という。)が増加しています。 7

平成 28 年 5 月に児童福祉法が改正され、地方公共団体は日常的に医療を要する医療的8

ケア児が、適切な支援を受けられるよう、保健、医療、福祉、その他各関連分野の連携と体制9

整備が求められています。 (※1) 10

早産や出生時体重が 2,000g 未満など、身体の発育が未熟なまま出生した未熟児のうち、11

退院後も医療的ケアを要する児については、市町村と、保健所において全員の状況を把握し、12

支援する必要があります。(※2) 13

周産期母子医療センターに行った調査では、平成 28 年度に社会的要因によりNICUに1年14

以上入院している児はおりませんでしたが、半年以上入院となっている児は1人でしたが、医学15

的には退院可能であるものの、在宅療養生活を開始し、継続するために必要な家族の養育力16

や経済基盤、利用可能な在宅サービスが近くに存在しない等の社会的要因により、周産期母17

子医療センターから新たな環境への移行が困難な児もいます。 18

19

20

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24

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35

(2)在宅移行支援及び在宅療養支援体制の現状 36

周産期母子医療センターにおいて、退院支援等を行う医療スタッフの配置状況は、表2のとお37

りとなっています。 38

※1 児童福祉法の改正 (平成 28 年 5 月 25 日成立・同年 6 月 3 日公布)

第五十六条の六第二項

「地方公共団体は、人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児が、

その心身の状況に応じた適切な保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を受けられるよう、保健、医療、福祉その他

の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備に関し、必要な措置を講ずるように努めなければなら

ない。

※2

平成 25 年度より母子保健法第 20 条に基づく未熟児養育医療事業の実施主体は県から市町村へ権限移譲された。

一方で、18歳未満の児童で長期にわたる治療が必要となる児に対する小児慢性特定疾病事業(医療的ケアを要する

児の多くが受給)は、保健所(県及び中核市である那覇市のみ設置)が実施主体となっている。

そのため、市町村では自市町村の小児慢性特定疾病医療費受給者等、医療的ケアを要する児を把握していない現状

がある。しかし、災害等が発生した際に直接的な支援を行うのは市町村であることから、市町村及び保健所で医療的ケア

を要する児を全数把握しておく必要がある。

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Page 13: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1

訪問看護事業所の現状 2

県内で小児に対応できる訪問看護事業所は 48 事業所で、北部、宮古、八重山圏域では13

カ所ずつとなっており、また理学療法士等と連携し、訪問リハビリを行っている事業所は中部と南4

部圏域にしかなく7箇所となっています。 5

また、人工呼吸器を装着している障害児の家族に対応するレスパイトを行っている訪問看護6

事業所は 22 カ所と、いずれも地域偏在があります。 7

8

表8 9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

在宅支援薬局の現状 20

小児に対応可能な在宅支援薬局は 50 箇所で、地域偏在があります。 21

22

23

24

25

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27

医療型短期入所事業所の現状 28

表11 29

30

31

32

33

34

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36

医療型短期入所事業所でレスパイトの受入れができるのは5事業所 18 床となっていますが、37

受け入れ体制が十分ではないことから、高度な医療的ケアが必要な児の受入れは困難となって38

 (H29.4.1現在)

種類別 定員(単・併)併 4

併・空 3併・空 4併・空 7

空 0(障害福祉課)

医療型短期入所事業所数・定員数 施設名称

名護療育医療センター沖縄南部療育医療センター独立行政法人 国立病院機構 琉球病院沖縄中部療育医療センター沖縄療育園

医療圏域別人工呼吸器装着児のレスパイト対応可能訪問看護事業所の状況

単位:事業所

北部 中部 南部 宮古 八重山 計

1 8 12 1 0 22

表9

(地域保健課)

表10

北部 中部 南部 宮古 八重山 合計

要相談1

12 29 0 9  50要相談1

圏域別在宅医療支援薬局数 (重症心身障がい児)

(沖縄県薬剤師会)

単位:事業所

北部 中部 南部 宮古 八重山 計

① 小児の受け入れについて *受け入れ可能と回答 したステーション

1 17 28 1 1 48

② 理学療法士等による訪問   リハビリを行っている

0 2 5 0 0 7

医療圏域別小児に対応可能な訪問看護事業所の状況

(保健医療総務課)

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Page 14: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

います。 1

医療的ケア児の増加に伴って、短期入所(シートステイ)の希望が多くなっていますが、医療2

機器の整備や看護師をはじめとする人的配置等の実際のコストに対して、施設への経済的給3

付は極めて低いという運営面での課題があります。 4

また、遠方からの利用者も多く、看護師等の添乗を含めての送迎支援(送迎加算)も本来5

必要ですが、現在の報酬加算が未だ不十分であるため、短期入所に超重症児・準重症児を6

受け入れる割合が高くなればなるほど施設運営を圧迫してくるという課題を含んでいます。 7

(公益社団法人 日本重症心身障害児福祉協会の試算では、超・準重症児者にかかる必要経費は8

一人 1 日 43,439 円と算定していますが、サービスの報酬は 28,730【医療型短期サービス費(Ⅱ)24,070 円+特9

別重度支援加算(Ⅰ)3,880+短期入所利用加算300円+短期食事提供加算480円】 と必要経費に比較して少額で10

あることが現状です。) 11

12

(3)在宅生活を送る家族の現状 13

医療的ケアを要する NICU 退院児の在宅療養の現状を把握するため、小児慢性特定疾病14

医療費受給者等(医療的ケア児の多くが受給)の保護者へのアンケートを行ったところ、保護者が15

抱える悩みや不安・不満は主に6つでした。 16

(地域保健課「医療的ケアが必要な在宅療育・療養環境に関する調査」) 17

18

ア 必要な情報の不足 19

児の発育や今後の見通し、困ったときの相談窓口などについての情報が不足しており、不安20

を抱えています。 21

イ 医療的ケアの知識及び手技に関する不安 22

退院時に医療的ケアの手技に関する不安があるなかで在宅療養生活を開始している状況23

にあります。 24

ウ 在宅療養生活を送る上で必要な医療・福祉・保健サービスの不足と地域格差の拡大 25

在宅生活をする上での福祉サービスが不十分であることや、市町村等から提供される情報26

や各種サービスの格差、医療提供体制に対する不満があります。 27

エ 行政機関内及び多機関間の連携不足 28

行政の手続きが保健所や、市町村の複数課にまたがり、その都度対応を求められることへ29

の不満があります。 30

オ 家族のニーズに対応した支援の必要性 31

児の介護で心身共に疲労し、他のきょうだいや家族の世話ができないつらさを抱えています。32

また児の介護による離職や仕事へ復帰できない(就けない)ことによる経済苦を抱えていま33

す。 34

カ 地域社会からの孤立 35

重症児を連れての外出の困難さ等により、地域社会からの孤立を感じています。 36

37

38

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(4)NICU退院支援及び在宅療育・療養の課題 1

NICU長期入院児をはじめとする子どもたちの健やかな成長を地域で保障しつつ、限られた2

医療資源を有効に活用するには、入院中に病状が安定した後は児の医療依存度や家庭環3

境に応じて、家族も安心して病院から移行できる療育・療養環境の体制構築が必要です。 4

しかし、現状は退院後の児や家族を支える社会資源の整備が実態に追いついていない状況5

にあります。 6

円滑に在宅等へ移行するために、周産期母子医療センターにおいては入院中から家族の意7

思を尊重し、家族が退院後の生活や今後の展望をイメージできるような支援を行う必要があり8

ます。 9

また、家族が抱える在宅生活への様々な不安を解消するために、在宅生活を開始する前10

に、医療的ケアや育児の技術の習得、退院後に必要な訪問看護事業所や相談支援事業所11

等との関係の構築、外泊訓練を繰り返し在宅生活のシミュレーションを行うなど、周産期母子12

医療センターと家庭との中間的な役割を担う、新たな在宅移行支援が必要となっています。 13

在宅生活を安心して継続するためには、地域格差なく必要な情報が家族に提供されるよう14

家族を支える支援者(自治体、医療機関、福祉サービス提供者等)への福祉サービス等の情15

報提供の支援のほか、児や家族に対しては発育・発達の促しや在宅療養生活の利便性向上16

を図る各種支援が必要です。 17

現在は重度の障害等のために、外出困難な障害児に対する発達支援を提供するサービス18

はなく、また、気軽に外出ができない、受け入れる保育園がないため職に就けない、きょうだいの19

学校行事に参加できない等により、家族が孤立を感じることや、経済的な課題を抱える状況が20

あります。 21

さらに、児の医療依存度や介護等の依存度に加えて、虐待予防等の観点から家庭の養育22

力に考慮した児の安全な生活環境の整備も求められています。しかし、社会的養育を要する23

医療的ケア児を受け入れられる施設は少なく、家族のニーズに対応できるよう環境を整備するこ24

とが課題となっています。 25

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第2 目指す方向性 1

2

1目指す姿 3

(1).継続的に新生児死亡率、周産期死亡率、妊産婦死亡率の死亡原因を明らかにし、 4

有効な対策による全国並みの医療水準の維持、更なる向上が図られている。 5

(2).県と周産期母子医療センターにより、周産期医療の人材・施設・設備を整備し持続的6

に安全に提供できる体制が構築されている。 7

(3).周産期母子医療センターに入院中から、在宅移行に向けて必要な医療・福祉・保健へ8

の速やかな連携が行われ、退院後の支援体制が構築されている。 9

(4).乳児の状態に応じた療育・療養環境が整備され、成長が保障されている。 10

11

2取り組む施策 12

(周産期医療) 13

(1)周産期医療体制(病床、施設設備)の充実 14

ア 常時緊急受入に対応でき、病状に応じた入院が可能な病床の確保 15

県内で完結すべき周産期医療と、県外施設の協力のもとで提供される周産期医療につ16

いて評価、検討を行い、効率的かつ継続的な医療提供のために、周産期母子医療センター17

が担う機能や役割の検討を行います。 18

また、重症新生児の出生が集中した際にも対応できる病床の確保(増床)に努めます。 19

20

イ 県内で完結すべき医療提供体制の確保 21

県内で完結すべき周産期医療に必要な高度専門的な設備については、その機能を担う22

周産期母子医療センターの施設・設備整備に対して計画的な支援を行います。 23

24

ウ 地域で安全・安心に妊娠・出産ができる環境の整備 25

各圏域において正常分娩に対応出来る分娩取扱施設の維持に努めると共に、計画期間 26

である6年間で変動が推測される圏域については、安全な妊娠出産ができる環境の整備を 27

行うとともに、正常分娩を周産期母子医療センターに集約することを検討していきます。 28

29

エ 周産期に係る死亡の原因分析と医療者で共有する体制の整備 30

新生児死亡、周産期死亡、妊産婦死亡について、県内症例の原因分析を行い、医療従31

事者で共有する体制を構築します。 32

33

(2)周産期医療に必要な人材育成 34

35

ア 周産期医療センターの医療従事者が、高い医療技術を提供しながら働き続けられる環境36

の整備 37

医育機関である大学等とも連携し、将来を担う産科、新生児科医(専門研修医)の人材 38

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Page 17: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

育成・確保に取り組むと共に、周産期専門医認定施設の資格維持に関する支援を行います。 1

2

イ 周産期に関連する診療科等の充実 3

周産期専門医認定施設の資格要件となっている関連診療科などチーム医療を維持するた 4

めに必要な人材の育成・確保に取り組みます。 5

6

ウ 県内すべての圏域において安全・安心に出産ができる環境の整備 7

圏域の分娩取扱医師や看護師、助産師が、周産期母子医療センターとの連携の中で、緊 8

急時にも適切な判断や処置が行えるように、知識や技術についての講習会や研修会の開催を 9

支援し、安全・安心に分娩ができるよう環境の整備に努めます。 10

11

(3)円滑な患者受入、搬送体制の維持 12

13

ア 周産期医療資源に対する県民意識変革への取り組み 14

緊急性や重症度によっては、本島全域を一圏域として圏域外搬送が行われる可能性が高 15

まっている事を周知し、県民全体で周産期医療体制を守るという意識変革に取り組みます。 16

17

イ 周産期医療資源の有効活用を主眼に置いた医療情報システムの整備 18

現在の周産期空床情報システム(OPeN)の内容をさらに充実させ、災害時にも対応可能19

な医療情報システムの整備に取り組みます。 20

21

ウ 搬送体制の整備 22

ハイリスク妊産婦と新生児を速やかかつ安全に、適切な周産期施設へ搬送するため、分娩 23

取扱施設における救命措置や、周産期搬送の事後評価、フィードバックを行う仕組みを構築し 24

ます。 25

また、周産期に係る施設間搬送や自宅からの緊急搬送を行う救急隊への積極的な情報収26

集や連携を図ると共に、今後も研修開催等により緊急時に適切な対応ができるよう支援しま27

す。 28

29

エ 全県的に周産期母子医療センターと地域や中間施設との調整を行うNICU入・退院支援30

コーディネートチーム(※3)の設置 31

全県的に周産期母子医療センターや地域(市町村)、中間施設や福祉施設等との退院に 32

向けた調整や、県外での治療を要する妊産婦や新生児の搬送コーディネート、治療終了後の33

入院受け入れ先の調整を行う等、退院支援コーディネートチームの設置に取り組みます。 34

35

36

37

38

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Page 18: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1

2

3

4

5

6

オ 外国人観光客に対する周産期医療提供体制の整備 7

外国人観光客に対しては、県が行う通訳派遣事業等を活用し、周産期母子医療センター 8

の負担軽減に取り組みます。 9

(4)災害時にも周産期医療が提供できる体制の確保 10

11

ア 県周産期全体の行動計画(アクションプラン)を整備 12

全周産期母子医療センターの産科、新生児科、小児科医師に対して琉球大学を中心に13

小児・周産期リエゾンを養成し、日本産科婦人科学会等との連携を図ります。また災害時に14

協力可能な医療者、臨床心理士会や県内大学等との調整を行うほか、周産期における災15

害時の計画を策定し、被災後も円滑に周産期医療が提供できるよう取り組みます。当該計16

画については、沖縄県災害医療マニュアルとの整合性を図り、県全体で連携できる体制を構17

築します。 18

19

イ 産科医療機関や助産所における行動計画(アクションプラン)の整備 20

周産期施設の災害時の役割分担について協議を行い、研修会の開催等により各施設の 21

行動計画策定の支援を行います。 22

23

ウ 災害時の周産期医療体制について県民への情報公開と、啓発 24

妊産婦ひとりひとりが平時から災害に備えられるよう、必要な情報の公開に取り組みます。 25

26

(在宅療育・療養環境) 27

28

(5)乳児の状態に応じた療育・療養環境の整備 29

ア NICU から円滑に退院できる環境整備 30

児や家族が周産期母子医療センターから安心して退院するためには、支援者は家族の意31

思を尊重し、家族が退院後の生活や今後の展望をイメージできるよう支援することが必要で32

す。そのためには、在宅移行に向け全ての周産期母子医療センターで実施する統一した退33

院支援プログラムを作成するなど、院内での支援体制を整備するとともに、退院支援コーディ34

ネートチームを活用し院外の支援者との連携など、円滑な退院を支援します。 35

36

37

38

※3 現在、医療的ケアを要する児や、家族の養育力等により、退院後複数の関係機関の支援が必要な児等の退院調

整会議は、その都度各周産期母子医療センターが行っている。困難事例ほど、頻回に調整会議を開催する必要があり、ま

た会議開催に係る調整に時間を要するため、医師や看護師長等の負担となっている。そこで、退院困難な児について、全県

的に入・退院調整を行うコーディネートチーム(複数の専門家で形成される)を設置する必要がある。

詳細については図9を参照。

- 268 -

Page 19: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

イ 在宅移行支援病床を持つ中間施設の設置支援 1

在宅生活を開始する前に、家族が医療的ケアの手技を習得し育児指導を受けるととも2

に、退院後に活用できる訪問看護ステーション等との関係構築や、外泊訓練等を通し在宅3

生活のシミュレーションを行うなどの在宅移行のための支援が必要です。 4

児の健やかな成長を保障するとともに、限られた医療資源を有効に活用するため、在宅移5

行支援と医療を提供できる病床を持つ中間施設(※4)の設置に向けて検討する体制を整備6

します。 (※4)中間施設については図8を参照7

- 269 -

Page 20: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1

図8

- 270 -

Page 21: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

36

37

38

I-H

社会的養育が必要

社会的リスクが低い

II-H

社会的養育が必要

      は従来の退院のながれ

      は退院支援コーディネート

       チーム配置後のながれ

「児の状態に応じた療育・養育環境の整備」

I III社会的超ハイリスク群(在宅が望めない)

医学的ハイリスクかつ

社会的ハイリスク群

社会的ローリスクながら

医学的ハイリスク群

医学的に重症度が低いが、家族の養育力が低い状態

医学的に重症度は低く、家族の養育力は高い状態

医学的に重症度が高く、かつ家族の養育力が低い状態

医学的に重症度は高いが、家族の養育力は高い状態

II IV社会的超ハイリスク群(在宅が望めない)

医学的ローリスクながら

社会的ハイリスク群

社会的ローリスクかつ

医学的ローリスク群

jy重症度低い

周産期母子医療センター

Ⅰ 医療型障害児

入所施設Ⅱ 福祉型障害児

入所施設Ⅲ 中間施設

(在宅移行病院等)

Ⅳ 自宅

自宅

<課題>

Ⅰ 看護師とソーシャルワーカーの2職種の退院支援コーディネーターが必要で、早期から児童相談所と連携が必要

Ⅱ 福祉型障害児入所施設が医療的ケアができると児の能力にあった環境が提供できる。

Ⅲ 医療的ケアや子育て技術の向上、療育が開始され、スムーズな在宅移行ができる。

Ⅳ 入院時から地域移行に向けた「退院支援プロガラム」や必要に応じ退院前調整会議があると安心して退院ができる。

全県的な周産期母子医療センターの入・退院支援を行う

退院支援コーディネートチームの設置

退院調整のコーディネートを行う担当者

入・退院整のコーディネートを

行う担当者

医療依存度が高い (医療、訪問看護との連携が必要)

看護師とソーシャルワーカーの2職種の退

院支援コーディネーターが必要で、早期

から児童相談所と連携が必要

中間施設入院中に外泊訓練・医療的ケア

や子育て技術等の向上及び療育を開始す

る必要

社会的リスクが高い(児童相談所との連携が必要)

ソーシャルワーカーの退院支援コーディネーターが

必要で、早期から児童相談所と連携が必要

退院支援プログラムや退院前調整会議等

在宅移行支援を行う体制が必要

図 9

- 271 -

Page 22: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

ウ 全県的に周産期母子医療センターと、地域や中間施設との調整を行う NICU 入・退院コー1

ディネートチームの設置 (再掲) 2

在宅移行を円滑に行うため、その時の児に必要な医療度にあわせ、適宜、必要な医療や3

在宅生活に向けた支援が受けられるよう体制を整備します。 4

5

(6) 医療的ケア児や家族が安心して在宅療育・療養生活を継続できる環境の整備 6

ア 医療体制の整備 7

医療的ケア児や家族が安心して在宅生活を継続するために、病状の変化に応じ急変時8

には周産期母子医療センターなど高度な医療を提供する医療機関へ、日頃の診療はかかり9

つけ医が行う等の役割分担を行い、医療連携できる体制を整備します。 10

また、研修等により小児に対応可能な訪問看護事業所の増加に向け支援を強化してい11

きます。 12

13

イ 福祉体制(家族支援)の整備 14

在宅で医療的ケア児の介護生活を安心・安全に継続するために、家族が利用しやすい重15

症児や医療的ケアを必要とする児に対応できる在宅児童福祉サービスの情報を整備しま16

す。 17

18

ウ 母子保健体制の整備 19

NICUからの退院児や、重症児、医療的ケア児の情報が市町村において把握され、その児20

や家族に必要な支援機関につながれるような仕組みを構築します。 21

22

23

エ 医療・福祉・保健の連携によるサービスの充実 24

在宅生活を支えるためには、福祉サービスの充実が不可欠ですが、現状では重度の障害の25

ために外出が困難な障害児に、発達支援を提供するサービスがありません。このため、平成26

30 年度から国では、新たに居宅訪問による児童発達支援サービス事業の新設や、短期入27

所サービスに医療的ケア児を受け入れる場合の報酬区分の追加など、必要な制度改正が28

検討されています。これら新たな制度を含めた必要な在宅サービスが、適切に提供されるよう29

各分野の支援者が連携して取り組みます。 30

31

オ 地域の中で家族とともに安全に安心して生活できる体制の整備 32

地域の中で家族とともに安全に安心して生活するためには、地域住民が医療的ケア児とそ33

の家族について理解する必要があります。家族が孤立しないよう地域で支え見守る意識を醸34

成すると共に、市町村における災害時の支援体制が整備できるよう取り組みます。 35

36

37

38

- 272 -

Page 23: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

第3 数値目標 1

2

1.目指す姿 (周産期医療) 3

(1)継続的に新生児死亡率、周産期死亡率、妊産婦死亡率の死亡原因を明らかにし、有4

効な対策による全国並みの医療水準の維持、更なる改善が図られている。 5

6

(2)県と周産期母子医療センターにより、周産期医療の人材・施設・設備を整備し持続的に7

安全に提供できる体制が構築されている。 8

指 標

現 状

目 標

(H35)

目標値の

考 え 方

データの

出 展

取り組みの

主 体

新生児死亡率

〔 人〕

0.8〔14 人〕

H28 年

現状維持

全 国 水 準 を

達成しており、

数値的には維

持を目指す

人口動態

統計

周産期母子

医療センター 周産期死亡率

〔 人〕

3.8〔63 人〕

H28 年

現状維持

妊産婦死亡率

〔 人〕

0〔0 人〕

H28 年

現状維持

妊産婦死亡原因 0

H28 年

現状維持

9

(3)周産期母子医療センターに入院中から、在宅移行に向けて必要な医療、福祉、保健への 10

速やかな連携が行われ、退院後の支援体制が構築されている。 11

指 標

現 状

目標

(H35)

目標値の考え方

データの

出 展

取り組みの

主 体

社会的要因による

NICU長期入院児数

(1年以上)

0 人

H28 年度

0

全県的な周産期

母子医療センター

の入・退院コーディ

ネートチームの活

動によるNICUから

の円滑な在宅移

地域保健

課調査

周 産 期 母 子 医

療センター 社会的要因による

NICU入院児数

(半年以上)

1人

H28 年度

0

12

13

14

15

16

17

18

- 273 -

Page 24: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

目指す姿 (在宅療育・療養環境) 1

(1)乳児の状態に応じた療育・療養環境が整備され、成長が保障されている。 2

指 標

現 状

目 標

(H35)

目標値の考え方

データの

出 展

取り組みの

主 体

社会的要因による

NICU長期入院児数

(1年以上)

全県的な周産期

母子医療センターの

入・退院コーディネー

トチームの活動による

NICUからの円滑な

移行

地域保健課

調査

周 産 期 母 子 医

療センター

社会的要因による

NICU入院児数

(半年以上)

災害時に医療的ケア児

の対応が決まっている市

町村数

H29 年度

増 加

市町村が医療的ケア

児の数を把握して対

応を検討している

県調査

市町村

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

再 掲

- 274 -

Page 25: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

2 取り組み施策 (周産期医療) 1

(1)周産期医療体制(病床、施設設備)の充実 2

指 標

現 状

目 標

(H35)

目標値の考え方

データの

出 展

取り組み

の主 体

1 分娩数 15,774

H28 年

- -

地域保健課

調査

2 周産期病床数

〇NICU

♦総合周産期

♦地域周産期

本島

宮古

八重山

〇GCU

♦総合周産期

♦地域周産期

本島

宮古

八重山

(30 床)

(24 床)

(3 床)

(3 床)

(30 床)

(18 床)

(6 床)

(0 床)

H29 年度

重 症 新 生

児 集 中 時

にも対応可

能 な 病 床

増加

重症新生児の出生

が集中した際にも十

分に対 応できる 病

床を確保する

周産期母子医療センター

3 周産期母子医療センタ

ーの機能分担について協

議の場がある

なし

H29 年度

ある

未熟児の医療が県

内で行え る現 状を

維持する

地域保健課

調査

4周産期死亡要因、搬

送の評価を行い結果を周

産期施設で共有する場

がある

なし

H29 年度

ある

周産期施設と消防

等で情報共有し、

安全かつ適切な搬

送体制を維持する

周産期母子医療センター

沖縄産科婦人科学会

沖縄県産婦人科医会

沖縄県消防長会

3

4

5

6

7

8

9

10

11

- 275 -

Page 26: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

(2)周産期医療に必要な人材育成 1

※1 実員とは病休・産休・育休を含まない実際に勤務している人数 2

※2 6ヶ月以上の国内外研修に行っている人数 3

指 標

現 状

目 標

(H35)

目標値の

考え方

データの

出 展

取り組みの

主体

1周産期母子医療センター

分娩取扱産婦人科医師数

(常勤)

♦総合周産期

♦地域周産期

実員※1(うち定数)

【研修派遣者数】 ※2

18 人(24 人)

【 0 人 】

43 人( 41 人)

【 0 人 】

H29 年度

増 加

少 な く と も

定 数 の 充

地 域保 健 課

調査

周産期母子

医療センター

2 NICU専任及びNICU

担当医師数

♦総合周産期

(新生児科)

♦地域周産期

(小児科)

実員(うち定数) ※1

【研修派遣者数】 ※2

11 人

(小児科の定数枠内で

配置)

【 0 人 】

21人

(25 人)

【 0 人 】

H29 年度

3周産期専門医認定施設数

(①母体・胎児/②新生児)

♦総合周産期

♦地域周産期

①3ヶ所/②2ヶ所

①3ヶ所/②2ヶ所

H29 年度

少なくとも

現状維持

県 内 で 専

門 医 の 認

定が受けら

れる体制を

維持する

4周産期に関する研修会開催

回数及び参加人員

・研修会開催回数

・参加人数

・3種類(11 回)

・(226 人)

H28 年度

増加

各 施 設 の

ス タ ッ フ 全

員 が 研 修

を受ける

地 域保 健 課

調査

周産期施設

- 276 -

Page 27: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

5新生児集中ケア認定看護師

数:人口 10 万対

(内訳)

♦総合周産期

♦地域周産期

0.28 人

( 2 人)

( 2 人)

H29 年度

0.31 人

(全国 H29 年

値)

全 国 平 均

以上

日 本看 護 協

会登録数

(地域保健課

調査)

周産期母子

医療センター

1

(参考指標) 2

周産期専門研修医数

(①母体・胎児/②新生児)

♦総合周産期

♦地域周産期

①2 人 / ②5 人

①2 人 / ②2 人

H29 年度

増 加

県 内 で 専

門 医 の 認

定が受けら

れる体制を

維持する

地 域 保 健

課調査

小児外科専門研修医数

♦総合周産期

♦地域周産期

0 人

2 人

H29 年度

少なくとも

現状維持

周産期母子医療センターに勤務す

る常勤の関連診療科医師数

〇麻酔科医

♦総合周産期

♦地域周産期

〇眼科医(未熟児網膜症対応)

♦総合周産期

♦地域周産期

〇小児外科医

♦総合周産期

♦地域周産期

(16 人/2 ヶ所)

(21 人/6 ヶ所)

(3 人/2 ヶ所)

(5 人/6 ヶ所)

( 4 人/2 ヶ所)

( 4 人/6 ヶ所)

H29 年度

未 熟 児 医

療 が 県 内

で行える体

制の維持

分娩取り扱い施設数

・産科施設

・助産所 ※施設のみ

【うち院内助産所等】

・35 ヶ所

・1ヶ所【0ヶ所】

H29 年度

現状維持

地 域 で 出

産できる体

制の維持

3

4

5

6

7

- 277 -

Page 28: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

(3)円滑な患者受入、搬送体制の維持 1

指 標

現 状

目標

(H35)

目標値の

考え方

データの

出 展

取り組みの

主 体

1搬送受入数

・母体搬送受入数

♦総合周産期

♦地域周産期

・新生児搬送受入数

♦総合周産期

♦地域周産期

537 件

267 件

270 件

312 件

143 件

169 件

H28 年度

増 加

本島全域を一圏

域にし、周産期母

子医療センターの

機能分担による

搬送件数の増、

受入困難事例の

地域

保健課

調査

周 産 期 母

子医療セン

ター

2受入困難事例数

・母体受入困難事例数

♦総合周産期

♦地域周産期 ※1

・新生児受入困難事例数

♦総合周産期

♦地域周産期 ※1

100 件

86 件

14 件

45 件

40 件

5 件

H28 年度

減 少

3県内搬送率

100%

H29 年度

現状維持

特殊な手術を除き

県内で完結できる

体制の維持

4県民への意識啓発の広報

回数

1回

H29 年度

全妊婦

へ周知

全市町村及 全

周産期母子 医

療センターで周

地域

保健課

調査

市町村

周 産 期 母

子医療セン

ター

5全県的な入・退院調整を行う

コーディネートチームの配置

なし

H29 年度

1(チーム)

1チーム設置

周産期母

子医療セン

ター

6空床情報システムの改修

改修なし

H29 年度

改修

空床情報システ

ムの充実

※1 受入困難事例数は1施設カウント未実施のため計上していない。 2

3

4

5

- 278 -

Page 29: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

(4)災害時にも周産期医療が提供できる体制の確保 1

指 標

現 状

目標

(H35)

目標値の

考え方

データの

出 展

取り組みの

主体

1小児・周産期リエゾン

研修受講者数

・産科

総合周産期

地域周産期

・新生児科・小児科

総合周産期

地域周産期

認定者数

・産科

総合周産期

地域周産期

・新生児科・小児科

総合周産期

地域周産期

2

0

2

2

0

0

H29 年度

2

6

2

6

2

6

2

6

全 周 産 期 母

子 医 療セ ン タ

ーの産科及び

新生児科・小

児科を研修へ

派遣し、受講

者をリエゾンとし

て認定

地域

保健課

調査

周 産 期 母

子医療セン

ター

2災害対策に関する検討会の

設置

検討会なし

H29 年度

検討会設置

関係団体

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

- 279 -

Page 30: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

取り組み施策 (在宅療育・療養環境) 1

(5)乳児の状態に応じた療育・療養環境の整備 2

ア NICUから円滑に退院できる環境整備 3

指 標

現 状

目標

(H35)

目標値の

考え方

データの出展

取り組みの

主 体

1 退院支援プログラムがある周産

期母子医療センター数

・総合周産期

・地域周産期

1

3

H29 年度

8 箇所

全 周 産 期 母

子 医 療セ ンタ

ー で 統 一 し た

退院支援プロ

グラムの実施

地域保健課

調査

周 産 期 母

子医療セン

タ-

2 在宅移行支援病床を持つ

中間施設数

0 施設

H29 年度

1 施設

少なくとも

1 施設設置

療 育 医 療

センター等

中間施設

3 全県的な入・退院調整を行う

コーディネートチームの配置

4

(6)医療的ケア児や家族が安心して在宅療育・療養生活を継続できる環境の整備 5

ア 医療体制の整備 6

指 標

現 状

目標

(H35)

目標値の

考え方

データの出展

取り組みの

主 体

1 持病の急変時に対応できる圏

域の周産期母子医療センター数

8

H29 年度

現状維持

地域保健課

調査

周産期母子

医療センタ-

2 小児に対応している訪問看護

事業所数(サテライト含む)

・北部

・中部

・南部

・宮古

・八重山

H29 年度

県内 48

17

28

1

1

県内 53

2 以上

2 以上

2 以上

北部・宮古・

八重山地域

に増加

保健総務課

調査

3退院支援プログラムがある周産

期母子医療センター数

7

8

9

再 掲

再 掲

- 280 -

Page 31: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

(参考指標) 1

緊急時にどこを受診してよいか

知っている親の割合

H30 年度

調査予定

増加

統 一 し た 退 院 支

援プログラム実施

により増加

地域保健課

調査

周 産 期 母子

医療センター

2

イ 福祉体制(家族支援)の整備 3

(参考指標) 4

指 標

現 状

目標

(H35)

目標値の考え方

データ

の出展

取り組みの

主 体

1医療的ケア児に対応できる相

談支援事業者所数

(障害児相談支援事業所数)

(149)

増加

身近にあって利用

できる

県調査

市町村

社会福祉

法人等

2医療的ケア児に対応できる

レスパイト支援及び通所サービ

ス施設数

・医療型短期入所事業所数

・医療型児童発達支援

事業所数

・児童発達支援事業所

(重症心身障害)

5

2

16

H29 年度

3相談先を知っている保護者の

割合

H30 年度

調査予定

増加

統 一 し た 退 院 支

援プログラム実施

により増加

周 産 期 母 子

医 療 セ ン タ ー

ウ 母子保健体制の整備 5

指 標

現 状

目標

(H35)

目標値の

考え方

データの出展

取り組みの

主 体

1保健所における医療的ケアを

要する小児慢性特定疾病児の

訪問実施率

53.3%

H29 年度

100%

医療的ケア児

の全数訪問

地 域 保 健 課

調査

2市町村における未熟児訪問の

実施率 (実人員訪問件数)

16.2%

(83 件)

H28 年度

100%

未熟児の全数

訪問

地域保健

健康増進

事業報告

市町村

6

- 281 -

Page 32: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

エ 地域の中で家族とともに安全に安心して生活できる体制の整備 1

指 標

現 状

目標

(H35)

目標値の

考え方

データの出展

取り組みの

主 体

医療的ケアを要する児を避難行

動要支援者名簿に登載している

市町村数

H29 年度

増加

増加

県調査

市町村

2

3

4

- 282 -

Page 33: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

指標1周産期病床数(NiCU)、(GCU)

指標2周産期母子医療センターの機能分担について協議の場がある

指標1周産期母子医療センター分娩取り扱い産婦人科医師数

指標2

指標3

指標4

指標6

参考

指標

指標1

指標2

指標

コーディネートチームの配置及び連携回数

周産期医療資源維持に必要な県民への意識啓発

211 2 3 3211

地域で出産できる体制の確保

指標

周産期死亡要因の分析と周産期搬送の評価を

行い、結果を全周産期施設で共有する場があ

周産期医療人材の育成

母体受入困難事例数、新生児受入困難事例数

広報回数

指標

母体搬送率、 県内新生児搬送率

周産期に関する研修会開催回数、参加人数

新生児認定看護師の数

指標

システム改修と災害対策に関する検討会の設

置及び検討会の開催回数

全県的な入・退院支援コーディネートチームの設置

3

円滑な患者受入、搬送体制の維持

空床情報システムの充実

小児外科研修医数

周産期母子医療センターに勤務する関連診療科医師数

(麻酔科、眼科(未熟児網膜症対応可)、小児外科医)

指標5

災害時にも周産期医療が提供できる体制の確保

災害を想定した準備

指標1小児・周産期リエゾン研修受講者数、認定者数

システム改修と災害対策に関する検討会の設

置及び検討会の開催回数

指標

4

災害時に対応できる人材育成

県独自

指標

社会的要因によるNICU長期入院児数(1年以上)

社会的要因によるNICU長期入院児数(半年以上)

分娩取扱施設数       (①産科施設 ②助産所)

NICU専任及びNICU担当医師数

周産期専門医認定施設数  (①母体・胎児/②新生児)

周産期専門研修医      (①母体・胎児/②新生児)

周産期医療(周産期医療)分野 施策・指標体系図

C 個別施策

B 中間アウトカム

A 分野アウトカム

県内及び県外で提供する医療連携が確認されている

1

周産期医療体制(病床・施設整備)の充実

めざす

べき姿

継続的に新生児死亡率、周産期死亡率、妊産婦死亡率の原因

を明らかにし、有効な対策による全国並みの安全性の維持、更

なる改善を図る

周産期医療において人材・施設・設備が持続的に安全に提供で

きる体制が整備されている。

周産期母子医療センター入院中から、必要な医療、福祉、保健

への速やかな連携が可能な支援体制が構築されている。

2

周産期医療に必要な人材育成

必須

指標

・新生児死亡率

・周産期死亡率

・妊産婦死亡率・死亡原因

必要な病床数が配置されている

- 283 -

Page 34: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

  

  

 

番号

番号

番号

周産

期母

子医

療セ

ンタ

ーに

おけ

る在

宅移

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援の

体制

整備

1

検討

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2指

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して

在宅

療育

・療

養生

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継続

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る環

境整

緊急

時に

どこ

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診す

れば

よい

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指標

医療

体制

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アが

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きる

救急

病院

指標

3

  

周産

期医

療(在

宅療

育・療

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施策

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標体

系図

C 

個別

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B 

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指標

2退

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援プ

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在宅

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指標

指標

5

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指標

4

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・福祉

保健

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指標

42

3

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養生

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子保

健体

制の

整備

在宅

で療

育・療

養生

活が

継続

でき

る福

祉体

制の

整備

指標

1 2

指標

在宅

で療

育・療

養が

継続

でき

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療体

制の

整備

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的ケ

アを

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病児

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握し

てい

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る市

町村

指標

3

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・福祉

・保健

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子保

健体

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指標

指標

在宅

移行

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体制

整備

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医療

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援率

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在宅

児童

福祉

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在宅

移行

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設数

指標

全県

的な

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院コ

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ィネ

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置(再

掲)

指標

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医療

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指標

指標

1

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指標

1

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利用

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るN

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半年

以上

の社

会的

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るN

ICU

入院

児数

指標

指標

指標

乳児

の状

態に

応じ

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育・療

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され

てい

- 284 -

Page 35: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 (5) 小児医療

2

3 第1 現状と課題

4 1 小児をとりまく状況

5 ⑴ 小児の疾病構造

6

7 ア 定 義

8 本章において、小児の年齢区分については別に記載のない限り次のとおりとします。

9 (ア) 新生児:生後4週未満

10 (イ) 乳 児:1歳未満

11 (ウ) 小 児:0~14歳

12

13 イ 患者数

14 小児の1日の人口10万対受療患者数(平成26年10月)は、全国で入院437人、外

15 来10,265人、本県で入院281人、外来7,771人となっており、入院、外来ともに全国平

16 均に比べ、低くなっています。

17

18 表1 人口10万対受療人数(平成26年10月中) (単位:人)

19 入 院 外 来

20 (0~4歳) (5~14歳) 計 (0~4歳) (5~14歳) 計

21 沖縄 215 66 281 5,608 2,163 7,771

22 全国 345 92 437 6,762 3,503 10,265

23 ※厚生労働省患者調査(平成26年)

24

25 ウ 入院

26 本県の傷病別の入院患者数は、周産期に発生した病態が35.2%と最も多く、次に、

27 呼吸器系の疾患が14.6%となっており、全体の約5割を占めています。

28 割合が5%以上の傷病で比較すると、本県は、周産期に発生した病態、損傷、中毒

29 及びその他の外因の影響、神経系の疾患の割合が全国値より高く、呼吸器系の疾

30 患、先天奇形、変形及び染色体異常、新生物の割合が全国値より低くなっています。

31 特に、中毒及びその他の外因の影響による入院の割合が全国の2倍以上、先天奇

32 形、変形及び染色体異常による入院の割合が全国の約半分となっています。

33

34

35

- 285 -

Page 36: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 表2 傷病別入院患者数(平成26年10月中)全国割合5%以上の傷病 (単位:人)

2 傷 病 分 類 全 国 沖縄県

3 人数 割合 順位 人数 割合 順位

4 周産期に発生した病態 126 28.8% 1 99 35.2% 1

5 呼吸器系の疾患 81 18.5% 2 41 14.6% 2

6 損傷、中毒及びその他の外因の影響 19 4.3% 6 26 9.3% 3

7 神経系の疾患 34 7.8% 4 25 8.9% 4

8 先天奇形、変形及び染色体異常 52 11.9% 3 18 6.4% 5

9 新生物 24 5.5% 5 13 4.6% 6

10 ※厚生労働省患者調査(平成26年)

11

12 エ 外来

13 本県の傷病別の外来患者数は、呼吸器系の疾患が49.8%と最も多く、次に、健康

14 状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用が12.4%、消化器系の疾患が11.4

15 %となっております。

16 割合が5%以上の傷病で比較すると、本県は、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患、

17 感染症及び寄生虫症の割合が全国値より高く、健康状態に影響を及ぼす要因及び

18 保健サービスの利用、皮膚及び皮下組織の疾患の割合が全国値より低くなっていま

19 す。

20 特に、呼吸器系の疾患による外来割合が全国値より9ポイント高く、皮膚及び皮下

21 組織の疾患による外来の割合が全国値の約6割となっています。

22

23 表3 傷病別外来患者数(平成26年10月中)全国割合5%以上の傷病 (単位:人)

24 傷 病 分 類 全 国 沖縄県

25 人数 割合 順位 人数 割合 順位

26 呼吸器系の疾患 4,182 40.8% 1 3,873 49.8% 1

27 健康状態に影響を及ぼす要因 1,741 17.0% 2 960 12.4% 2

28 及び保健サービスの利用

29 消化器系の疾患 1,051 10.2% 3 886 11.4% 3

30 感染症及び寄生虫症 500 4.9% 5 479 6.2% 4

31 皮膚及び皮下組織の疾患 787 7.7% 4 337 4.3% 5

32 ※厚生労働省患者調査(平成26年)

33

34

- 286 -

Page 37: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 ⑵ 死亡の状況

2 ア 新生児・乳児

3 平成28年の本県の出生1,000人当たりの新生児死亡率は0.8で全国平均0.9より

4 低く、乳児死亡率は1.9で全国平均2.0より低くなっています。

5

6 図1 新生児死亡率・乳児死亡率(出生1,000対)

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20 ※沖縄県人口動態統計

21

22 新生児死亡者の死因では、周産期に発生した病態が50.0%と最も多く、次に、先天

23 奇形、変形及び染色体異常が42.9%となっています。

24 また、乳児死亡者の主な死因を見ると、先天奇形、変形及び染色体異常が35.5%

25 と最も多く、次に、周産期に発生した病態が29.0%となっています。

26 表4 乳児死亡者・新生児死亡者の死因順位 (単位:人)

27 新生児(生後4週未満) 乳児(1歳未満)

28 死亡の原因 死亡数 割合 順位 死亡数 割合 順位

29 周産期に発生した病態 7 50.0% 1 9 29.0% 2

30 先天奇形、変形及び染色体異常 6 42.9% 2 11 35.5% 1

31 その他のすべての疾患 1 7.1% 3 4 12.9% 4

32 乳幼児突然死症候群 - - - 5 16.2% 3

33 腸管感染症 - - - 1 3.2% 5

34 不慮の事故 - - - 1 3.2% 5

35 合計 14 100% 31 100%

36 ※沖縄県人口動態統計(平成28年)

2.2

0.9

1.2

0.8

1.61.3

1.10.9

3.8

2.42.4

1.9

3.12.6

2.32

0

1

2

3

4

H13 H18 H23 H28

新生児死亡率県 新生児死亡率全国

乳児死亡率県 乳児死亡率全国

- 287 -

Page 38: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 イ 小児

2 (ア) 死亡数

3 平成28年の本県の小児の死亡数は52人で、平成23年の86人より34人減少して

4 います。

5 平成13年からの推移をみると、死亡数は年によってばらつきがあります。

6

7 表5 小児の死亡数 (単位:人)

8 小児死亡数

9 年次 全国 沖縄

10 計 年齢別内訳 計 年齢別内訳

11 0~4 5~9 10~14 0~4 5~9 10~14

12 平成13年 6,296 4,936 709 651 95 81 9 5

13 平成18年 5,125 3,940 612 573 66 48 10 8

14 平成23年 5,099 3,622 749 728 86 61 17 8

15 平成28年 3,449 2,618 391 440 52 40 7 5

16 ※人口動態統計

17

18 (イ) 死因順位

19 平成28年の小児死亡者の死因は、先天奇形、変形及び染色体異常が28.9%と

20 最も多く、次に、周産期に発生した病態が17.3%となっています。

21 年齢(5歳階級)別に主な死因の構成割合をみると、0~4歳では先天奇形、変形

22 及び染色体異常、5~9歳では先天奇形、変形及び染色体異常や不慮の事故等、

23 10~14歳では不慮の事故等がそれぞれ多くなっています。

24

25 表6 小児(0~14)の死因順位(全体に占める割合が5%以上の死因) (単位:人)

26 小児(15歳未満)

27 死 因 死亡数 割合 順位

28 計 0~4 5~9 10~1429 歳 歳 歳

30 先天奇形、変形及び染色体異常 15 13 2 - 28.9% 1

31 周産期に発生した病態 9 9 - - 17.3% 2

32 不慮の事故等 7 2 2 3 13.5% 3

33 乳幼児突然死症候群等 6 6 - - 11.5% 4

34 悪性新生物等 3 1 1 1 5.8% 5

35 感染症及び寄生虫 3 2 1 - 5.8% 5

36 ※沖縄県人口動態統計(平成28年)

- 288 -

Page 39: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 ⑶ 小児救急搬送の状況

2 ア 年齢区分別救急搬送者数

3 平成26年の本県の救急搬送者65,308人のうち、新生児は241人、乳幼児は3,458人、

4 少年は3,300人で、平成21年と比較すると、新生児では19人減少、乳幼児で684人増

5 加、少年で260人増加しています。

67 図2 年齢区分別救急搬送者数

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18 ※沖縄県防災危機管理課資料

19 イ 年齢区分別人口当たり搬送率

20 平成21年と平成26年の救急搬送者数を各年度の人口当たりの搬送率で比較すると、

21 人口の変動にかかわらず、搬送率は増加しています。

2223 表7 年齢区分別救急搬送者数(平成21年度・平成26年度比較)

24 H21年度 H26年度 増減

25 年齢区分 件数 人口当たり 件数 人口当たり 件数 人口当たり

26 搬送率 搬送率 搬送率

27 新生児・乳幼児(0歳~7歳未満) 3,034 2.7% 3,699 3.2% 665 0.5

28 (内訳)

29 新生児(生後28日未満) 260 - 241 - -19 -

30 乳幼児(生後28日以上7歳未満) 2,774 - 3,458 - 684 -

31 少年( 7歳以上18歳未満) 3,093 1.7% 3,300 1.8% 207 0.1

32 成人(18歳以上65歳未満) 23,473 2.8% 25,934 3.1% 2,461 0.3

33 老人(65歳以上) 24,935 10.4% 32,375 11.6% 7,440 1.2

34 合 計 54,535 3.9% 65,308 4.6% 10,773 0.7

35 ※沖縄県防災危機管理課資料より作成

36 ※H21年度の人口はH22国勢調査人口、H26年度の人口はH27国勢調査人口を利用

37 ※新生児・乳幼児の人口当たり搬送率の内訳は新生児人口が把握できないため空欄とした。

214 257 260 241

2,6372,795

2,774

3,458

2,587

3,013 3,0933,300

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

平成11年 平成16年 平成21年 平成26年

新生児 乳幼児 少年

- 289 -

Page 40: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 ウ 傷病程度別救急搬送者数(新生児・乳幼児)

2 平成26年に救急搬送された新生児及び乳幼児のうち、軽症者の数は、新生児が241

3 人中25人で10.4%、乳幼児が3,458人中2,804人で81.1%となっており、乳幼児の軽症

4 患者が救急医療機関を多数受診していることがうかがえます。

5 このような小児救急における受療行動には、少子化、核家族化、夫婦共働きといっ

6 た社会情勢や家庭環境の変化に加え、保護者などによる専門医指向及び病院指向

7 が大きく影響しているといわれています。

8

9 図3 新生児・乳幼児の傷病程度別救急搬送者数(平成26年度)

10 【新生児】 【乳幼児】

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21 ※沖縄県防災危機管理課資料

22

23 ⑷ 小児救急電話相談事業(#8000)の状況

24 小児患者の保護者の不安軽減や救急医療機関の負担軽減を目的に、小児科医

25 師、看護師による保護者等向けの夜間の小児救急電話相談事業(#8000)を毎日19時

26 から23時まで実施しています。

27 これにより、患者の症状に応じた適切な医療提供体制の構築を行うとともに、救急

28 医療機関の適切な受診を促すことで医療従事者の負担軽減も図っています。

29

30 ア 相談件数

31 平成28年度の相談件数は7,749件で、1日平均21件の相談があり、午後7~9時の時

32 間帯に電話が集中する傾向がみられます。

33 表8 時間帯別相談件数

34 7〜8時 8〜9時 9~10時 10~11時 計

35 相談件数 2,272 2,041 1,865 1,571 7,749

36 割合(%) 29.3 26.3 24.1 20.3 100.0

死亡, 1人, 0.4%

重症, 28人, 11.6%

中等症, 186人, 77.2%

軽症, 25人, 10.4%

その他, 1人, 0.4%

搬送者合計

241人

死亡, 13人, 0.4%

重症, 53人, 1.5%

中等症, 587人, 17.0%

軽症, 2,804人,

81.1%

その他, 1人, 0.0%

搬送者合計

3,458人

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1 イ 患者の年齢

2 患者の年齢は、2歳未満が全体の約半数を占めています。

3

4 表9 患者の年齢

5 1歳未満 1~2歳 2~3歳 3~6歳 6~12歳 12~15 15歳 不明 計

6 未満 未満 未満 未満 歳未満 以上

7 相談件数 2,298 1,942 911 1,605 867 74 32 20 7,749

8 割合(%) 29.7 25.0 11.8 20.6 11.2 1.0 0.4 0.3 100.0

9

10 ウ 相談内容(複数回答 10,121件)

11 相談内容の内訳は、症状に関することが7,893件(78.0%)で最も多く、次いで打撲など

12 外傷・事故に関することが1,531件(15.1%)、薬を使用するタイミング等に関することが508

13 件(5.0%)となっています。

14 また、症状の相談の内容は、発熱が2,841件(36.0%)と最も多く、次いで嘔吐が

15 1,050件(13.3%)、咳(喘息ほか)が780件(9.9%)となっています。

16

17 エ #8000利用者の受療行動の状況

18 相談者に対する事後の聞き取り調査では、回答のあった人の79.5%が夜間の受診を控

19 えており、#8000が救急医療機関の負担軽減に寄与していると考えられます。

20

21 表10 #8000利用者の受療行動の状況(平成28年度) (単位:件)

22 相談 聞き取り 不在 回答 回答内訳

23 件数 件数 件数 件数 翌朝9時 翌朝9時 受診して

24 (5件/日) までに受診 以降に受診 いない

25 7,749 1,810 799 1,011 207 390 414

26 (100.0%) (20.5%) (38.6%) (40.9%)

27 ※沖縄県医療政策課 平成28年度事業実績

28

29

30

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1 2 小児医療の提供体制

2

3 ⑴ 医療施設の状況

4 小児科を標榜する診療所は208施設、病院は41施設となっており、小児人口10万人

5 当たりの施設数でみると、診療所が84.1か所、病院が16.6か所で、診療所数は全国より

6 低く、病院数は全国と同水準となっています。

7 圏域ごとの小児人口10万人当たりの診療所数では、中部が最も低くなっています。

8

9 表11 小児科標榜医療機関の状況 (単位:箇所/人)

1011 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国12

13 診療所数 16 61 113 8 10 208 20,87214

15 小児人口16 10万人当たり 98.6 69.1 90.8 92.7 104.7 84.1 131.61718 病院数 3 13 23 1 1 41 2,6421920 小児人口21 10万人当たり 18.5 14.7 18.5 11.6 10.5 16.6 16.722

23 ※厚生労働省医療施設調査(平成27年)

24 ※全国の一般診療所は平成26年の数値(静態調査年のみ把握)

25

26 ⑵ 小児科医師(主たる診療科)の状況

27 ア 小児科医師数

28 平成28年末の本県の小児科医師数は237人で、小児人口10万人当たりの小児科

29 医師数は95.6人となっており、全国の107.3人を下回っています。

30 小児人口10万人当たり、圏域別でみると、宮古圏域を除く4圏域が全国の107.3人

31 を下回っており、八重山が41.9人と最も少なく、次に中部が73.6人と少なくなっています。

32 H20年からの小児科医師数の推移をみると、年によってばらつきがあります。(表14)

33

34 表12 小児科医師数

3536 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国37

38 医師数 17 65 142 9 4 237 16,93739

40 小児人口41 10万人当たり 104.8 73.6 114.1 104.3 41.9 95.6 107.342

43 ※医師・歯科医師・薬剤師調査(平成28年)

44 ※複数の診療科に従事している場合の主として従事する診療科

45 が小児科の医師と小児科のみに従事する医師の集計である。

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1 表13 小児科医師数の推移

2

3 H20 H22 H24 H26 H284

5 医師数 15,236 15,870 16,340 16,758 16,9376

7 全国8 小児人口 99.5 95.1 95.9 105.5 107.39 10万人当たり10

11 医師数 204 199 237 220 23712

13 沖縄14 小児人口 82.9 80.9 95.6 89.0 95.615 10万人当たり16

17 ※厚生労働省 医師・歯科医師・薬剤師調査

18

19 イ 医療機関別の小児科医師数

20 従事する医療機関別の集計では、病院が163人、診療所が74人となっており、小児

21 人口10万人当たりで全国と比べると、病院は65.7人で全国と同水準、診療所は29.8人

22 で全国の41.7人を下回っています。

23

24 表14 小児科医師数(病院・診療所別)

25

26 医師数 小児人口10万人27 当たり28

29 病院 10,355 65.630

31 全国 診療所 6,582 41.732

33 合計 16,937 107.334

35 病院 163 65.736

37 沖縄 診療所 74 29.838

39 合計 237 95.640

41 ※医師・歯科医師・薬剤師調査(平成28年)

42 ※複数の診療科に従事している場合の主として従事する診療科

43 が小児科の医師と小児科のみに従事する医師の集計である。

44

45

46

47

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1

2 3 小児医療体制の状況

3 ⑴ 一般的な小児医療体制

4 一般的な小児医療に必要とされる診断・検査・治療等は、地域の小児科標榜の診

5 療所や病院等の医療機関が実施しています。

6

7 ⑵ 小児救急医療体制

8 【用語の意味】

9 ○初期救急医療 比較的軽症で入院を伴わない急病患者に対応する医療。

10 市町村の休日・夜間救急診療所又は一般の医療機関で

11 行われている。

12

13 ○第二次救急医療 第二次救急医療は、入院治療を必要とする患者や比較的

14 重症な患者に対応する医療。

15

16 ○第三次救急医療 第三次救急医療は、第二次救急医療では対応できない複

17 数の診療科領域にわたる重篤な救急患者を24時間365日

18 受け入れ、高度な専門的医療を総合的に実施する医療。

19

20 ア 小児の初期救急医療

21 本県では、初期救急に対応する診療所等は少なく、本来、専門医療又は入院を

22 要する小児救急医療を提供する二次医療圏の救急病院や高度な専門医療又は

23 重篤な小児患者に対する救命医療を提供する小児救命救急センター(南部医療

24 センター・こども医療センター)が初期救急から第三次救急まで対応しています。

25

26 イ 小児の第二次及び第三次救急医療体制

27 各二次医療圏に24時間・365日の小児救急医療体制が整備されています。

28 表15 第二次救急及び第三次小児救急医療体制(24時間365日対応)

29 区分 医療圏名 医療機関名 診療体制

30 北部 県立北部病院 救急病院

31 第二次 中部 県立中部病院 救命救急センター

32 救急 南部 那覇市立病院 救急病院

33 宮古 県立宮古病院 救急病院

34 八重山 県立八重山病院 救急病院

35 第三次 全県 県立南部医療センター・ 小児救命救急センター

36 救急 (重症患者) こども医療センター

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1 ウ 救急医療機関の受診状況

2 (ア) 第二次救急医療機関の受診状況

3 平成27年度の救急病院の小児救急患者の受入数は78,957人で、そのうち入院

4 した者は5,913人(7.5%)となっており、比較的軽症な患者が救急外来を受診してい

5 る現状が見られます。

6 救急病院の外来患者のうち、時間外受診者が占める割合及び時間外、3歳未

7 満受診者が占める割合は、本県が全国で1位となっています。(図4、図5)

8 軽症患者の救急受診が増加すると、緊急性の高い重症患者の治療に支障が出

9 たり、救急医療機関の疲弊にも繋がることから、軽症の場合はかかりつけ医を受診す

10 ることなど県民への適正受診の啓発が必要です。

11 図4 救急病院の外来受診者のうち時間外受診者の割合

12 平成26年医療施設調査

13 図5 救急病院の外来患者のうち時間外、3歳未満の受診者の割合

14 平成26年医療施設調査

0.0%

1.0%

2.0%

3.0%

4.0%

5.0%

6.0%

7.0%

8.0%

9.0%

北海道

宮崎県

富山県

奈良県

山梨県

新潟県

香川県

三重県

栃木県

石川県

東京都

広島県

埼玉県

兵庫県

宮城県

長崎県

千葉県

愛媛県

佐賀県

山口県

神奈川県

大阪府

静岡県

高知県

茨城県

和歌山県

鹿児島県

岡山県

福井県

長野県

徳島県

福島県

山形県

京都府

岐阜県

大分県

秋田県

岩手県

青森県

島根県

愛知県

福岡県

鳥取県

群馬県

滋賀県

熊本県

沖縄県

0.0%

0.2%

0.4%

0.6%

0.8%

1.0%

1.2%

1.4%

山梨県

宮崎県

三重県

北海道

富山県

奈良県

新潟県

兵庫県

石川県

佐賀県

青森県

群馬県

愛媛県

埼玉県

静岡県

長野県

高知県

鹿児島県

宮城県

福井県

長崎県

香川県

和歌山県

東京都

千葉県

大阪府

山形県

山口県

神奈川県

福島県

徳島県

秋田県

茨城県

広島県

岐阜県

岩手県

熊本県

岡山県

島根県

京都府

愛知県

鳥取県

福岡県

栃木県

滋賀県

大分県

沖縄県

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1 (イ) 第三次救急医療機関の受診状況

2 三次医療圏においては、南部医療センター・こども医療センターが小児救命救急

3 センターに指定されており、全県を対象として高度な専門医療又は重篤な小児患者

4 に対する救命医療を提供しています。

5 同センターにおける小児の救急患者数は、平成25年度の17,596人から平成28年

6 度は20,543人で増加しており、増加傾向にあります。

7 また、小児救急患者のうち91.9%が救急搬送によらず、直接来院しており、軽症

8 患者の対応に負担が大きいと考えられることから、かかりつけ医や周辺病院との連携

9 により、小児救命救急センターの機能維持を図る必要があります。

10

11 図6 南部医療センター・こども医療センターの小児救急患者数

12

13

14

15

16

17

18

19

20 ※南部医療センター・子ども医療センター統計資料より

21 ⑶ 高度な医療提供体制

22 高度な医療を提供する新生児集中治療室(NICU)を有する病院は8か所(合計60

23 病床)、小児集中治療室(PICU)を有する病院は、県立南部医療センター・こども医療

24 センター1か所(8病床)となっています。

25

26 表16 NICUの病床数(平成29年度)

27

28 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計

29

30 NICU病床数 6 18 30 3 3 60

31

32

33 ⑷ 離島の小児の急患空輸

34 離島からの急患空輸については、日中の本島周辺の離島は沖縄県ドクターヘリ、夜間

35 や宮古、八重山、南北大東島は自衛隊及び海上保安庁の協力を得て実施する体制

36 を整備しています。

17,596 18,189

19,598

20,543

16,000

17,000

18,000

19,000

20,000

21,000

H25 H26 H27 H28

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1 自衛隊による小児の急患空輸の際は、県立南部医療センター・こども医療センターの

2 医師が急患搬送用の呼吸器や保育器等を携行して添乗しています。

3

4 ⑸ 小児在宅医療

5 医療技術の進歩等を背景として、退院後も人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの

6 吸引や経管栄養などの医療的ケアを受けながら日常生活を営む小児が増加しており、

7 状態に応じた望ましい療養環境・療育環境の整備や円滑な在宅医療等への移行、成

8 長に伴う成人期医療への円滑な移行といった課題があります。

9 成人の在宅医療を実施する医療機関では、技術の未習得や経験不足から小児に対

10 応できない医療機関が多いのが現状です。県内で小児在宅医療に対応可能な医療機

11 関は、診療所で11か所、病院で8か所となっています。

12 訪問看護ステーションの事業所数を圏域別でみると、小児に対応可能な事業所数は

13 北部、宮古、八重山で1か所のみとなっており、地域偏在が課題となっています。

14

15 表17 圏域別訪問看護ステーション数16 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計

17 事業所数 6 37 46 7 4 100

18 うち小児対応 1 17 28 1 1 48

19 ※沖縄県保健医療総務課調べ(平成29年8月現在)

20

21 また、小児在宅患者への訪問薬剤管理指導を行う在宅医療支援薬局として沖縄県

22 薬剤師会に届出をしている薬局が75か所あり、そのうち、小児に対応可能な薬局は44か

23 所で、圏域別では、北部、宮古及び八重山で1か所のみとなっており、地域偏在が課題

24 となっています。

25 表18 圏域別在宅医療支援薬局数26 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計

27 薬局数 2 24 45 2 2 75

28 うち小児対応 0 12 29 1 2 44

29 ※沖縄県薬剤師会調べ(平成29年9月現在)

30

31 表19 圏域別 小児の訪問薬剤指導利用者数32 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計

33 利用者数 0 22 91 0 0 113

34 ※沖縄県薬剤師会調べ(平成29年9月現在)

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1 第2 目指す方向性

2

3 1 目指す姿

4 ⑴ 乳児死亡率、幼児死亡数及び小児死亡数が減少します。

5 ⑵ 在宅医療を受ける小児患者のQOLが向上します。

6

7

8 2 取り組む施策

9 ⑴ 一般小児医療を支える医療体制の充実

10

11 ア 小児科医の確保

12 小児科医確保に向けては、医師の養成段階から関与することが重要であること

13 から、新専門医制度に対応した専門研修体制の構築を進めるとともに研修の質の

14 向上を図り、沖縄県内で質の高い小児科医を養成・確保する環境の整備に努め

15 ます。

16 また、特に離島・へき地を始めとする医師不足地域については、琉球大学

17 医学部地域枠学生を対象とした医師修学資金等の貸与(小児科志望者に重

18 点的に貸与)、県立病院での研修事業による小児科医養成、小児科医師不足

19 の医療機関への小児科医派遣等により、当該地域に必要とされる小児科医

20 の確保に取り組みます。

21

22 イ かかりつけ医と専門医療機関の連携体制の構築

23 平成28年度の診療報酬改定により小児かかりつけ診療料が新設されましたが、

24 県内における届出が平成29年10月1日現在で1件にとどまっていることから、小児か

25 かりつけ医を増やすため、医療機関への小児かかりつけ診療料制度の周知を図りま

26 す。

27

28

29 ⑵ 小児救急医療体制の整備

30 ア 小児救急電話相談の実施

31 小児の保護者等への急病等の相談及び小児救急医療機関の負担軽減を図る

32 ため、小児救急電話相談事業の相談体制の充実を図ります。

33

34 イ かかりつけ医の必要性や適正受診等に関する保護者への啓発

35 かかりつけ医を持つことの必要性や医療機関の適正受診等に関する保護者への

36 啓発に取り組みます。

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1

2 ウ 二次医療圏における24時間365日対応できる小児救急医療体制の確保

3 二次医療圏において24時間365日対応できる小児救急医療体制を確保するた

4 め、休日及び夜間における入院治療を必要とする重症患者へ医療を提供する救

5 急医療機関を支援します。

6

7

8 ⑶ 療養・療育支援が可能な体制の整備

9 ア 慢性疾患の小児及び家族に対する地域の医療資源・福祉サービスの情報提供

10 慢性疾患により在宅療養を要する小児及び家族が効率的、効果的に必要な在宅

11 医療を受けられるよう、小児在宅医療を提供する医療資源・福祉サービスの情報提

12 供を推進します。

13

14 イ 小児在宅医療を担う医療機関への支援

15 小児在宅医療を提供する医療機関等を増やすため、関係する職種に対して専門

16 的な技術習得のための研修を実施します。

17

18

19 ⑷ 災害時を見据えた小児医療体制

20 災害時に小児及び小児患者に適切な医療や物資を提供できるよう、県内の小児

21 科医を対象として災害時に小児医療の調整を行う人材の養成に取り組みます。

22

23

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1 第3 数値目標

2

3 1 目指す姿45 目標 目標値の 取り組みの6 指 標 現状 データ出典7 (H35) 考え方 主体8

9 乳児死亡率(出生千人対) 乳児死亡率 全国平均より 厚生労働省 医療機関

10 H28 1.9 低いので、現 人口動態調 県民

11 幼児死亡数 幼児死亡数 在の水準を維 査

12 H28 40人 維持 持する。

13 小児死亡数 小児死亡数

14 H28 52人

15

16 訪問看護利用者の満足度 H28年 満足と回答 増 加 を 目 指 沖縄県看護 医療機関

17 未実施 した割合 す 。 協会調査 県民

18 80%

19

20 2 取り組む施策

21 ⑴ 一般小児医療を支える医療体制の充実

2223 目標 目標値の 取り組みの24 指 標 現状 データ出典25 (H35) 考え方 主体26

27 小児科医数 H28年 全国平均(10 厚生労働省 県

28 (小児人口10万人当たり) 95.6人 107.3人 万人当たり 医師 ・歯科 大学

29 107.3人)以上 医師 ・薬剤

30 を目指す。 師調査

31

32 小児医療を実施する病院、診療 診療所は全国 医療機関

33 所数 診療所(H27) 平均(131.6か 厚生労働省

34 (小児人口10万人当たり) 84.1か所 131.6か所 所)を目指す。 医療施設調

35 病院(H27) 病院は全国平 査

36 16.6か所 維持 均(16.7か所)

37 と同水準を維

38 持する。

39

40 小児かかりつけ診療料の九州厚 H29年10月 全国平均値 九州厚生局 医療機関

41 生局への届出数(小児人口10万 0.4か所 5.7か所 (5 . 7か所)以 診療報酬施42 人対) 上を目指す。 設基準4344 沖縄県内で小児科専門研修 H29 研修枠の上限 研修施設調 県 ・関係団

45 を実施している専攻医数 12人 20人/各年 まで増加を目 査 体 ・医療機

46 度 指す。 関

47

48 小児かかりつけ診療料制度に関 延べ100か所の 県

49 する説明会等への参加医療機 未実施 100か所 参 加 を 目 指 県医療政策 関係団体

50 関数 (延べ数) す。 課資料

51

- 300 -

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1 ⑵ 小児救急医療体制の整備

23 目標 目標値の 取り組み4 指 標 現状 データ出典 の5 (H35) 考え方6 主体7

8 小児(3歳未満)の時間外受入 H26 減 少 を 目 指 医療施設調 県・関係団

9 患者数 3,108人 5%減/年 す。 査 体・医療機

10 関

11

12 乳幼児の救急搬送の軽症率 H27 全国平均まで 沖縄県消防 県・関係団

13 80.4% 75.6% 減 少 を 目 指 防災年報、 体・医療機

14 す。 消防庁救急 関

15 ・救助の現況

16

17 小児救急電話相談の件数 H28年度 回線増により、 県医療政策 県

18 7,749件 16,000件 相談件数増 課資料

19 (1回線) (2回線) 加を目指す。

20

21 かかりつけ医の必要性や適正受 H29年度 パンフレット等 県医療政策 県

22 診等に関する保護者への啓発の 15,000部/年 20,000部/ 配布数 課資料

23 実施数 年

24

25 24時間365日対応できる小児救 現在全圏域で 県医療政策 医療機関

26 急医療体制が確保されている二 5医療圏 維持 確保されてお 課調査

27 次医療圏数 り、同水準を

28 維持する。

29

30

31 ⑶ 療養・療育支援が可能な体制の整備

3233 目標 目標値の 取り組みの34 指 標 現状 データ出典35 (H35) 考え方 主体36

37 小児に対応する訪問看護ステー H29 北部、宮古, 沖縄県保健 医療機関

38 ション数 全県 48か所 5 3 か 所 八重山圏域の 医療総務課

39 (圏域別) (圏域別) 増 加 を 目 指 調査

40 北部 1 北部2以上 す。

41 中部 17 中部 維持

42 南部 28 南部 維持

43 宮古 1 宮古2以上

44 八重山 1 八重山2以

45 上

46

47 小児に対応する在宅医療支援 H29 増 加 を 目 指 沖縄県薬剤 医療機関

48 薬局数・小児に対する訪問薬剤 在宅医療支 す。 師会調査

49 管理指導の実施薬局数 援薬局数

50 44か所 70か所

51

- 301 -

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1 訪問薬剤管

2 理指導の実施

3 薬局数 19か所

4 12か所

5

6 訪問薬剤利用者数 H29 増 加 を 目 指 沖縄県薬剤 医療機関

7 113人 180人 す。 師会調査

8

9 慢性疾患の小児及び家族に対 全市町村での

10 する地域の医療資源・福祉サー H29 情報提供の実 県医療政策 市町村等

11 ビスの情報提供を実施している地 11市町村 41市町村 施を目指す。 課調査

12 域数(市町村数)

13

14 小児在宅医療に関する医療機 県内で実施さ 県医療政策 県

15 関等への研修回数 未実施 1回 れていない研 課資料 関係団体等

16 /各年度 修等を県内で

17 実施する。

18

19

- 302 -

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番号

番号

番号

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

2

7

小児在宅医療を実施する医療機関等への支

5

二次医療圏における24時間365日対応でき

る小児救急医療体制の確保

6

慢性疾患の小児及び家族に対する地域の

医療資源・福祉サービスの情報提供

乳児死亡率、幼児死亡数、小児死

亡数

小児(3歳未満)の時間外受入れ患

者数

乳幼児の救急搬送の軽症率

療養・療育支援が可能な体制の整備

3

小児に対応する訪問看護ステー

ション数

小児に対応する在宅医療支援薬

局数・訪問薬剤管理指導実施薬局

数・訪問薬剤利用者数

1

乳児死亡率、幼児死亡数、小児死亡数の

減少

3小児救急電話相談の実施

2

小児救急医療体制の整備

4

かかりつけ医の必要性や適正受診等に関す

る保護者への啓発

医療機関等への研修回数

小児医療分野 施策・指標体系図

C 個別施策

B 中間アウトカム

A 分野アウトカム

1小児科医師の確保

1

一般小児医療を支える医療体制の充実

2

かかりつけ医と専門医療機関の連携体制の

構築(小児かかりつけ診療料制度の周知)

小児科医師数

小児医療を実施する病院・診療所

数 小児かかりつけ診療料の九州厚生

局への届出数

県内で小児科専門研修を実施してい

る専攻医数

小児かかりつけ診療料制度に関する

説明会等への参加医療機関数

訪問看護利用者の満足度

小児救急電話相談の件数

啓発等の実施数

確保されている二次医療圏数

情報提供を実施している地域数(市

町村数)

小児在宅医療を受ける患者のQOLの向上

指標

- 303 -

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1 (6) 在宅医療

2

3 第1 現状と課題

4

5 1 在宅医療の現状

6

7 高齢化の進展に伴い疾病構造が変化し、誰もが何らかの病気を抱えながら生活を

8 するようになる中で、「治す医療」から「治し、支える医療」への転換が求められています。

9 在宅医療は、高齢になっても病気になっても障害があっても、住み慣れた地域で自分ら

10 しい生活を続けられるよう、入院医療や外来医療、介護、福祉サービスと相互に補完し

11 ながら、患者の日常生活を支える医療であり、地域包括ケアシステムの不可欠の要素

12 です。

13 また、今後増大する慢性期の医療ニーズに対し、在宅医療はその受け皿として、さら

14 に看取りを含む医療提供体制の基盤の一つとして期待されています。

15

16 ⑴ 人口の高齢化

17

18 本県の人口は、「年少人口」(0~14歳)や「生産年齢人口」(15~64歳)は減少し

19 ていく一方、「高齢者人口」(65歳以上)は、平成27年の27万8千人から平成32年には

20 32万4千人に増加し、高齢化率は22.9%に増加すると見込まれています。

21

22 表1 高齢者人口及び年齢区分別人口の長期的な推移

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

(単位:千人)

平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年

1,434 1,416 1,414 1,405 1,391

247 226 213 201 195

892 866 848 831 805

278 324 353 373 391

65歳以上75歳未満 135 167 172 161 160

75歳以上 143 157 181 212 231

19.4% 22.9% 25.0% 26.5% 28.1%

26.3% 29.1% 30.3% 31.6% 33.4%

※国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」(平成25年3月推計値)

※平成27年の数値は国勢調査実績値

高齢化率(全国)

総人口

年少人口

生産年齢人口

高齢者人口

高齢化率(沖縄県)

- 304 -

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1 県内の65歳以上人口に占める世帯主65歳以上の単独世帯の割合は、全国よりも

2 高い水準で推移し、平成27年の19.3%から平成32年に19.1%に微減となりますが、そ

3 の後増加に転じると見込まれています。

4

5 表2 世帯数の将来推計(65歳以上人口に占める65歳以上の単独世帯主の割合)

6 (単位:%)

7 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年

8 沖縄県 19.3 19.1 19.5 20.1 20.8

9 全 国 17.7 18.5 19.2 19.8 20.4

10 ※国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計

11 (平成26年4月推計値)

12

13 本県の高齢者世帯(世帯主が65歳以上)は増加傾向にあり、そのうち特に「単独世

14 帯」及び「夫婦のみ世帯」が増加していくと見込まれています。

15

16 表3 世帯数の将来推計(沖縄県の総世帯数、高齢者世帯等の割合)

17 (単位:世帯数、%)

18 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年

19 総世帯数 549,468 569,151 580,781 586,872 587,318

20 高齢者世帯の割合 29.8% 33.5% 35.5% 36.9% 38.2%

21 単独世帯数の割合 31.3% 32.4% 33.4% 34.6% 36.2%

22 夫婦のみ世帯数の割合 25.3% 25.1% 25.3% 25.4% 25.2%

23 その他世帯数の割合 43.4% 42.5% 41.3% 39.9% 38.6%

24 ※国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計

25 (平成26年4月推計値)

26

27 ⑵ 在宅医療のニーズの増加と多様化

28 人口の高齢化に伴い、県内の死亡総数は、平成22年の10,156人から、平成28年の

29 11,706人と1,550人増加しており、今後、在宅における看取りの対応が増加することが

30 見込まれます。

31 また、医療技術の進歩等を背景として、退院後も人工呼吸器や胃ろう等を使用し、

32 たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアを受けながら日常生活を営む小児や若年層

33 の患者が全国的に増加している等、在宅医療のニーズは増加し、また多様化していま

34 す。

35

36

- 305 -

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1 表4 死亡数の推移

2

3 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年

4

5 10,156 10,686 10,626 10,956 11,361 11,326 11,706

6

7 ※厚生労働省人口動態統計

8

9 2 在宅医療の提供体制

10

11 ⑴ 退院支援

12 近年、在宅医療を選択する患者が増加していることから、医療機関からの退院後の

13 医療の継続や心理的・社会的問題の予防や対応のために、入院初期から退院後の

14 生活を見据えた多職種の連携による退院支援が重要となっています。

15 退院支援担当者を配置している医療機関では、多職種による退院前カンファレンス

16 等が行われており、自宅への退院促進や平均在院日数の減少、患者や家族のQOL

17 向上を図っています。

18 本県の退院支援担当者を配置している病院数は38施設となっており、65歳以上の

19 人口10万人当たりでは全国を上回っていますが、圏域により偏在が見られます。

20

21 表5 退院支援担当者を配置している病院数

2223 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国24

25 配置施設数 3 8 24 1 2 38 3,59226

27 65歳以上人口28 10万人当たり

12.9 8.6 54.5 7.7 19.6 13.7 10.7

29

30 ※厚生労働省医療施設静態調査(平成26年)

31

32 ⑵ 日常の療養生活の支援

33 ア 訪問診療

34 本県の在宅療養支援診療所数は102施設となっており、65歳以上の人口10万人

35 当たりでは全国より低い水準にあります。医療圏別でみると宮古が最も多くなっていま

36 す。

37 在宅療養支援病院数は12施設となっており、65歳以上の人口10万人当たりでは

38 全国より高い水準にあります。医療圏別の65歳以上人口10万人当たりでみると南部

39 が最も多くなっています。

40 訪問診療を受けた患者数は38,723人となっており、65歳以上の人口10万人当たり

- 306 -

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1 では全国より低い水準にあります。医療圏別でみると診療所の取組が活発な宮古で

2 全国より高い水準となっています。

3

4 表6 在宅療養支援診療所数

5北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国

6

7 在宅療施設数 7 25 57 8 5 102 14,683

8 養支援

9 診療所 65歳以上人口

10 10万人当たり30.1 26.8 41.2 61.8 49.0 36.6 43.9

11 在宅療施設数 1 4 7 0 0 12 1,109

12 養支援

13 病院 65歳以上人口

14 10万人当たり4.3 4.3 5.1 0 0 4.3 3.3

15 ※診療報酬施設基準 届出施設数(平成27年)

16

17 表7 訪問診療を受けた患者数

18

19 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国

20

21 レセプト件数 2,863 10,593 19,583 4,471 1,213 38,723 7,325,943

22

23 65歳以上

24 人口10万人 12,304.5 11,339.2 14,140.5 34,511.8 11,885.2 13,913.3 21,891.1

25 当たり

26

27 ※平成27年在宅患者訪問診療料算定件数(厚生労働省医療計画データブック)

28

29 イ 訪問看護

30 本県の訪問看護ステーション数は100施設となっており、65歳以上の人口10万人当

31 たりでは全国より高い水準となっています。医療圏別でみると宮古が最も多くなっていま

32 す。

33 訪問看護ステーションは小規模な事業所が多く、規模が小さいほど早朝、深夜、夜

34 間の対応が困難であることに加えて、オンコール体制で月の半数を当番として待機する

35 状況にあるなど、厳しい労働環境となっており、人材育成を行う余裕がないことや、看

36 護職の定着が困難という課題があります。

37 北部医療圏や離島は中南部に比べて人口が少ないため、人口当たりの事業所数

38 は多くなりますが、面積が広いため、遠方の地域まではカバーできていないほか、医療ニ

39 ーズの高い人工呼吸器使用者等に対応できる事業所が少なく、充分に対応できてい

40 ない状況があります。

- 307 -

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1 また、医療ニーズの高い利用者に医療行為も含めたサービスを提供し、退院直後の

2 在宅療養生活への円滑な移行支援等を図る看護小規模多機能型居宅介護事業

3 所は、平成29年3月末日現在、県内に2か所あり、今後のニーズに合わせて整備して

4 いく必要があります。

5

6 表8 訪問看護ステーション数

78 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国9

10 事業所数 6 37 46 7 4 100 10,12611

12 65歳以上人口13 10万人当たり 25.8 39.6 33.2 54.0 39.2 35.9 30.314

15 ※沖縄県保健医療総務課調査(平成29年8月現在)

16 ※全国値は平成27年度介護サービス施設・事業所調査による

17

18 ウ 訪問歯科診療

19 本県の歯科訪問診療料届出歯科診療所数は289施設となっており、65歳以上の

20 人口10万人当たりでは、全国より若干低い水準となっています。医療圏別でみると南

21 部が最も多くなっています。

22 口腔ケアが誤嚥性肺炎の発症予防につながるなど、口腔と全身との関係について

23 広く指摘されており、在宅療養者の歯科診療を更に推進していくことが求められていま

24 す。

25

26 表9 歯科訪問診療料届出歯科診療所数

2728 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国29

30 施設数 17 92 160 9 11 289 36,13431

32 65歳以上人口33 10万人当たり 73.1 98.5 115.5 69.5 107.8 103.8 108.034

35 ※診療報酬施設基準 届出施設数(平成29年)

36

37 エ 訪問薬剤管理指導

38 沖縄県薬剤師会によると、本県の在宅医療支援薬局数は75施設となっています。

39 医療圏別でみると南部が最も多くなっています。

40

41

- 308 -

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1 表10 在宅医療支援薬局数

23 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計4

5 施設数 2 24 45 2 2 756

7 65歳以上人口8 10万人当たり 8.6 25.7 32.5 15.5 19.6 27.09

10 ※沖縄県薬剤師会 在宅医療支援薬局の届出件数(平成29年)

11

12 オ 家族・介護者への支援

13 在宅での療養を希望してもそれが実現できない理由として、家族への負担が大きい

14 ことがあります。継続した家族の介護力を支援するためにも、レスパイトケア等の短期

15 入所サービス等の家族を支援する仕組みが重要となります。

16 在宅医療では人工呼吸器などの医療的ケアが必要な場合、台風時の停電といっ

17 た非常時の電源の確保が重要となります。レスパイトケアとしての入院受入はできなくて

18 も台風の襲来の際は電源の確保の支援のため、病院への避難を受け入れている病院

19 もあります。

20

21 ⑶ 急変時の対応

22 ア 往診を実施する医療機関

23 本県の在宅療養者の急変時等に往診を実施している医療機関数は、診療所92

24 施設、病院16施設となっており、65歳以上人口10万人当たりでは、診療所は全国よ

25 り低く、病院は全国より高い水準となっています。(平成26年9月中の件数。厚生労働

26 省「医療施設静態調査」)

27 平成27年に往診を受けた患者数は、延べ7,310件となっており、65歳以上の人口

28 10万人当たりでは、全国の約半数と低い水準にあります。圏域別でみると宮古が全国

29 水準を超えて、最も多くなっています。

30

31 表11 往診を受けた患者数

32

33 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国

34

35 患者数 612 1,802 3,861 778 257 7,310 1,733,903

36

37 65歳以上38 人口 2,630.2 1,928.9 2,788.0 6,005.4 2,518.1 2,626.3 5,181.239 10万人当たり40

41 ※平成27年往診料算定件数(厚生労働省医療計画データブック)

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1 イ 24時間体制の確保

2 国の終末期医療に関する調査によると、自宅での療養を希望していてもそれができ

3 ない理由として、急変時の対応に関する患者の不安や家族の負担への懸念が挙げら

4 れており、こうした不安や負担の軽減が在宅での療養を継続するための重要な課題で

5 す。

6 在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院においては、24時間往診が可能な

7 体制の確保、24時間訪問看護の提供や在宅療養患者の緊急入院を受け入れる体

8 制も確保されています。

9 本県の24時間対応可能な訪問看護ステーション数は58施設となっており、65歳以

10 上の人口10万人当たりでは、全国と概ね同水準にあります。医療圏別でみると、八重

11 山が最も多くなっています。

12

13 表12 24時間対応可能な訪問看護ステーション数1415 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国16

17 施設数 6 20 28 0 4 58 6,34318

19 65歳以上人口20 10万人当たり 25.8 21.4 20.22 0 39.2 20.8 19.021

22 ※H27年厚生労働省 介護サービス施設・事業所調査

23 ⑷ 在宅での看取り

24 ア 在宅での死亡者数(自宅及び老人ホームでの死亡者数)

25 平成28年の都道府県の在宅死亡率をみると、沖縄県は18.1%(32位)となってお

26 り、全国の19.8%を下回っています。

27 ※在宅死亡率:総死亡数に占める自宅及び老人ホームでの死亡の割合

28 図1 全国の在宅死亡率

29 ※厚生労働省人口動態統計(平成28年)

0

0.05

0.1

0.15

0.2

0.25

0.3

神奈川県

東京都

兵庫県

香川県

長野県

静岡県

奈良県

京都府

大阪府

三重県

山形県

鳥取県

栃木県

愛知県

和歌山県

千葉県

宮城県

島根県

広島県

山梨県

岐阜県

滋賀県

新潟県

群馬県

福島県

岡山県

福井県

青森県

愛媛県

岩手県

宮崎県

沖縄県

埼玉県

大分県

石川県

富山県

山口県

熊本県

長崎県

徳島県

茨城県

鹿児島県

秋田県

福岡県

佐賀県

高知県

北海道

沖縄(32位)18.1%

全国19.8%

- 310 -

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1 医療圏別の在宅死亡者数をみると、65歳人口10万人当たりの死亡者数は宮古が最

2 も高く、以下、八重山、北部、中部、南部の順となっており、宮古、八重山、北部にお

3 いて、全国よりも高い水準となっています。

4

5 表13 在宅での死亡者数

6

7 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国

8

9 人数 190 644 902 141 102 1,979 245,653

10

11 65歳以上人口

12 10万人当たり816.6 689.4 651.3 1,088.4 999.4 711.0 734.0

13

14 ※沖縄県衛生統計年報(人口動態編)(平成27年)

15

16

17 平成27年の場所別死亡者数をみると、全死亡者のうち、病院・診療所等での死亡

18 者の割合は82.5%で、自宅での死亡者数の割合は12.4%、老人ホームでの死亡者

19 数の割合は5.1%となっています。自宅はほぼ横ばいですが、病院・診療所等が減少し

20 て老人ホームが増加する傾向があります。

21

22 図2 場所別死亡数の割合推移

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32 ※平成28年沖縄県衛生統計年報(人口動態編)

33

34

35 自宅及び老人ホームでの死亡者数の割合は、平成18年から平成27年にかけて、

36 老人ホームが増加傾向で推移しています。

37

38

81.9

82.4

86

12.9

13.3

11.9

5.2

4.3

2.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

H28

H25

H22

病院・診療所等 自宅 老人ホーム

- 311 -

Page 62: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 図3 在宅(自宅及び老人ホーム)での死亡者割合の推移

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11 ※平成28年沖縄県衛生統計年報(人口動態編)

12 イ 在宅看取りを実施している医療機関

13 (ア) 医療施設調査の結果

14 厚生労働省が3年に1度実施する医療施設静態調査において、調査年の9月

15 の1月間の在宅看取りを実施した医療機関数の調査が行われており、県内と全国

16 の比較が可能となっています。

17 平成26年9月中に在宅看取りを実施した医療機関は、診療所22施設、病院3

18 施設となっており、65歳以上人口10万人当たりでは、診療所及び病院ともに全国

19 より低い水準となっています。圏域ごとにみると、診療所は宮古が全国より高い水準

20 ですが、その他は全て全国より低い水準となっております。病院は南部が全国と同水

21 準ですが、中部では全国より低い水準となっており、北部、宮古、八重山では0とな

22 っています。

23

24 表14 H26年9月に在宅看取りを実施した病院・診療所数

25

26 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計 全国

27

28 診 施設数 2 7 10 2 1 22 4,312

29 療

30 所 65歳以上人口

31 10万人当たり 2.0 7.0 7.2 15.4 9.8 7.9 12.9

32

33 施設数 0 1 2 0 0 3 472

34 病

35 院 65歳以上人口

36 10万人当たり 0 1.1 1.4 0 0 1.1 1.4

37

38 ※医療施設静態調査(平成26年)

71

75.5

85.1

29

24.5

14.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

H28

H25

H22

自宅 老人ホーム

- 312 -

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1 (イ) 医療機能調査の結果

2 (ア)の医療施設調査は1月間に限定して行われていることから、年度を通して県

3 内の医療機関の状況を把握するため、県において医療機能調査を実施していま

4 す。

5 同調査の結果、平成28年度に在宅看取りを実施した医療機関は、診療所74

6 施設、病院18施設となっています。圏域別でみると、診療所及び病院ともに八重山

7 が最も多くなっています。

8

9 表15 H28年度に在宅看取りを実施した診療所数

10

11 北部 中部 南部 宮古 八重山 県計

12

13 診 施設数 7 20 35 6 6 74

14 療

15 所 65歳以上人口

16 10万人当たり 30.1 21.4 25.3 46.3 58.8 26.6

17

18 施設数 1 3 9 2 3 18

19 病

20 院 65歳以上人口

21 10万人当たり 4.3 3.2 6.5 15.4 29.4 6.5

22

23 ※沖縄県医療政策課 医療機能調査(平成29年度)

24

- 313 -

Page 64: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 第2 目指す方向性

2

3 1 目指す姿

4 住み慣れた自宅や施設等で療養したいと望む患者が在宅医療を受けて自分らしい生活

5 を送ることができる社会を目指します。

6 ⑴ 円滑な在宅療養移行に向けての退院支援が可能な体制が整っている

7 ⑵ 日常の療養支援が可能な在宅医療提供体制が整っている

8 ⑶ 急変時の対応が可能な体制が整っている

9 ⑷ 患者が望む場所での看取りが可能な体制が整っている

10

11 2 取り組む施策

12 ⑴ 円滑な在宅療養移行に向けての退院支援が可能な体制の整備

13 ア 退院支援担当者配置に関する医療機関への普及啓発

14 入院医療機関と在宅医療の関係機関との円滑な連携により、切れ目のない継

15 続的な医療体制を確保するため、退院支援担当者の配置及び退院支援に向け

16 た医療や介護、障害福祉サービスの連携について、医療機関等への普及啓発に取

17 り組みます。

18 (関係機関)病院・診療所、訪問看護事業所、薬局、居宅介護支援事業所、

19 地域包括支援センター、介護老人保健施設、短期入所サービス提供施設等

20

21 イ 退院支援担当者に対する研修の実施

22 退院支援担当者として退院支援・地域連携業務を行う看護師や社会福祉士

23 が、入院患者・家族の意向を踏まえ、多職種・地域との連携を図り、円滑な退院

24 支援を行うために必要な知識、スキルの習得等の人材育成を支援します。

25

26 ⑵ 日常の療養支援が可能な在宅医療提供体制の整備

27 ア 在宅医療に関する研修会の実施(医療機関への普及啓発)

28 在宅医療は、増大する慢性期の医療ニーズの受け皿としての役割を期待されて

29 おり、在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院、訪問看護事業所、在宅療養

30 支援歯科診療所、訪問薬剤指導薬局など在宅医療を担う医療機関等の体制整

31 備や人材育成を進める必要があります。また、各医療圏で在宅医療の提供体制に

32 偏在が見られるため、身近な地域で在宅医療を受けられるよう、各地域における在

33 宅を担う医療機関の整備が必要です。そのため、関係機関に対する在宅医療に関

34 する研修会その他の啓発事業等により、在宅医療への参画を促進します。

35

36

- 314 -

Page 65: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 イ 各地区における関係機関の連携体制構築の支援

2 在宅療養患者が質の高い療養生活を送るためには、県、医師会、歯科医師

3 会、薬剤師会、看護協会、栄養士会等の関係団体と、在宅医療に関わる関係機

4 関(病院・診療所、歯科診療所、薬局、訪問看護事業所、地域包括支援センタ

5 ー等)が連携し、多職種(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、保健師、管理栄養

6 士、歯科衛生士、ケアマネージャー、介護福祉士等)による在宅チーム医療体制を

7 整備することが必要です。住み慣れた地域での在宅医療提供体制を確保するため

8 に、市町村単位またはその他地域の実情に応じた規模の地区ごとの在宅医療関

9 係機関の連携体制の構築を支援します。

10

11 ウ 多職種への専門的技術習得のための研修の実施

12 人工呼吸器や胃ろう等を使用する在宅療養者や、緩和ケア、看取りなど在宅

13 医療ニーズの多様化に対応するため、各職種に対する専門的技術習得のための研

14 修を実施し、在宅医療従事者の資質向上を図るとともに、患者の疾患、重症度に

15 応じた在宅医療の提供体制の確保を図ります。

16

17 エ 訪問看護師の育成のための実習・研修の実施

18 今後、高齢化の進展に伴い、在宅医療のニーズが増大することが見込まれること

19 から、訪問看護事業所に従事する看護師の増員及び資質向上、24時間体制の

20 整備等の機能強化が必要です。訪問看護師の育成のため、実習及び研修会を実

21 施し、訪問看護の人材確保と技術向上に努めます。また、訪問看護事業所の安

22 定的経営を支援するため、管理者を対象とする研修会等の支援に取り組みます。

23

24 オ 家族・介護者への支援

25 在宅療養患者を支える家族及び介護者は、患者の状態によっては介護のために

26 外出もなかなかできず、病気などで一時的に介護ができない場合や介護者の疲弊

27 により在宅医療を継続できない場合も多く、支援が必要です。家族、介護者の負

28 担軽減を図るため、レスパイトケア等に対応する医療機関及び施設等の体制構築

29 を図ります。

30

31 カ 在宅医療・在宅歯科医療に関する県民への普及啓発

32 住み慣れた自宅や地域で療養生活を送りたい、終末期において自宅等で最期

33 を迎えたいと望む場合でも様々な不安から、在宅医療や在宅での看取りを選択で

34 きない場合も多いと考えられ、在宅医療の提供体制や内容について患者と家族の

35 理解を深めていく必要があります。

36 また、在宅歯科医療は誤嚥性肺炎の予防につながる等重要な医療ですが、まだ

- 315 -

Page 66: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 県民への普及が十分ではないことから、更なる周知が必要です。

2 県民が在宅医療や在宅での看取り等について理解を深め、患者と家族が必要

3 に応じて在宅医療や在宅での看取り等を選択することができるよう、普及啓発に取

4 り組みます。

5

6 キ 在宅医療・在宅歯科医療に関わる医療機関等の情報の県民への提供(各地区へ

7 の支援)

8 在宅療養患者が在宅医療に関する地域の情報を効率的に把握し、必要な在

9 宅医療を受けられるよう、市町村等が行う医療・介護資源マップの作成等の取り組

10 みを推進します。

11

12 ⑶ 急変時の対応が可能な体制の整備

13 ア 在宅医療に関する研修会の実施(医療機関への普及啓発) (再掲)

14

15 イ 訪問看護師の育成のための実習・研修の実施 (再掲)

16

17 ウ 住宅型有料老人ホームの職員への研修の実施

18 施設における在宅医療に対応できる老人ホームを増やすため、住宅型有料老人

19 ホームの職員に対し急変時の対応に関する研修を実施します。

20

21 エ 介護職員への研修の実施

22 在宅医療に対応できる介護職員を増やすため、訪問介護等に携わる介護職員

23 に対し急変時の対応に関する研修を実施します。

24

25 ⑷ 患者が望む場所での看取りが可能な体制の整備

26 ア 在宅医療に関する研修会の実施(医療機関への普及啓発) (再掲)

27

28 イ 在宅医療・在宅歯科医療に関する県民への普及啓発 (再掲)

29

30 ウ 住宅型有料老人ホームの職員への研修の実施

31 施設における看取りに対応できる老人ホームを増やすため、住宅型有料老人ホ

32 ームの職員に対し看取りに関する研修を実施します。

33

34 エ 介護職員への研修の実施

35 在宅での看取りに対応できる介護職員を増やすため、訪問介護等に携わる介護

36 職員に対し看取りに関する研修を実施します。

- 316 -

Page 67: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 第3 数値目標

2

3 1 目指す姿45 目標 目標値の 取り組みの6 指 標 現状 データ出典7 (H32) 考え方 主体8

9 訪問診療を受けた患者数 H27年 全国平均以 厚生労働省 医療機関

10 (65歳以上人口10万人あたり) 13,912.3人 21,891人 上を目指す。 医療計画デ 県民

11 ータブック

12

13 歯科訪問診療を受けた件数 H26年9月中 全国平均(65 厚生労働省 医療機関

14 (65歳以上人口10万人たり) 754.8件 1,000件 歳以上1 0万 医療施設調 県民

15 人あたり)1,28 査

16 3人に向けて増

17 加。

18

19 訪問看護利用者数 H27年 全国平均以 厚生労働省 医療機関

20 (65歳以上人口10万人あたり) 301.4人 500.5人 上を目指す。 医療計画デ 県民

21 ータブック(在

22 宅患者訪問

23 看護指導料

24 算定件数)

2526 訪問薬剤利用者数 H29 沖縄県薬剤 医療機関27 1,006人 1,609.6人 増 加 を 目 指 師会資料 県民28 す。2930 在宅死亡率 H28年 全国平均以 厚生労働省 医療機関

31 17.5% 23% 上を目指す。 人口動態統 県民

32 計

3334

35 2 取り組む施策

36 ⑴ 円滑な在宅療養に向けての退院支援が可能な体制の確保

3738 目標 目標値の 取り組みの39 指 標 現状 データ出典40 (H32) 考え方 主体41

42 退院患者平均在院日数 H26年 全国平均以 厚生労働省 医療機関

43 40.7日 33.2日 下を目指す。 患者調査

44

45 退院支援担当者を配置している H26年 全国平均より 厚生労働省 医療機関

46 病院数(65歳以上人口10万人 病院 13.7 維持 高い水準を維 医療施設静47 当たり) 持。 態調査48

49 退院支援担当者に対する研修 H29年 各圏域1回 / 県医療政策 県・市町村・

50 会開催数 5回 維持 年を目指す。 課資料 関係団体

51

52

- 317 -

Page 68: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 ⑵ 日常の療養支援が可能な在宅医療提供体制の整備

23 目標 目標値の 取り組みの4 指 標 現状 データ出典5 (H32) 考え方 主体6

7 訪問診療を実施している診療所 診療所 診療所 診療所は全国 厚生労働省 医療機関

8 ・病院数 37.0か所 59.2か所 平均(61.6)に 医療施設静

9 (65歳以上人口10万人当たり) 向けて増加。 態調査

10 病院 病院 病院は全国平

11 10.4か所 維持 均(7.8)より高

12 い 水 準 を 維

13 持。

14

15 訪問看護事業所の事業所数、 事業所 事業所 事業所は全国 事業所数 : 医療機関

16 従事者数 H29年 平均(30.3)よ 沖縄県保健

17 (65歳以上人口10万人当たり) 36か所 維持 り高い水準を 医療総務課

18 従事者 従事者 維持。 資料

19 H27年 従業者は全国 従業者数 :

20 120.1人 151.5人 平均以上を目 厚生労働省

21 指す。 医療計画デ

22 ータブック

23

24 訪問看護事業所(機能強化型) 事業所 事業所 九州厚生局 医療機関

25 の事業所数 H29年 増 加 を 目 指 診療報酬施

26 8か所 12か所 す。 設基準

27

28 歯科訪問診療を実施している診 H29年 全国平均以 九州厚生局 医療機関

29 療所(65歳以上人口10万人当 103.1か所 108か所 上を目指す。 診療報酬施

30 たり) 設基準

31

32 訪問薬剤指導を実施している薬 H29 全国平均以 沖縄県薬剤 医療機関

33 局数 72か所 107.8か所 上を目指す。 師会資料

34

35 在宅療養支援診療所・病院・歯 在宅療養支 全国平均以 九州厚生局 医療機関

36 科診療所・在宅医療支援薬局 援診療所 上を目指す。 診療報酬施

37 数 36.7か所 58.7か所 設基準

38 (65歳以上人口10万人当たり) 在宅療養支

39 援病院

40 4.3か所 6か所

41 在宅療養支

42 援歯科診療

43 所

44 14.0か所 29.8か所

45 在宅医療支

46 援薬局数(沖

47 縄県薬剤師

48 会の届出数)

49 75か所 107か所

50

51

52

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1 関係機関の連携体制を構築した H29年 全地域での連 県医療政策 県・市町村・

2 地区数 5地区 7地区 携体制構築を 課調査 関係団体

3 那覇、浦添、 ※宮古、八 目指す。

4 南部地区、中 重山地区を

5 部地区、北部 追加

6 地区

7

8 訪問看護師の育成のための実習 増 加 を 目 指 県医療政策 県

9 ・研修会の開催回数 2回/年 10回/年 す。 課調査 関係団体

10

11

12 老人ホーム職員及び介護職員に 老人ホーム職 介護サービス 医療機関13 対する急変時対応、看取りに関 未実施 2回/年 員及び介護職 施設 ・事業 介護施設等

14 する研修会開催回数 員を対象に毎 所調査

15 年各1回実施

16 を目指す。

17

18

19 ⑶ 急変時の対応が可能な体制の整備

2021 目標 目標値の 取り組みの22 指 標 現状 データ出典23 (H32) 考え方 主体24

25 往診を実施している診療所・病 H26年 厚生労働省 医療機関

26 院数(65歳以上人口10万人当 診療所 診療所 増 加 を 目 指 医療計画デ

27 たり) 33.1か所 53か所 す。 ータブック(往

28 病院 病院 診料算定件

29 5.7か所 7か所 数)

30

31 24時間対応体制を実施している H27 事業所は全国 厚生労働省 医療機関

32 訪問看護ステーション数・従事者 事業所 平均(19 . 0か 医療計画デ

33 20.8か所 維持 所)より高い水 ータブック(介

34 従事者 準を維持。 護サービス施

35 105.0人 132人 従業者は増加 設 ・事業所

36 を目指す。 調査)

37

38 在宅医療・在宅歯科医療に関す H29 各年度1回実 沖縄県医療 県

39 る講演会(県民への普及啓発) 未実施 1回/年 施を目指す。 政策課資料

40

41

42 在宅医療・在宅歯科医療に関わ H29 全市町村での 沖縄県医療 市町村

43 る医療機関等の情報提供を実 21市町村 41市町村 実 施 を 目 指 政策課調査

44 施した地区数 す。

45

46

47

48

49

50

51

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1 ⑷ 患者が望む場所での看取りが可能な体制の整備

23 目標 目標値の 取り組みの4 指 標 現状 データ出典5 (H32) 考え方 主体6

7 在宅看取り(ターミナルケア)を実 H26 厚生労働省 医療機関

8 施している診療所・病院数 診療所 全国平均以 医療施設静

9 22か所 36か所 上を目指す。 態調査

10 病院

11 3か所 4か所

12

13

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番号

番号

番号

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

指標

B 中間アウトカム

A 分野アウトカム

1

退院支援担当者配置に関する医療機関へ

の普及啓発

円滑な在宅療養に向けての退院支援が可能な

体制の整備

訪問診療を受けた患者数

歯科訪問診療を受けた患者数

訪問看護利用者数

訪問薬剤指導利用者数

在宅死亡率

5

多職種への専門的技術習得のための研修

の実施

1

訪問看護事業所の事業所数及び従事者

数、機能強化型事業所数

歯科訪問診療を実施している診療所・病

院数

訪問薬剤指導を実施している薬局・診療

所・病院数

構築した地区数

2

研修会開催数

6訪問看護師の育成のための実習・研修会

3

急変時の対応が可能な体制の整備

7

老人ホーム職員及び介護職員に対する急

変時対応、看取りに関する研修会

往診を実施している診療所・病院数

24時間対応体制を実施している訪問看

護ステーション数、従事者数

実習・研修会開催数

研修会開催数

患者が望む場所での看取りが可能な体制の整

9

在宅医療・在宅歯科医療に関わる医療機

関等の情報の県民への提供

4在宅看取り(ターミナルケア)を実施して

いる診療所・病院数

8

在宅医療・在宅歯科医療に関する講演会

(県民への普及啓発)

講演会開催数

情報提供を実施した地区数

在宅医療分野 施策・指標体系図

退院支援担当者を配置している診

療所・病院数

研修会開催数

退院患者平均在院日数

訪問診療を実施している診療所・病院数

在宅医療支援診療所・病院・歯科

診療所数、在宅医療支援薬局数

日常の療養支援が可能な在宅医療提供体制の

整備

4

各地区における関係機関の連携体制構築

の支援

住み慣れた自宅や施設等で療養したいと望

む患者が在宅医療を受けて自分らしい生活

を送ることができる

2退院支援担当者に対する研修の実施

1

3

在宅医療に関する研修会の実施(医療機関

への普及啓発)

C 個別施策

- 321 -

Page 72: (4) 周産期医療...1 (5)妊産婦死亡の推移 2 妊婦死亡率はここ10年では0~11.5 (0~2人)と年度により変動があります。 3 我が国の妊産婦死亡率は世界トップレベルに達しており平成27年には3.8(出産10万対)

1 2 医療機能の分化と連携、県民への情報提供等

2

3

4 限られた医療資源の中で、質の高い医療を県民に適切に提供していくためには、医療

5 機関による機能分化と連携により、患者の病期や病態に応じた適切な医療を切れ目な

6 く提供する連携体制を構築する必要があります。

7 県民に対しては、地域の医療機関が担う医療機能と役割を周知し、適切な医療機

8 関の選択、医療の適切な利用について普及啓発を行う必要があります。

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22 第1 現状と課題

23

24 1 医療機能の分化と連携

25

26 高齢化の進展や医療を取り巻く環境の変化等に伴い、医療需要も変化していくことが見

27 込まれることから、ニーズに合った医療提供体制を構築することが必要です。

28 限られた医療資源を有効に活用し、効率的で質の高い医療を実現するためには、二次

29 医療圏内外の医療機関が連携を図り、急性期から回復期を経て、在宅復帰または慢性

30 期に至るまで、切れ目なく必要な医療を提供する体制を整備することが必要です。

31 患者の早期の在宅復帰支援及び退院後において疾病の再発、重症化予防のため、継

32 続的に適切な医療を提供することが、生活の質(QOL)の向上の観点から重要です。

33 そのため、かかりつけ医を中心とした日常的な医療を基本に、必要な時には専門的な治

34 療が受けられるよう、地域の医療機関が役割を分担し、それぞれの専門性を高める(=医

35 療機能の分化を行う)とともに、各医療機能が連携強化を図る必要があります。

- 322 -

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1 2 医療に関する情報共有化の推進(おきなわ津梁ネットワーク)

2

3 医療分野においては、診療情報等共有ネットワークの構築など、ICTを活用した医療機

4 関相互の連携が進められています。

5 本県においては、沖縄県医師会が、医療連携を効率的に行い、患者に切れ目なく必要

6 な医療が提供できるよう、特定健診の結果や患者の診療情報、地域連携クリティカルパス

7 情報などを集積し、医療機関、薬局などで共有し県民への適切な保健指導や医療勧奨、

8 治療を行うためのシステムとして、「おきなわ津梁ネットワーク」を構築し平成25年(2013年)

9 から運用しています。

10 おきなわ津梁ネットワークには平成29年11月末現在、35,808名が登録しており、131施

11 設(医療機関、薬局等)が参加しています。参加医療機関はおきなわ津梁ネットワークに登

12 録している県民の急性期病院の電子カルテ情報や診療所での検査データ、特定健診の結

13 果を閲覧することができます。急性期病院と地域の医療機関が診療情報を共有することに

14 より、切れ目のない治療が円滑に提供することが可能となります。

15 患者に切れ目なく必要な医療を効率的に提供するためには、診療情報を共有できるシ

16 ステムは有効なツールであり、今後、利用者が拡大すると有効性さらに高まることから、引き

17 続きおきなわ津梁ネットワーク登録者及び参加医療機関の拡大に取り組み、医療連携を

18 強化する必要があります。

19

20 図1 おきなわ津梁ネットワーク情報共有のイメージ図

21

22

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1 3 地域連携クリティカルパス

2

3 地域連携クリティカルパスとは、疾病別に、疾病の発生から診断、治療、リハビリ、在宅療

4 養までの複数の医療機関、施設にまたがって作成する一連の診療計画のことです。その普

5 及により、転院しても中断されることなく、急性期病院から回復期病院を経て在宅に戻るま

6 で継続的な医療の提供が円滑に行われ、在宅生活への早期復帰や疾病の再発、増悪の

7 予防が期待されています。

8 また、地域連携クリティカルパスの活用により、病状や治療方法などの情報が、患者と医

9 療提供者の間で共有されることで、患者に医療への参加意識を持ってもらい自己管理意

10 識を高めるとともに、患者と医療提供者の間の信頼関係に基づく医療を提供することが可

11 能となります。地域連携クリティカルパスは、一部の医療機関において、がん、脳卒中、急性

12 心筋梗塞及び糖尿病の疾患で導入されていますが、さらなる利用拡大を図っていく必要が

13 あります。

14

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17

18 4 かかりつけ医

19

20 健康管理・相談や初期診療など日常的な保健医療サービスのほか、患者の病態に応じ

21 た専門的医療機関等への紹介、さらには、専門的医療機関での治療の後の在宅での療

22 養管理など、県民に身近なところでプライマリーケア(総合診療)の中心的役割をになってい

23 るのがかかりつけ医であり、その重要性は高まっています。

24 かかりつけ医によるプライマリーケアが十分に発揮できないと、病気になる前や軽症のときに

25 適切な医療サービスを受けられないなど、自身の健康を損なうことになりかねません。

26 また、かかりつけ医ではなく、大きな病院に日常的な医療を受ける患者が集中すると、重

27 症患者の治療など、病院が本来有する高度な医療機能を十分に活かすことができないば

28 かりか、病院の負担が大きくなります。サービスの受け手である県民に対し、かかりつけ医を

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1 持つことの重要性について周知を図るとともに、医療機関等のサービス提供者側の連携が

2 十分図られるよう、医療機能に関する情報を県民及び医療機関の双方に提供することが

3 必要です。

4 専門的な検査や高度な医療が必要な場合などは、かかりつけ医が専門医等に紹介する

5 ことにより、多様な医療機能を持つ医療機関相互の連携(病診、病病、診診連携)を図る

6 ことが重要です。

7

8 5 特定機能病院・地域医療支援病院・社会医療法人

9

10 ⑴ 特定機能病院

11 特定機能病院は、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療

12 に関する研修を実施する能力等を備えた病院について、医療法に基づき厚生労働大

13 臣が承認するものです。県内では、琉球大学医学部附属病院が承認されています。

14

15 ⑵ 地域医療支援病院

16 地域医療支援病院は、かかりつけ医やかかりつけ歯科医からの紹介患者に対する

17 医療提供、地域の医療機関との医療機器の共同利用、地域の医療従事者への研

18 修の実施などを通じて、地域の「かかりつけ医・かかりつけ歯科医」を支援する機能を

19 担う地域医療の拠点となる病院です。また、在宅医療の提供の提供にあたっても地域

20 の医療機関を支援することが求められています。

21 地域医療支援病院を効果的に機能させていくためには、同病院の役割を周知し、

22 紹介患者を中心とする診療内容等を住民や患者に理解してもらう必要があります。

23

24 表1 地域医療支援病院一覧2526 圏域名 病院名27

28 北 部 沖縄県立北部病院29 北部地区医師会附属病院30

31 沖縄県立中部病院32 中 部 中頭病院33 ハートライフ病院34

35 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター36 沖縄赤十字病院37 南 部 那覇市立病院38 浦添総合病院39 豊見城中央病院4041 県医療政策課 平成29年11月現在42

43

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1 ⑶ 社会医療法人

2 医療法人のうち、一定の要件を備えた医療法人を「社会医療法人」として認定し、

3 小児救急医療、災害医療、へき地医療等を行うことを義務づける一方で、収益事業

4 等を行うことを認めることにより医業経営の安定化を促し、地域において必要とされる

5 医療を安定的に提供する制度です。

6

7 表2 社会医療法人一覧8

9

10 圏域名 社会医療法人名11

12 中 部 敬愛会13 かりゆし会14

15 南 部 仁愛会16 友愛会17

18 県医療政策課 平成29年11月現在

19

20 ⑷ 地域医療連携推進法人

21

22 平成29年(2017年)に医療機関相互間の機能分担及び業務連携を推進し、地

23 域医療構想を達成するための一つの選択肢として、地域医療連携推進法人制度が

24 創設されました。地域医療連携推進法人制度は、複数の医療機関が法人に参画し

25 て協調することで、地域に質の高い効率的な医療提供体制を確保するための法人認

26 定制度です。

27 一般社団法人のうち、病院・診療所・介護老人保健施設のいずれかを運営する法

28 人が2以上参加すること等の医療法に定められた基準を満たすものについて、都道府

29 県知事が認定します。

30 地域医療連携推進法人は、原則として地域医療構想区域内に医療連携推進区

31 域を定めて医療連携推進方針を決定し、診療科や病床の再編、医師等の共同研

32 究、医薬品等の共同購入等の医療連携推進業務を実施するものです。

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1

2

3

4 6 県民に対する医療機能に関する情報提供

5

6 ⑴ 沖縄県医療機関検索システム(うちなぁ医療ネット)

7

8 住民自らが最適な医療を選択出来るようにするためには、広く医療に関する情報提供

9 が行われなければなりません。

10 平成18年の医療法改正で国民・患者による医療の適切な選択を支援するため、医

11 療機関の管理者に対し、医療機能に関する一定の情報を都道府県へ報告することを義

12 務付け、都道府県が医療機関の医療機能に関する情報を公表する「医療機能情報公

13 表制度」が創設されました。それに基づき県では、インターネット上に県内の医療機関及

14 び薬局(以下「医療機関等」という。)の機能に関する一定の情報を検索することができる

15 「沖縄県医療機関検索システム(うちなぁ医療ネット)」を開設しています。

16 医療機関及び薬局については、「うちなぁ医療ネット」へ自らの医療機能情報を入力

17 すること等により、県への医療機能の報告が義務付けられていますが、入力及び定期的

18 な更新をしていない医療機関、薬局も多くなっており、入力及び更新率の向上を図る必

19 要があります。

20

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1 表3 沖縄県医療機関検索システム(うちなぁ医療ネット)掲載項目

2

3 区分 報告事項4

5 医療機関概要 名称、開設者、管理者、所在地、電話・FAX番号

6

7 診療科目及び時間 診療科目、診療日、診療時間

8

9 病床種別及び及び 一般病床、療養病床、結核病床、感染症病床、精神病床の各種別ごとの病床数

10 届出・許可病床数

11

12 施設へのアクセス 施設までの主な利用交通手段、施設の駐車場、ホームページアドレス、メールアドレ

13 ス、予約診療の有無、予約用電話番号、時間外対応、面会の日及び時間帯

14

15 院内サービス等 医療に関する相談に対する体制、院内処方の有無、入院食の提供方法、対応す

16 ることができる外国語の種類、障害者に対する対応、車いす利用者に対する対応、

17 病院内の売店又は食堂の有無、受動喫煙を防止するための措置

18

19 費用負担等 保険医療機関、公費負担医療機関及びその他の病院の種類、選定療養、先進

20 医療の実施の有無及び内容、治験の実施の有無及び契約件数、クレジットカードに

21 よる料金の支払いの可否

22

23 提供サービスや医療 専門医の種類及び人数、保有する施設設備、併設している介護施設、対応可能

24 連携体制に関する事項 な疾患・治療内容、対応可能な短期滞在手術、専門外来の有無、健康診断・健

25 康相談の実施、対応可能な予防接種、対応可能な在宅医療、対応可能な介護

26 サービス、セカンドオピニオンに関する状況、地域医療連携体制

27

28 医療の実績、結果に 施設の人員配置、医療安全対策、院内感染対策、入院診療計画策定時におけ

29 関する事項 る院内連携体制、診療情報管理体制、情報開示に関する窓口の有無、症例検

30 討体制、治療結果情報、患者数、平均在院日数、患者満足度調査、(財)日本

31 医療機能評価機構による認定の有無

32

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34 図2 沖縄県医療機関検索システム(うちなぁ医療ネット)イメージ図

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うちなぁ医療ネット イメージ図

県民(患者)

選択 医療機関

(病院・診療所・助産所/薬局)

うちなぁ医療ネット

(沖縄県医療機関検索システム)沖縄県

報告

①各医療機関は、沖縄県に登録申請②申請後、1~2ヶ月でID・パスワードを配布。以後、各施設ごとにサイトにアクセスし、随時情報を登録(更新)

インターネット上のサイト(沖縄県ホームページとリンク)相談者にサイトの紹介

サイトにアクセスし、必要な医療機関情報を検索し、得ることが可能

連携医療安全相談センター

相談

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1 ⑵ 病床機能報告

2

3 病床機能報告制度は、一般病床及び療養病床を有する医療機関が毎年、自らが

4 担っている機能を都道府県に報告する制度として、平成26年(2014年)に導入されまし

5 た。

6 病床機能報告制度で報告する内容は、医療機関が有する病床の機能(高度急性

7 期、急性期、回復期、慢性期)、構造設備、人員配置等に関する項目及び具体的な

8 医療の内容に関する項目など多岐にわたります。

9 県民が自身にあった適切な医療機関を選択し受診するための情報として活用していた

10 だくため、医療機関から報告された情報はホームページで公開しています。

11

12 表4 病床機能報告事項

13

14 項 目 報告事項

15

16 担っている病床の機能 高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4機能から選択17 ・現在(毎年度7月1日時点)の病床機能18 ・6年が経過した時点における病床機能の予定19 ・平成37年度(2025年度)時点における病床機能(任意)20

21 具体的な医療の内容 ・幅広い手術の実施状況22 ・がん、脳卒中、心筋梗塞等への治療状況23 ・重症患者への対応状況24 ・救急医療の実施状況25 ・急性期後の支援、在宅復帰の支援の状況26 ・全身管理の状況27 ・疾患に応じたリハビリテーション、早期からのリハビリテーションの実施状況28 など29

30 構造設備、人員配置等 ・病床の状況31 ・診療科32 ・職員数の状況33 ・入院基本料、特定入院料及び届出病床数34 ・在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院の届出状況35 ・往診、訪問診療の状況 など36

37

38 ⑶ 医療施設一覧の提供

39

40 県では、医療計画に定める5疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿

41 病、精神疾患)、5事業(救急医療、災害時における医療、へき地医療、周産期医

42 療、小児医療)及び在宅医療ごとに、各医療を提供している医療機関の一覧を作成し

43 ています。

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1 疾病や事業ごとに、それぞれの病期に応じた医療提供を行っている医療機関に関す

2 る情報を提供することにより、県民が自身の疾病、病期に応じた医療機関を適切に受

3 診し、早期治療、重症化予防に努めることが期待されます。

4

5 第2 施策の方向性

6

7 1 医療機能の分化と連携

8

9 ⑴ 医療機関相互の協議

10 医療機能の分化と連携を推進するため、県が二次医療圏ごとに設置している沖縄県

11 地域医療対策会議等の場で、各医療機関が地域の課題や目指す姿を共有し、医療

12 機関相互の役割分担と連携強化について協議を行います。

13

14 ⑵ 県民への情報提供・普及啓発

15 患者が適切に医療を選択できるよう、医療機関からの病床機能報告(第6章参照)

16 等の情報を県民に分かりやすい内容で公表し、各医療機関の担う機能と役割について

17 周知を図ります。

18 また、日常的な診療による健康管理や必要に応じた専門的な医療への紹介等、在

19 宅療養支援の役割を担うかかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の重要性

20 について普及啓発に取り組みます。

21

22 2 医療に関する情報共有化の推進(おきなわ津梁ネットワーク)

23 医療連携を効率的に行い、患者に切れ目なく必要な医療が提供できるよう、おきなわ

24 津梁ネットワーク登録者及び参加医療機関の増加に向けた取り組みを支援します。

25

26 3 地域連携クリティカルパスの普及

27 地域連携クリティカルパスの普及により、医療機能の分化と連携を推進します。急性期

28 入院中から、回復期、維持期まで包括的な疾病管理を切れ目なく提供する体制を構築

29 するため、地域連携クリティカルパスの普及に取り組みます。

30

31 4 うちなぁ医療ネットの普及

32 ⑴ 誰でも容易に検索システムを扱えるよう、「うちなぁ医療ネット」の周知に努め、県民の

33 医療機関等の適切な選択を支援します。また、インターネット環境にない住民に対して

34 は、電話等による情報提供など全ての住民が出来るだけ多くの情報を享受出来る体制

35 を構築します。

36

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1 ⑵ 医療機関等については、医療法、薬事法に基づく報告義務であることの周知に努め、

2 「うちなぁ医療ネット」の入力率及び情報の精度の向上を図ります。

3

4 ⑶ 県民・医療機関双方から当該システムが利用しやすいよう必要に応じてシステムの改

5 修を進めます。

6

7 【達成目標】

8 指標名 現状 平成35年度

9 「うちなぁ医療ネット」へのアクセス件数(年間) 年間平均アクセス件数

10 17万件 年間20万件

11 「うちなぁ医療ネット」での正確な情報の提供 病院29% 病院50%

12 (医療機関情報の更新率(年間)) 診療所5% 診療所50%

13 歯科診療所2% 歯科診療所50%

14 助産所0% 助産所50%

15 薬局9% 薬局50%

16 ※算出方法 年度内に更新があった数÷システムに登録されている医療機関

17 ※更新率には、公開している情報に変更がなく更新してない医療機関は含めず。

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1 3 医療安全の推進2

3

4 第1 医療安全対策

5

6 1 現状と課題

7

8 医療技術の高度化、医療施設の環境、職員の接遇など「医療の質」に対する県民の関

9 心が高まっており、医療の安全性の確保が課題となっています。

10 県民に安全な医療を提供できる体制を整備するためには、医療関係団体や医療機関等

11 と連携し、医療事故の防止に努めるとともに、医療安全対策を総合的に進めていくことが必

12 要です。

13

14 ⑴ 医療提供施設における医療の安全管理

15

16 ○ 医療安全対策の推進を図るため、平成19年4月の医療法の一部改正により、全ての医

17 療提供施設の管理者に対し医療安全に係る指針の整備等の安全管理体制の整備が義

18 務づけられました。

19 ○ 沖縄県内の病院においては、全ての病院で医療安全管理委員会が開催され、93病院で

20 医療安全管理者の配置、患者相談窓口が設置されています。

21

22 医療提供施設(病院)における医療安全対策23

24 病院 医療安全管理 医療安全に関す 医療安全管理 患 者 相 談

25 委員会の開催 る研修会の開催 (責任)者の配置 窓口の設置

26

27 94 94 94 93 9328 (100%) (100%) (98.9%) (98.9%)

29

30 資料:医療政策課調査 平成29年12月

31

32 ⑵ 医療安全相談センター

33

34 ○ 県では平成16年4月から患者・家族等と医療従事者・医療機関との信頼関係の構築

35 に取り組むことを目的として、沖縄県医療安全相談センターを設置しています。

36 ○ 相談センターでは、専任の相談員を1人配置し、県民からの医療に関する相談や苦情

37 等に適切に対応しています。

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13 2 施策の方向性

14

15 ⑴ 医療提供施設における安全管理体制整備の促進

16 医療法に基づく病院等への立入検査の機会を通じて、医療事故防止マニュアル、院内感染

17 対策マニュアル等の作成と運用の徹底など、各医療提供施設が行う安全管理体制整備等の

18 取組の促進に努めます。

19

20 ⑵ 医療提供施設及び医療従事者への情報提供

21 医療安全に関する理解を一層深められるよう医療安全に対する啓発や情報提供に努めると

22 ともに、医療従事者の研修会等への参加を促進します。

23

24 ⑶ 医療安全にかかる相談体制の充実

25 医療に関する様々な相談や苦情に対応するため、関係機関や関係団体との連携を図りま

26 す。

27

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453

344 348

501

628

0

100

200

300

400

500

600

700

平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度

年度別相談件数

資料:医療安全相談センター集計

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