~新時代に躍動する多様な農業経営体の育成~...-3-1.花輪地区(...

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ほ場整備事業効果事例集 ~新時代に躍動する多様な農業経営体の育成~ 平成17年6月 秋田県 農山村振興課 農地整備課

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Page 1: ~新時代に躍動する多様な農業経営体の育成~...-3-1.花輪地区( 鹿角市) 『』中間農業地域のモデルとなる営農体制をめざして 農事組合法人用野目ファーム

ほ場整備事業効果事例集

~新時代に躍動する多様な農業経営体の育成~

平成17年6月

秋田県 農山村振興課

農 地 整 備 課

Page 2: ~新時代に躍動する多様な農業経営体の育成~...-3-1.花輪地区( 鹿角市) 『』中間農業地域のモデルとなる営農体制をめざして 農事組合法人用野目ファーム

秋田県におけるほ場整備事業の効果事例

営農組織 位置図

17

13

12

18

15

16

10

11

14

凡 例

特定農業法人

農事組合法人

有限会社

生産(作業受託)組織

番号 地区名 市町村名 営農組織名

1 花輪 鹿角市 (農)用野目ファーム

2 荒川 小坂町 荒川地区作業受託組織

3 上仏社 上小阿仁村 (農)上仏社営農組合

4 綴子 北秋田市 MKKハーモニーファーム

5 桧山、桧山第2 能代市 (農)アグリ檜山

6 種沢 秋田市 (農)種沢ファーム

7 浜井川 井川町 羽立生産組合

8 芹田 仁賀保町 芹田地区生産組合

9 中三地 仁賀保町 中三地地区生産組合

10 神岡下川原 大仙市 神宮寺農業生産組合

11 金西東部 美郷町 (農)美郷サンファーム

12 四ツ屋東部 大仙市 四ツ屋東部大豆転作組合

13 土崎・小荒川 美郷町 (農)ニューファーム千畑

14 北阿気 大雄村 四津屋大豆生産組合

15 十文字 十文字町 越前営農生産組合

16 金沢 横手市 十二牲担い手生産組合

17 寺沢 湯沢市 (有)カンパーニャ・アグリ

18 羽後 羽後町 (農)アグリコ秋田

-1-

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H17.6番号 地区名 市町村名 組織形態 営農組織名 特徴

1 花輪 鹿角市 H11 ~ H17 農業生産法人(特定農業法人)

農事組合法人「用野目ファーム」

耕畜連携による「特別栽培米」の生産 野菜 枝豆の出荷調整に、女性や高齢者を雇用

2 荒川 小坂町 H10 ~ H16 農業生産組織 「荒川地区作業受託組織」 小坂町初の受託組合 高収益な転作作物の集団化を検討中

3 上仏社 上小阿仁村 H10 ~ H15 農業生産法人(特定農業法人)

農事組合法人「上仏社営農組合」

大型コンバイン、田植機、高性能防除機の共同購入。ミニライスセンターの建設

野菜、比内地鶏 村特産品のべいなす、食用ほおずきの取り組み、H17は比内地鶏の飼育を取り組み

4 綴子 北秋田市(旧鷹巣町)

H3 ~ H11 農業生産組織「MKKハーモニーファーム」 水稲の直播栽培の取り組み。特産品を目

指した「大太鼓米」の栽培野菜、加工品直売所

野菜やその加工品を販売する産地直売所「のうそん」を鷹巣駅前に設置

5  桧山地区 桧山第2地区 能代市 H12 ~ H18 農業生産法人

(特定農業法人)農事組合法人「アグリ檜山」

栽培協定に基づく良食味米「桧山米」の生産に加え、大豆・ハウスホウレンソウの栽培を行う

野菜 水稲育苗ハウスを活用した、ハウスホウレンソウの栽培

6 種沢 秋田市(旧雄和町)

H11 ~ H19 農業生産法人農事組合法人「種沢ファーム」

クローラトラクター、大型田植機の導入、パイプハウス及びライスセンターの建設

野菜 ネギ、アスパラ、ホウレンソウ、メロン(秋田甘えんぼ)の栽培計画

7 浜井川 井川町 H7 ~ H15 農業生産組織 「羽立生産組合」 大豆ブロックローテーションの県内先進地高品質大豆の生産体制を確立

野菜 高品質大豆の生産のため地域の女性が大豆の除草作業を行う

8 芹田 仁賀保町 H5 ~ H12 農業生産組織「芹田地区生産組合」 大型機械導入による大豆のブロックロー

テーション花卉、野菜直売所

町内女性農業者で組織する「グリーレディースにかほ」による花卉、野菜の生産、直売

9 中三地 仁賀保町 H7 ~ H14 農業生産組織「中三地地区生産組合」 大型機械導入による大豆のブロックロー

テーション花卉、野菜直売所

町内女性農業者で組織する「グリーレディースにかほ」による花卉、野菜の生産、直売

10 神岡下川原 大仙市(旧神岡町)

H11 ~ H18 農業生産組織「神宮寺農業生産組合」 枝豆の産地化への取り組み

労働時間の集中を避けるため他品種を組み合わせた栽培体系

野菜 枝豆の選別作業等への労力の活用枝豆収穫後の作物導入を検討中

11 金西東部 美郷町(旧仙南村)

H10 ~ H18 農業生産法人農事組合法人「美郷サンファーム」

基幹作業を法人が行い、草刈り、水管理などは時間給で出し手農家が行う

野菜、加工品直売所

畑作物の収穫時に女性の臨時雇用。冬期間の収入確保のため、女性労働を主体に餅の加工・販売

12 四ツ屋東部 大仙市(旧大曲市)

H10 ~ H17 農業生産組織四ツ屋東部大豆転作組合 高品質大豆栽培の定着 野菜、花卉 花卉、野菜のハウス栽培の導入

13 土崎・小荒川 美郷町(旧千畑町)

H10 ~ H18 農業生産法人(特定農業法人)

農事組合法人「ニューファーム千畑」

全面積において直播栽培枝豆、リンドウ、ホウレンソウ、セリの栽培

野菜 豊富な湧水を活用したセリの栽培で特産品化を目指す

14 北阿気 大雄村 H8 ~ H16 農業生産組織 「四津屋大豆生産組合」 大豆とエン麦のブロックローテーションによる品質向上

野菜 個別経営の施設園芸(トマト、アスパラガス等)の活性化

15 十文字 十文字町 H7 ~ H13 農業生産組織「越前営農生産組合」 カントリーエレベーターの完全利用による

水稲栽培の省力化稲作における肥料の統一化による品質向

組合員全員による作業分担

16 金沢 横手市 H8 ~ H17 農業生産組織「十二牲担い手生産組合」 直播栽培、耕畜連携によるホールクロップ

サイレージの導入、小菊の転作を実施H18.1月に法人化を目指す

野菜、花卉 盆、彼岸用の小菊栽培を実施

17 寺沢 湯沢市(旧雄勝町)

H9 ~ H14 農業生産法人(有)カンパーニャ・アグリ 有機米のネット販売、転作大豆の加工した

味噌の販売を計画野菜、果樹産直、観光農園

特別栽培米、ブルーベリーやサクランボの観光農園や水稲育苗ハウスを利用したホウレンソウ栽培を計画

18 羽後 羽後町 H10 ~ H14 農業生産法人農事組合法人「アグリコ秋田」

大型機械の導入、無人ヘリによる航空防除で省力化し、町特産品のスイカや施設園芸に取り組む

野菜 水田労働時間の削減による畑作の取り組み

ほ場整備事業の工 期

秋田県におけるほ場整備事業の効果事例(営農組織)一覧表

ほ場整備事業により創出された労働力の有効活用

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1.花輪地区(鹿角市)

『 』中間農業地域のモデルとなる営農体制をめざして

(特定農業法人)◆農事組合法人 用野目ファームよ う の め

平成11年から着手した担い手育成基盤整備事業を契機として、集落内の合意を基本とした集落営農をめざし、平成15年に農地利用改善団体「用野目地区営農集団組合」が組織され、その中核となる組織として 「農事組合法人 用野目ファーム」が設立されました。、用野目ファームは、特定農業法人として集落内の52戸の農家を対

象に農地を集積し、5人(内認定農業者3人)のオペレーターが活動しています。

所在地 鹿角市用野目地区名等 担い手育成基盤整備事業 「花輪地区」

平成11~17年度 108.3ha組織の設立年 平成15年3月主要作物等 水稲、大豆、枝豆(借地・作業受託)組織の範囲 52戸(オペレーター5名)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 47.1ha(水稲37.1ha、大豆4ha、野菜等6ha)

活動の概要■

BM活性水を使用した特別栽培米●用野目ファームでは、地域の養豚団地で生産されるBM活性水を使

用した、減農薬・減化学肥料米を栽培しており、県の認証を受けた特別栽培米として消費者に安心・安全なお米を供給しています。

団地転作による大豆・枝豆の栽培●用野目ファームで受託した農地の転作は、枝豆と大豆を団地化し

て行っています。大豆については、地元の加工業者が求める品質の生産を確保する

ため実需者の品質確認を受けるなどの品質管理に心がけています。枝豆については、出荷時の出荷調整に相当な労力を必要とします

が、地域の女性やお年寄りの収入の場となっています。

地域の担い手組織設立の影響等●「用野目地区営農集団組合 「用野目ファーム」の活動により他の」

事業実施地区でも集落営農組織の設立への関心が高まっている。

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2.荒川地区(小坂町)

『小坂町初の稲作受託組織の設立』

◆荒川地区作業受託組合

平成10年度から始まった担い手育成基盤整備事業を契機に、小規模農家の農地を集積し安定的・効率的な稲作経営の確立を目的として、平成15年2月に小坂町初の作業受託組合として荒川地区作業受託組合が組織されました。現在は、稲作のみの受託を行っていますが、将来的には集団転作を

視野に入れた組織への展開を考えています。

所 在 地 鹿角郡小坂町地 区 名 等 担い手育成基盤整備事業「荒川地区」

平成10~16年度 30.8ha組織の設立年 平成15年2月主要作物等 水稲の栽培(作業受託)組織の範囲 49戸(オペレーター5名)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 20.6ha(水稲)

■活動の概要

基幹3作業の受託●荒川地区は平均耕作面積が少なく、従来の個々の営農では作業

機械への投資が過大となっていたことから、ほ場整備を契機に設立した作業受託組合が、小規模農家の基幹作業を受託し稲作経営の安定化を図っています。受託組合は基幹3作業以上の作業受託を行い、料金は町の農作

業標準賃金を目安にしています。

今後の展開●荒川地区は耕作面積が少なく稲作からの収益には限界があるこ

とから、今後の組合の展開として、収益が上がる転作作物の集団化を目指し稲作部門で創出される労力を活用した複合経営へのステップアップを検討しています。

地域の担い手組織設立の影響等●作業受託組合による、集団転作を取り組んだ複合経営への期待

が地域全体で高まっています。

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3.上仏社地区(上小阿仁村)

『山間農業地域の農地を守る法人の設立』

(特定農業法人)◆ 農事組合法人 上仏社営農組合かみぶっしゃ

土地改良総合整備事業を契機に、大豆生産組合を設立し転作大豆の共同作業を行ってきたが 、過疎化の進む山間農業地域の農地を守る、ため、特定農業法人として集落内の農用地を集積し大規模水田経営を実現することを目的に、平成15年8月3日に農事組合法人を設立した。

所 在 地 北秋田郡上小阿仁村地 区 名 等 土地改良総合整備事業「上仏社地区」

平成10~15年度 31.2ha組織の設立年 平成15年主要作物等 水稲・大豆(借地、作業受託)

比内地鶏の飼育組織の範囲 15戸(オペレーター9名)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 25ha(水稲20ha、大豆5ha)

■活動の概要

●水稲・大豆栽培における団地化及び共同作業大区画ほ場条件を活かし、利用権設定面積23.3ha、農作業

受託面積2.2haの集積を行い、水稲と大豆のブロックローテーションにより農作業効率が向上している。また、16年度においては、大型コンバイン、田植機、高性能

防除機の購入とミニライスセンターを建設、さらなる省力化やコストダウンが期待されている。

●創出された労働力の活用省力化により創出された労働力を活用し、転作部門として大豆の

ほか、村の特産物であるべいなす、食用ほおずきにも取り組んでい。 。る 17年度からは比内地鶏も2000羽ほど飼育を予定している

●農地を守る取り組み上仏社集落は山間農業地域であり、担い手の高齢化や減少によ

り耕作放棄地の増加が懸念されたため、将来にわたって持続的な農業生産活動の確立を目指し、農作業の効率化及び農地の耕作放棄の防止を図るため『中山間地域等直接支払制度』に取り組み集落協定を締結し、17年度からは法人が主体となり進めている。

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4.綴子地区(北秋田市)

『大区画ほ場を活かしてブランド米づくり』-大粒へのこだわり『大太鼓米』-

◆MKKハーモニーファーム

低コスト化大区画ほ場整備事業を契機に、平成8年9月に農作業受委託組織MKKハーモニーファームを設立、同時に綴子字掛泥地区にミニライスセンターを建設して、農作業の共同化及び農地の利用集積に努めている。

所 在 地 北秋田市(旧鷹巣町)地 区 名 等 低コスト化大区画ほ場整備事業「綴子地区」

平成3~11年度 333.3ha組織の設立年 平成8年主要作物等 水稲(作業受託)組織の範囲 50戸(オペレーター5名)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 43ha(水稲 〔内、直播2.7ha〕)

■活動の概要

●水稲栽培における省力化やコストダウン大区画ほ場条件を活かし、農地の利用集積及び農業機械や施設

の共同利用に努めるとともに、水稲の直播栽培にも積極的に取り組んでいる。

。今後も大粒のこだわり米づくりと低コスト農業を目指している

●町の特産品づくりを目指した『大太鼓米』世界一の綴子の大太鼓をイメージし、雨乞いの大太鼓によって

もたらされる恵みの雨で実った「あきたこまち」の、大粒の米だけを厳選しているのが特徴で、おいしい米を消費者に提供する思いが込められており、大太鼓の里の四季が満載されている。

●創出された労働力の活用、米価の下落や後継者問題などから委託希望者も増えてきており

、 、組織としてさらに受託面積を拡大し 担い手不足を補うとともに積極的に地域の農業を盛り上げている。

また、地域の農家は野菜づくりやその加工品を手掛け鷹巣駅前の中心地に産地直売所「の~そん」を設置して販売している。

産地直売所「の~そん」 「大太鼓米」

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5.桧山地区・桧山第2地区(能代市)

『安定したブランド米の生産に取り組む特定農業法人』

(特定農業法人)◆農事組合法人 アグリ檜山ひ や ま

能代市桧山地域の農業経営は 「水稲単作・小規模・個別兼業」で、あったが、平成12年度に導入された担い手育成基盤整備事業をキッカケとし、平成15年11月に桧山地区農地利用組合を設立、さらに地域リーダー5名によって同年同月「特定農業法人・アグリ檜山」を設立した。その目的は、農地の共同管理と転作団地の形成、販売農産物を安定生産を図ることとしている。

所在地 能代市桧山地区名等 担い手育成基盤整備事業「桧山地区・桧山第2地区」

平成12~18年度 118ha組織の設立年 平成15年主要作物等 水稲・大豆・ハウスホウレンソウ(借地)組織の範囲 57戸(オペレーター5戸)(農家数・オペレーター数)

( 、 、 )平成16年度経営状況 61.4ha 水稲41.9ha 大豆18.7ha その他0.8ha

■1年目の成果大区画ほ場の創設によって、高性能大型機械の効率的な利用や、大型

ハウスの活用により生産活動に新たな挑戦心が芽生えた。今後は、これらの成果を検証し、地域農業の発展に寄与することが期待できる。

活動の概要■●「桧山米」の安定生産・販売

大区画ほ場条件を活かした機械化体系を確立し、栽培協定に基づく良食味米として「桧山米」ブランドの生産販売に取り組んでいる

●団地の形成による高品質大豆の生産

団地の形成によって、排水管理が良好となり、また機械化体系の確立によって効率的な栽培

●ハウスほうれんそう栽培への挑戦

新たな挑戦として、水稲育苗ハウスを活用し、ハウスホウレンソウの栽培を行っている

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6.種沢地区(秋田市)

『地域農業を担う意欲ある経営体が誕生!』~ほ場整備が、農業法人設立を後押し~

◆農事組合法人「種沢ファーム」たねざわ

平成11年度からの担い手育成基盤整備事業において立地条件整備を行い、生まれ変わった大区画ほ場を契機としながら、売れる米作りの対応等新しい米政策を踏まえ、これまでの小規模・個別経営から脱却し、農地の労働力を結集して、農家の合意形成を下に農事組合法人

、 、 。を設立し 新しい制度と新しい農地の下で 農業経営の安定化を図る

所 在 地 秋田市雄和種沢地 区 名 等 担い手育成基盤整備事業「種沢地区」

平成11~19年度 104ha組織の設立年 平成16年主要作物等 水稲(作業受託)組織の範囲 23戸(オペレーター5名)

(農家数・オペレーター数)(水稲)平成16年度経営状況 23.2ha

■活動の概要

●大型機械を導入し、ライスセンターを設置稲作基幹作業の受委託を中心に、機械の大型化、また乾燥調整施設

の整備により一連のシステム化を図りながら低コスト化を実現する。・H15 パイプハウス4棟・クローラトラクター(夢プラン事業)・H16 乾燥調整貯蔵施設・田植機(水田農業緊急対策事業)

●水稲と野菜を組み合わせた周年生産体制の確立を目指す省力化され創出された労働力で、畑作物への取組みを積極的に展開

する。(ネギ・アスパラ・ホウレンソウのほか、秋田甘えんぼ(メロン)などの営農計画により、農業経営の安定化を目指す )。

●地域の担い手組織設立の影響等地域では当法人の取り組みをモデルとして、新たな法人設立の動き

が出ている (担い手育成基盤整備事業「芝野地区」でH16.9月、法人。が誕生)

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7.浜井川地区(井川町)

『 』大区画ほ場を活かした大規模大豆受託組織の設立

◆羽立生産組合は だ ち

平成11年、担い手育成基盤整備事業を契機として地区内の大豆の作業受託を目的に、オペレータ6人による生産組合を設立した。

所 在 地 南秋田郡井川町地 区 名 等 担い手育成基盤整備事業「浜井川地区」

平成7~15年度 99ha組織の設立年 平成11年主要作物等 水稲・大豆(作業受託)組織の範囲 18戸(オペレーター6名)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 25.8ha(水稲13.2ha、大豆12.6ha)

■活動の概要

●ブロックローテーションの県内先進地大豆の連作障害を回避するため1年ごとに作付け場所を変えるブ

ロックローテーションの県内先進地であり、大区画ほ場条件を活かした団地化と機械化体系の確立により作業の効率化を図るとともに、明渠排除、土壌診断に基づく堆肥・土壌 改良材の投入、病害虫防除、中耕培土、開花期追肥の徹底と地域の女性を除草作業に使役するなど農業農村の維持に大きく貢献している。

●高品質大豆の生産機械化体系の確立を図るとともに、収穫した大豆はJAの乾燥調

整施設、色彩選別機、大豆クリーナーを活用し、品質の向上、規格の統一に努め、需要者ニーズに対応した生産を行っている。

直播作業

ラジコンヘリによる防除作業

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8.芹田地区(仁賀保町)

『集落一体型農業をめざす生産組織』

◆芹田地区生産組合せりた

平成5年からの担い手育成基盤整備事業を契機に、「地区内において、基幹3作業受委託を主とする農地の集積を行い、農業機械への過剰投資抑制及び農業機械の有効利用により生産コスト低減を図る」ことを目的とし、転作大豆の団地化を行う『芹田地区生産組合』が設立された。

所在地 仁賀保町地区名等 担い手育成基盤整備事業 「芹田地区」

平成5~12年度 81ha組織の設立年 平成9年6月主要作物等 水稲・大豆(作業受託)組織の範囲 60戸(オペレーター5名)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 38.5ha(水稲17.4ha、大豆21.1ha)

活動の概要■

集団化への第一歩として進められたのがブロックローテーションによ●る転作大豆の団地化・産地化で、大豆の耕起、播種等連続作業時はオペレーター以外の機械所有者も加わり、組織一丸となった適期作業を行い、栽培技術の確立、品質、収量の向上に努めている。

また、夢プラン事業等による大型機械導入により労力の軽減と作業時間の短縮など、地域全体の農業生産力向上や経営の低コスト化を促進するための経営体を育成する基盤が確立された。

● 組織化による影響組織化による機械の共同利用、大型化による機械経費の節減と省

力化が図られ、それに伴い、女性の労働力は水稲から花卉(小菊・トルコキキョウ・パンジー等)や野菜に向けられ、経営の複合化が進んだ。町内の女性農業者でつくる「グリーンレディ-スにかほ」への参加者も増え、自分たちの作った花卉や野菜、加工品を当町の国道7号線沿いにある「百彩館」で販売し、また、JAにも出荷し好評を得ている。

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9.中三地地区(仁賀保町)

「集落を超えた一体型農業をめざす生産組織」

◆中三地地区生産組合なかさんち

平成7年からの担い手育成基盤整備事業を契機に、「地区内の効率的な農業生産を図り、組合員相互の経営の安定と農業の振興を図る。」ことを目的とし、8集落に跨る事業区域を対象とし、転作大豆の団地化、作業受委託を行う『中三地地区生産組合』が設立された。

所在地 仁賀保町地区名等 担い手育成基盤整備事業 「中三地地区」

平成7~14年度 174ha組織の設立年 平成11年2月主要作物等 水稲・大豆(作業受託)組織の範囲 110戸(オペレーター16名)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 77.1ha(水稲45.3ha、大豆31.8ha)

活動の概要■

集団化への第一歩として進められたのが転作大豆の団地化・産地●化で、種子・肥料・農薬等を組織で一括購入することによる低コスト化、夢プラン事業による大型機械導入による労力の軽減と作業時間の短縮、栽培技術の確立、連作障害回避のためブロックローテーションの実施等に積極的に取組み、品質、収量の向上に努めている。また、大豆の耕起、播種等連続作業時はオペレーター以外の機械所有者も加わり、組織一丸となった適期作業を行っている。

●組織化による影響組織化による機械の共同利用、大型化による機械経費の節減と省

力化が図られ、それに伴い、女性の労働力は水稲から花卉や野菜に向けられ、経営の複合化が進んだ。当地域の女性農業者が中心となり「グリーンレディ-スにかほ」を組織し、自分たちの作った花卉(小菊・トルコキキョウ・パンジー等)や野菜、又は加工品を当町の国道7号線沿いにある「百彩館」で販売し、また、JAにも出荷したりと意欲溢れる女性が増えてきている。

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10.神岡下川原地区(大仙市)

『ほ場整備を契機に稲作と枝豆の複合経営を確立』

神宮寺農業生産組合◆

平成15年、担い手育成基盤整備事業を契機に作業と経営の効率化を図るため、「神岡下川原地区」の担い手5人で学習グループを結成し転作作物として枝豆を選定し、複合経営に取り組むこととした。

平成16年に同5人で共同作業を行う生産組織を設立し、夢プランで枝豆収穫機械等を整備し、構成員のほ場を主体に水稲の基幹作業と枝豆の一貫作業を行っている。

所在地 大仙市神宮寺地区名等 担い手育成基盤整備事業『神岡下川原地区』

平成11年~18年度 103ha組織の設立年 平成16年主要作物等 水稲・枝豆(作業受託)組織の範囲 8戸(オペレーター5名)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 25.9ha(水稲20.3ha、枝豆5.6ha)

活動の概要■

●機械化と共同作業大区画ほ場条件を活かし、機械の大型化と作業の機械化により効率を

高めると共に、農業所得出費額の過半を占める機械の共同購入により、所得の向上に努めている。また、共同作業を行うことで受託面積の拡大と水稲と畑作作業のスケジュール調整を容易にしている。

●枝豆の導入機械化体系の確立により、一定規模の栽培が可能となり安定した出荷

量を確保することで産地化を進めている。栽培面では、土壌診断に基づく施肥、土壌改良材の投入、病害虫防除、中耕培土、追肥の徹底等、関係機関からの指導と研修を積極的に重ね品質向上に努めている。また、労働時間の集中を避けるため、極早生、早生、中早生、中晩生、晩生の品種を組み合わせた栽培体系をとっている。

●今後の展開方向作物の団地化、連作障害回避のため作業受委託から利用権設定へ転

換する必要がある。また、消費者が望む時期に出荷できるようJAと調整するとともに、枝豆収穫後の作物導入についても検討を重ね所得向上に努めてく方針である。

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11.金西東部地区(美郷町)

『生産・加工・販売へ挑戦する農事組合法人』

農事組合法人 美郷サンファーム◆み さ と

平成8年、企業的経営を目指し地域の秋作業の共同化を図るため農事組合法人金西ミニライスセンター(1号法人)を設立したが、担い手育成基盤整備事業による工事がほぼ完了した平成16年には、集落農業の担い手としての農事組合法人美郷サンファーム(3戸)を立ち上げ地域農業の先導的役割を担っている。

所在地 仙北郡美郷町地区名等 担い手育成基盤整備事業『金西東部地区』

平成10年~18年度 234ha組織の設立年 平成16年主要作物等 水稲、大豆、枝豆等(借地・作業受託)

生産~加工・販売組織の範囲 10戸(オペレーター3名)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 23ha(水稲19ha、大豆3ha、その他1ha)

活動の概要■

●周年経営の確立冬期間の収入確保のため、加工部門として『餅工房』を設置している。女

性労働を主体とし加工・販売に挑戦している。

●販売への挑戦餅、メロン、ミディートマト等は道の駅「雁の里せんなん」等で直売してい

る。特に餅は正月に注文が多く、今後の販売拡大に期待している。

●集落とのかかわり法人が全ての農作業を行うのではなく、土地の出し手から協力を得て生

産を行っている。出し手農家は時間と労力があれば草刈、水管理等を行い時間給で収入を得ている。特に、畑作物の収穫等は多くの女性を臨時雇用し、情報交換等集落に活気が生まれてきている。

安全・安心が自慢の平成16年度産米 最後の餅つき風景 美郷サンファームの『ゆきん娘』

カリカリに焼いて召し上がれ!

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12.四ツ屋東部地区(大仙市)

『 』大区画ほ場を活かした大規模大豆受託組織の設立

◆四ツ屋東部大豆生産組合

当組合は、H10年度四ツ屋東部地区担い手育成基盤整備事業を契機とし、H13年度に組合員9名にて設立された。組合員数は年々増加し、現在は16名で組織されている。

H16年度は、大区画整理・利用集積がなされた農地において、地区内約24haを作付けしており、地域における先導的集団として高品質大豆栽培に取り組んでいる。

所 在 地 大 仙 市地 区 名 等 担い手育成基盤整備事業「四ツ屋東部地区」

平成10~17年度 253.5ha組織の設立年 平成13年主要作物等 大豆(作業受託)組織の範囲 41戸 (オペレーター16名)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 24ha(大豆)

■活動の概要

●大豆栽培における集団化大区画ほ場条件を活かした大豆栽培の集団化と輪作体系の確立

により作業の効率化を図るとともに、明渠排除、土壌改良材の投入、病害虫防除、中耕培土の徹底など、栽培体系を確立させ大豆栽培の定着に大きく貢献している。

●高品質大豆の生産機械化体系の確立を図るとともに、収穫した大豆はJAの乾燥

調整施設、色彩選別機等を活用し、規格の統一化及び品質の向上を図っている。

平成12年度に、県・市・JA・土地改良区等で構成している四ツ屋東部地区産地協議会が設立されており、情報・意見交換、アドバイス等により大豆に対する需要者ニーズに対応した品質の確保に努めながら、生産を行っている。

●地域の担い手組織設立の影響等当大豆転作組合が組織されたことに、 。より 稲作との複合経営が確立された

さらに、花卉・施設野菜等のハウス栽培導入など、新たな取り組みを行う動きが出てきている。

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13.土崎・小荒川地区(美郷町)

『全面積を直播栽培に取り組む特定農業法人』

)◆農事組合法人 ニューファーム千畑 (特定農業法人

(水稲の直播作業)農業構造改革の一環として、平成10年から担い手育成基盤整備事

業に取り組み、北小屋集落において農業後継者不足から集落の話し合いと合意によって低コスト農業を目指すべく平成15年11月に農事組合法人を立ち上げた。その後、地域の担い手となるべく農地利用改善団体を設立し、特定農業法人の認定を受けている。

所 在 地 仙北郡美郷町地 区 名 等 担い手育成基盤整備事業「土崎・小荒川地区」

平成10~18年度 320ha組織の設立年 平成15年12月主要作物等 水稲、枝豆、花卉(りんどう)、ホウレンソウ

セリ等(借地)組織の範囲 28戸(オペレーター8名)

(農家数・オペレーター数)平成16年度 21.6ha経 営 状 況 (水稲17.3ha、枝豆3ha、その他1.3ha)

■活動の概要

●生産コストの徹底的な軽減生産コストの低減を図るべく、全面積の水稲の直播栽培にいち早く取り組み、適期刈り取りによる品質の均一化と労働時間の短縮を図っている。

●戦略作物への積極的な挑戦

ほ場整備事業により新たに創出された労働力を最大限活用し、ホウレンソウ、セリ、枝豆など高付加価値野菜の栽培に積極的に取り組んでいる。特に、セリについては豊富な湧水を利用し特産品として産地拡大を目指している。

セリの収穫、選別作業

●地域の担い手組織設立への影響隣接した地域でも大規模なほ場整備を計画しており、当法人を参

考に、水稲の直播栽培への積極的な取り組みや特産品を目指したセリ・花卉等の導入による複合経営を計画するなど、周辺地域での農業生産法人の設立に大きな影響を与えている。

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14.北阿気地区(大雄村)

『大豆とエン麦のブロックローテーションの確立』 ■活動の概要

●農地利用集積における経営規模の拡大◆四津屋大豆生産組合、 、ほ場整備事業における農地の集積は 大豆生産組合が中心となり

集落ぐるみの話し合いにより団地化を図っており、農地利用集積による経営規模の拡大、省力化に向けた新しい栽培技術の導入など、生産性の高い経営が可能となり、創出された労働力は個別経営の施設園芸(トマト、アスパラガス等 )に活かされている。)

●品質の向上と収量安定の確保村の水田営農確立対策に伴い、作付けが見え始めたエン麦の播種

の作業受託を始めたところ、大豆の連作障害対策とも相まって、受託面積が飛躍的に伸びている。転作田での大豆とエン麦のブロックローテーションによる作付け

体系確立により、品質の向上と収量の安定確保を図っている。

●周辺地域への影響平成12年度からの水田農業経営確立対策による土地利用型作物の 他の村内にある大豆生産組合8集団の中でもリーダー的な存在で

本作化に伴い、大豆の集団化による収益向上に着目し、構成員の所有 あり、全9集団で組織する「集団化転作低コスト推進組合」の農業地並びに構成員外からの受託地において、大豆生産の作業を共同で行 機械の利用調整や新たな栽培技術の導入や向上に大いに力を発揮しうことにより 生産性の向上及び利益の増進を図ることを目的として 他集団との技術研さんなど波及効果がみられる。、 、四津屋集落の5戸の農家で設立された。

所在地 平鹿郡大雄村地区名等 担い手基盤整備事業「北阿気地区」

ha平成8~実施中 446組織の設立年 平成12年主要作物等 大豆、エン麦(作業受託・共同出荷)組織の範囲 33戸(オペレーター5戸)(農家数・オペレーター数)平成 年度経営状況 28.2 (大豆 、エン麦 )16 ha 18.6ha 9.6ha

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15.十文字地区(十文字町)

『組織の合い言葉は「集落の土地は集落で守る 』」

◆越前営農生産組合

平成7年度から事業着手した担い手育成基盤整備事業を契機に、越前集落区域で整備・集積された大区画ほ場の効率的活用を図るため、「集落の土地は集落で守る」を合い言葉に、平成9年4月に31戸で営農生産組合を設立した。

また、平成12年度からの水田農業経営確立対策による大豆の生産振興が図られたのに伴い、大豆用機械を導入し、大豆団地の形成に取り組んだ。

所 在 地 平鹿町十文字町地 区 名 等 担い手育成基盤整備事業「十文字地区」

平成7~13年度 347ha組織の設立年 平成9年4月主要作物等 水稲・大豆(作業受託)組織の範囲 33戸(オペレーター5戸)(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 79.7ha(水稲47.4ha、大豆32.3ha)

■活動の概要

●共同利用・作業受託による低コスト化集落を取り囲むように集積された大区画ほ場を活かした集落営農

により、大豆及び稲作部門の農業機械の共同購入や共同利用、組合員全員による作業分担、日割に基づいた共同作業及び集落内外からの作業受託を実践しているほか、稲作部門ではカントリーエレベータの完全利用により低コスト・低労働力営農を実現している。

●品質の向上と収量の確保大豆部門では、地域内での精力的な話し合いにより、2カ年ブロ

ックローテーションを確立し、稲作部門では、地域内の肥料の統一化を実現し、品質の向上と均質化、収量の確保を図ってている。

●地域の担い手組織設立の影響等隣接する市町村において、当組合を参考とした集落営農型組織が

設立されている。

「集落は土地は集落で守る」構成員

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16.金沢地区(横手市)

『耕畜連携の循環型農業へ取り組む先進的法人』

◆十二牲担い手生産組合じゅうにしょう

(直播作業状況)

平成10年、担い手育成基盤整備事業による大区画ほ場の完成に伴い、集落の5戸が利用集積型の地域営農活動を開始し、平成11年2月に「十二牲担い手生産組合」を設立した。現在は、法人化に取り組んでおり、平成18年1月の実現を目指し

ている。

所 在 地 横手市金沢中野地 区 名 等 担い手育成基盤整備事業「金沢地区」

平成8~17年度 244ha組織の設立年 平成11年(平成18年法人化予定)主要作物等 水稲・ホールクロップサイレージ・大豆・小菊

(作業受託)組織の範囲 31戸(オペレーター2名)

(農家数・オペレーター数)平成16年経営状況 27.0ha(水稲22.5ha〔内、直播13.5ha 、ホールクロップサイ〕

レージ3.5ha〔全て直播 、その他1ha)〕

■活動の概要

●水稲直播栽培・ホ-ルクロップサイレ-ジ、小菊等の転作作物栽培平成12年、転作面積が3割強となり、生産組合として大豆の作

付けを開始した。平成13年には、大区画のほ場を生かし、さらに低コスト化を図

るため、水稲の直播栽培への取り組みを始め、それまで以上の省力化が実現した。ほ場整備により創出された労働力を活用し、盆・彼岸の小菊栽培

を始め、現在では年間約3万3千本の小菊を、JAに出荷している。

さらに、平成15年には、直播栽培の一部に、ホ-ルクロップサイレ-ジを導入し、耕畜連携循環型農業に貢献している (他の1。法人、1組織も参加し当組合を含め3組織で「ホ-ルクロップサイレ-ジ生産組織」を新たに立ち上げ実施している)

(小菊の栽培状況)

●地域の担い手組織設立の影響等地域では当組合の法人化への取り組みをモデルとして、もう1つ

の生産組織も法人化を目指し活動している。

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17.寺沢地区(湯沢市)

『多様な事業展開を目指す会社法人の設立』

◆農源郷「カンパーニャ・アグリ」

ほうれん草ハウス

平成15年10月17日に、地域の担い手農業生産法人として、農業委員会を通じた農用地利用集積により、水稲と転作大豆及び施設野菜を取り入れた複合経営を確立することを目的に㈲カンパーニャ・アグリを設立した。平成15年、担い手育成基盤整備事業を契機とし、寺沢全域を対象

( ) 、 .とする農業生産法人 構成員5名 を設立し 事業地区内の水田147haを対象に水田プラス大豆・野菜・農産加工の複合経営を行うを有限会社を設立し多様な農業生産組活動を目指している。将来的には担い手事業地域の全域を対象とすることを目標としている。

所 在 地 湯沢市雄勝地 区 名 等 担い手育成基盤整備事業「寺沢地区」

平成9~14年度 47.9ha組織の設立年 平成15年10月主要作物等 水稲・大豆・その他野菜(借地)

農産加工・観光農園(現在種苗育成中)組織の範囲 5戸(オペレーター3戸)

(農家数・オペレーター数)平成16年度経営状況 14.7ha(水稲8ha、大豆6.7ha)

■活動の概要

●水田稲作と他事業の複合有限会社担い手整備事業により水田労働時間が削減されたことにより、転作

大豆栽培と加工までを行い、付加価値をつけた味噌として販売するほか、有機米のネット販売や無農薬の果樹栽培に取り組み観光農園を行うこととしている。

●「こまちの郷のこまち米」の生産と施設野菜ひときわ水質に恵まれた雄物川最上流、役内川の流れに沿って水田

が広がる寺沢地区で一粒一粒に手間暇をかけたあきたこまちの特別栽培米や天日自然乾燥特別米のネット販売やブルーベリーやサクランボの観光農農園の開設と稲育苗ハウスを利用したほうれん草の栽培に取り取り組み、需要者ニーズに対応した生産を目標としている。

●地域の担い手組織設立の影響等地域では当有限会社の設立に協力しモデル的な組織が誕生に期待し

ている。

観光農園の果樹種苗の養成中

その他HPアドレスhttp://www.campagnaagre.net/index.html

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18.羽後地区(羽後町)

『安定的な稲作経営が畑作・施設園芸の力へ』

◆農事組合法人「アグリコ秋田」

大豆の収穫

担い手育成基盤整備を契機に農地集積が飛躍的に進んだことから、5名の担い手農家が発起人となり、大豆の団地化栽培による収量の確保と高品質化を目指し、平成16年4月7日に農事組合産法人を設立した。水稲部門では作業委託を拡大し、また畑作と施設園芸部門を規模拡大する計画である。大型機械による一環作業のほか無人ヘリコプター航空防除で労力を軽減し羽後町の特産であるスイカの栽培や施設園芸部門にも取り組み収益性を高める計画である。

所 在 地 羽後町地 区 名 等 担い手育成基盤整備事業「羽後地区」

平成10~14年度 489.9ha組織の設立年 平成16年4月主要作物等 水田・大豆・トマト・西瓜(借地・作業受託)

組織の範囲 133戸(オペレーター11戸)(農家数・オペレーター数)

( 、 、 )平成16年度経営状況 60.6ha 水稲25ha 大豆35ha その他0.6ha

■活動の概要

●稲作と転作大豆の安定経営と高付加価値野菜の取り組み担い手整備事業により水田労働時間が削減されたことにより、転

作大豆栽培と付加価値の高いスイカ、トマトなどの畑作・施設園芸へ取り組んでいる。

●組織経営体の活動計画水稲基幹作業(対象農家数11戸)

耕起 40㌶ 、代掻き40㌶、田植え40㌶、防除100㌶(ラジコンヘリ3回 、刈り取り40㌶)※防除用ラジコンヘリ H16:1機→H17:3機(300ha)を計画

大豆基幹作業(対象農家数133戸)耕起 70㌶ 、播種40㌶、倍土40㌶、刈り取り70㌶

●地域の担い手組織設立の影響等地域では当農機組合法人の設立に協力しモデル的な組織が誕生に

期待している。

すいかの定植

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県内では、平成3年度以降に採択されたほ場整備事業実施地区において、ほ場整備事業を契機に育成・強化された「農業生産組織」や「農業生産法人」が約200組織あります。本事例集は、その内、各振興局毎に1~4組織計18組織について紹介したものです。

また、本事例以外で、ほ場整備事業を契機に新しい農業を展開している3つの農業集団をくわしく紹介したパンフレット「ほ場整備を契機とした三つの物語」(平成15年 農林水産部農地整備課)もご覧ください。本パンフレットは秋田の農山村を幅広い視点で紹介しているホームページ「美しき水の郷あきた」からも見ることができます。

http://www.pref.akita.jp/fpd/

~ 問い合わせ先 ~

本事例集につきまして、ご意見、ご質問、ご感想等がございましたら、次ぎの担当までご連絡ください。

■ 秋田県農林水産部農山村振興課 農村整備計画班 TEL 018-860-1856農地整備課 ほ場整備・農用地開発班 TEL 018-860-1825