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Mechanism of Stage
舞台の仕組み 1 /8
舞台の仕組み2013 / 10 / 5
舞台ってどうやって作られているんだろう?
今までコンサートやお芝居などを観たことはあると思います。中には小さいながらもステージに立った事がある人もいることでしょうか。しかし、それら「舞台」がどうやって作られているか想像したことがありますか?大きなイベントになれば何百人というスタッフが動き、小さなイベントでも必ず誰かしらが舞台をつくっています。それら舞台制作の基本を解り易く解説していきます。
第1章 舞台を司るチームたち
第2章 現場で飛び交う専門用語
第3章 自作でやる舞台制作のコツ Porttitor mollis im perdiet libero senec tus pulvinar. Etiam
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第1章 舞台に関わるたくさんのチーム!
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舞台は主に下記のようなチームで形成されます。
制作(演出)、舞台、照明、音響映像、撮影*、演者、ホールさんこれらそれぞれ専門のの個々に説明していきましょう。
【制作・演出】イベントを企画、主催(*1)する側で、演出やシナリオなどの根本を作成する。プロデューサー、演出家と呼ばれる人はここに属する。ステージ外のロビーまわりや、出演者の管理なども制作の仕事である。
【舞台】舞台装飾、設営が主な仕事であるが、役割柄、音響や照明チームを統括する。「舞台監督」を筆頭に、作業員が数名いるが、特殊な装置などは専門業者を雇う。基本的に演出家(制作)の指示に従い、舞台監督が技術(照明、音響)を仕切る(*2)のであるが、演者の出入りや舞台全体のタイムキーパーのような役割もある。つまり舞台上のスタッフに
直接指示を下す重要な役割を持っている。
【照明】「照明技師」と呼ばれるチーフを筆頭に数名の作業員で構成される。「照明技師」は当日現場での作業だけでなく事前にリハーサルに立会い、演者や演出と打ち合わせして照明プランを作り上げる。照明機材はホールに備え付けの物を使用するが、足りない場合は持ち込む。電源を扱う部署なので、舞台全体の電源を管理(分配)するのも役割としてもっている。
【音響】「ミキサー」操作する人をリーダーに、マイク等を設置する作業員が数名で構成される。音響設備の完備されているところでは、仕込みはマイク設置程度であるが、一般ホールで充分な音響設備がないところでは、アンプやスピーカーなどの音響設備一式を持ち込む。SEやオケなどの音源を再生する「ポン出し」係も音響にまかされる事が多い。舞台内の音に関する事は音響管轄なの
(*1) 企画する立場なのでイベント費用を支払う側になり、舞台スタッフ全体の雇用主ということになる。
(*2) 制作から特に指名がなければ「照明」「音響」を「舞台」が手配することも多い。
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第1章 舞台に関わるたくさんのチーム!
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で、舞台用インカムも音響が管理するする事が多い。
【映像】大きなプロジェクターやVJのような演出を行う映像専門のチーム。舞台上に投射することがメインとなるので「撮影」とは仕事が異なる。
【撮影】先の「映像」と混同しがちであるが、これはあくまで「収録」することだけを目的(*3)としている。その映像を舞台上に出力する場合は「映像」スタッフの回線を送る。まれに「映像」と「撮影」が同じチームで行われることがあるが、業務区分としては分けて考えられる。
【出演者】彼らが居てはじめて舞台は成立するので、各スタッフは彼らがパフォーマンスしやすいように舞台を作っていく。逆に出演者は舞台を作り上げてくれるスタッフに敬意を表する。(*4)
【ホールさん】会場を管理する人。ホールは基本的にレンタルであるが、舞台設備の詳細は会場スタッフしかわからないので、設備説明(*5)や、管理人的役割として現場に立ち会う。ホールさん自身が舞台、照明、音響の技術の人たちなので、ホールさんが舞台スタッフ(舞台、照明、音響)を手配することもある。
このように複数のチームで形成される舞台仕事であるが、現場内での連絡系統(指示系統)はハッキリしている。シナリオを作る演出が一番偉いように感じられるが、現場を舞台監督に引き継いだ時点で演出が現場で直接指揮をとることはない。何か指示を出したいときは舞台監督を通して行う。
(*3) 収録のみで現場に入る場合、舞台演出とは直接関係ないどころが、邪魔になりがちなので舞台、照明、音響に煙たがれる事もしばしば…。ただし、舞台上にプロジェクター出力などする場合は舞台演出の一つになるので舞台スタッフと仲良くなる事も多い。
(*4) 出演者は先輩たちから、スタッフにはきちんと挨拶をするように教育されていることが多い。
(*5) ライブホールの場合は音響や照明の卓をそのまま使用するが、仕様はホールによって違うので、そこのホールさんが基本設定をしてからオペレーターに引き渡すことが多い。それらの技術的補佐が主な仕事なので、荷物運びなどの人足的作業を指示するのは失礼である。
演出(制作)
舞台監督
照明
音響
シナリオや概要などの指示
段取りなどの指示
出演者
出入りのタイミングなどを指示
撮影
撮影内容などの指示
ホールさん
その都度必要時にサポートする
第2章 現場にとびかう専門用語!
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舞台上でスタッフたちは専門用語を使います。全てをとりあげるときりがないので、現場でよく耳にする言葉をピックアップしてみました。
【上手(かみて)、下手(しもて)】上手が客席から見て右側。下手が客席から見て左側
【時計回り、反時計回り】時計が上からみて右回り。反時計が上から見て左回り。
【オシ、マキ、オンタイム】「おしてます」というのは予定時間を過ぎてること。「まいています」は予定時間より早いこと。「オンタイム」は予定通りの時間であること。
【舞台袖】舞台横の客席から見えないスペース。現場では「ソデ」と省略されることが多い。
【小屋付き】ホール常駐技術スタッフ、つまりホールさん。
【緞帳(どんちょう)】舞台を塞ぐ巨大な幕。
【箱馬(ハコウマ)、平台(ヒラダイ)】舞台装飾を構成するときに使う木製の汎用箱
【トラス】鉄骨のようなデザインの装飾用柱やブロック
【バリケード、プラ柵】立ち見のコンサートなどにお客さんを仕切る板状のもの
【ブース】照明、音響、映像など、メインコントロールをするための機材とスタッフの居るエリアのこと。部屋のような場所でなく、客席をつぶして臨時で設置することもある。
【リハーサル】本番に向けての練習全般を指す意味の範囲が広い言葉。
【通しリハ】いわいる予行練習的に最初から最後まで止めずに進行と演出、きっかけをシミュレーションして行うリハーサル。現場ではなく練習場で行われるが、照明、舞台スタッフなども同席してキッカケの確認などを行う
【演者(えんじゃ)】ステージ上でパフォーマンスを行う出演者のこと。
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第2章 現場にとびかう専門用語!
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【場当たり】舞台の大きさや装置などは実際のホールに入らないとわからないので、現場入りして舞台装置全て設置が完了したあとに、演者の立ち位置の確認、音響や照明のタイミングの確認など、パフォーマンスの内容は突き詰めないリハーサルの事(*6)。きっかけリハなどとも呼ばれることもある。
【ゲネプロ】設営が完了した会場で、本番と全く同じ状態で通しで行う通しリハーサルの事。大きな公演の場合、公演初日前に一部マスコミ関係者向けにゲネプロを公開することもある。
【仕込み】ホールに入り、舞台、照明、音響が機器や装置を設置準備すること。ほとんどが朝一に入り、午後にはリハーサルが始まるので短い時間で効率よく作業しなければいけない。
【ガナリ】リハなどの時に舞台監督やスタッフが拡声器代わりに使うマイクのこと
【影アナ】開演直前に注意事項等をアナウンスする事。舞台袖で喋ることが多い。
【キュー出し/ポン出し】キュー(CUE)とはきっかけのことで、監督などが合図を送ること。ポン出しはSEやCD音源などを再生すること。キューを合図にポン出しをする。
【モニター】PAはお客さんが聞き易いように音を調整するのであるが、舞台の上の演者には客席のようには聞こえない。そのため、演者がパフォーマンスし易いように、別にモニタースピーカーを舞台内に向けて用意、調整する。(*7)
【サウンドチェック】機材を設置したあとに行う調整作業のこと。チューニングとも呼ばれる。その間大きな音を出すので、他のスタッフは舞台上で作業ができなくなる。
【シュート】照明を仕込み終わったのちに灯体の角度調整などを行う作業。真っ暗にしなければいけないので、照明以外のスタッフは舞台上で作業することができない。
【バトン】舞台の上に照明を吊るす為の棒状のもの。仕込みや撤収時にはそれを下ろして作業する。照明だけでなく、映像スクリーンや看板など舞台演出に関わるものを吊るす事も多い。
【ピンスポ(ピン・スポット)】客席後方からステージをあてる、エッジのはっきりした円形の照明。1つのピンスポにつき、一人のオペレーターがつく。よく勘違いされるが「スポット」はバトンに固定された照明を指し「ピンスポ」は人が操作して自由に当てる場所を調整できるものを指す。
【客電(きゃくでん)】客席明かりの事。終演後に客電がつかない場合はアンコールを誘ってる事がほとんどである。逆に客電がついたときはアンコールが無いというサイン(*9)である。
【完全撤収】公演終了後、人も機材もゴミも人も全て会場から出ること(*10)。ステージ、客席だけでなく、控え室やロビーもすべてを使用前と同じ状態、現状復帰しなければならない。
(*6) 一部のダンス業界では大きなリハーサル室で舞台の大きさをシミュレーションした全体での通りリハーサルを「場当たり」と呼ぶ事もある。
(*7) 客席で聞こえる音を「そとおと」と言い、ステージ内で聞こえる音を「なかおと」と言う。コンサートの場合、演者は「そとおと」が全く聞こえないので、PAさんと綿密な打ち合わせが必要となる。
(*8) バトンを下ろすとき「バトン下がりまーす!」とスタッフが必ずを声かえるが、それに気づかないでステージ上をうろうろしてると、照明スタッフの注意される。
(*9) つまり、公演とは客電が消えて、客電がつくまでの間を示す。終演後に客電をつけるタイミングも舞台演出の重要なポイントである。
(*10) ホールはレンタルなので、撤収時間をオーバーすると延長料金を徴収されてしまうので、撤収は効率よく行わなければいけない。
第3章 自作でやる舞台制作のコツ!
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これまで「プロの舞台仕事」を紹介してきましたが、ここではプロではない人が舞台制作をスムースに行うためのテクニックを解説します。イベントを開催するときの基本的なことは、ここでは述べませんが、素人が以外と気づかない3つのポイントを挙げます。
役割をしっかりと決める。タイムテーブルとマニュアルをつくる。技術系はプロスタッフを雇う。これらをおさえるだけで、トラブルなくスムースに現場進行ができます。
【役割をしっかりと決める】自作イベントは規模が小さいため全体人数が少ないですが、一人がいろんな役割を兼任することで先に解説した舞台スタッフ構成に当てはめる事ができます。役割分担をはっきりさせることによりスムースに仕事が進みます。
〈演出(制作)/舞台監督〉ここで言う演出(制作)はそのイベントの最高権力者になるので、ほとんどの場合が主催の人がやることになるでしょう。ポイントは「自分は何もしないで指示だけする」ことです。もし細々した仕事を持ってしまうと、全体を管理することができません。会場とのやりとりや、他のスタッフの統括に徹しま
しょう。舞台監督の仕事を兼任することもありますので、タイムキープが重要な仕事のひとつでもあります。
〈音響、照明〉小規模イベントで、CD音源をポン出しするだけ、照明は壁のスイッチをオンオフするだけ、という場合は自前でやることになりますが、その場合でも立派な「音響」「照明」の仕事になります。受け持った人は責任を持って最後までやり遂げることが大事です。もし中規模イベントであれば、素人が機材を扱うのは難しいので、思い切ってプロを雇ったほうがいいかもしれません。
〈その他スタッフ〉受け付け係、出演者誘導係など、他にもたくさんの役割がありますが、自分たちの仕事だけを徹底しましょう。
一番重要なのは「現場で自分の役割以外の仕事に手を出さない」(*11) ということです。中途半端な助け合いは現場に混乱を招きます。各自の仕事をしっかりとやるようにリーダーは徹底しましょう。
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第3章 自作でやる舞台制作のコツ!
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【タイムテーブルとマニュアル】簡単でいいので必ずタイムテーブルを作成しましょう。特に音響や照明がある場合には絶対必要です。とりあえずタイムテーブルを作成して、スタッフなどに確認してもらいましょう。そうする事で「現場に入っても全然準備時間がとれなかった」などのトラブルを防げます。そして、イベントの概要を記載した「イベントマニュアル」も作成しましょう。主に下記の内容を記載します。
・タイトル、内容・開催日時、場所住所・出演者一覧(連絡先入)・スタッフ一覧(連絡先入)(*12)・チャージ、受付のルール・招待客一覧・簡単な会場の間取り図・タイムテーブル・進行表(シナリオ)
そして、これらを必ず書面にして関係者全員に配ります。ほとんどの身内タッフは完読しません(*13) が、これらを把握している代表者が現場に居られなくなっても進行することができます。そして、プロスタッフには絶対に必要なアイテムです。
【プロスタッフを雇う予算】音響や照明のような技術職では、素人では操作ができないためにプロを雇うことになりますが、ほとんどが予算のことで躊躇することでしょう。自作舞台の場合は予算が少ないことはプロも承知ですので、こういうときは相手にいくらかかるのかを聞くのではなく、こちらの支払える金額を提示してその予算内でやってもらえるように交渉しましょう。もちろん極端に相場からかけ離れた金額ではいけませんが、こちらの誠意をみせれば、ほとんどが引き受けてくれます。ただ、せっかく引き受けてくれたプロスタッフに対して気づかない無礼をしてしまう事があるので、そこは十分に注意しましょう。
プロスタッフは計画や進行、事前連絡などがきちんとしてない事を嫌います。相場以下で引き受けた事を「安上がりで済んだ」という態度も嫌います。極めつけは、イベント自体が楽しくない(演者やお客が楽しんでない)事を一番嫌います。プロスタッフが相場以下で引き受けるというのは、主催している人たちがこれから発展していくことを信じての先行投資という意味合いが大きいのです。
(*11) 小学生のサッカーのように一つのボールに群がるプレイは結果的にまとまらずに破綻する。まずは自分仕事を済ませる事が最優先。よほどの理由(重い荷物を運んだり、トラブルで遅れてるなど)がない限り人の仕事には手を出さない事を厳守する。
(*12) 舞台に関わるスタッフは多いわりには、誰が何の役割をしているのかわからないので、スタッフリストがあると解り易い。
(*13) 素人スタッフはほぼ100%与えられた書類を読む事はなく、小さなことでもいちいち尋ねてくる。そういう文化のためマニュアルを作らない習慣があるのであるが、現場に紙に印刷されたものがあると、万が一何かとラブルがあった時に役に立つ。
あとがき
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いかがでしたでしょうか?ここに書かれていることは舞台制作のほんの一部にしかすぎませんが、大きくても小さくても舞台制作の基本役割は変わりませんので、そこをしっかり把握しておきましょう。最後に自作舞台制作のとき、主催(現場で一番偉い人、監督)として立ち回るのに、大事なポイントを記載します。
大きな声を出す。とにかく現場はいろんな人がいるので大きな声でないと聞こえません。
相手にきちんと伝わったかどうかを確認する。「言った言わない論争」が一番見苦しいです。言う方は言って安心するのではなく「伝わって理解したかどうか」までをしっかり確認しましょう。聞く方は内容が解らなければきちんと聞き返しましょう。小さな誤解は大きな事故を引き起こします。
必ず時計を持ち歩く。舞台は時間が大事です。今の時間を常に把握するようにしましょう。
いつも笑顔で朗らかに。どうしても現場はピリピリした空気になりがちです。集中することは良いことですが、出来る限り余裕をもって動けるように心がけましょう。
素敵な舞台をつくりあげてください!
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