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The Walker 24 The Walker 24 Mr. Bassman Vol.6 Jimmy Garrison Profile p ds p b ds ILLUMINATION! Teardrops For Jimmy The Coltrane Legacy Matthew Garrison , "GarrisonJazz Productions" http://www.garrisonjazz.com/ Photo by Bill Smith (http://vancouverjazz.com/bsmith/)

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The Walker 24The Walker 24

Mr. Bassman (ベースマン列伝)  Vol.6ジャズにおいてベース弾きとは、 縁の下の力持ち、 水先案内人といったやや日陰の存在。 おまけに、 ウッドベースなら持ち運びも大変・・・。

だが、 黙々とベースをウォーキングさせ、 バンドをスイングさせることに魂を注ぐベースマンが、 一度化けの皮を剥ぐともの凄い名演・名盤が

生まれるのだ。 このコーナーでは、 そんなジャズ ・ベースマンの偉業を称えるとともに、 ジャズ ・ベースの素晴らしさを伝えていきたい。

Jimmy Garrison 【ジミー ・ ギャリソン】

Profile1934 年 3 月 3 日、 フロリダ州マイアミで生まれ、 ペンシルバニア州フィラデルフィアで育つ。 本名はジェームス ・ エモリー ・ ギャリソン。 最初はクラリネットを演奏していたが、 高校時代にベースに転向。 50年代は地元フィラデルフィアのグループで活動。57 年にはフィラデルフィアで、 ジョン ・ コルトレーン、 マッコイ ・タイナーと初共演を果たす。 58年にドラマーのフィリー ・ジョー ・ジョーンズに誘われニューヨークに進出。 フリーランスとしてカーティス ・フラー、 ビル ・エヴァンス、 ベニー ・ゴルソン、 ケニー ・ドーハム等と共演。 61 年にチャーリー ・ へイデンの後釜として、オーネット・コールマン・カルテットに加入し、 同カルテットで 「ファイヴ ・ スポット」 で演奏中にコルトレーンの目にとまり、 同年コルトレーン ・ カルテットに正式加入。 マッコイ ・ タイナー (p)、エルヴィン ・ ジョーンズ (ds) と共にジャズ史を飾る不動のカルテットとして、 数々のコルトレーンの名盤に名を残し、 他のメンバーの脱退後も最期まで在籍。 66 年にはコルトレーン等と初来日を果たす。 その後は、 ハンプトン ・ ホーズと双頭グループで活躍。 フリーランスとしてアーチー ・ シェップ、 エルヴィン ・ ジョーンズ、 アリス ・ コルトレーン等と活動。 一時期ベニントン大学やウェスレイアン大学で教壇に立つが、 73 年にエルヴィンのグループで復活。75年以降は健康を害し、第一線から退いていた。1976 年 4 月 7 日、 肺がんのためニューヨークで死去。 享年 42歳。 現在、 息子のマシュー ・ ギャリソンはベーシストとして、 次女のジョイ ・ギャリソンはジャズ ・スタイリストとして活躍中。

ジョン ・コルトレーンを最期まで支え続けた魂のベースマン

≪誰よりも汗の似合うベースマン≫

 ピアノのマッコイ ・ タイナーとドラムのエルヴィン ・ジョーンズに続き、 1961年にアルバム 『コルトレーン』 からジミーが正式加入することで伝説のジョン・コルトレーン・カルテットが結成された。マッコイは 65年 12月、エルヴィンは翌 66年にコルトレーンの元を離れ独立していくが、 一人最後までコルトレーンを支え続けたのがジミーだった。 50 年代にコルトレーンから絶大な信頼を得たポール ・チェンバースと共に、 コルトレーンのジャズにとっては必要不可欠なベースマンだった。 そのコルトレーン ・ カルテット加入前、 マイルス ・ デイビスの元を離れたビル ・ エヴァンス (p) がトリオ結成のため最初に起用したベーシストこそジミーであったが、 このトリオはごく短期間で解散し、 やがてビルはスコット ・ラファロ (b) とポール ・モチアン (ds) と伝説のトリオを結成することとなる…。 そのジミーをビルに推薦したのはマイルスだったそうだ。 とにかく酒とタバコが好きだったというジミーだが、 どこか憎めない人柄のベースマンだったようで、 右頁で紹介しているアルバム 『ILLUMINATION!』のジャケットを見るにつけ、なかなかの色男でもあったジミー (隣のエルヴィンと比べると特に…)。1952 年生まれのジャズ ・ ベーシスト、 ウィリアム ・ パーカーはジミーの弟子の一人でもあり、 ジャズ ・ ピアニストのデイブ ・バレルは、ジミーに捧げた「Teardrops For Jimmy」という曲を残している。 あの全身全霊を込めたベース・ワークは永遠だ!

≪ The Coltrane Legacy ≫ ≪ Matthew Garrison ≫

ジミーの演奏シーンを拝むなら、 コルトレーン ・ カルテットの

貴重な映像と、 コルトレーンと共演したミュージシャンのイン

タビューで構成されたドキュメンタリー作品 『コルトレーン ・ レ

ガシー』がお薦め! 前半は 1961 年のドイツでの演奏でベー

スはレジー ・ ワークマンのものだが、 後半はベースにジミー

が入った 63 年のサンフランシスコでのスタジオ演奏が収めら

れている。 中でも、 「インプレッションズ」 でのジミーの約 4

分にも及ぶ怒涛のベース ・ ソロは圧巻! あの激しい息づか

いとしたたる汗~弦のブルつきに力強さと魂を感じるはず!

ジミ- ・ ギャリソンを父に持つ、 1970 年ニュ-ヨ-ク生まれ

のベ-シスト。 高校時代にジャック ・ ディジョネット宅に住み

込みでジャズを学び、 その後、 バ-クリ-音学大学に進学。

ジョ-・ザヴィヌル、スティ-ヴ・コ-ルマン , ジョン・スコフィ-

ルド、 ジョン ・マクラフリン、 ハービー ・ハンコック等のグルー

プで活躍するなど、 作曲、 プロデュ-ス等もこなし、 自身の

会社 "GarrisonJazz Productions" も経営。 これまで 3枚

のアルバムをリリース。 詳しくは貴重な情報 ・ 写真も満載の

ウェブ ・サイト 【http://www.garrisonjazz.com/】 まで。

Photo by Bill Smith (http://vancouverjazz.com/bsmith/)

The Walker 25The Walker 25

JG's Leader & Featured Album

JG's Support Album

完全なる単独名義のリーダー作を残していないジミー ・ギャリソン。 やはりジョン ・コルトレーン ・

カルテットでの活躍のインパクトが大きいが、 ジミーのベースが際立つ名盤も忘れられない。

ポール ・チェンバースやリロイ ・ヴィネガーほど参加作品数は多くはないが、 ジャズ史を飾

る渋い名盤の中で一発入魂のウォーキングやソロを披露してくれたジミーのベースは必聴!

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���������������名盤

����魂��������������!

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���実質的�������������

�����

������J

r.

�初����作�

ILLUMINATION!Elvin Jones / Jimmy Garrison Sextet(ユニバーサル:UCCI-9061)

ColtraneJohn Coltrane(ユニバーサル: UCCU-5212)

Puttin It TogetherThe New Elvin Jones Trio( 東芝 EMI: TOCJ-6598)

East Broadway Run DownSonny Rollins(ユニバーサル: UCCU-5238)

A Monastic TrioAlice Coltrane( ユニバーサル : UCCI-9104)

ShowboatKenny Dorham Quintet(M&I: MYCJ-30294)

Attica BluesArchie Shepp(ユニバーサル: UCJU-9040)

Speak Low +3The Walter Bishop Jr. Trio(徳間ジャパン:TKCB-71602)

Live At The Village Vanguard Again!John Coltrane(ユニバーサル:UCCI-9121)

Elvin Jones (ds), Jimmy Garrison (b),Prince Lasha (cl, fl), Sonny Simmons (as, eh),Charles Davis (bs), McCoy Tyner (p)

Walter Bishop Jr. (p), Jimmy Garrison (b),G. T. HOGAN (ds)

John Coltrane (ts, ss, bcl), Pharoah Sanders (ts),Alice Coltrane (p), Jimmy Garrison (b),Rashied Ali (bs), Emanuel Rahim (per)

コルトレーン ・カルテットの盟友エルヴィン ・ジョーンズ (ds) とジミーのリーダー作で、同メンバーのマッコイ ・ タイナー (p) をフィーチャーした作品。 録音は 1963年 8月で、コルトレーンのアルバム 『セルフレスネス』と 『ライヴ ・ アット ・ バードランド』 のレコーディングの間に行われた。 コルトレーンを筆頭に、 その後の神懸り的なカルテットのプレイの数々を考えるととても重要な作品といえる。 フロントにはソニー ・ シモンズ、 プリンス ・ ラシャ、 チャールズ ・ デイヴィスの三管を従え、 エルヴィン以外のメンバー全員のオリジナル 6 曲を収録。 ジミー作 「ゲッティン ・ オン ・ ウェイ」 も秀逸で、 骨太のウォーキングも冴え渡る。 6 人の奔放なサウンド、 創造的なプレイが楽しめる傑作!

録音はジミーがコルトレーン ・ カルテットに正式加入する約一年前の 1961 年 3 月 14日に行われた。 勿論、 リーダーはピアノのウォルター ・ ビショップ Jr. だが、 トリオを引っ張っているのは紛れもなくジミーであり、 ジミーのベースの存在感故にピアノ ・ トリオの名盤となった作品! ジミーのブイブイ & グリグリとファンキーに唸りまくるウォーキングに乗せられ、 ウォルターのピアノが冴え渡る。 因みにドラムの G.T. ホーガン(Granville Theodore Hogan Jr.) は、 この録音後暫くしてジャズ界から足を洗ったそうな…。 絶品の 「グリーン ・ ドルフィン ・ストリート」 「アローン ・ トゥゲザー」 「マイルストーンズ」 等、 ジミーの魂のベース音を真っ向から浴びるには最適の一枚!

1966 年 5 月 28 日の NY 「ヴィレッジ ・ ヴァンガード」 でのライヴ録音。 コルトレーンは、このライヴ後の 8 月にアリス (p) と正式に結婚することとなるが、 短パン&白ソックスというラフ過ぎる格好のジミーとアリスがしっかりと手を握り合っちゃっているジャケ写が意味深でもあるが、 まあ、 そんなことはいいだろう。 でも、 コルトレーンの最初の妻に捧げた 「ナイーマ」 がオープニングというのもまた気になるところ…。 何はともあれ、 不動のコルトレーン ・ カルテットから唯一残ったジミーのベース ・ ソロは圧巻! あの必殺フラメンコ奏法もばっちり収録。 コルトレーンとファラオ ・ サンダースのバトルなど聴きどころも満載! 61 年の 「ライヴ ・ アット ・ ヴィレッジ ・ヴァンガード」 と比較するのも面白い。

ジミーはこの作品で正式にコルトレーン ・カルテットのレギュラー・メンバーとなった。勿論、 ピアノはマッコイ ・ タイナー、 ドラムはエルヴィン ・ ジョーンズ。 「ソウル ・アイズ」 の名演も光る! 1962年録音。

ジミーとジョー ・ ファレル (ts, ss, fl) を従えたエルヴィンのブルーノート初リーダー作。 エルヴィンのブラシとジミーの骨太ベースが聴けるジミー作曲の 「スイート ・リトル ・マイア」 も収録。 1968年録音。

コルトレーン ・ カルテットのジミー & エルヴィンに、 フレディ ・ハバード (tp) を従えたピアノレス ・ カルテットによるソニー ・ロリンズの野心溢れる快作で、 ロリンズ60年代最後のアルバム。 1966年録音。

ケニー ・ ドーハム (tp) 率いるクインテットが名ミュージカル 『ショウボート』 からのナンバー 6 曲を披露。 ケニーのクールで爽快なトランペットも心地良く、 スインギーなジミーのベースにも満足。 1960年録音。

ヴォーカルも加えたダイナミックでファンキーなアーチー ・ シェップの名作。 アッティカ刑務所で起きた黒人囚人による暴動をテーマにしたメッセージ色の強い作品。ジミーのベースも渋い。1972年録音。

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�れ����唯一�����作!

単独�����"Co-Leader"

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妻アリスが、 夫コルトレーンの死から半年後の 1968 年 1 月に録音した鎮魂アルバム。 ジミーの他、 ファラオ ・ サンダース (ts、 fl、 bcl) とラシッド ・アリ (ds)が参加。 アリスはハープとピアノを披露。

1. Nuttin' Out Jones 2. Oriental Flower3. Half And Half 4. Aborigine Dance In Scotland5. Gettin' On Way 6. Just Us Blues

1. Sometimes I'm Happy 2. Blues In The Closet3. Green Dolphin Street 4. Alone Together 5. Milestones 6. Speak Low, etc

1. Naima 2. Introduction To My Favorite Things/Bass Solo by Jimmy Garrison3. My Favorite Things