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NEJM NEJM NEJM NEJM 勉強会 勉強会 勉強会 勉強会 200 200 200 2009 第 1 回 2009 2009 2009 2009 年 4 月 15 15 15 15 日 A 担当: 担当: 担当: 担当:候 聡志 聡志 聡志 聡志 ( ꝏ ꝏ-@.ꜳ. @.ꜳ. @.ꜳ. @.ꜳ. ) Cꜳ 26-2005: A 40-ꜳ-O Mꜳ S Lꝏ ꝏff Cꝏꝏ Jꝏ (N Eꜳ Jꝏꜳ ꝏff M 2005; 353: 824-32) 【症例】 【症例】 【症例】 【症例】 突然意識失い、救急外来に搬送さた 40 代黒人男性 【主訴】 【主訴】 【主訴】 【主訴】 意識消失,転倒 【現病歴】 【現病歴】 【現病歴】 【現病歴】 (目撃者の話に)患者は中に突然立ち止、背中反してその仰向けに地面に倒、後頭打ち つけた。救急隊員は 11 分後に現場に到着し、そのとき患者は意識失った状態で地面に仰向けで横た、時折右腕屈曲 させていたという。その場で測定さたの結果は脈拍数 120/分,呼吸数 36/分(鼾声呼吸),血圧 140/110H,血 糖値 140/ であった。救急隊員は痙攣発作が原因だと考えて 10 静注し、頚椎保護装具装着した上で救 急搬送した。 【既往歴】 【既往歴】 【既往歴】 【既往歴】 (駆けつけた妻聴取) 1年前に中に倒て別の病院に搬送さたことがあ、診察した医師かは心臓に問題があので今後 ないうに言たという 【服用歴】 【服用歴】 【服用歴】 【服用歴】 (駆けつけた妻聴取) β断薬(1年前に倒た際に搬送さた病院か処方さたが、現在服用継続してい否かは不明) 【生活歴 【生活歴 【生活歴 【生活歴家族歴歴 家族歴歴 家族歴歴 家族歴歴】 不明 【出身職業】 【出身職業】 【出身職業】 【出身職業】 出身, 【入院時現症】 【入院時現症】 【入院時現症】 【入院時現症】 救急車にて搬送 〈全身状態〉 〈全身状態〉 〈全身状態〉 〈全身状態〉 患者は搬送時には意識はなく、言語及痛刺激の何に反応せず、開眼発声なかった。しかし、救急外来到着直後 には痛刺激に対して反応すうになった。 体温 37.6℃,脈拍数 100/分,血圧 116/71H,呼吸数 24/分,SO 2 97%(型人工呼吸器で 100%素投与下) 〈頭頸〉 〈頭頸〉 〈頭頸〉 〈頭頸〉 左後頭か頭頂にかけて 3 の裂傷あ,瞳孔:左右正円同大で 4(対光反射正常),顔面外傷なし 頸皮下の軋音なし,気管の変位なし,頸血管雑音なし 〈心肺腹〉 〈心肺腹〉 〈心肺腹〉 〈心肺腹〉 特に異常は認ない 〈神経〉 〈神経〉 〈神経〉 〈神経〉 両側角膜反射あ,顔面に左右差は認ない,眼振なし,反射陰性,反射は全て 2+ 痛刺激加えと、全ての四肢引っ込た 〈四肢〉 〈四肢〉 〈四肢〉 〈四肢〉 四肢の脈拍触知し、血液灌流正常 〈背 背〉 脊椎の変形,背中の外傷は認ない 〈直腸診〉 〈直腸診〉 〈直腸診〉 〈直腸診〉 異常は認ない 〈血液検査 〈血液検査 〈血液検査 〈血液検査〉 CBC,電解質,血糖,凝固,肝機能,腎機能は全て正常域内 CK(迅速定量検査):正常域ずかに超えて高値, ꝏ.(迅速定量検査):陰性 〈血中毒物 血中毒物 血中毒物 血中毒物〉 血中/誘導体//三環系抗鬱薬//:全て陰性 〈便潜血〉 〈便潜血〉 〈便潜血〉 〈便潜血〉 陰性 〈心電図 心電図 心電図 心電図〉 搬送さてか 20 分後にとたの次頁に示す 〈頭頸単純 〈頭頸単純 〈頭頸単純 〈頭頸単純 C C C C〉 頭蓋内出血なし,頭蓋骨及頚椎の骨折なし,左頭頂骨上に帽状腱膜下血腫あ 〈腹影 〈腹影 〈腹影 〈腹影 C C C C〉 大動脈,肝臓,腎臓,脾臓に異常は認ない

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Page 1: NEJMNEJM勉強会 勉強会 2002002009999 第第第第1111回回回 …plaza.umin.ac.jp/~NEJM/data2009/01/0901-a.pdf · NEJMNEJM勉強会 勉強会 2002002009999 第第第第1111回回回回

NEJMNEJMNEJMNEJM 勉強会勉強会勉強会勉強会 2002002002009999 第第第第 1111 回回回回 2009200920092009 年年年年 4444 月月月月 15151515 日日日日 AAAA プリントプリントプリントプリント 担当:担当:担当:担当:候候候候 聡志聡志聡志聡志 (((( [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] ))))

Case 26-2005: A 40-Year-Old Man with Sudden Loss of Consciousness while Jogging

(New England Journal of Medicine 2005; 353: 824-32)

【症例】【症例】【症例】【症例】 突然意識を失い、救急外来に搬送された 40 代黒人男性

【主訴】【主訴】【主訴】【主訴】 意識消失,転倒

【現病歴】【現病歴】【現病歴】【現病歴】

(目撃者の話によれば)患者はジョギング中に突然立ち止まり、背中を反らしてそのまま仰向けに地面に倒れ、後頭部を打ち

つけた。救急隊員は 11 分後に現場に到着し、そのとき患者は意識を失った状態で地面に仰向けで横たわり、時折右腕を屈曲

させていたという。その場で測定されたバイタルの結果は脈拍数 120/分,呼吸数 36/分(鼾声呼吸),血圧 140/110mmHg,血

糖値 140mg/dl であった。救急隊員は痙攣発作が原因だと考えてジアゼパム 10mg を静注し、頚椎保護装具を装着した上で救

急搬送した。

【既往歴】【既往歴】【既往歴】【既往歴】 (駆けつけた妻より聴取)

1年前にもジョギング中に倒れて別の病院に搬送されたことがあり、診察した医師からは心臓に問題があるので今後サッカーを

やらないように言われたという

【服用歴】【服用歴】【服用歴】【服用歴】 (駆けつけた妻より聴取)

β遮断薬(1年前に倒れた際に搬送された病院から処方されたが、現在も服用を継続している否かは不明)

【生活歴【生活歴【生活歴【生活歴・家族歴・アレルギー歴・家族歴・アレルギー歴・家族歴・アレルギー歴・家族歴・アレルギー歴】】】】 不明

【出身・職業】【出身・職業】【出身・職業】【出身・職業】 カメルーン出身,エンジニア

【入院時現症】【入院時現症】【入院時現症】【入院時現症】

救急車にて搬送

〈全身状態〉〈全身状態〉〈全身状態〉〈全身状態〉

患者は搬送時には意識はなく、言語及び痛み刺激の何れにも反応せず、開眼や発声もなかった。しかし、救急外来到着直後

には痛み刺激に対して反応するようになった。

体温 37.6℃,脈拍数 100/分,血圧 116/71mmHg,呼吸数 24/分,SpO2 97%(バッグ・マスク型人工呼吸器で 100%酸素投与下)

〈頭頸部〉〈頭頸部〉〈頭頸部〉〈頭頸部〉

左後頭部から頭頂部にかけて 3cm の裂傷あり,瞳孔:左右正円同大で 4mm(対光反射正常),顔面外傷なし

頸部皮下の軋音なし,気管の変位なし,頸部血管雑音なし

〈心・肺・腹部〉〈心・肺・腹部〉〈心・肺・腹部〉〈心・肺・腹部〉 特に異常は認められない

〈神経〉〈神経〉〈神経〉〈神経〉 両側角膜反射あり,顔面に左右差は認められない,眼振なし,バビンスキー反射陰性,反射は全て 2+

痛み刺激を加えると、全ての四肢を引っ込めた

〈四肢〉〈四肢〉〈四肢〉〈四肢〉 四肢の脈拍を触知し、血液灌流も正常

〈〈〈〈背部背部背部背部〉〉〉〉 脊椎の変形,背中の外傷は認められない

〈直腸診〉〈直腸診〉〈直腸診〉〈直腸診〉 異常は認められない

〈血液検査〈血液検査〈血液検査〈血液検査〉〉〉〉 CBC,電解質,血糖,凝固,肝機能,腎機能は全て正常域内

CK(迅速定量検査):正常域をわずかに超えて高値, Trop.T(迅速定量検査):陰性

〈〈〈〈血中毒物スクリーニング血中毒物スクリーニング血中毒物スクリーニング血中毒物スクリーニング〉〉〉〉

血中アルコール/バルビツール酸誘導体/ベンゾジアゼピン/三環系抗鬱薬/オイオイド/コカイン:全て陰性

〈便潜血〉〈便潜血〉〈便潜血〉〈便潜血〉 陰性

〈〈〈〈心電図心電図心電図心電図〉〉〉〉 搬送されてから 20 分後にとられたものを次頁に示す

〈頭頸部単純〈頭頸部単純〈頭頸部単純〈頭頸部単純 CTCTCTCT〉〉〉〉 頭蓋内出血なし,頭蓋骨及び頚椎の骨折なし,左頭頂骨上に帽状腱膜下血腫あり

〈腹部造影〈腹部造影〈腹部造影〈腹部造影 CTCTCTCT〉〉〉〉 大動脈,肝臓,腎臓,脾臓に異常は認められない

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救急外来救急外来救急外来救急外来にて記録されたにて記録されたにて記録されたにて記録された心電図心電図心電図心電図

心電図所見(そのまま転記した)

SR,LVH,右脚ブロック,ST↓in Ⅰ,V4~V6,negative T in Ⅰ,aVL,V4~V6

ここである診断的手技が施行された。

Problem list,そして鑑別診断は何か?