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2011/05/31 Eaphetニューズレター

ニューズレターニューズレターニューズレター

第六号第六号第六号第六号をお届けします。今後ニューズレターは日

本語、中文に分けて発行します。投稿歓迎。

第六号目次

第六号目次

第六号目次

第六号目次

▲台北二二八紀念館 改装後初の紀念祭（１-２

頁） ■特集【霧社事件80周年】▽「愛と和平」祭典

（２-３頁）▽霧社事件を語る“主体性”と“共

有”（３頁） ▲

Eaphet

3月～５月の主な活動（４頁）

■特集【東アジアと原子力」第一回▽核廃棄物は

いかがですか（４-６頁）▽東アジアの原発―

台湾の原発：その①（６-８頁） ■歴史を生きる人々△①

王文其さん（８-９頁）△②陳千武さん（９-10

頁） ▲講座報告「慰安婦問題の解決とは何か」（10

‐11頁） ▲中国語で話そう第一回(11頁）▲ルビー工作室

真相開店のお知らせ（12頁）▲今年度下半期

の活動案内・お知らせ（12頁）▲インターン募

集案内（12頁）▲Eaphetが見た出来事3

月-5月（12頁） Eaphet No.6 #1/12

日文版日文版日文版日文版

が止まらない。総督府でのボランティアガイドも一ヶ月に一回こな

している。今回も自分で作ったという資料を配ってくれたり、田母

神（たもがみ）俊雄論文を翻訳したんだというのを配ってくれた

り、太平洋戦争は日本が始めたんじゃないという話など、「蕭節」

をたっぷりと聞かせてくれた。ますます元気な様子に安堵。

紀念館は大幅に改装された。いたるところにタッチパネルによ

る表示・解説が用意され、電子化されていることにまず驚く。解説

は全体に非常に丁寧になったなという印象。特に、中文と日文の解

説が細かくなった。パンフレットの日文は以前とは格段の違い（ま

だ細かく比較してないが、言葉を少し替えたとかいう程度ではなく

まったく作り直したという感じ）。ところが英文パンフレット

は以前とまったく同じものを使っている。これは一体どうしたこと

かと思うのだが、これでまた日文と英文の開きはより大きくなって

いると思った。英文のパンフレットまでは、まだ手が廻らないとい

うことかもしれない。展示そのものの英文は、もちろん中文にあわ

せて改変されている。 原爆の写真は扱いが小さく

なった（下段写真）。以前は台湾光復の象徴、戦争終結の象徴とし

て大きく扱われていたけれど、今回は「時代交替」と題された一角

の、さらに小さな部分を占めるだけ（でも同じリトルボーイのきの

こ雲写真が使われている）で、同じパネルに日章旗と青天白日旗が

6 th

2011/05/30 日文版日文版日文版日文版 台北二二八紀念館

台北二二八紀念館

台北二二八紀念館

台北二二八紀念館 改装

改装

改装

改装

後初

後初

後初

後初のの のの紀念祭

紀念祭

紀念祭

紀念祭 阿川

昨年四月から閉館して改装工事をしてきて二月にオープンした二

二八紀念館に行ってきた。この日は、紀念碑前で遺族を中心に慰霊

祭もあったが、関係者以外は警察によって出入りを許されず、遠巻

きにして眺めるしかできなかった。紀念館前でも音楽祭が行わ

れ、人が多く、騒がしい中での記念日になった。 紀念館は一九九五年二月二八日

にオープン。九十五年は李登輝総統が政府を代表して二二八事件の

被害者遺族に謝罪した年。九十四年七月の国民大会で総統の直接選

挙が決定された直後の開館ということになる。

ガイドを買って出てくれたのは、おなじみの蕭錦文先生。十七

歳で志願兵としてビルマに。英国統治下のシンガポールで現地人が

十％しか教育を受け入ていないことにびっくりし、日本の統治は優

れていると思ったという、当年八十六歳。霧社の葉山清子さんの同

学でもあり、今回別件で清子さんと連絡していて今度二二八紀念館

に行くよといったら早速電話を入れてくれて蕭先生がガイドをして

くれることになった。とにかく話

並ぶ。支配権の交替ではなく時代の交替という名づけには、なるほ

どとも思える一方である種の違和感は残った。紀念館の外で手書き

のプラカードを掲げてなにやら抗議している人がいたけど、こうし

た違和感と関係あるのかな。 プラカードを見ると違和感どこ

ろか、とにかく外来の国民党政権、外省人に対する根深い恨みが

読み取れそうだ。ということは、どのように展示が作られようと、

Eaphet No.6 #2/12

総統の後ろには、政府関係のお偉方

が席に着く。高金素梅やワリス・ペイ

リンの姿も見える（彼らは自治区法案

を早く審議しろという示威行動のため

に出向いてきたらしい）。揃いの

チョッキに黒ズボンという多数のS

P、多数のメディア関係者の存在を無

視すれば、総統自身に存在感は感じら

れない。

儀式―プログラム上では「セイダッ

カ族伝統祭典儀式」と書かれている。

S老は”和解”の意味も入っている、

と後で解説してくれたが、この儀式が

どのような意味で「伝統的」なのかも「何の儀式なの

か」も、正確には分からない。解説も

あってないに等しい。（プログラムに

は”祭典意義”と題された文章がある

にはあるが、そこで言われる「愛と和

平」の意味は、私にはさっぱり理解で

きないお役所的なディスコースの中で

曖昧化されている。）とにかく、その

儀式なるものは、小石をみんな（祭壇

二二八事件そのものが許せない。外省

人が支配したこと自体が許せない。

（今も支配していることが許せな

い…）で、しかし、歴史を改竄してい

る、とも書いてあるけれど、その改竄

とは具体的にどういうことなのか、こ

のおじさんに聞いてみたかった。（台

語で演説していたので話しかけなかっ

た、残念） ”民衆”の大部分が記念祭を物見遊

山で覗きに来ている中、こういう人が

一人でもいたことが何かほっとさせら

れると言ったら誤解されるだろう

か…。

ECFAが当たり前のように受け入れ

られ、大陸との新しい関係が若い人た

ちにとってはこれも当然のこととして

受け入れられ、新国民党政権が（清子

さんたちの期待に反して）これといっ

た破綻も見せずに存続する中で、二二

八事件も博物館（紀念館）に安置され

た…そういう気がしていていたら、こ

のプラカードおじさんに出会った。ま

だまだ「安置などさせないぞ、”安ら

かに眠ってください”なんて言わない

ぞ俺は！」的なものに出会ってある意

味で「ほっと」した。 二二八事件は「終わった」のか。本

省人と外省人の対立という意味では終

わっているのかもしれないけれど、何

かが燻り続けているのではないか。蒋

介石とアメリカ合衆国によって主導さ

れた台湾の冷戦体制とその意味を問い

直そうとするとき、二二八事件の意味

は「旧移民と新移民の不幸な衝突」と

いう従来の解釈枠には収まらないだろ

う。そういった現在的な踏み込みは、

新しくなった展示に見ることはできな

かった。（了）

を囲む各部落の頭目と長老たち）が一

つずつ土に埋めたり、血を土にかけた

り、と続く。小石が盆に載せられてく

ると、まず総統に「見せる」。総統が

頷いた後、それを祭壇へと持っていっ

て、みんなが一つずつ手に取り、埋め

る。祭壇に運ばれてくるモノは、まず

総統に見せて、その後に祭壇に。「いつから中華民国総統が”セイダッカ”の儀式において最高の司祭役となったのか？…そんな疑問を感じた人は多かったかもしれない。郷長の立場は理解できるとしても、これ

には祭壇を囲む人々も複雑な気持ちをもっただろう。

モナ・ルダオの名前は、モナの家族による挨拶以外の場所には登

場しない。モナの影は、全体としては非常に薄くなった。おそらく

去年と比べても、薄くなった。霧社事件は、”モナ（とタクダヤ蜂

起六部落）対日本”、という構図

から”霧社地区原住民（セイダッカ・

ブヌン・タイヤル）対日本”、という

構図に描かれ直される。今年はトーダ

が祝いの歌を歌い、トルクの人々もち

らほらだが参加している。これは和解

なのだろうか？

ここまでまとめ上げた郷長の手腕

に、まず敬意を表そう。そう、偉大な

一歩を踏み出したのかもしれない。経

2010

2010

2010年

十月

二七

日年

十月

二七

日年

十月

二七

日

霧社

事霧

社事

霧社

事

件八

十周

年祭

典「

愛と

和件

八十

周年

祭典

「愛

と和

件八

十周

年祭

典「

愛と

和

平」

平」

平」

2010.10.31 アウイ・カズオ

郷公所前にはためく幟―図案は

Sediq

Balay（映画）の宣伝用の図案に見え

る。儀式の会場となった抗日紀念碑に

は、見たこともない大勢の人々が集

まった。平らな竹の籠の裏側に部落ご

との名前を記して、そこに着席するよ

うになっている。ブヌン、タイヤルの

部落も来ている―カド、萬大は確認で

きた。儀式に参加するのは、しかし、

セイダッカの部落の長老と頭目だけらしい。

張子孝郷長はえらく張

り切っている。総統が到着すると「総統好、総統

好、総統好！」と連呼する。紅潮した顔で挨拶に

立つ。馬総統は、張ママお手製の麻の（

Sediqの）

上着に肩掛け、鉢巻姿で登場した。山の人たち

の”正装”が安価な木綿の

Sediq服なのに対して、

馬総統の衣装が昔からの手作りの麻―その対照が

目を引く。

だ。今回のように、”上から”当たり

障りのない物語（上で私は、それを曖

昧な役所ディスコース、と評したけれ

ど）が降ってきて、それがいろんな意

味で利益になると思えば、それに従う

のだ。S老は「儀式に参加している長

老や頭目たちも、自分でまじめに霧社

事件とそれが今まで残している波紋に

ついて考えを持っているわけじゃない

んだ」と言う。

そうだ、霧社事件など、もう忘れて

しまえばいいんだ。過去にこだわり続

けたら、誰が悪い、誰が得をした、そ

ういう話が終わらない。役所の曖昧

ディスコースで結構じゃないか！乗っ

たほうがお得。―そう言えたら、いい

のかもしれない、などと言う声もどこ

かから聞こえてくる。

平地の人はいつでも正義の看板を背

負って山にやってくる。―柳本通彦さ

んがどこかでそんなことを書いてい

た。馬総統は「愛と和平」を背負って

やってきた。総統は語る―「国家は原

住民の文化拡大に機会を提供して協力

してきた」と。「中華民国の旗の下

に、愛と和平を」というわけだ。

大成功だったね、と満足する郷長

（？）―、総統の話に身体をゆすると

いう些細な抵抗、苦い顔をするという

些細な抵抗―、また、自治区を早く成

立させろ（還我自治實権）、という胸

を張った示威行動（これは総統が去っ

てからメディア向きにされた）―これ

らの感情・思いのかけらたちが、一つ

の織物に織り上げられることはあるの

だろうか。S老が言うように、一歩は

踏み出されたのだろう。次の一歩は

（総統やメディアという「光」のささ

ないところでの）さらに困難な一歩に

なる。（了）

済、政治的戦略として悪くない。初め

て総統を呼び出したことも評価される

だろう。中華民国の下に原住民があ

る、という戦略は無論あり得るし、賢

い戦略なのかもしれない。総統が来た

ことには納得できないものを感じてい

る…といつになく訥々とした口調で語

るW牧師。（彼は総統への示威行動の

ために参加していたようだが、じゃ

あ、総統が来なかったら笑顔で式典に

参加したのだろうか？―私は聞かな

かった。）W牧師もまた「和解」をよ

く口にしてきた一人だ。太魯閣の正名

の後、セイダッカも正名して初めて

トーダ、トルク、タクダヤの和解が可

能になる―そう主張していたW牧師。

彼にとって、今回の式典は、そのよう

な意味での和解への一歩となるとは思

えなかったのだろうか。

S老は「和解の感じが出てきてる、

郷長も考えてくれたらしい」と、式典

開始前には少し涙目になっていた。式

典後には、少し語り方が変わった。総

統が演説している間は目を閉じて身体

を前後にゆすっていた。「まず総統の

許可を得てから、セイダッカの人たち

がそれを祖霊に捧げる…そんなことは

おかしいんだ」…。

霧社事件の物語をセイダッカの手に

取り戻そう―、その理想を達成するに

は、それぞれの人が自分の物語を語る

ことができなければならない。そうで

なければ、どのように互いの間で和解

の物語を紡ぎ出せるだろう。

そもそも霧社事件の物語は、いつも

「上から降ってくる」。あれは嘘ばっ

かりだからね、と子どもたちに言い捨

てる親たちが、しかし自分の物語を

持っているわけではないのだ。自分の

物語を滔々と語り終えることはないの

Eaphet No.6 #3/12

霧社

事件

霧社

事件

霧社

事件

霧社

事件

をを をを語語 語語

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霧社

事件

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事件

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霧社

事件

霧社

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霧社

事件

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社事

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霧社

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霧社

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島島 島島のの のの記憶

記憶

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座談会

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座談会

座談会

座談会‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 宮平杏奈

二〇一〇年十一月、台湾大学にて

「霧社事件八十周年記念/清流・川中

島の記憶」という座談会に参加した。

8名の霧社事件関係者の子孫の方々が集まり、それぞれ生まれ育ちや事件

に対する観点などを語っていた。 お話の中では、「我々原住民の文

化・伝統また霧社事件が、研究者に

よって出鱈目に語られてきた」という

議論がその大部分を占めた。日本・台

湾・原住民とそれぞれ見解が違ってお

り、でも原住民（当事者）として認識

していることではなく、研究者らの認

識・誤解が一般的な物語として世間に

広まっていく。そんなことが今でも行

われていることに、ひどく悩まされて

いるようだ。論文・漫画・映画などで

表象されてきた「原住民（伝統・文

化）」‐「霧社事件」が誤解される。

また、それらを表象した人たちが、出

版・公開することにより、彼らの「モ

ノ」になってしまう。（「セイダッ

カ・バライ」が映画にされることによっ

て、「セイダッカ・バライ」というサイ

ダッカ語が映画作製者の「モノ」とな

る。例えばこの言葉を使って何か商品を

作りたい、となったとき商標登録ができ

ない。） 話を聞いて行く中で、Dさんとそ

れ以外の発言者の間で少し見解が違う

ということに気がついた。もちろん

Dさんも「我々の物語」という当事

者性を重視しているが、それが清流の

ものだけであってはならないと考えて いる。霧社事件は清流のことだけでは

なく仁愛郷に住んでいる人々、霧社事

件に関係のある全ての人の物語だと考

えている。今回の座談会のテーマから

もわかるように、「霧社事件＝清流の

記憶」というのが現在の一般的な認識

である。それに対して疑問を唱えてい

るのがDさんだ。しかしDさんが熱

くそれを主張する中で、それに賛同す

る清流の方はいなかった（と思う）。

少しばかり見解の違いによる温度差

のようなものを感じずにはいられない

座談会であったが、その中心的な話題

であった物語の「主体性」について、

疑問が残った。彼らのいう「主体性」

とは、どうあるべきなのか？霧社事件

の蜂起に参加した直接の子孫とそうで

ない子孫の人たち、それぞれにそれぞ

れの物語がある。霧社事件の「主体

性」を議論していくなかでその主体は

どこにおかれるのか？ また、Dさん

が言うような仁愛郷で霧社事件を語る

こと、記憶を「共有する」という時、

どういう方法が考えられるだろうか？

清流の記憶のみがその物語の中心と

なってしまう可能性が危惧される。

これから先「霧社事件」が研究され

ていく中で、果たして霧社事件＝清流

の記憶という構図が変えられることは

あるのだろうか。「主体性」と「共

有」この二つがバランスよく保たれる

には、かなり時間がかかるような気が

する。（了） 霧社事件八十周年関係のまとめ（語られ方、記念のされ方の考

察）は、今後冊子にまとめる予定です。ご期待ください。

核廃棄物

核廃棄物

核廃棄物

核廃棄物はいかがですか

はいかがですか

はいかがですか

はいかがですか？？ ？？

核廃棄物

核廃棄物

核廃棄物

核廃棄物はいかがですか

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核廃棄物

核廃棄物

核廃棄物

核廃棄物はいかがですか

はいかがですか

はいかがですか

はいかがですか？？ ？？

黄淑燕

日本の三一一地震で、活断層や火山

の活動とともに、福島原発の放射線汚

染問題が、世界の注目を集めている。

いろいろなところで、原子力発電所設

置の再検討をしているのに、なぜか、

台湾政府は原発の安全性をしきりに訴

える。 馬総統は核一、二、三発電所は緊急

な危険性がないかぎり運転し続けるべ

きだとか、核四の建設は二重に三重に

安全性を重視してほしいと。原発が緊

急な危険に陥ってしまったら、もう壊

滅だから中止するのも何もないので

は？ 核四は二〇一〇の試運転の段階か

ら出火とか停電とか配線ミスとか設計

ミスとか十何回も馬鹿げた事故を起こ

しているのに、そして何百もの設計改

竄をしているのに、建設は続ける。

いったい台湾の「有識者」たちは何を

考えているのか？ 一九七八年に運転開始した核一は二

〇一八年で廃棄年数の四十年に達すこ

とになっていたが、危険性が訴えら

れ、核四ができたら、早めの二〇一一 年に運転停止しようと政府が約束する

傍ら、どういう風の吹き回しか、いつ

の間にかあまりにも核一が世界有数の

優秀な発電機能を記録しているので、

運休年限を二十年間延ばそうと台電は

二〇〇九年七月に原能会に証明の再発

行を申請している。そして、原能会は

どうもすでにその前の審査リハーサル

で許可すると結論付けているようだ。

この国は、というか、日本も含め、と

いうか、この世界はいったいどうなっ

ているのか!! そして、何十万年も放射線を出し

続ける核廃棄物だ。発電後95％が廃

棄物になる【註１】。しかも発電で出

された熱量の三分の一しか電気になら

ない。残った三分の二の熱は海に放出

し、海を暖めている。世界を温暖化し

ている。 台湾は三つの原発で年間使

用済み核燃料（高レベル放射能廃棄

物）百五十トン。中低レベル核廃棄物

一万五千缶＝四千トン（一缶＝55ガ

ロン＝約二百五十リットル）。原発を

三十年計算すれば、最終的に高レベル

放射能廃棄物九千トンと中低レベル核

廃棄物九十万缶ということになる。こ

の危険きわまるゴミをどう処理するか

世界のどこの誰も知らない。なのに

97％再利用できるとか（何に利用さ

れるかも大きな問題。戦争などは汚染

どころではないはず）世界中どこもま

だ実現できていないことを「専門家」

たちは言い切っている。捨てられてい

るのは低レベル放射能【註２】（台湾

の条例の定義ではなんと炉心以外のす

べてだそうだ）だという。 一九七八年核一運転開始に備え、台

湾は一九七四年蘭嶼に廃棄物処理場建

設計画をはじめ、一九八〇年に完成。

缶詰工場と称されるところに核廃棄物

Eaphet No.6 #4/12

Eaphet

3月月月月～～～～５５５５月月月月のののの主主主主なななな活動活動活動活動

3月2日 聊聊「映画：天馬茶屋」

3月4日・11日・18日 読書会読書会読書会読書会：酒井直

樹「東アジア共同体論と普遍性をめぐっ

て」 3月9日 聊聊「映画：香蕉天堂」

3月16日 緊急聊聊「福島原発事故」

3月23日 緊急聊聊「台湾の原発」話題

提供：阿川 3月25日 在左邊的亞洲影展

at Eaphet「那

些無法離開的人們」

3月26日 在左邊的亞洲影展

at Eaphet「那

些無法離開的人們」「和平里的回憶」

3月30日 聊聊「台湾核電廠問題

+向東北

日本受害者提供長期援助」

4月6日 聊聊「社会起業とは何か」話

題提供：吉田藍 4月9日 走走 想想如何用錢：社会企

業與我們（お金の使い方：社会起業と私た

ち）埔里、長青村にて 4月13日 聊聊「台湾の核廃棄物」原住

民テレビ番組を見て 4月16日 走走 台東核廃料処理場建設

問題を考えるツアー台東太麻里新香蘭村に

て 4月20日 聊聊「慰安婦問題の歴史」話

題提供：阿川、阮 4月23日

Eaphet講座「慰安婦問題の現

在」問題の解決とは何か 主講人：頼采兒

4月27日 聊聊「台東、核廃棄物処理場

建設

tour」報告 5月

4日 聊聊「ドキュメンタリー：貢

寮、你好嗎？」 5月11日 聊聊「ドキュメンタリー：オ

レの心は負けてない：在日朝鮮人、宋神道

のたたかい」 5月18日 聊聊「ドキュメンタリー：軍

教男児」 付録：ネッシン最近の話題ネッシン最近の話題▲▲▲▲沖縄自立論▲

緑の革命と原子力▲台湾における米軍の足

跡…そのほか（ネッシンは持ち寄り話題で

進行しています）。

4月25日の「在左邊的亞洲影展」

特集: 福島第一原子力発電所の事故は、チェルノブイリ原発事故と同じく原発史上最悪のレベル7に評価された。日本では原発安全神話の崩壊と騒がれて い る。事 態 に“正 し く パニック”すると同時に、何が問題なのかを冷静に見て行く必要があると思う。第一回。

「慰安婦問題の現在」問題の解決とは何か

よる。港を作れば、蘭嶼の九万七千

缶、台北地域の核廃棄物を簡単に送

ることができる。 ③屏東県に台湾の重要なミサイル基

地・九鵬基地がある。南田までトン

ネル一本掘れば通るぐらいの距離で

ある。そこにも核廃棄物処理の問題

があろうし、台湾は核利用など、原

子爆弾を作ろうと思うなら、トンネ

ルだったら、空の衛星からの国際監

視を逃れることもできるし…。 サキヌ牧師たちの反論は：

一、台電も政府も原能会も低レベル放

射能廃棄物だから安全だと言うが、

安全ならなぜわざわざ高額の補償金

をつけてこの辺地まで持ってくるの

か。 二、台電も政府も信用できない。蘭嶼

の前例もあり、低レベル放射能廃棄

物というが、実際建設されたら、何

を持ってくるのかわからない。現に

核一核二核三にある高レベル放射能

廃棄物の暫定貯蔵庫はもうすでに満

杯だし、核廃棄物は原発だけではな

く、病院、軍事などそのほかにもい

ろいろあるから。二百万缶入る貯蔵

場を作ると言われているので余った

スペースを外国に売りそこで儲けよ

うとする魂胆もあるのではないか。

三、緑島と蘭嶼を比較すると分かる。

廃棄物のない緑島は今とても観光が

盛んになっているが、蘭嶼は寂れて

いく一方だ。廃棄物処理場があれば

補助金も来るし、就職機会も増える

から地域が復興すると産業が復興す

るなんて、嘘八百。みんな戸籍だけ

おいて毎年もらったお金を持ってほ

かのところで家を買っている。

四、大事な農産物、きれいな大自然、

地震があんなに多発している地域な

のに、断層がないとは【註６】？ 台電

と経済部はこの事業は港建設も含め、

計二百九十億元、時期は64ヶ月という

長さに及ぶことになるので、就職の機

会を大量に提供でき、住民のUターン

や、町の活性化につながると。 この告示【註７】は経済部のホーム

ページで三月二十九日から三十日間、

つまり四月二十七日までする。意見が

あれば、書いて送りなさいと【註８】。

その次は公投（住民投票）になるが、

国営事業委員会の話では、「公投法」

によれば、経済部が地方政府に委託す

るという形で行われることになってい

ると。 現地の人たち、どう思っているのだ

ろう？ 反対運動に熱心なサキヌ牧師

【註９】の話を聞くべく、四月十六日、

日帰りで台東太麻里郷拉労蘭LALAURAN

部落（香蘭部落）行きが、決行。 サキヌ牧師の話によると、どう転ん

でも南田部落は選択肢から抜けられな

い理由は三つある。 ①人口が少ない。四千人しかいない。

②交通の便がいい。陸上の運送を危険

視される廃棄物の運送はいつも船に

が入居。住民の反対に原能会と台電は

暫時的だと弁じ、抗争の末、二〇〇六

年五月「低放射線廃棄物最終処置場条

例」が可決された。次は廃棄物処理場

建設地探しの手続きに入ることになる

が、最初に選ばれたのは台東県の達仁

郷南田部落と澎湖県萬安郷だった。こ

れをうけて澎湖県萬安郷は海岸を玄武

岩の保護区に申請することに成功し、

候補予定地リストから外させてもらう

ことができた。 二〇一一年四月三日、二度目の候補

予定地が経済部によって公表。「社会

経済要素」「候補地環境要素」「工事

技術要素」で候補予定地の選択をする

が、最近は、新たに「自然環境要素」

を加えた。その結果、台東縣達仁郷と

金門縣烏坵郷のどちらかになった【註

３】。理由は総合的な見解からよるも

のだと。 「天然環境の危険性が低い」「大部

分の土地は国有地」（つまり林業地？

原住民の伝統領域？）「人口が少な

い」（達仁四千人、人口密度台湾島内

最小。烏坵郷三十人）と。そのうち

「天然環境の危険性が低い」というの

は、達仁郷の場合は「頁岩、板岩ばか

り」「石油ガスが発見されていない」

「断層から距離がある」、烏坵郷の場

合は「無人島ばかり」「断層も活火山

もない」と。 阿朗壱古道の真下に貯蔵庫を作るの

に、告示では遺跡古跡がない【註４】と

言っている。また環境署が公表してい

る保護動植物【註５】、希有生物が生息

している環境であるにもかかわらず、

経済部や台電には保護に値するものと

は思われていないよう。何が大事で保

存すべき、何が大事じゃないと誰が決

める権力を持つのだろう？

大事な南田石海岸、阿朗壱古道、様々な希有生物の生態、台湾唯一

残されている淨地……。 五、今の私たちの利益のために、わ

れわれの子孫が大きな害をこうむることになる。われわれには子孫

の未来の負担を決める権利はない。 六、新たに場所を探すことはない。

今の核一を廃棄し、貯蔵庫にすればいい。 確かに台電と政府は今までやって

きた騙しは数え切れない。蘭嶼の缶詰

工場偽装（一九八〇）、原発建設の設

計改竄、工事のいい加減さ、放射能記

録の怠慢（最近もニュースになった）

永遠の「0.05微西弗/Hour」、放射線

で汚染された鉄筋・機械・設備などの

民間賣出（一九八八従業員により明る

みに出る）、核廃棄物を一般ゴミ場に

捨てる（一九八二）、運送船事故で廃

棄物が海に投棄される（一九八四）、

少なくとも三百年貯蔵しなければなら

ないのに廃棄物貯蔵缶が錆びて内容物

暴露（一九九四）、条例の不備及び自

分の都合に合わせた繰り返しの改定、

低レベル放射能規定の曖昧さ、核安全

性の言説の敷衍【註10】などなど。ま

た、確かに環境・生態は一旦破壊され

たら回帰不能である。 この反対運動が成功する可能性

は？と聞いたら、「ある」と確信を

持って答えた。国際的な注目もあるか

ら、国際の力でと。 が、現状では、安全説を信じるの

と補助金ほしさに行政側は自己の赤字

改善のために積極的に賛成。南田部落

の住民は賛成・反対が半々。メディアEaphet No.6 #5/12

Sakinu Tepiq牧師 新香蘭教会にて

蟹、綠蠵龜和食蛇龜等台灣瀕臨絕種的生

物。 【註６】この地域は、臨海潮濕，地震頻

繁，地質脆弱と環境保全団体が言う。

【註７】このほか台東縣達仁郷と金門縣烏

坵郷の役所、図書館などの公部門にも告示

されているとのこと。 【註８】告示期間が終わったら、何が起こ

るのだろう？ 意見を書いたら、あるいは書

かなかったら、何が起こるのだろう？

【註９】LALAURAN部落には二人のサキヌが

いる。一人は作家のサキヌで、青年教育面

のリーダー。青年の教育に力を入れ、ニ〇

〇六年には新たに狩人学校協会を設立し

た。村の青年を村全体が協働して教育すべ

きと主張し、青年には村を守る、村のため

に働く責任があると。そして、牧師サキヌ

戴明雄は部落のお年寄りと経済産業関係の

総責任者で、バイワン族の伝統領域の保全

に力を注いでいる。ただ領域を守るのでは

なく、伝統領域の大自然に適合できる、美

しさを保ちつつ産業を推進し、政府や募金

などに頼らずに、自力で自活できるコミュ

ニティー運営を目指している。 【註10】たとえば福島事件後に就任した工

程会主任委員李鴻源が「銫137没那麼恐怖」

と言い、すべての土に含有されていると。

携帯、レントゲン…全部これより高い放射

能を出していると。

世の中、その肝心な報道は、一体誰の

手によってどのように選ばれているの

だろう？ W

T

O参入を国策として喧

伝されていたときの報道を思い出す。

あんなに農業に悪影響があるなんて、

その当時はどこにも見出されなかった

もの！！！！（了） 【註１】原発賛成派の李遠哲が言ってい

る。が、福島事件後でも「ニ〇五〇年まで

は原発放棄は無理だ」と。ほとんどのメ

ディアの報道タイトルが「李遠哲：福島事

件後でも「ニ〇五〇年までは原発放棄は無

理だ」と『李遠哲：放棄核能不易、続蓋要

検討！』」（三月三十日から四月十六日ま

で、似たようなタイトルの報道が見られ

る）。 【註２】台湾の規定で言う「低レベル放射

能廃棄物」についてhttp://gcaa.drupalga

rdens.com/では現行法規明訂的「低階核廢

料」，是指除了用過核燃料棒以外的所有放

射性廢棄物。也就是說，所謂的「低」放射

性廢棄物，可不只是工人用過的手套衣服，

連原子爐內制御棒、爐壁隔心、配管，這些

拆除除役核電廠後將產生的「高β、γ廢棄

物」也包含其中，其毒性已逼近需看管數萬

年的高放射性廢棄物。法定的低階核廢料種

類繁多，處理方式及必須掩埋深度也不盡相

同，但相關單位卻把所有東西一視同仁，均

以最低標準看待。 【註３】経済部首頁。

【註４】公告說：「場址周圍無史前遺跡，

歷史建築語古蹟，附近之阿一朗古到為百餘

年前恆春進出卑南之要道，由台東縣達仁通

往屏東縣牡丹鄉」 【註５】生態部分：環保署公告第一級稀特

有植物鵝鑾鼻鐵線蓮，保育動物如台灣獼

猴、山羌、大冠鷲、翠翼鳩、畫眉。 阿朗壹古道被環保團體視為台灣生態的最後

一塊淨土，除了有南田石海岸外，還有椰子

の不関心＝民衆の不関心。建設しよう

としている土地は公用地。一体どうし

たら、国際的に連携した力が発揮でき

るのだろう。 環境保護協会の王会長は反対運動は

難しいなと言っている。 建設賛成側が安全説を信じて楽観視

している。でも、なぜ反対側もこのよ

うに楽観視できるのか。 同じものに対して、一方では「安

全」「怖くない」「日常」、一方では

「恐怖」「破壊」「死亡」と。一体こ

ういった専門分野語定義権は誰にある

のだろう？ いわゆる「専業」がこの世界を大き

く動かしている。が「専門家」の言う

ことは様々に変種する。 人は何かを選んで信じなければなら

ない。が、一体どのように何を選んで

信じているのだろう？報道されなけれ

ばその選択肢の存在さえ知らない今の

東東 東東ア

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その

その

①① ①①（三月二十三日緊急聊

聊報告内容、第一部） 古川ちかし

背景背景背景背景：：：：一九五四年一月、アメリカ上院

は台湾防衛を決議し、翌日には大統領

に台湾防衛の軍隊使用権を白紙委任し

た。これに基づいて二月、アメリカ第

7艦隊が台湾海峡を封鎖。一九五五年

四月、ソ連が、中国などに原子炉を供

与する協定に調印したことは、アメリ

カ合衆国に大きな圧力となったことは

間違いない。二ヵ月後の六月、台湾政

府は行政院に「原子力委員会」（略称

「原能会」）を設置、台湾電力はこれ

に合わせて原子力研究委員会を設け、

七月にはアメリカ合衆国との間に中米

原子力協力協定を結んだ。翌五六年に

は国立清華大学を設立して原子力科学

研究所を併設。ここには小型の実験炉

（GE製）が設置された（アメリカ合

衆国は一九六〇年十二月にも清華大学

に原子炉を供給している）。 アメリカ合衆国は一九五五年に日本

との間に原子力協力協定を、一九五六

年に韓国との間に同様の協定を結び、

防共ラインにおける原子力開発を支援

する体制を作り上げる。戦略的には平

和利用を謳いながら（一九五四年国連

での「原子力平和利用決議」、一九五

六年のIAEAの創設）も、こうした原子

力開発は軍事的脅威を狙ったものだっ

たことは明白だった。一九五五年七月

のラッセル・アインシュタイン宣言

（核戦争、核武装批判）は直接的には

米ソの核武装競争に向けられたものだ

が、間接的にはアメリカ合衆国のこの

ような姿勢に対して向けられた批判

だった。アメリカ合衆国はソビエトと

の冷戦激化の中で、防共ラインに軍事Eaphet No.6 #6/12

ルという当時のアメリカ合衆国原子力

産業の中心企業との癒着、さらに（台

湾の外貨備蓄から考えればほかにも弁済方

法があるにもかかわらず）利息の高いこ

とを承知で輸出入銀行と癒着する―こ

うしたことは、台湾の原子力政策がエ

ネルギー政策であるよりも外交政策で

あったと考えないと納得できにくい。

国民党国民党国民党国民党とととと原発建設原発建設原発建設原発建設：一九七九年、アメ

リカ合衆国でスリーマイル島原発事故

がおき、アメリカ合衆国内での原発増

設は打ち切られた。これによってアメ

リカ合衆国の原発輸出政策は転換し、

原発産業は国内がだめなら国外への輸

出に力を入れるしかなくなった。 台湾の原発建設を請け負うことに

なったのはベクテル社だ。ベクテル社

は第三原発建設に際して台湾の大手建

設業者「中興工程社」との合弁（ベク

テル社六割、中興工程社四割出資）で

蒋経国の三男、蒋孝勇を代表に「泰興

工程社」を創業した。台湾南部の退役

軍人組織（補導委員会）は第三原発建

設参入するため会社を作り台湾電力の

工事事務所に参入を求めたが実績も技

術も経験もない会社に工事事務所は工

事参入を認めなかった。『補導委員会

画にも原発開発が盛り込まれた。翌七

十四年に万里郷で第二原発の建設が開

始された。第二原発もGE社、WH社と

第一原発同様の契約を結んで着工、一

九八一年～八十二年に運転開始となっ

たが、当初予算二百二十億元に対し

て、実際の建設費は六百三十億元に達

した。 一九七八年には恒春郷に第三原発建

設が始まった。今度はWHが原子炉を、

GEがタービンをと変わったがGE、WH

社への台湾政府の依存は変わっていな

い。原発プラント輸出全体を請け負っ

たのはベクテル社だ。第三原発運転開

始の八十四年～八十五年までに、これ

も当初予算三百五十八億元に対して実

行額は九百七十四億元に達している。

当時の日本と同じように台湾にも商

用原発開発、原発建設に関する技術は

なかった。GEの設計担当者も実際に現

地を見て設計したのではなく、規格品

として原子炉を設計している。日本、

南コリア、台湾、フィリピンとも、そ

のような規格品を（当時の国際価格か

らしても相当割高な価格で）アメリカ

合衆国から「買わされ」ていたと言わ

れる。台湾は一九七二年の国連追放以

降はアメリカ合衆国との有効関係を維

持するために法外な価格を外交費とし

て甘んじたのではないかと想像され

る。 原発は外債を発行してその費用を

賄ったが、その台湾の外債の購入主は

アメリカ合衆国輸出入銀行だった（輸

出入銀行は一九八一年までに台湾に原発関

連で十二億ドル貸し付けていると言われ

る）。返済は原発運転開始後の電力料

金によってなされたが、運転開始まで

の間の利息は台湾電力ではなく台湾政

府が支払っている。GEとWH、ベクテ

力とともに原子力開発を「配備」して

いった。 アメリカ合衆国が開発、提供したの

は軍官共用のウラニウムを用いた軽水

炉サイクルであり、このことが後の核

拡散防止体制との間に大きな矛盾を引

き起こすことになる。ウラン軽水炉サ

イクルにいわゆる機微核技術が加われ

ば、それは核兵器開発に直線的に結び

つくからだ。（日本にはその両方が保持

されているが、その問題は次回に論じるこ

とにする。） その後、一九七〇年に台湾も核拡散

防止条約を批准するが翌年に国連から

追放され、台湾が核拡散防止条約上に

占める立ち位置は不確定性を帯びた。

ソビエトから核技術の提供を受けてい

る中国への牽制策として台湾が核開発

の可能性を持つことはアメリカ合衆国

にとっては「ある程度」必要なこと

だったが、台湾が暴走することに警戒

感も抱いたであろう。その後一九七九

年にアメリカ合衆国が「台湾関係法」

を議会通過させて何とか微妙なバラン

スをとることになる。 外交政策外交政策外交政策外交政策としてのとしてのとしてのとしての原子力開発原子力開発原子力開発原子力開発：一九六

三年、蒋経国は「原子力発電を将来の

台湾の電力供給の根幹に据える｣と宣言

した。同じ年にアメリカ合衆国大手原

発建設会社、ベクテル社が台北に事務

所を構えた。石門第一原発がGeneral

Electrics（GE）社の原子炉と、

Westinghouse（WH）社のタービン（発

電機）を輸入して建設を開始した（一

九六九年）。この第一原発が稼動した

のは一九七八年のことだった。当初予

算百二十七億元に対して、運転開始時

点では建設費は二百九十六億元に膨れ

上がっていた。 一九七三年に発表された十大建設計

は軍の人脈に働きかけ、数人の大物軍

人が工事事務所を訪れて台湾電力の関

係者を「説得」し、工事を請け負える

ようになった。』（田中宇、http://

www.tanakanews.com/a7rupo.htm）泰興工程

社を頂点として国民党と軍のコネク

ションによって何層もの下請け構造が

できあがり上から順番に取れるだけの

マージンを取っていく。そうすると最

下層の現場工事を請け負う業者が利益

を出すには手抜き工事しかなくなる。

完成したばかりの第三原発の原子炉建

屋のコンクリートが崩れた事件はこう

した手抜き工事の実態を暴露したわけ

だが、政府の検査官も実態を知られた

くないので崩れた部分だけコンクリー

トを上塗りして合格となったそうだ。

一九八五年七月七日、第三原発一号

炉で大火災が起きた。鎮火し、修理し

て再運転に漕ぎつけるまで一年二ヶ月

を要し、損害額は七十億元に上ったと

いう。当初、台湾電力は「事故の原因

は電気系統の故障であり、放射能に関

係した部分は問題がない」と強調して

いたが、その後の調査の結果「発電機

のタービンの設計に重大なミスがあっ

た」と発表し直した。タービンの設

計、製造はGEだがこの調査結果が出

た後もGEに対する賠償請求はなされ

ず、七十億元の損失は結局電力消費者

に回されたかっこうだ。なぜ台湾政府

はGEに賠償請求しなかったのか。何

かの裏取引があったことも想像される

が、アメリカ合衆国原発産業への依存

度が高く、彼らの機嫌を損ねることが

できなかったと解釈されてもしかたが

ない出来事だった。 核四核四核四核四：貢寮に原発建設の話が持ち上

がったのは、第一原発建設工事が始まEaphet No.6 #7/12

蒋孝勇と蒋経国

除したのだ。このころから原発推進の

国民党と、反対の民進党の綱引きが激

化していく。 一九九六年五月二十四日、立法院に

おいて賛成76、反対42で「すべての

原子力計画を廃棄する」決議がなされ

る。この直前に台電はGE社と核四建設

の主契約を結び、東芝と日立が原子炉

を、三菱重工がタービンを製作するこ

とになっていたので、台電と国民党政

府はパニック寸前となった。七月十二

日、原発は台湾にとって不可欠なもの

だとする行政院が立法院に対して決議

の再審議を求めた。台湾の憲法によれ

ば、行政院からの再審議要請に対して

立法院構成員議員の三分の一が同意す

れば、その決議は拒否権の対象となり

再審議されなければならない。立法院

内の反原発派は全体のおよそ半数、つ

まり賛成派は三分の一以上はいる計算

になる。十月八日、立法院は再審議を

決議し、十八日、結局廃案となった。

「日台原子力安全セミナー」を毎年

開催して十一年目の一九九七年一月、

日立と東芝は、両社が米GE社や東京電

力とともに開発したABWR（改良型沸騰

水軽水炉）の輸出に向けて、「アジア

ABWR推進機構」を設立し、台湾の核四

だけでなくさらなる顧客を求めて体制

を組んだ。五月にはアメリカ合衆国原

子力規制委員会NRC に、ABWR を標準型

炉として認定させるに至った。「日の

丸原発輸出」に向けて舞台は整った。

一九九九年三月に核四１号機、八月に

２号機が着工。 ところが思わぬ政変が台湾を襲っ

た。二〇〇〇年三月、陳水扁が総統に

就任し、原発廃止派の民進党が政権を

とったのだ。（続く）

る前の一九六六年のことだったらし

い。その後九年間この話は進まなかっ

たが一九七五年に再浮上。台電と国民

党が蘭嶼に「魚缶詰工場」（核廃棄物貯

蔵所）を建設開始した一九八〇年五

月、政府は正式に第四原発建設を申請

し、一九八五年四月、立法院での予算

案審査にまで漕ぎつけた。しかし一ヵ

月後に、あまりにも巨額な建設費（一

千八百億元）に対して立法院では建設

延期（凍結）を決議する。先に触れた

第三原発火災はこの二ヶ月後に起き、

翌年にはチェルノブイリ原発事故が発

生。一九八七年七月の戒厳令解除も手

伝って、同年十一月には「台湾環境保

護連盟」、第二原発周辺の「北海岸反

核自救会」、第三原発の恒春周辺の

「恒春反核団体」、第四原発予定地で

ある貢寮の「貢寮反核自救会」結成な

ど、反原発市民運動も活発化した。二

年後の一九八八年にアメリカ合衆国CIA

が中山科学院原子力研究所の副所長の

張憲義博士の告発に基づいて台湾を

「核拡散防止条約違反の疑い」で告発

するという事件がおきるなど、これま

でのアメリカ合衆国とその原発産業へ

の前面依存体制にヒビが入っていく。

反原発市民運動も激化していった。そ

の結果、一九八八年五月、行政院原子

力委員会が「反核廃棄物」声明（蘭嶼

の廃棄物貯蔵庫第二期工事の即時停

止／蘭嶼への核廃棄物の運搬停止）を

出すに至った。 ところが、これと平行して別の動き

があった。一九八六年に、日本原子力

産業協会と台湾原子力委員会との共催

による「日台原子力安全セミナー」が

開催され原子力分野に関しての台日協

力体制への布石が打たれ、また一九九

二年には行政院が核四の予算凍結を解

た。王さんによれば、当時被爆後、三

人の看護婦が彼を助けたという。彼は

三ヶ月間、自分の先輩に治療を受け

た。四ヶ月目に入ると日本が敗戦した

ので、そこにいる台湾人は台湾に返送

された。王さんもその時期に船に乗っ

て基隆まで返送された。 台湾に戻ってきた王さんはお兄さん

と両親と一緒に嘉義で暮らした。王さ

んは二二八事件にも遭った。王さんは

当時、誰かに銃で六発撃たれたが、幸

いのことに怪我にならなかった。以上

は王さんが台湾に戻った後の話。

続いて、なぜ王さんが日本政府から被

爆者への補助があるという情報を知っ

たのかを聞いた。彼は「何もわからな

かったよ」と言う。実は王さんの「健

康手帳」は王さん自身やその家族が資

料をそろえて申請したのではない。

「健康手帳」がもらえたのは嘉義西區

戶政事務所の張主任さんが申請をやっ

てくれたから。張主任さんはすべての

資料を集めて、王さんの「健康手帳」

を申請した。「健康手帳」をもらって

から、日本から補助の相関資料が送ら

れてきた。日本から送られた資料に

よって申請資料の準備をしたのだが、

王さんの健康診断書が被爆者であると

証明できないと判断されたので、補助

がもらえない状態が続いている。具体

的になぜ健康診断書がだめかといった

ら、王さんが被爆者であるという有力

な証拠がないから。王さんはここ最近

足の怪我をしていて、その後、日本政

府の規定した病院で健康診断をした。

王さんの息子さんによれば、病院方面

では王さんが足の怪我が被爆の傷跡な

のか、それともここ最近転んでた後の

怪我なのかがはっきり判断できないた

め、病院は診断証明書を書いてくれなEaphet No.6 #8/12

時時 時時のの のの

流流 流流れ

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その一一 一一 王文其

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王文其

王文其

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さん

さん

さん 黄雅芬

二〇一〇/十一/十三(土)午後二時に台

湾の被爆者である王文其さんを取材に

行ってきた。王文其さんは今年で食う

十三歳になるが甘いジュース、煙草、

コーヒーが大好きで元気なおじいちゃ

んでした。彼は昔日本で留学した経験

もあって日本語が話せるが、取材中、

王さんが台湾語に対する反応は日本語

より速いことから彼の一番使い慣れて

いる言語は台湾語であると感じた。

取材先は王さんの開いている中央醫

院。ネッシン読書会のメンバーを中心

に一同約二十名の人が王さんの話を聞

いた。 王さんは一九三五―四十一年の間に

日本で医学を勉強した。一年目には東

京の語学学校で日本語を勉強した。長

崎病院で婦人科の実習中に被爆され王文其氏：嘉義の自宅にて

用され、戦後台湾に戻ってから、現代

詩の雑誌を創刊し、台中の重要な文学

作家として活躍している。 陳先生の話によれば、一九四二年に

大東亜戦争が始まり、台湾人の特別志

願兵制度が開始されたが、実際は志願

ではなかった。会議をするからと廟に

集められ、志願する用紙に母印を押す

ように言われた。拒否できるような状

況ではなかったという。その後大肚山

で六月から十二月までの六か月間訓練

を受けた。その後台南に行き、第四部

隊となり、さらに六か月間訓練を受

け、一等兵となった。そして九月末高

雄に行き、学校の校庭で一泊を過ごし

た後、船でシンガポールに行く。その

後インドネシアのジャワ、それからス

ラバヤに行く。船は二隻に分かれ、

ティモールのラオテン沖から上陸しよ

うとしたが、二隻の内の一隻はオース

トラリアの船に爆撃され、沈没してし

まった。陳先生が乗った船は上陸する

前に爆撃されなかったが、陳先生が

ティモールに上陸した直後、船が爆弾

に当たって沈没してしまった。陳先生

は部隊で機関銃を担当させられた。

ティモールでの兵隊にいたときに慰安

所に連れて行かれた女性を目撃した。

彼女らは主にティモールの華僑かイン

ドネシア出身であると陳が言った。陳

先生は家庭のある婦人を勝手に部隊ま

で連れて行ったことを小説のテーマに

し、『猟女犯』を書いた。彼は小説を

書いたときに十分の七が事実で十分の

三は自分で想像すると言った。事実そ

のまま書こうとしているので、なかな

か長編小説が書けなくて短編小説を書

いた。

陳先生は『猟女犯』を書いたのが一

九七六年のことである。彼は台湾に

舎歴史調査のバイトをやり始めたから

だった。台中の重要な文学作家をイン

タビューすることもその歴史調査の一

部分であるから、陳先生にインタ

ビューする機会を得られた。 協会で月に一回講演会を開くという

提案があるらしく、今回は陳千武先生

に協会まで来ていただいて講演を開い

た。テーマは陳先生がどのような思い

で慰安婦の話を書こうとおもったかに

ついてだ。（補足：陳先生は「猟女

犯」という著書で慰安婦について触れ

ている） 実は陳先生は、ここ最近足の調子が

ずいぶん悪いようであまり歩けない。

実は電話で断ろうとしたそうだが、

せっかくの協会の皆さんと交流できる

からと思い、協会まで来て下さった。

これは実にありがたい話である。協会

の会員の一人として本当に感謝の気持

ちでいっぱいです。 陳千武先生は一九二二年に南投に生

まれ、台湾特別志願兵として南洋に徴

いという。病院が健康診断書を書いて

くれないため、日本政府に補助をもら

う申請も当然できない。ただし、日本

政府は依然として毎回補助申請の資料

を王さんの家に送り続けている。王さ

んと王さんの息子さんは日本政府に玩

ばれた感じがすると言っていた。

今王さん家族はもうこれ以上補助を申

請する気がないと言っていた。彼らに

とっては別に月に九千元の補助をもら

いたいわけではなくて、気持ちの問題

だと言っていた。 台湾では原爆被害者に対する支援団体

がない。この間、今年の4月に日本の原

爆被害者支援団体に属する弁護士が王

さんを訪問にくると言っていたが、結

局来なかった。その弁護士は王さんの

ために日本政府に訴えると言っていた

ようだ。もし、訴訟に勝ったら、王さ

んが三十万元もらえるといって、その

ときに十％のお金をくださいと弁護士

が言っていたようだ。 最後に、二〇一〇年中月に韓国の支援

団体が外国の被害者とともに日本政府

に訴えに行くという記事が出たが、実

際に王さんらに聞いたら、そのような

支援団体がぜんぜん聞いたことがない

し、サインもしていないと言ってい

た。 王さんの息子さんはすごく熱く語っ

てくれて、王文其さんの相関記事をコ

ピーして協会宛に送ると言ってくれ

た。(了 2010/12/01) 時時 時時

のの のの流流 流流

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生生 生生き

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々々々々

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その

その

その二二 二二

―― ――その

その

その

その二二 二二 陳千武

陳千武

陳千武

陳千武さん

さん

さん

さん

陳千武

陳千武

陳千武

陳千武さん

さん

さん

さん

陳千武

陳千武

陳千武

陳千武さん

さん

さん

さん 黄雅芬

陳千武（陳武雄）さんと連絡を取れ

たのはある友達の紹介で楽群街警察官

戻ってから十何年間の時間をかけて北

京語を学んだ。その後中国語で作品を

書くようになった。ただし『猟女犯』

という題名は人を怖がらせるので、

『活著回來』という題名で出版され

た。二〇〇〇年に保坂登志子の訳した

『猟女犯』が出版された。 陳先生は短編小説を書いたことの他

にも、現代詩の雑誌『笠詩社』のこと

を話してくれたり、南投病院の院長と

同じ名前で新聞に投稿した院長先生の

原稿費が間違えられて陳先生の口座に

振り込まれた話をしてくれたりした。

そのきっかけで、あの院長との付き合

いが始まったという。あの院長さんに

現代詩の投稿を誘ったきっかけで、そ

れ以来、院長さんは詩を書きはじめ

た。 また、陳先生は明台会と明台報の話

をしてくれた。当時、シンガポールに

いた陳先生はそこの華僑から日本敗戦

のことを告げられた。そのときに、台

湾を明るくしようとの気持ちから彼が

明台会の創立に力を入れた。明台会が

成立されてから、それに関連する明台

報も創刊された。陳先生は元々その明

台報を自分で保存していたが、その南

投の院長にあげた。今手元にはまった

く保存していない。ただし、すべての

明台報がその陳先生と同じ名前の院長

さんのところに扱っているではない。

ただ一部の明台報が台南にある台湾文

学館に保存されているという。 今回陳千武先生は足の調子が悪いに

も関わらず、協会までお越しいただい

たことに改めて感謝の気持ちを伝えた

い。今度もしよければ、協会ではなく

て、協会のメンバーが陳先生のお家ま

で話を聞きにいけたらと思っている。

Eaphet No.6 #9/12

陳千武氏：協会にて

講座報告

講座報告

講座報告

講座報告「

慰安

婦問題

の解

決「

慰安

婦問題

の解

決「

慰安

婦問題

の解

決

とは

何か」

とは

何か」

とは

何か」 陳思懿、趙庭妤、吉田藍

四月二十三日午後一時半、続々と

EPAHET二階「象（Elephant）」会議室

に集まってきた。会員だけでなく、

テーマに関心のある非会員も来てお

り、最終的には十二名の参加となっ

た。講座はまず参加者がテーマに関す

る資料を読み、それから各自の意見や

問題を共有し、交流し、討論し合うと

いう二部方式で進められた。 頼采兒さんは本協会の慰安婦問題研

究員で、以前は財団法人台北市婦女救

援社会福利事業基金国際事務部主任と

して慰安婦問題に10年以上にわたって

関心を注ぎ続けてきた。慰安婦問題解

決に向けて研究を深めるだけでなく、

アマー（中国語でおばあさんの意）た

ちの話に耳を傾け、記録することにも

尽力してきた。今回、頼さんの慰安婦

問題における近年の収穫や、賠償請求

運動の経験などについて語ってもらっ

た。 各国の元慰安婦女性たちは日本に対

して二十年以上、謝罪と賠償を求めて

きた。日本政府はいわゆる河野談話(一

九九三年)などをはじめとして、慰安婦

問題や戦争犯罪に対する謝罪発言を

行ってきたが、それが日本の総意であ

るわけではなく特定の政権下での見解

にとどまっている。慰安婦制度だけで

なく、日中戦争下の南京大虐殺、七三

一部隊による人体実験、強制労働、強

制徴兵等、国家による犯罪の解決とは

なんだろうか。何をもって解決と言え

るのだろうか。 被害者と日本を含め各国の人権団体

決だと考えている。アマーたちの気持

ちとしても日本政府が賠償し謝罪する

ことが自分たちに平和を取り戻すこと

だと述べた。だが「誰」の謝罪が「日

本政府が罪を認めた謝罪」だと言える

のだろうか。河野洋平官房長官談話

（一九九三）とこれを受けた村山富一

首相談話（一九九五）をその後の日本

の政権は「日本国政府 の公式見解」

としてきてはいるが、少なくとも安部

政権下においては「狭義の強制性はな

かった」など、謝罪のニュアン スに

修正を施そうとする意向を隠さなかっ

た。ある政権が河野談話を踏襲すると

しても、次の政権ではそれと相容れな

い行為がある場合もあ る。 このよう

な矛盾した言い方に対して、問わずに

はいられない－「日本政府」は一体

「誰」なのか、そして「誰」が日本を

代表し発言できるのか。 Eaphet No.6 #10/12

とが協力し、長年の間、様々な方法で

日本軍慰安婦問題の解決を日本政府に

働き掛け続けてきた。毎年アジア各地

で連帯会議を開催し、国連人権委員会

に日本軍慰安婦問題の報告書を提出し

ている。各国の労働組合は日本政府の

IL029号（強制労働廃止）条約違反を指

摘し、二〇〇七年七月三十一日に米国

議会は「第一二一号決議文」を通過さ

せた。ＥＵ、オランダ、カナダなどの

議会も「慰安婦決議文」を通過させ、

より多くの慰安婦女性人権問題の団体

への加入を呼びかけた。しかし国際的

な圧力に対し日本政府の態度は冷やや

かなものだった。 元慰安婦女性たちの日本政府に対す

る訴訟の最近の発展は、二〇〇一年に

民主党が提出した「戦時強制被害者問

題解決促進法案」が延長され、国会で

立法に向けて支持されていることであ

る。今年(二〇一一年)二月二十一日、

台湾籍元慰安婦の日本政府に対する訴

訟（一九九九年開始）に協力している

日本の藍谷邦雄弁護士が台湾を訪れ、

台湾の弁護士たちに対し、韓国と日本

の弁護士連合会への参加を呼びかけ、

日本政府に慰安婦被害者たちへの賠償

を求め続けるよう要請した。生存者た

ちに遅い平和と正義が訪れることに期

待したい。 頼さんの話のあと、参加者は問題点

を探り、意見を出し合い討論した。机

を囲んで座り、まずみんなで「解決」

について討論した。討議は「解決」と

は何を指すのか、「どの程度」になれ

ば「解決」と言えるのか、をめぐって

行きつ戻りつした。 頼さんは個人的には、日本政府が行

為を認め謝罪することがひとまずの解

ここで少し自分の感想を言わせてみ

ると、台湾というこの土地で、他の国

家より小さいのかもしれないが、やは

り色々な人がいて、色々なことに遭遇

し、色々な体験をしているのだと、今

回の陳先生の講演を聞いて改めて実感

した。一人一人の人間は彼等なりの

「歴史」を持っているんだなと思う。

だから、私たちは今のようにどこかで

誰かの声に一生懸命耳を傾けることが

それなりの意味があるじゃないかなと

思う。(了 2010/12/14) 陳千武氏陳千武氏陳千武氏陳千武氏をををを囲囲囲囲んでんでんでんで

4月月月月23日日日日 講座講座講座講座：：：：慰安婦問題慰安婦問題慰安婦問題慰安婦問題のののの解決解決解決解決とはとはとはとは何何何何かかかか

は個人とは関係ないのか、そもそも

国家は個人個人を代表できるのか、

ナショナリズムの問題なのか、

等々、慰安婦問題はこれらの問題意

識が複雑に絡み合っているために、

問題解決のための相互意識がかみ合

わないのではないだろうか。歴史修

正主義と言われる言説が少しずつ広

まっていく中で、お互いが何を主張

しているのかを慎重に見ていかなく

ては、永遠に解決は見えないのでは

ないかと懸念してしまう。しかしこ

ういった永遠に続く作業の中で解決

に向けて理解し合う行為が重要であ

るとも思う。 今回の討論会では何が解決なの

か、という議論への一歩を踏み出す

ことが出来た。今後も話し合いを重

ね、解決の糸口を探っていきたい。

ルビ

ー・

ナブ

工作

室新

装開

店ル

ビー

・ナ

ブ工

作室

新装

開店

ルビ

ー・

ナブ

工作

室新

装開

店

霧社、スヌイで誰よりも早く織

物工作室を営み始めたルビー・ナブ

先生。ほぼ二十五年目にして心意気

も新たに新装開店します。工作室改

築は東海大学山プロジェクト担当。

内外装ともに裏山の竹を切り出して製作。六月十一日二時より、開店祝いのパーティ。 南投縣仁愛鄉春陽村虎門巷七十二號。是非お寄りください。

戦後慰安婦の賠償問題に対し、個人

と民間団体は賠償を求めているが、日

本政府は国家と国家の間の賠償はすで

に終わっていると表明している（一九

五一年サンフランシスコ条約、一九五

二年日華条約、一九六五年日韓条約、

一九七二年日中共同声明、二〇〇二年

日朝平壌宣言）。この前提の下、日本

政府は、たとえ確かな証拠があったと

しても個人や民間団体が請求する賠償

に応えることはない。 以下討論で中心となった話題と、筆

者らの意見を述べる。 ①アマーアマーアマーアマーのののの幸幸幸幸せとせとせとせと慰安婦問題慰安婦問題慰安婦問題慰安婦問題のののの解決解決解決解決

「アマー個々人が幸せな余生を送れ

るようにする」、「慰安婦問題とい

う概念はすでに個人の問題ではな

く、全ての人が当事者の中に含まれ

Eaphet No.6 #11/12

ている」というのが座談会の意見で

上がった。慰安婦問題と個人の幸せ

を一緒くたにするべきではない。な

ぜなら慰安婦問題とは、父権国家の

暴力装置であり、兵士と軍属という

男性が、女性を慰安婦にさせた、組

織的な凶悪犯罪なのであり、程度や

文脈は違えど、同じような状況は

様々な場所で絶えず繰り返されてい

るのだから。 ② 吉田吉田吉田吉田のののの意見意見意見意見

まず、慰安婦問題とはどのような問

題なのか、ということを細分化しな

くてはならないと思う。戦時に国家

が関与した民間人への犯罪行為なの

か、父権国家の暴力装置による組織

的犯罪なのか、個人的な被害への賠

償問題なのか、国家間の賠償・謝罪

EAPHET 說中文說中文說中文說中文!!!!!!!! 中中中中国国国国語語語語でででで話話話話そうそうそうそう No. No. No. No.001 EAPHET的中国語講座がはじまります!! 沖縄から来た村上さんと、台中に住む趙さんが、台湾のこと、東アジアのこと、歴史のこと、今起こっている問題などを、見たり、考えたり、おしゃべりしたり…その会話を通して簡単な中国語を学んでいきましょう。第一回のテーマ「原発」です。福島第一原発事故から世界の原発事情は急速変化し始めました。台湾には北部に二か所、南部に一か所、合わせて六基の原子炉があり、さらに核四が建設中です。そして原発から排出される核廃棄物の処理場が蘭嶼にあり、さらに台東にも建設を予定しています。

第一回的主題單刀直入地切入核電廠議題。福島第一核電廠發生事故以來，全世界核電廠的情況開始有了急速的變化。在台灣北部有兩處，南部有一處，合起來共有六座原子反應爐，另外核四仍在興建。此外，核廢料處裡場還設在蘭嶼有一座，在台東也計畫要興建。 村上：這次受到福島事件的影響這次受到福島事件的影響這次受到福島事件的影響這次受到福島事件的影響，，，，在台灣的狀況如在台灣的狀況如在台灣的狀況如在台灣的狀況如何何何何？？？？ (今回の福島の事件を受けて、台湾ではどのような状況ですか？) 趙：台灣的四處都發起了反核運動台灣的四處都發起了反核運動台灣的四處都發起了反核運動台灣的四處都發起了反核運動。。。。我也上街參加了我也上街參加了我也上街參加了我也上街參加了台北的台北的台北的台北的「「「「430430430430反核大遊行反核大遊行反核大遊行反核大遊行」。」。」。」。(台湾のあちこちで反核のデモがあったんですよ。私も「430向日葵デモ」で台北の街を歩きましたよ。) 村上：這樣啊這樣啊這樣啊這樣啊！！！！難怪你曬黑了難怪你曬黑了難怪你曬黑了難怪你曬黑了。。。。可是電視完全沒有相可是電視完全沒有相可是電視完全沒有相可是電視完全沒有相關的報導耶關的報導耶關的報導耶關的報導耶。。。。(そうですか。だから日に焼けたんですね。しかしテレビでは全然報道されませんでしたね。) 趙：就是說麻就是說麻就是說麻就是說麻。。。。其他的抗議遊行媒體都報導其他的抗議遊行媒體都報導其他的抗議遊行媒體都報導其他的抗議遊行媒體都報導，，，，這次反這次反這次反這次反而幾乎沒有報導什麼關於反核的遊行而幾乎沒有報導什麼關於反核的遊行而幾乎沒有報導什麼關於反核的遊行而幾乎沒有報導什麼關於反核的遊行。。。。(そうなんですよ。他のデモは報道されるのに、今回反核に関してはメディアはほとんど報道しませんでした。) 村上：在日本也辦了反核遊行在日本也辦了反核遊行在日本也辦了反核遊行在日本也辦了反核遊行，，，，各大媒體壓根都沒報各大媒體壓根都沒報各大媒體壓根都沒報各大媒體壓根都沒報導導導導。。。。電力公司根本就是最大的贊助商麻電力公司根本就是最大的贊助商麻電力公司根本就是最大的贊助商麻電力公司根本就是最大的贊助商麻。。。。(日本でもデモがありましたが、大手メディアはまったく報道しませんでしたね。それだけ電力会社は大きなスポンサーということですね。) 趙：要情報還得靠自己不可要情報還得靠自己不可要情報還得靠自己不可要情報還得靠自己不可。。。。不過前幾天馬總統表示不過前幾天馬總統表示不過前幾天馬總統表示不過前幾天馬總統表示老朽的核電廠將不再延役老朽的核電廠將不再延役老朽的核電廠將不再延役老朽的核電廠將不再延役，，，，並依照年限一一除役並依照年限一一除役並依照年限一一除役並依照年限一一除役。。。。核四興建也將延期核四興建也將延期核四興建也將延期核四興建也將延期。。。。(情報は自分で得なくてはいけませんね。しかし先日、馬総統が老朽化した原発の稼働延長を取りやめ、寿命が来たら順次廃炉にすることを発表したんですよ。核四も更に建設が延長されました。) 村上：不愧是馬總統不愧是馬總統不愧是馬總統不愧是馬總統。。。。跟著世界潮流走跟著世界潮流走跟著世界潮流走跟著世界潮流走!!(さすが馬総統ですね。世界の流れを読んでますね!!)

單字(単語)：大遊行（dà yóu xíng）デモ、難怪你曬黑了（nán guài nǐ shài hēi le）だから日に焼けたんですね、媒 體（méi tǐ）メ デ ィ ア、贊 助 商（zàn zhù

shāng）スポンサー、核電廠（hé diàn chǎng）原発、不愧（bù kuì）さすが・立派な

Eaphetがが がが見見 見見たた たた出来事

出来事

出来事

出来事

3

月月 月月‐‐ ‐‐

5

月月 月月

三月十一日三月十一日三月十一日三月十一日日本東北地方を大地震と津

波が襲い、津波が原因で東京電力福島

第一原発冷却機能が奪われ、炉心が溶

解する事故発生。 三月二十日三月二十日三月二十日三月二十日アメリカ合衆国軍、市民を

守るという理由でリビヤリビヤリビヤリビヤをををを攻撃攻撃攻撃攻撃‐同じ

NATOからも批判が出る。 三月三十一日三月三十一日三月三十一日三月三十一日来年度から使用する中学中学中学中学

教科書教科書教科書教科書のののの検定検定検定検定結果が発表された。独

島・竹島、釣魚台・尖閣諸島問題で南

コリア、中国、台湾が抗議。南コリア

の中には３１１地震の義援金を取りや

める自治体も。「集団自決」（強制集

団死）記述は全教科書（七つ）に見ら

れたが軍の関与については記述したも

のとしないものがある。 四月十一日四月十一日四月十一日四月十一日フランス、ブルカブルカブルカブルカ禁止法禁止法禁止法禁止法を

施行。施行二日間で四人事情聴取。ス

イスのミナレット禁止法（二〇〇九）

などに続くイスラム移民への同化強

制。 四月十二日四月十二日四月十二日四月十二日日本政府、福島第一原発福島第一原発福島第一原発福島第一原発事

故評価を突如として「レベル七」に引

き上げ。同日、ドイツ政府はアメリカ

合衆国政府からのイラン系の銀行の活

動妨害に抵抗していると発表。 四月十九日四月十九日四月十九日四月十九日米原発ビジネス、

NRGがサ

ウス・テキサス・プロジェクトから撤

退を表明。 四月二十一日四月二十一日四月二十一日四月二十一日最高裁上告審で岩波岩波岩波岩波・・・・大大大大

江裁判江裁判江裁判江裁判が被告側の勝利で結審。「集団

自決」（強制集団死）における軍関与

を認めた一、二審の判決が支持され、

上告棄却。 四月二十六日四月二十六日四月二十六日四月二十六日高木義明文部科学相閣議

後会見で、沖縄戦での「集団自決（強

制集団死）」をめぐる大江・岩波訴訟

で軍の関与を認めた判決確定を受け、 教科書検定について「（検定は）教科

用図書検定調査審議会（検定審）で専

門的、学術的に審議されている。これ

からもそうだ」と述べ、高校歴史教科

書検定で「集団自決」の記述から日本

軍の強制を削除する根拠となった検定

意見を撤回する考えがないことを表明

した。 四月三十日四月三十日四月三十日四月三十日台湾三箇所で反核一斉反核一斉反核一斉反核一斉デデデデ

モモモモ430向日葵廃核行動。

五月一日五月一日五月一日五月一日アメリカ合衆国軍、パキス

タンに違法潜入、オサマオサマオサマオサマ・・・・ビンビンビンビン・・・・ラデラデラデラデ

ンンンン殺害殺害殺害殺害と発表。パキスタン政府激怒、

ムシャラフ元大統領、苦い顔。 五月二日五月二日五月二日五月二日「台湾被爆者台湾被爆者台湾被爆者台湾被爆者、行政が支援

を」市民団体が縣、市に要請。「台湾

には現在被爆者手帳を持つ人が十五人

いる…」 五月六日五月六日五月六日五月六日日本政府、中部電力に対し

て浜岡原発停止浜岡原発停止浜岡原発停止浜岡原発停止を要請。 五月十二日五月十二日五月十二日五月十二日アメリカ合衆国上院軍事

委員会の議員三人が普天間普天間普天間普天間のののの辺野古移辺野古移辺野古移辺野古移

転転転転は実現不可能とし、政府に財政支出

を減らすよう提言。グアム移転が再浮

上。 五月十三日五月十三日五月十三日五月十三日昨年行政院を通過した原原原原

住民自治法案住民自治法案住民自治法案住民自治法案に対する抗議運動が立法

院前で行われた。行政院案は自治法を

骨抜きにし、当初期待されていた「中

華民国と原住民との対等な関係」から

は限りなく後退。 五月二十一日五月二十一日五月二十一日五月二十一日東亜日報は二十日、ベ

トナム戦争で米軍が使った枯れ葉剤の

残りを韓国南東部の在韓米軍基地内に

埋めたと元米兵が証言し、韓国環境省

が米軍側に事実確認を求め、調査に着

手すると報じた。

イン

ター

ン募

集し

てい

ます

―イ

ンタ

ーン

募集

して

いま

す―

イン

ター

ン募

集し

てい

ます

―

▽台湾国籍を持たない人で、当協会の

活動内容を理解し、協会業務の手伝い

をしながら、台湾の歴史資源について

学びたい人、是非ご応募ください。

▼滞在期間＝三ヶ月を単位とします。

▼在住地から台中までの往復の飛行機

代、交通費、および滞在中の基本的な

食費は自費。協会は宿泊、およびイン

ターネット環境、書籍等へのアクセス

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でお申し込みください。 ①氏名、連絡先、簡単な履歴、

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内）。 詳しくはお問い合わせください。

【下

半期

の活

動予

定下

半期

の活

動予

定下

半期

の活

動予

定】 ▽毎週水（十九～二十一時）随邊聊随邊聊随邊聊随邊聊

聊聊聊聊…色々なドキュメンタリーを見た

り、討論したりしています。 ▽毎週金（十八～二十時）ネッシンネッシンネッシンネッシン…

参加者各自がテーマを持ち、調べ、発

表したり、討論したりしています。

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飯、粽、BBQ…詳しい予定は後日ご連

絡いたします。 ▽七月二十八日～八月五日、隨邊走走隨邊走走隨邊走走隨邊走走

「東アジアとアメリカ―沖縄沖縄沖縄沖縄とととと米軍米軍米軍米軍」

▽八月二十二日～三十一日、隨邊走走隨邊走走隨邊走走隨邊走走

「東アジアとアメリカ―台湾編台湾編台湾編台湾編」 ▽その他にも毎月様々な活動を行って

います。フィリピン、韓国連携ツ

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