令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新...

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令和2年 度 税 制 改 正 ( 租 税 特 別 措 置 ) 要 望 事 項 ( 新 設 ・ 拡 充 ・ 延 長 ) (総務省 情報流通行政局 地域通信振興課 地方情報化推進室) 5G 投資促進税制の創設 法人税、所得税 Society5.0 の実現に向け、21 世紀の基幹インフラである5G 及びこれを支え る光ファイバの整備を更に促進し、5G を活用して地域が抱える様々な社会課 題の解決を図るとともに、我が国経済の国際競争力を強化するため、税制優遇 措置を新規に創設する。要望する税制優遇措置の対象及び内容は以下のとお り。 (1)ローカル5G 用無線局の免許人に対して、以下の内容の税制特例を措 置。 ・法人税及び所得税:対象設備の取得価額の 30%の特別償却又は5%の税 額控除 (2)認定を受けた開設計画に記載されている5G 基地局の数を上回る数の基 地局を開設した携帯電話事業者に対して、以下の内容の税制特例を措置。 ・法人税:対象設備の取得価額の 30%の特別償却又は5%の税額控除 (3)5G 基地局(認定された開設計画に記載されている5G 基地局の数を上回 って開設されるものに限る。)及びローカル5G 基地局の開設に必要とな る光ファイバを設置する事業者に対して、以下の内容の税制特例を措置。 ・法人税:対象設備の取得価額の 30%の特別償却又は5%の税額控除 (4)5G 基地局の設置に必要な鉄柱等の設備を他事業者に使用させる事業者 等に対して、以下の内容の税制特例を措置。 ・法人税:対象設備の取得価額の 30%の特別償却又は5%の税額控除 平年度の減収見込額 21,901 百万円 (制度自体の減収額) ( - 百万円) (改 正 増 減 収 額) ( - 百万円) 1-1

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令和2年 度 税 制 改 正 ( 租 税 特 別 措 置 ) 要 望 事 項 ( 新 設 ・ 拡 充 ・ 延 長 )

(総務省 情報流通行政局 地域通信振興課 地方情報化推進室)

制 度 名 5G投資促進税制の創設

税 目 法人税、所得税

Society5.0 の実現に向け、21 世紀の基幹インフラである5G 及びこれを支える光ファイバの整備を更に促進し、5G を活用して地域が抱える様々な社会課題の解決を図るとともに、我が国経済の国際競争力を強化するため、税制優遇措置を新規に創設する。要望する税制優遇措置の対象及び内容は以下のとおり。

(1)ローカル5G 用無線局の免許人に対して、以下の内容の税制特例を措置。・法人税及び所得税:対象設備の取得価額の 30%の特別償却又は5%の税額控除

(2)認定を受けた開設計画に記載されている5G 基地局の数を上回る数の基地局を開設した携帯電話事業者に対して、以下の内容の税制特例を措置。・法人税:対象設備の取得価額の 30%の特別償却又は5%の税額控除

(3)5G 基地局(認定された開設計画に記載されている5G 基地局の数を上回って開設されるものに限る。)及びローカル5G 基地局の開設に必要となる光ファイバを設置する事業者に対して、以下の内容の税制特例を措置。・法人税:対象設備の取得価額の 30%の特別償却又は5%の税額控除

(4)5G 基地局の設置に必要な鉄柱等の設備を他事業者に使用させる事業者等に対して、以下の内容の税制特例を措置。・法人税:対象設備の取得価額の 30%の特別償却又は5%の税額控除

平年度の減収見込額 21,901百万円

(制度自体の減収額) ( - 百万円)

(改 正 増 減 収 額) ( - 百万円)

1-1

⑶ 政策目的

5G サービスの提供に必要となる ICT インフラの早期全国展開及び円滑導入を支援することにより、多数の地域における経済活性化及び課題解決を実現するとともに、我が国経済の国際競争力強化を実現。

⑷ 施策の必要性

5G は、21 世紀の基幹インフラとして様々な分野における社会課題解決、生産性向上、国際競争力確保の観点から、全国への速やかな整備が強く求められる。

この点、「成長戦略実行計画(令和元年 6 月 21 日閣議決定)」において、「2020 年度末までに全都道府県で 5G サービスを開始するとともに、セキュリティの確保に留意しつつ、通信事業者等による 5G 基地局や光ファイバなどの情報通信インフラの全国的な整備に必要な支援を実施し、2024 年度までの 5G 整備計画を加速する」こととされている。また、「まち・ひと・しごと創生基本方針 2019(令和元年 6 月 21 日)」において、「Society5.0 の実現に向けて、2020 年度末までに全都道府県で 5G サービスを開始するとともに、通信事業者等による 5G 基地局や光ファイバなどの情報通信インフラの全国的な整備に必要な支援を実施し、2024 年度までの 5G 整備計画を加速する」こととされている。更に、「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画(令和元年 6 月 14 日閣議決定)」において、「5G のサービスを支える基地局や光ファイバなどの情報通信インフラの整備を進めるとともに、5G による地域課題解決に向けた開発実証を推進していく」とされている。

本年 11 月に免許申請開始予定のローカル5G は、地域や産業分野の個別ニーズに合わせ、地域ごとの課題にきめ細かく対応できることから、その効果が多いに期待される一方、小規模エリアでの免許であるため、導入コストが低廉化していないローカル5G 制度の運用開始当初では、ローカル5G 導入による採算性を見込むことが容易でなく、ローカル5G サービスの円滑な導入に懸念がある。このため、ローカル5G 用無線局の免許人に対して、税制特例措置を講ずることにより、ローカル5Gの円滑な導入を推進する必要がある。

また、本年4月 10 日に我が国における最初の5G 用周波数の割当てが実施されたところ、国際的には一部の国で5G サービスが既に開始される中、携帯電話事業者4社の認定計画では、5G 基地局の開設予定数は5年間の認定期間の最終2年間に集中しており、特に本年度及び来年度の基地局の設置数は少数にとどまっている。このため、認定を受けた開設計画に記載されている5G 基地局の数を上回る数の基地局を開設した携帯電話事業者に対して、税制特例措置を講ずることにより、5G基地局の早期全国展開を推進する必要がある。

加えて、5G サービスの導入・展開に当たっては、それらを支える光ファイバの整備も必要不可欠となる。このため、5G 基地局(認定された開設計画に記載されている5G 基地局の数を上回って開設されるものに限る。)及びローカル5G 基地局の開設に必要となる光ファイバを設置する事業者に対して、税制特例措置を講ずることにより、5G サービスの早期全国展開及び円滑導入を促進する必要がある。

更に、5G の導入に当たっては、移動通信システムの高速化・大容量化や高周波帯の利用のために基地局の小セル化や多セル化が必要となり、新たに多数の基地局を開設することが必要となる。しかしながら、空中線を設置するための鉄柱の設置場所やビル等の物理スペースが限られるだけでなく、景観上の問題から鉄柱等の設置が制約されることが多くなっており、鉄柱等の設備を複数事業者間で共同使用することがこれまで以上に重要となることが想定される。このため、5G 基地局の設置に必要な鉄柱等の設備を他事業者に使用させる事業者等に対して、税制特例措置を講ずることにより、鉄柱等の設備の共同使用を促進する必要がある。

1-2

政 策 体 系

に お け る

政策目的の

位 置 付 け

Ⅴ.情報通信(ICT 政策) 2.情報通信技術高度利活用の推進

政 策 の

達成目標

・2022 年度末までに、約 1,500 箇所におけるローカル5G の導入を支援し機器の普及を促すことで、導入コストの低廉化・定額化をはかる。

・現行開設計画において 2022 年度末累計約 3.5 万局とされている基地局整備を加速し、約 1.9万局の前倒し整備をはかる。

・2022 年度末までに、約 1,900 箇所における5G 基地局の設置に必要な鉄柱等の設備の共同利用を促進する。

租税特別措

置の適用又

は延長期間

令和2年4月1日から令和5年3月31日まで (3年間)

同上の期間

中 の 達 成

目 標

・上記期間中に、約 1,500 箇所におけるローカル5G の導入を支援する。

・上記期間中に、約 1.9万局の基地局の前倒し整備をはかる。 ・上記期間中に、約 1,900 箇所における5G基地局の設置に必要な鉄柱等の設備の共同利用を促進する。

政策目標の

達 成 状 況

効 性

要 望 の

措 置 の

適用見込み

令和2年度 160件 令和3年度 210件 令和4年度 310件

要望の措置

の効果見込

み(手段とし

ての有効性)

導入コストが低廉化していないローカル5G 制度の運用開始当

初では、ローカル5G 導入による採算性を見込むことが容易でないこと、また、5G 用周波数の割当てを受けた携帯電話事業者4社の認定計画では、5G 基地局の開設予定数は5年間の認定期間の最終2年間に集中しており、特に本年度及び来年度の基地局の設置数は少数にとどまっていることから、5G 関連設備への投資に対するインセンティブを付与することにより、5G サービスの早期全国展開及び円滑導入が図られ、ひいては、多数の地域における経済活性化及び課題解決を実現するとともに、我が国経済の国際競争力強化を実現。

当該要望項

目以外の税

制上の支援

措 置

地方税:固定資産税に係る課税標準の特例措置等

予算上の

措置等の

要求内容

及び金額

上記の予算

上の措置等

と要望項目

と の 関 係

1-3

要望の措置

の 妥 当 性

5G サービスの提供に必要となる ICT インフラの早期全国展開

及び円滑導入を支援することにより、多数の地域における経済活性化及び課題解決を実現するとともに、我が国経済の国際競争力強化を実現するという政策目標を達成するためには、全国遍く政策効果が行き渡る税制措置を講ずることが適当。

これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項

租税特別

措 置 の

適用実績

租特透明化

法に基づく

適 用 実 態

調 査 結 果

租税特別措

置の適用に

よ る 効 果

(手段として

の有効性)

前回要望時

の達成目標

前回要望時

からの達成

度及び目標

に達してい

ない場合の

理 由

これまでの

要 望 経 緯

1-4

令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

(総務省自治行政局過疎対策室)

制 度 名 過疎地域における事業用資産の買換えの場合の課税の特例措置

税 目 所得税、法人税

過疎地域外にある特定の事業用資産を譲渡した場合において、当該事業年度(個人の場合は、当該譲渡の日の属する年の 12 月 31 日まで)に過疎地域内にある事業用資産を取得し、かつ、その取得後1年以内に事業の用に供し、又は供する見込みである場合、当該譲渡に係る譲渡益の一部について課税の繰延べを認める特例措置の適用期間を延長する。

延長:所得税:3か月間、法人税:1年間(いずれも令和3年3月 31日まで)

根拠法: ・過疎地域自立促進特別措置法第 29条・租税特別措置法第 37条、第 65条の7~9、第 68条の 78~80

平年度の減収見込額 - 百万円

(制度自体の減収額) ( ▲94,200 百万円

の内数)

(改 正 増 減 収 額) ( - 百万円)

⑴ 政策目的

過疎対策については、昭和 45 年以来、4次にわたる議員立法により過疎法が制定されており、現行法は、過疎地域の自立促進を図り、もって住民福祉の向上、雇用の増大、地域格差の是正及び美しく風格ある国土の形成を目的としている。

過疎法では、過疎地域の自立促進のための対策の目標の一つとして、産業を振興し、安定的な雇用を増大することが定められており、そのために、国は必要な施策を総合的に講ずる責務を有している。

その施策の一つとして、事業用資産の買換えの場合の課税の特例が定められている。

過疎地域では引き続く人口減少と、著しい高齢化の進行、さらには若年者の流出がみられるところであり、本制度は過疎地域内に企業を誘致し、過疎地域における産業の振興を図るとともに、就業機会の拡大や所得水準の向上を図ることを政策目的とする。

⑵ 施策の必要性

過疎地域は、引き続く人口減少と著しい高齢化の進行、若年者の流出に直面し、農林水産業の衰退や、維持・存続が危ぶまれる集落の発生、身近な生活交通の不足、地域医療の危機、就業機会の減少など、住民生活にかかわる様々な課題が生じている。

特に、過疎地域の市町村の人口の状況を見ると、国勢調査に基づく平成 22 年から平成 27 年までの過疎地域の人口増減率は▲8.1%となっており、東京圏の人口増減率が 1.4%増という結果に比べると、著しく人口減少が進んでいる。

これらの課題に対応するためには、過疎地域に民間事業者を誘致する中で、過疎地域における産業の振興を図るとともに、就業機会の拡大や所得水準の向上を図ることが必要である。

本特例措置は、過疎地域への企業立地を促進し、産業の振興を図ることを目的とする措置であり、過疎対策の重要性に鑑みれば、国として講じていくべき施策であることから、適用期間の延長を要望するものである。

2-1

政 策 体 系

に お け る

政策目的の

位 置 付 け

【令和2年度概算要求における政策体系図】 Ⅱ.地方行財政 2.地域振興(地域力創造)

【過疎地域自立促進特別措置法】 ○第1条

この法律は、人口の著しい減少に伴って地域社会における活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある地域について、総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講ずることにより、これらの地域の自立促進を図り、もって住民福祉の向上、雇用の増大、地域格差の是正及び美しく風格ある国土の形成に寄与することを目的とする。

○第3条過疎地域の自立促進のための対策は、第一条の目的を達成

するため、地域における創意工夫を尊重し、次に掲げる目標に従って推進されなければならない。 一 産業基盤の整備、農林漁業経営の近代化、中小企業の育成、企業の導入及び起業の促進、観光の開発等を図ることにより、産業を振興し、あわせて安定的な雇用を増大すること。

○第4条 国は、第一条の目的を達成するため、前条各号に掲げる事項につき、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずるものとする。

○第 29条過疎地域以外の地域にある事業用資産を譲渡して過疎地域

内にある事業用資産を取得した場合においては、租税特別措置法(昭和 32年法律第 26号)の定めるところにより、特定の事業用資産の買換えの場合の課税の特例の適用があるものとする。

【経済財政運営と改革の基本方針 2019(令和元年6月 21日閣議決定)】 第2章 Society 5.0時代にふさわしい仕組みづくり 3.地方創生の推進 (5)対流促進型国土の形成人口減少が深刻な過疎地域や半島、離島・奄美・小笠原な

どの条件不利地域については、近隣地域との調和ある発展や交流・連携を図りつつ、生活機能を確保する小さな拠点や地域運営組織等の形成を推進し、地域づくりを行う人材の確保や交通基盤の維持等を図るとともに、地域資源や創意工夫をいかした自立的な地域社会の構築による、維持・活性化を目指す。

【過疎地域自立促進特別措置法の改正に係る決議(平成 22年3月)】 ○衆議院総務委員会「過疎対策の推進による過疎地域の自立促進に関する件」(前略)政府は、過疎対策の推進に当たって次の事項の実現を図り、過疎地域の自立促進に万全を期すべきである。一~三(略) 四 過疎地域の置かれた現状を踏まえ、今後は特に、地域医療の確保、就業機会の創出、地域間交流の促進等が積

2-2

極的に実現されるようにすること。 五~六(略)

政 策 の

達成目標

過疎法の目的は、人口の著しい減少に伴って地域社会におけ

る活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある過疎地域の自立促進を図り、もって住民福祉の向上、雇用の増大、地域格差の是正及び美しく風格ある国土の形成に寄与することであり、過疎地域の自立促進のため、産業を振興し、安定的な雇用を増大させることが対策目標の一つとなっている。国は、その目的を達成するため必要な施策を講ずることとなっており、本特例により、過疎地域への企業誘致等を図る中で産業の振興を図るとともに、就業機会の拡大や所得水準の向上を図ることを目標とする。

租税特別措

置の適用又

は延長期間

法人税:1年間 (令和2年4月1日~令和3年3月 31日) 所得税:3か月間(令和3年1月1日~令和3年3月 31日) ※過疎地域自立促進特別措置法(議員立法)の期限(令和3年

3月 31日)と同じ適用期限の延長を要望。

同上の期間

中 の 達 成

目 標

過疎地域における本特例を活用した企業立地件数(延長要望

期間中(令和2年4月1日から令和3年3月 31 日まで)適用件数4件以上)

政策目標の

達 成 状 況

「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」によ

ると、平成 28 年度は8件、平成 29 年度は3件の適用実績があり、所期の目標を達成している。 また、平成 28 年度と平成 29 年度の適用実績額を見ると、そ

れぞれ 13 億 1,968 万円(減収見込額:3億 880 万円)、7億7,803 万円(同:1億 8,205 万円)となっており、本特例を適用した民間事業者にとっては、買換え年度における税負担の軽減効果により、円滑な資金繰りに寄与するなど、企業経営に相当な好影響があったものと考えられる。 一方で、適用件数が低い状況で推移している現状を踏まえ、

過疎地域に所在する 602 事業者にアンケート調査を実施する際には、本特例の概要をまとめた資料を添付し制度の周知を図ったほか、日本税理士会連合会に対しても本特例の周知依頼を行ったところである。 さらに、各種会議等の場や総務省ホームページにおいても、

本特例の積極的な活用を促すための周知を行っているところである。

要 望 の

措 置 の

適用見込み

令和2年度:4件(減収見込み額:191,113千円) ※適用見込みの推計方法については、別紙1参照のこと。

要望の措置

の効果見込

み(手段とし

ての有効性)

民間事業者が過疎地域において事業用資産を取得し、事業の

用に供すれば、当該取得資産を活用した企業活動が行われることで、産業の振興が図られるとともに、一連の経済活動の中で、過疎地域における就業機会の拡大や所得水準の向上が図られる。 〇効果の推計

実績 見込み 目標

年度 H27 H28 H29 H30 R1 R2

適用件数 4 8 3 5 5 4

(注) 1 平成 29年度の実績は「租税特別措置の適用実態調査の結果

に関する報告書(平成 31年第 198国会提出)」による。

2 平成 30年度以降は見込み値。

2-3

当該要望項

目以外の税

制上の支援

措 置

・過疎地域における事業用設備等に係る特別償却(所得税・法人税)(過疎法第 30 条、租税特別措置法第 12 条、第 45 条、第 68条の 27)

・地方税の減収補填措置(事業税、不動産取得税、固定資産税)(過疎法第 31条)

予算上の

措置等の

要求内容

及び金額

過疎地域等自立活性化推進交付金(継続) (令和2年度概算要求額 10.8億円)

上記の予算

上の措置等

と要望項目

と の 関 係

過疎地域等自立活性化推進交付金は、市町村が行う ・過疎地域の課題に対応するためのソフト事業 ・過疎地域の集落再編を図るための施設整備 ・遊休施設を再活用して地域間交流及び地域振興を図るための施設整備

・集落ネットワーク圏(住民団体が中心となり複数集落で連携して日常生活機能の維持・確保に取り組む活動)の形成支援

に対して補助するものであり、過疎地域の課題解決や生活機能の維持・活性化を支援する役割を担うものである。 一方、本特例は、個々の民間事業者の過疎地域への立地を促

すインセンティブを与える措置であり、当該交付金とは支援対象や目的が異なることから、両者の間に代替性はない。

要望の措置

の 妥 当 性

本特例措置は、企業の過疎地域への立地を税制面から支援す

ることで、産業の振興を図るとともに、一連の経済活動の中で就業機会の拡大や所得水準の向上を図ることを目的として、過疎法が制定された当初から規定されているものである。 本特例は、課税の繰延べであるので、減収額相当分を補助金

として交付するよりも最終的な国の負担は少ない。また、課税の繰延べによって、事業者にとっては初期投資の負担が軽減されるため、民間事業者の過疎地域への新規立地を促すインセンティブとなり、過疎地域の産業の振興という政策目的において効果が見込まれる。 過疎地域の著しい人口減少等の状況を踏まえると、民間事業

者の過疎地域への新規立地を促すことで、産業の振興や就業機会の拡大、所得水準の向上を図る必要性は引き続き存在することから、民間事業者の過疎地域への新規立地を促すインセンティブとなる本特例を継続する必要がある。

これまでの租税特別措置の適用実績と効果に

関連する事項

租税特別

措 置 の

適用実績

【適用実績】 (単位:千円)

年度 適用事業者数 適用件数 適用額 減収額

H27 4 (1)

4 (1)

138,825 (250,484)

33,179 (63,873)

H28 8 (1)

8 (1)

1,319,685 (250,484)

308,806 (63,873)

H29 3 (1)

3 (1)

778,032 (250,484)

182,059 (63,873)

H30 5

(1) 5 (1)

745,514 (250,484)

172,959 (63,873)

※1:租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書(平成

31年第 198国会提出)による。 ※2:適用額は、本特例による損金算入額である。 ※3:減収額は、適用額に基本税率(平成 27 年度:23.9%、平成

28 年度~29 年度:23.4%、平成 30 年度:23.2%)を乗じて算出した。

※4:下線を付した年度は、「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」が公表されていないため、推計としている。

2-4

〇適用件数が想定外に僅少であるか否かについて 平成 28 年度実績(8件)及び平成 29 年度実績(3件)

は、前回要望時(平成 28 年)における見込み(平成 28 年度(1件)、平成 29 年度(1件))を超えており、想定外に僅少であるとは言えない。

〇特例の対象の偏在性について 本特例措置は、過疎地域外にある特定の事業用資産を譲渡した場合において、当該事業年度に過疎地域内にある事業用資産を取得し、かつ、その取得後1年以内に事業の用に供し、又は供する見込みである場合に課税の特例を認めるものであり、特定の業種を対象としているものではない。

また、「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書(平成 31 年第 198 国会提出)」によると、本特例を適用した3件は、製造業、建設業、不動産業であり、特定の業種に偏ってニーズがあるわけではない。なお、この傾向は過年度においても概ね同様である。

租特透明化

法に基づく

適 用 実 態

調 査 結 果

○租特法の条項:租特法第 65条の7第1項の表中第3号同法第 68条の 78第1項の表中第3号

○適用件数:3件(平成 29年度)○適用額:778,032千円(平成 29年度)

租税特別措

置の適用に

よ る 効 果

(手段として

の有効性)

本特例の適用により、過疎地域における企業立地が促進されることで産業の振興が図られ、一連の経済活動の中で過疎地域における就業機会の拡大や所得水準の向上につながるものである。

この点、過疎対策室が、過疎地域に所在する事業者に行ったアンケート調査の結果(別紙2)によれば、「条件が整えば本特例を活用したい」と考える事業者が相当数存在(39.5%)するところであり、また、本特例を適用することで、

・ 買換年度の税負担軽減効果により、資金繰りに余裕が生まれる(63.6%)

・ 過疎地域の未利用の土地や遊休施設の活用につながる(40.6%)・ 過疎地域における雇用の増大につながる(36.8%)・ 都市部からの企業の移転促進につながる(23.0%)

といった意見が多かったところであり、民間事業者においても本特例の政策的効果や有効性に期待しているものと考えている。 なお、過疎市町村を対象に行った調査では、 ・ 産業振興を図る上で、事業者に対して過疎地域に立地することの利点を訴える際の強みとなるとともに、産業育成につながる支援策として有効である

・ 事業者の施設等の買換え需要を後押しでき、地域経済の活性化につながる

といった回答が得られたところであり、過疎市町村においても、本特例の政策的効果を認識した上で適用期限の延長を要望していることが明らかになったところである。

前回要望時

の達成目標

過疎地域における本特例を活用した企業立地件数(延長要望期間中(平成 29 年度から平成 31 年度まで)適用件数3件以上)

前回要望時

からの達成

度及び目標

に達してい

ない場合の

理 由

前回要望時(平成 29年度税制改正要望)では、平成 29年度 から平成 31年度までの間に過疎地域における本特例を活用した企業立地件数(延長要望期間中(平成 29年度から平成 31年度まで)適用件数)を3件以上と見込んでおり、平成 29年度の実績が3件となっていることから、所期の目標は達成している。

2-5

これまでの

要 望 経 緯

昭和 45 年創設 (直近 19 年間) 平成 12 年度:過疎地域自立促進特別措置法(過疎法)施行 平成 13 年度:適用期限の5年延長 平成 18 年度:適用期限の5年延長 平成 22 年度:過疎法の延長 平成 23 年度:適用期限の3年延長 平成 24 年度:過疎法の延長 平成 26 年度:適用期限の3年延長 平成 29 年度:適用期限の3年延長

2-6

令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

(総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 データ通信課)

項 目 名 地域データセンター整備促進税制の拡充・延長

税 目 法人税

5G や IoT 時代を見据え、今後地域での通信が活発化していく中で、地域におけるデータ処理の核となるデータセンター等の整備を更に促進し、我が国のインターネットの持続可能性を向上させるとともに、地域経済の活性化を図るため、税制措置の拡充・延長等を図る。 (1)現状、排他的な適用となっている助成金事業(地域特定電気通信設備

共用事業)と選択的に適用可能とすること。 (2)対象設備について、現在、サーバーと同時に設置される場合にのみ対

象となるルーター・スイッチ等の電気通信設備について、サーバーを設置しない場合についても対象とすること。

(3)地方税の地理的要件「首都圏直下型地域緊急対策区域以外の地域」を「東京圏以外」に変更すること。

(4)国税の対象設備の目的要件「近傍からの利用」、地方税の対象設備の目的要件「首都圏直下型地域緊急対策区域のバックアップ」を求めないこと。

(5)令和元年度末までとなっている特例措置を 2 年間(令和 3 年度末まで)延長すること

平年度の減収見込額 145.3百万円

(制度自体の減収額) ( ― 百万円)

(改 正 増 減 収 額) ( ― 百万円)

3-1

⑴ 政策目的

インターネットの利用が拡大し、トラヒックが増加している中、更に IoT 時代の到来により地域において生み出されるデータの急増が見込まれているところ、情報流通の要となるデータセンターやIX※1・CDN※2 関連設備の地域への整備を促進。これにより地域経済を活性化するとともに、東京圏に集中しがちなトラヒックを分散してトラヒック流通の効率化や国土強靭化を実現する。

※1 Internet eXchange: インターネットにおけるトラフィックの交換拠点

※2 Content Delivery Network: ユーザーに効率良くコンテンツを配信するための分散型情報配信システム

⑵ 施策の必要性

インターネットトラヒックの増加・IoT の普及や官民データ活用推進基本法(平成 28 年法律第 103 号)の施行を踏まえ、今後地域で生まれるデータの急速な増大が予想される。

他方、我が国のインターネットは、その大部分のトラフィックを都市部で交換する一極集中型の構成となっており、本来的には地域内で交換可能なトラフィックも都市部を経由して通信している。このような非効率的な通信により、ネットワークインフラを圧迫していることに加え、災害時等における脆弱性の要因ともなっている。

このため、今後も増加が見込まれている地域の IoT データ及び官民データの蓄積・活用並びに東京圏に集中しがちなデータやトラヒックの分散化を図り、地域内での情報の流通を円滑化するとともに、耐災害性を向上させるため、データセンターを全国に整備することが必要である。

政 策 体 系

に お け る

政策目的の

位 置 付 け

〇成長戦略フォローアップ(令和元年 6月 21日閣議決定) Ⅰ Society5.0の実現 1.デジタル市場のルール整備 (2)新たに講ずべき具体的施策 ⅱ)データ流通の促進 ②流通・活用環境の整備 エ) ICT を活用した災害対応 トラヒックの混雑緩和と都市部での大規模災害発生時のリスク回避を図るため、電気通信事業者やコンテンツ事業者等、幅広い関係者による協議会を本年内に設立し、地域 IX や CDN 等の活用による地域分散型のネットワーク構成への移行を進める。 〇まち・ひと・しごと創生基本方針 2019(令和元年 6月 21日閣議決定) V.各分野の施策の推進 4.時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する (2)Society5.0の実現に向けた技術の活用 地域 IoT データ等の地域内での流通・活用の基盤となる地域データセンターや地域 IX・CDN 等の地域分散型ネットワークの整備を支援する。 〇世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画(令和元年 6月 14日閣議決定) 目的 1. 5G を軸とした協業促進によるインフラ再構築 (3)5G 環境等の普及、光ファイバ網の整備 (前略) 加えて、トラヒックの混雑緩和と都市部での大規模災害発生時のリスク回避を図るため、電気通信事業者やコンテンツ事業者等、幅広い関係者による協議会を本年内に設立し、地域 IX やCDN 等の活用による地域分散型のネットワーク構成への移行を進める。

3-2

○国土強靱化基本計画(平成 30年 12月 14日閣議決定)第1章 国土強靱化の基本的考え方4 特に配慮すべき事項(民間投資の促進)民間事業者への情報の徹底した提供・共有や連携(広報・普及啓発、協議会の設置等)により、国土強靱化に資する自主的な設備投資等(例えば、バックアップの施設やシステムの整備等)を促すとともに、PPP/PFI を活用したインフラ整備や老朽化対策等を進めるほか、民間の投資を一層誘発する仕組み(例えば、認証制度、規制の見直し、税制の活用等)の具体化を着実に進める。

○政策評価体系平成 29年度概算要求における政策評価体系図【総務省政策評価基本計画(平成 24年総務省訓令第 17号)】Ⅴ. 情報通信(ICT政策)2. 情報通信技術高度利活用の推進4. 情報通信技術利用環境の整備

政 策 の

達成目標

平成 30 年度末時点の「1都3県のデータセンターのサーバールーム面積」※1の「全国のデータセンターのサーバールーム面積」※2における比率(以下「指標の比率」という。)を、平成30 年度末時点で約 56.79%であるものを、令和 11(2029)年度末までの 10年間で 5割以下に下げることを目標とする。 ※1 民間調査(データセンタービジネス市場調査総覧(株式会社富士キメラ総研))における

1都3県のサーバールーム面積

※2 民間調査(データセンタービジネス市場調査総覧(株式会社富士キメラ総研))における

全国のサーバールーム面積

租税特別措

置の適用又

は延長期間

令和4年3月 31日まで (延長:2年間)

同上の期間

中 の 達 成

目 標

令和3年度末時点での指標の比率を、約 54.90%に低減する。

政策目標の

達 成 状 況 平成 30(2018)年末時点における指標の比率:56.8%

要 望 の

措 置 の

適用見込み

令和元年度は2社適用見込み 令和2年度は8社適用見込み 令和3年度は9社適用見込み

※主要5事業者団体中、3事業者団体による聞き取り結果を反映。残り2事業者団体からの聞き取り結果により、適用見込み数は増える可能性がある。

要望の措置

の効果見込

み(手段とし

ての有効性)

本措置は、地域におけるデータセンター関連設備への投資に対するインセンティブを付与することにより、地域の情報流通の円滑化を図るとともに、データセンターやトラヒックの地域分散化に寄与するものである。 現在、信用基金の運用益を活用して NICT が実施中の「地域特定電気通信設備共用事業助成金事業」と合わせ、指標の比率は着

3-3

実に減少しているころから、本措置が達成目標の実現に十分に寄与しているものと考えられる。(他方で、現状、本件税制措置の適用がないことから、運用改善等、本件要望にいたっているもの。)

当該要望項

目以外の税

制上の支援

措 置

地方税(取得後3年度分の固定資産税の課税標準の特例(軽減割合1/4))

予算上の

措置等の

要求内容

及び金額

上記の予算

上の措置等

と要望項目

と の 関 係

要望の措置

の 妥 当 性

広く全国にデータセンターを整備するには、租税特別措置により投資インセンティブを確保することが妥当である。

これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項

租税特別

措 置 の

適用実績

租特透明化

法に基づく

適 用 実 態

調 査 結 果

租税特別措

置の適用に

よ る 効 果

(手段として

の有効性)

前回要望時

の達成目標

平成 28 年度末時点の「1都3県のデータセンターのサーバー

ルーム面積」※1の「全国のデータセンターのサーバールーム面積」※2における比率(以下「指標の比率」という。)を、平成28 年度末時点で約 57.85%であるものを、平成 38(2026)年度末までの 10年間で 1%下げることを目標とする。

※1 民間調査(データセンタービジネス市場調査総覧(株式会社富士キメラ総研))にお

ける1都3県のサーバールーム面積

※2 民間調査(データセンタービジネス市場調査総覧(株式会社富士キメラ総研))にお

ける全国のサーバールーム面積 ※租税特別措置の適用期間中の達成目標:平成 31(2019)年度末時点での指標の比率を、約 57.55%に低減する。

3-4

前回要望時

からの達成

度及び目標

に達してい

ない場合の

理 由

平成 30(2018)年末時点における指標の比率:56.8%

これまでの

要 望 経 緯

平成 30年度要望にて新設

3-5

令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

(総務省自治行政局公務員部福利課)

項 目 名 退職等年金給付の積立金に対する特別法人税の撤廃又は課税停止措置の延長

税 目 法人税

退職等年金給付の積立金に対する特別法人税について、その健全な運営を確保するため、政府税制調査会において議論が行われている老後の生活等に備える資産形成に係る税制の包括的な見直しに併せて撤廃を行う。また、特別法人税の撤廃に至るまで、課税停止措置の延長を行う。

平年度の減収見込額 ― 百万円

(制度自体の減収額) ( ― 百万円)

(改 正 増 減 収 額) ( ― 百万円)

⑴ 政策目的

退職等年金給付は、地方公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上及び公務の能率的運営を図るための制度であり、これらの充実を図る。

(2) 施策の必要性

退職等年金給付に関する税制は、掛金拠出時は非課税、資産運用時は積立金に特別法人税課税(課税凍結中)、給付時は課税(公的年金等控除及び退職所得控除等の対象)となっている。

そうした中で特別法人税が課税された場合、あらかじめ備える積立金が減少し、積立状況の悪化につながり、運用結果が赤字の場合にも課税されるため、さらに財政状況の悪化を招く可能性があるなど、年金資産の運用に著しい影響がある。このため、特別法人税を撤廃し、又は撤廃に至るまで課税停止措置を延長することにより、退職等年金給付制度の健全な運営を図り、地方公務員及びその遺族の安定した老後の所得確保及び公務の能率的運営を図る必要がある。

4-1

政 策 体 系

に お け る

政策目的の

位 置 付 け

【総務省政策評価基本計画(平成 24年総務省訓令第 17号)】 Ⅱ.地方行財政 1.分権型社会にふさわしい地方行政体制整備等

政 策 の

達成目標

特別法人税を撤廃し、又は撤廃に至るまで課税停止措置を延長することにより、退職等年金給付制度の健全な運営を図り、地方公務員及びその遺族の安定した老後の所得確保及び公務の能率的運営を図る。

租税特別措

置の適用又

は延長期間

恒久措置を要望

同上の期間

中 の 達 成

目 標

特別法人税を撤廃し、又は撤廃に至るまで課税停止措置を延長することにより、退職等年金給付制度の健全な運営を図り、地方公務員及びその遺族の安定した老後の所得確保及び公務の能率的運営を図る。

政策目標の

達 成 状 況

要 望 の

措 置 の

適用見込み

退職等年金給付の加入者(約 285 万人(平成 30 年度末実績))に影響がある。 退職等年金給付の業務を行う地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会及び地方公務員共済組合連合会が特別法人税の納税義務者である。

要望の措置

の効果見込

み(手段とし

ての有効性)

退職等年金給付の積立金の確保が図られることにより、加入者等の安定した老後の所得確保及び公務の能率的運営を図ることができる。

性 当該要望項

目以外の税

制上の支援

措 置

地方税についても同様の要望を行っている。

予算上の

措置等の

要求内容

及び金額

上記の予算

上の措置等

と要望項目

と の 関 係

要望の措置

の 妥 当 性

退職等年金給付の制度の加入者等の安定した老後の所得確保及び公務の能率的運営を図ることができる。

4-2

これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項

租税特別

措 置 の

適用実績

租特透明化

法に基づく

適 用 実 態

調 査 結 果

租税特別措

置の適用に

よ る 効 果

(手段として

の有効性)

前回要望時

の達成目標

前回要望時

からの達成

度及び目標

に達してい

ない場合の

理 由

これまでの

要 望 経 緯

平成 26 年度税制改正要望において、退職等年金給付制度の創設に伴う所要の措置を要望し、平成 26 年度において特別法人税の課税停止が延長されている。 平成 29 年度税制改正要望においても、同様に延長されてい

る。

4-3

令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

(総務省)

項 目 名 特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例及び特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等(エンジェル税制)の拡充

税 目

所得税

租税特別措置法第 37条の 13

租税特例措置法第 41条の 19

租税特別措置法施行規則第 18条の 15

5-1

1.特例措置の対象(現行制度の概要)

租税特例措置法第 37条の 13、第 41 条の 19に基づき、一定の要件を満たした特定新規中小

企業者である株式会社に対して個人が出資した場合に、所得控除(以下「優遇措置 A」とい

う)またはその年の他の株式譲渡益からの控除(以下「優遇措置 B」という)のいずれかが選

択可能な制度

(1) 控除額:

①所得控除:取得に要した金額(10 百万円が限度)と総所得金額等の 40%に相当する金額の

いずれか少ない金額から 2千円を控除した額

②株式譲渡益から控除:上限なし

(2)適用期限:恒久措置

(3)適用対象:適用期限までに発行される株式を金銭の払込みにより取得した一定の個人

(4)企業要件:

①優遇措置 A

ⅰ創業(設立)3年未満の中小企業者であること

ⅱ以下の設立年数ごとの要件を満たしていること

(ⅰ) 1 年未満かつ最初の事業年度を未経過

研究者あるいは事業活動従業者が 2人以上かつ常勤の役員・従業員の 10%

(ⅱ)1年未満かつ最初の事業年度を経過

研究者あるいは新事業活動従事者が 2 人以上かつ常勤の役員・従業員の 10%以上で、前期

までの営業キャッシュフローが赤字

(ⅲ)1年以上 2年未満

以下のいずれかを満たすこと

・試験研究費等が収入金額の 3%超で直前期までの営業キャッシュフローが赤字

・新事業活動従事者が 2人以上かつ常勤の役員・従業員の 10%以上で、直前期までの営業キ

ャッシュフローが赤字

(ⅳ) 2年以上 3 年未満

以下のいずれかを満たすこと

・試験研究費等が収入金額の 3%超で直前期までの営業キャッシュフローが赤字

・売上高成長率が 25%超で営業キャッシュフローが赤字

②優遇措置 B

創業(設立)10年未満の中小企業者であること(所得控除と同様に設立年数ごとの要件あり)

③①、②共通の要件

ⅰ外部からの投資を 1/6以上取り入れていること

ⅱ大規模法人及び当該大規模法人と特殊な関係にある法人の所有に属さないこと

ⅲ未登録・未上場の株式会社で風俗営業等に該当する事業を行う会社でないこと

(5)個人投資家要件:

①金銭の払い込みにより対象となる企業の株式を取得していること。

②対象企業が同族会社である場合には、所有割合が大きいものから第 3位までの株主の所有

割合を順に加算し、その割合がはじめて 50%超になる時における株主に属していないこ

と。

(6)その他:

経済産業大臣より認定された投資事業有限責任組合契約に従って取得した株式については、

優遇措置 Bを適用する企業の企業要件緩和と当該認定組合が企業要件を確認し要件合致を証

する確認書発行が可能とされている。

2.特例措置の内容(拡充要件の概要)

現行制度下でのベンチャー企業へのリスクマネー供給不足が指摘されていること、現行制度開始から 11 年が経過し環境変化への対応が必要であることから、①近年のネットワークビジネス隆盛による投資家層や出資形態の変化への対応、②投資家層変化にともなう投資先ベンチャー企業層変化への対応、③ベンチャー企業の就業形態変化への対応等により、時代の変化に対応した制度の見直しを図り、リスクマネーを円滑に供給する。

別紙 【適用見込み件数・金額】のとおり 1.令和2年度の投資額見込み(拡充

平年度の減収見込額 ▲615 百万円

(制度自体の減収額) ( - 百万円)

5-2

後)-平成 30 度投資額実績見込み(拡充前) =73.38億円-42.61億円 =30.77億円

2.国税庁が発表している国民の平均年間所得額 5,670 千円に基づく所得税率20%にて制度自体の減収額を試算30.77億円×20%=6.15億円

(改 正 増 減 収 額) ( - 百万円)

1.政策目的 日本の開業率が諸外国と比較し低水準であり開業率の引上げが急務である中、低

金利下で眠っている個人の現預金を、今後の成長が見込めるベンチャー企業への投

資に結びつけ、民間同士の資金循環を促進することで、資金需要旺盛なベンチャー

企業の成長を支援する。

2.施策の必要性

現行制度下でのベンチャー企業へのリスクマネー供給不足が指摘されていること、現行制度開始から 11 年が経過し環境変化への対応が必要であることから、①近年のネットワークビジネス隆盛による投資家層や出資形態の変化への対応、②投資家層変化にともなう投資先ベンチャー企業層変化への対応、③ベンチャー企業の就業形態変化への対応等により、時代の変化に対応した制度の見直しを図り、リスクマネーを円滑に供給する。

政 策 体 系

に お け る

政策目的の

位 置 付 け

Ⅴ.情報通信(ICT政策) 2.情報通信技術高度利活用の推進

政 策 の

達成目標

開業率が廃業率を上回る状態にし、開業率が米国・英国レベル(10%台)になることを目指す。

『未来投資戦略 2018』(平成 30年 6月 15日) 3.中小企業・小規模事業者の生産性革命の更なる強化 (略)開業率が廃業率を上回る状態にし、開業率・廃業率が米国・英国レベル(10%台)になることを目指す(略)

※なお、本目標は、本特例措置以外の予算措置、金融措置、税制措置等と一体となって達成するものである。

5-3

租税特別措

置の適用又

は延長期間

恒久措置

同上の期間

中 の 達 成

目 標

政策の達成目標と同じ

政策目標の

達 成 状 況

開業率:5.6% 廃業率:3.5% (平成 29年)

要 望 の

措 置 の

適用見込み

令和2年度利用者見込み:3,049人 令和2年度投資額:73.38億円

要望の措置

の効果見込

み(手段とし

ての有効性)

低金利下で運用難の個人と資金調達に課題を抱えるベンチャー企業という民間同士での資金の融通により開業率の改善やベンチャー企業の成長促進をはかることは有効である。

当該要望項

目以外の税

制上の支援

措 置

産業競争力強化法に基づく創業支援等事業計画の認定自治体における登録免許税の軽減措置

予算上の

措置等の

要求内容

及び金額

令和元年度当初予算 地域創業機運醸成事業【3.8億円】

上記の予算

上の措置等

と要望項目

と の 関 係

上記の予算は事業者の創業時に要する人件費、設備費、店舗等借入費、マーケティング調査費等を支援する事業(平成 30 年度まで)及び創業支援を行う者への講師謝金・旅費、会場費等を支援する事業であり、本措置と上記施策を一体的に支援することにより、創業を促進し、ビジネスの持続性の向上を図る。

要望の措置

の 妥 当 性

低金利下で運用難の個人と資金調達に課題を抱えるベンチャー企業という 2 者間での資金循環による地方の開業率引上げを目的としており、その性質上予算措置ではなく、租税特別措置によって実施することは妥当である。

これまでの租税特別措置の適用実

績と効果に関連する事項

租税特別

措 置 の

適用実績

1.投資額(単位:億円)平成 28年度 平成 29年度 平成 30年度

租 41の 19 26.84 33.93 36.93 租 37の 13 14.63 11.54 5.68 合計 41.47 45.47 42.61

2.利用者数(単位:人)平成 28年度 平成 29年度 平成 30年度

租 41の 19 416 1,022 1,689 租 37の 13 123 95 316 合計 539 1,117 2,005

3.利用企業数(単位:社)平成 28年度 平成 29年度 平成 30年度

租 41の 19 95 121 137 租 37の 13 27 38 34 合計 122 159 171

5-4

租特透明化

法に基づく

適 用 実 態

調 査 結 果

租税特別措

置の適用に

よ る 効 果

(手段として

の有効性)

利用者数、適用企業数ともに増加傾向であり、ベンチャー投資促進に寄与している。

前回要望時

の達成目標 -

前回要望時

からの達成

度及び目標

に達してい

ない場合の

理 由

開業率は、平成 25 年:4.8%~平成 29 年 5.6%であるなど、増加傾向にあるものの、微増にとどまっている。

これまでの

要 望 経 緯

平成 9 年度 創設 平成 12 年度 拡充(売却益圧縮の特例、対象要件の拡充) 平成 14 年度 拡充(投資事業組合経由にも適用) 平成 15 年度 拡充(取得費控除制度の創設、対象要件の拡充) 平成 16 年度 拡充(ファンド認定制度導入、売却益圧縮特例の拡充) 平成 17 年度 延長(売却益圧縮特例の延長) 平成 19 年度 延長、拡充(売却益圧縮特例の延長、要件及び手続の拡充) 平成 20 年度 拡充、縮減(所得控除制度創設、売却益圧縮特例の廃止)

担 当 部 局 (課)及び 担 当 者

総務省情報流通行政局情報流通振興課 担当課長 吉田正彦(内線 24146) 代表☎5253-5111 担当補佐 難波雅善(内線 24139) 直通☎5253-5748 担当者 榊原宗宏、松本剛(内線 24019) FAX 5253-6041

5-5

令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

(総務省)

制 度 名 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の延長

税 目 所得税・法人税

優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得に係る課税の特例措置(所得税:2,000万円以下の部分について、税率を軽減(本則15%、特例10%)、法人税:法人重課の適用除外)の適用期限を3年間(令和4年12月31日まで)延長する。

<関係条文: 租税特別措置法第31条の2、第62条の3、第68条の68 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律 第13条第5項、第19条第5項 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律 第11条の5第5項、第18条の9第5項>

平年度の減収見込額 ― 百万円

(制度自体の減収額) ( ― 百万円)

(改 正 増 減 収 額) ( ― 百万円)

⑴ 政策目的

暮らしやすい居住環境・良質な住宅ストックの形成の促進 等

⑵ 施策の必要性

職住近接や生活の利便性を重視した都心居住が進行するとともに、広い敷地等を備えた優良な住環境に対するニーズは根強い。こうしたニーズに対応して、良好な環境を備えた住宅・宅地整備を促進することが引き続き求められており、新たな「住生活基本計画(平成 28年 3月閣議決定)」においても、「福祉拠点の形成や街なか居住を進め、(略)どの世代も安心して暮らすことができる居住環境・住宅地の魅力の維持・向上」を図ることが基本的な施策として掲げられているところ。

しかし、このような公共施設等の基盤整備を伴う良好な環境を備えた住宅・宅地開発は事業期間が長く、規模も大きいため、事業のコスト・リスク等が高くなっており、市場原理に任せただけでは十分に供給が進まない。

このため、税制上の特例措置を講じ、土地開発公社の用地取得を円滑化することにより、事業に要する期間の短期化、事業のコストやリスクの軽減を通じて上記事業を促進し、良好な環境を備えた住宅・宅地整備の促進を図る必要がある。

また、公共用地の確保等の施策についても、事業の迅速化の観点から一層の円滑化を図る等の必要がある。

6-1

政 策 体 系

に お け る

政策目的の

位 置 付 け

(総務省政策評価基本計画(平成 29年総務省訓令第110号)) イ.地方行財政②.地域振興(地域力創造)

政 策 の

達成目標

最低居住面積水準未満率 4.2%(平成25年度)→早期に解消

子育て世帯における誘導居住面積水準達成率 全国 :42%(平成25年)→50%(平成37年) 大都市圏:37%(平成25年)→50%(平成37年)

租税特別措

置の適用又

は延長期間

3年間

同上の期間

中 の 達 成

目 標

最低居住面積水準未満率 4.2%(平成25年度)→早期に解消

子育て世帯における誘導居住面積水準達成率 全国 :42%(平成25年)→50%(平成37年) 大都市圏:37%(平成25年)→50%(平成37年)

政策目標の

達 成 状 況

平成25年度における最低居住面積水準未満率は4.2%、子育て世帯における誘導居住面積水準達成率は全国で42% (大都市圏で37%)となっている。

要 望 の

措 置 の

適用見込み

<地権者数> ※国土交通省による制度全体の推計値 個人 4,049人

要望の措置

の効果見込

み(手段とし

ての有効性)

優良な住宅地の供給を促進し、国民の居住水準の向上等を図るためには、土地所有者が優良な住宅地を造成しようとする事業者等に土地を譲渡するインセンティブを与えるとともに、事業者の仕入れコストを軽減することによって、最終購入価格を引き下げることが効果的である。そのため、本特例の要件を満たす土地の譲渡について、税負担を軽減することが有効である。

当該要望項

目以外の税

制上の支援

措 置

・ 特定住宅地造成事業に係る土地等の譲渡所得に係る1500万円特別控除(所得税、法人税、個人住民税、法人住民税、事業税)

予算上の

措置等の

要求内容

及び金額

上記の予算

上の措置等

と要望項目

と の 関 係

6-2

要望の措置

の 妥 当 性

本特例制度は、優良な宅地開発等の種地の供給者に直接的に軽減措置を講ずることによって、その供給促進を図るものであることから、他の手段で代替することが困難なものであり、本措置は的確かつ必要最低限の措置である。

これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項

租税特別

措 置 の

適用実績

<減収額> ※国土交通省による制度全体の実績、以下同じ。 (所得税) 平成28年 2,801百万円 平成29年 3,154百万円 平成30年 2,926百万円 (前回要望時の減収見込:平年度3,046百万円)

(法人税) 0 (前回要望時の減収見込:0) (法人の土地譲渡益に対して、通常の法人税のほか、追加課税として特別税率が課される重課制度が停止中のため。)

<地権者数> (個人) ※推計値 平成28年 3,658人 平成29年 4,193人 平成30年 4,027人

租特透明化

法に基づく

適 用 実 態

調 査 結 果

租税特別措

置の適用に

よ る 効 果

(手段として

の有効性)

本措置によって、良好な環境を備えた住宅地等の開発事業が約680ha(P)(平成28年~平成30年)進められており、居住環境の改善等に相応の効果を上げている。

前回要望時

の達成目標

都市機能更新率 40.8%(平成26年度)→44.0%(平成30年度)

前回要望時

からの達成

度及び目標

に達してい

ない場合の

理 由

平成30年度における都市機能更新率は42.5%となって

おり、土地の有効利用の促進に相応の効果を上げている。 等

これまでの

要 望 経 緯

昭和54年度 創設 昭和60年度 延長 昭和62年度 延長 平成 2年度 拡充・延長 平成 3年度 拡充・延長 平成 8年度 拡充・延長 平成13年度 延長 平成16年度 拡充・延長 平成21年度 縮減・延長 平成26年度 拡充・延長 平成29年度 延長

6-3

令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

(総務省 情報流通行政局 情報流通振興課)

項 目 名 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置の延長

税 目

所得税 (租税特別措置法第 28条の2、租税特別措置法施行令第 18条の5) 法人税 (租税特別措置法第 67 条の5、第 68 条の 102 の2、租税特別措置法施行令第 39条の 28、第 39条の 124)

【要望事項】 適用期限を2年延長する。

【制度概要】 従業員 1,000 人以下の中小企業者等が取得価額 30 万円未満の減価償却資産を取得した場合、当該減価償却資産の年間の取得価額の合計額 300 万円を限度に、全額損金算入できる制度。

平年度の減収見込額 - 百万円

(制度自体の減収額) (▲32,000 百万円)

(改 正 増 減 収 額) ( - 百万円)

7-1

⑴ 政策目的

中小企業は我が国雇用の7割を支える重要な存在である。中小企業は深刻な人手不足や不透明な経済情勢・海外情勢に直面しており、本年 10 月には消費税率の再引上げ及び軽減税率の導入が予定されている中にあって、中小企業の事務負担の軽減を図るとともに、事務効率の向上等に資する設備投資を促進させることで、中小企業の活力向上を図る。

⑵ 施策の必要性

中小企業は人員確保が困難な中でバックオフィスに十分な人員を割けないことが多く、また、一定のスキルが必要な経理人材を十分に確保することは困難であることから、本税制措置により減価償却資産の管理等に係る経理事務の負担軽減を図ることは不可欠である。

中小企業庁が行ったアンケート調査によれば、本税制措置を利用した中小企業のうち、45.7%がパソコンを取得している。また、情報機器や情報処理ソフトウェア等の関連設備も含めれば、本措置を利用した中小企業の約5割が、直接・間接部門における事業効率向上につながる設備を導入している。

そのため、本税制措置により、減価償却資産の管理や納税等に係る事務負担の軽減や事務処理能力の向上に資する少額資産の取得を促進することによる事業効率の向上を図ることが必要不可欠である。

<参考1>中小企業における経理人数

平成20年:約2.7人

平成30年:約2.2人(▲0.5人)

(出典)「会計処理・財務情報開示に関する中小企業経営者の意識アンケート調査」、「中小企業アンケート調査」(中小企業庁)より算出。

<参考2>中小企業の従業員数過不足 DIの推移(平成 31年4~6月期)

(出典)中小企業景況調査

政 策 体 系

に お け る

政策目的の

位 置 付 け

Ⅴ.情報通信(ICT政策) 2.情報通信技術高度利活用の推進

7-2

政 策 の

達成目標

本税制措置が中小企業の事務負担に配慮して創設された経緯

を踏まえ、中小企業全体の事務処理能力・事業効率の向上に係る指標として、間接部門にかかる費用の増減を計測する観点から売上高に対する販売費及び一般管理費の比率をメルクマールとする。また、中小企業における当該比率が 27%程度、それ以外の企業における当該比率が 16%程度であることを踏まえ、中小企業における当該比率が 20%以下の水準に到達することを目指す。

租税特別措

置の適用又

は延長期間

2年(令和4年 3月 31日まで)

同上の期間

中 の 達 成

目 標

売上高に対する販売費及び一般管理費の比率が 20%以下の水

準に到達することを目指す。

政策目標の

達 成 状 況

・売上高に対する販売費及び一般管理費比率(資本金1億円未満の企業) 平成 24年度 26.5% 平成 25年度 26.1% 平成 26年度 26.2% 平成 27年度 26.9% 平成 28年度 27.4% 平成 29年度 26.5% (参考)資本金1億円以上の企業における当該比率の状況 平成 24年度 15.9% 平成 25年度 15.4% 平成 26年度 15.5% 平成 27年度 16.3% 平成 28年度 16.4% 平成 29年度 16.0% (出典)「法人企業統計調査(年次別)」財務省

性 要 望 の

措 置 の

適用見込み

令和2年度 法人:599,840社、個人:69,530者

令和3年度 法人:624,591社、個人:72,399者

要望の措置

の効果見込

み(手段とし

ての有効性)

本税制措置により、中小企業における減価償却資産の管理・

納税等に係る事務負担の軽減や、事務の効率化に資する情報通信関連の機器が多く導入されることによる事業効率の向上等が図られている。

当該要望項

目以外の税

制上の支援

措 置

予算上の

措置等の

要求内容

及び金額

7-3

上記の予算

上の措置等

と要望項目

と の 関 係

要望の措置

の 妥 当 性

中小企業は従業員数が少ないことが多く、また、一定のスキルが必要な経理人材を十分に確保することが困難であることを踏まえれば、取得価額 30 万円未満の少額減価償却資産の全額損金算入を認めることにより、減価償却資産の管理・納税等に係る事務負担の軽減やパソコン等の取得促進による事務処理能力・事業効率の向上等の効果が得られることから、措置として妥当である。 また、「中小企業税制に関するアンケート調査」(中小企業庁)を利用した回帰分析の結果、少額特例利用額が 1%増加すると、労働生産性が 0.23%増加することが分かる。 LN(労働生産性(売上高/従業員数)=2.92+0.38LN(資本ストック/従業員数)+0,23LN(少額特例利用額/従業員数) (備考)補正 R2=0.42

これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項

租税特別

措 置 の

適用実績

○少額減価償却資産の特例の利用業種(平成 29年度)

業種 農林 水産業 鉱業 建設業 製造業 卸売業

割合 (%) 2.2% 0.1% 17.7% 13.3% 6.8%

業種 小売業 料理飲食 旅館業

金融 保険業 不動産業

割合 (%) 9.5% 5.1% 1.1% 8.7%

業種 運輸通信公益事業 サービス業 その他

割合 (%) 2.9% 30.5% 2.0%

租特透明化

法に基づく

適 用 実 態

調 査 結 果

①租税特別措置法の条項:第 67条の 5、第 68条の 102の 2 ②適用件数 :531,317件 ③適用額 :3,021億円

租税特別措

置の適用に

よ る 効 果

(手段として

の有効性)

本税制措置は、取得価額 30 万円未満の少額減価償却資産の全額損金算入を認めることによる減価償却資産の管理・納税等に係る事務負担の軽減や事務処理能力・事業効率の向上を図ることを目的としているところ、本税制措置創設以降、「中小企業税制に関するアンケート調査」(中小企業庁)によると月に約3時間の事務負担の軽減につながっていると回答。

前回要望時

の達成目標

中小企業全体の事務処理能力・事業効率の向上が図られたと

判断される指標として、特に経理人員が少ない小規模企業(従業員数 20 人未満の企業での経理人員は 1.1 人と、中小企業全体平均を下回ることから従業員数 20 人未満の企業を小規模企業とする。)をメルクマールとする。 個人事業主に関しては、従業員数 20 名未満の個人事業主にお

けるパソコン利用割合5割への到達を目指す。 また、法人に関しては、中小企業庁のアンケート調査での従

7-4

業員数 20 名未満の法人におけるパソコン利用割合が、20 名以上の法人の水準である9割への到達を目指す。

前回要望時

からの達成

度及び目標

に達してい

ない場合の

理 由

中小企業におけるパソコン利用状況は、本税制措置創設時と

比べて一定の改善が見られることから、事務処理の効率化に一定程度寄与していると考えられる。しかし、中小企業は深刻な人手不足や消費税率の引上げ等に直面しており、設備投資が十分に行われていない状況にあることから、目標達成には至っていない。 <従業員 20名未満の企業におけるパソコン利用状況> ・個人事業主 平成 30年:35.0% ・法人 令和元年:94.5% (出典) 個人事業主:「個人企業経済調査」(総務省) 法 人:「中小企業アンケート調査」(中小企業庁)

これまでの

要 望 経 緯

平成 15年度 創設 平成 18年度 損金算入額の上限を年間 300万円とした上で2年

間の延長(平成 20年3月末まで) 平成 20年度 2年間の延長(平成 22年3月末まで) 平成 22年度 2年間の延長(平成 24年3月末まで) 平成 24年度 2年間の延長(平成 26年3月末まで) 平成 26年度 2年間の延長(平成 28年3月末まで) 平成 28年度 適用対象を従業員 1,000人以下の事業者に限定し

た上で2年間の延長(平成 30年3月末まで) 平成 30年度 2年間の延長(令和2年3月末まで)

7-5

令和2年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

(総務省 情報流通行政局 情報流通振興課)

項 目 名 産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置の延長

税 目 登録免許税(租税特別措置法第80条第1項)

産業競争力強化法に基づく登録免許税の特例措置を令和4年3月 31 日まで延長する。

第四次産業革命と呼ばれるIT分野における急速な技術革新の進展に伴い、これまでの産業構造や国際的な競争条件が著しく変化する中で、我が国産業の生産性の向上を短期間に実現するための措置が早急にとられなければ、我が国産業の国際競争力が大きく低下する虞あり。グローバル競争の中で我が国産業が勝ち抜くためには、こうした技術革新の果実を取り入れ、世界に先駆けて新たな付加価値を生み出すことで、生産性を飛躍的に向上させる必要ある。かかる状況をふまえ、経営者の事業再編に関する「決断」を促すため、以下の措置を要望。

産業競争力強化法に基づく計画の認定を受けた事業者が、認定計画に従って行う合併、会社の分割、事業若しくは事業に必要な資産の譲受け又は譲渡、出資の受入れ、会社の設立等における登録免許税率を以下の表のとおり軽減する。

租税特別措置法

第80条第1項 措置の内容 通常の税率

強化法

の特例 軽減率

1 号 会社の設立、資本金の増加 0.7% 0.35% 0.35%

2 号 合併 0.15% 0.1% 0.05%

(括弧書きの部分) (資本金が増加する場合の合併) 0.7% 0.35% 0.35%

3 号 分割 0.7% 0.5% 0.2%

4 号(売買) 不動産の所有権の取得

土地 2.0% 1.6% 0.4%

建物 2.0% 1.6% 0.4%

船舶の所有権の取得 2.8% 2.3% 0.5%

5 号 合併時 不動産 0.4% 0.2% 0.2%

船舶 0.4% 0.3% 0.1%

6 号 分割時 不動産 2.0% 0.4% 1.6%

船舶 2.8% 2.3% 0.5%

平年度の減収見込額 - 百万円

(制度自体の減収額) (▲1,000 百万円)

(改 正 増 減 収 額) ( - 百万円)

8-1

⑶ 政策目的

戦略的・抜本的な組織再編・事業再編を強力に推進することにより、国内の過剰供給・過当競争構造を解消し、新陳代謝を通じた我が国産業の競争力強化を図る。

⑷ 施策の必要性

本措置は、認定事業者が経営資源の有効活用を図るための組織再編・事業再編を行うとともに、新商品開発や経営効率化などの新たな取組を行う場合に限り、当該再編時に課税される登録免許税を軽減するものである。

政 策 体 系

に お け る

政策目的の

位 置 付 け

Ⅴ.情報通信(ICT政策) 2.情報通信技術高度利活用の推進

政 策 の

達成目標 法律の認定計画に基づく政策支援を通じて、企業の事業再編による経営資源の有効活用により、企業の生産性の向上を図る。

租税特別措

置の適用又

は延長期間

令和2年4月1日~令和4年3月31日

同上の期間

中 の 達 成

目 標

令和3年度に、企業の生産性を平成 30 年度より2%以上向上させる。 ○ROA(総資産経常利益率):令和2年度値+2%

政策目標の

達 成 状 況

○ROA(総資産経常利益率)の実績平成 27年度 4.3%→平成 29年度 4.9%(財務省:法人企業統計)

効性

要 望 の

措 置 の

適用見込み

令和2年度~令和3年度 毎年 18件程度

8-2

要望の措置

の効果見込

み(手段とし

ての有効性)

産業競争力強化法の認定を受けた計画のうち、全ての計画が登録免許税率の軽減措置を活用しており、当該軽減措置が活用出来ない場合は、組織再編や事業再編を通じた経営資源の効率的活用を図る産業競争力強化法の政策目的を阻害することになっていた。 また、我が国経済の成長軌道を確かなものとするためには、急激な経済社会情勢の変化に的確に対応して、引き続き、我が国産業の国際競争力を強化し、その持続的な発展を図ることが重要。このため、業種を超えた事業再編、情報の適切な管理及び新事業の創出によるイノベーションの促進、事業再生の円滑化、事業承継の加速化、経営基盤強化のための中小企業支援機関の支援能力確保、IT導入の加速化のための支援体制及びIT化に対応したセーフティーネットの整備等のために本施策は不可欠である。

当該要望項

目以外の税

制上の支援

措 置

自社株式を対価とした株式取得の円滑化措置、債権放棄時の資産評価時の損金算入

予算上の

措置等の

要求内容

及び金額

上記の予算

上の措置等

と要望項目

と の 関 係

要望の措置

の 妥 当 性

本措置は、生産性の向上のため、経営資源の効率的な運用を目指した戦略的な組織再編・事業再編に加えて、新たな商品開発や生産工程の導入などの新たな取組を行うものについて、その他一定の基準を満たす計画を主務大臣が認定した場合に限り、講ずることとする。 本措置により、上記のような事業構造の変更や新たな取組等に要する費用を軽減し、また、組織再編税制を活用しやすくし、組織再編・事業再編を支援していくことは、我が国産業の競争力強化のための特例措置として妥当である。

これまでの租税

特別措置の適用

実績と効果に関

連する事項

租税特別

措 置 の

適用実績

【登録免許税の軽減措置を利用した計画の認定件数】 (単位:件)

25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 件数 5 14 14 9 16 8

【登録免許税の軽減措置を利用した企業が営む業種】

8-3

【減収額】

(単位:百万円) 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 減収額 1,192 1,978 14,419 2,135 1,005 450 ※各年度の減収額は、産業競争力強化法の認定に基づく計画の認定年度別に集計したものであるため、実際に登記された時点(登録免許税が軽減される時点)が翌年度になるケースがあり得る。

租特透明化

法に基づく

適 用 実 態

調 査 結 果

租税特別措

置の適用に

よ る 効 果

(手段として

の有効性)

登録免許税の軽減措置を講ずることにより、合併や会社分割などに係る取引コストを軽減し、事業再編を促進することは我が国産業の生産性の向上に有効な手段である。 産業競争力強化法では全計画で登録免許税の軽減措置を活用(全省庁ベース)しており、産業競争力強化法に基づいて認定した計画で、平成 30 年度までに終了した計画(全 19 計画)のうち、13 計画(経済産業省案件ベース)で生産性向上の基準を達成している。

前回要望時

の達成目標

平成 31年度に、企業の生産性を平成 28年度より 2%以上向上させる。 ○ROA(総資産経常利益率):平成 28年度値+2%

前回要望時

からの達成

度及び目標

に達してい

ない場合の

理 由

産業競争力強化法では全計画で登録免許税の軽減措置を活用(全省庁ベース)しており、産業競争力強化法に基づいて認定した計画で、平成 30 年度までに終了した計画(全 19 計画)のうち、13 計画(経済産業省案件ベース)で生産性向上の基準を達成している。また、残りの6計画については市場環境の悪化、原材料費の高騰などの外部要因によるものであり、外部環境の変化によるやむを得ない計画を除けば目標を達成してい

8-4

る。

これまでの

要 望 経 緯

登録免許税率の軽減措置 平成 25年度創設(平成 26年 1月~) 平成 28年度 2年間延長 平成 30年度 2年間延長 (同様の措置を講じていた産活法における要望経緯) 平成 11年度 創設 平成 12年度 税率引き下げ 平成 13年度 2年間延長 平成 15年度 5年間延長(但し平成 18年以後、一部縮減) 平成 19年度 措置拡充(対象計画追加) 平成 20年度 2年間延長 平成 21年度 1年間延長(会社分割に係る不動産移転登記

に係る登録免許税のみ) 平成 22年度 1年間延長 平成 23年度 一部縮減(産活法改正により適用対象が一部

変更されたことによる) 平成 24年度 1年間延長

8-5