「生ゴミからプラスチックの生産」...

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「生ゴミからプラスチックの生産」 ‐都市の肝臓‐ 響灘エコタウン 実証試験施設内部 文部科学省「生活者ニーズ対応研究」生ゴミ生分解性プラスチック化仮設実証試験施設

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Page 1: 「生ゴミからプラスチックの生産」 ‐都市の肝臓‐shirai/plastic.pdf生ゴミ糖化液からポリ乳酸の生産フロー図 生ゴミ糖化液 100 kg 蒸留 固液分離

「生ゴミからプラスチックの生産」‐都市の肝臓‐

響灘エコタウン

実証試験施設内部

文部科学省「生活者ニーズ対応研究」生ゴミ生分解性プラスチック化仮設実証試験施設

Page 2: 「生ゴミからプラスチックの生産」 ‐都市の肝臓‐shirai/plastic.pdf生ゴミ糖化液からポリ乳酸の生産フロー図 生ゴミ糖化液 100 kg 蒸留 固液分離

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0

50

100

150

200

都市ゴミ組成と資源化

紙 類

349 g/(人 日)

生ゴミ

251 g/(人 日)

容器プラスチック

74 g/(人 日)

他可燃物

54 g/(人 日)

容器瓶

53 g/(人 日)

スチール缶

26 g/(人 日)

アルミ缶

5 g/(人 日)

ペットボトル

4 g/(人 日)

粗大物

67 g/(人 日) 他不燃物

7 g/(人 日)

自治体が処理をする都市ゴミの排出

890 g/(人 日)

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都市ゴミ処理における生ゴミの問題点

1.都市ゴミの30~40%が生ゴミ2.生ゴミの80%が水分

→ 取り扱いが難しい3.腐敗しやすく臭う

→ 週に2回の収集が必要4.都市での需要と価格(ただ~30円/kg)

では飼肥料への資源化は困難

しかし

生ゴミは栄養豊富で安全な資源!

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生ゴミの糖化肥料へ

50 kg100 kg 生ゴミ

300 g 水グルコアミラーゼ

生ゴミの糖化

肥料

固液分離残渣

150 kg

50 kg

糖化液

100 kg

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生ゴミ糖化液からポリ乳酸の生産フロー図

100 kg生ゴミ糖化液

蒸留

固液分離

濃縮

エステル化

加水分解

95 kg

30 kg

ブタノ-ル

乳酸発酵15 Mcal

65 kg5 kg 残渣 水

(飼料添加物)

アンモニア19 Mcal

3 kg 残渣

(リン資源) ゴミ焼却排熱

10 Mcal

8 Mcal

8 kg 90% 乳酸10 Mcal

重合ラクチド ポリ乳酸 5 kg

10 Mcal 72Mcal/5=14.4Mcal/kgPL

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0 50 100 150 200 250

乳酸生産量[g]

九州女子大寮

北九州ハイツ(結婚式場)

セブンイレブン   廃棄弁当

八幡病院

テクノポップ(レストラン)

九工大戸畑食堂

九工大戸畑食堂

Woman college cafeteria

Hotel

Convenience Store

Hospital

Restaurant

KIT cafeteria (1)

KIT cafeteria (2)

produced lactic acid [ g ]

Lactic acid production from 1 kg of kitchen refuses wasted finstitutes

女子大学食ホテル

コンビ二レストラン

九工大学食(1)九工大学食(2)

乳酸生産量 [g] 1kgの生ゴミからの乳酸の生産量

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2001年北九州博覧祭会場の生ゴミから

つくられたポリ乳酸ペレット

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○○市清掃局

○○市清掃局

生ゴミ100t/日 (34000t/年)

ポリ乳酸1700t/年生ゴミポリ乳酸工場

必要なエネルギー熱換算:28220Gcal

燃えるゴミ600t/日 (204000t/年)

加熱蒸気

40万t/年(408000Gcal/年)  ゴミ発熱量2000Mcal/tとして

ポリ乳酸製造に必要なエネルギー28220/408000=0.07→ゴミ熱の7%

ゴミ焼却熱の利用に関する考察

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表1.北九州市における食品リサイクル法が適用される業種の廃棄物量

第1種大型店舗   28 437.5 12.3 15.6 10.4 1.5 1.3第2種大型店舗 124 290.0 36.0 13.1 31.3 2.2 1.8コンビニ 299 17.6 5.3 8.2 4.9 1.6 1.1ホテル(100室超) 29 160.0 4.6 1.8 4.5 0.5 0.4 病院(100床超) 64 143.5 9.2 0 9.2 1.1 0.8大規模ビル 10 542.7 5.4 12.5 4.7 0.5 0.5(デパート等) 合   計 72.8 65.0 7.4 5.9

事業所数

1ヶ所排出量[kg/日]

総排出量[t/日]

夾雑物 [%]

生ゴミ排出量 [t/日]

全糖量 [t/日]

グルコース量 [t/日]

コスト

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北九州市各区ゴミステーションに排出された生ゴミ組成分析結果

回収日 回収区組  成

穀物類 蛋白質 野 菜 果 物水 分 全 糖 葡萄糖

1/21 門司 17.6% 10.5% 55.5% 16.4% 76.2% 8.9%11.5%

1/21 小倉南 21.5% 9.1% 32.7% 36.7% 75.3% 13.1% 7.8%

1/21 若松 10.0% 13.7% 76.3% 0 72.7% 9.3% 6.4%

1/22 戸畑 15.8% 8.4% 42.5% 33.3% 75.9% 10.8% 10.4%

1/22 八幡東 12.4% 5.1% 37.9% 44.6% 76.5% 12.0% 7.6%

1/24 門司 24.0% 12.6% 23.1% 40.3% 76.5% 14.8% 7.1%

1/24 小倉南 20.4% 28.0% 30.6% 21.0% 80.5% 10.8% 5.5%

1/24 若松 11.1% 11.0% 57.2% 20.7% 73.8% 13.9% 8.6%

1/25 戸畑 11.0% 11.0% 57.4% 20.5% 75.2% 13.9% 7.7%

1/25 八幡東 13.0% 6.4% 47.2% 33.4% 72.4% 19.1% 11.7%

平 均 15.7% 11.6% 46.0% 25.1% 75.5% 12.9% 8.2%

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0

100

200

300

400

500

設備費人件費消耗品費エネルギー費

その他管理費生ゴミ処理費(A)生ゴミ処理費(B)生ゴミ処理費(C)

ポリ乳酸生産

ゴミ処

理費

ゴミ処

理費

トン5千

トン1万円

ゴミ処

理費

トン1万

5千

生ゴミポリ乳酸の生産コストに関する考察

試算条件 

生ゴミ量 100トン/日設備の耐用20年 

ポリ乳酸化設備 80億円(含土地)   10000m 2(10億円)人件費 24人×700万円エネルギー費ポリ乳酸1kgあたり30ト蒸気必要ゴミ焼き蒸気 1500円/トン管理費 15%生ゴミあたりポリ乳酸収率       5%

食品ゴミ量

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0 100 200 300 400 500

コスト評価

設備費人件費消耗品費

エネルギー費その他管理費

 生産コスト(年産2千トン)

 生産コスト(年産3万トン)

生産コスト [円/kg-PL]

生ゴミポリ乳酸生産コストに及ぼす生産規模の影響

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乳酸発酵残渣の肥料効果

物質収支へ

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バイオマス資源化構想

バイオマスの問題点バイオマス ものつくり◎広く、薄く 集中、大規模

低品質で高価 高品質で廉価

製品

生ゴミ 糖液と肥料はローカルに

大規模ポリ乳酸工場へ海上輸送

ポリ乳酸の大量生産

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今後の展開

開発に成功したものである。今回の事業は、その技術を採用・改良し、より大規模事業化に向けた取り組みを実現するものである。

事業主体・(財)北九州市産業学術推進機構

事業実施体制上記財団を事業主体とし、以下の大学、民間企業が共同で事業に参画・㈱荏原製作所 ・㈱武蔵野化学研究所・環境テクノス㈱ ・オルガノ㈱・電源開発㈱・九州工業大学(大学院生命体工学研究科 白井義人教授)・帝人㈱

-北九州エコタウン事業-食品ゴミの生分解性プラ

スチック化実証工場の建設について(平成13年12月17日北九

州市プレスリリース資料から)若松区響灘地区で展開して

いるエコタウン事業の一環として、食品系廃棄物を原料に乳酸を取り出し、生分解性プラスチックを製造する実証工場が農林水産省の補助を受けて建設されることが決定した。なお、生ゴミから生分解性プラスチックを取り出す技術については、実証研究エリアにおいて、九州工業大学を中心とする研究グループが

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生ゴミを資源にする方法の提案 生ゴミを運びやすく、使いやすく、資源に!

RESTAURANT

CHAIN

町のリサイクル工場

(乾燥)生ゴミ分別収集肥料ゴミ焼却・生ゴミ

糖化施設

糖・栄養液

大規模にポリ乳酸を製造します

プラスチックの新品

ポリ乳酸製品の廃棄物(含添加物OK)

ポリ乳酸製品マルチングフィルム

下水処理場でのメタン発酵

メタン発酵汚泥鉄触媒反応器

液体燃料

生ゴミを地域で糖液と肥料に

ポリ乳酸製品は地域で化学リサイクル

下水で運ばれた生ゴミはメタンに!メタン発酵汚泥は液体燃料に!

生ゴミは自然エネルギーなどで

乾燥→臭わず、腐らず、運びやすく

生ゴミをディスポーザで流します.下水管は資源の通路

大規模ポリ乳酸工場

糖・栄養液タンカー

ポリ乳酸は大規模につくるのが有利!しかし、生ゴミは全国から集められません.そこで、地域ごとに糖・栄養液を抽出、ゴミ焼却場の熱で濃縮、減量し、タンカーで大規模ポリ乳酸工場に!残った残渣や汚泥は肥料、メタン、液体燃料に!

ポリ乳酸のマルチングシートは土にかえる!

下水へ

生ゴミを含む下水

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CCCC C

C

C

C

C

HH H

H H

H HHH

OOO

O

HH

HH

H

N

P, Ca

汚泥

消化槽

可溶化(亜臨界)

乳酸発酵残渣

ダイオキシン除去用活性炭製造

00.40.8

1.2

1.62

0 2 4 6 8 10 12

乳酸発酵残渣

コーヒー抽出残渣市販活性炭

細孔半径: Rp [nm]

細孔

容積

分布

[cm

3 /g]

ダイオキシン除去に効果的

200150100500炭素を基準とした収率 [ mol% ]

水素残渣 メタン

水熱ガス化(Ni触媒)

メタン発酵汚泥

メタン発酵汚泥

メタン

BTX化(Si-Al触媒)

ケトン

ケトン化(水熱条件)

Fe触媒

0 20 40 60 80 100

BTX C1-C6

生成物収率 [mol%]

●各自治体の下水処理場にメタン発酵施設建設進む

2001 2030

家庭

系生

ごみ

排出

量に

占め

るリ

サイ

クル

種類

割合

時間軸2010 2020

環境

全般

の動

ごみ

処理

動向

ディス

ポー

ザー

普及

状況

下水

普及

状況

生ご

みリ

サイ

クル

動向

●本研究第Ⅰ期により生ごみ生分解プラ化技術完成

●本研究第Ⅰ期により汚泥の石油商品化につながる鉄触媒開発

●汚泥石油商品化の商業プラント建設(北海道)

●本研究第Ⅱ期により汚泥の石油商品化基盤技術完成

●域内循環型の商業プラント(1,000t/y)建設(北九州市)

●汚泥石油商品化実証試験開始(北海道)

●ポリ乳酸の回収・ケミカルリサイクル事業開始

●革新的メタン発酵技術の開発

●革新的メタン発酵技術の開発

●生ごみ含む有機性廃棄物の生分解プラ化プラント(3万t/y)建設(首都圏)

●各自治体の焼却施設更新に合わせて糖化施設併設進む

●本格的な汚泥石油商品化プラント建設

●各自治体の下水処理施設からの汚泥集約化進む

飼肥料化等

下水汚泥の石油商品化

生分解性プラスチック化

メタン発酵

生分解

プラ

メタン発酵

汚泥石油製品化

「都市ゴミの高付加価値資源化による生活排水・廃棄物処理システムの構築」の研究体制

(1)有用成分を保持できる生ゴミの分別・回収システムの開発と高機能製品への変換

(2)汚泥を含む有機廃棄物の石油製品化

(3)新都市環境システムの設計・導入に関する課題と実現へのシナリオ

生活者フォーラム

大分大学

九州大学

東陶機器㈱

九州工業大学生ゴミの新たな搬送法

既存ディスポーザの活用

生ゴミポリ乳酸の利用

高機能肥飼料化

反応条件

試料提供

試料提供

データ交換ポリ乳酸の提供

京都大学

中央大学 産業技術総合研究所

北九州市環境科学研究所

鉄触媒による石油製品化

廃棄物の可溶化 可溶化装置の開発

エネルギーの供給

情報提供

ノウハウの提供試料提供 試料提供データ交換 データ交換

データ交換 データ交換データ交換

反応条件

名古屋大学 ㈱エックス都市研究所

(財)北九州産業学術推進機構

実現シナリオ 従来技術と比較

エネルギー評価

データ交換

データ交換 データ交換

新都市環境システムの提案

生活者からの要望、評価

生活者の各界代表による新都市環境システムの評価フォーラム

情報提供スペック要求情報提供

スペック要求

試料提供

試料提供

廃棄物残渣の資源化

北海道大学データ交換

ホテル 生ゴミ

デンプン分解 酵素の添加

6時間でご飯や麺類のデンプンが糖に分解、野菜・肉スープに

分解しなかった野菜や肉は網で簡単に分離

糖・栄養液

圧 搾

生ゴミ中の8~9割の油・塩分が含まれます

響灘生ゴミプラスチック工場

糖・栄養液をポリ乳酸へ

ここまで減量

肥料へ減塩・減油の肥料材料

北九州博覧祭2001の生ゴミからつくったポリ乳酸

OO

OO

OO

O O O

O O

O

O

O

O

汎用プラスチック

回収樹脂

OO

O

O

O O

O

OD,L- D.D-

OH

O

etc

ポリ乳酸

ポリ乳酸以外のプラスチック

ポリ乳酸の化学リサイクル

LLラクチド

不純物

本年度不純物がでない方法を世界で初めて開発

これまでの成果生ゴミからポリ乳酸と肥料をつくる

ポリ乳酸の化学リサイクル(1班)

新都市環境システム今後30年の導入シナリオ(3班)

汚泥から水素や液体燃料活性炭をつくる(2班)

汚泥はまずメタン発酵

ダイオキシンがスッポリ入る孔があいています

水素が高い割合でできています

できた活性炭の孔の大きさ

液体燃料(BTX:ベンゼン、トルエンキシレン)が高い割合でできています