汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモvallisneria …

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117 応用生態工学 22 (2), 117124, 2020 はじめに 生物多様性の損失は深刻な問題であり,特に湖沼では 緊急を要する課題である.日本の湖沼における生物多様 性については,松崎ほか(2016)が湖沼生態系の中で重 要な生態系機能を担っている水生植物と純淡水魚を指標 分類群として評価している.ここでは,過去(1999 年 以前)と現在(2000 年以降)の比較において,在来種 数が水生植物では調査対象とした湖沼全体で平均 48%, 純淡水魚では平均 25%減少していることに加えて,い ずれの生物群も国外外来種の侵入が広域で確認されてい るなど,生態系が劣化していることを指摘している. これまで失われた水生植物を再生させる試みとして, 種子や殖芽などを含む散布体バンクを用いた撒き出し実 験が各地で行われており,過去に生育していた種が再生 した事例が報告されている(久城ほか 2009;藤本ほか 2019 年 3 月 23 日受付,2019 年 10 月 9 日受理 e-mail: ┱┳┶┭┥┯┄┴┶┩┪⓲┸┳┸┸┳┶┭⓲┰┫⓲┮┴ ORIGINAL PAPER 汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモ Vallisneria asiatica Miki の生育環境 森 明寛 1)* ・前田 晃宏 2) ・日置 佳之 3) 1) 鳥取県水環境保全課 〒680 8570 鳥取市東町 1 丁目 220 番地 2) 鳥取県衛生環境研究所 〒682 0704 鳥取県東伯郡湯梨浜町南谷 526 1 3) 鳥取大学農学部 〒680 8553 鳥取市湖山町南 4 丁目 101 Akihiro MORI 1)* , Akihiro MAEDA 2) , Yoshiyuki HIOKI 3) : Growing Environment of Vallisneria asiatica Miki, a Freshwater Plant in Brackish Lake Togo-ike. Ecol. Civil Eng. 22 (2) , 117-124, 2020 1) ⓤ┛┥┸┩┶ⓤ┉┲┺┭┶┳┲┱┩┲┸ⓤ┑┥┲┥┫┩┱┩┲┸ⓤ┈┭┺┭┷┭┳┲⓰ⓤ┘┳┸┸┳┶┭ⓤ└┶┩┪┩┧┸┹┶┩⓰ⓤ1220ⓤ┌┭┫┥┷┬┭⓱┱┥┧┬┭⓰ⓤ ┘┳┸┸┳┶┭⓰ⓤ┘┳┸┸┳┶┭ⓤ6808570⓰ⓤ┎┥┴┥┲ 2) ⓤ┘┳┸┸┳┶┭ⓤ└┶┩┪┩┧┸┹┶┥┰ⓤ┍┲┷┸┭┸┹┸┩ⓤ┳┪ⓤ└┹┦┰┭┧ⓤ┌┩┥┰┸┬ⓤ┥┲┨ⓤ┉┲┺┭┶┳┲┱┩┲┸┥┰ⓤ┗┧┭┩┲┧┩┷⓰ⓤ5261┑┭┲┥┱┭┨┥┲┭⓰ⓤ┝┹┶┭┬┥┱┥⓰ⓤ┘┳┬┥┯┹⓰ⓤ┘┳┸┸┳┶┭ⓤ6820704⓰ⓤ┎┥┴┥┲ 3) ⓤ┊┥┧┹┰┸┽ⓤ┳┪ⓤ┅┫┶┭┧┹┰┸┹┶┩⓰ⓤ┘┳┸┸┳┶┭ⓤ┙┲┭┺┩┶┷┭┸┽⓰ⓤ4101ⓤ┏┳┽┥┱┥⓱┧┬┳ⓤ┑┭┲┥┱┭⓰ⓤ┘┳┸┸┳┶┭⓰ⓤ ┘┳┸┸┳┶┭ⓤ6808553⓰ⓤ┎┥┴┥┲ Abstract: We investigated the growth potential of the freshwater plant ┚┥┰┰┭┷┲┩┶┭┥ⓤ┥┷┭┥┸┭┧┥ Miki in Lake Togo-ike, a brackish lake that was shown to have reduced biodiversity in a study focusing on salinity and light, which are important aspects of the growing environ- ment for aquatic plants. Based on the results of a one-year salinity study that began in April 2016, it was revealed that growth was possible at 698 PSU, which exceeds the previ- ously reported upper limit of salinity. Furthermore, based on the average annual transpar- ency in Lake Togo-ike in 2016, it was estimated that ┚┥┰┰┭┷┲┩┶┭┥ⓤ┥┷┭┥┸┭┧┥ Miki can grow at water depths of up to 15 m. With these conditions, areas of Lake Togo-ike that are suitable for the growth of ┚┥┰┰┭┷┲┩┶┭┥ⓤ┥┷┭┥┸┭┧┥ Miki were extracted from a salinity distribution map and a topographic map of the lake bottom. The northeastern and western inlets, which sat- isfied both conditions, were selected as areas with high growth potential. It was suggested that these areas, which have both low salinity and a shallow water depth throughout the year, would be important sites for the conservation of this species. Key words: biodiversity, brackish, salinity, transparency, ┚┥┰┰┭┷┲┩┶┭┥ⓤ┥┷┭┥┸┭┧┥ Miki 原著論文

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Page 1: 汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモVallisneria …

117森 明寛 ほか:汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモの生育環境応用生態工学 22(2),117-124,2020

はじめに

 生物多様性の損失は深刻な問題であり,特に湖沼では緊急を要する課題である.日本の湖沼における生物多様性については,松崎ほか(2016)が湖沼生態系の中で重要な生態系機能を担っている水生植物と純淡水魚を指標分類群として評価している.ここでは,過去(1999 年

以前)と現在(2000 年以降)の比較において,在来種数が水生植物では調査対象とした湖沼全体で平均 48%,純淡水魚では平均 25%減少していることに加えて,いずれの生物群も国外外来種の侵入が広域で確認されているなど,生態系が劣化していることを指摘している. これまで失われた水生植物を再生させる試みとして,種子や殖芽などを含む散布体バンクを用いた撒き出し実験が各地で行われており,過去に生育していた種が再生した事例が報告されている(久城ほか 2009;藤本ほか

2019 年 3 月 23 日受付,2019 年 10 月 9 日受理*e-mail: [email protected]

ORIGINAL PAPER

汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモ Vallisneria asiatica Miki の生育環境

森 明寛1)*・前田 晃宏2)・日置 佳之3)

1)鳥取県水環境保全課 〒680-8570 鳥取市東町 1丁目 220 番地2)鳥取県衛生環境研究所 〒682-0704 鳥取県東伯郡湯梨浜町南谷 526-13)鳥取大学農学部 〒680-8553 鳥取市湖山町南 4丁目 101

Akihiro MORI1)*, Akihiro MAEDA2), Yoshiyuki HIOKI3): Growing Environment of Vallisneria asiatica Miki, a Freshwater Plant in Brackish Lake Togo-ike. Ecol. Civil Eng. 22(2), 117-124, 20201) Water Environment Management Division, Tottori Prefecture, 1-220 Higashi-machi, Tottori, Tottori 680-8570, Japan2) Tottori Prefectural Institute of Public Health and Environmental Sciences, 526-1 Minamidani, Yurihama, Tohaku, Tottori 682-0704, Japan3) Faculty of Agriculture, Tottori University, 4-101 Koyama-cho Minami, Tottori, Tottori 680-8553, Japan

Abstract: We investigated the growth potential of the freshwater plant Vallisneria asiatica Miki in Lake Togo-ike, a brackish lake that was shown to have reduced biodiversity in a study focusing on salinity and light, which are important aspects of the growing environ-ment for aquatic plants. Based on the results of a one-year salinity study that began in April 2016, it was revealed that growth was possible at 6.98 PSU, which exceeds the previ-ously reported upper limit of salinity. Furthermore, based on the average annual transpar-ency in Lake Togo-ike in 2016, it was estimated that Vallisneria asiatica Miki can grow at water depths of up to 1.5 m. With these conditions, areas of Lake Togo-ike that are suitable for the growth of Vallisneria asiatica Miki were extracted from a salinity distribution map and a topographic map of the lake bottom. The northeastern and western inlets, which sat-isfied both conditions, were selected as areas with high growth potential. It was suggested that these areas, which have both low salinity and a shallow water depth throughout the year, would be important sites for the conservation of this species.

Key words: biodiversity, brackish, salinity, transparency, Vallisneria asiatica Miki

原著論文

Page 2: 汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモVallisneria …

118 応用生態工学 22(2),2020

来種の定着(森ほか 2014)が見られるなど,全国の湖沼と同様の問題を抱えており,早急な保全対策が必要であると考えられる. これまで,筆者らは東郷池の底泥の撒き出し実験により,セキショウモや絶滅危惧Ⅱ類(VU)のシャジクモChara braunii Gmelin等について,再生の可能性を見出している(森ほか 2014). このうち,セキショウモはトチカガミ科に属する多年生の沈水植物で,8-10 月に花期を迎え,雌雄異株で種子繁殖するとともに走出枝により栄養繁殖も行う(大滝ほか 1980;角野 1994).その送粉方法はとても珍しく,花粉をのせた雄花が水面を移動する雄性花水面媒により送粉され,種子植物の中ではトチカガミ科に属する 16種程度しか確認されていない特殊な繁殖生態を有する(田中 2012)ことからも本種の保全は重要な意味を持つと考えられる. 東郷池をはじめとする汽水域の環境は,通常塩分の異なる水塊が完全に混合しない状態にあり,浸透圧等の重要な環境因子は不均質で,加えて空間的かつ時間的に著しく変化することが多い(益子 1981).そのため,塩分濃度に応じて生物種の構成およびその多様性は大きく変化するとされる(Whitfield et al. 2012).一般に塩分は生物相に対して直接または間接的に大きな影響を与える(宮本 2004)ことから,塩分と生物相の関係を知ることは汽水域の生態系を理解するうえで重要である. また,透明度は沈水植物の光合成に必要な水中光量に関わる要素として,光環境の重要な指標となる. そこで,本稿では水生植物の保全上重要な湖沼の 1つである東郷池において,早急な対策が必要となる淡水性の水生植物セキショウモを保全するため,生育環境として重要な塩分と透明度に注目した生育適地の選定を試みた.あわせて,長期的な塩分環境の変化から東郷池での本種の消長を考察し,その保全手法についても検討した.調査地概要 東郷池は鳥取県中部に位置する湖岸延長約 12 kmの潟湖である(Fig. 1).主要な流入河川には,舎人川,東郷川,羽衣石川および埴見川があり,池の流出部は唯一の流出河川である橋津川を経由して日本海へと繋がっている.古くから漁業が盛んで,現在では汽水湖の特徴を生かしてヤマトシジミ Corbicula japonica Primeが主要な漁獲対象となっている.かつては橋津川に水門が無く,日本海からの海水が自由に湖内へ遡上していたが,橋津川の拡幅および直線化が行われた際,1996 年に橋津川の途中に潮止水門が設置され,それ以降海水の遡上は人

2013;Nishihiro et al. 2006).しかし,散布体バンクによる再生の可能性は時間経過に伴って急激に低下(西廣ほか 2016)することや実生の定着に至らない発芽は種子の消失に繋がる(鷲谷 1998)ことが指摘されている.そのため,散布体バンクは再生のための有効な材料となる一方で,環境中で損耗することから,水生植物の保全には現存個体群の保護も重要となる. 山ノ内ほか(2016)は全国の湖沼の水生植物の多様性を効率よく保全する手法を検討している.ここでは,近年の未確認種に関する指標値が最も高く,過去の記録種や過去の希少性で上位となった東郷池を調査優先湖沼の1つとして評価しており,本湖における水生植物の情報収集や保全は重要な意味を持つ.  東郷池で過去に生育していた水生植物は,現在では未確認である環境省レッドリスト 2017 の絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているミズオオバコ Ottelia alismoides (L.) Pers.,準絶滅危惧種(NT)のトチカガミ Hydro-charis dubia (Blume) Backerやイトモ Potamogeton berch-toldii Fieberに加えて,現在では僅かな場所にしか生育が確認できないセキショウモ Vallisneria asiatica Mikiなど 16 種が確認されている(Nishihiro et al. 2014;谷1969). 本湖では昭和 30 年代まで「モクトリ」(「モク採り」,「モバトリ」等とも称される)と呼ばれる水草刈りが盛んに行われていた.刈り取られた水草はいったん木材や竹で組んだ柱や横木に掛けて天日乾燥(「はで掛け」,「はぜ掛け」等と称される)が行われ,畑地への肥料の原料等に用いられており,(平塚ほか 2006),過去に生育していたセキショウモなどの水生植物は当時の生態系サービスを供給する重要な生物の 1つとなっていたことが考えられる. セキショウモは谷(1969)が 1967 年に確認して以降,2013 年に湖岸の 1 地点で小さな群落が確認(森 2014)されるまでの間生育に関する記録が無く(Nishihiro et al. 2014),50 年近くにわたって生育していなかったか,確認できないほどに減少していたことが考えられる. 近年ではマツモ Ceratophyllum demersum L.,エビモPotamogeton crispus L.,ホザキノフサモ Myriophyllum spicatum L.,クロモ Hydrilla verticillata (L.f.) Royle,ヤナギモ Potamogeton oxyphyllus Miq.,セキショウモの僅か 6種しか確認されておらず,2000 年以降では,それ以前と比べて在来種数が 62%減少した(松崎ほか2016).また,オオカナダモ Egeria densa Planch.やコカナダモ Elodea nuttallii (Planch.) St.Johnといった国外外

Page 3: 汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモVallisneria …

119森 明寛 ほか:汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモの生育環境

底に電気伝導率ロガー(HOBO社 U24)を設置し,2016年 4 月 6 日から 2017 年 4 月 5 日にかけて,塩分を 1時間間隔で測定した.これらの測定値から年間最大値を求め,セキショウモが生育可能な塩分の上限値とした.対照として,日本海から海水が遡上してくる地点 F(Fig. 1)で鳥取県栽培漁業センターが 1時間間隔に観測している東郷池水質観測システム(http://www.togo-lake.info/, 2017 年 4 月 18 日確認)の塩分データを用いた.なお,この地点 Fおよびその周辺では,調査期間中においてセキショウモの生育が無かったことを確認している. 湖内の塩分分布を把握するため,塩分が年間で最も高くなる夏季のうち,海水流入が確認された 2016 年 7 月26 日に,多項目水質計(Hydrolab社 DS5X)を用いて,橋津川の一部を含む湖内全域にわたって 22 地点の調査地点を格子状に設定し,塩分の鉛直分布を測定した.測定結果から底層のデータを基に,GISソフトウェア Arc-GIS(ESRI社)の逆距離加重法(IDW法)による内挿法を用いて,底層の塩分分布図を作成した.この塩分分布図を用いて,先に求めたセキショウモが生育できる塩分の上限値以下となるエリアを抽出し,塩分環境の適地とした.湖底地形および光条件の測定と検討 湖底での光環境は水深に依存することから,現在の東郷池の正確な湖底地形を把握するために測量を行った.測量は,2015 年 8 月 27 日から 28 日にかけて,サイドスキャンソナー HDS-7 Gen touch3(LOWRANCE社)を小型ボートに設置し,全域の地形データを取得した.取得したデータから解析ソフトウェア ReefMasterPRO(ReefMaster Software社)により,全域の湖底地形図をGeoTIFF形式で作成した.なお,池の水位は鳥取県防災 情 報(http://tottori.bosai.info/tottori_water_index.html, 2017 年 1 月 10 日確認)により取得し,湖底地形図は測量期間中の最低水位を基準として作成した. 次に,沈水植物の生育に必要な光環境が保てる分布下限水深について年間平均水位を基準として次式で求めた(中央環境審議会 2015).

X=z/0.64 (1)X:分布下限水深(m),z:年間平均透明度(m)

なお,式中の年間平均透明度は鳥取県衛生環境研究所が毎月 4地点で実施している水質調査の 2016 年の実測値(鳥取県衛生環境研究所,未発表データ)から算出した.次に,ArcGISを用いて,(1)式で得られた年間平均水

為的に制御されている. 近年,東郷池ではセキショウモの生育が確認されている.2013 年に東岸の湖岸沿い(Fig. 1,B)で確認(森2014)されて以降,西岸(Fig. 1,E)および南岸の湖岸沿いでも小さな群落が確認されている(鳥取県衛生環境研究所,未発表データ). また,東郷池の底泥の撒き出し実験により再生したセキショウモを前述の地点 Eの近傍および周辺のビオトープ(Fig. 1,A)で移植を試み,その後も定着していることが報告されている(森ほか 2016).このうち,地点 Aのビオトープは東郷池および舎人川とそれぞれ水路で繋がり,湖水および河川水がビオトープ内に出入りする構造となっている.地点 C,D(Fig. 1)でも同様に移植後の定着が確認されている(鳥取県衛生環境研究所,未発表データ).

方 法

セキショウモ生育地点の底質性状の把握 前述のセキショウモの生育が確認されている地点 A‒Eについて,底質の性状を目視で確認した.あわせて,底質を掘り出して走出枝の状態を確認した.塩分条件の測定と検討 セキショウモが生育している湖内沿岸域(Fig. 1,B‒E)および周辺ビオトープ(Fig.1,A)の 5地点で,湖

Fig. 1. Location of the study area and observation points. A‒F show the points at which annual salinity was measured. Vallisneria asiatica Miki inhabits points A‒E, but not point F. The small white circles indicate the 22 points at which salinity was measured on July 26, 2016.

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133°54'E133°53'E133°52'E133°51'E

35°31'N

35°30'N

35°29'N

35°28'N

Sea of Japan

Lake Togo-ikeHashizu River

!

± 0 21Km

E

FD

ABC

Page 4: 汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモVallisneria …

120 応用生態工学 22(2),2020

位に対する分布下限水深より浅いエリアを上述の湖底地形図から抽出し,光環境の適地とした.適地選定 上記の方法で推定した塩分環境の適地および光環境の適地から,ArcGISを用いて両者を満たすエリアを抽出し,セキショウモの生育適地とした.塩分の長期変動 東郷池の塩分の長期的な変動を把握するため,1975年 1 月から 2017 年 12 月までの期間について,鳥取県衛生環境研究所が毎月測定している湖心表層の塩化物イオン濃度(鳥取県衛生環境研究所,未発表データ)から(2)の近似式を用いて塩分を求めた(河野 2010).なお,計算で得られた塩分 1 g kg-1 を 1 PSUとして取り扱った.

S=1.815069×Cl (2)S:塩分(g kg-1),Cl:塩化物イオン濃度(‰)

結 果

セキショウモ生育地点の底質性状の把握 セキショウモの生育が確認されている地点 A-Eで底質の性状を確認した.地点 Aのビオトープは全体に浮泥が堆積した泥質で,走出枝が底泥中に伸びていた.地点 B-Dでは,砂泥混じりの礫質であり,直径約 5-10 cm程度の礫が多くみられた.礫の下には走出枝が存在し,礫の間から沈水葉が伸長していた.地点 Eでは護岸の捨て石の狭い隙間から沈水葉が伸びており,走出枝の状態は確認できなかった.塩分条件の測定と検討 各測定地点における 1年間の塩分変動を Fig. 2 に示す.各地点の塩分範囲と中央値は,地点 Aで 0.09-5.58 PSU(1.22 PSU),地点 Bで 0.24-6.39 PSU(3.12 PSU),地点C で 0.29-6.98 PSU(3.05 PSU), 地 点 D で 0.29-6.81 PSU(3.25 PSU),地点 Eで 0.12-6.16 PSU(2.76 PSU),地点 Fで 0.03-30.12 PSU(5.33 PSU)であった.セキショウモが生育している地点 A-Eでは,低塩分環境が保たれており,年間最大値は地点 Cの 6.98 PSUであった.観測地点の中で最高値が最も低かったのは,地点 Aで 5.58 PSUであった.一方,地点 Fでは塩分が急激に上昇する状況が度々確認され,最大で 30.12 PSUを記録した. 全域調査で得られた湖底の塩分分布では,池流出部が最も塩分が高く,海水の遡上が確認された(Fig. 3).また,流出部から中央部にかけて塩分が高い状況が見られ

Fig. 2. The annual salinity range at observation points A‒F in Lake Togo-ike. Salinity at each point was ob-served every hour from April 6, 2016 to April 5, 2017. The sal inity of the lake bottom remained at ≤6.98 PSU at points A‒E, whereas the maximum sa-linity at point F reached 30.12 PSU.

A B C D E F

Salin

ity (P

SU)

0

10

20

30

*1 : outlier *2 : maximum *3 : 3rd quartile*4 : median *5 : 1st quartile *6 : minimum

*1

*2*3*4*5*6

Fig. 3. Distribution of salinity and suitable habitats for Vallisneria asiatica Miki in Lake Togo-ike. The contour map shows the distribution of salinity estimated from the salinity at the bottom of the lake on July 26, 2016. The hollow areas are areas in which the salinity at the lake bottom was ≤6.98 PSU, which is suitable for the growth of Vallisneria asiatica Miki. The gray-colored areas are areas in which the salinity was >6.98 PSU, which may not be suitable for the growth of Vallisner-ia asiatica Miki.

0 10.5Km

5 7

6

7

5

6

5

5

5

5

89

2010

15 ―

//

Salinity (PSU)

0 - 6.98 > 6.98

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121森 明寛 ほか:汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモの生育環境

た.この塩分分布図からセキショウモが確実に生育している塩分 6.98 PSU以下で抽出すると,北東部の入江から西岸の入江および南岸にかけて塩分環境の適地として広い範囲が選択された(Fig. 3).湖底地形および光条件の測定と検討 サイドスキャンソナーによる湖底地形の測量中に池の水位は T.P.+0.35 mから T.P+0.40 mの範囲で変化していたため,湖底地形図は測量期間中の最低水位 T.P.+0.35 mを基準として作成した(Fig. 4).水深は中央部から南東部付近が最も深く,中央部から北側および西岸に向けて徐々に浅くなっていた. 2016 年の湖内 4地点の年間平均透明度と標準偏差は0.94±0.19 mであった(鳥取県衛生環境研究所,未発表データ).これより(1)式を用いて算出された分布下限水深は同年の年間平均水位(T.P.+0.32 m)に対して水深 1.47 mとなる.この水深は作成した湖底地形図(T.P.+0.35 mを基準)では 1.50 mの水深に相当し,これより水深の浅い北岸,北東部の入江,西岸の入江および沿岸域が光環境の適地として抽出された(Fig. 5).適地選定 塩分環境の適地と光環境の適地から,両者を満たす範囲として,北東部の入江,西岸の入江および西岸等の沿岸域の一部がセキショウモの生育適地として選定された(Fig. 6).選定された適地の面積は 0.54 km2 となり,湖面積に対して約 13%の比率であった.このうち,北東部の入江と西岸の入江では広い範囲が選定された.

Fig. 4. Topographic map of Lake Togo-ike. A topographic map of Lake Togo-ike created based on side scan so-nar observation in 2016. The contour lines inside the lake show the water depth at 0.25-m intervals.

0 10.5Km

Depth (m)

0-11-22-33-4

Fig. 5. Suitable habitat for Vallisneria asiatica Miki based on the light environment of Lake Togo-ike. The hollow area indicates the area in which the water depth was ≤1.5 m. In this area, the light environment is suitable for the growth of Vallisneria asiatica Miki. The gray-colored area shows where the water depth was >1.5 m, which may not be suitable for the growth of Vallisneria asiatica Miki.

0 10.5KmDepth (m)

> 1.50 - 1.5

Fig. 6. Suitable habitat for Vallisneria asiatica Miki ac-cording to both salinity and light in Lake Togo-ike. Suitable habitat in Lake Togo-ike for the growth of Vallisneria asiatica Miki was extracted from the salini-ty distribution map and the lake bottom topographic map in the lake. The hollow area is suitable for the growth of Vallisneria asiatica Miki. The gray-colored area is not suitable the growth of Vallisneria asiatica Miki.

0 10.5Km

Suitable for growthNot suitable for growth

Page 6: 汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモVallisneria …

122 応用生態工学 22(2),2020

献を網羅的に調査し,国内での本種の生育が確認されている塩分範囲を 0-5.9 PSUであると報告している.東郷池での年間を通じた調査では,セキショウモは一時的に6.98 PSUになる環境下でも生育が可能であり,これまで知られていた塩分より高い塩分に耐えられることが明らかとなった.ただし,その閾値は不明であるため,今後,室内水槽実験等によって確かめられることが必要であるが,少なくとも広範囲で選択されたエリアではセキショウモが生育できるポテンシャルが高い塩分環境であると考えられる. 光環境では水深が浅い北岸,北東部の入江,西岸の入江が広範囲にわたり生育適地として選択された.このうち,流出部にあたる北岸は,塩分条件では抽出されなかったエリアであった.そのため,流出部周辺では光が十分に届く浅い場所であるものの,淡水性のセキショウモの生育環境としては適していないことが考えられる. 塩分環境と光環境の両方を満たすエリアとして,特に北東部の入江と西岸の入江が広範囲で抽出された.調査時期は,1年のうちで湖内の塩分が高くなる時期であり,さらに湖の水位も高くなる時期であることを考えると,これらの場所では,年間を通じて塩分が高くならず,かつ,水深が浅い状態が保たれる場所であると考えられる.湖内でセキショウモの生育を確認している B‒E地点および E地点の周辺(森 2016)は,選択した適地内に位置しており,塩分と透明度に着目した適地選定は有効な手段であると考えられる.塩分の長期変動 東郷池の塩分は長期的に見て大きく変化していた(Fig. 7).近年は過去約 40 年の中で比較的低い塩分環境であるが,1975 年から 1995 年および 2001 年から 2013年には,14.3 PSUを最大に塩分の高い状況が度々確認された.今回の調査により,セキショウモは 6.98 PSUの塩分に耐えられることが確認された.また,マツモやホザキノフサモは過去に東郷池で確認されている(Nishihiro et al. 2014)が,國井(1995)によると,これらの生育可能な塩分範囲の上限は,それぞれ 9‰および 6‰である.そのため,過去約 40 年の間に 9 PSUを超える塩分の高い時期が頻発した東郷池では,セキショウモのみならず他の淡水性の水生植物にとっても厳しい塩分環境となり,セキショウモなどの淡水性の水生植物はこれらの時期に大きく衰退していた可能性が示唆される. 日本の湖沼では高度経済成長期に全国的に沈水植物が衰退し,その要因として水質の悪化や流域での大量の除草剤の使用が指摘されている(平塚ほか 2006).これら

塩分の長期変動 東郷池の 1975 年以降の湖心表層における年間の塩分範囲の経年変化を Fig. 7 に示す.1975 年から 1995 年は全観測期間の中で塩分の年間最大値が高い年が多く,1978 年 9 月には全期間で最も高い 14.3 PSUを記録した.1996 年から 1998 年では,最大 4.5 PSUと全期間の中では塩分は低くなっていた.その後,2001 年から 2013 年には,9.6 PSUを最高に再び年間最大値の高い時期が続いたが,2014 年以降では,最大 5.5 PSUと再び年間最大値は低下し,1975 年以降において,近年は塩分が低く保たれた環境となっていた.

考 察

セキショウモの生育環境 湖内における塩分分布(Fig. 3)の結果から,橋津川を経由して遡上した海水は北側の流出部から中央部に向かって流入する様子が捉えられた.流出部周辺ではしばしば塩分の急激な上昇が確認され,調査した 2016 年では最高で 30.12 PSUに達しており,流出部周辺は度々高塩分に晒される環境であると考えられる.実際に東郷池の流出部付近の橋津川では,汽水域を好むコアマモZostera japonica Asch. et Graebn.の生育が確認されており(程木ほか 2012),普段から塩分に晒されやすい環境であることがうかがえる.一方,北東部および西岸の入江では,水深が浅いこと,流出部から遠いこと,上流部に流入河川または水路から淡水の流入があることから地形的に塩分が上がりにくい環境であることが考えられる. 淡水性のセキショウモの塩分耐性については詳しくわかっていないが,山室(2014)は日本の汽水湖沼において沈水植物と浮葉植物が繁茂できる塩分範囲に関する文

Fig. 7. Changes in the salinity of Lake Togo-ike since 1975 to 2017. The data shows the annual salinity range of the surface water at the center of the lake corresponding to each year since 1975 to 2017. The salinity is converted from the chloride ion level, which is measured every month.

0

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1970 1980 1990 2000 2010 2020

Salin

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123森 明寛 ほか:汽水湖東郷池における淡水性水生植物セキショウモの生育環境

謝 辞

 島根大学國井秀伸名誉教授にはセキショウモを同定していただいた.また,鳥取県衛生環境研究所の化学衛生室の皆様,鳥取県栽培漁業センターの福井室長には東郷池の水質データを提供いただいた.ここに記して厚くお礼を申し上げる.さらに,本稿の改定にあたり,有益なご助言をいただいた担当編集委員および 2名の査読者に感謝申し上げる.

摘 要

 生物多様性の低下が指摘されている汽水湖の鳥取県東郷池において,生育環境として重要な塩分と光環境に着目して淡水生水生植物セキショウモ Vallisneria asiatica Mikiの生育ポテンシャルについて検討した.塩分では,セキショウモの生育場所について 2016 年 4 月から 1年間観測した結果から,これまで報告されている塩分の上限値を超え,一時的に 6.98 PSUになる環境下でも生育できることが明らかとなった.また,2016 年の平均透明度から,水深 1.5 mまで生育できることが推定された.これらの条件を基に湖内の塩分分布図および湖底地形図からそれぞれ生育適地を抽出し,両条件を満たす北東部および西岸の入江が生育ポテンシャルの高いエリアとして広範囲に選定された.これらは年間を通じて塩分が高くならず,かつ,水深が浅い状態が保たれる場所として,本種の保全に向けて重要なエリアであると考えられる.

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の要因に加えて,東郷池のような汽水湖では,水生植物の消長は長期的な塩分環境の変動にも大きく左右され,その濃度に応じて衰退や回復を示す可能性が考えられる.セキショウモの保全に向けて セキショウモの生育場所として調査した地点 B‒Eでは,礫または捨て石の間から沈水葉が伸長していた.セキショウモは水中に伸長した茎からの再生や殖芽といった散布能力の高い栄養繁殖手段を持たないことから,走出枝による栄養繁殖または種子生産が重要となる.これらの場所では波浪等による底質撹乱を受けにくく,走出枝が保護される場所であり,東郷池のセキショウモの地域個体群の保全を考える上で重要な地点と考えられる. 東郷池では,1981 年以降,ヤマトシジミが主要な漁獲対象となっている.本湖でのヤマトシジミの生息は概ね水深 2 m以浅の浅い場所(福井利憲,未発表データ)であり,セキショウモの生育適地と広範囲で競合している.本湖のヤマトシジミ漁は鋤簾による漁法であるため,セキショウモの走出枝に損傷を与えるなど生育を阻害する大きな要因になると考えられる.1967 年以前にセキショウモが繁茂していた際,本湖でヤマトシジミ漁はほとんど行われておらず,当時無かった阻害要因を現在では考慮する必要がある.そのため,ヤマトシジミの漁場とセキショウモの生育場所を空間的に分けるなどの調和を図ることが重要となる. 東郷池では長期的に見るとセキショウモの生育に不適な時期が存在しうることが示唆された.水生植物の保全にとって,種子生産による散布体バンクの維持は重要であり(西廣 2014),今後,本湖でセキショウモの個体群を保全するためには,植物体の定着はもとより,種子供給の拠点を作ることが重要であると考えている. 今回の研究でセキショウモの生育適地が抽出できたことから,今後はこの生育適地の中から複数の移植場所を再設定し,種子供給の拠点を確保していくことを考えている.その際,ヤマトシジミの漁場とセキショウモの個体群の創出および保全の場所を調整することが重要であると考える.筆者らは生育適地となる地点 Eの近傍で既に底泥の撒き出し実験で得られたセキショウモの再生株を移植(森ほか 2016)している.現在,地元団体の「東郷湖の水質浄化を進める会」および東郷湖漁業協同組合の協力のもと,この移植場所の周辺約 10×120 mの範囲(生育適地の約 0.2%)をヤマトシジミの禁漁区域として調整済みである.今後,他の生育適地への移植についても同様に調整しながら,セキショウモの保全を進めたいと考えている.

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