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1 The world leader in serving science サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 - LC/MSの基礎 - イオン化の選択

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Page 1: - LC/MSの基礎 イオン化の選択 - Thermo Fisher Scientific プローブ位置の調整(HESI2) *プローブを近づけた場合、 ESIニードル先端で放電する危険があります。

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The world leader in serving science

サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社

- LC/MSの基礎 -

イオン化の選択

Page 2: - LC/MSの基礎 イオン化の選択 - Thermo Fisher Scientific プローブ位置の調整(HESI2) *プローブを近づけた場合、 ESIニードル先端で放電する危険があります。

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イオン化とは

試料導入

+ + + +

+ +

-

- -

- - -

電場や磁場等を用いて 質量ごとに分離

+ +

+

- -

-

全ての化合物を等しくイオン化する方法は存在しない

スペクトル ESI, APCI, APPI, MALDI, EI, CI, etc

イオン化

イオン化の特徴を学び、使い分ける必要がある

Page 3: - LC/MSの基礎 イオン化の選択 - Thermo Fisher Scientific プローブ位置の調整(HESI2) *プローブを近づけた場合、 ESIニードル先端で放電する危険があります。

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大気圧イオン化:ESI

高電圧 (4~5 kV)

ソフトなイオン化

M+H+もしくはM-H-、溶媒由来の付加イオンを形成

極性化合物に適している

高質量化合物(タンパク質等)に適している

移動相組成の影響を受けやすい

溶媒の揮発 と微細化

帯電液滴を形成

ESI エレクトロスプレーイオン化 (Electro Spray Ionization)

HESI-Ⅱ

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大気圧イオン化:APCI

コロナ放電電極(5 uA)

ヒーター(~500度)

APCI 大気圧化学イオン化 (Atmospheric Pressure Chemical Ionization)

ESIでイオン化しにくい低極性化合物もイオン化可能

LC移動相に100%水の極性溶媒からヘキサン等の

無極性溶媒まで幅広く対応

高質量物質(タンパク質など)には不向き

熱不安定化合物には不向き

移動相の影響を受けにくい

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大気圧イオン化:APPI

プローブから噴霧した気体状試料に

Kryptonの光(イオン化ポテンシャル

10.6 eV、波長:116 nm)を照射し、

試料をイオン化

Ref.) A. P. Bruins et al., Anal. Chem., 2000, 72, 3653-3659

M + h M+

M+ + S MH+ + S[-H] * S =

solvent

ESI・APCIでイオン化しにくい非極性化合物もイオン化可能

複素環化合物などπ電子を有する化合物向き

熱不安定化合物には不向き

APPI 大気圧光イオン化 (Atmospheric Pressure Photo Ionization)

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極性

分子質量

小(50Da~) 大(~150000Da)

単糖 オリゴ糖 多糖

DNA RNA

ペプチド

代謝物

医薬

農薬

複合脂質

合成ポリマー 化成品 脂質

アミノ酸 タンパク質

イオン化の適用範囲

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極性

分子質量

小(50Da~) 大(~150000Da)

単糖 オリゴ糖 多糖

DNA RNA

ペプチド

代謝物

医薬

農薬

複合脂質

合成ポリマー 化成品 脂質

アミノ酸 タンパク質

イオン化の適用範囲

ESI

APPI

APCI

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Liquid Flow rate (µL/min)

Spray voltage(V) Vaporizer temp.(℃)

Ion transfer tube temp.(℃)

Sheath Gas pressure(psi)

Aux Gas pressure(psi) Pos Neg

5 3000 -2500 0 240 5 0

200 3000 -2500 250-350 350 35 10

500 3000 -2500 300-500 380 60 20

1000 3000 -2500 500 400 75 30

最適化範囲 100-4500 0-550 150-400 30-70 5-40

LCの流速によって 最適な設定値が異なります。条件にあった設定値を入力 することが大切です。

イオン化の最適条件(HESI 2)

高感度化

低流速で分析することで 脱溶媒が効率化され高感度化させることが可能です。 また、内径の小さいカラムを利用しても同様に高感度化が可能です。

※使用するプローブにより最適値が異なります。上写真のプローブの推奨値です。

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プローブ位置の調整(HESI2)

*プローブを近づけた場合、

ESIニードル先端で放電する危険があります。

先端が青く光らないことを確認してください。

深さ設定

前後設定

移動相流速 (μL/min)

前後設定 深さ設定

HESI ESI HESI ESI

1-50 1.75 0.5 B B

50-1000 1.75 0.5~1.0 C or D C or D

LCの流速に合わせて、 位置を調節します。近すぎて放電してしまうとイオンが 検出できなくなります。

※スイープキャップに右側のタイプを使用している場合

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イオンサプレッション(マトリックス効果)

試薬標準品

試薬標準品

マトリックス

+ 感度低下

イオン化 +

+

+

+

+

+ +

+ +

+

+

+

+

+

+

+ +

+ +

+

+

+

+

+

+

+

+ +

+ +

気化

イオン化の際、目的化合物以外のマトリックスと競合することにより

本来の感度が得られない現象を示します。

イオンサプレッションのイメージ(例) + ×5

+ ×2

*装置の納入直後は汚れの影響で感度が低下します。必ず既定の洗浄Methodで洗浄をお願いいたします。