20150917 金融ブロックチェーン勉強会

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ビットコイン・ブロックチェーン 金融勉強会 2015.09.17 by SATO 1

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ビットコイン・ブロックチェーン 金融勉強会

2015.09.17 by SATO

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1)はじめに サマリー 勉強会実施背景

構成案(仮)

2)業界サマリー Fintechにおけるブロックチェーンの位置付け ブロックチェーン業界MAP ブロックチェーン 業界カテゴリー補足 勉強会対象カテゴリー サービス普及と地域別特徴 金融業界から見た現状の課題 銀行サービスでの検討 証券・その他サービスでの検討

3)別紙 ブロックチェーン基礎①②③

業界活用事例(内部・対客サービス) 国内外規制動向 業界団体概要

Agenda

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1)サマリー

Main Topics ビットコイン・ブロックチェーンの金融機関(銀行・証券・保険など)の対顧客サービスへの活用。

目標・ゴール ブロックチェーン事業者の技術と既存金融機関のインフラ・顧客基盤を活用した利便性の高いサービス案の検討。

構成 各回毎に主となるディスカッションテーマを決めて、そのテーマに沿った調査と議論を実施する。

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1)勉強会実施背景

最近の動向をみる限り、金融機関のブロックチェーンの活用は専ら内部活用(プライベートチェーン)の応用にフォーカスしているように見受けられる。 しかし、一般ユーザーにビットコイン・ブロックチェーンが優れた「手段・サービス」として認知・受け入れられるには信頼のおける金融機関等を通じて分かり易い形でのサービスの提供が必要だと考える。 日本でもFATFのAML対策の通知以降、業界に対する規制検討が本格化し、事業環境が整備がされつつある。来年度の立法を見越し、既存金融事業者とビットコイン事業者の連携による新しい金融サービスの検討が必要と考える。(Fintechの流れ)

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1)構成案(仮)

第一回

• 業界整理、カテゴリー分類、特徴整理

• 金融業界動向サマリー、事例検証

第二回

• 金融機関による事業化と現行法の課題

• 事業別の関連法規と課題(取引所・送金・GW)

第三回

• 事業者から見る金融機関との連携サービス

• マス層への普及に必要な環境、サービス

第一回ではビットコイン業界と金融業界の関係性及び取り組み事例を整理。 第二回では主に、ビットコイン関連事業と既存の法律との関係を整理。 第三回ではビットコイン事業者と金融機関の連携可能性と普及に向けた条件を整理。 ※詳細は第一回勉強会にて参加者と調整予定。

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2)Fintechにおけるブロックチェーンの位置付け

Fintechタイムライン

決済・家計簿・会計・ソーシャル

レンディング

スマート保険・銀行APIモデル・

AI金融サービス

ブロックチェーンの活用

(分散型●●サービス)

初期(2008~2013) 中期(2014~) 後期(2018~)

初期(外部参入、部分的なツール・サービスの提供) 非金融事業者の参入による新しいツール・手段の提供。スマートフォン・クラウドの普及期と重なる。

中期(Fintech事業者との提携、金融商品のパーソナル化、基盤のオープン化) Fintech事業者と既存金融事業者の提携によるコア業務に対する変革。

後期(既存ルールの変更と基盤のリプレイス、「価値の移動」手段のインフラ化) 破壊的な技術によって金融の枠を超えた既存ルールの変更が発生する。インターネットは金融に “チャネル革命”をもたらし、対面からWebに移行させコストを劇的に削減させたが、“事業モデル”そのものは従来通りであった。ブロックチェーンの応用は金融機関の“サービスの在り方”を変化する可能性を秘めている。

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F I

W P

BTC Finance(B2C)

Platform Service(B2B)

Infrastructure Service(B2B)

●サービス事例

API、パッケージ、基盤、データ、ツール、情報、メディア

IaaS,PaaS,SaaSとしてのブロックチェーンサービスの提供、データ可視化・分析ツール、マーケット情報、専門メディアなど周辺エコシステムを指す。

●サービス事例

決済ネットワーク、送金ネットワーク、証券ネットワーク

××業界システム、企業グループネットワーク

通貨としてのビットコインを対象とせず、台帳システムであるブロックチェーン技術をエンタープライズ向けにカスタマイズして提供するモデル。既存業務システムに対する正統進化系ソリューションと言える。

Web Service,2.0,other(C2C)

●サービス事例

スマートコントラクト、プロパティ、マイクロペイメント、

ブロックチェーン技術の非金融分野への応用領域。他産業のニーズやWebサービスとの融合で進化する。組織が既存の会社形態に限らず、コミュニティ(DAC)の場合もある。他と比べ、ユーザー同士の直接的な対話が多い領域。

●サービス事例

取引所、決済、送金、ATM、ウォレット

暗号通貨と法貨の接点となりゲートウェイ機能の役割を果たす事業。法定通貨を扱う都合、一定の規制が求められる事業領域。主に、B2C向けのマーケット。市場規模が大きい反面、競争が激しく今後は事業者の廃業・淘汰が進むと思われる。

2)ブロックチェーン業界MAP

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2)ブロックチェーン 業界カテゴリー補足

BTC Finance(B2C)

総合的なサービス力が必要なカテゴリ。先進国では一定規模の資本と規制対応能力が事業を拡大・顧客を獲得していく中で必要不可欠。また国を超えてグローバル展開することでスケールメリットを追求することが必要。一定規模まで成長できなければ収益確保が難しい分野。メインストリームへの普及には既存金融サービスとの融合が効果的と思われる。

Platform Service(B2B)

サービスの信頼性と法人営業能力が求められる領域。技術寄りのベンチャーの単独攻略は難しい。金融や特定の業界を熟知したメンバーの獲得と法人としての信頼性を高める為のパートナー戦略が必要。B2B向けの製品はB2C事業と比較して収益モデルがはっきりしているので初期実績さえ獲得出来れば、以後の顧客獲得は比較的容易。既存のシステム同様、寡占化が起こりやすい業種。

Infrastructure Service(B2B) ASPとしてブロックチェーンサービスを提供する業種。このカテゴリの場合、専門家として技術的に精通していることを求められる。将来的には大手IT企業やベンダーによる買収シナリオの可能性が一番高い業種。初期はB2Bから広まり徐々に、B2C向け製品が登場するイメージ。 一般ユーザー向けに、データを可視化したり、簡易に分析可能なツールのニーズも生まれる見込み。また、ロイターやブルームバーグのような情報ベンダーへBTCマーケット情報を提供する会社、またそのようなポジションを目指す会社が登場する。

Web Service,2.0,other(C2C) 現状、一番ボラティリティが高いカテゴリ。同時にビットコインがマス層へ普及する為のキラーアプリが生まれる可能性は一番高いカテゴリでもある。Webサービスとビットコインを融合させた分かり易いサービスがマス普及の鍵。尚、サービスは玉石混淆なので個別精査が必要。また概念提唱だけでサービス実装に至っていないモノも多い。

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2)勉強会対象カテゴリー

BTC Finance(B2C) Coinbase・itBit・Circle・Bitreserve bitFlyer・ビットバンク・レジュプレス・テックビューロ

Platform Service(B2B) Ripple・Digital Asset Holdings・Chain・Blockstack CoinPass?

※国内海外それぞれのカテゴリに属する企業の一部を抜粋。

ユーザー向けサービスなのでこちらをメインに議論予定。

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2)サービス普及と地域別特徴

金融サービス、プラットフォーム 決済、送金、生活インフラ

先進国 途上国 途上国 先進国

先進国と途上国では利用環境(インフラ)が異なるため、それぞれ異なるサービスが普及の鍵となる。 金融サービスとしての先進国と生活インフラとしての途上国、という分類分けが可能。

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2)金融業界から見た現状の課題

技術に法律が追いついておらず、事業環境が不透明

金融商品取引法、銀行法、犯罪収益移転防止法、資金決済法、その他法律・・・ 各国により異なる税制(消費税、譲渡益税、その他・・・) e.g

銀行によるビットコイン関連事業の取り扱いは、「その他付随業務」として整理可能か? Rippleゲートウェイサービスが影響を受ける法律、金融機関がGWはとなることは可能か? ビットコイン(その他暗号通貨)を用いた送金は資金決済法の適用を受けるか? ビットコインFXや先物取引、その他派生商品のの金商法適用について

ブロックチェーンを応用した顧客サービスの具体例がイメージしにくい

ビットコイン事業者とディスカッションを通じてどのような付加価値を提供可能か模索中

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2)銀行サービスでの検討

やはり、「決済・送金」関連サービスが銀行とは相性がいい。

Rippleプロトコルの採用(独Fidor bank) ビットコイン取引所との提携(独Fidor bank) 暗号通貨銀行設立(独Fidor bank) 銀行免許を取得(米itBit)

※国によって金融機関のビットコイン関連業務に係る法律は異なるので上記が日本で実現可能かは別途検証が必要。

顧客向けサービスの事例としては、例えば

スマートフォンアプリにビットコインウォレット機能を追加

銀行サービスと統合することで送金、決済、各種fiatとの交換などを実現。 Circle・Bitreserveなどの機能は銀行と相性が良いのではないか?

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2)証券・その他サービスでの検討

金融派生商品としてのビットコイン

NYSEがビットコイン価格指数(NYXBT)を配信 Bitcoin Investment Trust(BIT)がFINRAの認定を受け世界初のプロ向けビットコイン投資信託をリリース ビットバンクがBTC FXサービスを提供開始

金融商品取引法との関係と市場ニーズ

現状、金商法との関係が曖昧。モノであるのか金融資産であるのか・・・・ 現状、商品組成してもニーズがあまり存在しない。市場拡大の為の認知向上が不可欠。

関係法規・税制の整備と投資家普及に向けた動きを業界全体で検討する必要がある。

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3)別紙:ブロックチェーン基礎①

ブロックチェーンは1つではない

ブロックチェーンは1つではなく複数存在する。ただしビットコインのブロックチェーンが一番有名なので何も説明なしにブロックチェーンという場合は、ビットコインのブロックチェーンを指すことが多い。

Bit Coin Block Chain

×× Coin Block Chain

△△ Coin Block Chain

※それぞれのブロックチェーンには別々の利用者が存在する。それぞれの承認モデルが異なる場合がある。

ブロックチェーンの承認モデル

Bit Coin Block Chain 誰でも参加可能 誰でも承認可能

Ripple Block Chain 誰でも参加可能 一部利用者が承認

金融機関 Block Chain

一部利用者が参加 一部利用者が承認

※ビットコインは一番オープンな設計。金融機関が検討している応用モデルがクローズな運用方法。

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Bit Coin ×

Ripple Hyper

Ledger

3)別紙:ブロックチェーン基礎②

ブロックチェーンサービスの分類

B2C向け(商用への応用可能) Bit Coin(オープン×マイニング) →誰でも参加でき、承認(マイニング)可能な形式。 × →現状、未開拓の分野。 参加者が限定されているのであればマイニングは非効率。

ネットワーク参加者

台帳維持処理(プロトコル)

オープン 限定

マイニング

コンセンサス

※参加者、承認プロセスで分類したマトリクス

B2B金融機関向け Ripple →誰でも参加可能、ただし承認は限られたノードに依存する。 Hyper Ledger →限られたメンバーによる、クローズな運用を想定したシステム。 主に金融機関での内部活用を想定。

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出所:http://btcnews.jp/the-blockchain-application-stack/

3)別紙:ブロックチェーン基礎③

Base technology layer

Platform layer

Application・Service layer

全体を俯瞰する為には、事業者の提供するサービスがどのレイヤーに属し、どのようなユーザーをターゲットにして、どのような収益モデルで成り立っているかの理解がまず必要。

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3)別紙:業界事例 内部活用検討(米NASDAQ/USAA)

米NASDAQ OMXグループ 未公開株式市場向けのインフラテクノロジーとして、ブロックチェーンを導入することを最終目標とするブロックチェーン技術イニシアティブを発足。

同社が着目したのはブロックチェーン上に構築されるオープン資産のプロトコル、およびカラードコインのプロトコルだ。2015年後半までに最初のアプリケーションが完成するとしており、同社の未公開株式市場の株式管理機能の強化にまずは用いられるとしている。将来的には、未公開企業の有価証券の発行や管理、取引を効率的に行うことができるようにすると同社は述べた。カラードコインやCounterpartyやOmni上のトークンなど、自由発行ができ、取引履歴がすべてブロックチェーン上に記録されるビットコインプロトコルは証券取引市場との親和性が極めて高い。最近ではゴールドマン・サックス、ズベルバンク、UBS、BNYメロンなど世界中の金融機関がブロックチェーン技術の可能性を模索しており、その中でもNASDAQはいち早くブロックチェーンに可能性を見出し、実行に移したという点で今後の成り行きに多くの期待が持てる。

全米2番手の金融機関USAA ビットコイン技術の利用可能性を測る研究チームを発足

出所:http://btcnews.jp/nasdaq-launched-blockchain-technology-initiative/

USAAはアメリカの元/現役軍人、軍属およびその家族のみを対象とした銀行業、保険業を営むニッチ企業だ。 規模でいえばバンク・オブ・アメリカに次ぐ最大手で1100万を超える顧客と2100億ドルの残高を抱えている。 USAAが業務効率化のためにビットコインの基盤技術であるブロックチェーンの研究をするため研究チームを発足させていることが明らかとなった。同社の技術開発部門マネージングディレクターであるアレックス・マルケス氏は、「企業や銀行、保険、投資会社がブロックチェーン技術を利用することで、バックオフィス業務の分散化に役立てることができるだろう」と、ロイターのインタビューに対して述べた。また、マルケス氏は仮想通貨を直接使用するのではなく、あくまでブロックチェーンのみを利用することに焦点を当てているとし、かなり大規模なチームで取り組んでいると述べた。

出所:http://btcnews.jp/us-usa-usaa-bank-research-blockchain-technology/

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3)別紙:業界事例 顧客サービス活用(独 Fidor銀行 )

業界紙でも特集が組まれるほどの盛り上がりを見せている。

フィドール銀行の取り組み

世界の銀行で初めてリップルプロトコルをサポート フィドール銀行は2009年に誕生したドイツのインターネット銀行である。 決済業務において、「時代遅れで、高コストで、非効率」な決済システムから脱却し「顧客中心の送金サービス」を追求する為、暗号通貨の活用に取り組んでいる。リップルラボと提携しEU圏外でも手数料わずか、0.49ユーロ、秒単位で送金できるサービスを実用化した。

• リップルプロトコルの採用 • ビットコイン取引所のKrakenと提携。 • ドイツのビットコイン取引プラットフォーム「Bitcoin.de」とシステムの統合

リップルとは?

金融機関を対象にした決済プラットフォーム。国際送金のネットワークのSWIFTに代わる次世代決済システムを目指している決済システム。 ドイツのフィドール銀行に続き、アメリカの銀行でも導入に向けた準備が進められている。既存の金融システムと対立しないサービスの提供を目指しているアメリカの暗号通貨ベンチャー企業。CEOのクリス・ラーセンはペイパル創業メンバーの1人。2015年にはリップルラボ、元ホワイトハウスの顧問(Gene Sperlin)を経営陣に迎える。

出所:週刊金融財政事情 2015/6/1号 暗号通貨特集より抜粋

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モデル 根拠ベース 管理者 セキュリティ 地域

法貨 国家の強制力 国家 管理者(政府) 原則自国内

BTC(暗号通貨) 数学的な正しさ なし ※P2P参加者 Proof of work 全世界 ※無国籍通貨

自民党中間報告要旨抜粋 ※2014年6月時点の見解

仮想通貨・暗号通貨と呼ばれていたもの(ビットコインなど)は新しく「価値記録」と定義する。 ※国税庁の考えによると課税区分上はモノとして扱う方針

価値記録には既存の出資法・銀行法・犯収法は適用外。(金融規制の枠外)

消費税・キャピタルゲイン税を方針としているが利用状況、諸外国の対応を踏まえ見直す予定 現状では立法による規制ではなく業界団体による自主規制に委ねる方針

3)別紙:規制動向 国内での法解釈・事業制約の纏め

法貨と暗号通貨の差異

出所:2014年の自民党「ビットコインをはじめとする「価値記録」への対応に関する【中間報告】」

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3)別紙:規制動向 法解釈・事業制約の纏め(直近事例)

仮想通貨の両替を登録制に、政府検討(2015/6/27 )

政府は「ビットコイン」などの仮想通貨と現金を両替する業者に登録制や免許制を導入する検討に入った。具体策として登録制などのほか、両替や送金記録の保存を求めた。仮想通貨はネット取引となるため対面での本人確認が難しく、マイナンバー制度のような国民に割り振った番号などを使った本人確認が必要とした。 財務省や金融庁、警察庁は報告書に沿って制度改正に乗り出す。両替業者をテロ資金対策を盛り込んだ「犯罪収益移転防止法」などの適用対象とする公算が大きい。今は業界の自主規制があるだけで、監督官庁も決める方針だ。

仮想通貨、36カ国・地域で規制 テロ組織の取引停止( 2015/6/12 )

日米欧に中国やインドを加えた36カ国・地域はビットコインなどの仮想通貨の取引に統一の規制を導入する方針だ。仮想通貨と現金を交換する取引所を対象に資金洗浄の疑いがある取引に報告義務を課すことが柱。テロ組織などが仮想通貨を使って資金をやりとりするのを防ぐ狙いだ。日本も金融庁や警察庁などが対応を検討する。 指針が主な対象とするのは、仮想通貨と現金を両替する取引所だ。仮想通貨の利用者は取引所に口座を設け、仮想通貨を現金化することが多い。指針は、テロ組織と疑われる取引があれば当局に報告する仕組みを整えるよう各国に求める。 口座開設時に取引所が証明書で本人確認を徹底することも求める。

出所:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H3L_R10C15A6MM8000/ 日経電子版

出所:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H62_W5A620C1EE8000/ 日経電子版

各国はマネーロンダリング対策など最低限実施すべき取り組みから協力を開始し規制を検討。

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米NY州、ビットコイン規制の最終案 取扱業者に免許制 【ニューヨーク=蔭山道子】米ニューヨーク州の金融サービス局(NYDFS)は3日、ビットコインなどの仮想通貨を取り扱う企業を対象とする免許制導入へ向け、最終案を発表した。仮想通貨に焦点を当てた規制導入は、全米初となる。世界最大規模の金融街を抱える同州の判断は影響力を持つだけに、同様の動きが他州にも広がるかが注目される。今後、同州が採用を公示すれば、規制として効力を持つようになる。 免許取得を義務付けられるのは、仮想通貨の送金・受け取りや、円・ドルといった通貨と仮想通貨の交換を手掛ける企業。仮想通貨の保管・管理業務を手掛ける企業も対象となる。該当企業の財務や仮想通貨取引の状況を当局が把握することで、利用者の資産消失や仮想通貨を利用した違法行為などを防ぐ狙い。 仮想通貨を個人的に売買したり、仮想通貨を利用して物やサービスを購入したりする個人は規制の対象外となる。物やサービスと引き換えに仮想通貨を得る小売企業や、仮想通貨を利用するためのアプリ(応用ソフト)の開発企業なども対象に含まれない。

3)別紙:規制動向 海外事例

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM04H2L_U5A600C1FF1000/

ベンチャーの要望 JADAガイドライン 金融庁イメージ ビットライセンス

規制強度のイメージ ビットライセンスは世界で一番厳しい規制と業界では見られている。日本では自主規制業界団体であるJADAが金融庁や経産省らと協議し、ガイドラインを作成し、マネーロンダリング防止対策や反社会的勢力への対応等を進めている。直近の報道をみると、一定の規制(犯罪収益移転防止法)を設ける動きが進んでいる。

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3)別紙:規制動向 各国におけるビットコイン税制事例

アメリカ(ニューヨーク州) 同ガイドラインによると、ニューヨーク州においては、仮想通貨は”無形資産”にあたり、その購入に売上税はかからないとのこと。 税金がかかる取引というのは、仮想通貨を介して何か物品やサービスの購入がなされたときであり、仮想通貨そのものの取引は、トランザクションのバーターと見なされ、課税対象にはならないということらしい。

出所:http://jp.forexmagnates.com/2015/06/16/%E4%BB%AE%E6%83%B3%E9%80%9A%E8%B2%A8/21127

出所:http://bitantenna.com/2014/12/10/digital-currency-tax-in-new-york-state/

スイス税務当局 ビットコインの消費税免除非課税(2015/6/16)

スイス連邦税務当局は、ビットコインへの消費税(VAT)を適用しないことを決めた。ビットコインの譲渡には商品の運搬やサービスを構成していないことから、消費税は必要ないということだ。これによりスイスではビットコインは外貨と同様の扱いがされるため他の規制が適用される。 つまり、ビットコインのようなデジタル通貨は他の外貨と同様に規制されることになり、ビットコインを扱う際には金融機関として銀行業務の登録やマネーロンダリング対策が必要となる。スペイン、ドイツ、フィンランド、ベルギー、英国を含むヨーロッパの多くの国でも、ビットコインの付加価値税(VAT)を免除している。EUのメンバーではないスイスが独自の原則に基づいて下した今回の決定は、非常に重要な意味がある。

ビットコインを通貨に近い資産と見做し、売買損益にかかる譲渡益税は徴収する方針

欧米を中心とした先進国では法貨とビットコインの交換につては消費税を徴収しない方針

ビットコインとモノ・サービスとの交換に関する課税は各国によって見解がばらばらの状態 22

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3)別紙:国内業界団体概要

一般社団法人 日本価値記録事業者協会 (略称:JADA) 自民党IT戦略特命委員会 資金決済小委員会から2014年6月に発表された「ビットコインをはじめとする「価値記録」への対応に関する【中間報告】」を受けて設立された団体。

概要 登記日: 2014年9月12日 代表理事:bitFlyer 代表取締役 加納裕三 目的:ビジネス環境と利用者保護体制の整備、自主ガイドラインの制定及び施行 主な活動:ガイドライン作成・監査、関係省庁との連携・意見交換、海外団体との情報連携

※出所:http://jada-web.jp/ JADAホームページより引用

参加事業者

賛助会員:デロイト トーマツ コンサルティング、 GMOペイメントゲートウェイ

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