第43回 日本集中治療医学会学術集会 劇症肝炎における 血液...

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  • 劇症肝炎における血液浄化療法

    日 時平成28年 2月12日(金) 12:20~13:20

    会 場第5会場(神戸ポートピアホテル 南館B1階 サファイア)

    《座長》 持田 智 先生埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科

    《演者》 谷口 巧 先生金沢大学医薬保健研究域 周術期管理学(麻酔・蘇生学)

    共催:第43回 日本集中治療医学会学術集会

    第43回 日本集中治療医学会学術集会ランチョンセミナー4

    本セミナーは整理券制です。配布時間・場所につきましては学会ホームページをご参照ください。

  • 劇症肝炎の基本的な病態は、広範におよぶ肝細胞壊死と肝再生不全により高度の肝機能障害を認め、全身臓器にまで障害をきたした状態である。基本的には可逆的な病態であるが、結局、肝再生が不十分なままになることが少なくなく、これ以上再生させる治療法もない状態である。治療は、①原因の究明とその治療、②肝機能の維持、③全身管理と合併症の対応がある。その中でも、肝機能維持を目的として血液浄化療法が治療法の一つとして挙げられている。今回、劇症肝炎において行われている各種の血液浄化療法を取り上げる。従来から行われている血漿交換療法(PE)、血液ろ過透析(HDF)、さらに最近行われている高流量血液ろ過透析(High flow HDF)と我々の施設で開発し施行している持続的血漿ろ過透析(CPDF)について症例を提示し、治療法の長所、短所、施行上の工夫に関して解説していきたい。

    【1. 血漿交換(PE)】PEは患者血液を血漿分離膜で血球成分と血漿成分に分離し、こん睡起因物質を含む血漿成分を破棄するとともに、置換液を補充する血液浄化療法である。置換液としては、新鮮凍結血漿(FFP)を用いることが多い。長所としては、肝性昏睡起因物質の除去が可能であり、肝合成物質の補充も出来るということが挙げられる。短所としては、FFPに添加されているクエン酸ナトリウム負荷による高ナトリウム血症、低カルシウム血症、代謝性アルカローシスといった合併症をきたす。

    【2. 血液ろ過透析(HDF)】HDF はアンモニアなどの小~中分子量のこん睡起因物質の除去および、電解質の補正、水分出納管理に有用であり、PE とともに行われることが多い。単独で行う場合には、肝合成物質の補充目的として、FFP投与が必要となる。患者の状況により、間欠的に行う方法と24時間持続的に行う方法(CHDF)がある。

    【3. 高流量血液ろ過透析(High flow HDF)】劇症肝炎において PE と HDF を組み合わせる方法が患者の状態を改善するが、中には、肝性脳症の増悪、脳浮腫の悪化をきたす症例があることが示され、透析量のさらなる増加を目的に High flow HDF が行われるようになった。High flow HDF により、意識の改善が認められ、PE と High flow HDF を組み合わせる方法が一般的となってきている。さらに、最近、High flow HDF と FFP の補充でも十分有用であるとの報告も認められている。

    【4. 持続的血漿ろ過透析(CPDF)】PE と HDF との組み合わせは、循環動態が不安定な患者では施行することが困難であり、また間欠的に行う場合には終了後より徐々に肝機能の増悪を認めることがある。そのような患者において我々は、PE と CHDF を組み合わせて同時に一つのカラムで24時間持続的に行う方法を考え、CPDF として施行している。CPDF は Evacure EC-2A 膜を用いて、FFP24単位/日を用いた血漿交換と CHDF を同時に行う方法で、循環動態の不安定な患者で PE 等の血液浄化療法でも肝機能の増悪を認める患者において用いている。

    金沢大学 医薬保健研究域 周術期管理学(麻酔・蘇生学)谷口 巧 先生

    劇症肝炎における血液浄化療法

    〒108-6109 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティ B棟9階

    TEL. 03-5769-2656 URL http://www.kawasumi.jp